JPH11209704A - 粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

粘着シートおよびその製造方法

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JPH11209704A
JPH11209704A JP10000403A JP40398A JPH11209704A JP H11209704 A JPH11209704 A JP H11209704A JP 10000403 A JP10000403 A JP 10000403A JP 40398 A JP40398 A JP 40398A JP H11209704 A JPH11209704 A JP H11209704A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着面において、被着体に貼付けた直後は所
定の凹凸構造が維持可能であり、気泡を効果的に外部に
逃がし、その後は、上記凹凸構造が消失し、貼付け後の
粘着シートの外観を損なうことを防止することができ
る、粘着シートを提供する。 【解決手段】 可撓性ベースフィルムと、その主要面に
密着し、密着面とは逆の面に、被着体に接触する凸部
と、隣接凸部間に形成され、外部と連通する溝部とを含
む凹凸構造を有する粘着層と、該凹凸構造のネガ構造を
表面に有し、該ネガ構造と凹凸構造とが接触する様に積
層されたライナーとを備え、該粘着層は、架橋ポリマー
を含み、ライナーを剥離し、被着体に貼付けた直後は凹
凸構造が維持でき、被着体に貼付けた後凹凸構造が変形
し、接触面積が92%以上になるか、または該粘着層
は、粘着性ポリマーからなるマトリックス成分と、マト
リックス成分中に分散された弾性微小球とを含んでな
り、弾性微小球の平均体積直径が10〜100μmの範
囲である粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着面に所定の凹
凸構造を有し、粘着面と被着面との間に不要な気泡を巻
き込むことなく被着体への貼付け(接着)を完了でき
る、粘着シートの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着面と被着面との間に不要な気泡を巻
き込むことなく被着体への貼付け(接着)が可能な粘着
シートは、すでに知られている。そのような粘着シート
の例は、ベースフィルムの少なくとも一方の主要面に密
着した粘着層であって、その密着面とは反対側の粘着層
の面に、(i)被着体に接触する複数の凸部と、(ii)
互いに隣接する凸部間に形成され、被着体と上記凸部と
が接触した際に外部と連通する溝部とを含んでなる、規
則的な凹凸構造を有する粘着層を備えた粘着シート(粘
着テープを含む。)である。このタイプの粘着シートで
は、粘着面を被着体に接触させた時、たとえ気泡が粘着
面と被着体表面との間に発生しても、上記溝部を通じて
空気を外部へ逃がすことができ、粘着面と被着面との間
に気泡を巻き込むことなく、粘着シートの被着体への貼
付けを完了できる。
【0003】上記の様な凹凸構造を有する粘着層を備え
た粘着シートは、例えば、実開平3−67043号公報
等に開示されている。従来の粘着シートの製造方法を簡
単に説明する。まず、ライナー、粘着層およびベースフ
ィルムをこの順に積層し、これら3層からなる積層体を
用意する。次いで、この積層体のライナー側からエンボ
スツールを圧接し、所定の凹凸が粘着層(粘着面)上に
形成される様に加工する。すなわち、上記ライナーは、
エンボス加工により塑性変形可能な材料(例えば、樹脂
フィルムなど)からなる。また、通常の粘着シートで
は、ベースフィルムは樹脂フィルムを含んでなるので、
上記エンボス加工によって塑性変形する。したがって、
上記ベースフィルムの粘着層が密着しない主要面にエン
ボス加工跡が残り、粘着シートの外観を損なう。
【0004】一方、ライナーの表面に、粘着面に形成し
