JPH11209323A - 2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールおよび2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカン酸の製造方法 - Google Patents

2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールおよび2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカン酸の製造方法

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JPH11209323A
JPH11209323A JP10032655A JP3265598A JPH11209323A JP H11209323 A JPH11209323 A JP H11209323A JP 10032655 A JP10032655 A JP 10032655A JP 3265598 A JP3265598 A JP 3265598A JP H11209323 A JPH11209323 A JP H11209323A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ホルムアルデヒドの使用量が少くても高収率
に脂肪族アルデヒド1モルとホルムアルデヒド1〜5モ
ルから高収率に2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ア
ルカナールを製造する方法の提供。 【解決手段】 一般式(I) RCH2 CHO (I) (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
示す。)で表される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒ
ドとを、塩基の存在下に反応させて、一般式(II) (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
示す。)で表される2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)アルカナールを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル、ポ
リウレタン、アルキッド樹脂などの製造原料として有用
なジメチロールアルカン酸またはトリメチロールアルカ
ン原料の2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナ
ール、及び2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカ
ン酸を工業的有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドと
を、塩基性物質の存在下に反応させ2,2’−ビス(ヒ
ドロキシメチル)アルカナールを製造する方法は良く知
られている。上記製法において、使用する塩基物質とし
て、水酸化ナトリウム(特公昭52−20965号、特
開昭62−263141号)、炭酸ナトリウム(米国特
許3,312,736号)、トリエチルアミン(特公平
4−55181号)、あるいはジメチルアミノネオペン
タノール(ドイツ特許2507461号)などを用いる
方法が提案されている。
【0003】かかる方法において、脂肪族アルデヒドに
対するホルムアルデヒドの使用量が化学量論付近、即
ち、モル比で2付近の条件では、2−置換アクロレイン
の副生量が著しく多く、目的とする2,2’−ビス(ヒ
ドロキシメチル)アルカナールを工業的に製造すること
は困難である。また、2−置換アクロレイン等の副生を
抑制するため、アルデヒドに対するホルムアルデヒドの
使用量を10当量以上使用した場合には、目的とする
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを高
収率で得ることができるが、この場合、ホルムアルデヒ
ドが過剰に残存し、過剰ホルムアルデヒドの分離、リサ
イクル等の煩雑な操作が必要となり、コスト高になる欠
点を有する。目的生成物であるアルカナール中に、ホル
ムアルデヒドが過剰に残存すると、後段の酸化工程にお
いて、高価な酸化剤を多量必要としたり、副反応を誘起
するという問題点もある。
【0004】即ち、塩基の存在下、脂肪族アルデヒド:
ホルムアルデヒド仕込み比が1:2〜10未満の条件で
は、目的とする2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ア
ルカナールのほかに、副生物として2−置換アクロレイ
ンが相当の量生成する。2−置換アクロレインの生成量
は、アルデヒドの種類、用いる塩基の種類及び量、反応
温度などの条件により支配される。例えば、n−ブチル
アルデヒドとホルムアルデヒドの反応を、トリエチルア
ミンの存在下、60℃付近で行うと、約20%の2−エ
チルアクロレインが生成する。2−置換アクロレイン
は、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナール
の前駆体である2−ヒドロキシメチルアルカナールの脱
水反応により生成すること、また2−ヒドロキシメチル
アルカナールと2−置換アクロレインとは平衡関係が存
在することが知られており、アルデヒド:ホルムアルデ
ヒド仕込み比の低い条件では2−置換アクロレインが副
生することは避けられない。
【0005】一方、2−置換アクロレインは、塩基と水
の存在下、ホルムアルデヒドとの反応により、目的生成
物の2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナール
に変換されるが、この目的生成物を収率良く得るために
2−置換アクロレイン1モルに対し、ホルムアルデヒド
を10〜30モルと大過剰に用いることが必要とされる
が、過剰量のホルムアルデヒドの分離が必要であるた
め、工業的に不利な方法である。
【0006】副生する2−置換アクロレインを2,2’
−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールに変換する方
法として、以下の方法が提案されている。特開昭52−
124213号公報は、トリエチルアミンを用い2−エ
チルアクロレインとホルムアルデヒド水溶液との反応に
より、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナール
を得る方法を例示している。しかし、この方法では2−
エチルアクロレインに対して大過剰のホルムアルデヒド
を必要とすることからコスト高になることは避けられな
い。
【0007】ドイツ特許2507461号公報は、例え
ばN,N−ジメチルアミノネオペンタノールの存在下、
n−ブチルアルデヒドとホルムアルデヒドとを1段目の
反応器で反応させた後、反応液から未反応のn−ブチル
アルデヒドと副生した2−エチルアクロレインを蒸留に
より分離し、得られた留分に、更にホルムアルデヒドと
アミンを添加して2段目の反応を行う方法を提案してい
る。しかし、この方法では、ホルムアルデヒド使用量と
して化学量論付近を使用としているため、収率が低く、
工業的に有用な方法とは言えない。
【0008】2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アル
カナールは、酸化によりジメチロールアルカン酸、水素
化によりトリメチロールアルカンに変換されることが知
