JPH11206171A - ブラシレス直流モータ及びブラシレス直流モータの駆動制御方法 - Google Patents

ブラシレス直流モータ及びブラシレス直流モータの駆動制御方法

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JPH11206171A
JPH11206171A JP10018073A JP1807398A JPH11206171A JP H11206171 A JPH11206171 A JP H11206171A JP 10018073 A JP10018073 A JP 10018073A JP 1807398 A JP1807398 A JP 1807398A JP H11206171 A JPH11206171 A JP H11206171A
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利夫 稲治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動トランジスタでの電力損失を小さく
抑えた状態で固定子巻線の相切換を滑らかに行うことに
より、振動・騒音の少ない、電力効率に優れたブラシレ
ス直流モータを提供すること。 【解決手段】 第1の駆動トランジスタ群5aの動作電
圧が第1の基準電圧発生手段9の基準電圧E1に等しく
なるように第2の駆動トランジスタ群5bを制御し、第
2の駆動トランジスタ群5bの動作電圧が第2の基準電
圧発生手段10の基準電圧E2に等しくなるように電圧
変換手段4の直流出力電圧を制御する。駆動トランジス
タ群の動作電圧を位置信号合成手段40の複数相の位置
信号とホール素子1,2,3のバッファ増幅器31,3
2,33の整形信号に応じて変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレス直流モ
ータに関し、特に電源から供給される電力を効率よく利
用するようにしたブラシレス直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流モータはブラシ付の直流
モータに比べると、機械的接点を持たないため長寿命で
あると同時に電気的雑音も少ない。この利点のため、近
年では高信頼性が要求される産業用機器や映像・音響機
器に広くブラシレス直流モータが使用されている。
【0003】従来のブラシレス直流モータにおいては、
出力電圧が一定の直流電源から供給される電圧を電圧制
御トランジスタなどを用いて可変制御し、例えば回転速
度に応じた電圧をモータに供給していた。したがって、
モータ駆動に利用される有効電圧は常に直流電源の電圧
よりも低く、直流電源電圧と実際にモータに供給される
電圧との差はほとんど電圧制御トランジスタのコレクタ
損失(熱損失)となり、その結果、電力効率を低下させ
ていた。
【0004】ブラシレス直流モータの電力効率を向上す
るために、電圧制御トランジスタをスイッチング制御す
ることにより電圧制御トランジスタのコレクタ損失を低
減する方法がいくつか提案されている。
【0005】そのうちの一例では、直流電源の一端と固
定子巻線の電流給電端子との間の電流路を形成する第1
の駆動トランジスタ群を、電流指令と位置信号に応じて
電流制御する。そして、直流電源の他端と電流給電端子
との間の電流路を形成する第2の駆動トランジスタ群
を、第1の駆動トランジスタ群の動作電圧の最小電圧が
所定の基準電圧に等しくなるように制御する。さらに電
圧制御用のスイッチングトランジスタを、第2の駆動ト
ランジスタ群の動作電圧が所定の基準電圧に等しくなる
ようにオン・オフ制御する。このようにして、モータに
供給される電圧が制御される。このような制御を行うこ
とにより、モータの電力効率を大幅に改善している(例
えば、特開昭58−198189公報参照)。
【0006】上記のような構成は、エミッタを共通接続
した差動トランジスタのベース入力に位置信号を与えて
差動切換を行うので、固定子巻線の駆動電流は安定に切
換えられる。しかし、固定子巻線に流れる駆動電流は通
電幅が電気角でほぼ120度の矩形波状となり、急峻に
オン・オフされる。このため、振動・騒音を発生しやす
くなる。
【0007】固定子巻線の相切換を滑らかに行うため
に、ある相から次の相に電流切換を行う際、2相に同時
に電流を通電させる期間が存在する、いわゆるオーバラ
ップ駆動を行う方法がある(例えば、特開昭62−22
1894号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
て、第1及び第2の駆動トランジスタ群をオーバラップ
駆動し、電力効率を向上するため(電力損失を低減する
ため)に第1及び第2の駆動トランジスタ群のエミッタ
・コレクタ間の残り電圧を低減してトランジスタの動作
電圧を低減すると、今度は電流切換が滑らかに行われ
ず、駆動電流波形に歪みが発生し、この状態でモータを
駆動すると振動・騒音を発生する(この問題の詳細につ
いては、後述する発明の実施の形態の中で図7を用いて
説明を加える)。すなわち、滑らかな駆動電流の相切換
と電力損失の低減とを両立させるのは困難である。
【0009】本発明は上述のような従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、振動・騒音が少なく、かつ電力
効率に優れたブラシレス直流モータを提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のブラシ
レス直流モータの発明は、複数の磁極を有する回転子
と、複数相の固定子巻線と、前記回転子の回転位置を検
出するための複数のホール素子と、前記複数のホール素
子の出力から複数相の位置信号を生成する位置信号合成
手段と、直流電源から可変出力の直流電圧を得る電圧変
換手段と、前記電圧変換手段の出力端子対の一方と前記
固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成する
複数のトランジスタを含む第1の駆動トランジスタ群
と、前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号及
び前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動
トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第1の分配
制御手段と、前記電圧変換手段の出力端子対の他方と前
記固定子巻線の各相の給電端子との間の電流路を形成す
る複数のトランジスタを含む第2の駆動トランジスタ群
と、前記位置信号合成手段の出力に応じて前記第1の駆
動トランジスタ群の最小動作電圧が第1の基準電圧に一
致するように前記第2の駆動トランジスタ群に流れる電
流を分配制御する第2の分配制御手段と、前記第2の駆
動トランジスタ群の最小動作電圧が第2の基準電圧に一
致するように前記電圧変換手段の出力電圧を制御する電
圧制御手段とを備え、前記第1及び第2の基準電圧は、
前記第1及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞ
れ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相
に同時に電流が流れる相切換通電状態のほうが、1相に
のみ電流が流れる1相通電状態より大きく、かつ、その
大きさが前記回転子の回転速度に応じて変化するように
構成されている。
【0011】このような構成により、第1の駆動トラン
ジスタ群及び第2の駆動トランジスタ群を構成するそれ
ぞれの複数の駆動トランジスタにおいて、駆動電流の相
切換が行われている相切換期間では、対応する駆動トラ
ンジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧を位置信号
合成手段の出力する複数相の位置信号と回転子の回転速
度に応じて高めに切換えて駆動トランジスタの飽和を防
止し、その一方、駆動電流の相切換の完了している1相
通電期間では、駆動電流を流している駆動トランジスタ
のエミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ低く設
定することができる。
【0012】したがって、1相通電期間では駆動トラン
ジスタでの電力損失を低く抑えることができ、一方、相
切換期間では、駆動トランジスタに十分な動作電圧が与
えられることから駆動電流の相切換が滑らかに行われ、
モータの振動・騒音がきわめて低減される。このように
して、振動・騒音が少なく、かつ、電力効率に優れたブ
ラシレス直流モータを実現することができる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載のブ
ラシレス直流モータにおいて、前記第1及び第2の基準
電圧は、前記第1及び第2の駆動トランジスタ群におい
てそれぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行
われ2相に同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相
にのみ電流が流れる1相通電状態より大きく、その大き
さは前記回転子の回転速度に略比例して連続的に大きく
なるよう構成とした。
【0014】これにより、モータの高速回転にともなっ
て生じるリップル分を小さくして、より滑らかな相切換
を行うことができる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1記載のブ
ラシレス直流モータにおいて、前記第1及び第2の基準
電圧が連続的に変化し、前記相切換通電状態では2相に
流れる電流を略等しくなる時点を頂点とする三角波状に
変化させる構成とした。
【0016】この構成では、相切換通電状態で高めに切
換える第1及び第2の基準電圧を対称的な三角波状に変
化させるので、固定子巻線に誘起される逆起電力の影響
を低減して駆動電流の相切換動作をさらに滑らかに行う
ことができ、したがって、ブラシレス直流モータの駆動
時の振動・騒音を一層低減することができる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1記載のブ
ラシレス直流モータにおいて、前記第1及び第2の基準
電圧が前記固定子巻線への電流供給を指令する指令信号
に応じて変化する構成とした。
【0018】固定子巻線への電流供給の大小変化に応じ
て第1及び第2の基準電圧を変えるため、駆動電流の変
化にかかわらず、常に電流切換が滑らかに行われ、駆動
電流の波形歪みを発生しない状態でモータを駆動するこ
とができる。その結果、電力効率に優れ、かつ振動・騒
音が少ない効果が一層高まる。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1記載のブ
ラシレス直流モータにおいて、前記位置信号合成手段
は、前記複数のホール素子の各出力を増幅する複数のバ
ッファ増幅器と、前記複数のバッファ増幅器の各出力の
差を生成する複数の減算回路とから構成され、前記第1
及び第2の基準電圧は、前記位置信号合成手段が出力す
る複数相の位置信号と前記バッファ増幅器の出力を波形
