JPH1121342A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JPH1121342A
JPH1121342A JP17447597A JP17447597A JPH1121342A JP H1121342 A JPH1121342 A JP H1121342A JP 17447597 A JP17447597 A JP 17447597A JP 17447597 A JP17447597 A JP 17447597A JP H1121342 A JPH1121342 A JP H1121342A
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acid
chloride
hydroxy
mol
oligomer
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JP17447597A
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English (en)
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Yoshi Ikeda
歓 池田
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Kenichi Goto
謙一 後藤
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量を有するポリヒドロキシカルボン酸
を工業的に効率よく、容易に、製造し得る方法を提供す
る。 【解決手段】 一般式(1)で表されるヒドロキシカル
ボン酸および/またはそのオリゴマーの酸クロリドを、 (式中、Rは脂肪族炭化水素基、nは1以上の整数であ
る。)酸解離定数の逆数の対数値が4.9以上である3
級アミン類の存在下、反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療材料や汎用樹
脂代替となる生分解性ポリマーとして有用なポリヒドロ
キシカルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽さ、加工のし易さに加えて安価に入手
できることから、プラスチックは日常生活のあらゆる分
野に使われており、各種産業分野においても技術の進歩
に大きく貢献している。しかしながら、廃棄する場合
は、埋め立て地の寿命を縮める、焼却時有害ガスを発生
する、高温時の燃焼が焼却炉を痛めるなどの問題を有し
ていた。そこで、近年従来のプラスチックと同様の基本
物性を有し、しかも生分解性を有する脂肪族ポリエステ
ルが注目されてきた。中でもポリヒドロキシカルボン酸
類、特にポリ乳酸は、自然界あるいは人の体内にある乳
酸を原料としており、他に害を与えることなく自然界で
分解され、最終的には水と炭酸ガスになり、様々な分野
でその利用が大きく期待されている生分解性プラスチッ
クである。
【0003】ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法とし
ては、乳酸の二量体であるラクタイドを経由して開環重
合する方法(特開昭56−45920号公報)や、ヒド
ロキシカルボン酸を直接重縮合する方法(特開昭59−
96123号公報、特開昭61−028521号公報)
が知られている。しかしながら、前者の方法は、環状二
量体であるラクタイドを高純度で得る必要があり、ラク
タイドの再結晶の工程が必要となり、得られるポリ乳酸
は高価なものとなる。一方、後者の方法は、系内の水分
を除去するために、高温、減圧下等の条件で反応させる
必要がある等の問題があるため、特に工業的生産におい
ては最適重合条件の設定が難しい等の問題を有してい
た。
【0004】本発明におけるポリヒドロキシカルボン酸
は、脂肪族系ポリエステルの一種である。一般にポリエ
ステルの製造方法として、ジカルボン酸クロリド類とジ
オール類、あるいはヒドロキシカルボン酸クロリド類か
らの重合方法が知られているが、通常、これらの方法は
酸クロリド化合物が比較的安定な芳香族系化合物の場合
によく用いられる方法であり、脂肪族系カルボン酸類か
らの酸クロリド化合物を用いる重合法はほとんど知られ
ていないというのが現状である。脂肪族系酸クロリド化
合物を用いた公知の技術としては、例えば、塩素化剤と
して塩化チオニルを使用する方法(Makromol.