られている。2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アル
カナールを酸化して、2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)アルカン酸を得る方法として、過酸化水素により酸
化する方法(例えば米国特許3,312,736号)、
セリウム、チタン、ジルコニウム、スズ、ニオブ、モリ
ブデン及びタングステンからなる群から選ばれた少なく
とも一種の元素の化合物触媒の存在下、過酸化水素によ
り酸化する方法(特開昭62−263141号公報)、
あるいは過イソ酪酸により酸化する方法(有機合成化学
協会誌、36,1095(1978))が知られてい
る。しかし、公知方法で製造した2,2’−ビス(ヒド
ロキシメチル)アルカナール原料を用い、酸化する場
合、そもそも該2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ア
ルカナール収率が低く、また残存ホルムアルデヒド含有
量が多いため、多量の酸化剤が必要となる等の欠点を有
するため、高純度の製品を収率良く得ることはできな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち、従来法において
は、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナール
を高収率で得ることができ、且つ、ホルムアルデヒドの
残存量を抑制できる方法は見出されていなかった。本発
明は上述のように、未反応ホルムアルデヒドの回収工程
のプロセス上の多大な負荷をおうことなく、かつ、ホル
ムアルデヒド残存量を抑制でき、目的とする2,2’−
ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを工業的に高収
率で得る方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0011】
【化4】RCH2 CHO (I) (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
示す。)で表される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒ
ドとを、塩基の存在下に反応させて、一般式(II)
【0012】
【化5】 (式中、Rは置換されていても良い脂肪族炭化水素基を
示す。)で表される2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)アルカナールを製造する方法において、少なくと
も、一般式(I)で表される脂肪族アルデヒドとホルム
アルデヒドを含有する液とを塩基の存在下で反応させて
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを製
造するアルデヒド反応工程、および該アルデヒド反応工
程で副生した一般式(III)
【0013】
【化6】 (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
表す。)で表される2−置換アクロレインを含む液を、
塩基の存在下で2−置換アクロレインとホルムアルデヒ
ドのモル比が、1:3〜1:100の範囲でホルムアル
デヒドと反応させて2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)アルカナールを製造する2−置換アクロレイン反応
工程を含み、かつ、全工程中の脂肪族アルデヒドとホル
ムアルデヒドの総仕込みのモル比が、1:1〜1:5と
なるように反応を行うことを特徴とする2,2’−ビス
(ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方法に存す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明は、一般式(I)
【0015】
【化7】 RCH2 CHO (I) (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
示す。)で表される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒ
ドとを、塩基の存在下に反応させる際、少なくとも、一
般式(I)で表される脂肪族アルデヒドとホルムアルデ
ヒド含有液とを塩基の存在下で反応させて2,2’−ビ
ス(ヒドロキシメチル)アルカナールを製造するアルデ
ヒド反応工程(i)、および、該アルデヒド反応工程
(i)で副生した一般式(III)
【0016】
【化8】 (式中、Rは置換されていても良い脂肪族炭化水素基を
表す。)で示される2−置換アクロレインを含む液を、
塩基の存在下で2−置換アクロレインとホルムアルデヒ
ドのモル比が、1:3〜1:100の範囲でホルムアル
デヒドと反応させて2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)アルカナールを製造する2−置換アクロレイン反応
工程を含み、かつ、全工程中の脂肪族アルデヒドとホル
ムアルデヒドの総仕込みのモル比が、1:1〜1:5と
なるように反応を行うことを特徴とする、2,2’−ビ
ス(ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方法であ
り、少なくとも、上記(i)及び(iii)の反応工程を含
み、且つ、全工程中の脂肪族アルデヒドとホルムアルデ
ヒドの総仕込みのモル比が、1:1〜1:5になるよう
な方法であれば、どのような方法も採用できるものであ
る。
【0017】具体的には、下記の方法、例えば、(a)
一般式(I)で表される脂肪族アルデヒドとホルムアル
デヒドを含有する液とを塩基の存在下で反応させて2,
2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを製造す
るアルデヒド反応工程(i)と、(b)該アルデヒド反
応工程(i)から抜き出された反応液から、一般式(II
I)
【0018】
【化9】 (式中、Rは置換されていても良い脂肪族炭化水素基を
示す。)で表される副生した2−置換アクロレインを含
む成分を分離する工程(ii)と、
【0019】(c)前記2−置換アクロレインを含む成
分を、塩基の存在下で、2−置換アクロレインとホルム
アルデヒドのモル比が1:3〜1:100の範囲でホル
ムアルデヒドと反応させて2,2’−ビス(ヒドロキシ
メチル)アルカナールを製造する2−置換アクロレイン
反応工程(iii)と、(d)該2−置換アクロレイン反応
工程(iii)で得られたホルムアルデヒドを含む反応液の
少なくとも一部と、一般式(I)で表される脂肪族アル
デヒドとを、塩基の存在下に反応させて2,2’−ビス
(ヒドロキシメチル)アルカナールを製造する工程(i
v)からなる方法が挙げられる。中でも、工程(iv)
が、該2−置換アクロレイン反応工程(iii)で得られた
ホルムアルデヒドを含む反応液を、該アルデヒド反応工
程(i)のホルムアルデヒドを含有する液として使用す
る工程であり、工程(i)〜(iii)の操作を繰り返して
行う方法を採用するのが、プロセスを簡略化でき、建設
コストを低減できるという点で好ましい。
【0020】一般式(I)〜(III)中の置換基(R)
は、炭素数が1〜16まで、特に1〜7までの炭化水素
基で、直鎖または分岐アルキル基である。また、これら
のアルキル基は、反応条件下で不活性な1−4の炭化水
素原子を有するアルコキシ基を有していても構わない。
