JPH11210792A - ディスクブレーキパッドおよびその製造方法 - Google Patents
ディスクブレーキパッドおよびその製造方法Info
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- JPH11210792A JPH11210792A JP2646898A JP2646898A JPH11210792A JP H11210792 A JPH11210792 A JP H11210792A JP 2646898 A JP2646898 A JP 2646898A JP 2646898 A JP2646898 A JP 2646898A JP H11210792 A JPH11210792 A JP H11210792A
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Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 摩擦材と裏金の密着性を耐熱性・耐候性の面
で改善し、長寿命化できるディスクブレーキパッドとそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 摩擦材1と裏金3とを一体に接合したデ
ィスクブレーキパッドにおいて、裏金3の一部を摩擦材
側に突出して隆起部4を形成する。この隆起部4は頭部
と軸部とからなり、頭部の外径が軸部の外径よりも大き
いため、隆起部4のアンカー効果により摩擦材1と裏金
3との機械的な密着性を高めることができる。摩擦材1
と裏金3との間には緩衝層2,2’を介在させても良
い。
で改善し、長寿命化できるディスクブレーキパッドとそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 摩擦材1と裏金3とを一体に接合したデ
ィスクブレーキパッドにおいて、裏金3の一部を摩擦材
側に突出して隆起部4を形成する。この隆起部4は頭部
と軸部とからなり、頭部の外径が軸部の外径よりも大き
いため、隆起部4のアンカー効果により摩擦材1と裏金
3との機械的な密着性を高めることができる。摩擦材1
と裏金3との間には緩衝層2,2’を介在させても良
い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、鉄道、産
業機械等の回転部の速度を制御するディスクブレーキに
用いるパッドとその製造方法に関する。
業機械等の回転部の速度を制御するディスクブレーキに
用いるパッドとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキパッドは摩擦材と裏金
からできており、摩擦材は、回転するディスクに押しつ
けられ、運動エネルギーを熱エネルギーに変えること
で、回転部の速度制御を行う機能を有する。裏金は、摩
擦材をディスクに押しつけるブレーキキャリパーのピス
トンを受けるために存在する。
からできており、摩擦材は、回転するディスクに押しつ
けられ、運動エネルギーを熱エネルギーに変えること
で、回転部の速度制御を行う機能を有する。裏金は、摩
擦材をディスクに押しつけるブレーキキャリパーのピス
トンを受けるために存在する。
【0003】摩擦材と裏金は、接着剤で接合する場合
と、リベット等で機械的に接合する場合とがあり、その
両方を用いる場合もある。これらの接合は、摩擦熱によ
る高温状態から、寒冷地での使用による低温使用の場合
を含め、常に安定している必要がある。従って、摩擦材
と裏金の剥離を防止する種々の手段が提案されてきた。
と、リベット等で機械的に接合する場合とがあり、その
両方を用いる場合もある。これらの接合は、摩擦熱によ
る高温状態から、寒冷地での使用による低温使用の場合
を含め、常に安定している必要がある。従って、摩擦材
と裏金の剥離を防止する種々の手段が提案されてきた。
【0004】一般的には、裏金の一部にモールド孔と称
する貫通孔を設け、この裏金に接着剤を塗着し、これに
摩擦材を加熱加圧して一体成形する方法がとられてい
る。この手段は特に乗用車のブレーキパッドの製造に多
く用いられている。この場合のモールド孔は、摩擦材が
制動によりせん断力を受けたときに、摩擦材が裏金の一
部に入り込んでいることにより、機械的な耐せん断力を
生じさせるものである。また、強度な制動により摩擦材
が高温になった場合、接着剤の劣化が起こったときに、
モールド孔に入り込んだ摩擦材がアンカー効果を生むた
めに剥がれ現象を防止できるものである。
する貫通孔を設け、この裏金に接着剤を塗着し、これに
摩擦材を加熱加圧して一体成形する方法がとられてい
る。この手段は特に乗用車のブレーキパッドの製造に多
