JPH11215856A - 振動型モーターの駆動制御装置および振動型モーターを駆動源とする装置 - Google Patents

振動型モーターの駆動制御装置および振動型モーターを駆動源とする装置

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JPH11215856A
JPH11215856A JP10017134A JP1713498A JPH11215856A JP H11215856 A JPH11215856 A JP H11215856A JP 10017134 A JP10017134 A JP 10017134A JP 1713498 A JP1713498 A JP 1713498A JP H11215856 A JPH11215856 A JP H11215856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動型モータの位相差検出制御方式における
誤動作を防止することができる振動型モーターの駆動制
御装置を提供する。 【解決手段】 位相差検出制御方式で振動型モーターを
駆動制御する駆動制御装置に、振動型モーターの振動状
態を検出する励振検出部から出力される信号の周期を検
出する周期検出手段と、前記周期検出手段で検出した周
期値が予め設定された値の範囲外であると前記位相差に
よる制御を禁止する禁止手段と、前記周期検出手段で検
出した周期値が予め設定された値の範囲外であると回転
速度を低速となるように駆動周波数を高周波数側にシフ
トする安定化制御手段(ステップ208〜210)とを
設けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動型モーターの駆
動制御装置および振動型モーターを駆動源とする装置に
係り、例えば周波数を制御することによりモーターの駆
動制御を行う場合に、振動型モーターの状態を検出する
ための信号相と振動型モーターに交流電界を印加する印
加相との位相差に基づいて共振点側から安全側に駆動状
態を移行させる駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動型モーター、例えば振動波モーター
は、振動体を構成する電気−機械エネルギー変換素子と
しての圧電素子に設けられた2つの駆動相に駆動用の交
番信号としての交流電界を印加することにより、振動体
の表面に楕円運動を形成し、そこに加圧接触する接触体
と前記振動体とを相対移動させるものであり、振動波モ
ーターを駆動する回路から前記振動波モーターへ出力さ
れる2つの印加相(以下それぞれA相、B相とする)に
ついてはある位相差を持たせている。
【0003】A相とB相の位相差は±90度であり、こ
の正負で回転方向が決定される。またその回転速度は、
A相、B相に印加する交番信号の周波数を変化させるこ
とで所望の速度に制御させることが一般的となってい
る。
【0004】この振動波モーターの特性において、印加
する交番信号の周波数によって振動波モーター(振動
体)が共振する部分があり、その共振点近傍での制御は
印加される周波数に対する回転速度の変化が大きく速度
制御を行なうことが困難であることが知られている。
【0005】一般に、振動波モーターの駆動制御は、高
周波数側から共振点側に向けて周波数をスイープして回
転速度を増し、駆動状態を以下に示すように位相差とし
て検出し、共振点を越えて低周波数側に駆動周波数が移
行するのを防止する制御が行われる。
【0006】すなわち、振動体の一部に振動体の振動状
態を検出するセンサー相(以下S相とする)を設け、そ
のS相とA相、あるいはS相とB相の位相差を検出する
もので、例えば前記位相差が小さい場合は前記振動体が
共振状態に近い状態で振動しているとし、共振点から高
周波数側へ強制的に駆動周波数を移行させる駆動制御が
行われる。
【0007】このS相は、振動波モーターへA相、B相
を印加した場合に正弦波を出力し、その振幅は振動波モ
ーターの回転数に比例している。つまり振動波モーター
の回転数が小さい場合は、信号自体の変化量が少ないこ
とになる。
【0008】この位相差の検出方法としては、例えばS
相とB相との位相差を検出する場合、図7に示すよう
に、S相信号をコンパレータCOMP−Sにより、また
B相信号をコンパレータCOMP−Bによりそれぞれ正
弦波の信号S、Bを方形波の信号S’、B’に変換し、
図8に示すように、S相の立ち上がりからB相の立ち上
がりまでの時間を測定する方法がある。
【0009】ここで、検出した位相差(時間値)をあら