置換基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ基が挙げられる。アルキル基の例として
は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、iso−ブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、n−ヘプチル、isoーヘキシル、ドデシル
およびペンタデシルである。特に、好ましいアルキル基
としては、メチル、エチル、n−プロピルおよびiso
−プロピル基である。
【0021】本発明において用いられる式(I)で示さ
れる脂肪族アルデヒドは、α−炭素原子に2個の水素原
子を有するアルデヒドで、例えばプロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、iso−ブチルアルデヒ
ド、n−ペンチルアルデヒド、iso−ペンチルアルデ
ヒド、n−ヘキシルアルデヒド、iso−ヘキシルアル
デヒド、n−ヘプチルアルデヒド、iso−ヘプチルア
ルデヒド、n−オクチルアルデヒド、iso−オクチル
アルデヒド、n−ノニルアルデヒド、iso−ノニルア
ルデヒド、ドデシルアルデヒド、ペンタデシルアルデヒ
ド等が好適に用いられる。中でも、炭素数3〜9の脂肪
族アルデヒドが特に好ましい。
【0022】ホルムアルデヒドとしては取り扱いの面か
ら水で希釈したものが好ましく、その濃度が5〜60重
量%の水溶液を使用するのが好ましく、さらに30〜5
5重量%の水溶液がより好ましく、特にホルマリン水溶
液が好適である。本発明の工程(i)、(iii)、(iv)
で用いられる塩基としては例えば、特開昭52−124
213号、特開平4−55181号、ドイツ特許94
7,419号、同2,507,461号、米国特許3,
312,736号、および英国特許1,317,106
号公報に例示されているものが挙げられる。例えば、ア
ルカリ金属の水酸化物または炭酸塩、およびアルカリ土
類金属の水酸化物または炭酸塩、第3級アミン及び塩基
性イオン交換体などが挙げられる。これらの塩基性物質
は、単独で、あるいは2種以上混合して使用する。
【0023】アルカリ金属の水酸化物と炭酸塩として
は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウムなどを使用することができる。各工程で使用する塩
基は、同じでも異なっていても良い。第3級アミン化合
物としては、炭素数が3〜20まで、好ましくは3〜1
5まで有する脂肪族、脂環式および複素環式アミンが挙
げられ、なかでも脂肪族第3級アミンを用いるのが好ま
しい。第3級アミンの例として、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−i
soープロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ
−iso−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミ
ン、のような対称トリアルキルアミン;メチルジエチル
アミン、ジメチルエチルアミン、エチルジ−iso−プ
ロピルアミン、ジメチル−tert−ブチルアミンのよ
うな非対称トリアルキルアミン;N,N−テトラメチル
−エチレンジアミン、トリエチレンジアミンのようなジ
アミン;N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス
(2−ヒドロキシエチル)−シクロヘキシルアミン、N
−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチ
ルモルフォリン;そして、N,N−ジメチルアミノエタ
ノール、N,N−ジメチルアミノネオペンタノールのよ
うな置換基を有するアミン;トリベンジルアミン、N,
N−ジメチルベンジルアミンのような芳香環を有するア
ミン;トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミ
ノエチル)−メチルアミンのような第3級アミノ基を有
するポリアミン、テトラエチルアンモニウム・ヒドロキ
シドのようなテトラアルキルアンモニウム・ヒドロキシ
ドを使用することができる。中でもトリアルキルアミン
が好ましい。
【0024】上記脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
とを塩基性触媒の存在下で縮合反応させることより得ら
れる式(II)で表されるジメチロールアルカナール
[2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナール]
は、原料の脂肪族アルデヒドがプロピオンアルデヒドの
場合にはジメチロールプロパナールが、また、n−ブチ
ルアルデヒドの場合にはジメチロールブタナールが生成
する。
【0025】一般式(III)で表される2−置換アクロレ
インとしては、一般式(I)で表されるアルデヒドとホ
ルムアルデヒドとの反応により副生する、2−アルキル
アクロレインであり、例えば、2−メチルアクロレイ
ン、2−エチルアクロレイン、2−プロピルアクロレイ
ン、2−ブチルアクロレイン、2−ペンチルアクロレイ
ン、および2−ヘキシルアクロレイン等が挙げられる。
【0026】本発明においては、式(I)で表される脂
肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとの反応は、脂肪族
アルデヒドとホルムアルデヒドとの全工程における総仕
込み比が、モル比で1:1ないし1:5の範囲とする
が、総仕込みモル比が、1:1〜1:3の範囲を用いる
のが目的物2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカ
ナール中に残存するホルムアルデヒドの量を低減できる
という点で好ましい。
【0027】本発明方法の一例としては、アルデヒドの
反応工程(i)後、反応液を抜き出し、目的物である
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールと副
生した2−置換アクロレインとを分離塔で分離し、分離
した2−置換アクロレインを別の反応釜に導入する。こ
の反応釜に塩基とホルムアルデヒドを供給して、2−置
換アクロレインとホルムアルデヒドとを反応させ、2,
2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールと過剰の
ホルムアルデヒドを含む反応液を得る(反応工程(ii
i))。ここで得られた反応液は分離塔に供給して、目的
生成物である2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アル
カナールを分離してもよいし、アルデヒド反応工程
(i)に供給して、繰り返し反応に使用してもよい。一
方、分離塔から抜き出された目的生成物の2,2’−ビ
ス(ヒドロキシメチル)アルカナールに富む反応液は、
次の酸化工程に廻す。
【0028】2−置換アクロレインを含む成分とホルム
アルデヒドとの反応工程(iii)は、2−置換アクロレイ
ンに対するホルムアルデヒド仕込み比が、モル比で1:
3ないし1:100の範囲が好ましく、特に1:3ない
し1:50の範囲が好ましい。本発明の反応工程(i)
における、脂肪族アルデヒド仕込み量に対する2−置換
アクロレイン生成比は、脂肪族アルデヒド(I)に対す
るホルムアルデヒド仕込み比に影響を受けるので、本発
明の反応工程(i)において、脂肪族アルデヒドと2−
置換アクロレインとの存在比が1:0.01ないし1:
2の範囲となるようにするのが好ましく、特に1:0.