く用いられている。この場合のモールド孔は、摩擦材が
制動によりせん断力を受けたときに、摩擦材が裏金の一
部に入り込んでいることにより、機械的な耐せん断力を
生じさせるものである。また、強度な制動により摩擦材
が高温になった場合、接着剤の劣化が起こったときに、
モールド孔に入り込んだ摩擦材がアンカー効果を生むた
めに剥がれ現象を防止できるものである。
【0005】ところが、さらに大きな制動力が負荷され
る場合は、このような構造でも耐えきれないことが予測
されると同時に、摩擦材と裏金との間に熱膨張の差によ
る界面剥離や、浸水時における水の侵入による錆の発生
などが、この接合を劣化させる要因となる。そこでより
安定して接着を維持する種々の発明がなされてきた。
る場合は、このような構造でも耐えきれないことが予測
されると同時に、摩擦材と裏金との間に熱膨張の差によ
る界面剥離や、浸水時における水の侵入による錆の発生
などが、この接合を劣化させる要因となる。そこでより
安定して接着を維持する種々の発明がなされてきた。
【0006】特開昭53-56475号公報には、前記モールド
孔の部分に突起を持つジグ、カシメ状のジグ、ファイバ
ーの植え付け等を行い、裏金と摩擦材の接合をより強度
に維持する手段の開示がある。特開昭56-63136号公報で
は、特殊な形状のリベットを利用し、裏金を貫通させる
手段、裏金の表面に固定させる手段、裏金自体の一部分
をリベットの足の部分に加工し、接合の補助効果を引き
出す手段などを開示している。
孔の部分に突起を持つジグ、カシメ状のジグ、ファイバ
ーの植え付け等を行い、裏金と摩擦材の接合をより強度
に維持する手段の開示がある。特開昭56-63136号公報で
は、特殊な形状のリベットを利用し、裏金を貫通させる
手段、裏金の表面に固定させる手段、裏金自体の一部分
をリベットの足の部分に加工し、接合の補助効果を引き
出す手段などを開示している。
【0007】さらに、水の侵入を減らす手段として、実
開平5-83483 号公報、特開平9-242794号公報、特開平9-
89016 号公報などにモールド孔を貫通させずに裏金と摩
擦材とを強固に密着させる手段が記載されている。
開平5-83483 号公報、特開平9-242794号公報、特開平9-
89016 号公報などにモールド孔を貫通させずに裏金と摩
擦材とを強固に密着させる手段が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように過去からデ
ィスクブレーキパッドの摩擦材と裏金の密着性を維持す
る種々の工夫がなされているが、さらなる耐久性を持っ
た工夫が必要である。特に摩擦材に金属を多用した材料
の場合は、制動によって発生した熱が摩擦材に多く吸収
されるためにより高温となる。このような状況では耐熱
樹脂を用いた接着でも耐えきれず、摩擦材と裏金との間
に緩衝層を設けて接着を維持すると共に、熱膨張の差を
緩和することが行われている。それでも不十分となる制
動条件があるので、より接合が確実であり、かつ容易に
製造できる手段が望まれる。
ィスクブレーキパッドの摩擦材と裏金の密着性を維持す
る種々の工夫がなされているが、さらなる耐久性を持っ
た工夫が必要である。特に摩擦材に金属を多用した材料
の場合は、制動によって発生した熱が摩擦材に多く吸収
されるためにより高温となる。このような状況では耐熱
樹脂を用いた接着でも耐えきれず、摩擦材と裏金との間
に緩衝層を設けて接着を維持すると共に、熱膨張の差を
緩和することが行われている。それでも不十分となる制
動条件があるので、より接合が確実であり、かつ容易に
製造できる手段が望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の工夫を
さらに改善し、摩擦材と裏金とをより強固に接合したパ
ッドと、このようなパッドを簡便に作製できる製造方法
とを提供するものである。
さらに改善し、摩擦材と裏金とをより強固に接合したパ
ッドと、このようなパッドを簡便に作製できる製造方法
とを提供するものである。
【0010】本発明パッドの構造は、摩擦材と裏金とを
一体に接合したディスクブレーキパッドにおいて、前記
裏金は、その一部を摩擦材側に突出した隆起部を有し、
この隆起部は頭部と軸部とからなり、頭部の外径が軸部
の外径よりも大きいことを特徴とする。すなわち、裏金
の一部をフック状の突起物として摩擦材に埋設させるこ
とで、カシメやリベッド等を用いずに充分なアンカー効
果を発揮させるものである。
一体に接合したディスクブレーキパッドにおいて、前記
裏金は、その一部を摩擦材側に突出した隆起部を有し、
この隆起部は頭部と軸部とからなり、頭部の外径が軸部