Chem.182.681−686(1981))が開
示されているが、脂肪族ヒドロキシカルボン酸クロリド
類、特に乳酸および/またはそのオリゴマーの酸クロリ
ドのような脂肪族のヒドロキシカルボン酸クロリド類に
ついては全く開示されていないと言ってよい。また、乳
酸およびグリコール酸に塩化チオニル、塩化オキサリ
ル、塩化サクシニル、二塩化テレフタロイル等を作用さ
せ、ポリマーを重合する方法(特公平4−3763号公
報)が開示されているが、この方法においても、乳酸お
よび/またはそのオリゴマーの酸クロリドの生成を推定
しているだけでその存在は全く確認されておらず、しか
も得られる重合体の重合率は最も高いものでも84%と
低かった(重合率=(1−反応終了後の平均重合度/出
発原料の平均重合度)×100)。さらにまた、ヒドロ
キシカルボン酸特にα−ヒドロキシカルボン酸またはそ
れらのオリゴマーを所定の結合試薬の存在下に縮合反応
させる方法(特開平4−215822号公報)において
ホスゲンやジホスゲン等を使用することが開示されてい
るが、その実施方法や実施例については一切の記載がな
く、得られるポリヒドロキシカルボン酸がどの様な物性
を有しているかは全く明らかにされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子量を有するポリヒドロキシカルボン酸を工業的に効率
よく、容易に、製造し得る方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)
【化2】
【0007】(式中、Rは脂肪族炭化水素基、nは1以
上の整数である。)で表されるヒドロキシカルボン酸お
よび/またはそれらのオリゴマーの酸クロリドを酸解離
定数の逆数の対数値(以下pKaと略す)が4.9以上
である3級アミン類の存在下、反応させることによって
高分子量のポリヒドロキシカルボン酸を工業的に効率よ
く、容易に製造できることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0008】すなわち本発明は、一般式(1)
【化3】 (式中、Rは脂肪族炭化水素基、nは1以上の整数であ
る。)で表されるヒドロキシカルボン酸および/または
そのオリゴマーの酸クロリドを、酸解離定数の逆数の対
数値が4.9以上である3級アミン類の存在下、反応さ
せることを特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の製造
方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係るヒドロキシカルボン
酸またはそのオリゴマーの酸クロリドとは、一般式
(1)で表されるものである。一般式(1)においてR
は脂肪族炭化水素基であり、その形態に特に制限はな
い。
【0010】また式中のnは平均重合度を示しており、
1以上の整数である。nの範囲には特に制限はなく、任
意の重合度のものを選択することができる。
【0011】該酸クロリドはヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーにハロイミニウム塩を作用さ
せることにより得られるが、使用するヒドロキシカルボ
ン酸は、具体的には、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロ
キシ酪酸、2−ヒドロキシバレリン酸、2−ヒドロキシ
カプロン酸、2−ヒドロキシヘプタン酸、2−ヒドロキ
シオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン
酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ
−2−エチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチルバレリ
ン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルバレリン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−プロピルバレリン酸、2−ヒドロキシ−
2−ブチルバレリン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルカ
プロン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルカプロン酸、2
−ヒドロキシ−2−プロピルカプロン酸、2−ヒドロキ
シ−2−ブチルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2−ペン
チルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタン
酸、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタン酸、2−ヒド
