JPH1121401A - 塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物

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JPH1121401A
JPH1121401A JP10115579A JP11557998A JPH1121401A JP H1121401 A JPH1121401 A JP H1121401A JP 10115579 A JP10115579 A JP 10115579A JP 11557998 A JP11557998 A JP 11557998A JP H1121401 A JPH1121401 A JP H1121401A
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JP
Japan
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vinyl chloride
weight
parts
chloride resin
woody
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Pending
Application number
JP10115579A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Kaneko
和義 金子
Hideji Matsumura
松村  秀司
Yuji Kurashige
雄二 倉重
Shuichi Murakami
修一 村上
Takeru Sakagami
長 阪上
Takeshi Ohira
武 大平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性に対して、特に水や温水に対して起こる
ブリーディング現象が抑制され、表面処理工程を必要と
しない、木目付与を施した木質感の優れた塩化ビニル系
樹脂組成物およびその成形物を提供することを目的とす
るものである。 【解決手段】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、カ
シューナッツ殻油変性フェノール系樹脂0.1〜100
重量部を含有させてなる木質様塩化ビニル系樹脂組成物
および該木質様塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に
対し、架橋塩化ビニル系樹脂および/またはビニル系重
合体樹脂0.2〜30重量部を混合してなる木質様木目
付与塩化ビニル系樹脂組成物およびこれら組成物を溶融
成形して成る成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質様塩化ビニル
系樹脂組成物に関し、詳しくは木質感に優れた塩化ビニ
ル系樹脂組成物、さらには木目付与された木質様木目付
与塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを溶融成形した成
形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の内装材として、例えば、窓
枠、扉枠、床、天井、階段手すり等に木質系の材料を用
いるケースが増えてきている。また、外装材についても
木質感のあるものを取り付けて、暖かみのある住宅の要
望が増えてきている。木材そのものを用いた場合、木材
は天然物であるために色の均一性に欠けたり、水、光等
に対する耐候性、燃焼性、耐久性等の問題がある。ま
た、森林の破壊等の環境問題に対しても、木の伐採は大
きな問題となる。そこで、木材の代替品として、硬質合
成樹脂に木粉等を混合することにより木質感のある木材
代替成形品を得る試みは数多く行われている。しかし、
これらの木質感のある硬質合成樹脂では、木粉を多少な
りとも用いているために、耐候性において欠点を持って
いる。特に、内装材としては、台所、浴室等の水廻り材
料に用いると、水や温水等の影響より、木粉に含まれる
セルロースがブリーディング現象を起こし、成形物表面
に浮き出しが起こり、成形物の木質感、さらには木目模
様が完全に消失してしまう問題がある。
【0003】この問題を解決するために、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等
を塗料として、成形物の表面コーティングを施している
例がある。しかし、これらの方法では、成形物の表面の
木質感が損なわれ、木質感を出すために、表面コーティ
ングの際に、コーティング剤にも木粉を含有させて木質
感を出す試みが行われているが、木質感はあまり期待で
きない。また、木粉を用いている限り、水あるいは温水
に対して起こるブリーディング現象の本質的な改善には
至らない。さらに、これらの方法では、成形加工に加え
て、表面処理工程として、コーティング剤の塗装工程、
塗装後の乾燥工程等が加わり、工程の増加および複雑化
は必然的であり、経済的な面において問題が残る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
方法での問題点を解決し、耐候性に対して、特に水や温
水に対して起こるブリーディング現象が抑制され、表面
処理工程を必要としない、木質感に優れた塩化ビニル系
樹脂組成物および成形物、さらに木目付与を施した木質
感の優れた塩化ビニル系樹脂組成物および成形物を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、木質感を
損なわず耐候性の向上、特に水あるいは温水の影響で起
こるブリーディング現象の改善を目的として、かかる問
題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、従来、合成樹
脂に対して木質感を持たせるために添加していた木粉の
代わりにカシューナッツ殻油を変性処理したフェノール
系樹脂を用いるものであり、塩化ビニル系樹脂に対し
て、このカシューナッツ殻油変性フェノール系樹脂を添
加することにより、耐候性に対して、特に、水や温水に
対して起こるブリーディング現象が抑制でき、また、木
粉を使用していた系において、ブリーディング現象を防
ぐために施している表面コーティングおよび表面処理等
を必要としないことがわかり、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して、カシューナッツ殻油変性フェノール
系樹脂を0.1〜100重量部を含有させて成る木質様
塩化ビニル系樹脂組成物であり、また本発明は、前記木
質様塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し、架橋
塩化ビニル系樹脂および/またはビニル系重合体樹脂
0.2〜30重量部を混合して成る木質様木目付与塩化
ビニル系樹脂組成物である。また本発明は、前記木質様
塩化ビニル系樹脂組成物、木質様木目付与塩化ビニル系
樹脂組成物をそれぞれ溶融成形して成る樹脂成形物であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、塩化ビニル系樹