の外径よりも大きいことを特徴とする。すなわち、裏金
の一部をフック状の突起物として摩擦材に埋設させるこ
とで、カシメやリベッド等を用いずに充分なアンカー効
果を発揮させるものである。
【0011】ここで、摩擦材と裏金との間に1層以上の
緩衝層を介在すると、この効果がより明確になる。さら
には隆起部が緩衝層内にあると、摩擦材の使用限界を明
らかにする指標となる。そして、裏金をモールド孔と称
する貫通孔が存在しないものとすれば、裏金の剛性や防
錆の点でより耐久性に優れるものとなる。なお、隆起部
は裏金からほぼ垂直に突出させることが好ましい。隆起
部の形状は円に限らず頭部の1部が軸部よりも大きくな
っていれば特に限定されない。
緩衝層を介在すると、この効果がより明確になる。さら
には隆起部が緩衝層内にあると、摩擦材の使用限界を明
らかにする指標となる。そして、裏金をモールド孔と称
する貫通孔が存在しないものとすれば、裏金の剛性や防
錆の点でより耐久性に優れるものとなる。なお、隆起部
は裏金からほぼ垂直に突出させることが好ましい。隆起
部の形状は円に限らず頭部の1部が軸部よりも大きくな
っていれば特に限定されない。
【0012】また、本発明の製法は、摩擦材と裏金とを
具えるディスクブレーキパッドの製造方法であって、前
記裏金を打ち抜き加工する際に、この裏金の一部をハー
フシアにより突出させて軸部を形成する工程と、軸部の
先端を逆押しして、軸部より外径の大きい頭部を形成す
る工程と、この裏金の軸部のある側に接着剤を塗布する
工程と、この裏金と摩擦材とを加熱成形型にて一体成形
する工程とを具えることを特徴とする。
具えるディスクブレーキパッドの製造方法であって、前
記裏金を打ち抜き加工する際に、この裏金の一部をハー
フシアにより突出させて軸部を形成する工程と、軸部の
先端を逆押しして、軸部より外径の大きい頭部を形成す
る工程と、この裏金の軸部のある側に接着剤を塗布する
工程と、この裏金と摩擦材とを加熱成形型にて一体成形
する工程とを具えることを特徴とする。
【0013】他の工程は、従来の製造法と同じで構わな
い。軸部の逆押しには、軸部の断面積より小さい面積の
押し型を使用すると軸部の先端が傘のように開いて頭部
が形成され、好ましい形となる。その他、突出箇所の逆
押しには、2方向以上の放射状の刃を有する押し型を使
用することも同様に好ましい結果を得る。この押し型に
は、マイナスドライバー、プラスドライバーのような刃
を用いれば十分である。
い。軸部の逆押しには、軸部の断面積より小さい面積の
押し型を使用すると軸部の先端が傘のように開いて頭部
が形成され、好ましい形となる。その他、突出箇所の逆
押しには、2方向以上の放射状の刃を有する押し型を使
用することも同様に好ましい結果を得る。この押し型に
は、マイナスドライバー、プラスドライバーのような刃
を用いれば十分である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に本発明の実施例を示す。同
図(A)はディスクブレーキパッドの外観図であり、摩
擦材1と裏金3の間に緩衝層2がある例である。同図
(B)、(C)、(D)は本発明のディスクブレーキパ
ッドの断面図で、摩擦材1と裏金3との接合構造を示し
ている。
図(A)はディスクブレーキパッドの外観図であり、摩
擦材1と裏金3の間に緩衝層2がある例である。同図
(B)、(C)、(D)は本発明のディスクブレーキパ
ッドの断面図で、摩擦材1と裏金3との接合構造を示し
ている。
【0015】(B)は摩擦材1と裏金3が直接接着され
ている例を示し、モールド孔の代わりに隆起部4を裏金
3に設け、摩擦材1との強固な密着性を保有する。
(C)は摩擦材1と裏金3の間に緩衝層2を設けた例で
ある。裏金から突出する隆起部4の先端は摩擦材1の中
に出ても構わないが、緩衝層2の中に収まっていると、
摩擦材1を摩耗限界まで使用することができる。また、
緩衝層の材料は、裏金と緩衝材との密着性を裏金と摩擦
材との密着性よりも高めた配合にもできるため、裏金と
摩擦材の直接の密着性より強化できる。さらに(D)は
摩擦材、緩衝材、裏板間の温度勾配を小さくし材料内部
の熱応力を緩和するため緩衝層2,2’を熱伝導率の異
なる2層とした構成を示している。
ている例を示し、モールド孔の代わりに隆起部4を裏金
3に設け、摩擦材1との強固な密着性を保有する。
(C)は摩擦材1と裏金3の間に緩衝層2を設けた例で
ある。裏金から突出する隆起部4の先端は摩擦材1の中
に出ても構わないが、緩衝層2の中に収まっていると、
摩擦材1を摩耗限界まで使用することができる。また、
緩衝層の材料は、裏金と緩衝材との密着性を裏金と摩擦
材との密着性よりも高めた配合にもできるため、裏金と
