JPH11203702A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

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JPH11203702A
JPH11203702A JP782698A JP782698A JPH11203702A JP H11203702 A JPH11203702 A JP H11203702A JP 782698 A JP782698 A JP 782698A JP 782698 A JP782698 A JP 782698A JP H11203702 A JPH11203702 A JP H11203702A
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optical disk
error signal
switching
digital filters
learning
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JP782698A
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English (en)
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Junichi Ishibashi
淳一 石橋
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラッキング制御性能を向上させると共にデ
ィスクの欠陥等に対するシステムの頑強性を向上させ、
且つ、製造コストの上昇を招くことなく制御系の処理速
度を改善することのできる学習制御器を設けた光ディス
ク装置を提供する。 【解決手段】 トラッキング制御系を有する光ディスク
装置において、トラッキングエラー信号に混入する外乱
を学習制御する学習制御器1として、複数のディジタル
フィルタ1(1)〜1(N)と、学習制御器1の入力側
及び出力側をフィルタ1(1)〜1(N)の1つずつに
順次切り換えて周期的に接続する切り換え手段4,5と
を備えることにより、各フィルタ1(1)〜1(N)
に、時分割されたトラッキングエラー信号を順次周期的
に担当させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サーボ制御系に
学習制御器を用いた光ディスク装置に関し、特に、サー
ボ制御性能を向上させると共にディスクの欠陥等に対す
るシステムの頑強性を向上させ、且つ、製造コストの上
昇を招くことなくシステムの処理速度を改善できるよう
にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)や光磁気デ
ィスクのようなディスク状光学的記録媒体(以下、光デ
ィスクと総称する)に対して信号の記録や再生を行う光
ディスク装置において、トラッキング制御系やフォーカ
シング制御系のようなサーボ制御系の安定性や速応性を
改善する方法としては、当初は、位相遅れ補償要素・位
相進み補償要素をサーボ制御系に挿入する方法や、フィ
ードバックループをサーボ制御系に追加する方法が採ら
れていた。
【0003】ところで、今日の光ディスクは、記録容量
の増加や記録・再生速度の向上といったニーズを満たす
ために、記録密度が増大の一途をたどっている。記録密
度が大きくなると、トラック間の間隔が狭くなるので、
こうした光ディスクの記録や再生を行う光ディスク装置
では、一層高精度のトラッキング制御を行うことが要求
されるようになる。
【0004】他方、光ディスクのうち、CDでは対物レ
ンズの開口数が0.45に規格化されていたのに対し、
その後に出現したディジタルビデオディスク(DVD)
ではこの開口数が0.6に規格化されている。こうした
開口数の増加の傾向は、今後も更に加速化すると考えら
れる。開口数とはレーザービームを絞り込む角度である
と考えてよいので、開口数が大きくなる程一層きつい角
度でレーザービームを絞り込むことになる。そして、焦
点深度と呼ばれる対物レンズのフォーカシングの許容誤
差範囲は、開口数の2乗に反比例することが知られてい
る。従って、開口数が大きくなるにつれ、光ディスク装
置では、一層高精度のフォーカシング制御を行うことも
要求されるようになる。
【0005】しかるに、こうした高精度のトラッキング
制御やフォーカシング制御を行う際の制御系の安定性や
速応性を維持することは、従来のように位相遅れ補償要
素・位相進み補償要素を挿入する方法やフィードバック
ループを追加する方法では困難であった。
【0006】そこで、トラッキングエラー信号やフォー
カシングエラー信号に混入する外乱を学習制御する(外
乱によるトラッキング制御やフォーカシング制御の制御