脂とは、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと他の単量
体との共重合体(塩化ビニル共重合体)、塩化ビニルと
他の重合体とのグラフト共重合体(塩化ビニル系グラフ
ト共重合体)、あるいは、上記の単独重合体、共重合
体、グラフト共重合体の塩素化物等が挙げられる。これ
らの重合度は、通常400〜3000程度であり、好ま
しくは600〜2000、さらに好ましくは700〜1
500である。重合度が400未満であると強度が不足
し、また3000を越えると成形加工性が低下する。
【0008】塩化ビニル単独重合体の場合、その製造方
法は従来公知の重合方法で行われ、例えば懸濁重合等で
得られるものが挙げられる。これら塩化ビニル単独重合
体は、市場で容易に入手可能であり、例えば、大洋塩ビ
(株)社製のTH−500、TH−600、TH−70
0、TH−800、TH−1000、TH−1300、
TH−1400、TH−1700、TH−2000等を
用いることができ、重合度はそれぞれ500、600、
700、800、1000、1300、1400、17
00、2000である。
【0009】塩化ビニル共重合体として、例えば、エチ
レン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体等が挙げられ、それらの製造方法は従来公知の重
合方法で行われ、例えば懸濁重合等が挙げられる。
【0010】エチレン−塩化ビニル共重合体としては、
市場で容易に入手可能であり、例えば、大洋塩ビ(株)
社製のTE−650、TE−800、TE−1050、
TE−1300、TE−1700等を用いることがで
き、重合度はそれぞれ650、780、1050、13
00、1700である。また、酢酸ビニル−塩化ビニル
共重合体としても、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTV
−800があり、重合度は780であり、これらにおい
ても、市場で容易に入手できる。
【0011】次に、塩化ビニルをグラフト共重合させて
なる塩化ビニル系グラフト共重合体とは、アルキルアク
リレートおよび/またはアルキルメタアクリレートと多
官能性単量体との共重合体(以下、アクリル系共重合体
と記す。)に対して、塩化ビニルをグラフト共重合させ
る。詳しくは、アクリル系共重合体1〜30重量部に塩
化ビニルを99〜70重量部グラフト共重合させたもの
である。
【0012】アクリル系共重合体におけるアルキルアク
リレートおよび/またはアルキルメタアクリレートとし
ては、その単独での二次転移点が−10℃以下であるこ
とが耐衝撃性の改良の点から有利であり、具体例として
は、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリ
レート、イソ−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート,n−オクチルアクリレート、n−デシ
ルアクリレート、n−オクチルメタアクリレート、n−
デシルメタアクリレート、n−ドデシルメタアクリレー
ト、ラウリルメタアクリレート等が挙げられる。この場
合アルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタア
クリレートの使用量は、アクリル系共重合体中99〜7
0重量%が好適である。その量が99重量%を越えると
曲げ弾性率が低下し、70重量%未満では耐衝撃性が低
下するので好ましくない。
【0013】また、多官能性単量体とは、アルキルアク
リレートおよび/またはアルキルメタアクリレートと共
重合可能であり、共重合体中あるいはグラフト共重合体
中で架橋等に関与するモノマー類であって、例えば、エ
チレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、エチレングリコールジメタアクリレート、ジエチ
レングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリ
コールジメタアクリレート、1、3−プロピレングリコ
ールジメタアクリレート、1、3−ブチレングリコール
ジメタアクリレート、1、4−ブチレングリコールジメ
タアクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールのア
クリレートもしくはメタアクリレート類、ジアリルフタ
レート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジア
リルサクシネート等のポリアリル化合物類、ジビニルベ
ンゼン、ブタジエン等が挙げられる。なお多官能性単量
体の使用量は、アクリル系共重合体中1〜30重量%が
好適であり、1重量%未満では曲げ弾性率が低下し、ま
た30重量%を越えると耐衝撃性が低下するので好まし
くない。
【0014】これらアクリル系共重合体を得る方法とし
ては、乳化重合、溶液重合、塊状重合等のいずれの重合
方法でも行うことができ、また乳化剤、分散剤、触媒等
も一般に公知のものを用いて重合体を得ることができ
る。例えば、乳化重合法によってアクリル系共重合体を
得る方法としては、ジャケット付重合反応機内に、純
水、アニオン系乳化剤、水溶性重合触媒を入れ、缶内の
空気を排除し、次いでアルキルアクリレートおよび/ま
たはアルキルメタアクリレートと多官能性単量体を装入
し、乳化後、缶内をジャケットにより加熱し、共重合反
応を行う。この共重合反応は発熱反応であり、必要に応
じてジャケットより内部温度を制御する。反応終了後、
未反応のモノマー類を缶外に除去し、アクリル系共重合
体を得る。また、必要に応じてアクリル系共重合体の粒
径調整剤、共重合反応を制御するための触媒の分解促進
剤等を添加しても良い。
【0015】次に、こうして得られたアクリル系共重合
体をグラフト共重合の幹ポリマーとして塩化ビニルをグ
ラフト共重合して塩化ビニル系グラフト共重合体を得る
ことができる。ここでグラフト共重合方法としては乳化
重合、懸濁重合、溶液重合、無溶媒重合等の重合方法が
挙げられる。例えば、懸濁重合法を行う場合、ジャケッ
ト付重合反応器内に、純水、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースのような懸濁安定剤、ラジカル重合開始剤、
必要に応じて重合度低下剤を入れた後、アクリル系共重
合体を入れて懸濁する。ここでアクリル系共重合体と塩
化ビニルモノマーの総量に対する純水の使用量は1〜5
倍、好ましくは1〜3倍である。次いで缶内の空気を排
除した後、塩化ビニルを必要に応じその他のビニル化合
物と共に挿入する。その後、缶内をジャケットにより加
熱し、アクリル系共重合体を塩化ビニル類に溶解し、グ
ラフト共重合を開始させる。グラフト共重合は発熱反応
であり、必要に応じてジャケットより内部温度を制御す
る。反応終了後、未反応の塩化ビニル類を缶外に除去
し、スラリー状のグラフト共重合体を得る。スラリーは
常法に従い脱水乾燥されて塩化ビニル系グラフト共重合
体が得られる。また、重合反応機への装入方法は限定さ
れるものではなく、純水、懸濁安定剤、アクリル系共重
合体そして塩化ビニル等の装入原料のうち、アクリル系