摩擦材の直接の密着性より強化できる。さらに(D)は
摩擦材、緩衝材、裏板間の温度勾配を小さくし材料内部
の熱応力を緩和するため緩衝層2,2’を熱伝導率の異
なる2層とした構成を示している。
【0016】上記(B)〜(D)のいずれの構成におい
ても、隆起部4は頭部と軸部とで構成され、頭部を軸部
よりも太く構成することによって隆起部にアンカー効果
を持たせている。
ても、隆起部4は頭部と軸部とで構成され、頭部を軸部
よりも太く構成することによって隆起部にアンカー効果
を持たせている。
【0017】図2は裏金3に隆起部4を加工した段階の
部分外観図と部分断面図である。同図(A)は平板状の
頭部5を有する隆起部4を示している。このような隆起
部4は、裏金3の一部をハーフシア加工により、凹部6
の部分を摩擦材の接合する方向に押し出して軸部7を形
成し、この軸部7の先端を押出方向と逆方向に加圧して
軸部7よりも外径の大きい平板状の頭部5を形成するこ
とで得られる。そして、この裏金3における隆起部側に
接着剤を塗布した後、金型に裏金3と摩擦材(必要に応
じて緩衝材)をセットし、加圧加熱成形により摩擦材を
成形すると同時に接合してパッドを製造する。
部分外観図と部分断面図である。同図(A)は平板状の
頭部5を有する隆起部4を示している。このような隆起
部4は、裏金3の一部をハーフシア加工により、凹部6
の部分を摩擦材の接合する方向に押し出して軸部7を形
成し、この軸部7の先端を押出方向と逆方向に加圧して
軸部7よりも外径の大きい平板状の頭部5を形成するこ
とで得られる。そして、この裏金3における隆起部側に
接着剤を塗布した後、金型に裏金3と摩擦材(必要に応
じて緩衝材)をセットし、加圧加熱成形により摩擦材を
成形すると同時に接合してパッドを製造する。
【0018】(B)は断面が弓型の頭部5を有する隆起
部4を示している。この隆起部4は頭部5の表面が丸い
湾曲面で構成され、成型時に摩擦材を頭部5の傘下に回
り込みやすくした形状である。このような頭部5を形成
するには、内球面を有する押し型を用いればよい。
部4を示している。この隆起部4は頭部5の表面が丸い
湾曲面で構成され、成型時に摩擦材を頭部5の傘下に回
り込みやすくした形状である。このような頭部5を形成
するには、内球面を有する押し型を用いればよい。
【0019】(C)は中心から2方向以上に伸びる放射
状の刃を用いて加圧した隆起部4を示し、頭部5は表面
の凹凸が多いが、頭部5を作製する加圧力は小さな力で
済む利点がある。
状の刃を用いて加圧した隆起部4を示し、頭部5は表面
の凹凸が多いが、頭部5を作製する加圧力は小さな力で
済む利点がある。
【0020】(D)は軸部7の断面積より小さい断面積
の押し型を用いて加圧して頭部5を作製した例である。
これにより、隆起部4の先端には押し型に対応した凹部
8が形成されると共に、この凹部8の周囲が軸部7より
も広がって頭部5が形成される。この例は、出来上がり
の形状が安定しているので、品質ばらつきが少ない。
の押し型を用いて加圧して頭部5を作製した例である。
これにより、隆起部4の先端には押し型に対応した凹部
8が形成されると共に、この凹部8の周囲が軸部7より
も広がって頭部5が形成される。この例は、出来上がり
の形状が安定しているので、品質ばらつきが少ない。
【0021】隆起部の形状はここに挙げた数例に限られ
るわけではなく、頭部が軸部よりも広がった形状であれ
ばよい。
るわけではなく、頭部が軸部よりも広がった形状であれ
ばよい。
【0022】ここで、裏金に対する隆起高さは、当然裏
金の厚み以上とはならないが、好ましくは2mm以上と
する。隆起部の断面が円形をなす場合には、頭部の外径
を大きくし過ぎないように調整する。すなわち、隆起部
を側面から見たときに軸部から頭部が径方向に1mm程
度突出していれば十分である。5mm以上突出すると、
摩擦材との接合時に摩擦材が頭部の傘下に回り込む距離
が大きくなり、その付近の摩擦材の成形が軟弱になるの
で好ましくない。ただし、摩擦材の配合が流れ性の良い
ものであれば問題はない。
金の厚み以上とはならないが、好ましくは2mm以上と
する。隆起部の断面が円形をなす場合には、頭部の外径
を大きくし過ぎないように調整する。すなわち、隆起部
を側面から見たときに軸部から頭部が径方向に1mm程
度突出していれば十分である。5mm以上突出すると、
摩擦材との接合時に摩擦材が頭部の傘下に回り込む距離
が大きくなり、その付近の摩擦材の成形が軟弱になるの
で好ましくない。ただし、摩擦材の配合が流れ性の良い
ものであれば問題はない。
【0023】このようにして成形されたパッドは、モー
ルド孔の有無にかかわらず、直接摩擦材の中に釘の頭を
埋め込んだ形状となるので、摩擦方向のせん断力にも摩