ようとする構造のネガに相当するネガ構造を予め形成し
ておき、そのライナーの構造面上に、粘着性ポリマーを
含有する液体を塗布した後、固化し、上記ライナーと固
化した粘着層とからなる積層体を形成し、その積層体の
粘着層の表面に樹脂ベースフィルムを積層し、粘着シー
トを形成することも知られている(例えば、特表平9−
504325号公報など)。この方法では、粘着面のポ
ジ構造と、ライナーのネガ構造とが接触する様に、ライ
ナーと粘着層とが積層されている。この場合、ベースフ
ィルムの粘着層が密着しない主要面にエンボス加工跡が
残ることはなく、したがって、粘着シートの外観を損な
うおそれはない。なお、上記従来技術において、凹凸構
造を有する粘着シートの粘着層が、弾性微小球を含有
し、後述する課題を解決できることは教示されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様に、ベースフィ
ルムの粘着層が密着していない主要面(ベース表面)に
エンボス加工跡が残らず、粘着シートの外観を損なうこ
とを効果的に防止できる粘着シートも知られていた。し
かしながら、この様な粘着シートでも、粘着層(粘着
面)の凹凸構造が、粘着シートを被着体に貼付けた後も
残存し、ベース表面にその凹凸構造が浮き出て、貼付け
後の粘着シートの外観を損なうことを効果的に防止する
ことは困難であった。特に、ベースフィルムが可撓性を
有する場合、粘着シートを被着体に圧着した時、ベース
フィルムの粘着層の凹部に対応する部分に凹みが形成さ
れ、貼付け完了後も比較的長期にわたり残存する。
【0006】すなわち、本発明の目的は、粘着面におい
て、被着体に貼付けた直後は所定の凹凸構造が維持可能
であり、気泡が巻き込まれたとしても気泡を効果的に外
部に逃がし、その後は、上記凹凸構造が変形し、貼付け
後の粘着シートの外観を損なうことを効果的かつ容易に
防止することができる、粘着シートを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、可撓性ベースフィルムと、その可撓性ベ
ースフィルムの少なくとも一方の主要面に密着した粘着
層であって、その密着面とは反対側の粘着層の面に、
(i)被着体に接触する複数の凸部と、(ii)互いに隣
接する凸部間に形成され、被着体と上記凸部とが接触し
た際に外部と連通する溝部とを含んでなる、凹凸構造を
有する粘着層と、その粘着層の面の凹凸構造のネガに相
当する構造を少なくとも一方の表面に有し、そのネガ構
造と粘着層の面の凹凸構造とが接触する様に積層された
ライナー、とを備えてなる粘着シートにおいて、第1の
形態では、上記粘着層は、架橋ポリマーを含有し、上記
ライナーを剥離し、被着体に貼付けた直後は上記凹凸構
造が維持可能であり、被着体に貼付け、25℃で48時
間経過した後、上記凹凸構造が変形し、接触面積が92
%以上になることを特徴とし、第2の形態では、上記粘
着層は、粘着性ポリマーを含んでなるマトリックス成分
と、そのマトリックス成分中に分散された弾性微小球と
を含んでなり、その弾性微小球の平均体積直径が、10
〜100μmの範囲であることを特徴とする、粘着シー
トを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】<第1の形態の粘着シート>本発
明の第1の形態の粘着シートは、次の様な特徴を有す
る。すなわち、(a)粘着層が、架橋ポリマーを含有
し、(b)ライナーを剥離し、被着体に貼付けた直後
は、粘着層の凹凸構造を維持することができ、被着体に
貼付け、25℃で48時間経過した後、上記凹凸構造が
変形し、接触面積が92%以上になる。
【0009】上記(b)の様な特性は、例えば、架橋さ
れたポリマーを含有する粘着層の持つ形状記憶性を利用
し、容易に達成できる。すなわち、1次形状として凹凸
構造を持たない平坦形状を記憶させた後、2次形状であ
る所定の凹凸構造を付与する様に、粘着シートを形成す
ることにより達成できる。この様な粘着シートの形成方
法は、例えば、詳細に後述する粘着シートの製造方法が