共重合体を塩化ビニルに溶解して装入するという方法も
採用される。ここでのグラフト率は、該グラフト共重合
体のテトラヒドロフラン不溶解重量%で表され、通常は
5〜100重量%であり、一般には10重量%程度のも
のが好ましく用いられる。
【0016】このようにして得られた塩化ビニル系グラ
フト共重合体を、少なくとも10重量%以上含有するよ
うに塩化ビニル樹脂と一般的な公知の方法により混合し
て塩化ビニル系樹脂を得る。ここで塩化ビニル系グラフ
ト共重合体の含有量が10重量%未満では耐衝撃性の向
上が望めない。また、塩化ビニル樹脂と混合することな
く塩化ビニル系グラフト共重合体そのものを塩化ビニル
系樹脂として用いることもできる。このようにして得ら
れる塩化ビニル系グラフト共重合体の重合度は、通常4
00〜3000程度であり、好ましくは600〜200
0、さらに好ましくは700〜1500である。重合度
が400未満であると強度が不足し、また3000を越
えると成形加工性が低下する。
【0017】これら塩化ビニル系グラフト共重合体とし
ては、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTA−I200、
TA−I100、TA−E200、TA−E230等が
市場で入手可能であり、その重合度はそれぞれ500、
700、1000、1300である。
【0018】一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体に対
して塩化ビニルをグラフト共重合させてなる塩化ビニル
系グラフト共重合体の場合、上述のアクリル系共重合体
に塩化ビニルをグラフト共重合させたものと同様な方法
により、エチレン−酢酸ビニル共重合体をグラフト共重
合の幹ポリマーとして塩化ビニルをグラフト共重合して
塩化ビニル系グラフト共重合体を得るものである。ここ
でグラフト共重合方法としては乳化重合、懸濁重合、溶
液重合、無溶媒重合等の重合方法が挙げられる。エチレ
ン−酢酸ビニルによるゴム弾性が付与しているため、低
温での脆性、耐衝撃性および耐候性が極めて優れてい
る。
【0019】これら塩化ビニル系グラフト共重合体とし
ては、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTG−110、T
G−120、TG−130等が市場で容易に入手でき、
その重合度はそれぞれ900、700、850である。
【0020】塩化ビニル系樹脂の塩素化物としては、例
えば、塩素化ポリ塩化ビニルがあり、これらは市場で容
易に入手可能であり、例えば、鐘淵化学工業(株)社製
のH−305、H−526、H−727、H−829等
を用いることができ、重合度はそれぞれ500、60
0、700、900であり、塩素含有量はそれぞれ63
%、65%、67%、68%である。
【0021】ここで、塩化ビニル系樹脂としては、塩化
ビニル単独重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル系
グラフト共重合体、あるいは、上記の単独重合体、共重
合体、グラフト共重合体の塩素化物をそれぞれ単独で用
いても、あるいはこれらのうち2種類以上を一般的な公
知の方法で混合して用いることができる。
【0022】さらに、上記の塩化ビニル系樹脂に加え
て、架橋塩化ビニル系樹脂も用いることができる。塩化
ビニル系樹脂としての架橋塩化ビニル系樹脂は、重合度
が通常400〜6000程度であり、好ましくは600
〜3000、さらに好ましくは700〜2000であ
る。また、架橋度は低いもので10%前後、高いもので
30%前後のものがある。この架橋塩化ビニル系樹脂
は、木質感を付与させる効果が大きく、後述のカシュー
ナッツ殻油変性フェノール系樹脂とともに用いると、相
乗効果により木質感の付与が顕著に大きくなる。この架
橋塩化ビニル系樹脂は市場で容易に入手可能であり、例
えば、チッソ(株)社製SD7E、SD10E、SD1
3E、SD7X、SD10Xや大洋塩ビ(株)社製TU
−300、TU−400等を用いることができ、その重
合度はそれぞれ700、1000、1300、750、
1000であり、3000、4000である。
【0023】塩化ビニル系樹脂としてこの架橋塩化ビニ
ル系樹脂を用いる場合は、木目付与の効果を半減させな
いために、塩化ビニル系樹脂全体のうち最大で90重量
%含有までとして、残りについては上述にある塩化ビニ
ル単独重合体、塩化ビニル共重合体および塩化ビニル系
グラフト共重合体、さらに、これら単独重合体、共重合
体およびグラフト共重合体の塩素化物の何れかを単独
で、あるいは2種類以上を一般的な公知の方法で混合し
て用いる。この架橋塩化ビニル系樹脂の含有率が90重
量%を超えると、木目模様の発現性が低下し、さらに成
形加工性も低下する。
【0024】本発明で用いられるカシューナッツ殻油変
性フェノール系樹脂は、木質感を付与させる目的で用い
るものであり、南米、インド、アフリカに自生する漆科
アナカルディウム植物カシュ樹の実の殻に含まれる黒褐
色の液体(カードル、アナカルド酸が主成分)を熱処理
により得られたカーダノールをホルムアルデヒド等とと
もに酸処理を施したノボラック型カシューナッツ殻油変
性フェノール系樹脂、あるいはアルカリを触媒に用いて
処理を施したレゾール型カシューナッツ殻油変性フェノ
ール系樹脂、あるいは他の処理を施して架橋構造を有し
ているアルキルフェノール系硬化樹脂である。これらは
市場で容易に入手可能であり、例えば、東北化工(株)
のセンライトカシューダストFF−1040、FF−1
045、FF−1148、FF−1085、FF109
0、FF−2090等が挙げられ、粒度分布、色調、柔
軟性、耐熱性等により区分されており、用途に応じて使
い分けることができる。また、カシューナッツ殻油変性
フェノール系樹脂は主に黒色あるいは茶色であるため、
このカシューナッツ殻油変性フェノール系樹脂と酸化チ
タンなどの白色無機顔料を予備混合することにより白色
化させて用いることができる。このことにより、色自由
度は広がり、後に着色顔料等により調色が容易となる。
【0025】木質感における外観および手触りによる木
質感触を付与させるカシューナッツ殻油変性フェノール
系樹脂を塩化ビニル系樹脂と混合することにより木質様
塩化ビニル系樹脂組成物とすることができる。このカシ
ューナッツ殻油変性フェノール系樹脂の添加部数は、該
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜100
重量部の範囲であり、好ましくは0.2〜60重量部、
さらに好ましくは0.5〜30重量部である。この添加
部数が0.1重量部未満では手触りによる表面が荒れた
ような木質感が少なく、100重量部を越えると成形加
工性が低下する。また、後述の木目付与に関し、木目を
際立たせるために薄茶顔料をさらに添加する。
【0026】本発明における木質様木目付与塩化ビニル
系樹脂組成物とは、上記の木質様塩化ビニル系樹脂組成
物に対して、架橋塩化ビニル系樹脂および/またはビニ
ル系重合体樹脂(以下、木目付与用ビニル系樹脂と略
す。)を添加することにより、木質様木目付与塩化ビニ
ル系樹脂組成物を得ることができる。ここで、木目付与