05ないし1:1の範囲になるようにするのが好まし
い。
【0029】2−置換アクロレインの生成量が少ない条
件では、反応工程(iii)において、2−置換アクロレイ
ンからの目的生成物への生成量が少なくなるため、本発
明の効果は期待できない。一方、2−置換アクロレイン
の生成量が少ない条件では、必然的に脂肪族アルデヒド
に対するホルムアルデヒド使用量が多くなるため、過剰
ホルムアルデヒドの除去に負荷がかかるので、工業的に
有用な方法となり得ない。
【0030】本発明の工程(iii)で用いる塩基の使用量
は、2−置換アクロレイン1モルに対し、0.01〜
1.0モルの範囲、好ましくは0.02から0.5モル
の範囲である。また、(i)または(iv)の工程におけ
るアルデヒド1モルに対する塩基の使用量は、0.01
〜1.0モルの範囲、好ましくは0.02から0.5モ
ルの範囲である。
【0031】本発明の方法における反応は、脂肪族アル
デヒド、または2−置換アクロレインのホルムアルデヒ
ド水溶液への溶解性を高めるため、不活性有機溶媒を加
えて実施することも可能である。不活性有機溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールお
よびiso−プロパノールのような低級脂肪族アルコー
ル、およびジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、
ジオキサンのような脂肪族、脂環式エーテルが挙げられ
る。
【0032】工程(i)、(iii)、(iv)の反応条件と
しては、ほぼ同じ条件を採用することができる。反応温
度は、用いる塩基の種類および使用量に依存するが、例
えば塩基としてアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸
化物のような無機化合物を使用する場合には、反応温度
は約−10℃〜100℃、好ましくは10℃から80℃
である。第3級アミンあるいは塩基性イオン交換体を用
いる場合には、約−10℃〜120℃、好ましくは10
℃〜100℃の範囲である。また、反応は常圧下で実施
されるが、減圧下または加圧下で実施することもでき
る。
【0033】本発明の方法では、アルデヒド反応工程
(i)の反応液からの副生物の2−置換アクロレインを
分離する方法としては、蒸留あるいは溶媒抽出法、ある
いはこれを併用することができる。中でも蒸留法を採用
するのが好ましい。2−置換アクロレインを含む成分
は、2−置換アクロレインが30〜100重量%、好ま
しくは50〜100重量%の濃度である。2−置換アク
ロレインを含む成分として、2−置換アクロレインのほ
か、未反応の脂肪族アルデヒド、ホルムアルデヒド、
水、メタノール、触媒を含んでいても良い。
【0034】本発明の方法は、バッチ方式、セミ連続方
式、または連続的方式のいずれも採用することができ
る。セミ連続法は、例えば、まず脂肪族アルデヒドとホ
ルムアルデヒドの反応(工程(i))を行った後、反応
液より2−置換アクロレインを含む成分を分離し(工程
(ii))、2−置換アクロレインを含む成分をホルムア
ルデヒドと反応させ(工程(iii))、得られた過剰のホ
ルムアルデヒドを含む反応液を脂肪族アルデヒドと反応
させる各工程(バッチ方式又は連続方式)の操作を繰り
返す方法を意味する。
【0035】連続法は、各工程の反応を連続的に行う方
法である。連続反応方法又はセミ連続法の一例を、図1
を用いて説明する。アルデヒド反応釜(5)に脂肪族ア
ルデヒド(6)と反応開始時に使用するホルムアルデヒ
ド(12)を仕込み、塩基(7)の存在下反応させる。
反応液は配管(8)を経由し、分離工程塔(9)で、2
−置換アクロレインに富む液(10)と目的生成物の
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールに富
む液(11)に分けられ、2−置換アクロレインを含む
液(10)とホルムアルデヒド(1)及び塩基触媒
(2)は、アクロレイン反応釜(3)に供給される。一
方、目的生成物に富む液(11)は次の工程、例えば、
精製、酸化、水素化工程に供給される。アクロレイン反
応釜(3)から抜き出された反応生成液は、目的生成物
である2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナー
ルと余剰のホルムアルデヒドを含み、配管(4)を経由
して前記アルデヒド反応釜(5)に供給される。アルデ
ヒド反応釜(5)には、脂肪族アルデヒド(6)、塩基
触媒(7)が供給され、反応が継続される。
【0036】本発明により生成した2,2’−ビス(ヒ