簡便かつ効果的である。この場合、上記ライナー(粘着
面の凹凸構造のネガに相当する構造を少なくとも一方の
表面に有し、そのネガ構造と粘着面の凹凸構造とが接触
する様に積層されたライナー)は、上記2次形状(ポジ
形状)を付与するためのネガ型および、上記2次形状を
粘着シートの保存中(未使用時)に保持するための保護
フィルムの両方の機能を有する。
【0010】上記粘着層は、粘着性ポリマーを含有し、
常温(約25℃)で粘着性を示す。また、粘着層に含ま
れる架橋ポリマーは、上記粘着性ポリマーが架橋された
ものであっても、別添の非粘着性の架橋ポリマーであっ
ても良い。ポリマーの架橋は、通常、架橋剤を用いて行
う。上記各成分のそれぞれの含有量は、粘着層の接着力
が所定のレベルを下回らない範囲で、かつ、所定の時間
内に凹凸構造が変形し、接触面積が92%以上になる様
な範囲で、適宜決定する。例えば、粘着層に含まれる粘
着性ポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量
部の範囲の架橋剤を含有する、粘着層形成液(塗料な
ど)から粘着層を形成する。ポリマーの架橋を促進する
ためには、熱または放射線等のエネルギーを用いること
が好ましい。ポリマー分子内の反応点どうしを直接反応
させ、ポリマーを架橋させることもできる。
【0011】<第2の形態の粘着シート>本発明の第2
の形態の粘着シートでは、粘着層が、粘着性ポリマー
を含んでなるマトリックス成分と、そのマトリックス
成分中に分散された弾性微小球とを含んでなり、かつ、
その弾性微小球の平均体積直径が、10〜100μmの
範囲である。この様な弾性微小球は、粘着層が最初に付
与された形状から変形された後、元の形状に回復させる
様に作用する。例えば、ライナーの構造面の上に、塗
布、乾燥して設けられた粘着層の上に、ベースフィルム
を積層して形成した粘着シートでは、粘着面にはライナ
ーの構造面に対応する凹凸構造を有し、ベースフィルム
との密着面は平坦である様な形状の粘着層が形成され
る。この様な粘着シートを被着体に適用し、ベースフィ
ルム側から被着体に向かって圧着したとき粘着層は変形
し、粘着層(粘着面)の凹部に相当する位置で、ベース
表面に凹みが生じる。しかしながら、粘着層が変形する
際には、弾性微小球の弾性変形を伴っており、弾性微小
球の形状回復作用により、粘着層は元の形状に回復す
る。
【0012】この様な形状回復効果は、粘着シートを、
次の様にして製造した場合も同様に期待できる。すなわ
ち、(i)ベースフィルムの少なくとも一方の主要面
に、粘着性ポリマーを含んでなるマトリックス成分と、
そのマトリックス成分中に分散された弾性微小球とを含
んでなる、略平坦な粘着面を有する粘着剤の層を形成し
た後、(ii)上記粘着剤の層の粘着面と、ライナーのネ
ガに相当する構造面とを接触させ、そのネガ構造面に追
従したポジ構造に相当する凹凸構造を有する粘着層を形
成する。このような方法により、貼付け後の粘着シート
の外観を損なうことを効果的かつ容易に防止可能な粘着
シートを製造できる。
【0013】<凹凸構造>粘着層の凹凸構造は、本発明
の効果を損なわない限り、特に限定されない。凹凸構造
は、例えば、水平断面(粘着面に平行な断面)が、四角
形等の多角形、円形、またはそれらに類似した形状を有
する凸部と、それらの周囲を取り囲む様に連続して形成
された溝部とから形成される。凸部の垂直断面(粘着面
に対して垂直な断面)の形状は、台形、長方形等の四角
形、半円、またはそれらに類似したものが採用できる。
【0014】凸部の高さ(溝部の深さ)は、通常5〜2
00μm、好適には10〜100μmの範囲である。凸
部の高さが小さすぎると、粘着面と被着面との間に巻き
込まれた気泡を抜くことが困難になるおそれがあり、反
対に大きすぎると、貼付け完了後の粘着シートの外観を
損なうおそれがある。凸部の最大幅(最大水平方向寸
法)は、通常0.1〜10mmの範囲である。一方、溝
部の最大幅(隣接する凸部間の最大距離)は、通常0.