ロキシ−2−エチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−
プロピルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプ
タン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタン酸、2
−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタン酸、2−ヒドロキ
シ−2−メチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチ
ルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタン
酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタン酸、2−ヒド
ロキシ−2−ペンチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2
−ヘキシルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘプチル
オクタン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、3−ヒドロキシバレリン酸、3−ヒドロキシ
カプロン酸、3−ヒドロキシヘプタン酸、3−ヒドロキ
シオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、3−
ヒドロキシ−3−メチルバレリン酸、3−ヒドロキシ−
3−エチルバレリン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルカ
プロン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルカプロン酸、3
−ヒドロキシ−3−プロピルカプロン酸、3−ヒドロキ
シ−3−メチルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−エチ
ルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−プロピルヘプタン
酸、3−ヒドロキシ−3−ブチルヘプタン酸、3−ヒド
ロキシ−3−メチルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−
エチルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−プロピルオク
タン酸、3−ヒドロキシ−3−ブチルオクタン酸、3−
ヒドロキシ−3−ペンチルオクタン酸、4−ヒドロキシ
酪酸、4−ヒドロキシバレリン酸、4−ヒドロキシカプ
ロン酸、4−ヒドロキシヘプタン酸、4−ヒドロキシオ
クタン酸、4−ヒドロキシ−4−メチルバレリン酸、4
−ヒドロキシ−4−メチルカプロン酸、4−ヒドロキシ
−4−エチルカプロン酸、4−ヒドロキシ−4−メチル
ヘプタン酸、4−ヒドロキシ−4−エチルヘプタン酸、
4−ヒドロキシ−4−プロピルヘプタン酸、4−ヒドロ
キシ−4−メチルオクタン酸、4−ヒドロキシ−4−エ
チルオクタン酸、4−ヒドロキシ−4−プロピルオクタ
ン酸、4−ヒドロキシ−4−ブチルオクタン酸、5−ヒ
ドロキシバレリン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、5−
ヒドロキシヘプタン酸、5−ヒドロキシオクタン酸、5
−ヒドロキシ−5−メチルカプロン酸、5−ヒドロキシ
−5−メチルヘプタン酸、5−ヒドロキシ−5−エチル
ヘプタン酸、5−ヒドロキシ−5−メチルオクタン酸、
5−ヒドロキシ−5−エチルオクタン酸、5−ヒドロキ
シ−5−プロピルオクタン酸、6−ヒドロキシカプロン
酸、6−ヒドロキシヘプタン酸、6−ヒドロキシオクタ
ン酸、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸、6−ヒ
ドロキシ−6−メチルオクタン酸、6−ヒドロキシ−6
−エチルオクタン酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、7−
ヒドロキシオクタン酸、7−ヒドロキシ−7−メチルオ
クタン酸、8−ヒドロキシオクタン酸等の脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸および/またはそれらのオリゴマーであ
り、一種または二種以上の混合物を用いても良い。また
それらヒドロキシカルボン酸及びそれらオリゴマーの中
には光学炭素を有し、各々D体、L体、D/L体の形態
をとる場合があるが、本発明方法においてはその形態に
何ら制限はない。
【0012】市販のヒドロキシカルボン酸類には水分を
含有しているものもあるが、そのまま使用しても構わな
い。前処理として熱による脱水または共沸脱水、あるい
は塩化カルシウム、モレキュラーシーブス、モルデナイ