かじめ設定した値以下または特定の範囲と比較し、その
値以上あるいは範囲外の場合は、A相、B相の周波数を
現在よりも高周波数側に設定することで、モーターの回
転数を低くするなどの対策によって振動波モーターが共
振周波数を超えないように制御を行なっている(共振点
よりも高周波数側の周波数領域を駆動に使用してい
る)。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、S相の
振幅は振動波モーターの回転数に比例しているため、負
荷トルクの大きい物体を振動型モーターで移動させたり
すると、低い回転数にもかかわらず振動体が共振点近傍
に達してしまうことがあり、その場合S相自体の振幅が
小さくなり正常な位相差値が得られず、振動波モーター
が共振点を超えてしまうことがあった。
【0011】また、これとは逆に、振動波モーターの回
転数が遅い時に位相差の検出を行なうと、共振から離れ
ているにもかかわらず外来ノイズなどによって共振近傍
と誤検知し、モーターの回転数を遅くするような制御を
行うことがあった。
【0012】これを回避するための手段として、S相信
号に電気的なフィルター回路を入れたり、振動体の一部
であるセンサー相の面積を増やすことで信号を大きくす
るなどの対策が考えられるが、コストアップやモーター
の性能ダウンにつながってしまう。
【0013】本出願に係る第1の発明の目的は、これら
の問題点に鑑み、コストアップせずにS相の振幅が小さ
い時または外来ノイズによる御検知を防止することがで
きる振動型モーターの駆動制御装置を提供しようとする
ものである。
【0014】本出願に係る第2の発明の目的は、上記し
た第1の発明の目的に加え、被駆動体を確実に駆動制御
できる振動型モーターを駆動源とする装置を提供しよう
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明
の目的を実現する第1の構成は、振動型モータの振動体
を構成する電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を
印加することによって、前記振動体に楕円運動を形成
し、前記振動体の励振状態を検出する励振検出部から出
力される信号と前記振動体に印加する交番信号の位相差
に応じて前記交番信号の制御を行なう振動型モーターの
駆動制御装置において、前記励振検出部から出力される
信号の周期を検出する周期検出手段と、前記周期検出手
段で検出した周期値が予め設定された値の範囲外である
と前記位相差による制御を禁止する禁止手段とを有する
ものである。
【0016】本出願に係る第1の発明の目的を実現する
第2の構成は、振動型モータの振動体を構成する電気−
機械エネルギー変換素子に交番信号を印加することによ
って、前記振動体に楕円運動を形成し、前記振動体の励
振状態を検出する励振検出部から出力される信号と前記
振動体に印加する交番信号の位相差に応じて前記交番信
号の制御を行なう振動型モーターの駆動制御装置におい
て、前記励振検出部から出力される信号の周期を検出す
る周期検出手段と、前記周期検出手段で検出した周期値
が予め設定された値の範囲外であると前記位相差による
制御を禁止する禁止手段と、前記周期検出手段で検出し
た周期値が予め設定された値の範囲外であると制御安定
状態側に前記交番信号の制御を行う安定化制御手段を有
するものである。
【0017】前記安定化制御手段は、前記交番信号の周
波数を変化させるものである。
【0018】前記安定化制御手段は、モーターの回転速
度を変化させるものである。
【0019】本出願に係る第2の発明の目的を実現する
振動型モーターを駆動源とする装置の構成は、上記した
いずれか一つに記載の振動型モーターの駆動制御装置を
有し、前記振動型モーターを駆動源として被駆動部材を
駆動するようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明の実施の形態
を示す。
【0021】図1は振動型モーターの一つとしての振動
波モーターを動作させるための電気回路を示す。振動波
モーターの基本的な構成としては、例えば振動体を構成
する電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子に
おける2つの駆動相に位相差を有する交番信号を印加す
ることにより、例えば前記圧電素子が貼り付けられた金
属等の弾性体に位相の異なる2つの曲げ振動を形成し、
その合成により前記弾性体の表面に楕円運動を形成する
ようにしたもので、振動体と、前記駆動面に加圧接触す