整形した整形信号とから生成されるようにした。
【0020】これにより、簡単な回路構成で第1及び第
2の基準電圧を生成することができる。
【0021】請求項6記載のブラシレス直流モータの発
明は、複数の磁極を有する回転子と、複数相の固定子巻
線と、前記回転子の回転位置を検出するための複数のホ
ール素子と、前記複数のホール素子の出力から複数相の
位置信号を生成する位置信号合成手段と、直流電源から
可変出力の直流電圧を得る電圧変換手段と、前記電圧変
換手段の出力端子対の一方と前記固定子巻線の各相の給
電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを
含む第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子巻線への
電流供給を指令する指令信号及び前記位置信号合成手段
の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群に流れる
電流を分配制御する第1の分配制御手段と、前記電圧変
換手段の出力端子対の他方と前記固定子巻線の各相の給
電端子との間の電流路を形成する複数のトランジスタを
含む第2の駆動トランジスタ群と、前記位置信号合成手
段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群の最小
動作電圧が第1の基準電圧に一致するように前記第2の
駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御する第2の
分配制御手段と、前記第2の駆動トランジスタ群の最小
動作電圧が第2の基準電圧に一致するように前記電圧変
換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段と、を備え、
前記第1及び前記第2の基準電圧は、前記第1及び第2
の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子巻線の1
相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に流れる相
切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れる1相通
電状態より大きく、かつ、少なくとも前記回転子を高速
で回転させるときには、前記電圧変換手段の出力電圧の
波形が略平坦になるように前記第1の基準電圧と第2の
基準電圧の大きさを変化させるようにした。
【0022】これにより、高速回転時においても、駆動
電流の相切換動作が波形歪みなしに滑らかに行われるの
で、振動,騒音が非常に少ないモータ駆動が実現され
る。
【0023】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
ブラシレス直流モータの発明において、高速回転時にお
ける前記第1及び第2の基準電圧のレベルを低速回転時
のレベルよりも高くするようにした。
【0024】この構成により、高速回転時においても、
前記電圧変換手段の出力電圧(トランジスタ群の動作電
圧)のリップル分がきわめて抑制され、平坦な波形が得
られる。
【0025】請求項8記載の発明は、請求項6のブラシ
レス直流モータの発明において、前記第1及び第2の基
準電圧が連続的に変化し、前記相切換通電状態では2相
に流れる電流が略等しくなる時点を頂点とする三角波状
に変化する構成とした。
【0026】この三角波状の基準電圧のレベルを最適化
することによって、固定子巻線に生じる逆起電力の影響
を低減して、なめらかな相切換を行うことができる。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項6記載のブ
ラシレス直流モータの発明において、前記第1及び第2
の基準電圧が前記固定子巻線への電流供給を指令する指
令信号に応じて変化する構成とした。
【0028】これにより、固定子巻線への電流供給の大
小変化に応じて第1及び第2の基準電圧を変えるため、
駆動電流の変化にかかわらず、常に電流切換が滑らかに
行われ、駆動電流の波形歪みを発生しない状態でモータ
を駆動することができる。
【0029】請求項10記載の発明は、請求項6記載の
ブラシレス直流モータの発明において、前記位置信号合
成手段は、前記複数のホール素子の各出力を増幅する複
数のバッファ増幅器と、前記複数のバッファ増幅器の各
出力の差を生成する複数の減算回路とから構成され、前
記第1及び第2の基準電圧は、前記位置信号合成手段が
出力する複数相の位置信号と前記バッファ増幅器の出力
を波形整形した整形信号とから生成される構成とした。
【0030】これにより、簡単な回路構成によって第1
及び第2の基準電圧を発生することができる。
【0031】請求項11記載のブラシレス直流モータの
駆動制御方法の発明では、複数のホール素子から出力さ
れる回転子の回転位置を示す信号に基づいて複数相の位
置信号を生成し、その位置信号を用いて、固定子巻線の
2相に同時に電流が流れる相切換状態のときにその他の
状態に比べて電圧値が増大する第1及び第2の基準電圧
を生成し、その第1及び第2の基準電圧をそれぞれ第1
及び第2のオペアンプの非反転端子に入力し、その第1
及び第2のオペアンプの負帰還ループに前記固定子巻線
に給電するための給電端子を含めることにより前記給電
端子の電圧を前記第1及び第2の基準電圧に基づいて制
御し、これにより、前記給電端子を介して前記固定子巻
線に電流を供給する第1及び第2の駆動トランジスタ群
における所望の動作電圧を確保するようにした。
【0032】これにより、固定子巻線の相切換タイミン
グにおいて駆動トランジスタ群の必要な(所望の)動作
電圧が確保されて、滑らかな相切換が行え、また、電力
損失の低減も実現される。
【0033】請求項12記載の発明は、請求項11のブ
ラシレス直流モータの駆動制御方法の発明において、前
記第1及び第2の基準電圧の生成に際し、モータの回転
速度に応じて電圧値を変化させるようにした。
【0034】これにより、高速回転時でもトランジスタ
の電流増幅率の低下を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるブラシレス直
流モータの具体的な実施形態について、図面を参照しな
がら説明する。
【0036】図1に本発明の実施形態によるブラシレス
直流モータの回路構成を示す。
【0037】図1において、27は複数の磁極を有する
永久磁石回転子、11,12,13は回転子27との間
に所定の空隙ができるように設けられた固定子巻線、5
aは第1の駆動トランジスタ群、5bは第2の駆動トラ
ンジスタ群、20は直流電源、4は直流電源20から可
変出力の直流電圧を得るスイッチング制御方式の電圧変
換回路である。
【0038】第1の駆動トランジスタ群5aは3個のN
PN型の駆動トランジスタ21,22,23からなり、
各駆動トランジスタ21,22,23はそれぞれ固定子
巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cと電圧
変換回路4の負極側端子(GND)との間の電流路に介
装されている。また第2の駆動トランジスタ群5bは3
個のPNP型の駆動トランジスタ24,25,26から
なり、各駆動トランジスタ24,25,26はそれぞれ
電圧変換回路4の正極側端子と固定子巻線11,12,
13の電流給電端子A,B,Cとの間の電流路に介装さ
れている。
【0039】図1左端に位置する1,2,3は、回転子
27との間に所定の空隙ができるように配置された3個
のホール素子である。30は、3個のホール素子1,
2,3の直流電源、31,32,33はバッファ増幅器
であり、各ホール素子1,2,3の差動出力に比例した
出力H1,H2,H3を出力する。41,42,43は
減算回路である。
【0040】減算回路41は、バッファ増幅器31の出
力H1と、バッファ増幅器33の出力H3とを入力し、
これらの差(H1−H3)に比例する電流Ip1を出力
する。減算回路42は、バッファ増幅器32の出力H2
とバッファ増幅器31の出力H1とを入力し、これらの
差(H2−H1)に比例する電流Ip2を出力する。減
算回路43は、バッファ増幅器33の出力H3とバッフ
ァ増幅器32の出力H2とを入力し、これらの差(H3
−H2)に比例する電流Ip3を出力する。各出力電流
Ip1,Ip2,Ip3は3相の位置信号となる。バッ
ファ増幅器31,32,33と減算回路41,42,4
3とで位置信号合成回路40が構成されている。
【0041】減算回路41,42,43は、それぞれ3
つの出力電流が得られるように構成されている。つま
り、電流信号Ip1,Ip2,Ip3、これらの電流信
号と同極性の電流信号Ip1’,Ip2’,Ip3’、
及び極性を反転した電流信号Ip1”,Ip2”,Ip
3”の3種類の出力電流が得られる。
【0042】そのうち、電流信号Ip1,Ip2,Ip
3は3相の位置信号に相当し、ダイオード54,55,
56により負極性側のみが取り出されて電流g,i,e
となり、第1の分配回路6aに入力される。また、分岐
した出力電流Ip1,Ip2,Ip3は、ダイオード5
1,52,53により正極性側のみが取り出されて電流
d,f,hとなり、第2の分配回路6bに入力される。
【0043】駆動トランジスタ21,22,23の各ベ
ースには、第1の分配回路6aによって生成された3相
の電流信号g’,i’,e’がそれぞれ供給され、駆動
トランジスタ21,22,23の電流を制御する。同様
に、駆動トランジスタ24,25,26の各ベースに
は、第2の分配回路6bによって生成された3相の電流
信号d’,f’,h’がそれぞれ供給され、駆動トラン
ジスタ24,25,26の電流を制御する。NPN型ト
ランジスタ21,22,23のベースには流し込む方向
の電流が加えられ、PNP型トランジスタ24,25,
26のベースには引き出す方向の電流が加えられる。
【0044】図1中、57は電流検出抵抗であり、3相
の固定子巻線11,12,13に流れる電流を電圧に変換
する。36は第1の比較制御回路であり、指令端子50
に入力される指令信号と電流検出抵抗57に得られた電
圧とを比較する。その結果得られた制御信号CLは第1
の分配回路6aに与えられ、入力された位置信号g,
i,eの大きさを制御して電流信号g’,i’,e’を
生成する。これらの電流信号g’,i’,e’が駆動ト
ランジスタ21,22,23の電流を制御することによ
り、3相の固定子巻線11,12,13に供給される電
流の大きさが制御される。
【0045】図1において、7は第1の駆動トランジス
タ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,23
の最小動作電圧Lを検出する第1の動作電圧検出回路、
9は第2の比較制御回路34に基準電圧を供給する第1
の基準電圧発生回路、37はバッファ増幅器31,3
2,33の各出力H1,H2,H3を波形整形し、整形
信号D1,D2,D3を出力する整形回路である。
【0046】第1の基準電圧発生回路9は、減算回路4
1,42,43のそれぞれ3つの出力電流のうちのそれ
ぞれ1つずつの出力電流Ip1”,Ip2”,Ip3”
と整形回路37の整形信号D1,D2,D3と指令端子