用ビニル系樹脂とは、上述の架橋塩化ビニル系樹脂およ
び/またはビニル系重合体樹脂を指すが、木目を際立た
せるためにこれらにさらに濃色顔料を添加したものであ
る。
【0027】これら木目付与用ビニル系樹脂は、木質様
塩化ビニル系樹脂組成物と混合することにより、木質様
木目付与塩化ビニル系樹脂組成物として得ることがで
き、さらにこの木質様木目付与塩化ビニル系樹脂組成物
を溶融成形することにより、木質様木目付与塩化ビニル
系樹脂成形物を得ることができる。
【0028】木目付与用ビニル系樹脂における架橋塩化
ビニル系樹脂は、重合度が通常400〜6000程度で
あり、好ましくは600〜3000、さらに好ましくは
700〜2000である。また、架橋度は低いもので1
0%前後、高いもので30%前後のものがあるが、木目
付与に対して特に効果が大きいのは、架橋度が25%以
上のものである。
【0029】これらの架橋度および重合度が大きいほど
成形時の溶融粘度が高まり、木質様塩化ビニル系樹脂組
成物と木目付与用ビニル系樹脂が混ざらず、さらに添加
された濃色顔料により押出成形品の木目が発現する。こ
の架橋塩化ビニル系樹脂は、前述と同様に市場で容易に
入手可能である。
【0030】また、木目付与用ビニル系樹脂におけるビ
ニル系重合体樹脂とは、本発明の効果を損なわない重合
体樹脂であればよく、成形時の溶融粘度を高める目的で
用いるものであり、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンな
どの芳香族化合物、塩化ビニル、塩素化塩化ビニル、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸メチルなどのメタアクリ
ル酸又はアクリル酸のアルキルエステル、アクリルニト
リル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、マレ
イミド、Nマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等の
重合体が例示され、これらの1種類に限らず、2種以上
を同時に用いることができる。
【0031】これら木目付与用ビニル系樹脂の添加量と
しては、上記の木質様塩化ビニル系樹脂組成物100重
量部に対して0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜
20重量部であり、さらに好ましくは1〜15重量部で
ある。0.1重量部未満だと木目が明確に現れず、30
重量部を越えると木目が重なり添加しただけの木目が現
れない。
【0032】本発明における組成物には、用途に応じて
様々な添加剤を併用することができ、例えば、耐衝撃性
を付与することを目的とする場合は、以下の耐衝撃強化
剤を添加して用いることができる。その耐衝撃強化剤と
しては、メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレ
ン系共重合体(以下、MBS系樹脂と略す)、アクリル
系樹脂、シリコン変性アクリル系樹脂、塩素化ポリエチ
レン等が挙げられる。
【0033】ここでMBS系樹脂については、例えば、
呉羽化学工業(株)社製のBTA−712、BTA−7
31、BTA−751など、アクリル系樹脂について
は、例えば、鐘淵化学工業(株)社製のFM、FM−2
0、FM−21等がある。シリコン変性アクリル系樹脂
については、例えば、三菱レイヨン(株)社製のS−2
001等があり、塩素化ポリエチレンについては、例え
ば、昭和電工(株)社製のエラスレンEXP−771
(塩素含有率36wt%、比重1.16、ブロッキング
指数1wt%以下)等が挙げられる。
【0034】これら耐衝撃強化剤の添加部数は、上記木
質様塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対して1〜
60重量部であり、好ましくは3〜30重量部である。
1重量部未満では、耐衝撃性の向上があまり期待できな
い。60重量部を越えると、添加部数量だけの耐衝撃性
の向上が期待できず、経済的にも不利になる。
【0035】また、耐熱性を付与することを目的とし
て、以下の耐熱向上剤を添加して使用することができ
る。その耐熱向上剤としては、α−メチルスチレン−ア
クリロニトリル−スチレン系共重合体(α−メチルスチ
レン−AS系樹脂)、α−メチルスチレン−アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン系共重合体(α−メチル
スチレン−ABS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、アクリロニ
トリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン系共
重合体(AES系樹脂)等が挙げられる。α−メチルス
チレン−AS系樹脂については、例えば、宇部サイコン
(株)社製のS700N(α−メチルスチレン75重量
%、不飽和ニトリル25重量%)、S802N(α−メ
チルスチレン70重量%、不飽和ニトリル20重量%、
N−芳香族マレイミド10重量%)、S803N(α−
メチルスチレン35重量%、不飽和ニトリル25重量
%、N−芳香族マレイミド20重量%、スチレン20重
量%)、鐘淵化学工業(株)社製のテルアロイA−50
B等がある。α−メチルスチレン−ABS系樹脂につい
ては、宇部サイコン(株)社製のH100N、鐘淵化学
工業(株)社製のテルアロイA−10、A−15等があ
り、耐熱性に加えて耐衝撃性の向上も見られる。ABS
系樹脂については、例えば、三井化学(株)社製のST
−50、RT−21、GT−10等があり、耐熱性およ
び耐衝撃性を向上させる。AES系樹脂については、例
えば、日本合成ゴム(株)社製のAES110、AES
115、AES145などがあり、これらの樹脂では、
耐熱性に加えて耐候性および耐衝撃性の向上も見られ
る。
【0036】これら耐熱向上剤の添加部数は、上記木質
様塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対して1〜8
0重量部であり、好ましくは5〜60重量部である。添
加部数が1重量部未満では、耐熱性の向上があまり期待
できない。また、80重量部を越えると、耐熱性は向上
するが耐衝撃性が顕著に低下し物性バランスが崩れ、物
性および経済面も含め不利になる。
【0037】また、発泡を付与させる目的として、以下
の発泡剤を添加して用いることができる。その発泡剤と
しては、p, p’−オキシビス−ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド(OBSH)、アゾジカルボンアミド(ADC
A)、炭酸水素ナトリウム(重曹:NaHCO3 )等が
挙げられる。これらは、単独あるいは複合して用いても
良く、例えば、永和化成工業(株)社製のセルボンSC
P(NaHCO3 )、DS−25(ADCA+OBS
H)、セルマイクC1(ADCA)等がある。
【0038】これら発泡剤の添加部数は、上記木質様塩
化ビニル系樹脂組成物100重量部に対して、合計添加
部数は0.05〜3.0重量部であり、好ましくは0.