ドロキシメチル)アルカナールは、公知方法により、ト
リメチロールアルカンまたはジメチロールアルカン酸に
変換することができる。2,2’−ビス(ヒドロキシメ
チル)アルカナールを酸化して、2,2’−ビス(ヒド
ロキシメチル)アルカン酸を得る方法として、前述の公
知方法、即ち、過酸化水素により酸化する方法(例えば
米国特許3,312,736号)、セリウム、チタン、
ジルコニウム、等の触媒の存在下、過酸化水素により酸
化する方法(特開昭62−263141号公報)、ある
いは過イソ酪酸により酸化する方法(有機合成化学協会
誌、36,1095(1978))を使用することがで
きるが、なかでも、過酸化水素による酸化が好ましい。
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを水
素化して、トリメチロールアルカンを製造する方法とし
て、前述のNi、Cu、PtやPdの様な水素化触媒の
存在下、水素化する方法を用いることができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて具体的に説明する。 実施例1 還流冷却器を備えた100ml丸底フラスコ内に、35
%ホルムアルデヒド水溶液42.9g(500mmo
l)、n−ブチルアルデヒド12g(167mmol)
仕込み、40℃に加温しながらトリエチルアミン1.7
g(16.8mmol)を滴下後、液温40℃で1時間
反応を実施した(反応工程(i))。このときのn−ブ
チルアルデヒド:ホルムアルデヒド:トリエチルアミン
仕込み比は、モル比で1:3:0.1であった。
【0038】n−ブチルアルデヒドの転化率は99.8
%、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールのホル
ムアルデヒド付加体の合計収率は62.4%、 選択率
は62.5%であった。ここで、2,2’−ビス(ヒド
ロキシメチル)ブタナールのホルムアルデヒド付加体と
は、後段の酸化工程等において、目的物であるジメチロ
ールブタン酸に変化しうる成分である。このときの2−
エチルアクロレイン収率は17.2%であった。また、
n−ブチルアルデヒドを基準とした、ホルムアルデヒド
残存量は45.4モル%であった。
【0039】更に、n−ブチルアルデヒドとホルムアル
デヒドとの反応により得られた反応液を90℃、常圧の
条件で蒸留し、2−エチルアクロレインを含む留分(9
8%)を分離した。次に、35%ホルムアルデヒド水溶
液35.7g(416mmol)に前記分離した2−エ
チルアクロレインを含む留分(2−エチルアクロレイン
量2.33g、27.7mmol)を加え、40℃に加
温しながら、トリエチルアミン0.28g(2.77m
mol)を滴下した後、液温40℃で、1時間保持し
て、2−エチルアクロレインの反応を行った((反応工
程(iii))。このときの2−エチルアクロレイン:ホル
ムアルデヒド:トリエチルアミン仕込み比は、モル比で
1:15:0.1であった。
【0040】2−エチルアクロレイン基準の収率は、
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナール収率が
55.2%、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタ
ナールのホルムアルデヒド付加体の収率が8.8%、合
計収率が63.9%であった。次に、反応工程(iii)で
得られた反応液を40℃に保持しながら、n−ブチルア
ルデヒド10g(139mmol)を加えた後、トリエ
チルアミン1.12g(11mmol)を滴下し、n−
ブチルアルデヒドと未反応ホルムアルデヒドとの反応を
40℃、1時間実施した(反応工程(iv))。この反応
工程(iv)は、工程(iii)で得られた反応液を工程
(i)のホルムアルデヒド成分として使用した場合と見
なすことができる。
【0041】工程(iv)におけるn−ブチルアルデヒド
の転化率は97.5%、2,2’−ビス(ヒドロキシメ
チル)ブタナールと2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)ブタナールのホルアルデヒド付加体の合計収率は7
5.8%、同合計選択率は77.7%であった。このと
きの2−エチルアクロレインの収率は16.6%であ
り、反応工程(i)のみの場合と同等であった。また、
n−ブチルアルデヒドを基準としたホルムアルデヒドの
残存量は58モル%であった。
【0042】工程(iii)と工程(iv)におけるn−ブチ
ルアルデヒド:2−エチルアクロレイン:ホルムルデヒ
ド:トリエチルアミンの総仕込みモル比は、1:0.
