JPH1120672A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH1120672A
JPH1120672A JP9181113A JP18111397A JPH1120672A JP H1120672 A JPH1120672 A JP H1120672A JP 9181113 A JP9181113 A JP 9181113A JP 18111397 A JP18111397 A JP 18111397A JP H1120672 A JPH1120672 A JP H1120672A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はブレーキ液圧制御装置に関し、スト
ロークシミュレータの特性のバラツキの影響を受けるこ
となく所望のペダルフィーリングを実現することを目的
とする。 【解決手段】 ストロークシミュレータ部92はストロ
ークシミュレータ102を備える。ストロークシミュレ
ータ102は、マスタシリンダ88に連通する第1液室
108と、電磁弁120を介してリザーバタンク24と
連通する第2液室110とを区画するピストン104を
備える。ピストン104はコイルスプリング114によ
り第1液室108側へ付勢される。電磁弁120の開閉
に応じて、ブレーキフルードの第1液室108への流入
が許可及び禁止される。従って、電磁弁120の開閉が
デューティ制御されることで、所望のストローク−マス
タ圧関係が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ液圧制御
装置に係り、特に、ペダル踏力に応じたペダルストロー
クを発生させるストロークシミュレート機能を備えるブ
レーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ液圧制御装置として、従来よ
り、例えば特開平6−211124号に開示される構成
が公知である。上記従来の装置は、マスタシリンダと、
高圧の液圧を発生する液圧発生機構と、ホイルシリンダ
をマスタシリンダ又は液圧発生機構の何れか一方に選択
的に連通させる切替弁とを備えている。システムに異常
が生じていない場合には、マスタシリンダとホイルシリ
ンダとの連通は遮断され、ホイルシリンダ圧は高圧源を
液圧源として制御される。
【0003】上記従来のブレーキ液圧制御装置は、ま
た、マスタシリンダと連通するストロークシミュレータ
を備えている。ストロークシミュレータは、シリンダ
と、このシリンダの内部にマスタシリンダと連通する液
室を画成するピストンと、このピストンを液室が収縮す
る向きに付勢するバネとを備えている。ブレーキペダル
に踏力が付与されると、マスタシリンダ圧の上昇に伴っ
てストロークシミュレータの液室の液圧が上昇する。こ
の場合、ピストンは、液室が拡張する方向に、バネが発
する弾性力と液室内の液圧とが釣り合う位置まで変位す
ると共に、液室の拡張量に応じた量のブレーキフルード
がマスタシリンダから液室へ流出する。ブレーキフルー
ドがマスタシリンダから流出すると、ブレーキペダルに
は、その流出量に応じたペダルストロークが発生する。
従って、上記従来の装置によれば、マスタシリンダとホ
イルシリンダとの連通が遮断された状態においても、マ
スタシリンダ圧に応じたペダルストロークを発生させる
ことができる。
【0004】ストロークシミュレータにより、運転者に
違和感を与えることのないペダルフィーリングを発生さ
せるには、ペダルストロークとマスタシリンダ圧との関
係(以下、ストローク−マスタ圧関係と称する)を、マ
スタシリンダ圧が大きくなるほど、その勾配が大きくな
るような非線形なものとすることが必要である。上記従
来の装置において、ペダルストロークとペダル踏力との
関係は、ピストンを付勢するバネの特性に依存してい
る。そこで、上記従来の装置においては、ピストンを付
勢するバネとして、非線形なバネ特性を有する皿バネを
用いることで、非線形なストローク−マスタ圧関係を実
現することとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、皿バネ
には個体差が大きく、そのバネ定数にはバラツキが存在
する。バネ定数にバラツキが存在すると、ストロークシ
ミュレータ毎にストローク−マスタ圧関係が変化するこ
となる。従って、上記従来のブレーキ液圧制御装置によ
れば、使用するストロークシミュレータによって、得ら
れるペダルフィーリングが変化してしまう。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ストロークシミュレータの特性のバラツキの影
響を受けることなく、所望のペダルフィーリングを実現
することが可能なブレーキ液圧制御装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、マスタシリンダと、液圧発生機構と、
前記マスタシリンダに連通するストロークシミュレータ
とを備え、前記マスタシリンダ又は前記液圧発生機構の
何れか一方を液圧源としてホイルシリンダ圧を制御する
ブレーキ液圧制御装置において、前記ストロークシミュ
レータは、前記マスタシリンダ及びリザーバに連通する
液室空間と、前記液室空間を、前記マスタシリンダに連
通する第1の液室と、前記リザーバに連通する第2の液
室とに区画するピストンと、前記ピストンを前記第1の
液室側へ向けて付勢するスプリングとを備え、かつ、前
記第2の液室と前記リザーバとの連通路の開度を変化さ
せる電磁弁を設けたブレーキ液圧制御装置により達成さ
れる。
【0008】本発明において、ストロークシミュレータ