05〜1mmの範囲である。
【0015】凸部の配置は、規則的に配置されるのが好
ましい。例えば、碁盤目状の幾何学模様の各マス(略正
方形)の略中心に凸部を配置する。この場合、上記碁盤
目を描く線に沿って溝部が形成され、被着体に貼り付け
られた粘着シートの外周端において、少なくとも1つ
の、好適には複数の溝部が外部と連通する様に開口を有
する。複数の凸部および溝部の各寸法は、すべて略同一
であるのが好ましい。
【0016】<弾性微小球>本明細書における「弾性微
小球」(以下、「微小球」と呼ぶこともある。)とは、
少なくとも微小球全体としてゴム弾性を示す材料である
と定義する。微小球の体積平均直径は、通常10〜10
0μm、好適には20〜80μmの範囲である。直径が
10μm未満であると、上記の様な形状回復効果が得ら
れず、反対に直径が100μmを超えると、微小球の存
在に起因する凹凸がベースフィルムの表面から視認され
るおそれがある。「体積平均直径」は、光学顕微鏡によ
る画像処理装置を用いて、1000個の微小球を測定
し、その測定値を下記式(1)に当てはめて決定した値
である。
【0017】
【数1】 体積平均直径(μm)=Σ(di4・ni)/Σ(di3・ni) 式中、diは、微小球の第i番目の大きさの直径(μm)
であり、niは、直径diを有する微小球の個数である。
【0018】微小球としては、中密、または少なくとも
1個の空孔を有する中空球が使用できる。微小球の材料
としては、入手しやすく、またゴム弾性と粘着性の制御
が容易にであることから、ポリアクリレ−トが好まし
い。微小球の圧縮弾性率は、1×104〜1×106dyne
/cm2の範囲が好ましい。圧縮弾性率が、この範囲にあ
れば、微小球の形状回復作用が良好になる。なお、「圧
縮弾性率」は、レオメトリックス社製RSAII粘弾性ス
ペクトロメ−タ−を用いて20℃で測定した圧縮弾性率
である。すなわち、1rad/秒の周波数の圧縮歪みを与
えながら、−80℃から150℃の範囲で温度を変化さ
せ、弾性率の温度依存性を測定し、20℃における測定
値をもって圧縮弾性率とする。上記微小球は粘着性であ
っても、非粘着性であっても良い。また、微小球は、通
常、架橋されたポリマーを含有する。
【0019】<弾性微小球の製造方法>上記の様な微小
球は、懸濁重合、乳化重合、シード重合等の公知の合成
法により製造できる。例えば、懸濁重合によりポリアク
リレート微小球を製造する方法を、以下簡単に説明す
る。脱イオン水、アクリルモノマー成分、ラジカル重合
開始剤、その他所望の添加剤を機械的撹拌機付き反応容
器に入れ、通常、反応容器内を不活性ガスでパージした
状態で、撹拌を行いながら、所定温度に加熱してモノマ
ー成分の重合反応を開始させる。撹拌速度は、通常10
〜700RPMであり、反応温度は、通常30〜120
℃である。また、反応時間は、通常数時間から数十時間
である。
【0020】アクリルモノマー成分としては、アルキル
アクリレート(例えば、イソオクチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレー
ト等)と、アクリル性不飽和酸(例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等)との混合物
が使用できる。この混合物中に含まれるアルキルアクリ
レートとアクリル性不飽和酸の(重量)比は、好適には、
99:1〜90:10の範囲である。アルキルアクリレ
ートが少なすぎると粘着性が低くなり、反対に多すぎる
とゴム弾性が低下し、どちらの場合も被着体の表面に対
する接着力が低下する傾向がある。
【0021】1,4−ジブチル−2−ジアクリレートジ
ビニルベンゼン等の2官能アクリレートからなる架橋成
分を上記混合物に添加して、ポリアクリレート微小球を
架橋させることもできる。この様なポリアクリレート微
小球の製造方法は、例えば、米国特許4,994,322
号明細書に開示されている。合成された微小球は、通常
は濾過して取り出して使用するが、反応終了後の微小球
を含む水性分散液をそのまま使用し、水性分散液に粘着
性ポリマーを含有させて粘着剤塗料とすることもでき
る。
【0022】<粘着性ポリマー>本明細書における「粘
着性ポリマー」とは、常温で粘着性を示し、感圧接着剤
として使用可能なポリマーを意味する。この様なポリマ