2:3:0.1であった。ここで、2−エチルアクロレ
インとホルムアルデヒドの総仕込みモル比とは、工程
(iv)におけるn−ブチルアルデヒド仕込みに対する、
工程(iii)における2−エチルアクロレインとホルムア
ルデヒドの総仕込みモル比を示す。
【0043】以後、工程(iv)を工程(i)と見なし、
工程(i)〜工程(iii)の操作を繰り返し行った場合、
工程(i)と工程(iii)におけるn−ブチルアルデヒ
ド:2−エチルアクロレイン:ホルムルデヒド:トリエ
チルアミンの総仕込みモル比は上述した比率で維持さ
れ、定常状態で反応が進行すると考えられる。このよう
に少なくとも反応工程(i)(又は反応工程(iv))と
反応工程(iii)を含む工程により反応を行うことで、ホ
ルムアルデヒド/n−ブチルアルデヒド総仕込みモル比
が低い条件で、目的生成物の収率向上が達成された。
【0044】実施例2 還流冷却器を備えた100ml丸底フラスコ内に、35
%ホルムアルデヒド水溶液17.8g(208mmo
l)、n−ブチルアルデヒド10g(139mmol)
仕込み、40℃に加温しながらトリエチルアミン1.4
g(14mmol)を滴下後、液温40℃で1時間反応
を実施した(反応工程(i))。このときのn−ブチル
アルデヒド:ホルムアルデヒド:トリエチルアミン仕込
み比は、モル比で1:1.5:0.1であった。
【0045】n−ブチルアルデヒドの転化率は92.4
%、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールのホル
ムアルデヒド付加体の合計収率は53.0%、同合計選
択率は57.5%であった。2−エチルアクロレインの
収率は、20%であった。また、n−ブチルアルデヒド
基準のホルムアルデヒド残存量は23モル%であった。
この後、反応液を90℃、常圧の条件で蒸留し、2−エ
チルアクロレインを含む留分(98%)を分離した。
【0046】次に、35%ホルムアルデヒド水溶液1
7.8g(208mmol)に前記の分離した2−エチ
ルアクロレインを含む留分(2−エチルアクロレイン量
1.65g、20.8mmol)を加え、40℃に加温
しながら、トリエチルアミン0.21g(2.08mm
ol)を滴下した後、液温を40℃で、1時間保持し
て、2−エチルアクロレインの反応を行った(反応工程
(iii))。このときの2−エチルアクロレイン:ホルム
アルデヒド:トリエチルアミン仕込み比は、モル比で
1:10:0.1であった。
【0047】2−エチルアクロレイン基準の収率は、
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールの収率
が60.8%、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブ
タナールのホルムアルデヒド付加体の収率が9.5%、
合計収率が70.3%であった。次に、反応液を40℃
に保持しながら、n−ブチルアルデヒド10g(139
mmol)を加えた後、トリエチルアミン1.19g
(11.8mmol)を滴下し、n−ブチルアルデヒド
と未反応ホルムアルデヒドとの反応を40℃、1時間実
施した(反応工程(iv))。
【0048】反応工程(iv)における、n−ブチルアル
デヒドの転化率は76.6%、2,2’−ビス(ヒドロ
キシメチル)ブタナールと2,2’−ビス(ヒドロキシ
メチル)ブタナールのホルムアルデヒド付加体の合計収
率は68.4%、同合計選択率は89.3%であった。
このときの2−エチルアクロレイン収率は13.4%で
あった。また、n−ブチルアルデヒド基準のホルムアル
デヒド残存量は21.6モル%であった。工程(iii)と
工程(iv)におけるn−ブチルアルデヒド:2−エチル
アクロレイン:ホルムルデヒド:トリエチルアミンの総
仕込みモル比は、1:0.15:1.5:0.1であっ
た。
【0049】実施例3 還流冷却器を備えた100ml丸底フラスコ内に、35
%ホルムアルデヒド水溶液59.5g(693mmo
l)、n−ブチルアルデヒド10g(139mmol)
仕込み、40℃に加温しながらトリエチルアミン1.4
g(14mmol)を滴下後、液温40℃で1時間反応
を実施した(反応工程(i))。このときのn−ブチル
アルデヒド:ホルムアルデヒド:トリエチルアミン仕込
み比は、モル比で1:5:0.1であった。
【0050】n−ブチルアルデヒドの転化率は100
%、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールのホル
ムアルデヒド付加体の合計収率は65.8%であった。
2−エチルアクロレインの収率は、12%であった。ま
た、n−ブチルアルデヒド基準のホルムアルデヒド残存
量は300モル%であった。その後、反応液を常圧の条
件で蒸留し、2−エチルアクロレインを含む留分(98
%)を分離した。
【0051】次に、35%ホルムアルデヒド水溶液5
9.3g(693mmol)に前記の分離した2−アル
キルアクロレインを含む留分(2−エチルアクロレイン
量1.1g、13.9mmol)を加え、40℃に加温
しながら、トリエチルアミン0.14g(1.37mm
ol)を滴下した後、液温を40℃で、1時間保持し
て、2−エチルアクロレインの反応を行った(反応工程
(iii))。このときの2−エチルアクロレイン:ホルム
アルデヒド:トリエチルアミン仕込み比は、モル比で
1:50:0.1であった。
【0052】2−エチルアクロレイン基準の2,2’−
ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと同付加体の合計
収率は48.1%であった。次に、反応液を40℃に保
持しながら、n−ブチルアルデヒド10g(139mm
ol)を加えた後、トリエチルアミン1.26g(1
2.5mmol)を滴下し、n−ブチルアルデヒドと未
反応ホルムアルデヒドとの反応を40℃、1時間実施し
た(反応工程(iv))。
【0053】反応工程(iv)におけるn−ブチルアルデ
ヒドの転化率は100%、2,2’−ビス(ヒドロキシ
メチル)ブタナールと2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)ブタナールのホルムアルデヒド付加体の合計収率は
78.9%であった。このときの2−エチルアクロレイ
ンの収率は14.2%であった。また、n−ブチルアル
デヒド基準のホルムアルデヒド残存量は300モル%で