1〜1.5重量部であり、さらに好ましくは0.2〜
1.0重量部である。0.05重量部未満では比重軽減
効果がなく、発泡倍率の向上はあまり期待できない。添
加部数が3.0重量部を越えると高発泡状態となり、成
形品の強度が十分に保てず、極限られた成形品しか得ら
れないことになり、成形加工性に問題が出てくる。
【0039】以上、木質様塩化ビニル系樹脂組成物に対
して上述の耐衝撃強化剤、耐熱向上剤および発泡剤は、
各々単独であるいは2種類以上を併用しても構わない。
【0040】また、その他一般に用いられている安定
剤、滑剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、UV吸収
剤、顔料および充填剤等を必要に応じて用いることがで
きる。ここでいう安定剤としては、公知のもの何れでも
よく、無機酸塩系、金属石鹸系、有機金属化合物系、有
機化合物系等が用いられ、滑剤としては、炭化水素系、
脂肪酸系、エステル系、金属石鹸系、脂肪アルコール
系、多価アルコール系等、あるいは混合系の何れも用い
ることができる。可塑剤としては、フタル酸系、エポキ
シ系、ポリエステル系、塩素化パラフィン系等を用いる
ことができる。加工助剤としては、例えば、ポリメチル
メタアクリレートが挙げられる。顔料としては、例え
ば、酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、カーボンブラック等
が挙げられ、中でも酸化チタンが主に用いられる。さら
に充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、
含水珪酸、無水珪酸、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウ
ムアスベスト粉、酸化アンチモン、タルク、三水和アル
ミニウム、水和硼酸亜鉛、マグネシャ、重曹、硝酸加
里、水酸化カルシウム、雲母、合成フッ素雲母等が挙げ
られ、中でも、炭酸カルシウムが好ましく用いられる。
【0041】以上、一般に用いられる添加剤について
は、市場で容易に入手可能であり、よく用いられている
ものばかりであり、必要に応じて使用、あるいは併用す
ることができる。
【0042】本発明における木質様塩化ビニル系樹脂組
成物を得る方法としては、上述の塩化ビニル系樹脂、カ
シューナッツ殻油変性フェノール系樹脂、安定剤および
滑剤、さらには必要に応じて、耐衝撃強化剤、耐熱向上
剤、発泡剤、その他添加剤を加えて、例えば、ヘンシェ
ルミキサー、バンバリーミキサー、リボンブレンダー等
の攪拌機により攪拌・配合を行い、得られた配合粉とし
て、或いはこの配合粉を、例えばコニカル二軸押出機、
パラレル二軸押出機、単軸押出機、コニーダー型混練
機、ロール混練機等の混練機により造粒したペレットと
して得ることができる。これらの木質様塩化ビニル系樹
脂組成物である配合粉あるいはペレットを用いて、コニ
カル二軸押出機、パラレル二軸押出機、単軸押出機等の
押出機により溶融成形加工することにより木質様塩化ビ
ニル系樹脂成形物として得ることができる。
【0043】また、上記の塩化ビニル系樹脂、カシュー
ナッツ殻油変性フェノール系樹脂等から成る木質様塩化
ビニル系樹脂組成物に対して、後で木目付与の効果を引
き出すために、予め薄色顔料を添加したペレットを母体
ペレットとして用いることができる。
【0044】上述の木質様塩化ビニル系樹脂組成物に対
して、木目付与用ビニル系樹脂を添加し、上述と同様に
して攪拌・配合を行うことにより、木質様木目付与塩化
ビニル系樹脂組成物を得ることができる。この場合、木
質様塩化ビニル系樹脂に対して木目付与を施すために、
濃色顔料を添加しておくと、木目付与の効果が引き出さ
れる。
【0045】また、木質様塩化ビニル系樹脂がペレット
(以下、母体ペレットと略す)である場合と同じよう
に、木目付与用ビニル系樹脂は、安定剤、滑剤、濃色顔
料、その他の添加剤を加えて、母体ペレットと同様にし
て、攪拌機により攪拌・配合を行い、得られた配合粉を
押出機により造粒してペレット(以下、種ペレットと略
す)として得ることができる。
【0046】これらの母体ペレットと種ペレットを予め
混合しホッパー口より投入、あるいは種ペレットのみを
ベント口より後投入し、コニカル二軸押出機、パラレル
二軸押出機、単軸押出機等の押出機により溶融成形加工
することにより木目付与成形物として得ることができ
る。木目模様の成形物を押出成形するときは、木目付与
用種ペレットが母体ペレットに十分に溶融せずに、濃色
顔料による着色むらが生じる。このむらによる濃色部が
押出方向と平行に流れることにより、極めて天然の木目
に近づけることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、実施例における測定方法は下記の通りであ
る。
【0048】実施例および表1に示す樹脂組成物を平板
サイジング金型を装備した池貝鉄工(株)社製の口径4
0mm単軸フルフライト型スクリュウー押出機FS40
−25(スクリュー直径40mm、L/D=25)に
て、シリンダー設定温度140〜170℃、アダプター
設定温度145〜165℃、ダイス設定温度150〜1
70℃の条件で、幅84mm、厚み4mm、長さ約10
0mmの平板成形品を成形した。成形の際、成形加工性
を評価した。得られた成形品を用いて、木質感、ブリー
ディング現象、耐衝撃性、耐熱性、発泡、木目につい
て、それぞれ以下のように評価した。
【0049】木質感については、成形品表面の艶を測定
し評価した。測定は、(株)堀場製作所製ハンディ光沢
計グロスチェッカIG−320を使用して行った。ここ
ではグロス値が20以下で木質感があると判断した。
【0050】成形加工性については、成形加工時の押出
機のモーター負荷アンペアーあるいは樹脂圧力のどちら
か一方が高い値を示すことで加工性が悪いとし、さらに