ト、イオン交換樹脂、シリカゲル等の乾燥剤を使用して
脱水を施し、縮合させたオリゴマーを使用する場合は、
使用する酸クロリド化剤の量および発生する塩化水素ガ
スの量が少なくなるため、好ましい。
【0013】本発明方法の原料の酸クロリドを合成する
ために使用する酸クロリド化剤としては、例として塩化
チオニル、五塩化リン、三塩化リン、塩化ホスホニル、
ホスゲン、また下記一般式(2)
【化4】 で表される構造を分子内に含有している化合物であり、
環状化合物であってもなくても、上記構造さえ有してい
る化合物であれば何ら問題ないハロイミニウム塩が挙げ
られる。
【0014】一般的なハロイミニウム塩としては、N,
N−ジメチルクロロメチレンイミニウムクロライド、
N,N−ジフェニルシクロヘキシルメチレンイミニウム
クロライド、N,N−ジフェニルクロロ−p−メトキシ
フェニルメチレンイミニウムクロライド、N,N,
N’,N’−テトラメチルクロロホルムアミジニウムク
ロライド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニ
ウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジエチルイミダ
ゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジプロピ
ルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−
ジブチルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−
1,3−ジヘキシルイミダゾリニウムクロライド、2−
クロロ−1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリニウムク
ロライド、2−クロロ−1,3−ジフェニルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメチル−
3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムクロライ
ド等が挙げられる。
【0015】またこれら酸クロリド化剤は、固体でも液
体でも使用することができるし、適当な溶剤に溶解また
は懸濁させた状態においても何ら問題なく使用すること
ができる。また、数種の酸クロリド化剤を併用すること
もできる。
【0016】ヒドロキシカルボン酸および/またはその
オリゴマーに酸クロリド化剤を作用させる温度は40℃
以上160℃以下、好ましくは40℃以上140℃以
下、より好ましくは40℃以上120℃以下がよい。4
0℃よりも低い温度では、酸クロリド化反応が完結する
のに長時間を要し、160℃を越える温度では、一般式
(3)
【化5】
【0017】(式中Rは脂肪族炭化水素基、nは1以上
の整数、Xは塩素原子またはOH基)で表される不純物
(以下、Cl置換体と略す)が生じ、その結果、このC
l置換体の量が増大すると、元々はヒドロキシ基であっ
た末端を封止することになるため、該末端はエステル化
が進行せず、高分子量を有するポリヒドロキシカルボン
酸が得られなくなり、好ましくない。
【0018】本発明において使用される酸クロリド化剤
の使用量は、カルボキシル基に対して0.85倍モル以
上、好ましくは1.0〜6.0倍モルである。使用する
酸クロリド化剤の量は、反応温度によって適宜好適範囲
を選ぶのが好ましく、例えば、120℃よりも低い温度
では1.0〜6.0倍モル、120℃以上では0.85
〜1.0倍モルを作用させるのがよい。また、反応系内
に水分が存在する場合は、水分と等モルの酸クロリド化
剤を添加する方が好ましい。
【0019】このようにして得られたヒドロキシカルボ
ン酸および/またはそのオリゴマーの酸クロリドは、ハ
ロイミニウム塩を用いた場合、反応生成物であるハロイ
ミニウム塩の前駆体、例えばジメチルホルムアミド、
N,N,N’,N’−テトラブチルウレア、N,N’−
ジメチルイミダゾリジノン等、あるいは反応溶媒、残存
酸クロリド化剤、副生塩化水素ガス等との反応混合物と
なる。該酸クロリドを重合する際は、得られた反応混合
物をそのまま使用しても構わないが、ハロイミニウム塩
の前駆体、副生塩化水素ガスおよび反応溶媒などを蒸発
留去させて、ヒドロキシカルボン酸および/またはその
オリゴマーの酸クロリドを単離して使用してもよい。
【0020】本発明に係るポリヒドロキシカルボン酸
は、一般式(1)で表されるヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーの酸クロリドを、pKaが
4.9以上である3級アミン類の存在下に、該酸クロリ
ドから脱塩化水素することによりエステル化を進行さ
せ、ポリヒドロキシカルボン酸を製造する。
【0021】本発明においてpKa(酸解離定数の逆数
の対数値)とは、水系溶液中25℃で測定されたpKa
であり、例えば、3級アミン類の水溶液あるいはアルコ
ール性水溶液等を塩酸やヨウ素酸等の滴定液を用いて2