60に入力される切換信号とから基準電圧E1を形成す
る。
【0047】第2の比較制御回路34は、第1の基準電
圧発生回路9が発生する第1の基準電圧E1と第1の動
作電圧検出回路7が出力する最小動作電圧Lとを比較す
る。その結果、得られた制御信号CUは第2の分配回路
6bに与えられ、入力された位置信号d,f,hの大き
さを制御して電流信号d’,f’,h’を生成する。こ
れらの電流信号d’,f’,h’が駆動トランジスタ2
4,25,26の電流を制御することにより、3相の固
定子巻線11,12,13に供給される電流の大きさが
制御される。
【0048】図1中、8は第2の駆動トランジスタ群5
bを構成する駆動トランジスタ24,25,26の最小
動作電圧Uを検出する第2の動作電圧検出回路であり、
10は電圧変換回路4に対する電圧制御回路35に第2
の基準電圧E2を供給する第2の基準電圧発生回路であ
る。第2の基準電圧発生回路10は、減算回路41,4
2,43のそれぞれ3つの出力電流のうちのそれぞれ1
つずつの出力電流Ip1’,Ip2’,Ip3’と整形
回路37の整形信号D1,D2,D3と指令端子60に
入力される切換信号とから基準電圧E2を生成する。
【0049】電圧制御回路35は第2の基準電圧発生回
路10が発生する基準電圧E2と第2の動作電圧検出回
路8に得られた最小動作電圧Uとを比較し、制御信号C
Sを電圧変換回路4に出力する。電圧変換回路4は、直
流電源20の正極端子から固定子巻線11,12,13
に至る給電路に直列に挿入され、電圧制御回路35の制
御信号CSに応じて電圧変換回路4の出力電圧VMを制
御するように構成されている。
【0050】電圧変換回路4は、直流電源20の正極端
子から固定子巻線11,12,13に至る給電路に直列
に挿入された給電制御用スイッチングトランジスタ10
1と、電圧制御回路35からの制御信号CSに基づいて
スイッチングトランジスタ101をオン・オフ制御する
スイッチング制御回路100と、環流ダイオード105
と、インダクタンスコイル106と、平滑コンデンサ1
07によって構成されている。
【0051】電圧制御回路35には、第2の動作電圧検
出回路8により得られた最小動作電圧Uに応じた制御信
号CSを生成する。スイッチング制御回路100はこの
制御信号CSに対応したパルス信号によってスイッチン
グトランジスタ101をオン・オフ制御する。これによ
って、電圧変換回路4は直流電源20の電圧VSを出力
電圧VMに変換して出力し、第2の駆動トランジスタ群
5bに供給する。なお、スイッチング制御回路100
は、例えば200kHzの三角波電圧信号を発生する三
角波発生回路と、電圧制御回路35の制御信号CSを三
角波電圧信号と比較するコンパレータなどの周知の回路
を用いて構成することもできる。
【0052】このような構成によれば、位置信号合成回
路40の出力する位置信号により第1の駆動トランジス
タ群5aと第2の駆動トランジスタ群5bとがそれぞれ
分配制御され、固定子巻線11〜13に流れる電流の相
切換が順次に行われ、回転子27が回転駆動される。
【0053】このとき、比較制御回路(オペアンプ)3
4の非反転端子に第1の基準電圧発生回路9が発生する
第1の基準電圧E1が入力され、一方、比較制御回路3
4の出力端,第2の分配回路6b,第2の駆動トランジ
スタ群5b,第1の動作電圧検出回路7を介する負帰還
制御ループが形成され、比較制御回路34の非反転端子
と反転端子とは仮想接地されるため、第1の駆動トラン
ジスタ群5aのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(つま
り、各トランジスタ21〜23のコレクタ電圧)が第1
の基準電圧発生回路9の出力する基準電圧E1に等しく
なるように第2の駆動トランジスタ群に流れる電流が制
御されることになる。
【0054】同様に、電圧制御回路(オペアンプ)35
の非反転端子には第2の基準電圧E2が供給され、か
つ、電圧制御回路35の出力端,電圧変換回路4,第2
の駆動トランジスタ群5b,第2の動作電圧検出回路8
を介して負帰還ループが形成され、電圧制御回路35の
非反転端子と反転端子とは仮想接地されることから、第
2の駆動トランジスタ群5bのエミッタ・コレクタ間の
動作電圧(つまり、駆動トランジスタ24〜26のコレ
クタ電圧)が第2の基準電圧発生回路10の出力する基
準電圧E2に等しくなるように電圧変換回路4の直流出
力電圧が制御されることになる。
【0055】そして、第1の駆動トランジスタ群5aと
第2の駆動トランジスタ群5bのエミッタ・コレクタ間
の動作電圧を位置信号合成回路40の出力する複数相の
位置信号と回転子27の回転速度に応じて変化させる。
すなわち、第1の駆動トランジスタ群5a及び第2の駆
動トランジスタ群5bを構成するそれぞれの複数の駆動
トランジスタにおいて、駆動電流の相切換が行われてい
る「相切換期間」では対応する駆動トランジスタのエミ
ッタ・コレクタ間の動作電圧を位置信号合成回路40の
出力する複数相の位置信号と回転子の回転速度に応じて
高めに切り換え、逆起電力の影響による駆動トランジス
タ群5a,5bの動作電圧不足を解消して、滑らかな駆
動電流の相切換を実現する。
【0056】一方、駆動電流の相切換の完了している
「1相通電期間」では、駆動電流を流している駆動トラ
ンジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだ
け低く設定して、駆動トランジスタの電力損失を低く抑
える。このようにして、図1の構成によって、オーバー
ラップ駆動における電力損失を抑制しつつ、滑らかな相
切換を行って、電力効率に優れ、かつ振動,騒音が少な
いブラシレス直流モータが実現される。
【0057】次に、図1における第1の動作電圧検出回
路7の具体的な回路例を図3を用いて説明する。
【0058】図3において、81,82,83,84は
ダイオードであり、それぞれのアノード端子が共通接続
され、ダイオード81,82,83のカソード端子はそ
れぞれ3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端
子A,B,Cに接続されている。85は抵抗であり、そ
の一端は接地され、他端にダイオード84のカソード端
子が接続されている。86は定電流源であり、ダイオー
ド81,82,83,84のアノード共通端子に一定電
流を供給している。87はこの第1の動作電圧検出回路
7の出力端子である。電流給電端子A,B,Cに接続さ
れている3個のダイオード81,82,83のうちカソ
ード電位の最も低いダイオードがオンになると、ダイオ
ードのアノード共通端子の電位はオン状態のダイオード
の順方向電圧分だけカソード電位より高くなる。定電流
源86の出力電流はダイオード84を介して抵抗85に
も供給される。したがって、抵抗85にはアノード共通
端子の電位よりダイオードの順方向電圧分だけ下降した
電圧が発生する。したがって、3相の固定子巻線11,
12,13の電流給電端子A,B,Cのうち最小の電圧
である最小動作電圧Lが第1の動作電圧検出回路7の出
力端子87から出力される。
【0059】つぎに、図1における第2の動作電圧検出
回路8の具体的な回路例を図4に示す。図4において、
91,92,93はダイオードであり、それぞれのカソ
ード端子が共通接続されている。ダイオード91,9
2,93のアノード端子はそれぞれ3相の固定子巻線1
1,12,13の電流給電端子A,B,Cに接続されて
いる。94はPNP型のトランジスタであり、エミッタ
は抵抗96を介してスイッチング制御方式の電圧変換回
路4の出力電圧VMに接続され、コレクタは抵抗95を
介して接地されている。
【0060】トランジスタ94のベースはダイオード9
1,92,93の共通接続されたカソード端子に接続さ
れている。97は定電流源であり、ダイオード91,9
2,93のカソード共通端子とトランジスタ94のベー
スから一定電流を引き出している。98はこの第2の動
作電圧検出回路8の出力端子である。
【0061】電流給電端子A,B,Cに接続されている
3個のダイオード91,92,93のうち、アノード電
位の最も高いダイオードだけがオンになると、ダイオー
ド91,92,93のカソード共通端子の電位はオン状
態のダイオードの順方向電圧分だけアノード電位より低
くなる。トランジスタ94のベースはダイオード91,
92,93のカソード共通端子に接続され、トランジス
タ94のエミッタ・ベース間の電圧はオン状態のダイオ
ード順方向電圧にほぼ等しいので、トランジスタ94の
エミッタ電位VEは電流給電端子A,B,Cのうち最も
高い電位とほぼ等しくなる。
【0062】抵抗96の一端は電圧変換回路4の出力電
位VMに接続されているので、抵抗96には電位差(V
M−VE)に応じた電流が流れ、この電流とほぼ等しい
電流がトランジスタ94のコレクタに流れる。したがっ
て、抵抗95と抵抗96の抵抗値を等しく選べば抵抗9
5の両端には、抵抗96の両端と同じ(VM−VE)の
電位差を発生する。したがって、電圧変換回路4の出力
電圧VMと3相の固定子巻線11,12,13の電流給
電端子A,B,Cのうちの最も高い電位VEとの差(V
M−VE)、すなわち電流給電端子A,B,Cのうち電
圧変換回路4の出力電圧VMとの差が最も小さい最小動
作電圧Uが第2の動作電圧検出回路8の出力端子98か
ら出力される。
【0063】図1において、第1の分配回路6aは1種
の乗算器で構成されており、入力された位置信号g,
i,eを第1の比較制御回路36の制御信号CLに応じ
て大きさを変化させた電流信号g’,i’,e’を出力
する。これらの3相の電流信号g’,i’,e’は、第
1の駆動トランジスタ群5aを構成する駆動トランジス
タ21,22,23の各ベースに与えられ、駆動トラン
ジスタ21,22,23の電流を制御する。第1の比較
制御回路36は指令端子50に入力される指令信号と電
流検出抵抗57に得られた電圧とを比較し、得られた制
御信号CLを第1の分配回路6aに与える。このように
して、3相の固定子巻線11,12,13に供給される
電流の大きさは、指令端子50に入力される指令信号に
応じて制御される。
【0064】図1において、第2の分配回路6bも1種
の乗算器で構成されている。第2の分配回路6bに入力
された位置信号d,f,hは、第2の比較制御回路34
の出力である制御信号CUに応じて大きさが変えられ、
電流信号d’,f’,h’が出力される。3相の電流信
号d’,f’,h’は、第2の駆動トランジスタ群5b
を構成する駆動トランジスタ24,25,26の各ベー
スに与えられ、駆動トランジスタ24,25,26の電
流を制御する。
【0065】第2の比較制御回路34は第1の基準電圧
発生回路9が発生する基準電圧E1と第1の動作電圧検
出回路7により得られた最小動作電圧Lとを比較し、そ
の結果である制御信号CUを第2の分配回路6bに出力
する。第2の分配回路6bが出力する電流信号d’,
f’,h’は駆動トランジスタ24,25,26のベー
スに入力され、第2の駆動トランジスタ群5bの出力電
流を制御する。この結果、3相の固定子巻線11,1
2,13の電流給電端子A,B,Cの最小電圧が基準電
圧E1に等しくなるように制御される。
【0066】同様にして、電圧制御回路35は、第2の