の第1の液室はマスタシリンダに連通する。従って、第
1の液室の液圧はマスタシリンダ圧に等しい。マスタシ
リンダ圧が昇圧されることで第1の液室の液圧が上昇す
ると、ピストンはスプリングの付勢力に抗して第2の液
室側へ付勢される。第2の液室とリザーバとの連通路の
開度が全開とされた状態では、第2の液室の液圧は大気
圧となる。従って、ピストンの第2の液室側への変位量
は、第1の液室の液圧、すなわち、マスタシリンダ圧
と、スプリングの付勢力とに応じた大きさとなる。ピス
トンが第2の液室側に変位すると、その変位量に応じた
ブレーキフルードがマスタシリンダから第1の液室へ流
出する。ブレーキフルードがマスタシリンダから流出す
ると、その流出量に応じたペダルストロークが発生す
る。従って、電磁弁によって第2の液室とリザーバとの
連通路の開度が全開とされた状態では、一定のマスタシ
リンダ圧に対して生ずるペダルストローク量は、スプリ
ングの付勢力に応じた大きさとなる。
【0009】第2の液室とリザーバとの連通路の開度が
全開から絞られた状態では、第2の液室からリザーバへ
のブレーキフルードの単位時間当たり流量が小さくされ
る。このため、ピストンが第2の液室側へ付勢されたと
きのピストンの第2の液室側への変位は、第2の液室と
リザーバとの間の連通路の開度が全開である場合に比べ
て遅くなる。従って、マスタシリンダ圧に対して生ずる
ペダルストロークの速さは、連通路の開度に応じて変化
する。
【0010】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、マスタシリンダと、液圧発生機構とを備え、前記
マスタシリンダ又は前記液圧発生機構の何れか一方を液
圧源としてホイルシリンダ圧を制御するブレーキ液圧制
御装置において、前記マスタシリンダとリザーバとを連
通する連通路と、前記連通路の開度を変化させる電磁弁
と、を備えるブレーキ液圧制御装置によっても達成され
る。
【0011】本発明において、電磁弁は、マスタシリン
ダとリザーバとを連通する連通路の開度を変化させる。
マスタシリンダ圧が昇圧されると、マスタシリンダから
リザーバへブレーキフルードが流出する。このブレーキ
フルードの単位時間当たりの流量は、マスタシリンダと
リザーバとの間の連通路の開度とに応じた大きさとな
る。マスタシリンダからブレーキフルードが流出する
と、その単位時間当たりの流量に応じた速さのペダルス
トロークが発生する。従って、連通路の開度に応じて、
マスタシリンダ圧に対して生ずるペダルストロークの速
さは変化する。
【0012】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、請求項1記載のブレーキ液圧制御装置において、
ホイルシリンダ圧が前記マスタシリンダを液圧源として
制御されている場合は、前記電磁弁を全閉とするブレー
キ液圧制御装置によっても達成される。本発明におい
て、ホイルシリンダ圧がマスタシリンダを液圧源として
制御されている場合は、電磁弁は全閉とされる。電磁弁
が全閉とされると、第2の液室とリザーバとの間の連通
は遮断される。従って、マスタシリンダ圧が昇圧されて
も、ピストンに変位は生じない。ピストンに変位が生じ
なければ、ブレーキフルードは第1の液室へ流入しな
い。このため、マスタシリンダのブレーキフルードが全
てホイルシリンダに供給されることで、ホイルシリンダ
圧は効率的に増圧される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
ブレーキ液圧制御装置のシステム構成図である。本実施
例のシステムは図示しない電子制御ユニット(以下、E
CUと称す)により制御される。図1に示す如く、本実
施例のブレーキ液圧制御装置は、ポンプ20を備えてい
る。ポンプ20はモータ22により駆動される。ポンプ
20の吸入口にはリザーバタンク24が連通している。
また、ポンプ20の吐出口はレギュレータ26へ至る高
圧通路28が連通している。高圧通路28にはアキュー
ムレータ30が連通している。アキュームレータ30
は、ポンプ20から吐出されたブレーキフルードを貯留
する。
【0014】レギュレータ26には主油圧通路32が連
通している。レギュレータ26は、高圧通路28から供
給されるアキュームレータ30の油圧を、所定のレギュ
レータ圧PREに減圧して主油圧通路32に出力する。主
油圧通路32には、レギュレータ圧PREを検出する油圧
センサ34、及び、増圧制御バルブ36が配設されてい
る。油圧センサ34の出力信号はECUに供給されてい
る。ECUは、油圧センサ34の出力信号に基づいてレ
ギュレータ圧PREを検出する。
【0015】増圧制御バルブ36は、主油圧通路32の
導通状態を変化させるリニア制御バルブである。増圧制
御バルブ36は、ECUから供給される駆動信号に応じ
てその開度を変化させる。主油圧通路32には、増圧制
御バルブ36と並列に、増圧制御バルブ36の下流側か
らレギュレータ26側へ向かう流体の流れのみを許容す
る逆止弁38が配設されている。
【0016】主油圧通路32の、増圧制御バルブ36の
下流側には、補助リザーバタンク40へ至る減圧通路4
2が連通している。減圧通路42には減圧制御バルブ4
4が配設されている。減圧制御バルブ44は、減圧通路
42の導通状態を制御するリニア制御バルブである。減
圧制御バルブ44は、ECUから供給される駆動信号に
応じてその開度を変化させる。減圧通路42には、減圧
制御バルブ44と並列に、補助リザーバタンク40側か
ら主油圧通路32側へ向かう流体の流れのみを許容する
逆止弁46が配設されている。
【0017】主油圧通路32は、増圧制御バルブ36の