樹脂の流れの偏流が大きく、成形品の形状が不均一にな
る場合も加工性が悪いと判断した。これらの加工性を総
合的に判断して以下のようにランク付けを行った。 ○印:良い、×印:悪い。
【0051】ブリーディング現象については、(株)二
葉科学製の循環式熱風乾燥機DG(DFR)−100内
に水を入れた容器を入れておき、水温が50℃になるよ
うに加熱しておき、その温水の中に上記成形品を24時
間浸漬させ、浸漬前後での成形品の表面状態変化を観察
した。表面状態は以下のようにランク付けを行った。 ○印:変化無し。 ×印:ブリーディング現象を起こす(成形品表面が白色
化し、成形品表面の元の色が消失する)。
【0052】耐衝撃性については、シャルピー衝撃強度
を測定した。上記成形品よりサンプルを切り出して試験
片とした。測定は、JIS−K7111に準ずる方法に
て行った。
【0053】耐熱性については、動的粘弾性において周
波数1Hzで測定した場合のtanδの主分散ピーク値
(ガラス転移温度)を評価した。ガラス転移温度の測定
は、上記成形品を(株)神藤金属工業所製のASFA1
50型式圧縮成形機にてプレス温度180℃でプレス加
工し、横巾約40mm、縦巾約10mm、厚み約1mm
のサンプル片を切り出して試験片を作成し、セイコー電
子工業(株)社製(Dynamic Mechanic
al Spectrometer DMS100)にて
周波数1Hz、昇温速度2℃/分の条件において行い、
tanδの主分散ピーク値をガラス転移温度と決定し
た。
【0054】発泡については、上記成形品を適当な大き
さに切り出したサンプルを用いて比重を測定した。測定
は、ミラージュ貿易(株)社製、電子比重計ED−12
0Tを使用した。
【0055】木目模様については、上記成形品を用い
て、成形品表面の木目筋の有無により評価した。
【0056】実施例1 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度700の塩化ビニ
ル単独重合体(大洋塩ビ(株)社製、TH−700)1
00重量部を用い、安定剤として、メチル錫メルカプト
(勝田化工(株)社製、TM−181FSJ)1重量部
と、内部滑剤としてジステアリルフタレートエステル
(ヘンケル白水(株)社製、ロキシオールG60)2重
量部と、外部滑剤として高分子複合エステル0.5重量
部、変性ポリエチレン2重量部と、加工助剤としてPM
MA10重量部と、充填剤として炭酸カルシウム5重量
部と、カシューナッツ殻油変性フェノール系樹脂(東北
化工(株)社製、センライトカシューダスト、FF−1
045)10重量部を三井三池(株)社製ヘンシェルミ
キサーにて混合して木質様塩化ビニル系樹脂組成物を得
た。その得られた樹脂組成物を池貝鉄工(株)社製、口
径30mmの単軸押出機(PCM−30)にて溶融押出
してペレットとして得た。得られたペレットを用いて、
池貝鉄工(株)社製FS−40押出機にて成形し、直方
体成形品を得た。この直方体の成形品物性を測定した結
果、艶はグロス値が5.3と低く、木質感は十分にあっ
た。成形加工時の押出機のモーター負荷および樹脂圧力
はともに高く上がることなく、成形加工性は良好(○)
であった。ブリーディング現象は発生せず、成形品表面
状態の変化は全くなかった(○)。シャルピー衝撃強度
は5.3kgf・cm/cm2 、ガラス転移温度は8
0.2℃、成形品比重は1.34であった。
【0057】実施例2 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TA−
E 200)100重量部、カシューナッツ変性フェノ
ール系樹脂(東北化工(株)社製、センライトカシュー
ダストFF−1045)を0.1重量部、耐衝撃強化剤
として塩素含有率36wt%の塩素化ポリエチレン(昭
和電工(株)社製、EXP−771)を10重量部、耐
熱向上剤としてα−メチルスチレン−AS系樹脂(宇部
サイコン(株)社製、S−700N)を21重量部用い
た他は実施例1と同様の方法により行い、各項目を測定
した。艶はグロス値が18.1であり、木質感はあっ
た。成形加工時の押出機のモーター負荷および樹脂圧力
はともに高く上がることなく、成形加工性は良好(○)
であった。ブリーディング現象は発生せず、成形品表面
状態の変化は全くなかった(○)。シャルピー衝撃強度
は101.3kgf・cm/cm2 と高く不破壊領域で
あり、耐衝撃性の向上は顕著であった。ガラス転移温度
は90.4℃と高く、耐熱性の向上が顕著であった。
【0058】実施例3 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度780のエチレン
−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TE−8
00)100重量部、カシューナッツ変性フェノール系
樹脂(東北化工(株)社製、センライトカシューダスト
FF−1045)を50重量部、耐衝撃強化剤としてM
BSゴム(呉羽化学工業(株)社製、BTA−751)
を20重量部用いた他は実施例1と同様の方法により行
い、各項目を測定した。艶はグロス値が5.0と低く、
木質感は十分にあった。成形加工時の押出機のモーター
負荷および樹脂圧力はともに高く上がることなく、成形
加工性は良好(○)であった。ブリーディング現象は発
生せず、成形品表面状態の変化は全くなかった(○)。
シャルピー衝撃強度は10.3kgf・cm/cm2 と
高く、耐衝撃性は向上した。
【0059】実施例4 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度780の酢酸ビニ
ル−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TV−
800)100重量部、カシューナッツ変性フェノール
系樹脂(東北化工(株)社製、センライトカシューダス