擦方向に直角な方向の剥離力にも十分に対抗でき、高温
となった状態で使用されても、接着剤の劣化若しくは軟
化による耐せん断力・耐剥離力の低下をカバーする。ま
た、隆起部にかかるせん断力は、裏金の材料そのもので
受けるので、リベットやカシメのように別材質による強
度の違いからの問題を避けうる。さらに、浸水による劣
化時にも、金属種の違いにより局部電池化することもな
く、防錆性も改善される。以下に実施例を示すが、本発
明はこの限りにあるものではない。
ルド孔の有無にかかわらず、直接摩擦材の中に釘の頭を
埋め込んだ形状となるので、摩擦方向のせん断力にも摩
擦方向に直角な方向の剥離力にも十分に対抗でき、高温
となった状態で使用されても、接着剤の劣化若しくは軟
化による耐せん断力・耐剥離力の低下をカバーする。ま
た、隆起部にかかるせん断力は、裏金の材料そのもので
受けるので、リベットやカシメのように別材質による強
度の違いからの問題を避けうる。さらに、浸水による劣
化時にも、金属種の違いにより局部電池化することもな
く、防錆性も改善される。以下に実施例を示すが、本発
明はこの限りにあるものではない。
【0024】
【実施例】中型トラック仕様のディスクブレーキパッド
を作製した。この仕様においてパッドの摩擦面積はフロ
ントブレーキで90cm2 である。裏金の厚みは8m
m、摩擦材部分の厚みは14mmである。摩擦材には表
1に示す配合材料を、緩衝材には表2に示す配合材料を
用いている。これらの配合は、各表に示す重量比率で計
量し、それぞれアイリッヒミキサーを用い混合して均一
化している。この2種類の混合物を設計値に基づき計量
して予備成形した。設計値は、出来上がりのパッドの厚
みで緩衝材の厚みが3mm、摩擦材の厚みが11mmに
なるように計算してある。
を作製した。この仕様においてパッドの摩擦面積はフロ
ントブレーキで90cm2 である。裏金の厚みは8m
m、摩擦材部分の厚みは14mmである。摩擦材には表
1に示す配合材料を、緩衝材には表2に示す配合材料を
用いている。これらの配合は、各表に示す重量比率で計
量し、それぞれアイリッヒミキサーを用い混合して均一
化している。この2種類の混合物を設計値に基づき計量
して予備成形した。設計値は、出来上がりのパッドの厚
みで緩衝材の厚みが3mm、摩擦材の厚みが11mmに
なるように計算してある。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】別に裏金を用意した。比較例として従来用
いられる直径20mmのモールド孔が2個開けられたも
のを用い、そのモールドの位置は左右対称におかれてい
る。本発明の実施例には、図2の(A)、(B)、
(C)、(D)に示す形状の裏金を用い、各裏金を用い
て得られるパッドを各々実施例1〜4とした。
いられる直径20mmのモールド孔が2個開けられたも
のを用い、そのモールドの位置は左右対称におかれてい
る。本発明の実施例には、図2の(A)、(B)、
(C)、(D)に示す形状の裏金を用い、各裏金を用い
て得られるパッドを各々実施例1〜4とした。
【0028】これらの裏金の作製方法は、裏金の作製時
に工程を追加して行った。まず、厚さ8mmの金属板を
外形状に打ち抜くと同時に、実施例1,2は高さ4m
m、実施例3,4は高さ3.2mmで、直径18mmの
突出箇所をハーフシアにより2箇所作製し、その中心位
置は従来のモールド孔の位置と同じとした。その後、実
施例1(図2A)は、突出箇所の先端を平板形状の押し
型で加圧して押し拡げ、平板状の頭部を形成した。実施
例2(図2B)は、椀状の押し型を用いて突出箇所の頭
を丸くすると同時に傘状に広げた頭部とした。実施例3
(図2C)は、+型のドライバーの頭の形状をした押し
型で突出箇所の先端を広げた。実施例4(図2D)は突
出箇所の直径より小さい円柱状の押し型で突出箇所の中
央を押し、先端を拡げて頭部を形成した。これにより裏
金から軸部が立設され、軸部の先端に外径の大きい頭部
が形成されてキノコ状の隆起部が構成される。いずれも
頭部の高さは裏金表面から3mm付近であり、軸部から
頭部が径方向に突出する幅は0.8mm〜1.5mm程
度である。
に工程を追加して行った。まず、厚さ8mmの金属板を
外形状に打ち抜くと同時に、実施例1,2は高さ4m
m、実施例3,4は高さ3.2mmで、直径18mmの
突出箇所をハーフシアにより2箇所作製し、その中心位
置は従来のモールド孔の位置と同じとした。その後、実
施例1(図2A)は、突出箇所の先端を平板形状の押し
型で加圧して押し拡げ、平板状の頭部を形成した。実施
例2(図2B)は、椀状の押し型を用いて突出箇所の頭
を丸くすると同時に傘状に広げた頭部とした。実施例3