ーとしては、ポリアクリレ−ト、ポリウレタン、ポリオ
レフィン、ポリエステル等が使用できる。また、従来公
知の感圧接着剤と同様に、粘着性ポリマーとともに粘着
付与剤を使用することもできる。また、本発明の効果を
損なわない限り、上記粘着性ポリマーは、粘着層の凹凸
構造が変形し、粘着シートの外観が改善された後、熱ま
たは放射線により硬化可能なものであっても良い。粘着
性ポリマーの分子量は、所定の粘着性が発揮される範囲
であれば良く、通常は重量平均分子量で、10,000
〜100,000の範囲である。粘着性ポリマーは、溶
剤(Solvent type)型(ポリマーが溶媒に溶解して含ま
れる)、およびエマルション型(ポリマーが溶媒中に分
散して含まれる)のどちらでも使用でき、それらを混合
して用いることもできる。
【0023】粘着性ポリマーを架橋させる場合、例え
ば、イソシアネート化合物、メラミン化合物、ポリ(メ
タ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、アミド化合
物等を含んでなる架橋剤を添加することができる。ま
た、粘着層が非粘着性ポリマーを含有する場合も、上記
の様な架橋剤で架橋することができる。
【0024】<粘着層>第1および第2の形態のいずれ
においても、粘着層の厚みは、本発明の効果を損なわな
い限り特に限定されないが、通常、10〜200μmの
範囲である。また、第2の形態の場合、微小球と粘着性
ポリマーの混合比は、粘着性ポリマー100重量部に対
する微小球の含有量が、通常5〜500重量部、好適に
は20〜400重量部の範囲である様に選択される。5
重量部より少ないと、前述の様な形状回復効果が得られ
ないおそれがあり、反対に500重量部を超えると、接
着力が低下するおそれがある。
【0025】<ベースフィルム>ベースフィルムは、従
来の粘着シートのベースフィルムとして使用されている
ものであって、可撓性を有するものであればいずれでも
よく、例えば紙、金属フィルム、プラスチックフィルム
等が使用できる。プラスチックとしては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、
ポリオレフィン等の合成ポリマーが使用できる。フィル
ムの厚みは、通常、10〜500μmである。ベースフ
ィルムの粘着層を形成する側の面には、粘着層の固着力
を高める目的で、表面処理を行うことができる。
【0026】<接触面積>粘着層と被着体との間の接触
面積は、粘着シートをガラス板の平坦面に貼り付て測定
された、粘着層とその平坦面との接触面積の割合を用い
て定義する。具体的には、スライドガラス等の平坦なガ
ラス板表面と粘着シートの粘着層表面とを貼り合わせた
後、2kgのロ−ラ−で1往復し圧着して測定用試料とす
る。圧着の際には、線圧が1kg/cmとなる様に、粘着シ
ートの幅を2cmとし、ローラーの転す方向は長さ方向と
する。シートが貼り付けられていない側のガラス板を白
色光を照らして偏光板を通して観察すると、凸状粘着部
とガラス表面とが接触した領域は黒っぽく見え、非接触
領域は白っぽく見える。この様な観察状態を写真に撮っ
て、接触領域の面積と観察視野全体の面積(見掛けの接
触面積に相当する。)とを計測し、両者の比(接触領域
の面積/観察視野全体の面積)を百分率で表して「接触
面積」とする。この様な操作は、通常のポラロイドカメ
ラ付き光学顕微鏡を用いて行うことができる。この場
合、観察視野の面積は、通常1cm2である。また、使用
されるガラス板の表面粗さRaは0.1μm以下とす
る。この様にして測定された接触面積は、第1の形態で
は、25℃で48時間経過し、凹凸構造が変形した後、
通常92%以上、好適には95%以上、特に好適には9
8%以上である。
【0027】<粘着シートの製造方法>第1の形態の粘
着シートは、例えば、ベースフィルムの片面上、または
両面上に粘着剤塗料を塗布し乾燥させて粘着層を形成し
た後、上記凹凸構造を少なくとも一方の表面に有するラ
イナーの凹凸構造面を、粘着層の平坦面に圧接させる方
法により製造できる。上記粘着剤塗料は、通常、粘着性
ポリマー、架橋剤、溶剤、及び必要により各種添加剤を
ホモミキサ−、プラネタリーミキサー等の混合装置で混
合し、各材料を均一に溶解または分散させて調製され
る。この様にして調製された塗料を、ベースフィルム上