る接触体とを相対移動するようにしている。
【0022】この回路は周波数を変化させることで振動
波モーターの速度制御を行なうタイプとなっている。
【0023】図1において、1は振動波モーターの制御
を司るマイクロコンピュータ(以下マイコンと記す)で
ある。このマイコン1の機能として、振動波モーターへ
印加する周波数を作り出すための周波数ジェネレータ機
能と、振動波モーターの位相検出を行なうためのタイマ
ーカウンター機能(信号キャプチャ機能付き)を有して
いる。
【0024】2は振動波モーターに印加する電源回路で
ある昇圧型DCDCコンバータユニットで、マイコン1
によって動作/非動作をコントロールできるように構成
されている。3は電源(電池)、4は電源3を安定的に
供給するためのレギュレータであり、マイコン1に供給
され、かつ位相検出の基準電源としても使用している。
5は振動波モーターのA相側のインバータ、6は振動波
モーターのB相側のインバータ、7は振動波モーターの
A相側の電源を供給するためのNPNトランジスタ、8
は振動波モーターのB相側の電源を供給するためのNP
Nトランジスタ、9は振動波モーターのA相側のNPN
トランジスタ、10は振動波モーターのB相側のNPN
トランジスタ。
【0025】A相側のインバータ5の入力とA相側NP
Nトランジスタ9のベースがそれぞれマイコン1のA相
側周波数ジェネレータ出力端子に接続され、マイコン1
の出力論理によって振動波モーターのA相側に電力が供
給(シンク)/消費(ソース)される構成となってい
る。
【0026】同様に、B相側のインバータ6の入力とB
相側NPNトランジスタ10のベースがそれぞれマイコ
ン1のB相側周波数ジェネレータ出力端子に接続され、
マイコン1の出力論理によって振動波モーターのB相側
に電力がシンク/ソースされる構成となっている。
【0027】11はA相側コイル、12はB相側コイ
ル、13はA相側コンデンサ、14はB相側コンデン
サ。
【0028】A相側コイル11とA相側コンデンサ13
を電源3に対し直列接続することによって、印加される
周波数に応じた昇圧電圧が振動波モーターのA相に印加
される。
【0029】同様に、B相側コイル12とB相側コンデ
ンサ14を電源に対し直列接続することによって印加さ
れる周波数に応じた昇圧電圧が振動波モーターのB相に
印加される。
【0030】15は振動波モーターのA相側電極、16
は振動波モーターのB相側電極、17は振動波モーター
のS相電極、18は圧電セラミック、19はGND電極
である。A相、B相に電圧を印加することで、圧電セラ
ミック18が歪曲し、A相に対するB相の位相を±90
°変えることで、振動体における回転部との接触面に楕
円運動が発生し、前記振動体に加圧接触する前記回転部
が回転するのが振動波モーターの原理である。
【0031】20はレギュレータ4の電圧を1/2にす
るための分圧回路であり、コンパレータのスレッショル
ド電圧を形成している。21と22はB相電圧のレベル
シフト用の抵抗。コンデンサ23と抵抗25とにより振
動波モーターのS相用のハイパスフィルターを形成し、
コンデンサ24と抵抗26とにより振動波モーターのB
相用のハイパスフィルターを形成している。
【0032】27は振動波モーターのB相用のコンパレ
ータであり、レギュレータ4の電圧にレベルシフトする
ためと、B相の波形整形を行なっている。28は振動波
モーターのS相用のコンパレータであり、レギュレータ
4の電圧にレベルシフトするためと、S相の波形整形を
行なっている。
【0033】図2はコンパレータ27、28から出力さ
れる波形を図示したものである。振動波モーターが共振
点に近いところで駆動されていると、S相とB相の位相
差が少なくなるように構成され、本実施の形態ではS相
の周期データを検出する制御方法を追加したものなの
で、以下にその制御方式を図1と図2を用いて説明す
る。マイコン1は、振動波モーターを駆動する場合、D
CDCコンバータユニット2を動作させ電源3の電圧を
昇圧させる。通常はここで約5倍〜10倍程度昇圧して
いるのが一般的である。
【0034】次に、マイコン1は内部の周波数ジェネレ
ータ回路を起動させて、A相、B相にそれぞれ±90°
の位相を変えた出力を発生させる。この出力によって、
トランジスタ7、8、9、10を制御している。
【0035】例えば、マイコン1から出力されたA相の
論理電圧が5Vの場合、インバータ5の出力論理はLo
レベルとなり、 トランジスタ7はOFF、トランジスタ
8はONし、振動波モーターのA相に加える電圧は低く