(図2C)は、+型のドライバーの頭の形状をした押し
型で突出箇所の先端を広げた。実施例4(図2D)は突
出箇所の直径より小さい円柱状の押し型で突出箇所の中
央を押し、先端を拡げて頭部を形成した。これにより裏
金から軸部が立設され、軸部の先端に外径の大きい頭部
が形成されてキノコ状の隆起部が構成される。いずれも
頭部の高さは裏金表面から3mm付近であり、軸部から
頭部が径方向に突出する幅は0.8mm〜1.5mm程
度である。
【0029】用意された裏金5種類を、プレス打ち抜き
による機械油除去のため洗浄し、乾燥してからフェノー
ル樹脂系接着剤を塗布乾燥した。この裏金を加熱加圧成
形機の金型にセットし、摩擦材の予備成形体を合わせて
160℃で成形した。後硬化を230℃で4時間行い、
化粧塗装したのち摩擦面を所定の厚みまで研磨して製品
とした。
による機械油除去のため洗浄し、乾燥してからフェノー
ル樹脂系接着剤を塗布乾燥した。この裏金を加熱加圧成
形機の金型にセットし、摩擦材の予備成形体を合わせて
160℃で成形した。後硬化を230℃で4時間行い、
化粧塗装したのち摩擦面を所定の厚みまで研磨して製品
とした。
【0030】出来上がった製品の一部を取り出し、砥石
カッターで切断し、モールド孔付近および隆起部付近の
摩擦材料のまわり具合を調べたところ、全て充分に摩擦
材が回り込んでいた。また、これらのパッドを300℃
に保持した恒温槽に入れ、3時間加熱し、取り出し後1
分以内にせん断強度を測定をした。結果を表3に示す。
強度の違いは接着剤が加熱によりほぼ劣化されているの
で、モールド孔部と隆起部の強度の違いが出ていると推
定するが、隆起部のある各実施例パッドのせん断力の方
が比較例のそれより大きいことがわかる。
カッターで切断し、モールド孔付近および隆起部付近の
摩擦材料のまわり具合を調べたところ、全て充分に摩擦
材が回り込んでいた。また、これらのパッドを300℃
に保持した恒温槽に入れ、3時間加熱し、取り出し後1
分以内にせん断強度を測定をした。結果を表3に示す。
強度の違いは接着剤が加熱によりほぼ劣化されているの
で、モールド孔部と隆起部の強度の違いが出ていると推
定するが、隆起部のある各実施例パッドのせん断力の方
が比較例のそれより大きいことがわかる。
【0031】
【表3】
【0032】また、350℃×20Hr加熱した後、高
さ1.5mからパッドをコンクリート床へ落下させたと
ころ、比較例は裏金と摩擦材とが接着面で剥離したが実
施例はいずれも剥離しなかった。
さ1.5mからパッドをコンクリート床へ落下させたと
ころ、比較例は裏金と摩擦材とが接着面で剥離したが実
施例はいずれも剥離しなかった。
【0033】さらに、別のパッドを5%食塩水に1時間
漬けた後、100℃に保持した乾燥炉で3時間の乾燥を
行ってこれを1サイクルとし、500サイクル後に裏金
側をハンマーでたたいて裏金と摩擦材を剥離し、裏金の
接着面の錆状態を調査した。この結果、パッドの周囲に
発生する錆は全て同じであったが、比較例のパッドは、
モールド孔の周囲に錆の存在が見られた。これより、実
施例はモールド孔の存在する比較例パッドより錆びにく
い構造となっていることがわかる。
漬けた後、100℃に保持した乾燥炉で3時間の乾燥を
行ってこれを1サイクルとし、500サイクル後に裏金
側をハンマーでたたいて裏金と摩擦材を剥離し、裏金の
接着面の錆状態を調査した。この結果、パッドの周囲に
発生する錆は全て同じであったが、比較例のパッドは、
モールド孔の周囲に錆の存在が見られた。これより、実
施例はモールド孔の存在する比較例パッドより錆びにく
い構造となっていることがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ディスクブ
レーキパッドは、摩擦材の中に裏金の突起を埋め込み、
かつその隆起部の頭部が広げられることによる返り部分
を持っているために、裏金と摩擦材の接着手段である接
着剤の劣化が起こっても十分に密着構造を保ち、かつ融
雪剤等の侵入による劣化にも効果を発揮する構造であ
る。また、本発明製造方法は、上記のパッドを容易に作
製するのに最適な方法である。従って、ディスクブレー
キの制動条件が相当厳しい条件になっても、従来品以上
に耐久性を持つディスクブレーキパッドを得ることがで
きる。
レーキパッドは、摩擦材の中に裏金の突起を埋め込み、
かつその隆起部の頭部が広げられることによる返り部分
を持っているために、裏金と摩擦材の接着手段である接
着剤の劣化が起こっても十分に密着構造を保ち、かつ融
雪剤等の侵入による劣化にも効果を発揮する構造であ
る。また、本発明製造方法は、上記のパッドを容易に作
製するのに最適な方法である。従って、ディスクブレー