あった。工程(iii)と工程(iv)におけるn−ブチルア
ルデヒド:2−エチルアクロレイン:ホルムルデヒド:
トリエチルアミンの総仕込みモル比は、1:0.1:
1.5:0.1であった。
【0054】比較例1 還流冷却器を備えた100ml丸底フラスコ内に、35
%ホルムアルデヒド水溶液119g(1.39mo
l)、n−ブチルアルデヒド10g(139mmol)
仕込み、40℃に加温しながらトリエチルアミン1.4
g(14mmol)を滴下後、液温40℃で1時間反応
を実施した(反応工程(i))。このときのn−ブチル
アルデヒド:ホルムアルデヒド:トリエチルアミン仕込
み比は、モル比で1:10:0.1であった(反応工程
(i))。
【0055】n−ブチルアルデヒドの転化率は100%
であり、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナー
ルと2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールの
ホルムアルデヒド付加体の合計収率は88.7%であっ
た。2−エチルアクロレインの収率は、8%であった。
しかし、反応液中には、n−ブチルアルデヒド基準で約
850モル%の多量の未反応ホルムアルデヒドが残存し
ており、その除去に煩雑な操作を必要とするため、多大
な負荷がかかり、コスト的に不利である。
【0056】実施例4 n−ブチルアルデヒド72g(1mol)、30%ホル
ムアルデヒド水溶液300g(3mol)を反応器に仕
込み、40℃に加温しながら20%NaOH水溶液20
g(0.1mol)を滴下後、液温60℃で1時間反応
を実施した(反応工程(i))。このときのn−ブチル
アルデヒド:ホルムアルデヒド:NaOH仕込み比は、
モル比で1:3:0.1であった(反応工程(i))。
【0057】n−ブチルアルデヒドの転化率は94.4
%、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールのホル
ムアルデヒド付加体の合計収率は59.5%、同合計選
択率は63.0%であった。このときの2−エチルアク
ロレインの収率は20.6%であった。また、n−ブチ
ルアルデヒド基準のホルムアルデヒド残存量は105モ
ル%であった。次に、反応液を90℃、常圧の条件で蒸
留し、2−エチルアクロレインを含む留分(98%)を
分離した。
【0058】30%ホルムアルデヒド水溶液300g
(3mol)に前記の分離した2−アルキルアクロレイ
ンを含む留分(2−エチルアクロレイン量17g、0.
2mol)を加え、40℃に加温しながら、20%Na
OH水溶液4g(0.02mol)を滴下した後、液温
を40℃で、1時間保持して、2−エチルアクロレイン
の反応を行った(反応工程(iii))。このときの2−エ
チルアクロレイン:ホルムアルデヒド:NaOH仕込み
比は、モル比で1:15:0.1であった。
【0059】2−エチルアクロレイン基準の2,2’−
ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと2,2’−ビス
(ヒドロキシメチル)ブタナールのホルムアルデヒドの
ホルムアルデヒド付加体の合計収率は65.5%であっ
た。次に、反応液を60℃に保持しながら、n−ブチル
アルデヒド72g(1mol)を加えた後、20%Na
OH16g(0.08mol)を滴下し、n−ブチルア
ルデヒドと未反応ホルムアルデヒドとの反応を実施した
(反応工程(iv))。
【0060】反応工程(iv)における、n−ブチルアル
デヒドの転化率は95%、2,2’−ビス(ヒドロキシ
メチル)ブタナールと2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)ブタナールのホルムアルデヒド付加体の合計収率は
72.2%、同合計選択率は76%であった。このとき
の2−エチルアクロレインの収率は22.0%であっ
た。また、n−ブチルアルデヒド基準のホルムアルデヒ
ド残存量は99.9モル%であった。工程(iii)と工程
(iv)におけるn−ブチルアルデヒド:2−エチルアク
ロレイン:ホルムルデヒド:NaOHの総仕込みモル比
は、1:0.2:3:0.1であった。
【0061】上述した2−エチルアクロレイン分離工程
の蒸留塔の塔底から回収した25重量%2,2’−ビス
(ヒドロキシメチル)ブタナール溶液380gを60℃
に加温し、31重量%過酸化水素154g(1.4モ
ル)を2時間で滴下した後、更に5時間反応させた。酸
化反応後、反応工程(iv)において消費されたn−ブチ
ルアルデヒド基準の2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)ブタン酸の収率は、47モル%であった。
【0062】実施例5 n−ブチルアルデヒド72g(1mol)、30%ホル
ムアルデヒド水溶液170g(1.7mol)を反応器
に仕込み、40℃に加温しながら20%NaOH水溶液
16g(0.08mol)を滴下後、液温60℃で1時
間反応を実施した(反応工程(i))。このときのn−
ブチルアルデヒド:ホルムアルデヒド:NaOH仕込み
比は、モル比で1:1.7:0.08であった。
【0063】n−ブチルアルデヒドの転化率は76.6
%、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールのホル
ムアルデヒド付加体の合計収率は49.9%、同合計選
択率は65.1%であった。このときの2−エチルアク
ロレインの収率は22%であった。また、n−ブチルア
ルデヒド基準のホルムアルデヒド残存量は35モル%で
あった。次に、反応液を90℃、常圧の条件で蒸留し、
2−エチルアクロレインを含む留分(98%)を分離し
た。
【0064】30%ホルムアルデヒド水溶液170g
(1.7mol)に前記の分離した2−アルキルアクロ
レインを含む留分(2−エチルアクロレイン量16.8
g,0.2mol)を加え、40℃に加温しながら、2
0%NaOH水溶液6g(0.03mol)を滴下した
後、液温を40℃で、1時間保持して、2−エチルアク
ロレインの反応を行った(反応工程(iii))。このとき
の2−エチルアクロレイン:ホルムアルデヒド:NaO
H仕込み比は、モル比で1:8.5:0.1であった。
2−エチルアクロレイン基準の2,2’−ビス(ヒドロ
キシメチル)ブタナールと同付加体の合計収率は69.