偏差を学習効果によって低減する)学習制御器を採用す
ることにより、高精度のトラッキング制御やフォーカシ
ング制御を行う際にも安定性や速応性が維持されるよう
にトラッキング制御性能やフォーカシング制御性能を向
上させた光ディスク装置が登場している。
【0007】この学習制御器は、積分器(ディジタルフ
ィルタ)によって制御偏差を低減するようにしたもので
あり、その原理を説明すると以下の通りである。図7に
示すように、制御系内に積分器31が設けられている
と、制御系に入力するディジタル信号(アナログ信号を
所定のサンプリング周波数でサンプリングした信号)が
ステップ状に変化しても、積分器31の働きにより、オ
フセットなくこのステップ状の入力信号に等しい信号が
制御系から出力するようになる(即ちステップ状の入力
信号に対してオフセットなしに追従するようになる)こ
とが知られている(古典制御)。
【0008】このことは、直感的には次のように把握す
ることができる。積分器31への入力信号(制御系への
入力信号と制御系からの出力信号との差)を制御偏差と
すれば、積分器31はこの制御偏差を積分(加算)し続
けていくので、時間の経過につれて積分器31の出力が
増加する。この積分器31の出力の増加に応じて制御対
象の出力も増加するので、制御対象の出力信号はどんど
んその入力信号に近づいていく。そして、制御対象の出
力信号がその入力信号と等しくなったとき、制御偏差が
0になるので、積分器31では、出力の増加が止まる
(制御対象の出力信号がその入力信号と等しくなったと
きの値を保持する)ようになる。これにより、積分器3
1を設けた制御系では、ステップ状の入力信号に対して
オフセットなしに追従するようになる。
【0009】従って、トラッキング制御系やフォーカシ
ング制御系にこうした学習制御器を設け、所定のサンプ
リング周波数でディジタル変換したトラッキングエラー
信号やフォーカシングエラー信号をこのトラッキング制
御系やフォーカシング制御系に入力させることにより、
外乱の混入したトラッキングエラー信号やフォーカシン
グエラー信号に対してオフセットなしに追従するように
なる。
【0010】従来、このようにして光ディスク装置のサ
ーボ制御系に用いられる学習制御器は、積分器(ディジ
タルフィルタ)を1個のみ有するものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした従来
の学習制御器を用いた光ディスク装置にも、次のような
不都合があった。
【0012】(a)一般に、民生用の光ディスク装置で
は、低コスト化を優先させるために、ディスクの欠陥
(例えば傷)等を原因とする突発的な(周期的でない)
外乱の影響を受けにくいシステムであること、即ちディ
スクの欠陥等に対する頑強性(ロバスト制御性能)を有
するシステムであることが望まれている。これに対し、
従来の学習制御器を用いた光ディスク装置では、一旦こ
うしたディスクの欠陥等を原因とする突発的外乱がトラ
ッキングエラー信号やフォーカシングエラー信号に混入
すると、この突発的外乱による制御偏差が継続して伝搬
されてしまうので、ロバスト制御性能を向上させること
が困難であった。
【0013】(b)また、システムの処理速度を改善す
るためにサンプリング周波数を高くしようとすると、演
算処理速度の大きい(従って高価な)プロセッサで構成
したディジタルフィルタを用いなければならなくなるの
で、製造コストの上昇を招いてしまう。
【0014】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、従来の学習制御器を用いた光ディスク装置における
不都合を解消し、トラッキング制御性能やフォーカシン
グ制御性能を向上させると共にロバスト制御性能を向上
させ、且つ、製造コストの上昇を招くことなく制御系の
処理速度を改善することのできる学習制御器を設けた光
ディスク装置を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
光ディスク装置は、トラッキング制御系を有する光ディ
スク装置において、トラッキングエラー信号に混入する
外乱を学習制御する学習制御器として、複数のディジタ
ルフィルタと、この学習制御器の入力側及び出力側をこ
れら複数のディジタルフィルタの1つずつに順次切り換
えて周期的に接続する切り換え手段とを備えたことを特
徴としている。
【0016】この光ディスク装置では、学習制御器の入
力側及び出力側が、複数のディジタルフィルタ(積分
器)の1つずつに順次切り換えて周期的に接続されるこ
とにより、各ディジタルフィルタが、時分割されたトラ
ッキングエラー信号を順次周期的に担当するようにな
る。
【0017】ここで、トラッキングエラー信号に定常的
に混入する外乱は、ディスクの偏心を原因とする周期的