キの制動条件が相当厳しい条件になっても、従来品以上
に耐久性を持つディスクブレーキパッドを得ることがで
きる。
【図1】(A)は本発明実施例の外観図、(B)はその
断面図、(C)は別構成の実施例の断面図、(D)はさ
らに別構成の実施例の断面図である。
断面図、(C)は別構成の実施例の断面図、(D)はさ
らに別構成の実施例の断面図である。
【図2】本発明に用いる裏金の部分断面図と部分斜視図
で、(A)は頭部が平板状の隆起部を持つ裏金を示し、
(B)は頭部が球面状の隆起部を持つ裏金を示し、
(C)は頭部が十字溝の付いた隆起部を持つ裏金を示
し、(D)は頭部の形成に軸部よりも直径の小さなジグ
を用いた隆起部を持つ裏金を示している。
で、(A)は頭部が平板状の隆起部を持つ裏金を示し、
(B)は頭部が球面状の隆起部を持つ裏金を示し、
(C)は頭部が十字溝の付いた隆起部を持つ裏金を示
し、(D)は頭部の形成に軸部よりも直径の小さなジグ
を用いた隆起部を持つ裏金を示している。
1 摩擦材 2,2′ 緩衝層 3 裏金 4 隆起部 5 頭部 6 凹部 7 軸部 8 凹部
Claims (7)
- 【請求項1】 摩擦材と裏金とを一体に接合したディス
クブレーキパッドにおいて、 前記裏金は、その一部を摩擦材側に突出した隆起部を有
し、 この隆起部は頭部と軸部とからなり、頭部の外径が軸部
の外径よりも大きいことを特徴とするディスクブレーキ
パッド。 - 【請求項2】 摩擦材と裏金との間に1層以上の緩緩層
を介在して一体に接合したことを特徴とする請求項1に
記載のディスクブレーキパッド。 - 【請求項3】 隆起部の頭部が緩衝層内に位置すること
を特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキパッ
ド。 - 【請求項4】 裏金には摩擦材の入り込む貫通孔が形成
されていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載のディスクブレーキパッド。 - 【請求項5】 摩擦材と裏金とを具えるディスクブレー
キパッドの製造方法であって、 前記裏金を打ち抜き加工する際に、この裏金の一部をハ
ーフシアにより突出させて軸部を形成する工程と、 軸部の先端を逆押しして、軸部より外径の大きい頭部を
形成する工程と、 この裏金の軸部ある側に接着剤を塗布する工程と、 この裏金と摩擦材とを加熱成形型にて一体成形する工程
とを具えることを特徴とするディスクブレーキパッドの
製造方法。 - 【請求項6】 軸部の逆押しには、軸部の断面積より小
さい面積の押し型を用いることを特徴とする請求項5に
記載のディスクブレーキパッドの製造方法。 - 【請求項7】 軸部の逆押しには、2方向以上の放射状
の刃を有する押し型を用いることを特徴とする請求項5
に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2646898A JPH11210792A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | ディスクブレーキパッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2646898A JPH11210792A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | ディスクブレーキパッドおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11210792A true JPH11210792A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12194362
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2646898A Pending JPH11210792A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | ディスクブレーキパッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11210792A (ja) |
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1106859A1 (de) * | 1999-12-07 | 2001-06-13 | AlliedSignal Bremsbelag GmbH | Bremsbelag mit Trägerplatte und Verfahren zur Herstellung von Trägerplatten für Bremsbeläge |