基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2と第2の
動作電圧検出回路8で得られた最小動作電圧Uとを比較
し、その結果である制御信号CSを電圧変換回路4のス
イッチング制御回路100に出力する。スイッチング制
御回路100はスイッチングトランジスタ101を制御
して直流電源20の出力電圧VSを調整し、出力電圧V
Mとして第2の駆動トランジスタ群5bに出力する。し
たがって、出力電圧VMと3相の固定子巻線11,12,
13の電流給電端子A,B,Cの電圧差が第2の基準電
圧E2に等しくなるように制御される。すなわち、第2
のトランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ2
4,25,26のエミッタ・コレクタ間の最小動作電圧
が基準電圧E2に等しくなるように制御される。
【0067】図2は、上述のようなブラシレス直流モー
タが定常回転状態にあるときの位置信号合成回路40の
動作に関する各部の信号波形を示している。図2(1)
は、固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力
波形a,b,cを示し、図2(2)はホール素子1,
2,3の差動出力をバッファ増幅器31,32,33で
増幅した後の出力波形H1,H2,H3を示す。出力波
形H1,H2,H3はそれぞれ120度ずつ位相がずれ
ている。また、出力波形H1,H2,H3は、それぞれ
の逆起電力波形a,b,cに対して位相が30度ずつ進
んでいる。
【0068】図2(3)は、減算回路41,42,43
の出力電流波形Ip1,Ip2,Ip3であり、3相の
位置信号となる。図2(4)は、減算回路41,42,
43の出力電流Ip1’,Ip2’,Ip3’の負極性
側をダイオード51,52,53でカットした電流波形
d,f,hを示し、図2(5)は、出力電流Ip1,I
p2,Ip3の極性を反転した電流信号Ip1”,Ip
2”,Ip3”の正極性側をダイオード54,55,5
6でカットした電流波形g,i,eを示す。図2
(6),(7),(8)は、バッファ増幅器31,3
2,33の出力H1,H2,H3を波形整形した整形信
号D1,D2,D3をそれぞれ示す。整形信号D1,D
2,D3の立ち上がりエッジはバッファ増幅器31,3
2,33の各出力H1,H2,H3の立ち上がり側のゼ
ロクロス点に対応し、整形信号D1,D2,D3の立ち
下がりエッジは各出力H1,H2,H3の立ち下がり側
のゼロクロス点に対応している。
【0069】以上のような信号処理により得られた信号
で本発明のブラシレス直流モータを駆動したときの各部
の信号波形を図5に示す。また、比較のために、従来の
ブラシレス直流モータにおける同様の信号波形を図6及
び図7に示す。
【0070】図6は、従来のブラシレス直流モータにお
けるつぎの問題を説明するために用いられる。基準電圧
E1及びE2を十分大きく設定したとき、固定子巻線1
1,12,13に流れる駆動電流Ia,Ib,Icは相
切換期間において滑らかに変化する歪みのない台形波状
の電流となる。しかしその反面、駆動トランジスタ2
1,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26
のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を大きく設定するこ
とになるので各駆動トランジスタでの電力損失が大きく
なる。
【0071】一方、図7は、従来のブラシレス直流モー
タにおけるつぎの問題を説明するために用いられる。電
力損失を抑えるために基準電圧E1及びE2を十分小さ
い値E1’,E2’に設定したときは、駆動トランジス
タが飽和領域で動作することになり、エミッタ・コレク
タ間の動作電圧が不足するため、固定子巻線11,1
2,13に流れる駆動電流Ia,Ib,Icが相切換期
間で歪みを生じるようになる。
【0072】図6は、第1の基準電圧発生回路9が発生
する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生
する基準電圧E2を十分大きな一定電圧に設定したとき
の各部の信号波形を示している。
【0073】図6において、a,b,cは固定子巻線1
1,12,13に誘起される逆起電力であり、VA,V
B,VCは3相の固定子巻線11,12,13の電流給
電端子A,B,Cの電圧波形である。また、g’,
i’,e’は第1の分配回路6aから第1の駆動トラン
ジスタ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,
23のベースに流し込まれる台形波状の3相の電流信号
であり、d’,f’,h’は第2の駆動トランジスタ群
5bを構成する駆動トランジスタ24,25,26のベ
ースから第2の分配回路6bへ引き出される台形波状の
3相の電流信号である。Ia,Ib,Icは3相の固定
子巻線11,12,13に通電される台形波状の駆動電
流である。
【0074】駆動トランジスタ21,22,23及び駆
動トランジスタ24,25,26はそれぞれ電気特性が
揃ったトランジスタを使用するので、基準電圧E1及び
E2の大きさを十分大きく設定した場合は、駆動トラン
ジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ24,2
5,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧も十分大き
いので、それぞれのトランジスタの電流増幅率(hf
e)は十分に大きくばらつきも少ない。したがって、3
相の固定子巻線11,12,13の駆動電流Ia,I
b,Icは、駆動トランジスタ21,22,23のベー
スに入力される台形波状の3相の電流信号g’,i’,
e’及び駆動トランジスタ24,25,26のベースに
入力される台形波状の3相の電流信号d’,f’,h’
を等しく電流増幅することができる。その結果、歪みの
ない正確な台形波状の駆動電流Ia,Ib,Icを3相
の固定子巻線11,12,13に供給することができ
る。
【0075】図6に示す期間(1)においては、ベース
から引き出される電流信号d’が大きいので駆動トラン
ジスタ24はオンになる。これに対して、ベースから引
き出される電流信号f’,h’は零であるので駆動トラ
ンジスタ25,26はオフとなる。また、ベースに流し
込まれる電流信号g’は零であるので駆動トランジスタ
21はオフとなる。このように、縦続接続された駆動ト
ランジスタ24,21の同時オンが防止される。
【0076】そして、ベースに流し込まれる電流信号
i’が次第に減少する駆動トランジスタ22のオン状態
は次第に減少し、ベースに流し込まれる電流信号e’が
次第に増加する駆動トランジスタ23のオン状態は次第
に増加する。そして一対の駆動トランジスタ22,23
の総合導通量は一定に保たれる。したがって、駆動トラ
ンジスタ24から固定子巻線11に流し込まれた電流I
aは中性点oで固定子巻線12,13に分流され、固定
子巻線12には電流Ibが流れ 、固定子巻線13には
電流Icが流れる。固定子巻線12,13に流れる駆動
電流Ib,Icは駆動トランジスタ22,23を介して
引き出される。
【0077】図6の期間(1)において、第2の駆動ト
ランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ2
4,25,26のうち、オンとなっているのは駆動電流
Iaを流す駆動トランジスタ24のみであり、この駆動
トランジスタ24については1相通電期間T1となって
いる。また、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する
3個の駆動トランジスタ21,22,23のうち、2つ
の駆動トランジスタ22,23がオンとなっていて、駆
動電流Ib,Icの相切換が行われているので、これら
の駆動トランジスタ22,23については、相切換期間
T2となっている。
【0078】また、図6の期間(2)においては、ベー
スから引き出される電流信号d’が次第に減少するので
駆動トランジスタ24のオン状態が次第に低下し、固定
子巻線11に流し込まれる駆動電流Iaは次第に減少す
る。一方、ベースから引き出される電流信号f’が次第
に増加するので駆動トランジスタ25のオン状態が次第
に増大し、固定子巻線12に流し込まれる駆動電流Ib
は次第に増加する。そして2つの駆動電流の合計(Ia
+Ib)は一定である。固定子巻線11,12へ駆動ト
ランジスタ24,25を介して流し込まれる駆動電流I
a,Ibは中性点oで合流し、固定子巻線13には駆動
電流Ic(=Ia+Ib)が流れる。この駆動電流Ic
は駆動トランジスタ23を介して引き出される。
【0079】期間(2)において、第1の駆動トランジ
スタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,2
2,23のうち、オンとなっているのは駆動電流Icを
流す駆動トランジスタ23のみであり、この駆動トラン
ジスタ23については1相通電期間T1となっている。
また、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の
駆動トランジスタ24,25,26のうち、2つの駆動
トランジスタ24,25がオンとなっていて、駆動電流
Ia,Ibの相切換が行われているので、これらの駆動
トランジスタ24,25については相切換期間T2とな
っている。
【0080】期間(1),(2)以外の期間においても
同様の動作が行われる。
【0081】以上のように、第1の基準電圧E1と第2
の基準電圧E2を十分大きく設定した場合は、各駆動ト
ランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧も十分大
きくそれぞれの電流増幅率(hfe)が十分に大きいの
で、3相の固定子巻線11,12,13に対して相切換
期間T2においても切り換えが滑らかな歪みのない台形
波状の駆動電流Ia,Ib,Icを供給することができ
る。
【0082】しかしながら、基準電圧E1と基準電圧E
2の大きさを十分大きく設定し、駆動トランジスタ2
1,22,23及び駆動トランジスタ24,25,26
のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を大きく設定した場
合、駆動トランジスタでの電力損失が大きくなるという
問題がある。
【0083】そこで、モータ駆動の電力効率を高めるた
めには、つぎに述べるように、駆動トランジスタ21,
22,23及び駆動トランジスタ24,25,26のエ
ミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ小さく設定
する必要がある。
【0084】図7は、第1の基準電圧発生回路9が発生
する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10が発生
する基準電圧E2の大きさを十分小さい電圧E1’,E
2’に設定したときの各部の信号波形を示している。
【0085】図7において、a,b,cは固定子巻線1
1,12,13に誘起される逆起電力であり、図6と同