外乱である。図8Aは、こうした周期的外乱(正確には
周期的外乱の基本波成分)の混入したトラッキングエラ
ー信号(アナログ信号)の一例を示し、同図Bは、同図
Aのアナログ信号をサンプリングして得た信号(ディジ
タル変換したトラッキングエラー信号)の一例を示す。
【0018】従って、このように時分割されたトラッキ
ングエラー信号を順次周期的に担当させることにより、
各ディジタルフィルタに、互いにレベルの異なるステッ
プ状の入力信号を周期的に担当させることができる(例
えば図8Bの例で、時分割された各周期のトラッキング
エラー信号e1〜e10をそれぞれ1個ずつの(合計1
0個の)ディジタルフィルタに担当させることができ
る)。そして、既に述べた原理から、各ディジタルフィ
ルタの働きにより、当該ディジタルフィルタが担当する
ステップ状の入力信号にオフセットなしに追従するよう
になる。これにより、周期的外乱が混入するトラッキン
グエラー信号にオフセットなしに追従するようになるの
で、トラッキング制御性能が非常に向上する。
【0019】しかも、光ディスクの欠陥等を原因とする
周期的でない外乱がトラッキングエラー信号に混入した
場合にも、その外乱の混入した部分のトラッキングエラ
ー信号を担当したディジタルフィルタ以外のディジタル
フィルタは、全くその外乱の影響を受けない。(例えば
図8Bの例でトラッキングエラー信号e1にこうした外
乱が混入したとすると、トラッキングエラー信号e2〜
e10を担当したディジタルフィルタは全くその影響を
受けない。)このように、光ディスクの欠陥等を原因と
する外乱の影響が一部のディジタルフィルタにとどまる
ので、システム全体としてのロバスト制御性能が向上す
る。
【0020】また、このように複数のディジタルフィル
タの1つずつにトラッキングエラー信号を順次担当させ
ることにより、以下に図9を用いて説明するような理由
から、製造コストの上昇を招くことなくシステム全体と
しての処理速度を改善できるようになる。
【0021】図9は、例えば3個のディジタルフィルタ
21〜23を設けた場合の各フィルタの入出力タイミン
グの一例を示すタイムテーブルである。同図には、個々
のディジタルフィルタ21〜23の1回の演算処理には
3単位時間を要しているにもかかわらず、最初のトラッ
キングエラー信号が時刻t0にディジタルフィルタ21
に入力した後再度このディジタルフィルタ21にトラッ
キングエラー信号が入力した時刻t3以降(即ち2周期
目以降)は、1単位時間毎にディジタルフィルタ21,
22,23から順次信号が出力される(1単位時間でシ
ステムが回る)様子が表れている。この場合には、トラ
ッキングエラー信号をディジタル変換する際のサンプリ
ング周期は、最低1単位時間で足りるようになる。
【0022】これに対し、従来のようにこれらのディジ
タルフィルタ21〜23のうちの1個のみしか設けなか
った場合には、3単位時間毎にしかそのディジタルフィ
ルタから信号が出力されない(3単位時間でしかシステ
ムが回らない)ので、サンプリング周期として最低でも
3単位時間が必要となる。
【0023】従って、図9の例の場合には、複数のディ
ジタルフィルタとしてそれぞれ演算処理速度の小さい
(従って安価な)プロセッサで構成したディジタルフィ
ルタを用いても、サンプリング周波数を従来よりも高く
する(従ってシステム全体としての処理速度を改善す
る)ことができる。
【0024】図9の例では3個のディジタルフィルタを
設けているが、ディジタルフィルタの個数を増加させる
程このサンプリング周波数を高くすることができるのは
もちろんである。このようにして、演算処理速度の大き
いプロセッサで構成したディジタルフィルタを用いるこ
となく(従って製造コストの上昇を招くことなく)、シ
ステム全体としての処理速度を改善できるようになる。
【0025】次に、本発明の請求項2に係る光ディスク
装置は、フォーカシング制御系を有する光ディスク装置
において、フォーカシングエラー信号に混入する外乱を
学習制御する学習制御器として、複数のディジタルフィ
ルタと、この学習制御器の入力側及び出力側をこれら複
数のディジタルフィルタの1つずつに順次切り換えて周
期的に接続する切り換え手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0026】この光ディスク装置でも、請求項1に係る
光ディスク装置と全く同様に、各ディジタルフィルタ
が、時分割されたフォーカシングエラー信号を順次周期
的に担当するようになる。
【0027】そして、フォーカシングエラー信号に定常
的に混入する外乱も、やはりディスクの面振れを原因と
する周期的外乱である。従って、請求項1に係る光ディ
スク装置について既に説明したのと全く同じ理由から、
やはり周期的外乱が混入するフォーカシングエラー信号
にオフセットなしに追従するようになるので、フォーカ