| JP2002021898A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-23 | Isuzu Motors Ltd | 金属材と摩擦材の接着構造 |
| DE102005028796A1 (de) * | 2005-06-22 | 2006-12-28 | Tmd Friction Gmbh | Belagträger für Bremseinrichtungen |
| WO2008068846A1 (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-12 | Yamamoto Seisakusho Co., Ltd. | ディスクブレーキ・パッド、パッド用裏金、及びパッド用裏金の製造方法 |
| KR101099334B1 (ko) | 2005-01-10 | 2011-12-26 | 코프렌 에스.알.엘. | 선로 분야에서 이용되고, 마찰요소를 가지는 개선된 디스크 브레이크 패드 |
| WO2012056563A1 (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-03 | 三菱電機株式会社 | ブレーキライニング及びその製造方法 |
| JP2012511673A (ja) * | 2008-12-12 | 2012-05-24 | アーベスマン レイ | モジュール式ブレーキパッド |
| US8342299B2 (en) | 2004-06-08 | 2013-01-01 | Shimano, Inc. | Bicycle disk brake pad with welded and adhesively bonded layers |
| KR200469893Y1 (ko) * | 2013-06-03 | 2013-11-14 | 이영호 | 차량용 브레이크 패드 |
| CN107606009A (zh) * | 2017-10-16 | 2018-01-19 | 金华职业技术学院 | 一种刹车背板 |
| KR20180131692A (ko) * | 2017-05-31 | 2018-12-11 | 주식회사 프릭사 | 자동차용 브레이크 패드의 백플레이트 구조 |
| WO2019195722A1 (en) * | 2018-04-06 | 2019-10-10 | Federal-Mogul Motorparts Llc | Brake pad backing plate |
| WO2020077191A1 (en) * | 2018-10-12 | 2020-04-16 | Federal-Mogul Motorparts Llc | Brake pad backing plate |
| CN112065900A (zh) * | 2020-09-30 | 2020-12-11 | 烟台兴创汽车配件有限公司 | 防止刹车片脱落的钢背结构、钢背制作模具及生产工艺 |
| CN114738401A (zh) * | 2021-09-02 | 2022-07-12 | 山东明德五金制造有限公司 | 一种具新型凸钉的锻造刹车片钢背 |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP2646898A patent/JPH11210792A/ja active Pending
Cited By (24)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1624218A1 (de) | 1999-12-07 | 2006-02-08 | AlliedSignal Bremsbelag GmbH | Bremsbelag für Schienen- und schienenungebundene Fahrzeuge |
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| US8752679B2 (en) | 2008-12-12 | 2014-06-17 | Ray Arbesman | Modular brake pad |
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| CN112065900B (zh) * | 2020-09-30 | 2025-07-04 | 烟台兴创汽车配件有限公司 | 防止刹车片脱落的钢背结构、钢背制作模具及生产工艺 |
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