トFF−1045)を100重量部、発泡剤としてAD
CA0.5重量部/OBSH0.2重量部を用いた他は
実施例1と同様の方法により行い、各項目を測定した。
艶はグロス値が4.8と低く、木質感は十分にあった。
成形加工時の押出機のモーター負荷および樹脂圧力は若
干高く上がったが、樹脂の偏流はほとんどなかったた
め、総合的に判断して成形加工性は良好(○)であっ
た。ブリーディング現象は発生せず、成形品表面状態の
変化は全くなかった(○)。成形品比重は0.82と低
く、発泡倍率は顕著に増加した。
【0060】実施例5 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TA−
E 200)50重量部と、平均重合度1000の架橋
塩化ビニル系樹脂(チッソ(株)社製、SD10E)5
0重量部を用いた他は実施例1と同様の方法により行
い、各項目を測定した。艶はグロス値が4.7と低く、
木質感は十分にあった。成形加工時の押出機のモーター
負荷および樹脂圧力は上がることなく、成形加工性は良
好(○)であった。ブリーディング現象は発生せず、成
形品表面状態の変化は全くなかった(○)。
【0061】実施例6 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度700の塩化ビニ
ル単独重合体(大洋塩ビ(株)社製、TH−700)1
00重量部を用い、安定剤として、メチル錫メルカプト
(勝田化工(株)社製、TM−181FSJ)1重量部
と、内部滑剤としてジステアリルフタレートエステル
(ヘンケル白水(株)社製、ロキシオールG60)2重
量部と、外部滑剤として高分子複合エステル0.5重量
部、変性ポリエチレン2重量部と、加工助剤としてPM
MA10重量部と、充填剤として炭酸カルシウム5重量
部と、発泡剤としてADCA0.5重量部、OBSH
0.2重量部と、カシューナッツ殻油変性フェノール系
樹脂(東北化工(株)社製、センライトカシューダスト
FF−1045)10重量部、薄茶顔料0.5重量部を
三井三池(株)社製ヘンシェルミキサーにて混合して木
質様塩化ビニル系樹脂組成物を得た。その得られた樹脂
組成物を池貝鉄工(株)社製、口径30mmの単軸押出
機(PCM−30)にて溶融成形してペレットとして得
た。得られたペレットを母体ペレット(1)とした。
【0062】一方、木目付与用ビニル系樹脂として、平
均重合度700の架橋塩化ビニル系樹脂(チッソ(株)
社製、SD7E)100重量部に対して、顔料は濃茶顔
料に変えて1重量部を添加し、カシューナッツ変性フェ
ノール系樹脂(東北化工(株)社製、センライトカシュ
ーダスト、FF−1045)を添加しなかった他は前記
母体ペレットと同様にして樹脂組成物を得て、さらに溶
融成形して種ペレットを得た。得られた種ペレットを種
ペレット(1)とした。組成については、表1に示す。
【0063】前記母体ペレット(1)100重量部に対
して、前記種ペレット(1)5重量部を混合し、池貝鉄
工(株)社製FS−40押出機にて成形して直方体成形
品を得た。この際、成形加工性の評価を行った。また成
形品を用いて、艶、ブリーディング現象、木目筋を評価
した。
【0064】艶はグロス値が5.3と低く、木質感は十
分にあった。成形加工時の押出機のモーター負荷および
樹脂圧力はともに高く上がることなく、成形加工性は良
好であった。ブリーディング現象は発生せず、成形品表
面状態の変化は全くなかった。木目筋は顕著に現れてお
り、木質様木目付与の良好な成形物が得られた。結果を
表2に示す。
【0065】実施例7 母体ペレットについては、実施例6と同様にして母体ペ
レット(1)を用い、種ペレットは平均重合度1300
の架橋塩化ビニル系樹脂(チッソ(株)社製、SD13
E)100重量部用いた他は実施例6と同様にして種ペ
レット(2)を得た。前記母体ペレット(1)100重
量部に対して、前記種ペレット(2)3重量部を混合
し、池貝鉄工(株)社製FS−40押出機にて成形して
直方体成形品を得た。評価については実施例6と同様の
方法により行った。
【0066】艶はグロス値が5.4と低く、木質感は十
分にあった。成形加工時の押出機のモーター負荷および
樹脂圧力はともに高く上がることなく、成形加工性は良
好であった。ブリーディング現象は発生せず、成形品表
面状態の変化は全くなかった。木目筋は顕著に現れてお
り、木質様木目付与の良好な成形物が得られた。組成を
表1、結果を表2に示す。
【0067】実施例8 母体ペレットについては、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TA−
E200)100重量部を用いた他は実施例6と同様に
して、母体ペレット(2)を得た。種ペレットについて
は、アクリロニトリル20重量%、α−メチルスチレン
70重量%およびN−フェニルマレイミド10重量%よ
り成るビニル系重合体樹脂(宇部サイコン(株)社製、
S802N)を100重量部用いた他は実施例6と同様
にして種ペレット(3)を得た。前記母体ペレット
(2)100量部に対して、前記種ペレット(3)3重
量部を混合し、池貝鉄工(株)社製FS−40押出機に
て成形して直方体成形品を得た。評価については実施例
6と同様の方法により行った。
【0068】艶はグロス値が5.4と低く、木質感は十
分にあった。成形加工時の押出機のモーター負荷および
樹脂圧力はともに高く上がることなく、成形加工性は良
好であった。ブリーディング現象は発生せず、成形品表
面状態の変化は全くなかった。木目筋は顕著に現れてお
り、木質様木目付与の良好な成形物が得られた。組成を
表1、結果を表2に示す。
【0069】実施例9 母体ペレットについては、実施例6と同様にして母体ペ
レット(1)を用い、種ペレットは、平均重合度700
の塩化ビニル系単独重合体(大洋塩ビ(株)社製、TH
−700)100重量部を用いた他は実施例6と同様に