一の波形である。VA,VB,VCは3相の固定子巻線
11,12,13の電流給電端子A,B,Cの電圧波形
を示し、それぞれの電圧の値は図6に比べて低くなって
いる。Ia,Ib,Icは、第1の基準電圧発生回路9
が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10
が発生する基準電圧E2を小さい電圧に設定したときの
3相の固定子巻線11,12,13に供給されるほぼ台
形波状の駆動電流である。
【0086】図7に示す期間(1)において、固定子巻
線11に駆動トランジスタ24から流し込まれる電流I
aは、図6と同様に一定の電流である。一方、固定子巻
線11に流し込まれた電流Iaが中性点oで固定子巻線
12,13に分流し、固定子巻線12(電流Ib)から
固定子巻線13(電流Ic)へ電流の相切換が行われる
とき、固定子巻線12,13に流れる電流を制御する駆
動トランジスタ22,23は、基準電圧E1’の大きさ
を十分小さく設定しているため、飽和領域で動作してい
る。したがって、駆動トランジスタ22,23の電流増
幅率(hfe)は、トランジスタのエミッタ・コレクタ
間の動作電圧(図7のVA,VB,VCにほぼ等しい)
に依存する。その結果、固定子巻線12,13に流れる
駆動電流Ib,Icは、電流切換が滑らかに行われない
ことに起因する波形歪みを生ずる。すなわち、駆動トラ
ンジスタ24についての1相通電期間T1では駆動電流
Iaに歪みは発生しないが、駆動トランジスタ22,2
3についての相相切換期間T2においては駆動電流I
b,Icに歪みが発生する。
【0087】同様に、図7に示す期間(2)において
は、固定子巻線11,12へそれぞれ駆動トランジスタ
24,25から流し込まれる駆動電流Ia,Ibの合計
(Ia+Ib)は一定であり、これらの電流Ia,Ib
は中性点oで合流し、固定子巻線13に電流Ic(=I
a+Ib)が流れる。この電流Icは固定子巻線13か
ら駆動トランジスタ23を介して引き出される。
【0088】図7の期間(2)では、固定子巻線13か
ら駆動トランジスタ23を介して引き出される電流Ic
は、図6と同様に一定の電流波形である。一方、固定子
巻線11(駆動電流Ia)から固定子巻線12(駆動電
流Ib)へ電流の相切換が行われるときは、固定子巻線
11,12に流れる電流を制御する駆動トランジスタ2
4,25のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は、基準電
圧E2’の大きさを十分小さく設定しているため、駆動
トランジスタ24,25は、期間(2)においてはトラ
ンジスタの飽和領域で動作している。したがって、駆動
トランジスタ24,25の電流増幅率(hfe)は、ト
ランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(図7の
VM−VA,VM−VBにほぼ等しい)に依存する。そ
の結果、固定子巻線11,12に流れるそれぞれの駆動
電流Ia,Ibは、電流切換が滑らかに行われず、駆動
電流Ia,Ibは波形歪みを発生する。すなわち、駆動
トランジスタ23についての1相通電期間T1では駆動
電流Icに歪みは発生しないが、駆動トランジスタ2
4,25についての相切換期間T2においては駆動電流
Ia,Ibに歪みが発生する。
【0089】期間(1),(2)以外の期間においても
同様の動作が行われる。すなわち、電力損失を抑えるた
めに基準電圧E1及び基準電圧E2を十分小さく設定し
たときは、駆動トランジスタが飽和領域で動作すること
になり、エミッタ・コレクタ間の動作電圧が不足するた
め、固定子巻線11,12,13に流れる駆動電流I
a,Ib,Icが相切換期間T2において歪みを生じ、
このような状態でモータを駆動すると振動・騒音を発生
する。
【0090】このような問題を解決するために、本発明
のブラシレス直流モータでは、図5に示すような各部の
信号波形が得られるように制御する。つまり、第1の基
準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の基準
電圧発生回路10が発生する基準電圧E2の大きさを、
固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力a,
b,cのタイミングに同期して連続的に変化させるよう
に構成している。
【0091】図5に示すように、第1の基準電圧発生回
路9が発生する基準電圧E1は、逆起電力a,b,cの
各信号が正から負へ変化するタイミングから徐々に増大
し、逆起電力a,b,cのうちの2つが交叉する点を頂
点としてそれ以後は徐々に減少するように変化する。一
方、第2の基準電圧発生回路10が発生する第2の基準
電圧E2は、逆に逆起電力a,b,cの各信号が正から
負へ変化すタイミングから徐々に増大し、逆起電力a,
b,cのうちの2つが交叉する点を頂点としてそれ以後
は徐々に減少するように変化する。
【0092】つぎに、本発明のブラシレス直流モータを
低速及び高速で回転させたときの各部の信号波形を図8
に示す。比較のために、本発明のブラシレス直流モータ
を低速で回転させたときの各部の信号波形図を図8
(1)に示す。これは図5に示した波形図と同一で、V
A,VB,VCは電流給電端子A,B,Cの電圧波形を
示し、VMは電圧変換回路4の出力電圧波形を示す。図
8(1)において電圧変換回路4の出力電圧VMのリッ
プル分は、極めて平坦な波形となっている。図8(2)
は、第1の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1
と第2の基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2
の大きさを上記の低速回転時と同じ設定で、本発明のブ
ラシレス直流モータを高速で回転させたときの各部の信
号波形を示す。固定子巻線11,12,13のそれぞれ
に誘起される逆起電力a,b,cの大きさは、回転子2
7の回転速度に比例して増大するので、電流給電端子
A,B,Cの電圧波形VA,VB,VCも増大する。
【0093】その結果、電圧変換回路4の出力電圧VM
の大きさも増大する。ところが、第1の基準電圧発生回
路9が発生する基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路
10が発生する基準電圧E2の大きさを高速回転時にも
低速回転時と同じ設定にしているため、図8(2)に示
す電圧変換回路4の出力すべき出力電圧VMのリップル
分は、図8(1)に示す出力電圧VMのリップル分に比
べて増大している。なお、図8において、横軸は電気角
ωtで示しているため低速回転時と高速回転時とで波形
の周期が同じように記されているが、実際は回転速度に
反比例して波形の周期は短くなる。
【0094】電圧変換回路4は、出力電圧VMをできる
だけ平滑化するために、一般に、動作周波数に対してイ
ンダクタンスの大きいインダクタンスコイル106と、
静電容量の大きな平滑コンデンサ107を含んで構成さ
れるため、電圧変換回路4の出力電圧の制御帯域は低く
なるため、図8(2)のVMに示すような出力電圧のリ
ップルの発生には十分追従することができず、電圧変換
回路4の出力電圧には位相遅れを生じ、最悪の場合、電
圧波形VA,VB,VCの包絡線波形の山の部分(1周
期に6回)と出力電圧VMの波形の谷の部分とが重なる
ようになる。
【0095】電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形の
山の部分と出力電圧VMの波形の谷の部分とが重なる
と、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する駆動トラ
ンジスタ21,22,23及び第2の駆動トランジスタ
群5bを構成する駆動トランジスタ24,25,26の
エミッタ・コレクタ間の電圧が十分確保されないためト
ランジスタの電流増幅作用は行われず、駆動電流Ia,
Ib,ICに波形歪みを発生する。このような状態でモ
ータを駆動すると振動・騒音を発生するため、従来では
電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形の山の部分と出
力電圧VMの波形の谷の部分とが重ならないように第1
の駆動トランジスタ群5a及び第2の駆動トランジスタ
群5bのエミッタ・コレクタ間の動作電圧を十分な余裕
を設けて高めに設定していた。その結果として、低速及
び高速回転の前範囲において振動・騒音の少ない、電力
効率に優れたブラシレス直流モータを実現することがで
きなかった。
【0096】このような問題を解決するために、本実施
の形態のブラシレス直流モータは、高速回転時には、第
1及び第2の駆動トランジスタ群5a,5bにおいて、
それぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行わ
れ2相に同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相に
のみ電流が流れる1相通電状態より大きくし、その大き
さは高速回転時には低速回転時よりも大きくなるように
制御する。
【0097】つまり、モータの回転速度に応じて、第1
の基準電圧発生回路9が発生する基準電圧E1と第2の
基準電圧発生回路10が発生する基準電圧E2の大きさ
を高速回転時には低速回転時よりも高く設定させるよう
に構成している。
【0098】モータの高速回転時において、基準電圧E
1と基準電圧E2を低速回転時の設定から変更したとき
の各部の信号波形を図8(3)に示す。図8(3)よ
り、出力電圧VMのリップル分は極めて平坦な波形とな
っていることが分かる。このように基準電圧E1と基準
電圧E2を低速及び高速回転時に応じて変更することに
より、一般に制御帯域の低い電圧変換回路4を用いても
低速及び高速回転時においても振動・騒音の少ない、電
力効率に優れたブラシレス直流モータを実現することが
できる。
【0099】以下、このような基準電圧E1及び基準電
圧E2を発生させる具体回路とその動作について詳しく
説明する。
【0100】図9は、本発明のブラシレス直流モータに
おける第1の基準電圧発生回路9の一例を示し、図10
は定常回転状態における各部の信号波形を示す。図9に
おいて、111,112,113はダイオードであり、
それぞれカソード端子が共通接続され、切換回路120
の入力端に接続されている。切換回路120は2つの出
力端を有し、片方の出力端Xには抵抗114aが接続さ
れ、他方の出力端Yには抵抗114bが接続されてい
る。抵抗114aと抵抗114bの他端はそれぞれ共通
接続され、基準電圧源115の低めに設定された基準電
圧E1’を介して接地されている。切換回路120は指
令端子60に入力される切換信号が”L”レベルのとき
は切換スイッチは出力端Xに接続され、切換信号が”
H”レベルのときは切換スイッチは出力端Yに接続され
る。ダイオード111,112,113の各アノード端
子は、スイッチ回路116,117,118の一端と接
続され、スイッチ回路116,117,118の他端は
接地されている。
【0101】図9において、121,122,123
は、2入力のアンド回路であり、片方の入力端子には、