5℃で滴定し、または、3級アミン類の塩酸塩の水溶液
あるいはアルコール性水溶液等を、水酸化ナトリウムや
ナトリウムメチラート等の滴定液を用い25℃で滴定
し、50%中和された時点におけるpH値を求める等の
方法によって得られる値である。この方法で求められる
3級アミン類のそれぞれのpKaは、例えば、キノリン
4.97、イソキノリン5.36、キナルジン5.7
4、3,5−ルチジン6.14、2,6−ルチジン6.
60、2,4,6−コリジン7.48、4−メチルモル
ホリン7.38、トリ−n−オクチルアミン8.35、
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
8.97、N−メチルピペリジン10.08である。
【0022】本発明に使用される3級アミン類は、例え
ば、キノリン、イソキノリン、キナルジン、3,5−ル
チジン、2,6−ルチジン、4−メチルモルホリン、
2,4,6−コリジン、トリ−n−オクチルアミン、
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、
N−メチルピペリジン、トリアリルアミン等が挙げられ
るが、これらの1種類を使用しても、複数種の3級アミ
ンを同時に使用してもよい。pKaが4.9以上の3級
アミン類を使用すると、脱塩化水素によるエステル化反
応は円滑に進行し、高分子量を有するポリエステルを、
マイルドな条件下で短時間に得ることができる。pKa
が4.9未満では、塩化水素を脱離させる能力に乏しい
ため、反応の進行が遅かったり、全く反応しないことが
ある。
【0023】本発明で使用する3級アミン類の使用量
は、ヒドロキシカルボン酸および/またはそのオリゴマ
ーの酸クロリドと等モル以上、好ましくは1〜6倍モ
ル、より好ましくは2〜3倍モルがよい。3級アミン類
の量が酸クロリドのモル数よりも少ない場合は、生成し
うる塩化水素量に対して3級アミンが不足するため、所
望の分子量を有するポリヒドロキシカルボン酸が得られ
ない場合がある。一方、3級アミン類が過剰に存在する
場合は、重合そのものに影響は与えないが、不経済であ
るばかりでなく、後の精製や回収が煩雑になるためあま
り好ましくない。
【0024】本発明において重合を行う際には、使用す
る3級アミン類または反応系中の水分が、式(4)
【数1】H≦1.8×M×10-3 (4) (式中、Hは水のモル数、Mはヒドロキシカルボン酸モ
ノマー単位のモル数)で表される量を満たすよう制御す
ることが好ましい。水分が多く存在する場合は酸クロリ
ド末端が加水分解し、得られるポロヒドロキシカルボン
酸の分子量が低いものとなる。
【0025】本発明において、重合を行う際には、反応
は120℃以下、好ましくは0℃以上100℃以下で行
うのがよい。120℃を超える温度では、一般式(3)
で表されるCl置換体が生成し、その結果、高分子量を
有するポリヒドロキシカルボン酸が得られなくなる場合
がある。
【0026】Cl置換体は、ヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーを重合する際に末端停止剤と
して作用する。Cl置換体の生成量は、酸クロリドまた
は得られたポリヒドロキシカルボン酸を加水分解した際
に生成するヒドロキシカルボン酸中、1800モルpp
m以下となるように制御する方がよい。
【0027】本発明においては、溶剤は使用してもしな
くてもよい。使用される溶媒としては、ヒドロキシカル
ボン酸および/またはそのオリゴマーおよび生成したポ
リヒドロキシカルボン酸と反応しない溶媒であれば、基
本的にいかなる溶媒でも使用できる。具体的には、ジク
ロロメタン、エチレンジクロライド、クロロホルム、ア
セトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチル
イミダゾリジン、ジメチルスルホン等が挙げられるが、
特にジクロロメタン、エチレンジクロライド、クロロホ
ルム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素が好ましい。
【0028】ヒドロキシカルボン酸および/またはその
オリゴマーの酸クロリドを製造する際および取り扱う際
は、水分の管理を厳重にすることはいうまでもなく、密
閉系、または、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気
下で行うのが好ましい。
【0029】以上の方法により製造されたポリヒドロキ
シカルボン酸は、例えば、反応混合物を多量のアルコー
ル中に排出し、該ポリマーの固体状物を濾過後、乾燥す
る等、公知の方法により単離することができる。
【0030】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限
定されるものではない。尚、生成したポリヒドロキシカ
ルボン酸の平均重合度(n)、重量平均分子量(M
w)、およびヒドロキシカルボン酸中のCl置換体の定
量は、以下の方法により測定した。