して種ペレット(4)を得た。前記母体ペレット(1)
100重量部に対して、前記種ペレット(4)20重量
部を混合し、池貝鉄工(株)社製FS−40押出機にて
成形して直方体成形品を得た。評価については実施例6
と同様の方法により行った。
【0070】艶はグロス値が5.7と低く、木質感は十
分にあった。成形加工時の押出機のモーター負荷および
樹脂圧力はともに高く上がることなく、成形加工性は良
好であった。ブリーディング現象は発生せず、成形品表
面状態の変化は全くなかった。木目筋は顕著に現れてお
り、木質様木目付与の良好な成形物が得られた。組成を
表1、結果を2に示す。
【0071】実施例10 母体ペレットについては、平均重合度700の塩化ビニ
ル単独重合体(大洋塩ビ(株)社製、TH−700)5
0重量部と平均重合度700の架橋塩化ビニル系樹脂
(チッソ(株)社製、SD7E)50重量部を用いた他
は実施例6と同様にして、母体ペレット(3)を得た。
種ペレットは実施例6と同様にして、種ペレット(2)
を得た。その他は実施例6と同様にして、前記母体ペレ
ット(3)100重量部に対して、前記種ペレット
(2)3重量部を混合し、池貝鉄工(株)社製FS−4
0押出機にて成形して直方体成形品を得た。評価につい
ては実施例6と同様の方法により行った。艶はグロス値
が4.7と低く、木質感は十分にあった。成形加工時の
押出機のモーター負荷および樹脂圧力はともに高く上が
ることなく、成形加工性は良好であった。ブリーディン
グ現象は発生せず、成形品表面状態の変化は全くなかっ
た。木目筋は顕著に現れており、木質様木目付与の良好
な成形物が得られた。組成を表1、結果を表2に示す。
【0072】比較例1 カシューナッツ殻油変性フェノール系樹脂(東北化工
(株)社製、センライトカシューダストFF−104
5)を0.05重量部に代えた他は実施例1と同様の方
法により行い、各項目を評価した。成形加工時の押出機
のモーター負荷および樹脂圧力はともに高く上がること
なく、成形加工性は良好(○)であった。ブリーディン
グ現象については良好(○)であったが、艶の指標であ
るグロス値が25.4と高く、木質感は不十分であっ
た。
【0073】比較例2 カシューナッツ殻油変性フェノール系樹脂(東北化工
(株)社製、センライトカシューダストFF−104
5)を110重量部に代えた他は実施例1と同様の方法
により行い、各項目を評価した。木質感は確認できた
が、成形加工時の押出機のモーター負荷が高くなり、さ
らに樹脂の偏流が大きく成形品の形状が不均一になり、
成形加工性は悪(×)かった。
【0074】比較例3 母体ペレット(1)100重量部に対して種ペレット
(1)0.1重量部混合した他は実施例6と同様の方法
により行い、各項目を評価した。艶はグロス値が5.8
と低く、木質感は十分にあった。成形加工時の押出機の
モーター負荷および樹脂圧力はともに高く上がることな
く、成形加工性は良好であった。ブリーディング現象は
発生せず、成形品表面状態の変化は全くなかった。ま
た、木目筋らしいものは観察されたものの、はっきりと
した木目は発現しなかった。組成を表1、結果を表2に
示す。
【0075】比較例4 母体ペレット(2)100重量部に対して種ペレット
(2)40重量部混合した他は実施例6と同様の方法に
より行い、各項目を評価した。艶はグロス値が5.2と
低く、木質感は十分にあった。成形加工時の押出機のモ
ーター負荷および樹脂圧力はともに高く上がることな
く、成形加工性は良好であった。ブリーディング現象は
発生せず、成形品表面状態の変化は全くなかった。ま
た、木目は発現したが、木目が重なり合ってしまい、木
質様木目付与の良好な成形物は得られなかった。組成を
表1、結果を表2に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ブリーディング
現象がなく、木質感に優れた塩化ビニル系樹脂組成物お
よびそれを用いた成形物を提供できる。また、木質様に
木目付与を施した塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを
用いた成形物も提供でき、用途展開に大きく役立ち、産
業上優位である。
フロントページの続き (72)発明者 村上 修一 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 阪上 長 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 大平 武 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、カ
    シューナッツ殻油変性フェノール系樹脂0.1〜100
    重量部を含有させて成る木質様塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の木質様塩化ビニル系樹脂組
    成物100重量部に対し、架橋塩化ビニル系樹脂および
    /またはビニル系重合体樹脂0.2〜30重量部を混合
    して成る木質様木目付与塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の木質様塩化ビニル系樹脂組
    成物を溶融成形して成る木質様塩化ビニル系樹脂成形
    物。
  4. 【請求項4】請求項2記載の木質様木目付与塩化ビニル
    系樹脂組成物を溶融成形して成る木質様木目付与塩化ビ
    ニル系樹脂成形物。
JP10115579A 1997-05-06 1998-04-24 塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物 Pending JPH1121401A (ja)

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