下流側において、後輪RL,RR側のホイルシリンダ4
8、50へ至る後輪側油圧通路52に連通している。後
輪側油圧通路52には、後輪側油圧通路52内部の油
圧、すなわち、後輪側ブレーキ油圧PR を検出する油圧
センサ54が配設されている。油圧センサ54の出力信
号はECUに供給されている。ECUは、油圧センサ5
4の出力信号に基づいて後輪側ブレーキ油圧PR を検出
すると共に、上記増圧制御バルブ36及び減圧制御バル
ブ44へ供給する駆動信号を変化させることにより後輪
側ブレーキ油圧P R を制御する。
【0018】後輪側油圧通路52には、上流側から順
に、後輪側保持バルブ56及びプロポーショニングバル
ブ58が配設されている。後輪側保持バルブ56は常開
の電磁開閉バルブであり、ECUからオン信号を付与さ
れることにより閉弁状態となる。プロポーショニングバ
ルブ58は、後輪側油圧通路52から供給された油圧が
所定値以下である場合には、その油圧をそのままホイル
シリンダ48、50へ供給する一方、後輪側油圧通路5
2から供給された油圧が所定値を越えた場合には、その
油圧を所定の比率で減圧してホイルシリンダ48、50
へ供給する。
【0019】後輪側油圧通路52の後輪側保持バルブ5
6とプロポーショニングバルブ58との間の部位には、
リザーバタンク24へ至る後輪側減圧通路60が連通し
ている。後輪側減圧通路60には後輪側減圧バルブ62
が配設されている。後輪側減圧バルブ62は常閉の電磁
開閉バルブであり、ECUからオン信号を付与されるこ
とにより開弁状態となる。
【0020】後輪側油圧通路52の、後輪側保持バルブ
56の上流側には、前輪側油圧通路64が連通してい
る。前輪側油圧通路64には切替バルブ66が配設され
ている。切替バルブ66は常閉の電磁開閉バルブであ
り、ECUからオン信号を付与されることにより開弁状
態となる。前輪側油圧通路64の、切替バルブ66の下
流側には、前輪側油圧通路64の内部の油圧、すなわ
ち、前輪側ブレーキ油圧PF を検出する油圧センサ67
が配設されている。油圧センサ67の出力信号はECU
に供給されている。ECUは油圧センサ67の出力信号
に基づいて前輪側ブレーキ油圧PF を検出する。
【0021】前輪側油圧通路64は、切替バルブ66の
下流側において、左前輪のホイルシリンダ68へ至る左
前輪油圧通路70、及び、右前輪のホイルシリンダ72
へ至る右前輪油圧通路74に連通している。左前輪油圧
通路70及び右前輪油圧通路74には、それぞれ、左前
輪保持バルブ76及び右前輪保持バルブ78が配設され
ている。左前輪保持バルブ76及び右前輪保持バルブ7
8は、共に、常開の電磁開閉バルブであり、ECUから
オン信号を付与されることにより閉弁状態となる。
【0022】左前輪油圧通路70の左前輪保持バルブ7
6とホイルシリンダ68との間の部位、及び、右前輪油
圧通路74の右前輪保持バルブ78とホイルシリンダ7
2との間の部位には、それぞれ、左前輪減圧通路80及
び右前輪減圧通路82が連通している。左前輪減圧通路
80及び右前輪減圧通路82は、共に、リザーバタンク
24に連通している。左前輪減圧通路80及び右前輪減
圧通路82には、それぞれ、左前輪減圧バルブ84及び
右前輪減圧バルブ86が配設されている。左前輪減圧バ
ルブ84及び右前輪減圧バルブ86は、共に、常閉の電
磁開閉バルブであり、ECUからオン信号を付与される
ことにより開弁状態となる。
【0023】本実施例のブレーキ液圧制御装置は、ま
た、マスタシリンダ88を備えている。マスタシリンダ
88にはブレーキペダル89が連結されている。マスタ
シリンダ88は、ブレーキペダル89に付与された踏力
に応じたマスタシリンダ圧PM/ C を発生する。マスタシ
リンダ88には、マスタ圧通路90が連通している。マ
スタ圧通路90には、マスタシリンダ圧PM/C を検出す
る油圧センサ91が配設されている。油圧センサ91の
出力信号はECUに供給されている。ECUは、油圧セ
ンサ91の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C
を検出する。また、マスタ圧通路90には、ストローク
シミュレータ部92が連通している。
【0024】マスタ圧通路90には、左前輪のホイルシ
リンダ68へ至る左前輪マスタ圧通路94、及び、右前
輪のホイルシリンダ72へ至る右前輪マスタ圧通路96
が連通している。左前輪マスタ圧通路94及び右前輪マ
スタ圧通路96には、それぞれ、切替バルブ98及び1
00が配設されている。切替バルブ98及び100は、
共に、常開の電磁開閉バルブであり、ECUからオン信
号を付与されることにより閉弁状態となる。
【0025】次に、ブレーキ液圧制御装置の動作につい
て説明する。本実施例のブレーキ液圧制御装置におい
て、システムに異常が生じていない正常時には、ブレー
キペダル89が踏み込まれると、切替バルブ66,9
8,100は何れもオン状態とされる。この場合、左前
輪マスタ圧通路94及び右前輪マスタ圧通路96の導通
が共に遮断されると共に、前輪側油圧通路64が導通さ
れる。かかる状態で、後輪側保持バルブ56、後輪側減
圧バルブ62、左前輪保持バルブ76、右前輪保持バル
ブ78、左前輪減圧バルブ84、及び右前輪減圧バルブ
86がオフ状態とされると、主油圧通路52内の油圧、
すなわち、後輪側ブレーキ油圧PR は、前輪側のホイル
シリンダ68、72に導かれると共に、プロポーショニ
ングバルブ58を介して後輪側のホイルシリンダ48、
50に導かれる。以下、この状態を、通常ブレーキ状態
と称する。通常ブレーキ状態において、ECUは、後輪
側ブレーキ油圧PR が、マスタシリンダ圧PM/C に応じ
た値となるように、増圧制御バルブ36及び減圧制御バ