に塗布し、乾燥させて粘着層を形成する。塗布手段に
は、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーター、
バーコーター等の公知の手段が使用できる。また、乾燥
は、通常60〜180℃の温度にて行われる。乾燥時間
は、通常、数十秒から数分である。
【0028】溶剤として水または有機溶剤を用いること
ができる。また、水と部分的に相溶する助溶剤を添加す
ることもできる。有用な助溶剤には、例えば、3−メチ
ル−3−メトキシブチルアセテ−ト等のアルキレングリ
コールモノアルキルエーテルエステルが挙げられる。ま
た、粘着剤塗料に、本発明の効果を損なわない限り、従
来公知の添加剤を加えることができる。例えば、粘度調
製剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、顔料、防黴剤等である。また、本発明の効果を損な
わない限り、ガラスビーズ等の無機粒子、弾性微小球以
外の有機粒子を添加しても良い。
【0029】ライナーは、通常、紙、プラスチックフィ
ルム、またはこれら両者を積層したフィルムから形成さ
れる。例えば、フィルムの平坦な表面に、ポジ形状を有
する圧接ツールを押し当て、フィルム表面にネガ形状に
相当する凹凸構造を転写して形成する。圧接の際には、
上記ツールを加熱することもできる。上記ポジ形状は、
通常、粘着面に形成されるべき凹凸構造と同一形状、同
一寸法を有する。また、ポジ形状を有する金型に、プラ
スチックを含有する流動性材料を流し込み、金型上でそ
の材料を固化した後、金型を除去し、ネガ形状に相当す
る凹凸構造を有するライナーを得ることもできる。
【0030】ライナーの凹凸構造面には、必要によりシ
リコーン処理等の剥離処理を施すこともできる。また、
上記プラスチックがポリオレフィンからなる場合、剥離
処理を省くこともできる。また、平坦な粘着面を有する
市販の粘着シートを用い、そのオリジナルのライナーを
上記凹凸ライナーと交換し、粘着層と凹凸ライナーとを
圧接し、粘着層に凹凸構造を付与することもできる。
【0031】一方、第2の形態の粘着シートは、通常、
上記ライナーの凹凸構造面に、上記塗料(ただし、弾性
微小球が必須成分。)を塗布、乾燥して形成した粘着層
と、ベースフィルムとを積層して形成する。塗料の調
整、その塗布方法等は、上記第1の形態の場合に準ず
る。また、ライナーは、第1の形態の場合と同様のもの
が使用できる。また、ベースフィルムの主要面上に塗布
して形成した、略平坦な粘着面を有する粘着層に上記凹
凸ライナーを圧接し、凹凸構造を有する粘着面を形成す
ることもできる。
【0032】<粘着シートの使用方法>本発明による粘
着シートは、例えば、装飾用シートとして、建築物等の
壁面、床面、天井面、看板の表面等に貼り付けて使用す
ることができる。
【0033】
【実施例】実施例1 本例の粘着シートは、第1の形態の粘着シートである。 (粘着シート)本例の粘着シートは、平坦な粘着面を有
する市販の粘着シート、3M社製「スコッチカル(商
標)、品番:JS1000A」を用い、その粘着シート
に備えつけの平坦なライナーを、後述する凹凸面を有す
るライナーと交換し、粘着層に凹凸構造を付与して形成
した。上記粘着シートの粘着層は、架橋されたアクリル
系ポリマーを含有する塗料を塗布、乾燥して形成した、
厚みが30μmの層であった。また、ベースフィルム
は、50μm(厚み)の塩ビフィルムであった。
【0034】(凹凸構造の付与)上記の粘着シートの粘
着層の粘着面に、凹凸構造を有するライナーを圧接しつ
つ積層し、ライナー付粘着シートを作製した。ライナー
の凹凸構造は、粘着面に形成されるべき溝部に対応する
複数の突条が、互いに交差する様に、碁盤目を描く線に
沿って連続して配置された構造を有していた。その突条
の高さは17μm、隣接する突条間の最大距離(突条の
底面間の距離)は1.2mmであった。また、突条に囲
まれた凹部の垂直断面形状は略台形であり、これに対応
して粘着層の凸部の形状は、垂直断面形状が略台形であ
った。
【0035】(接触面積の変化)76mm(縦)×26mm
(横)×1mm(厚)のスライドガラス(マツナミガラス
工業(株)製、MICRO SLIDE GLASS 白縁
磨No.1)の平坦面に、ライナーを除去した粘着シート
(幅2cm×長さ5cm)の粘着面を貼り合わせ、幅約4.