シング制御性能が非常に向上するようになる。
【0028】しかも、光ディスクの欠陥等を原因とする
周期的でない外乱がフォーカシングエラー信号に混入し
た場合にも、やはりその周期的でない外乱の影響が一部
のディジタルフィルタにとどまるので、システム全体と
してロバスト制御性能が向上するようになる。
【0029】また、請求項1に係る光ディスク装置につ
いて既に説明したのと全く同じ理由から、複数のディジ
タルフィルタとしてそれぞれ演算処理速度の小さい(従
って安価な)プロセッサで構成したディジタルフィルタ
を用いてもやはりシステム全体 としての処理速度を改
善できるので、製造コストの上昇を招くことなくシステ
ム 全体としての処理速度を改善できるようになる。
【0030】尚、これらの請求項1,2に係る光ディス
ク装置において、学習制御器の複数のディジタルフィル
タは、べき乗関数の特性を有するものであることが好適
である。そうすることにより、これらのディジタルフィ
ルタにおいて、過去に入力した制御偏差に対してその後
に入力した制御偏差のほうの評価が指数関数的に高くな
るように(即ち過去に入力した制御偏差の評価が急激に
低くなるように)重み付けされて積分が行われる。
【0031】従って、光ディスクの欠陥等を原因とする
周期的でない外乱が混入した部分の信号(例えば図8B
のトラッキングエラー信号e1)を担当したディジタル
フィルタにおいても、それ以降の制御偏差が加算されて
いくことにより、その周期的でない外乱による制御偏差
の割合が時間の経過につれて急激に小さくなる(即ち周
期的でない外乱による制御偏差が継続して伝搬されるこ
とがなくなる)。これにより、ロバスト制御性能が一層
向上するようになる。
【0032】また、これらの光ディスク装置において、
光ディスクの回転に同期した信号を発生する手段を備
え、この信号に基づいて切り換え手段による切り換えを
行うようにすることが好適である。
【0033】その理由は、次の通りである。前述のよう
に、トラッキングエラー信号やフォーカシングエラー信
号に定常的に混入する外乱は光ディスクの偏心や面振れ
を原因とする周期的外乱であり、こうした周期的外乱の
周期は光ディスクの回転数に対応している(より正確に
は、周期的外乱の基本波成分の周期がディスクの回転周
期に一致すると共に、周期的外乱にはこの基本波の高次
高調波成分が含まれる)。
【0034】その結果、切り換え手段による切り換えの
周期が固定されている場合には、或る一定の回転数に対
応した1通りの周期の周期的外乱による制御偏差しか低
減されないので、現在のディスクの回転数がこの一定の
回転数と相違していると、偏心や面振れを原因とする周
期的外乱による制御偏差が低減されなくなることによ
り、周期的外乱が混入するトラッキングエラー信号やフ
ォーカシングエラー信号にオフセットなしに追従しなく
なる。
【0035】これに対し、ディスクの回転に同期した信
号に基づいて切り換え手段による切り換えを行うように
した場合には、常に現在の回転数に対応した周期の周期
的外乱による制御偏差が低減されるので、回転数の変動
にかかわらず常に偏心や面振れを原因とする周期的外乱
による制御偏差が低減される(偏心や面振れを原因とす
る周期的外乱が混入するトラッキングエラー信号やフォ
ーカシングエラー信号に常にオフセットなしに追従す
る)ようになる。これにより、トラッキング制御性能や
フォーカシング制御性能が一層向上するようになる。
【0036】光ディスクのうち、例えばCDでは、線速
度一定で回転させることにより内周側のトラックの再生
時と外周側のトラックの再生時とで回転数を変化させる
ようになっている。このように回転数が一定でない光デ
ィスクの記録や再生を行う光ディスク装置にとっては、
常に現在の回転数に対応した周期の周期的外乱による制
御偏差が低減されることは、特に望ましいことである。
【0037】また、ディスクの回転数を変化させない
(一定の角速度で回転させる)光ディスクの記録や再生
を行う光ディスク装置でも、実際にはモータの回転むら
を原因としてディスクの回転数が或る程度変動してしま
うので、常に現在の回転数に対応した周期の周期的外乱
による制御偏差が低減されることは、やはり望ましいこ
とである。
【0038】尚、例えば光磁気ディスクのように所定周
波数でウォブリングされたグルーブまたはアドレス情報
を記録したピットアドレス部を有する光ディスクの記録
や再生を行う光ディスク装置では、前述のように光ディ
スクの回転に同期した信号を発生する手段を設ける代わ
りに、このグルーブまたはピットアドレス部から再生さ
れたアドレス情報に基づいて切り換え手段による切り換
えを行うようにしてもよい。
【0039】これらのアドレス情報もディスクの回転に
同期して再生されるので、このアドレス情報に基づいて
切り換えを行うことにより、やはり、回転数の変動にか