ルブ44に付与する駆動信号を制御する。
【0026】何れかの車輪にロック傾向が生じたことが
検出されると、その車輪についてABS制御が開始され
る。例えば、左前輪FLにロック傾向が生じたことが検
出されると、左前輪FLについてABS制御が開始され
る。左前輪FLについてのABS制御は、通常ブレーキ
状態において、左前輪保持バルブ76及び左前輪減圧バ
ルブ84が開閉されることで実現される。
【0027】通常ブレーキ状態において、左前輪保持バ
ルブ76が閉弁されると共に、左前輪減圧バルブ84が
開弁されると、ホイルシリンダ68はリザーバタンク2
4と連通する。この場合、ブレーキフルードがホイルシ
リンダ68からリザーバタンク24へ流出することで、
ホイルシリンダ68の油圧が速やかに減圧される。この
状態を、以下、減圧モードと称する。
【0028】減圧モードによって、ホイルシリンダ68
の油圧が減圧された状態で、左前輪保持バルブ76が開
弁されると共に、左前輪減圧バルブ84が閉弁される
と、ホイルシリンダ68は主油圧通路52と連通する。
このため、ホイルシリンダ68の油圧は後輪側ブレーキ
油圧PR に向けて昇圧される。以下、この状態を、増圧
モードと称する。
【0029】また、左前輪保持バルブ76及び左前輪減
圧バルブ84が共に閉弁されると、ホイルシリンダ68
はマスタシリンダ88及びリザーバ24の双方から遮断
される。このため、ホイルシリンダ68の油圧は保持さ
れる。この状態を、以下、保持モードと称する。左前輪
FLのABS制御は、車輪のスリップ率が所定のしきい
値以下に保持されるように、上記減圧モード、増圧モー
ド、及び保持モードが切り替えて形成されることにより
実行される。また、右前輪FRのABS制御についても
同様に、右前輪保持バルブ78及び右前輪減圧バルブ8
6の開閉状態に応じて、減圧モード、増圧モード、及び
保持モードが適宜切り替えて形成されることにより実現
される。後輪側のABS制御は、後輪側保持バルブ56
及び後輪側減圧バルブ62が切り替えられることによ
り、左右後輪RL,RRについて共通に実行される。
【0030】本実施例のブレーキ液圧制御装置におい
て、システムに異常が生じたことが検出されると、切替
バルブ98及び100は共にオフ(開弁)状態とされ
る。この場合、前輪側のホイルシリンダ68、72とマ
スタシリンダ88とが連通することで、ホイルシリンダ
68、72の油圧がマスタシリンダ圧PM/C を上限とし
て昇圧されることが保証される。
【0031】上述の如く、本実施例のブレーキ液圧制御
装置において、正常時には、ブレーキペダル89が踏み
込まれると同時に切替バルブ98及び100は共に閉弁
状態とされる。切替バルブ98,100が閉弁状態とさ
れると、マスタシリンダ圧P M/C が上昇しても、ブレー
キフルードがマスタシリンダ88からホイルシリンダ6
8,72へ流出することはない。この場合、マスタシリ
ンダ88内のブレーキフルードがストロークシミュレー
タ部92へ流出することで、その流出量に応じたペダル
ストロークSが発生する。
【0032】本実施例のブレーキ液圧制御装置は、スト
ロークシミュレータ部92が、マスタシリンダ圧PM/C
に応じた適切なペダルストロークSを発生させることに
より、運転者に対して違和感のないペダルフィーリング
を与え得る点に特徴を有している。以下、図2を参照し
て、ストロークシミュレータ部92の構成を説明する。
【0033】図2は、ストロークシミュレータ部92の
構成図である。図2に示す如く、ストロークシミュレー
タ部92はストロークシミュレータ102を備えてい
る。ストロークシミュレータ102は、シリンダ103
を備えている。シリンダ103の内部には、ピストン1
04が摺動可能に配設されている。ピストン104の周
囲にはOリング106が装着されている。Oリング10
6によりピストン104とシリンダ103との間の液密
性が確保されている。
【0034】シリンダ103の内部空間は、ピストン1
04によって、第1液室108と第2液室110とに区
画されている。第1液室108には、マスタ側ポート1
12が連通している。マスタ側ポート112はマスタ圧
通路90と連通している。従って、第1液室108に
は、マスタシリンダ圧PM/C に等しい液圧のブレーキフ
ルードが導かれる。
【0035】第2液室110には、コイルスプリング1
14が配設されている。コイルスプリング114はピス
トン104を第1液室側へ向けて付勢している。ブレー
キペダル89が踏み込まれていない場合、マスタシリン
ダ圧PM/C は大気圧に等しい。従って、この場合、第1
液室108の液圧は大気圧に等しくなるため、ピストン
104はコイルスプリング114の付勢力によって、第
1液室108の容積が実質的にゼロとなる位置まで変位
される。
【0036】第2液室110には、リザーバ側ポート1
16が連通している。リザーバ側ポート116には、リ
ザーバタンク24へ至るリザーバ連通路118が連通し
ている。リザーバ連通路118には、電磁弁120が配
設されている。電磁弁120は常開の電磁開閉弁であ
り、ECUからオン信号を付与されると閉弁状態とな
る。リザーバ連通路118には、また、電磁弁120と
並列に、リザーバタンク24側からストロークシミュレ
ータ102側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁
122が配設されている。
【0037】電磁弁120が開弁された状態(以下、導
通状態と称す)では、第2液室110がリザーバタンク
24と連通するため、第2液室110の液圧は大気圧に
等しくなる。この導通状態において、第1液室108に