5cmの2kgのロ−ラ−で長さ方向に1往復し圧着させた
ものをサンプルとして、上記方法に従って接着面積を測
定した。このスライドガラスの平坦面のRaは、約0.
001μmであった。この様にして測定された本例の粘
着シートの接触面積は、貼付け直後は73%、被着体に
貼付け、25℃で48時間経過した後は100%であっ
た。また、25℃で48時間経過した後は、粘着層の凹
部に対応するベースフィルムの凹みは完全に消失してい
た。
【0036】(気泡抜け性能)ライナ−を剥がした10
cm×10cmの粘着シートを平滑なアクリル板の上に置
き、気泡が集まるようにスキージにてフィルムの中心に
向かって圧着する。このようにして作った気泡の上に2
kgのローラーを数回転がし、気泡の抜け具合いを観察す
る。気泡が完全に抜けたものを「良い」、一部残ったも
のを「悪い」と評価する。本例の粘着シートは、気泡抜
け性が「良い」と評価された。
【0037】比較例1 実施例1で用いた市販の粘着シートの粘着層と同じ粘着
剤を含有する塗料を、ライナーの凹凸構造面上に塗布
し、乾燥した後、塩ビフィルムをラミネートして形成し
た以外は、実施例1と同様にして本例の粘着シートを形
成した。本例の粘着シートでは、気泡抜け性は「良い」
と評価されたものの、25℃で48時間経過した後、粘
着層の凹部に対応するベースフィルムの凹みは消失せず
残存していた。なお、接触面積は、貼付け直後は81
%、被着体に貼付け、25℃で48時間経過した後は9
1%であった。
【0038】実施例2 上記粘着シートとして、平坦な粘着面を有する別の市販
の粘着シート、3M社製「コントロールタックプラス
(商標)、品番:180―10」を用いた以外は実施例
1と同様にして、粘着層に凹凸構造を付与し、本例の粘
着シートを形成した。この粘着シートの粘着層は、架橋
されたアクリル系ポリマーと微小ガラスビーズを含有し
ており、厚みは30μmの層であった。また、ベースフ
ィルムは、上記と同じ塩ビフィルムであった。本例の粘
着シートは、気泡抜け性は「良い」と評価され、25℃
で48時間経過した後、粘着層の凹部に対応するベース
フィルムの凹みは完全に消失した。なお、接触面積は、
貼付け直後は91%、被着体に貼付け、25℃で48時
間経過した後は100%であった。
【0039】実施例3 本例の粘着シートは、第2の形態のものである。粘着性
ポリマーからなるマトリックス成分を含有する液体とし
て、綜研化学(株)社製の水系エマルジョン系粘着剤
「品番:E−1000」を用いた。粘着性ポリマーを構
成するモノマー組成は、ブチルアクリレート/アクリル
酸=96/4 (重量比)であった。弾性微小球は、前
述の方法に従い、水を媒体とした懸濁重合により製造し
た。使用したモノマー組成はIOA/AA=94/6
(重量比)であった(IOA:イソオクチルアクリレー
ト、AA:アクリル酸)。体積平均直径は40μmであ
った。圧縮弾性率は、7×105dyne/cm2であった。圧
縮弾性率は、弾性微小球を含む懸濁液から溶媒を除去
し、直径5mm、長さ7mmのシリンダー状に成形して
測定用サンプルを作成し、そのサンプルを平行プレート
治具に取り付け、上述の測定条件にて測定した。
【0040】上記粘着性ポリマーを含有するエマルジョ
ン液に、上記弾性微小球を、粘着性ポリマー:弾性微小
球が80:20(固形分重量比)になる様に添加し、攪