かわらず、ディスクの偏心や面振れを原因とする周期的
外乱が混入するトラッキングエラー信号やフォーカシン
グエラー信号に常にオフセットなしに追従するようにな
る。しかも、光ディスクの回転に同期した信号を発生す
る手段を設けなくて済むので、この点からも製造コスト
の上昇が抑えられる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る光ディスク
装置のトラッキング制御系の一例を示すブロック図であ
る。このトラッキング制御系は、学習制御器1と、動特
性補償器2と、トラッキングアクチュエータ3とを含ん
でいる。動特性補償器2は、この制御系の動特性の設定
を行うためのものであり、例えば周知の位相進み補償要
素で構成されている。
【0041】学習制御器1の構成の一例を示すと、図2
の通りである。学習制御器1は、それぞれディジタルシ
グナルプロセッサ(DSP)から成る(または汎用のマ
イクロプロセッサを用いて実現した)N個(Nは2以上
の適宜の整数)の並列的なディジタルフィルタ1(1)
〜1(N)(R1(z)〜RN(z)はこれらのディジ
タルフィルタの伝達関数である)と、学習制御器1の入
力側,出力側をそれぞれディジタルフィルタ1(1)〜
1(N)のいずれか1つに切り換えて接続させるための
入力側スイッチ4,出力側スイッチ5とを含んでいる。
【0042】図3は個々のディジタルフィルタ1(1)
〜1(N)における処理を示す機能ブロック図であり、
aは乗算器の係数(タップ係数)、zは遅延素子の単位
遅延時間である。同図からも理解されるように、個々の
ディジタルフィルタ1(1)〜1(N)における処理内
容は僅かなものなので、これらのディジタルフィルタ1
(1)〜1(N)は小規模な構成のもので足りる。図4
は、図2における伝達関数R1(z)〜RN(z)を図
3との関係で具体的に表したものである。
【0043】この光ディスク装置には、光ディスク(図
示せず)の回転角度位置を検出するエンコーダ(図示せ
ず)と、このエンコーダの出力信号を用いて一定回転角
度(360/N度)毎に反転するクロック信号を作成す
るクロック信号発生回路(図示せず)とが設けられてお
り、このクロック信号が入力側スイッチ4,出力側スイ
ッチ5に切り換え制御信号として与えられる。
【0044】入力側スイッチ4,出力側スイッチ5は、
このクロック信号が反転する毎に学習制御器1の入力
側,出力側に接続するディジタルフィルタを1(1),
1(2),…と順次切り換えていき、1(N)に達する
と1(1)に戻って1(1),1(2),…という切り
換えを繰り返すものである。
【0045】これにより、学習制御器1の入力側及び出
力側は、図5に示すように、光ディスクの現在の回転周
期Tを繰り返し周期として、ディジタルフィルタ1
(1)〜1(N)の1つずつに順次切り換えて周期的に
接続されるようになるので、各ディジタルフィルタ1
(1)〜1(N)が、時分割されたトラッキングエラー
信号を順次周期的に担当するようになる。(同図では、
この繰り返し周期内で各フィルタ1(1)〜1(N)が
時分割されたトラッキングエラー信号を担当する期間
を、当該フィルタの伝達関数(図2参照)で表してい
る。また、同図の波形は、一回転周期T内での光ディス
クの偏心量の推移を示す。)尚、入力側スイッチ4,出
力側スイッチ5は、電子的な切り換えを行うハードウェ
ア(例えばマルチプレクサ)とソフトウェアとのいずれ
によって実現してもよい。
【0046】このトラッキング制御系の動作を、各ディ
ジタルフィルタ1(1)〜1(N)の乗算係数aの値を
a=1に設定した場合とa<1に設定した場合とに分け
て、以下に説明する。
【0047】〔a=1の場合〕学習制御器1の入力側及
び出力側が、入力側スイッチ4,出力側スイッチ5によ
り各ディジタルフィルタ1(1)〜1(N)の1つずつ
に順次切り換えて周期的に接続されることにより、各デ
ィジタルフィルタ1(1)〜1(N)が、時分割された
トラッキングエラー信号を順次周期的に担当するように
なる。そして、前述のように入力側スイッチ4,出力側
スイッチ5による切り換えの繰り返し周期が光ディスク
の現在の回転周期に一致することから、この繰り返し周
期は、ディスクの偏心を原因としてトラッキングエラー
信号に現在混入している周期的外乱の周期(正確にはそ
の基本波の周期)と常に一致するようになる。
【0048】これにより、既に説明したような理由か
ら、このトラッキング制御系では、回転数の変動にかか
わらず、ディスクの偏心を原因とする周期的外乱が混入
するトラッキングエラー信号に常にオフセットなしに追
従するようになるので、トラッキング制御性能の非常な
向上が実現される。
【0049】しかも、光ディスクの欠陥等を原因とする
周期的でない外乱がトラッキングエラー信号に混入した