導かれる液圧、すなわち、マスタシリンダ圧PM/C が上
昇すると、ピストン104は第2液室110側へ変位す
る。この場合、ピストン104の変位に伴う第2液室1
10の容積の減少は、ブレーキフルードが第2液室11
0からリザーバタンク24へ流出することにより補償さ
れる。
【0038】コイルスプリング114のバネ定数をk、
ピストン104の断面積をAとすると、ピストン104
の変位量xは次式で表される。 x=PM/C ・A/k (1) なお、マスタシリンダ圧PM/C は大気圧からの昇圧量で
示している。ピストン104が第2液室110側へxだ
け変位すると、その変位量xに比例した量のブレーキフ
ルードがマスタシリンダ88から第1液室108へ流出
する。マスタシリンダ88からブレーキフルードが流出
すると、ブレーキペダル89には、その流出量に比例し
たペダルストロークSが発生する。従って、ブレーキペ
ダル89のペダルストロークSは、ピストン104の変
位量xに比例している。
【0039】このように、導通状態では、ピストン10
4の変位量xはマスタシリンダ圧P M/C に比例し、ま
た、ペダルストロークSは変位量xに比例する。従っ
て、導通状態では、マスタシリンダ圧PM/C に比例した
ペダルストロークSが生ずることになる。上記(1)式
からわかるように、導通状態における、ペダルストロー
クSとマスタシリンダ圧PM/C との関係、すなわち、ス
トローク−マスタ圧関係の勾配は、コイルスプリング1
14のバネ定数kに比例する。従って、コイルスプリン
グ114のバネ定数kを適宜設定することで、所望の勾
配のストローク−マスタ圧関係を生成することができ
る。
【0040】なお、ピストン104の変位量xの最大値
H は、コイルスプリング114の最大収縮量により規
制される。従って、ペダルストロークSが、xH に対応
する値SH に達すると、以後、マスタシリンダ圧PM/C
が増加してもペダルストロークSは増加しない。図3
に、導通状態におけるストロークペダル関係を実線で示
す。図3に示す如く、ペダルストロークSは所定値SH
に達するまでマスタシリンダ圧PM/C に比例して変化し
ている。なお、図3には、導通状態においてマスタシリ
ンダ圧PM/ C が増加した状態で、電磁弁120が一定期
間閉弁され、再び、開弁された場合の、ストローク−マ
スタ圧関係を破線で示している。
【0041】電磁弁120が閉弁された状態(以下、遮
断状態と称する)では、第2液室110とリザーバタン
ク24との連通は遮断される。このため、遮断状態にお
いては、マスタシリンダ圧PM/C が昇圧されても、第2
液室110内のブレーキフルードはリザーバタンク24
へ流出することができない。この場合、マスタシリンダ
圧PM/C の昇圧に応じて、第2液室110の液圧が上昇
し、ピストン104に変位は生じない。ピストン104
に変位が生じないと、マスタシリンダ88内のブレーキ
フルードは第1液室108へ流出することはできない。
このため、図3に矢印Aで示す如く、マスタシリンダ圧
M/C が増加しても、ペダルストロークSに変化は生じ
ない。
【0042】遮断状態において第2液室110の液圧が
上昇した状態で、再び導通状態に切り替えられると、第
2液室110の液圧が大気圧に達するまで、第2液室1
10からリザーバタンク24へブレーキフルードが流出
する。第2液室110からブレーキフルードが流出する
と、ピストン104が第2液室110側へ変位する。こ
のため、図3に矢印Bで示す如く、マスタシリンダ圧P
M/C が一定に保たれていても、ペダルストロークSは、
導通状態におけるストローク−マスタ圧関係に応じた値
となるまで増加する。
【0043】なお、遮断状態において、ブレーキペダル
89の踏み込みが解除されることによりマスタシリンダ
圧PM/C が減少した場合には、ブレーキフルードが逆止
弁122を経由して第2液室110へ流入することで、
ピストン104は第1液室108側へ変位する。従っ
て、ブレーキペダル89の踏み込みが解除されると、第
1液室108内のブレーキフルードはマスタシリンダ8
8へ速やかに回収される。
【0044】ところで、ストロークシミュレータ部92
が生成するストローク−マスタ圧関係が、マスタシリン
ダ88のブレーキフルードがすべてホイルシリンダ4
8,50,68,72へ消費されるとした場合のストロ
ーク−マスタ圧関係に一致すると、運転者に対して違和
感のない良好なペダルフィーリングを与えることができ
る。ホイルシリンダ48,50,68,72は、その液
圧が上昇するのに応じて、消費流量の変化が減少する特
性を有している。従って、良好なペダルフィーリングを
実現するために、ストロークシミュレータ部92が生成
するストローク−マスタ圧関係は、マスタシリンダ圧P
M/C が増加するのに応じて、その勾配が増加するような
非線形なものとなることが望ましい。
【0045】図4は、運転者に違和感のないペダルフィ
ーリングを与えることが可能なストローク−マスタ圧関
係(以下、理想ストローク−マスタ圧関係と称する)を
示す。図4に示す如く、理想ストローク−マスタ圧関係
において、その勾配はマスタシリンダ圧PM/C が増加す
るのにつれて大きくなる。マスタシリンダ圧PM/C が所
定値P0 以下の領域(以下、第1の領域と称す)では、
マスタシリンダ圧PM/ C の変化に対する勾配の変化率は
比較的小さい。従って、この第1の領域では、図4に一
点鎖線で示す如く、理想ストローク−マスタ圧関係を直
線で近似することができる。一方、マスタシリンダ圧P
M/C が所定値P0 を越えた領域(以下、第2の領域と称
す)では、マスタシリンダ圧PM/C の変化に対する勾配
の変化率は大きくなる。