なる。逆にマイコン1から出力されたA相の論理電圧が
0Vの場合、インバータ5の出力論理はHiレベルとな
り、 トランジスタ7はON、トランジスタ8はOFF
し、振動波モーターのA相に加える電圧は高くなる。
【0036】次に、これらの動作によってコイル11、
12に交流電圧が供給されコンデンサ13、14によっ
て更に振動波モーターに印加する電圧を昇圧する。通常
はここで約3倍〜4倍程度昇圧させてから振動波モータ
ーに印加する。電圧が入力されると、振動波モーターは
その特性によって、ある特定の周波数で起動を開始す
る。マイコン1は起動が開始されるまで内部のタイマカ
ウンタで時間を計測し、あらかじめ設定された時間を経
過するとコンパレータ27、28の出力を検出するた
め、タイマカウンタを位相検出用に設定し起動させる。
【0037】図2より、このタイマーカウンタはコンパ
レータ27の出力の立ち上がり信号によってカウントを
開始し、コンパレータ28の立ち上がり信号で現在のタ
イマカウンタ値を内部メモリーに記憶するように構成さ
れている。
【0038】マイコン1は、この内部メモリーの値が更
新される度に割り込みを発生させる。割り込みが発生す
ると、マイコン1は割り込み処理を優先させるためその
処理を行なう。
【0039】割り込み処理では、内部メモリーに記憶さ
れたB相とS相の位相データと、予め設定されている値
(又は範囲)と比較し、その値以下(あるいは範囲以
外)の場合は、現在の駆動周波数を高周波数側(共振点
よりも高周波数側)に設定する。また、これらの処理を
位相検出するたびに割り込み処理で行っているとマイコ
ン1の他の処理が遅くなるため、定期的にこの位相検出
処理を行う。これらの検出制御によって、振動波モータ
ーの駆動周波数を共振点より離れさせることができ、駆
動周波数の領域が共振点を超えて低周波数側にシフトさ
れることが禁止できることになる。
【0040】ここまでは、本発明の前提となる技術とし
ての振動波モーターの位相検出制御方法である。
【0041】本実施の形態では、図2に示すように、マ
イコン1の内部にさらにタイマーを追加し、コンパレー
タ28から出力されるS相波形の周期1を検出し、 その
値と、予めマイコン1の内部メモリーに記憶された周期
データとを比較し、その値よりも検出した周期1が小さ
い(あるいは範囲外の)場合は、前述した位相検出制御
を行わないような制御方式を追加したものである。
【0042】予めマイコン1の内部メモリーに記憶して
いる周期データは、たとえばEEPROM等の電気的消
去可能素子を使用することで、振動波モーターの個々の
特性に合わせた値に設定できるため、より細かな制御を
行うことが可能となる。
【0043】また、従来技術で記述したようにS相の振
幅は振動波モーターの回転数に比例するため、モーター
を遅いスピードで動作させるとS相振幅が小さいことで
外来ノイズの影響を受け易い。
【0044】図3は、S相に外来ノイズが加えられた場
合のコンパレータ28の出力波形をあらわしたものであ
る。S相にノイズが加わることで、S相周期が実際の値
よりも短くなることが分かる。周期3>周期2>周期1
という関係から、従来の位相検出制御では位相1が小さ
くなり、振動波モーターが共振点近傍に達したとマイコ
ン1が誤検知し周波数を高い側に設定してしまう。つま
りモーター速度が遅いにもかかわらず更に遅くしてしま
うことで更にS相振幅が小さくなるという悪循環が繰り
返されてしまうことになる。
【0045】本実施の形態では、最初に周期1のデータ
が予め設定された値よりも小さいかどうかを判断し、小
さい場合は位相制御を行わないようにしているため、結
果として位相1のデータは無視され、前述した悪循環は
発生しないことになる。
【0046】また、図4はS相振幅が小さいためにコン
パレータ28での波形整形が正常に行われずS相出力が
時々歯抜け状態になってしまう場合を示し、この状態で
位相検出を行うと振動波モーターの現在の駆動周波数が
共振点よりも離れた状態であると誤検知し、例えば前述
のように、モーターに加わる負荷が重いために速度が遅
くなった場合は振動波モーターが共振点を超えて低周波
数領域にシフトすることがあった。
【0047】しかし、本実施の形態ではS相の周期デー
タをある範囲に設定することで、あまりにも検知した周
期が長い場合は、周波数を共振点よりも高い周波数側に
設定するという制御方式を追加することにより、共振点
を超えてないような制御を行うようにしている。
【0048】図5はマイコン1の内部処理をあらわした
フローチャート図である。同図をもとに更に説明を続け