場合にも、その周期的でない外乱の混入した部分のトラ
ッキングエラー信号が例えばディジタルフィルタ1
(1)に時分割されて入力されたとすると、それ以外の
ディジタルフィルタ1(2)〜1(N)は全くその周期
的でない外乱の影響を受けない。このように、光ディス
クの欠陥等を原因とする周期的でない外乱の影響が一部
のディジタルフィルタにとどまるので、システム全体と
してのロバスト制御性能の向上が実現される。
【0050】また、既に図9を用いて説明したような理
由から、各ディジタルフィルタ1(1)〜1(N)とし
てそれぞれ演算処理速度の小さい(従って安価な)プロ
セッサで構成したディジタルフィルタを用いてもトラッ
キング制御系全体としての処理速度が改善されるので、
製造コストの上昇を招くことなくシステム全体としての
処理速度が改善されるようになる。
【0051】〔a<1の場合〕この場合にも、a=1の
場合と全く同じく、トラッキング制御性能の非常な向上
が実現されると共にシステム全体としてのロバスト制御
性能の向上が実現され、且つ、製造コストの上昇を招く
ことなくシステム全体としての処理速度を改善すること
ができる。
【0052】更に、この場合には、各ディジタルフィル
タ1(1)〜1(N)がべき乗関数の特性を有するよう
になるので、ディジタルフィルタ1(1)〜1(N)に
おいて、過去に入力した制御偏差に対してその後に入力
した制御偏差のほうの評価が指数関数的に高くなるよう
に(即ち過去に入力した制御偏差の評価が急激に低くな
るように)重み付けされて積分が行われる。
【0053】従って、ディジタルフィルタ1(2)〜1
(N)のうち、光ディスクの欠陥等を原因とする周期的
でない外乱が混入した部分のトラッキングエラー信号が
過去に入力されたディジタルフィルタにおいても、それ
以降の制御偏差が加算されていくことにより、その周期
的でない外乱による制御偏差の割合が時間の経過につれ
て急激に小さくなる(即ち周期的でない外乱による制御
偏差が継続して伝搬されることがなくなる)。これによ
り、ロバスト制御性能の一層の向上が実現される。
【0054】そして、この重み付けにおける過去の制御
偏差の評価と現在の制御偏差の評価との割合は、aの値
をa<1の範囲内で変化させることにより所望の割合に
調整することが可能である。
【0055】次に、図6は、本発明に係る光ディスク装
置のフォーカシング制御系の一例を示すブロック図であ
る。このフォーカシング制御系は、学習制御器11と、
動特性補償器12と、フォーカシングアクチュエータ1
3とを含んでいる。この学習制御器11の構成や動作は
前述の学習制御器1と全く同様であってよいので、その
説明は省略する。
【0056】こうした学習制御器11を設けることによ
り、やはり、回転数の変動にかかわらず、ディスクの面
振れを原因とする周期的外乱が混入するフォーカシング
エラー信号に常にオフセットなしに追従するようになる
ので、フォーカシング制御性能の非常な向上が実現され
る。しかもやはり、システム全体としてのロバスト制御
性能の向上が実現され、且つ、製造コストの上昇を招く
ことなくシステム全体としての処理速度が改善される。
また、学習制御器11の各ディジタルフィルタにべき乗
関数の特性を持たせた場合には、やはりロバスト制御性
能の一層の向上が実現される。
【0057】尚、以上の例では、入力側スイッチ4,出
力側スイッチ5による切り換えを、光ディスクの回転角
度位置を検出するエンコーダの出力信号から作成した一
定回転角度毎に反転するクロック信号を用いて行ってい
る。しかし、これに限らず、光ディスクの回転に同期し
た信号を発生するエンコーダ以外の適宜の手段を設け、
その信号に基づいて入力側スイッチ4,出力側スイッチ
5による切り換えを行うようにしてもよい。
【0058】あるいは、例えば光磁気ディスクのように
所定周波数でウォブリングされたグルーブまたはアドレ
ス情報を記録したピットアドレス部を有する光ディスク
の記録や再生を行う光ディスク装置では、エンコーダの
ような光ディスクの回転に同期した信号を発生する手段
を設ける代わりに、このグルーブまたはピットアドレス
部から再生されたアドレス情報に基づいて入力側スイッ
チ4,出力側スイッチ5による切り換えを行うようにし
てもよい。
【0059】これらのアドレス情報もディスクの回転に
同期して再生されるので、このアドレス情報に基づいて
切り換えを行うことにより、やはり、回転数の変動にか
かわらず、ディスクの偏心や面振れを原因とする周期的
外乱が混入するトラッキングエラー信号やフォーカシン
グエラー信号に常にオフセットなしに追従するようにな
る。しかも、エンコーダ等の光ディスクの回転に同期し
た信号を発生する手段を設けなくて済むので、この点か
らも製造コストの上昇が抑えられる。
【0060】また、例えばディスクの回転数を変化させ
ない(一定の角速度で回転させる)光ディスクの記録や