【0046】上述の如く、本実施例において、ストロー
クシミュレータ部92が導通状態にある場合、ストロー
ク−マスタ圧関係は、コイルスプリング114のバネ定
数kで定まる勾配の直線的な関係となる。従って、導通
状態におけるストローク−マスタ圧関係の勾配が、理想
ストローク−マスタ圧関係の第1の領域における勾配に
ほぼ一致するようにコイルスプリング114のバネ定数
を設定することで、第1の領域において、理想ストロー
ク−マスタ圧関係に近似したストローク−マスタ圧関係
を生成することができる。
【0047】一方、ストロークシミュレータ部92が遮
断状態にある場合、マスタシリンダ圧PM/C が増加して
もペダルストロークSは増加しない。すなわち、ストロ
ーク−マスタ圧関係の勾配は無限大となる。また、遮断
状態においてマスタシリンダ圧PM/C が増加した状態か
ら遮断状態に切り替えられると、マスタシリンダ圧P
M/C が一定に保持されてもペダルストロークSは増加す
る。すなわち、ストローク−マスタ圧関係の勾配はゼロ
となる。このため、電磁弁120の開閉をデューティ制
御することで導通状態と遮断状態とを交互に繰り返し実
現すると、そのデューティ比に応じて、ストローク−マ
スタ圧関係の勾配が変化することになる。
【0048】そこで、本実施例においては、マスタシリ
ンダ圧PM/C がP0 よりも大きい場合には、PM/C の増
加に応じて、電磁弁120の閉弁状態の割合が大きくな
るように、デューティ比を変化させることで、第2の領
域においても理想ストローク−マスタ圧関係に近似した
ストローク−マスタ圧関係を実現することとしている。
【0049】図5は、本実施例において、電磁弁120
のデューティ制御を実行する際にECUが参照するテー
ブルである。図5に示すテーブルは、マスタシリンダ圧
M/ C のP0 以上の領域を例えば4つの領域I〜IVに区
分し、各領域において理想ストローク−マスタ圧関係に
近似したストローク−マスタ圧関係が得られるように、
各領域に対する導通状態のデューティ比を予め実験的に
求めることにより得られたものである。図5に示す如
く、マスタシリンダ圧PM/C の増加に応じて、電磁弁1
20の閉弁状態の比率が増加している。なお、図5に示
すテーブルにおいて、マスタシリンダ圧PM/C を4 つの
領域に区分することとしたが、これに限らず、任意の数
の領域に区分することができる。
【0050】ECUは、マスタシリンダ圧PM/C が所定
値P0 を上回ったことを検出すると、図5に示すテーブ
ルを参照して、デューティ比を決定し、そのデューティ
比で電磁弁120をデューティ制御する。図6は、本実
施例において得られたストローク−マスタ圧関係を示
す。なお、図6には、理想ストローク−マスタ圧関係を
破線で併示している。
【0051】図6に示す如く、マスタシリンダ圧PM/C
が所定値P0 以下の領域では、コイルスプリング114
のバネ定数に応じた勾配の直線的な関係となる。一方、
マスタシリンダ圧PM/C がP0 を上回った領域では、P
M/C の増加に応じて勾配が増加することで、全体として
理想ストローク−マスタ圧関係に近似したストローク−
マスタ圧関係が生成されている。
【0052】なお、上記デューティ制御の実行中に、マ
スタシリンダ圧PM/C が一定に保持された場合、電磁弁
120の開弁期間に、ブレーキフルードがマスタシリン
ダ88から第1液室108へ流出する。すなわち、マス
タシリンダ圧PM/C を一定に保ってもペダルストローク
Sが増加することで、運転者に違和感を与えてしまう。
そこで、本実施例においては、デューティ制御の実行中
にマスタシリンダ圧P M/C の時間変化がゼロになった場
合には電磁弁120を閉弁することとしている。
【0053】上述の如く、本実施例においては、電磁弁
120が、マスタシリンダ圧PM/Cに応じたデューティ
比でデューティ制御されることで、理想ストローク−マ
スタ圧関係に近似した非線型なストローク−マスタ圧関
係が実現される。このため、例えば、コイルスプリング
114のバネ定数のバラツキ等によりストロークシミュ
レータ100に固有のストローク−マスタ圧関係(すな
わち、導通状態におけるストローク−マスタ圧関係)が
変化した場合にも、理想ストローク−マスタ圧関係に近
似したストローク−マスタ圧関係を生成することができ
る。従って、本実施例のブレーキ液圧制御装置によれ
ば、ストロークシミュレータ100の個体差の影響を受
けることなく、一定のペダルフィーリングを実現するこ
とができる。
【0054】なお、システムに異常が生じた場合には、
切替バルブ66,98,100が何れもオフ状態とされ
ることで、前輪側のホイルシリンダ68,72にマスタ
シリンダ88からブレーキフルードが直接供給される。
このため、前輪側のホイルシリンダ圧については、マス
タシリンダ圧PM/C に等しい値まで確実に増圧させるこ
とができる。しかしながら、後輪側のホイルシリンダ4
8、50にはマスタシリンダ88からブレーキフルード
が供給されることはないため、後輪側の油圧系統に異常
が生ずると、後輪側のホイルシリンダ圧が適切に制御さ
れない可能性がある。従って、システムに異常が生じた
場合には、前輪側のホイルシリンダ圧をマスタシリンダ
88を液圧源として速やかに増圧させることにより、所
要の制動力を確保することが望ましい。この場合、マス
タシリンダ88内のブレーキフルードがストロークシミ
ュレータ102へ流出し得るものとすると、ホイルシリ
ンダ68,72に供給されるブレーキフルード量が減少
することで、前輪側のホイルシリンダ圧の増圧が効率的
に行なわれなくなってしまう。
【0055】そこで、本実施例においては、システムに