【0031】重量平均分子量(Mw) Shodex GPC system−11(昭和電工
(株)製)を用い、クロロホルム溶媒で測定した。Mw
はポリスチレン換算値である。
【0032】数平均分子量(Mn)、平均重合度(n) カルボン酸およびカルボン酸クロリド量から求めた。得
られた酸クロリド(W(g))を窒素中でジクロロメタ
ン/メタノール=70/30(vol比)に溶解させ、
ナトリウムメチラートのメタノール溶液で滴定し、第一
変曲点(E1ml)および第二変曲点(E2ml)を求め
た。
【0033】Mn=W/(E2×10-3×C) n=Mn/MU カルボン酸クロリド量(mol/g)=E1×10-3×
C/1000/W カルボン酸量(mol/g)=(E2−E1)×10-3×
C/1000/W (式中、MUはヒドロキシカルボン酸単位の分子量(例
えばポリ乳酸の場合はMU=72.06)、Cは滴定液
の規定濃度(N))
【0034】Cl置換体の定量 酸クロリド0.5gを18%水酸化ナトリウム水溶液3
gで加水分解し、分解後36%塩酸1.5gで中和し、
所定量に水でメスアップした後、HPLCでCl置換体
を定量して、ヒドロキシカルボン酸単位に対する濃度
(モルppm)を算出した。 カラム:Shodex KC810p+KC811×2
本 溶離液:4.8mM−HClO4水溶液 流量:1ml/min. 測定吸収波長:225nm
【0035】
【実施例】
合成例1 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管および撹拌装置を
備えた1000mlの4つ口フラスコに90%乳酸30
0gを装入し、窒素気流下、160℃で8時間脱水縮合
を行い平均重合度nが15.3の乳酸オリゴマー201
g(オリゴマー1;−COOH基0.182モル)を得
た。次いでジクロロメタン600gを装入し溶解させた
後、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムク
ロライド(以下DMCと略す)36.92g(0.21
8モル)を装入し、40℃で13時間反応させた。得ら
れた反応マスから40℃、10mmHgで溶媒を蒸発・
乾固させ、窒素で常圧に戻した(酸クロリド1)。得ら
れた酸クロリド1のMwは5,700、Mnは1,50
0であり、酸クロリド基の濃度は6.67×10-4モル
/g、カルボン酸末端は検出されなかった(測定は窒素
雰囲気下で行った。)。また、得られた酸クロリド1を
加水分解して測定した乳酸単位中の2−クロロプロピオ
ン酸は100モルppm以下であった。
【0036】合成例2 90%乳酸を70%グリコール酸385gにした以外
は、合成例1と同様の方法でオリゴマーを得た。得られ
たグリコール酸オリゴマー(オリゴマー2)は196g
(n=21.4、−COOH基0.158モル)であっ
た。次いでジクロロメタン600gを装入しオリゴマー
2を溶解した後、DMC32.05g(0.190モ
ル)を装入し、40℃で13時間反応させた。得られた
反応マスを40℃、10mmHgで溶媒を蒸発・乾固さ
せ、窒素で常圧に戻した(酸クロリド2)。得られた酸
クロリド2のMwは5,300、Mnは1810であ
り、酸クロリド基の濃度は5.52×10-4モル/gで
あり、カルボン酸末端は検出されなかった。また、得ら
れた酸クロリド2を加水分解して測定したグリコール酸
単位中のクロロ酢酸は100モルppm以下であった。
【0037】実施例1 100mlスクリュー管に、合成例1で得られた酸クロ
リド1を10g(酸クロリド基6.67×10-3
ル)、ジクロロメタン50gを装入し溶解させた。次い
で、キノリン2.45g(0.019モル)を添加し、
1分程振とうした後、40℃で2時間静置して重合し
た。なお、ここまでの操作は全て窒素雰囲気下で行っ
た。得られた反応マスをイソプロピルアルコール(以下
IPAと略す)300g中に排出し、濾過後IPA15
0gでリンスしてから、80℃、160mmHg、窒素
気流下で8時間乾燥し、ポリ乳酸9.72gを得た。得
られたポリ乳酸のMwは172,000、Mnは64,
000であった。ポリ乳酸を加水分解して測定された乳
酸単位中の2−クロロプロピオン酸は100モルppm
以下であった。
【0038】実施例2 キノリン2.45gをイソキノリン2.45gに変更し
た以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ乳酸のM
wは250,000、Mnは89,000であった。ポ
リ乳酸を加水分解して測定された乳酸単位中の2−クロ
ロプロピオン酸は100モルppm以下であった。
【0039】実施例3 キノリン2.45gをキナルジン2.72gに変更した
以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ乳酸のMw
は168,000、Mnは67,000であった。ポリ
乳酸を加水分解して測定された乳酸単位中の2−クロロ
プロピオン酸は100モルppm以下であった。