整形回路37で得られた整形信号D1,D2,D3をそ
れぞれのインバータ回路124,125,126で反転
した反転信号が入力されている。2入力のアンド回路1
21,122,123の他方の入力端子には、それぞれ
整形信号D3,D1,D2が入力されている。
【0102】スイッチ回路116,117,118は、
アンド回路121,122,123の出力が”H”レベ
ルのときに閉じ、”L”レベルのときに開くように構成
されている。そして、ダイオード111,112,11
3の各アノード端子には、それぞれ減算回路31,3
2,33が出力する電流信号Ip1,Ip2,Ip3の
極性を反転した電流信号Ip1”,Ip2”,Ip3”
が入力される。また、符号119は第1の基準電圧発生
回路9の出力端子であり、基準電圧E1が出力される。
【0103】つぎに、図9に示す第1の基準電圧発生回
路9の動作を、回転子27が定常回転している場合につ
いて、図10の波形図を参照しながら説明する。図10
(1)は、減算回路31,32,33から第1の基準電
圧発生回路9に入力される電流信号波形Ip1”,Ip
2”,Ip3”を示し、図10(2),(3),(4)
は、整形回路37が出力する整形信号波形D1,D2,
D3を示している。図10(5),(6),(7)は、
図9のアンド回路121,122,123の出力波形
(2入力の論理積)を示す。図10(8)は、第1の基
準電圧発生回路9の出力端子119より出力される基準
電圧信号波形E1を示す。
【0104】スイッチ回路116,117,118は、
図10(5),(6),(7)に示す信号で開閉される
ので、第1の基準電圧発生回路9に入力される電流信号
Ip1”,Ip2”,Ip3”は、それぞれスイッチ回
路116,117,118が開いているときのみダイオ
ード111,112,113を介して切換回路120に
流れる。
【0105】切換回路120の指令端子60に入力され
る切換信号が”L”レベルのときは、切換スイッチは出
力端Xに接続されているので、切換回路120に入力さ
れた電流は抵抗114aに流れる。その結果、第1の基
準電圧発生回路9の出力端子119には、基準電圧源1
15の基準電圧E1’に、ダイオード111,112,
113を介して通電される電流により抵抗114aで発
生する電圧降下分を加算した電圧が発生し、図10
(8)の実線で示すような山形の基準電圧信号波形E1
が出力される。
【0106】切換回路120の指令端子60に入力され
る切換信号が”H”レベルのときは、切換スイッチは出
力端Yに接続されるので、切換回路120に入力された
電流は抵抗114bに流れる。今、抵抗114bの大き
さを抵抗114aよりも大きく選んでおくと、出力端子
119には、基準電圧源115の基準電圧E1’に、ダ
イオード111,112,113を介して通電される電
流により抵抗114bで発生する電圧降下分を加算した
電圧が発生し、図10(8)の点線で示すような山形の
基準電圧信号波形E1が出力される。
【0107】つぎに、本発明のブラシレス直流モータに
おける第2の基準電圧発生回路10の一例を図11に示
す。また、定常回転状態における各部の信号波形を図1
2に示す。
【0108】図11において、131,132,133
はダイオードであり、それぞれカソード端子が共通接続
され、切換回路140の入力端に接続されている。切換
回路140は2つの出力端を有し、片方の出力端Xには
抵抗134aが接続され、他方の出力端Yには抵抗13
4bが接続されている。抵抗134aと抵抗134bの
他端はそれぞれ共通接続され、基準電圧源135の低め
に設定された基準電圧E2’を介して接地されている。
切換回路140は指令端子60に入力される切換信号
が”L”レベルのときは切換スイッチは出力端Xに接続
され、切換信号が”H”レベルのときは切換スイッチは
出力端Yに接続される。ダイオード131,132,1
33の各アノード端子は、スイッチ回路136,13
7,138と接続され、スイッチ回路136,137,
138を介して接地されている。141,142,14
3は2入力のアンド回路であり、片方の入力端子には、
整形回路37で得られた整形信号D1,D2,D3が入
力され、他方の入力端子には、整形信号D3,D1,D
2をインバータ回路144,145,146で反転した
反転信号が入力されている。
【0109】スイッチ回路136,137,138は、
アンド回路141,142,143の出力によって開閉
され、出力が”H”レベルのときに閉じ、”L”レベル
のときに開くように構成されている。そして、ダイオー
ド136,137,138の各アノード端子には、それ
ぞれ減算回路31,32,33が出力する電流信号Ip
1’,Ip2’,Ip3’が入力される。139は第2
の基準電圧発生回路10の出力端子で、基準電圧信号E
2が出力される。
【0110】つぎに、図11に示す第2の基準電圧発生
回路10の動作を、回転子27が定常回転している場合
について、図12の波形図を参照して説明する。図12
(1)は、減算回路31,32,33から第2の基準電
圧発生回路10に入力される電流信号波形Ip1’,I
p2’,Ip3’を示し、図12(2),(3),
(4)は、整形回路37が出力する整形信号波形D1,
D2,D3を示す。図12(5),(6),(7)は、
図11のアンド回路141,142,143の出力波形
(2入力の論理積)を示す。図12(8)は、第2の基
準電圧発生回路10の出力端子139より出力される基
準電圧信号波形E2を示す。スイッチ回路136,13
7,138は、図11(5),(6),(7)に示す信
号で開閉されるので、第2の基準電圧発生回路10に入
力される電流信号Ip1’,Ip2’,Ip3’は、そ
れぞれのスイッチ回路136,137,138が開いて
いるときのみダイオード131,132,133を介し
て切換回路140に流れる。切換回路140の指令端子
60に入力される切換信号が”L”レベルのときは、切
換スイッチは出力端Xに接続されているので、切換回路
140に入力された電流は抵抗134aに流れる。その
結果、第2の基準電圧発生回路10の出力端子139に
は、基準電圧源135の基準電圧E2’に、ダイオード
131,132,133を介して通電される電流により
抵抗134aで発生する電圧降下分を加算した電圧が発
生し、図12(8)の実線で示すような山形の基準電圧
信号波形E2が出力される。
【0111】切換回路140の指令端子60に入力され
る切換信号が”H”レベルのときは、切換スイッチは出
力端Yに接続されるので、切換回路140に入力された
電流は抵抗134bに流れる。今、抵抗134bの大き
さを抵抗134aよりも大きく選んでおくと、出力端子
139には、基準電圧源135の基準電圧E2’に、ダ
イオード131,132,133を介して通電される電
流により抵抗134bで発生する電圧降下分を加算した
電圧が発生し、図12(8)の点線で示すような山形の
基準電圧信号波形E2が出力される。
【0112】図10(8)及び図12(8)より明らか
なように、第1の基準電圧発生回路9から出力される第
1の基準電圧E1と第2の基準電圧発生回路10から出
力される第2の基準電圧E2とは位相が180度ずれて
いる。
【0113】図5に示す期間(1)においては、図6で
説明したのと同様に、ベースから引き出す電流信号d’
が大きいので駆動トランジスタ24はオンとなるのに対
して、引き出す電流信号f’,h’は零であるので駆動
トランジスタ25,26はオフとなる。また、ベースに
流し込む電流信号g’は零であるので駆動トランジスタ
21はオフとなり、縦続接続された2つの駆動トランジ
スタ24,21の同時オンを防止する。そして、ベース
に流し込む電流信号i’が次第に減少する駆動トランジ
スタ22のオン状態は次第に低下し、流し込む電流信号
e’が次第に増加する駆動トランジスタ23のオン状態
は次第に増大し、2つの駆動トランジスタ22,23の
総合導通量は一定に保たれる。したがって、固定子巻線
11には駆動トランジスタ24より駆動電流Iaが流し
込まれ、この駆動電流Iaは中性点oで固定子巻線1
2,13に分流される。そして、固定子巻線12には駆
動電流Ibが流れ、固定子巻線13には駆動電流Icが
通電される。これらの駆動電流Ib,Icは駆動トラン
ジスタ22,23を介して引き出される。
【0114】期間(1)において、第2の駆動トランジ
スタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,2
5,26のうちオンとなっているのは駆動電流Iaを流
す1つの駆動トランジスタ24のみであり、この駆動ト
ランジスタ24については1相通電期間T1となってい
る。この駆動トランジスタ24についての1相通電期間
T1においては、固定子巻線11に流し込まれる駆動電
流Iaは一定の値を保っている。この1相通電期間T1
においては、第2の基準電圧発生回路10が出力する基
準電圧は、低めに設定された基準電圧E2’となり、駆
動トランジスタ24のエミッタ・コレクタ間の動作電圧
が低いので電力損失は少ない。
【0115】また、期間(1)において、第1の駆動ト
ランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ2
1,22,23のうち、2つの駆動トランジスタ22,
23がオンとなっていて、駆動電流Ib,Icの相切換
が行われているので、これらの駆動トランジスタ22,
23については相切換期間T2となっている。この相切
換期間T2においては、第1の基準電圧発生回路9が出
力する基準電圧は、低めに設定された基準電圧E1’に
山形の電圧信号が加算された高めの基準電圧E1とな
り、駆動トランジスタ22,23のエミッタ・コレクタ
間の動作電圧は十分に大きい。
【0116】したがって、図7の場合のように駆動トラ
ンジスタ22,23の電流増幅率(hfe)がトランジ
スタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧(図7のVB,
VCにほぼ等しい)に依存するといったことはない。ま
た、電流給電端子B,Cの電圧VB,VCの波形が滑ら
かになるため、固定子巻線12,13に流れるそれぞれ
の駆動電流Ib,Icは電流切換が滑らかに行われるこ
とになり、相切換期間T2であっても波形歪みが発生し
ない。
【0117】また、図5に示す期間(2)において、図
6で説明したのと同様に、ベースから引き出される電流
信号d’が次第に減少するので駆動トランジスタ24の
オン状態が次第に低下し、固定子巻線11に流し込まれ
る駆動電流Iaは次第に減少する。一方、ベースから引
き出される電流信号f’が次第に増加するので駆動トラ
ンジスタ25のオン状態が次第に増大し、固定子巻線1
2に流し込まれる駆動電流Ibは次第に増加する。2つ
の駆動電流の合計(Ia+Ib)は一定である。固定子
巻線11,12へそれぞれ駆動トランジスタ24,25
を介して流し込まれる駆動電流Ia,Ibは中性点oで
合流され、固定子巻線13には駆動電流Ic(=Ia+
Ib)が流れ、この駆動電流Icは駆動トランジスタ2
3を介して引き出される。
【0118】期間(2)において、第1の駆動トランジ
スタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,2