異常が生じ、前輪側のホイルシリンダ68,72にマス
タシリンダ圧PM/C が直接導かれる状況の下では、電磁
弁120を閉弁状態とすることとしている。電磁弁12
0が閉弁状態とされると、マスタシリンダ88内のブレ
ーキフルードがストロークシミュレータ102の第1液
室108へ流入することが禁止される。従って、本実施
例によれば、システムに異常が生じた場合に、前輪側の
ホイルシリンダを効率的に増圧することができる。
【0056】また、ストロークシミュレータ102のO
リング106にシール不良が発生し、第1液室108側
から第2液室110へブレーキフルードの漏れが生ずる
場合がある。この場合、本実施例においては、ホイルシ
リンダ68,72にマスタシリンダ圧PM/C が直接導か
れる状況の下で、電磁弁120が閉弁状態とされること
により、第1液室108側から第2液室110へ漏れた
ブレーキフルードがリザーバタンク26へ流出すること
が防止される。従って、本実施例によれば、Oリング1
06にシール不良が発生した場合にも、マスタシリンダ
88から第1液室108へのブレーキフルードの流出を
阻止することができ、これにより、システムに異常が検
出された場合に、前輪側のホイルシリンダ圧を所期の値
まで確実に増圧することが可能となっている。
【0057】このように、本実施例においては、ストロ
ークシミュレータ102とリザーバタンク24との間に
電磁弁120を設けることで、フェールセーフ対策の点
においても優れた性能を有するブレーキ液圧制御装置が
実現されている。なお、電磁弁120として常閉の電磁
弁を用いることとすれば、システム異常時にも電磁弁1
20を確実に閉弁させることができる。従って、電磁弁
120を常閉の電磁弁とすることで、ブレーキ液圧制御
装置のフェールセーフ対策をより万全なものとすること
ができる。
【0058】また、上記実施例において、電磁弁120
と並列に逆止弁122を設けることで、ブレーキペダル
89に対する踏み込みが解除された場合に、ストローク
シミュレータ102からマスタシリンダ88へブレーキ
フルードを速やかに回収させることとしたが、これに限
らず、マスタシリンダ圧PM/C が減少した場合に、電磁
弁120を開弁させることによっても同様の目的を達成
することができる。この場合、逆止弁122が不要とな
るため、装置のコストを低減することができる。
【0059】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図7は、本実施例において用いられるストロークシ
ミュレータ部192を示す。本実施例のブレーキ液圧制
御装置は、上記図1に示す構成において、ストロークシ
ミュレータ部92に代えてストロークシミュレータ部1
92を用いることにより実現される。本実施例におい
て、ストロークシミュレータ部192は、マスタ圧通路
90とリザーバタンク24とを連通する通路194と、
連通路194に配設された常閉の電磁弁196とより構
成されている。
【0060】本実施例において、電磁弁196が閉弁さ
れた状態では、マスタシリンダ圧P M/C が上昇しても、
マスタシリンダ88内のブレーキフルードはストローク
シミュレータ部92へ流出することはできない。このた
め、ペダルストロークSに変化は生じず、ストローク−
マスタ圧関係の勾配は無限大となる。一方、マスタシリ
ンダ圧が上昇した状態で、電磁弁196が開弁される
と、マスタシリンダ88内のブレーキフルードは、電磁
弁196を経由してリザーバタンク24へ流出する。こ
のため、マスタシリンダ圧PM/C が一定に保持されて
も、ペダルストロークSは増加する。すなわち、電磁弁
196が開弁された状態ではストローク−マスタ圧関係
の勾配はゼロとなる。
【0061】従って、本実施例においては、上記ストロ
ークシミュレータ部192の第2領域における場合と同
様に、マスタシリンダ圧PM/C に応じたデューティ比で
電磁弁196の開閉をデューティ制御することで、理想
ストローク−マスタ圧関係に近似したストローク−マス
タ圧関係を実現することができる。図8は、本実施例に
おいて電磁弁196のデューティ制御を実行する際に参
照されるテーブルである。本実施例においては、上記第
1実施例のストロークシミュレータ部92とは異なり、
ストロークシミュレータ102による線型なストローク
−マスタ圧関係が得られないめ、マスタシリンダ圧P
M/C の全領域でデューティ制御が実行される。なお、図
8に示すテーブルにおいて、マスタシリンダ圧PM/C
5つの領域に区分することとしたが、これに限らず、任
意の数の領域に区分することができる。
【0062】なお、本実施例において、電磁弁196が
開弁されると、マスタシリンダ88とリザーバタンク2
4とが連通することで、マスタシリンダ圧PM/C が増圧
されなくなる。本実施例においては、電磁弁196とし
て常閉の電磁弁を用いているため、システムに異常が生
じた場合にも、電磁弁196を少なくとも閉弁状態に維
持することが可能となっている。従って、本実施例によ
れば、システムに異常が生じた場合に、マスタシリンダ
圧PM/C が増圧されなくなることが防止されている。
【0063】また、本実施例においては、上記第1実施
例と同様に、デューティ制御の実行中にマスタシリンダ
圧PM/C が一定に保持された場合には、電磁弁196を
閉弁することで、ペダルストロークSが増加するのを防
止することとしている。ただし、開閉のデューティ比が
100:0の領域(図8における領域I)にある場合の
マスタシリンダ圧PM/C は十分に小さいため、電磁弁1
96が開弁されていても、ペダルストロークは大きくは
増加しないと考えられる。そこで、この場合には、電磁