再生を行う光ディスク装置においてモータの回転むらを
原因とするディスクの回転数の変動を無視してよいよう
な場合等には、例えば装置内の各部の動作のタイミング
を制御するためのシステムクロックのような一定周波数
の信号に基づいて入力側スイッチ4,出力側スイッチ5
による切り換えを行うことにより、この切り換えの繰り
返し周期を固定するようにしてもよい。
【0061】また、本発明は、以上の例に限らず、本発
明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとり
うることはもちろんである。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
光ディスク装置によれば、複数のディジタルフィルタの
1つずつが、時分割されたトラッキングエラー信号を順
次周期的に担当することにより、周期的外乱が混入する
トラッキングエラー信号にオフセットなしに追従するよ
うになるので、トラッキング制御性能が非常に向上する
ようになる。
【0063】しかも、光ディスクの欠陥等を原因とする
周期的でない外乱がトラッキングエラー信号に混入した
場合にも、その周期的でない外乱の影響が一部のディジ
タルフィルタにとどまるので、システム全体としてロバ
スト制御性能が向上するようになる。
【0064】また、複数のディジタルフィルタとしてそ
れぞれ演算処理速度の小さい(従って安価な)プロセッ
サで構成したディジタルフィルタを用いてもシステム全
体としての処理速度を改善できるので、製造コストの上
昇を招くことなくシステム全体 としての処理速度を改
善できるようになる。
【0065】次に、本発明の請求項2に係る光ディスク
装置によれば、複数のディジタルフィルタの1つずつ
が、時分割されたフォーカシングエラー信号を順次周期
的に担当することにより、やはり周期的外乱が混入する
フォーカシングエラー信号にオフセットなしに追従する
ようになるので、フォーカシング制御性能が非常に向上
するようになる。
【0066】しかも、光ディスクの欠陥等を原因とする
周期的でない外乱がフォーカシングエラー信号に混入し
た場合にも、やはりその周期的でない外乱の影響が一部
のディジタルフィルタにとどまるので、システム全体と
してロバスト制御性能が向上するようになる。
【0067】また、複数のディジタルフィルタとしてそ
れぞれ演算処理速度の小さい(従って安価な)プロセッ
サで構成したディジタルフィルタを用いてもシステム全
体としての処理速度を改善できるので、やはり製造コス
トの上昇を招くことなくシステ ム全体としての処理速
度を改善できるようになる。
【0068】尚、これらの光ディスク装置において、学
習制御器の複数のディジタルフィルタをべき乗関数の特
性を有するものとした場合には、過去に入力した制御偏
差に対してその後に入力した制御偏差のほうの評価が指
数関数的に高くなるように重み付けされて積分が行われ
るので、光ディスクの欠陥等を原因とする周期的でない
外乱が混入した部分のトラッキングエラー信号やフォー
カシングエラー信号が過去に入力されたディジタルフィ
ルタにおいても、その周期的でない外乱による制御偏差
の割合が時間の経過につれて急激に小さくなる(即ち周
期的でない外乱による制御偏差が継続して伝搬されるこ
とがなくなる)。これにより、ロバスト制御性能が一層
向上するようになる。
【0069】また、これらの光ディスク装置において、
光ディスクの回転に同期した信号を発生する手段を備
え、この信号に基づいて切り換え手段による切り換えを
行うようにした場合には、回転数の変動にかかわらず、
偏心や面振れを原因とする周期的外乱が混入するトラッ
キングエラー信号やフォーカシングエラー信号に常にオ
フセットなしに追従するようになるので、トラッキング
制御性能やフォーカシング制御性能が一層向上するよう
になる。
【0070】また、例えば光磁気ディスクのように所定
周波数でウォブリングされたグルーブまたはアドレス情
報を記録したピットアドレス部を有する光ディスクの記
録や再生を行う光ディスク装置において、光ディスクの
回転に同期した信号を発生する手段を設ける代わりに、
このグルーブまたはピットアドレス部から再生されたア
ドレス情報に基づいて切り換え手段による切り換えを行
うようにした場合には、、やはり回転数の変動にかかわ
らず偏心や面振れを原因とする周期的外乱が混入するト
ラッキングエラー信号やフォーカシングエラー信号に常
にオフセットなしに追従するようになると共に、光ディ
スクの回転に同期した信号を発生する手段を設けなくて
済むのでこの点からも製造コストの上昇が抑えられるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置のトラッキング制