2,23のうち、オンとなっているのは駆動電流Icを
流す駆動トランジスタ23のみであり、この駆動トラン
ジスタ23については1相通電期間T1となっている。
この1相通電期間T1においては、固定子巻線13に流
れる駆動電流Icは一定の値を保っている。この1相通
電期間T1においては、第1の基準電圧発生回路9が出
力する基準電圧は、低めに設定された第1の基準電圧E
1’となり、駆動トランジスタ23でのエミッタ・コレ
クタ間の動作電圧が低いので電力損失は少ない。
【0119】また、期間(2)において、第2の駆動ト
ランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ2
4,25,26のうち、2つの駆動トランジスタ24,
25がオンとなっていて、駆動電流Ia,Ibの相切換
が行われているので、これらの駆動トランジスタ24,
25については相切換期間T2となっている。これら駆
動トランジスタ24,25についての相切換期間T2に
おいては、第2の基準電圧発生回路10が出力する基準
電圧は、低めに設定された第2の基準電圧E2’に山形
の電圧信号が加算された高めの第2の基準電圧E2とな
り、駆動トランジスタ24,25のエミッタ・コレクタ
間の動作電圧は十分に大きなものとなる。したがって、
図7の場合のように駆動トランジスタ24,25の電流
増幅率(hfe)がトランジスタのエミッタ・コレクタ
間の動作電圧(図7のVM−VA,VM−VBにほぼ等
しい)に依存するといったことはなく、また、電流給電
端子A,Bの電圧VA,VBの波形も滑らかになる。そ
の結果、固定子巻線11,12に通電されるそれぞれの
駆動電流Ia,Ibは電流切換が滑らかに行われること
になり、相切換期間T2であっても、駆動電流Ia,I
bには波形歪みが発生しない。
【0120】期間(1),(2)以外の期間においても
同様の動作が行われる。
【0121】以上のように構成することにより、第1の
駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジ
スタ21,22,23で、固定子巻線11,12,13
の駆動電流の相切換の行われる相切換期間T2において
は、第1の基準電圧発生回路9から高めの第1の基準電
圧E1を出力することによって駆動トランジスタ21,
22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を十分高
く設定して飽和領域での動作を避ける一方、相切換の完
了した1相通電期間T1においては、駆動トランジスタ
21,22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧
は、もともと低めに設定されていた第1の基準電圧E
1’の出力に基づいて十分低く設定される。
【0122】同様に、第2の駆動トランジスタ群5bを
構成する3個の駆動トランジスタ24,25,26の駆
動電流の相切換の行われる相切換期間T2においては、
第2の基準電圧発生回路10から高めの第2の基準電圧
E2を出力することによって駆動トランジスタ24,2
5,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を十分高く
設定して飽和領域での動作を避ける一方、相切換の完了
した1相通電期間T1においては、駆動トランジスタ2
4,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は、
もともと低めに設定されていた第2の基準電圧E2’の
出力に基づいて十分低く設定される。
【0123】また、本発明のブラシレス直流モータを高
速で回転させたときには、図1に示す指令端子60に
は”H”レベル切換信号が入力され、切換回路120及
び切換回路140の切換スイッチはそれぞれ出力端Yに
接続されるので、第1の基準電圧発生回路9が発生する
基準電圧E1及び第2の基準電圧発生回路10が発生す
る基準電圧E2は、それぞれ図10(8)及び図12
(8)に点線で示すように山形の電圧波形となり、この
山形部分の大きさを、モータの高速回転時には低速回転
時よりも高くするので、電圧変換回路4の出力すべき出
力電圧VMのリップル分は極めて平坦な波形となる。
【0124】以上の説明から明らかなように、第1の基
準電圧発生回路9と第2の基準電圧発生回路10から基
本的に低めに設定された基準電圧E1’と基準電圧E
2’をそれぞれ出力することにより、駆動トランジスタ
21,22,23及び駆動トランジスタ24,25,2
6のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を小さく設定する
ことができるので、駆動トランジスタでの電力損失を小
さく抑えることができる。しかも、高めの基準電圧E1
及び高めの基準電圧E2として、固定子巻線11,1
2,13に誘起される逆起電力a,b,cのタイミング
に同期して山形に変化させた信号を出力することによ
り、固定子巻線11,12,13の駆動電流の相切換動
作が波形歪みの発生なしに滑らかに行われるので、振動
・騒音が非常に少ないブラシレス直流モータの駆動が可
能となる。
【0125】また、本発明のブラシレス直流モータを高
速で回転させたときには、指令端子60には”H”レベ
ルの切換信号が入力され、第1の基準電圧発生回路9と
基準電圧発生回路10から基準電圧E1及び基準電圧E
2それぞれの電圧波形の山形部分の大きさを、モータの
高速回転時には低速回転時よりも高くして、電圧変換回
路4の出力すべき出力電圧VMのリップル分を極めて平
坦な波形にすることができるので、低速及び高速回転時
においても固定子巻線11,12,13の駆動電流の相
切換動作が波形歪みの発生なしに滑らかに行われるの
で、振動・騒音が非常に少ないブラシレス直流モータの
駆動が可能となる。
【0126】なお、図8(1)及び図8(3)に示した
モータの低速及び高速回転における電圧変換回路4の出
力すべき出力電圧VMは、どちらの場合にもリップル分
の極めて少ない平坦な波形となるように基準電圧E1及
び基準電圧E2の電圧波形の山形部分の大きさを決定し
たが、モータの高速回転時のみ出力電圧VMがリップル
分の極めて少ない平坦な波形となるようにしてもよい。
モータが低速で回転しているときは電圧波形VA,V
B,VCの包絡線波形のリップル周波数は低く、電圧変
換回路4の出力電圧の制御帯域よりも十分に低いので、
出力電圧VMは電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形
のリップルに十分追従することができる。したがって、
電圧波形VA,VB,VCの包絡線波形のリップル周波
数が電圧変換回路4の出力電圧の制御帯域よりも高くな
る高速回転時のみ出力電圧VMはリップル分の極めて少
ない平坦な波形となるように基準電圧E1及び基準電圧
E2の電圧波形の山形部分の大きさを決定してもよい。
この場合は、モータの低速回転時の基準電圧E1及び基
準電圧E2の電圧波形の山形部分の大きさを図5に示し
たE1,E2の波形よりも小さく設定できるので、駆動
トランジスタ21,22,23及び駆動トランジスタ2
4,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧をさ
らに小さく設定することができるので、駆動トランジス
タでの電力損失をさらに小さく抑えることができる。
【0127】なお、図9に示した第1の基準電圧発生回
路9及び図11に示した第2の基準電圧発生回路10で
は、切換回路120及び切換回路140の切換スイッチ
はモータの低速及び高速回転に応じて2段階にだけ切換
えるように構成したが、モータの回転速度に応じて何段
階にも切換えてもよい。さらには切換回路120及び切
換回路140を設けることなしに抵抗114及び抵抗1
34の抵抗値を回転速度に応じて連続的に増加するよう
に構成してもよい。
【0128】また抵抗114及び抵抗134の抵抗値を
固定しておいて第1の基準電圧発生回路9に入力される
電流信号Ip1”,Ip2”,Ip3”及び第2の基準
電圧発生回路10に入力される電流信号波形Ip1’,
Ip2’,Ip3’の大きさを回転速度に応じて連続的
に増加するように構成してもよい。
【0129】なお、図9に示した第1の基準電圧発生回
路9及び図11に示した第2の基準電圧発生回路10で
は、低めに設定された基準電圧E1’及び基準電圧E
2’の大きさは一定としたが、第1の駆動トランジスタ
群5a及び第2の駆動トランジスタ群5bを構成する駆
動トランジスタ21,22,23,24,25,26の
エミッタ・コレクタ間の動作電圧を固定子巻線への電流
供給を指令する指令信号に応じて変化させるように構成
し、供給電流が大きくなったときには基準電圧信号E
1’及び基準電圧信号E2’の大きさを増加するように
構成してもよい。
【0130】また、上記実施の形態では、固定子巻線1
1,12,13から流れ出す駆動電流の合計を電流検出
抵抗57で検出し、駆動電流の合計が一定となるように
制御することにより駆動電流Ia,Ib,Icの波形が
台形波状になるように構成したが、台形波状の駆動電流
に限らず固定子巻線11,12,13から流れ出す駆動
電流の合計を変調(例えば、特開昭61−150695
公報参照)することにより駆動電流Ia,Ib,Icの
波形を正弦波状となるように構成してもよい。
【0131】また、本発明は、上記実施の形態のような
3相のモータに限らず、4相以上のモータにも適用する
ことができる。
【0132】
【発明の効果】以上のように、本発明のブラシレス直流
モータによれば、第1の駆動トランジスタ群のエミッタ
・コレクタ間の動作電圧を第1の基準電圧発生回路の出
力する基準電圧に等しくなるように第2の駆動トランジ
スタ群の通電電流を制御し、また第2の駆動トランジス
タ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を第2の基準電
圧発生回路の出力する基準電圧に等しくなるように電圧
変換回路の直流出力電圧を制御し、第1の駆動トランジ
スタ群と第2の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレク
タ間の動作電圧を位置信号合成回路の出力する複数相の
位置信号とホール素子の各出力を増幅するバッファ増幅
器の出力を波形整形した整形信号に応じて変化させ、1
相通電期間では、駆動電流を通電している駆動トランジ
スタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ低
く設定するように構成しているので、その駆動トランジ
スタでの電力損失を小さく抑えることができる。
【0133】さらに、駆動電流の相切換の行われている
相切換期間では、対応する駆動トランジスタのエミッタ
・コレクタ間の動作電圧をモータの回転速度に応じて変
化させ、高めに切り換えているので、固定子巻線の駆動
電流の相切換動作を滑らかに行い、ブラシレス直流モー
タを振動・騒音の非常に少ない状態で駆動することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るブラシレス直流モー
タの回路図
【図2】図1のブラシレス直流モータを構成する位置信