弁196が開弁された状態を維持することで、マスタシ
リンダ圧PM/Cが再び上昇した場合にデューティ制御を
速やかに再開することとしている。
【0064】更に、本実施例においては、上記第1実施
例と同様に、システムに異常が生じて、ホイルシリンダ
68、72にマスタシリンダ圧PM/C が導かれる状況下
で電磁開閉弁196を閉弁させることとしている。この
ため、本実施例においても、システムに異常が生じた場
合に、前輪側のホイルシリンダ圧を効率的に増圧するこ
とができる。
【0065】本実施例のブレーキ液圧制御装置によれ
ば、上記第1実施例のストロークシミュレータ102に
相当する機構が不要とされている。従って、本実施例に
よれば、ブレーキ液圧制御装置の低コスト及び小型化を
図りつつ、上記第1実施例のブレーキ液圧制御装置と同
様の効果を得ることができる。なお、上記第1及び第2
実施例においては、それぞれ、電磁弁120、196の
開閉をデューティ制御することが、請求項に記載した連
通路の開度を変化させることに相当している。
【0066】なお、上記第1及び第2実施例において
は、電磁弁120、196として電磁開閉弁を用い、そ
の開閉をデューティ制御することによって所望のストロ
ーク−マスタ圧関係を実現することとしたが、本発明は
これに限定されるものではなく、電磁弁120、196
としてリニア制御弁を設け、その開度をマスタシリンダ
圧PM/C に応じて変化させることとしてもよい。この場
合、リニア制御弁の開度を連続的に変化させることで、
ストローク−マスタ圧関係の勾配を滑らかに変化させる
ことができる。
【0067】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、電磁弁により、リザーバとストロークシミュレータ
の第1の液室とを連通する連通路の開度を変化させるこ
とで、ストローク−マスタ圧関係の勾配を変化させるこ
とができる。従って、本発明によれば、ストロークシミ
ュレータの特性のバラツキの影響を受けることなく、所
望のペダルフィーリングを実現することができる。
【0068】また、請求項2記載の発明によれば、電磁
弁により、マスタシリンダとリザーバとを連通する連通
路の開度を変化させることで、ストローク−マスタ圧関
係の勾配を変化させることができる。従って、本発明に
よれば、ストロークシミュレータを設けることなく、所
望のペダルフィーリングを実現することができる。更
に、請求項3記載の発明によれば、マスタシリンダを液
圧源としてホイルシリンダ圧を制御する場合に、ホイル
シリンダ圧を効率的に増圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるブレーキ液圧制御装置
のシステム構成図である。
【図2】本実施例のストロークシミュレータ部の構成図
である。
【図3】本実施例のストロークシミュレータの導通状態
におけるストローク−マスタ圧関係を示す図である。
【図4】理想ストローク−マスタ圧関係を示す図であ
る。
【図5】本実施例において、電磁弁の開閉のデューティ
比をマスタシリンダ圧に応じて設定するためのテーブル
である。
【図6】本実施例において生成されるストローク−マス
タ圧関係を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例のブレーキ液圧制御装置に
用いられるストロークシミュレータ部の構成図である。
【図8】本実施例において、電磁弁の開閉のデューティ
比をマスタシリンダ圧に応じて設定するためのテーブル
である。
【符号の説明】
88 マスタシリンダ 92、192 ストロークシミュレータ部 102 ストロークシミュレータ 108 第1液室 110 第2液室 118 リザーバ連通路 120、196 電磁弁 194 連通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダと、液圧発生機構と、前
    記マスタシリンダに連通するストロークシミュレータと
    を備え、前記マスタシリンダ又は前記液圧発生機構の何
    れか一方を液圧源としてホイルシリンダ圧を制御するブ
    レーキ液圧制御装置において、 前記ストロークシミュレータは、 前記マスタシリンダ及びリザーバに連通する液室空間
    と、 前記液室空間を、前記マスタシリンダに連通する第1の
    液室と、前記リザーバに連通する第2の液室とに区画す
    るピストンと、 前記ピストンを前記第1の液室側へ向けて付勢するスプ
    リングとを備え、かつ、 前記第2の液室と前記リザーバとを連通する連通路の開
    度を変化させる電磁弁を設けたことを特徴とするブレー
    キ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 マスタシリンダと、液圧発生機構とを備
    え、前記マスタシリンダ又は前記液圧発生機構の何れか
    一方を液圧源としてホイルシリンダ圧を制御するブレー
    キ液圧制御装置において、 前記マスタシリンダとリザーバとを連通する連通路と、 前記連通路の開度を変化させる電磁弁と、を備えること
    を特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のブレーキ液圧制御装置に
    おいて、 ホイルシリンダ圧が前記マスタシリンダを液圧源として
    制御されている場合は、前記電磁弁を全閉とすることを
    特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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