る。
【0049】同図より、マイコン1は電源が投入される
と振動波モーターの駆動ルーチンを実行するようにプロ
グラムされている。なお、図1には記述していないが外
部スイッチを設け、それがONされたら実行するように
しても良い。
【0050】初めに昇圧型DCDCコンバータ2(以下
DCDC2と記す)をONにする処理を行い(ステップ
101)、同時に内部のタイマーカウンタをリセット
し、スタートさせる(ステップ102)。
【0051】DCDC2は、ONされてから実際に電圧
が安定するまで時間がかかるので、所定時間待たせるた
めに、マイコン内部のメモリーにあらかじめ記憶された
DCDC2の電圧が安定するまでの時間値と、現在のタ
イマーカウンタ値を比較し、タイマーカウンタの方が大
きい値になるまで待機する(ステップ103)。
【0052】所定時間経過したら、一度タイマーカウン
タを停止させ(ステップ104)、振動波モーターの回
転方向を判断する(ステップ105)。
【0053】本実施の形態では回転方向を決定する手段
がないため電源が投入されると常に同じ方向に回転す
る。なお、外部に切り換え手段を設定し、任意に回転方
向を決定できるようにしても良い。予め設定された振動
波モーターの回転方向が正転方向の場合はマイコン1内
部の周波数ジェネレーション機能にA相を90度、B相
を0度としてそれぞれ設定する(ステップ107)。
【0054】また、ステップ105で振動波モーターの
回転方向が逆転方向だった場合は、マイコン1内部の周
波数ジェネレーション機能にA相を0度、B相を90度
としてそれぞれ設定する(ステップ106)。
【0055】周波数ジェネレータへの位相設定が終了し
たら、予めマイコン1の内部メモリーに記憶してある振
動波モーターの駆動周波数データをマイコン1の機能で
ある周波数ジェネレータに設定し、それら位相を持った
周波数をA相、B相に出力する(ステップ108)。
【0056】周波数を出力したと同時にマイコン1の内
部タイマーカウンタをリセットし、スタートさせる(ス
テップ109)。
【0057】マイコン1から周波数を出力して、実際に
振動波モーターが駆動し出すまでは、ある程度時間を要
するため、予めマイコン1の内部メモリーに記憶してあ
る振動波モーターの起動時間値とタイマーカウンタ値を
比較し、タイマーカウンタの値が大きくなるまで待機す
る(ステップ110)。
【0058】所定時間経過したら、内部タイマーカウン
タを一旦停止させ(ステップ111)、S相の立ち上が
りから次の立ち上がりまでの時間間隔を測定する周期検
出動作と、B相の立ち上がりからS相の立ち上がりまで
の時間間隔を測定する位相検出動作の双方の動作を行う
ようなマイコン1内部のタイマーカウンターに設定する
(ステップ112)。
【0059】この設定にするための具体的な方法とし
て、S相の立ち上がり出力で現在のタイマーカウンタ値
をメモリーするレジスタAと、B相の立ち上がり出力で
現在のタイマーカウンタ値をメモリーするレジスタBを
有したタイマーカウンタを使用し、S相の立ち上がり出
力でタイマーカウンタのリセット動作を行うように設定
することで可能となる。このようなタイマーカウンタは
一般的なマイコンにもインプットキャプチャ機能として
設けられていて、決して特殊なものではない。
【0060】次に、タイマーカウンタの割り込みをリセ
ット動作時に処理するように設定し(ステップ11
3)、各検出を許可して(ステップ114)、振動波モ
ーターの駆動処理を終了する(ステップ115)。
【0061】ステップ113でタイマーカウンタの割り
込みを許可しているが、振動波モーターの駆動周波数が
早い場合は、割り込み処理が間に合わない可能性がある
ため、もう一つのタイマーカウンタを使用して、定期的
に位相検出制御を行うようにしても良い。余分なタイマ
ーカウンタがない場合は、メインルーチン内で処理する
ことも可能である。つまり、図5の駆動処理ルーチンは
電源投入時に実行され、ステップ113の割り込み許可
は図6のタイマー割り込み処理を許可するために必要と
し、図6のタイマー割り込み処理は位相データが更新
(内部メモリーにデータが転送)されるたびに実行され
ます。実際には、この処理は振動波モータに印加する周
波数の周期(30μsec)ごとに実行されるため、そ
の時間以下でこの割り込み処理を終了させないと次の割
込が発生してしまい、マイクロコンピュータの他の処理
ができなくなる。振動波モータの駆動周波数が低い場合
は、処理が間に合おうとしても、周波数が高くなると周
期が短くなるために、処理が間に合わない可能性が出て