7%であった。
【0065】次に、反応液を60℃に保持しながら、n
−ブチルアルデヒド72g(1mol)を加えた後、2
0%NaOH10g(0.05mol)を滴下し、n−
ブチルアルデヒドと未反応ホルムアルデヒドとの反応を
実施した(反応工程(iv))。反応工程(iv)におけ
る、n−ブチルアルデヒドの転化率は68.2%、2,
2’−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールと2,2’
−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールのホルムアルデ
ヒド付加体の合計収率は53.1%、同合計選択率は7
7.9%であった。このときの2−エチルアクロレイン
の収率は14.6%であった。また、n−ブチルアルデ
ヒド基準のホルムアルデヒド残存量は22モル%であっ
た。工程(iii)と工程(iv)におけるn−ブチルアルデ
ヒド:2−エチルアクロレイン:ホルムルデヒド:Na
OHの総仕込みモル比は、1:0.2:1.7:0.0
8であった。
【0066】
【発明の効果】本発明においては、副生物の2−置換ア
クロレインを有効に利用することにより、脂肪族アルデ
ヒドと縮合反応させるのに用いるホルムアルデヒドの使
用量が少なくても、高収率に目的とする2,2’−ビス
(ヒドロキシメチル)アルカナールを得ることができる
ため、未反応ホルムアルデヒドの回収工程の負荷を低減
する事ができるため、工業的な利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を連続反応方式で製造するフローを示す
図である。
【符号の説明】
1 ホルムアルデヒド原料 2 塩基触媒 3 2−置換アクロレイン反応工程 4 反応液配管 5 アルデヒド反応工程釜 6 脂肪族アルデヒド原料 7 塩基触媒 8 反応液配管 9 分離工程塔 10 2−置換アクロレインを含む液 11 目的生成物に富む液 12 最初に使用するホルムアルデヒド原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 47/26 C07C 47/26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】RCH2 CHO (I) (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
    示す。)で表される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒ
    ドとを、塩基の存在下に反応させて、一般式(II) 【化2】 (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
    示す。)で表される2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
    ル)アルカナールを製造する方法において、少なくと
    も、一般式(I)で表される脂肪族アルデヒドとホルム
    アルデヒドを含有する液を、塩基の存在下で反応させて
    2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを製
    造するアルデヒド反応工程、及び、該アルデヒド反応工
    程で副生した一般式(III) 【化3】 (式中、Rは置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を
    表す。)で表される2−置換アクロレインを含む液を、
    塩基の存在下で2−置換アクロレインとホルムアルデヒ
    ドのモル比が、1:3〜1:100の範囲でホルムアル
    デヒドと反応させて2,2’−ビス(ヒドロキシメチ
    ル)アルカナールを製造する2−置換アクロレイン反応
    工程を含み、かつ、全工程中の脂肪族アルデヒドとホル
    ムアルデヒドの総仕込みのモル比が、1:1〜1:5と
    なるように反応を行うことを特徴とする2,2’−ビス
    (ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方法。
  2. 【請求項2】 (a)一般式(I)で表される脂肪族ア
    ルデヒドとホルムアルデヒドを含有する液とを塩基の存
    在下で反応させて2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)
    アルカナールを製造するアルデヒド反応工程(i)と、
    (b)該アルデヒド反応工程(i)から抜き出された反
    応液から、一般式(III)で表される副生した2−置換ア
    クロレインを含む成分を分離する工程(ii)と、(c)
    該2−置換アクロレインを含む成分を、塩基の存在下
    で、2−置換アクロレインとホルムアルデヒドのモル比
    が1:3〜1:100の範囲で、ホルムアルデヒドと反
    応させて2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナ
    ールを製造する2−置換アクロレイン反応工程(iii)
    と、(d)該2−置換アクロレイン反応工程(iii)で得
    られたホルムアルデヒドを含む反応液の少なくとも一部
    と、一般式(I)で表される脂肪族アルデヒドとを、塩
    基の存在下に反応させて2,2’−ビス(ヒドロキシメ
    チル)アルカナールを製造する工程(iv)、からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の2,2’−ビス(ヒド
    ロキシメチル)アルカナールの製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(iv)が、2−置換アクロレイン反
    応工程(iii)で得られたホルムアルデヒドを含む反応液
    を、アルデヒド反応工程(i)のホルムアルデヒドを含
    有する液として使用する工程であり、工程(i)〜(ii
    i)の操作を繰り返して行うことを特徴とする請求項2に
    記載の2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナー
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】 脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドと
    を塩基性触媒の存在下にアルデヒド反応工程で縮合反応
    させて得た反応液の一部を抜き出し、これを分離塔に導
    き、この分離塔で2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)
    アルカナールに富む液と2−置換アクロレインを含む液
    に分離し、この分離された2−置換アクロレインを含む
    液にホルムアルデヒドを導入し、塩基性触媒の存在下に
    反応させ、得られた反応液を前記アルデヒド反応工程に
    導入することにより連続的に2,2’−ビス(ヒドロキ
    シメチル)アルカナールを製造することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の2,2’−ビス(ヒド
    ロキシメチル)アルカナールの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの方法により得
    られた2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナー
    ルを酸化することを特徴とする2,2’−ビス(ヒドロ
    キシメチル)アルカン酸の製造方法。
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