【0040】実施例4 キノリン2.45gを3,5−ルチジン2.04gに変
更した以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ乳酸
のMwは262,000、Mnは94,000であっ
た。ポリ乳酸を加水分解して測定された乳酸単位中の2
−クロロプロピオン酸は100モルppm以下であっ
た。
【0041】実施例5 キノリン2.45gを2,6−ルチジン2.04gに変
更した以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ乳酸
のMwは232,000、Mnは83,000であっ
た。ポリ乳酸を加水分解して測定された乳酸単位中の2
−クロロプロピオン酸は100モルppm以下であっ
た。
【0042】実施例6 キノリン2.45gを4−メチルモルホリン1.92g
に変更した以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ
乳酸のMwは182,000、Mnは67,000であ
った。ポリ乳酸を加水分解して測定された乳酸単位中の
2−クロロプロピオン酸は100モルppm以下であっ
た。
【0043】実施例7 キノリン2.45gを2,4,6−コリジン2.30g
に変更した以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ
乳酸のMwは169,000、Mnは65,000であ
った。ポリ乳酸を加水分解して測定された乳酸単位中の
2−クロロプロピオン酸は100モルppm以下であっ
た。
【0044】実施例8 キノリン2.45gをトリ−n−オクチルアミン6.7
2gに変更した以外は、実施例1に準拠した。得られた
ポリ乳酸のMwは195,000、Mnは72,000
であった。ポリ乳酸を加水分解して測定された乳酸単位
中の2−クロロプロピオン酸は100モルppm以下で
あった。
【0045】実施例9 キノリン2.45gをN,N,N’,N’−テトラメチ
ルエチレンジアミン2.21gに変更した以外は実施例
1に準拠した。得られたポリ乳酸のMwは166,00
0、Mnは66,000であった。ポリ乳酸を加水分解
して測定された乳酸単位中の2−クロロプロピオン酸は
100モルppm以下であった。
【0046】実施例10 キノリン2.45gをN−メチルピペリジン1.88g
に変更した以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ
乳酸のMwは164,000、Mnは65,000であ
った。ポリ乳酸を加水分解して測定された乳酸単位中の
2−クロロプロピオン酸は100モルppm以下であっ
た。
【0047】実施例11 100mlスクリュー管に、合成例2で得られた酸クロ
リド2を10g(酸クロリド基5.52×10-3
ル)、ジクロロメタン50gを装入し溶解させた。次い
で、キノリン2.07g(0.016モル)を添加し、
1分程振とうした後、40℃で2時間静置して重合し
た。なお、ここまでの操作は全て窒素雰囲気下で行っ
た。得られた反応マスをIPA300g中に排出し、濾
過後IPA150gでリンスしてから、80℃、160
mmHg、窒素気流下で8時間乾燥し、ポリグリコール
酸9.79gを得た。得られたポリグリコール酸のMw
は154,000、Mnは56,000であった。ポリ
グリコール酸を加水分解して測定されたグリコール酸単
位中のクロロ酢酸は100モルppm以下であった。
【0048】実施例12 キノリン2.07gをイソキノリン2.07gに変更し
た以外は、実施例12に準拠した。得られたポリグリコ
ール酸のMwは199,000、Mnは71,000で
あった。ポリグリコール酸を加水分解して測定されたグ
リコール酸単位中のクロロ酢酸は100モルppm以下
であった。
【0049】実施例13 キノリン2.45gをキナルジン2.29gに変更した
以外は、実施例12に準拠した。得られたポリグリコー
ル酸のMwは161,000、Mnは54,000であ
った。ポリグリコール酸を加水分解して測定されたグリ
コール酸単位中のクロロ酢酸は100モルppm以下で
あった。
【0050】実施例14 キノリン2.45gを3,5−ルチジン1.71gに変
更した以外は、実施例12に準拠した。得られたポリグ
リコール酸のMwは203,000、Mnは75,00
0であった。ポリグリコール酸を加水分解して測定され
たグリコール酸単位中のクロロ酢酸は100モルppm
以下であった。
【0051】実施例15 キノリン2.45gを2,6−ルチジン1.71gに変
更した以外は、実施例12に準拠した。得られたポリグ
リコール酸のMwは196,000、Mnは66,00
0であった。ポリグリコール酸を加水分解して測定され
たグリコール酸単位中のクロロ酢酸は100モルppm
以下であった。
【0052】実施例16 キノリン2.45gを4−メチルモルホリン1.62g
に変更した以外は、実施例12準拠した。得られたポリ
グリコール酸のMwは155,000、Mnは67,0