くる。
【0062】そこで、他のタイマーを使用してもっと遅
い周期でこの割り込み処理を実行させる方法や、メイン
ルーチンで行う方法をとっている。
【0063】図6はマイコン1の内部タイマーカウンタ
の割り込み処理ルーチンである。割り込み処理を用いな
い場合は、このルーチンをそのままメインルーチンで処
理することでも良い。
【0064】同図より、 初めにS相周期データ値をAレ
ジスタに転送する(ステップ200)。次に、予めマイ
コン1内部のメモリーに記憶してあるS相周期データの
下限値をBレジスタに(ステップ201)、上限値をC
レジスタにそれぞれ転送する(ステップ202)。
【0065】下限値は時間が最も短い値であり、上限値
は時間が最も長い値である。次にAレジスタの内容とB
レジスタの内容を比較し、Aレジスタの値のほうが小さ
い場合はこの割り込み処理を中止するためステップ21
1に移行する(ステップ203)。
【0066】これは、予め設定してある下限値よりも検
出したS相の周期が小さい値の場合は何らかの外来ノイ
ズによって位相検出が正常に機能できないことをあらわ
している。
【0067】次に、AレジスタとBレジスタの比較結果
がAレジスタの方が大きいと判断した場合は(ステップ
203)、 Aレジスタの内容とCレジスタの内容を比較
する(ステップ204)。
【0068】比較した結果、Aレジスタの方が大きい場
合は現在の駆動周波数をFレジスタに転送し(ステップ
208)、予めマイコン1の内部メモリに記憶されてい
る周波数の上げ幅であるΔFをレジスタFに加え(ステ
ップ209)、レジスタFの内容の周波数で駆動するよ
うに周波数ジェネレータに設定し(ステップ210)、
振動波モーターの駆動状態の安定化を図る駆動安定化制
御モードが実行され、駆動の割り込み処理を終了する
(ステップ211)。
【0069】これは、S相周期を検出した結果予め設定
してある上限値よりも検出したS相の周期が大きい値の
場合は、S相振幅が小さいためコンパレータ28の出力
波形が歯抜け状態になっていて正常な位相検出が行われ
ていないことを示す。
【0070】予め設定された周波数で駆動しているにも
かかわらず、S相周期が長い場合は何らかの影響で負荷
が増大していると考えられる。
【0071】振動波モーターの駆動制御において、周波
数対速度(回転数)の特性は、共振点を境にして低周波
数側の領域では急峻なカーブであり、共振点を境にして
高周波数側の領域では緩やかなカーブであるため、駆動
制御に供する周波数領域は共振点を境にして高周波数側
の領域であり、共振点を境にして低周波数側の領域では
制御には不適であるため、あえて駆動周波数を共振点よ
りも高周波数側に設定するようなプログラムにしてい
る。
【0072】ステップ204でAレジスタの内容とCレ
ジスタの内容を比較した結果、Aレジスタの方が小さい
場合はS相周期に全く問題なく、正常な位相検出が行わ
れたと判断する。
【0073】そこで、タイマーカウンタによって検出さ
れた位相データ値をAレジスタに転送し(ステップ20
5)、予めマイコン1の内部メモリに記憶してある位相
データをBレジスタに転送する(ステップ206)。
【0074】次にAレジスタの内容とBレジスタの内容
を比較し(ステップ207)、Aレジスタの内容の方が
大きいと判断した場合は割り込み処理を終了する。これ
は振動波モーターが共振点から離れた所で駆動されてい
ることをあらわす。
【0075】また、ステップ207でAレジスタの内容
がBレジスタよりも小さいと判断した場合は、現在の駆
動周波数をFレジスタに転送し(ステップ208)、予
めマイコン1の内部メモリに記憶されている周波数の上
げ幅であるΔFをレジスタFに加え(ステップ20
9)、レジスタFの内容の周波数で駆動するように周波
数ジェネレータに設定し(ステップ210)、割り込み
処理を終了する(ステップ211)。
【0076】これは、検出した位相データから振動波モ
ーターが共振点近傍で駆動されていると判断し、駆動周
波数を高い側に設定して共振点から離れる方向に制御を
行っているためである。
【0077】本実施の形態において、予めマイコン1に
設定された各種値は、マイコン内部のメモリーに記憶し
ているが、EEPROMなどの電気的消去可能な素子を
用いてその素子に記憶することで、より個々の振動波モ
ーターの特性に合わせた制御が可能となることは言うま
でもない。
【0078】上記した実施の形態において、共振点を越
えて制御不適な低周波数側に駆動周波数が移行すること
が避けられ、その間強制的に駆動周波数を高周波数側に