号合成回路及び整形回路の動作を説明するための各部の
信号波形図
【図3】図1のブラシレス直流モータにおける第1の動
作電圧検出回路の一例を示す回路図
【図4】図1のブラシレス直流モータにおける第2の動
作電圧検出回路の一例を示す回路図
【図5】図1のブラシレス直流モータにおいて駆動トラ
ンジスタの動作電圧を位置信号に応じて変化させたとき
の動作を説明するための各部の信号波形図
【図6】従来のブラシレス直流モータにおいて電力損失
が大きくなるという問題を説明するための各部の信号波
形図
【図7】従来のブラシレス直流モータにおいて第1の基
準電圧及び第2の基準電圧を低く設定したときに相切換
期間において固定子巻線の駆動電流に波形歪みが発生す
る問題を説明するための各部の信号波形図
【図8】(1),(2),(3)はそれぞれ、図1のブ
ラシレス直流モータにおいて駆動トランジスタの動作電
圧を位置信号とモータの回転速度に応じて変化させたと
きの動作を説明するための各部の信号波形図
【図9】図1のブラシレス直流モータにおける第1の基
準電圧発生回路の一例を示す回路図
【図10】図8に示す第1の基準電圧発生回路の動作を
説明するための各部の信号波形図
【図11】図1のブラシレス直流モータにおける第2の
基準電圧発生回路の一例を示す回路図
【図12】図10に示す第2の基準電圧発生回路の動作
を説明するための各部の信号波形図
【符号の説明】
1,2,3……ホール素子 4……電圧変換回路 5a……第1の駆動トランジスタ群 5b……第2の駆動トランジスタ群 6a……第1の分配制御回路 6b……第2の分配制御回路 9……第1の基準電圧発生回路 10……第2の基準電圧発生回路 11,12,13……固定子巻線 27……回転子 40……位置信号合成回路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁極を有する回転子と、複数相の
    固定子巻線と、前記回転子の回転位置を検出するための
    複数のホール素子と、前記複数のホール素子の出力から
    複数相の位置信号を生成する位置信号合成手段と、直流
    電源から可変出力の直流電圧を得る電圧変換手段と、前
    記電圧変換手段の出力端子対の一方と前記固定子巻線の
    各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトラン
    ジスタを含む第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子
    巻線への電流供給を指令する指令信号及び前記位置信号
    合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群
    に流れる電流を分配制御する第1の分配制御手段と、前
    記電圧変換手段の出力端子対の他方と前記固定子巻線の
    各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトラン
    ジスタを含む第2の駆動トランジスタ群と、前記位置信
    号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ
    群の最小動作電圧が第1の基準電圧に一致するように前
    記第2の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御す
    る第2の分配制御手段と、前記第2の駆動トランジスタ
    群の最小動作電圧が第2の基準電圧に一致するように前
    記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段と、
    を備え、前記第1及び前記第2の基準電圧は、前記第1
    及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子
    巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に
    流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れ
    る1相通電状態より大きく、かつ、その大きさが前記回
    転子の回転速度に応じて変化するように構成されたこと
    を特徴とするブラシレス直流モータ。
  2. 【請求項2】 前記第1及び前記第2の基準電圧は、前
    記第1及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ
    固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に
    同時に流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流
    が流れる1相通電状態より大きく、その大きさは前記回
    転子の回転速度に略比例して連続的に大きくなるように
    構成されたことを特徴とする請求項1記載のブラシレス
    直流モータ。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の基準電圧が連続的に
    変化し、前記相切換通電状態では2相に流れる電流が略
    等しくなる時点を頂点とする三角波状に変化することを
    特徴とする請求項1記載のブラシレス直流モータ。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の基準電圧が、前記固
    定子巻線への電流供給を指令する指令信号に応じて変化
    することを特徴とする請求項1記載のブラシレス直流モ
    ータ。
  5. 【請求項5】 前記位置信号合成手段は、前記複数のホ
    ール素子の各出力を増幅する複数のバッファ増幅器と、
    前記複数のバッファ増幅器の各出力の差を生成する複数
    の減算回路とから構成され、前記第1及び第2の基準電
    圧は、前記位置信号合成手段が出力する複数相の位置信
    号と前記バッファ増幅器の出力を波形整形した整形信号
    とから生成されることを特徴とする請求項1記載のブラ
    シレス直流モータ。
  6. 【請求項6】 複数の磁極を有する回転子と、複数相の
    固定子巻線と、前記回転子の回転位置を検出するための
    複数のホール素子と、前記複数のホール素子の出力から
    複数相の位置信号を生成する位置信号合成手段と、直流
    電源から可変出力の直流電圧を得る電圧変換手段と、前
    記電圧変換手段の出力端子対の一方と前記固定子巻線の
    各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトラン
    ジスタを含む第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子
    巻線への電流供給を指令する指令信号及び前記位置信号
    合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群
    に流れる電流を分配制御する第1の分配制御手段と、前
    記電圧変換手段の出力端子対の他方と前記固定子巻線の
    各相の給電端子との間の電流路を形成する複数のトラン
    ジスタを含む第2の駆動トランジスタ群と、前記位置信
    号合成手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ
    群の最小動作電圧が第1の基準電圧に一致するように前
    記第2の駆動トランジスタ群に流れる電流を分配制御す
    る第2の分配制御手段と、前記第2の駆動トランジスタ
    群の最小動作電圧が第2の基準電圧に一致するように前
    記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段と、
    を備え、前記第1及び前記第2の基準電圧は、前記第1
    及び第2の駆動トランジスタ群においてそれぞれ固定子
    巻線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に
    流れる相切換通電状態のほうが、1相にのみ電流が流れ
    る1相通電状態より大きく、かつ、少なくとも前記回転
    子を高速で回転させるときには、前記電圧変換手段の出
    力電圧の波形が略平坦になるように前記第1の基準電圧
    と第2の基準電圧の大きさを変化させることを特徴とす
    るブラシレス直流モータ。
  7. 【請求項7】 高速回転時における前記第1及び第2の
    基準電圧のレベルを低速回転時のレベルよりも高くする
    ことを特徴とする請求項6記載のブラシレス直流モー
    タ。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の基準電圧が連続的に
    変化し、前記相切換通電状態では2相に流れる電流が略
    等しくなる時点を頂点とする三角波状に変化することを
    特徴とする請求項6記載のブラシレス直流モータ。
  9. 【請求項9】前記第1及び第2の基準電圧が前記固定子
    巻線への電流供給を指令する指令信号に応じて変化する
    ことを特徴とする請求項6記載のブラシレス直流モー
    タ。
  10. 【請求項10】 前記位置信号合成手段は、前記複数の
    ホール素子の各出力を増幅する複数のバッファ増幅器
    と、前記複数のバッファ増幅器の各出力の差を生成する
    複数の減算回路とから構成され、前記第1及び第2の基
    準電圧は、前記位置信号合成手段が出力する複数相の位
    置信号と前記バッファ増幅器の出力を波形整形した整形
    信号とから生成されることを特徴とする請求項6記載の
    ブラシレス直流モータ。
  11. 【請求項11】 複数のホール素子から出力される回転
    子の回転位置を示す信号に基づいて複数相の位置信号を
    生成し、その位置信号を用いて、固定子巻線の2相に同
    時に電流が流れる相切換状態のときにその他の状態に比
    べて電圧値が増大する第1及び第2の基準電圧を生成
    し、その第1及び第2の基準電圧をそれぞれ第1及び第
    2のオペアンプの非反転端子に入力し、その第1及び第
    2のオペアンプの負帰還ループに前記固定子巻線に給電
    するための給電端子を含めることにより前記給電端子の
    電圧を前記第1及び第2の基準電圧に基づいて制御し、
    これにより、前記給電端子を介して前記固定子巻線に電
    流を供給する第1及び第2の駆動トランジスタ群におけ
    る所望の動作電圧を確保することを特徴とするブラシレ
    ス直流モータの駆動制御方法。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2の基準電圧の生成に
    際し、モータの回転速度に応じて電圧値を変化させるこ
    とを特徴とする請求項11記載のブラシレス直流モータ
    の駆動制御方法。
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