00であった。ポリグリコール酸を加水分解して測定さ
れたグリコール酸単位中のクロロ酢酸は100モルpp
m以下であった。
【0053】実施例17 キノリン2.45gを2,4,6−コリジン1.94g
に変更した以外は、実施例12に準拠した。得られたポ
リグリコール酸のMwは156,000、Mnは52,
000であった。ポリグリコール酸を加水分解して測定
されたグリコール酸単位中のクロロ酢酸は100モルp
pm以下であった。
【0054】実施例18 キノリン2.45gをトリ−n−オクチルアミン5.6
5gに変更した以外は、実施例12準拠した。得られた
ポリグリコール酸のMwは170,000、Mnは5
8,000であった。ポリグリコール酸を加水分解して
測定されたグリコール酸単位中のクロロ酢酸は100モ
ルppm以下であった。
【0055】実施例19 キノリン2.45gをN,N,N’,N’−テトラメチ
ルエチレンジアミン1.86gに変更した以外は、実施
例12に準拠した。得られたポリグリコール酸のMwは
156,000、Mnは53,000であった。ポリグ
リコール酸を加水分解して測定されたグリコール酸単位
中のクロロ酢酸は100モルppm以下であった。
【0056】実施例20 キノリン2.45gをN−メチルピペリジン1.59g
に変更した以外は、実施例12に準拠した。得られたポ
リグリコール酸のMwは154,000、Mnは53,
000であった。ポリグリコール酸を加水分解して測定
されたグリコール酸単位中のクロロ酢酸は100モルp
pm以下であった。
【0057】比較例1 キノリン2.45gを、pKaが0.72である2−ク
ロロピリジン2.16gに変更し、重合時間を24時間
にした以外は、実施例1に準拠した。得られたポリ乳酸
のMwは5,700、Mnは1,500であり、重合は
全く進行しなかった。
【0058】比較例2 2−クロロピリジン2.16gを、pKaが1.50で
ある2−メチルピラジン1.79gに変更した以外は、
比較例1に準拠した。得られたポリ乳酸のMwは5,7
00、Mnは1,500であり、重合は全く進行しなか
った。
【0059】比較例3 2−クロロピリジン2.16gを、pKaが4.75で
あるN,N−ジメチルアニリン2.30gに変更した以
外は、比較例1に準拠した。得られたポリ乳酸のMwは
22,000、Mnは7,000であり、重合速度は非
常に遅かった。
【0060】比較例4 2−クロロピリジン2.16gを、pKaが4.85で
あるヘキサメチレンテトラミン2.66gに変更した以
外は、比較例1に準拠した。得られたポリ乳酸のMwは
19,000、Mnは6,400であり、重合速度は非
常に遅かった。
【0061】
【発明の効果】ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
のオリゴマーの酸クロリドを、特定のpKaの3級アミ
ン類の存在下、重合することにより、容易に高分子量の
ポリヒドロキシカルボン酸を製造できることを明らかに
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 謙一 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるヒドロキシカル
    ボン酸および/またはそのオリゴマーの酸クロリドを、 【化1】 (式中、Rは脂肪族炭化水素基、nは1以上の整数であ
    る。)酸解離定数の逆数の対数値が4.9以上である3
    級アミン類の存在下、反応させることを特徴とするポリ
    ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応を120℃以下でおこなうことを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸解離定数の逆数の対数値が4.9以上
    である3級アミン類が、キノリン、イソキノリン、キナ
    ルジン、3,5−ルチジン、2,6−ルチジン、4−メ
    チルモルホリン、2,4,6−コリジン、トリ−n−オ
    クチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチ
    レンジアミン、N−メチルピペリジンから選ばれる少な
    くとも1種以上の3級アミン類である請求項1または2
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
    のオリゴマーの酸クロリドが、乳酸、グリコール酸、3
    −ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキ
    シバレリン酸、5−ヒドロキシバレリン酸から選ばれる
    少なくとも1種以上のヒドロキシカルボン酸および/ま
    たはそのオリゴマーの酸クロリドである請求項1または
    2記載の製造方法。
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