御系の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の学習制御器1の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図3】図2の個々のディジタルフィルタ1(1)〜1
(N)における処理を示す機能ブロック図である。
【図4】図2におけるディジタルフィルタ1(1)〜1
(N)の伝達関数を具体的に表した図である。
【図5】ディジタルフィルタ1(1)〜1(N)の切り
換えの繰り返し周期の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る光ディスク装置のフォーカシング
制御系の一例を示すブロック図である。
【図7】学習制御器の原理の説明に供するブロック図で
ある。
【図8】周期的外乱の混入したトラッキングエラー信号
の一例を示す図である。
【図9】複数のディジタルフィルタの入出力タイミング
の一例を示すタイムテーブルである。
【符号の説明】
1,11…学習制御器、 1(1)〜1(N)…ディジ
タルフィルタ、 2,12…動特性補償器、 3…トラ
ッキングアクチュエータ、 4…入力側スイッチ、 5
…出力側スイッチ、 13…フォーカシングアクチュエ
ータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラッキング制御系を有する光ディスク
    装置において、 トラッキングエラー信号に混入する外乱を学習制御する
    学習制御器として、 複数のディジタルフィルタと、 前記学習制御器の入力側及び出力側を前記複数のディジ
    タルフィルタの1つずつに順次切り換えて周期的に接続
    する切り換え手段とを備えたことを特徴とする光ディス
    ク装置。
  2. 【請求項2】 フォーカシング制御系を有する光ディス
    ク装置において、 フォーカシングエラー信号に混入する外乱を学習制御す
    る学習制御器として、 複数のディジタルフィルタと、 前記学習制御器の入力側及び出力側を前記複数のディジ
    タルフィルタの1つずつに順次切り換えて周期的に接続
    する切り換え手段とを備えたことを特徴とする光ディス
    ク装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の光ディスク装
    置において、 前記複数のディジタルフィルタは、べき乗関数の特性を
    有することを特徴とする光ディスク装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光デ
    ィスク装置において、 光ディスクの回転に同期した信号を発生する手段を備
    え、前記信号に基づいて前記切り換え手段による切り換
    えを行うようにしたことを特徴とする光ディスク装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光デ
    ィスク装置において、 光ディスク上の所定周波数でウォブリングされたグルー
    ブから再生されたアドレス情報に基づいて前記切り換え
    手段による切り換えを行うようにしたことを特徴とする
    光ディスク装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光デ
    ィスク装置において、 光ディスク上のアドレス情報を記録したピットアドレス
    部から再生されたアドレス情報に基づいて前記切り換え
    手段による切り換えを行うようにしたことを特徴とする
    光ディスク装置。
JP782698A 1998-01-19 1998-01-19 光ディスク装置 Abandoned JPH11203702A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7116607B2 (en) 2001-09-03 2006-10-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method of removing disturbances during optical recording and/or reproducing

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7116607B2 (en) 2001-09-03 2006-10-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method of removing disturbances during optical recording and/or reproducing

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