拌してほぼ均一な分散塗料を得た。この塗料を、上記凹
凸面を有するライナーの凹凸面に塗布、乾燥して固化し
た後、その上に厚さ70μmの塩化ビニルベースフィル
ムを積層した。これにより、ライナー、粘着層およびベ
ースフィルムがこの順に積層されてなる。本例の粘着シ
ートを得た。なお、粘着層の厚みは30μmであった。 本例の粘着シートは、気泡抜け性は「良い」と評価さ
れ、被着体に貼付け、25℃で48時間経過した後、粘
着層の凹部に対応するベースフィルムの凹みは完全に消
失した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性ベースフィルムと、その可撓性ベ
    ースフィルムの少なくとも一方の主要面に密着した粘着
    層であって、その密着面とは反対側の粘着層の面に、
    (i)被着体に接触する複数の凸部と、(ii)互いに隣
    接する凸部間に形成され、被着体と上記凸部とが接触し
    た際に外部と連通する溝部とを含んでなる、凹凸構造を
    有する粘着層と、 その粘着層の面の凹凸構造のネガに相当する構造を少な
    くとも一方の表面に有し、そのネガ構造と粘着層の面の
    凹凸構造とが接触する様に該接着層に積層されたライナ
    ー、とを備えてなる粘着シートにおいて、 上記粘着層は、架橋ポリマーを含有し、上記ライナーを
    剥離し、被着体に貼付けた直後は上記凹凸構造が維持可
    能であり、被着体に貼付け、25℃で48時間経過した
    後、上記凹凸構造が変形し、接触面積が92%以上にな
    ることを特徴とする、粘着シート。
  2. 【請求項2】 可撓性ベースフィルムと、 その可撓性ベースフィルムの少なくとも一方の主要面に
    密着した粘着層であって、その密着面とは反対側の粘着
    層の面に、(i)被着体に接触する複数の凸部と、(i
    i)互いに隣接する凸部間に形成され、被着体と上記凸
    部とが接触した際に外部と連通する溝部とを含んでな
    る、凹凸構造を有する粘着層と、 その粘着層の面の凹凸構造のネガに相当する構造を少な
    くとも一方の表面に有し、そのネガ構造と粘着層の面の
    凹凸構造とが接触する様に該接着剤層に積層されたライ
    ナー、とを備えてなる粘着シートにおいて、 上記粘着層は、粘着性ポリマーを含んでなるマトリック
    ス成分と、そのマトリックス成分中に分散された弾性微
    小球とを含んでなり、その弾性微小球の平均体積直径
    が、10〜100μmの範囲であることを特徴とする、
    粘着シート。
  3. 【請求項3】 請求項1の粘着シートの製造方法におい
    て、 (1)前記ベースフィルムの前記主要面に、粘着性ポリ
    マー100重量部と、架橋剤0.01〜5重量部とを含
    有する組成物を塗布した後、固化させ、略平坦な表面を
    有する粘着剤の層を形成し、上記粘着性ポリマーを架橋
    した後、 (2)上記粘着剤の層の略平坦な表面と、前記ライナー
    の前記ネガに相当する構造面とを接触させ、そのネガ構
    造面に追従したポジ構造に相当する前記凹凸構造を有す
    る粘着層を形成する、ことを特徴とする製造方法。
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