移行させることで駆動速度の低下があるものの、確実に
振動波モーターの駆動制御が可能となり、例えばモータ
ーにより駆動される被駆動体を駆動速度に無関係に所定
の位置に移動させる駆動装置に適用することができ、例
えばレンズを光軸に沿って合焦あるいは変倍のために移
動させるレンズ鏡筒に適用することができる。
【0079】
【発明の効果】請求項1〜5に係る発明によれば、振動
型モーターの駆動状態、例えばモーターの回転速度
(数)に比例する振動体の励振状態としての振幅を気に
せず、従来よりも低い回転速度(数)で十分な位相制御
が可能となり、また外来ノイズなどの対策においても安
価でより高精度な位相検出を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す振動波モーターを駆
動制御する回路ブロック図
【図2】図1の振動波モーターのB相、S相を波形整形
した場合の波形図
【図3】振動波モーターの制御トラブルとなる波形を示
す図
【図4】振動波モーターの制御トラブルとなる波形を示
す図
【図5】本発明の実施の形態の動作を示すフローチャー
【図6】図5のタイマー割り込み処理を示すフローチャ
ート
【図7】従来の振動波モーターの駆動制御装置のB相、
S相の波形整形回路図
【図8】図7の回路の出力を示す波形図
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ 2 昇圧型DCDCコンバータユニット 3 電源 4 レギュレータ 5、6 インバータ 7、8、9、10 NPNトランジスタ 11、12 コイル 13、14 コンデンサ 15 A相側電極 16 B相側電極 17 S相電極 18 圧電セラミック 19 GND電極 20 分圧回路 21、22、25、26 抵抗 23、24 コンデンサ 27、28 コンパレータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動型モータの振動体を構成する電気−
    機械エネルギー変換素子に交番信号を印加することによ
    って、前記振動体に楕円運動を形成し、前記振動体の励
    振状態を検出する励振検出部から出力される信号と前記
    振動体に印加する交番信号の位相差に応じて前記交番信
    号の制御を行なう振動型モーターの駆動制御装置におい
    て、 前記励振検出部から出力される信号の周期を検出する周
    期検出手段と、前記周期検出手段で検出した周期値が予
    め設定された値の範囲外であると前記位相差による制御
    を禁止する禁止手段とを有することを特徴とする振動型
    モーターの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 振動型モータの振動体を構成する電気−
    機械エネルギー変換素子に交番信号を印加することによ
    って、前記振動体に楕円運動を形成し、前記振動体の励
    振状態を検出する励振検出部から出力される信号と前記
    振動体に印加する交番信号の位相差に応じて前記交番信
    号の制御を行なう振動型モーターの駆動制御装置におい
    て、 前記励振検出部から出力される信号の周期を検出する周
    期検出手段と、前記周期検出手段で検出した周期値が予
    め設定された値の範囲外であると前記位相差による制御
    を禁止する禁止手段と、前記周期検出手段で検出した周
    期値が予め設定された値の範囲外であると制御安定状態
    側に前記交番信号の制御を行う安定化制御手段を有する
    ことを特徴とする振動型モーターの駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記安定化制御手段は、前記交番信号の
    周波数を変化させることを特徴とする請求項2に記載の
    振動型モーターの駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記安定化制御手段は、モーターの回転
    速度を変化させることを特徴とする請求項2に記載の振
    動型モーターの駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一つに記載
    の振動型モーターの駆動制御装置を有し、前記振動型モ
    ーターを駆動源として被駆動部材を駆動するようにした
    ことを特徴とする振動型モーターを駆動源とする装置。
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