JPH11218509A - 熱三定数の点接触式測定方法 - Google Patents

熱三定数の点接触式測定方法

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JPH11218509A
JPH11218509A JP3230998A JP3230998A JPH11218509A JP H11218509 A JPH11218509 A JP H11218509A JP 3230998 A JP3230998 A JP 3230998A JP 3230998 A JP3230998 A JP 3230998A JP H11218509 A JPH11218509 A JP H11218509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、各種の機械・装置の構成部材とな
る多種類の工業材料を特別な試料形状に加工することな
く、その場で熱三定数を簡便に測定できる方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 温度プローブ2を利用して熱伝導率、熱
拡散率、比熱容量の熱三定数を測定する方法であって、
温度プローブ2の感温部2a’を被測定物体1とは異な
る温度に保ち、この感温部2a’を被測定物体1の表面
へ接触面積が微小となるように一点で接触させ、接触直
後のある時間内の温度変化を求めることによって熱三定
数を計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱三定数の点接触
式測定方法及び装置。詳しくは、被測定物と異なる温度
の感温部を被測定物の表面へ一点で接触させ、接触直後
の温度変化を計測するだけで被測定物体の材質や表面状
態等に関係なくその場で熱三定数を簡便正確に測定でき
る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱三定数の測定装置としてフラッ
シュ法によるものが知られており、それはレーザー発生
装置や試料保持・温度検出装置などにより構成されてい
て、大掛りな装置であるため被測定物体をその場におい
て測定することができるものではない。一方、熱伝導率
のみが求められる熱線法やプローブ法も知られている
が、それは接触面が正確な平面で、十分接触を良くする
必要があり、また、金属材料への適用は難しいという問
題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、省エネルギー化機械・装置の設計において
熱物性情報が不可欠である。このため、機械・装置の構
成部材となる多種類の工業材料は特別な試料形状に加工
することなく、その場で測定できなることが要求される
が、現状においてはこれができない点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明に係る熱三定数の接触式測定方法及び装置は、下
記の方法及び装置を採用することを特徴とする。 (1) 温度プローブを利用して熱伝導率、熱拡散率、
比熱容量の熱三定数を測定する方法であって、温度プロ
ーブの感温部を被測定物体とは異なる温度に保ち、この
感温部を被測定物体表面へ接触面積が微小となるように
一点で接触させ、接触直後のある時間内の温度変化を求
めることによって熱三定数を計測する。 (2) 被測定物体表面と微小面積で接触する感温部を
自由な温度に制御できる温度プローブと、A/D変換器
と、メモリー機能を有するデータ収録装置と、コンピュ
ーターとを備える。 更に方法及び装置の詳細を述べれば、感温部となる温度
センサを内蔵した温度プローブは被測定物体と異なる温
度に感温部を保ち、被測定物体へ微小面積で一点で接触
させる。この一点で接触させることの利点は、一般に接
触熱抵抗を小さくする上で接触圧力を1MPa以上とす
ることは常識であるが、本発明の温度プローブは30g
程度と軽量で、しかも接触面積が極めて小さいので十分
に前記条件で測定できることと、接触面積がその都度変
わってもその影響を解析上評価できるようにして解析し
得ることにある。そして、接触直後のある時間(数秒)
の温度変化により生ずる起電力を、A/D変換機能とメ
モリー及びデータ収録機能とを有するデジタルマルチメ
ータを用いて検出し、その結果からコンピューターによ
って理論接触モデルによる理論温度応答が実測によるそ
れと一致するように熱三定数、すなわち、熱伝導率、熱
拡散率、比熱容量を決定する方法と、この方法の実施に
適した装置であって、あらゆる工業材料を対象とし、表
面が柔らかく多孔性の物体にも適用し得る特徴を有す
る。
【0005】
【実施例】以下に本発明に係る熱三定数の点接触式測定
方法及び装置の実施の形態を説明する。
【0006】図1は本発明に係る熱三定数の点接触式測
定方法の実施に適した測定装置Aの概念図であり、この
測定装置Aは、被測定物体1と異なる温度の感温部2a
を微小面積で被測定物1の表面と一点で接触させ、接触
後のある時間の温度変化を起電力として求める温度プロ
ーブ2と、求めた起電力をA/D変換するA/D変換器
3と、変換値を検出するメモリー機能を有するデータ収
録装置4と、検知されたデータを演算し熱三定数を算出
するコンピューター5とにより構成されるもので、A/
D変換器3とデータ収録装置4は、個別のものを用いて
もよいが、両機能を備えるものがデジタルマルチメータ
として市販されるのでこれを用いると便利であり、コン
ピューター5は、社内LANでワークステーションを用
いても良いが、ノート型パソコンやマイクロンピュータ
ーが可搬型としては便利である。
【0007】前記測定装置Aにおける温度プローブ2
は、図2に示す通り温度センサとして素線径0.13m
mのK型熱電対2aを用い(この熱電対2aは小型のサ
ーミスタやIC温度センサ、測温抵抗体等を代替でき
る)、ビード状にスポット溶接した接触点、即ち感温部
2a’が露出するようにアルミナ管の保温材6で包み、
保温材6の外側には発熱体となるステンレスシース管7
を嵌め、シース管7の外側には熱電対2aの感温部2
a’に近い端部だけをシース管7に接触させ、その後側
はシース管7から隔離させたステンレス管8を被せ、ス
テンレス管8の外側にはアルミナ管9を取り付け、さら
に、その外側には保持部10を取り付ける。そして、シ
ース管7とステンレス管8との後側、すなわち、熱電対
2aの感温部2a’とは反対側に端子11と12を設け
て、これら端子11、12を電源13に接続してシース
管7へ直接通電することにより、これを発熱させて熱電
対2aを加熱させるようにしたものである。従って、被
測定物体1とは異なる温度の感温部2a’を微小面積で
被測定物体1の表面と一点で接触させることができて、
しかも、感温部2a’が周囲の空気対流の影響を受け
ず、スタンドあるいは手による保持もし易いという小型
軽量、最大径30mm、全長120mm、重量30gの
温度プローブ2が得られる。なお、この温度プローブ2
の保持は、スタンドにより行うと柔らかい材料への接触
時の沈み込みを極力少なくし得ることや、接触圧力を必
要以上に大きくしないというメリットがある。
【0008】前記測定装置Aによる熱三定数の測定は、
温度プローブ2の熱電対2aの温度を被測定物体1より
も30℃程度高くして、図1に示すように被測定物体1
の表面へ接触させる。この場合、感温部2a’は微小面
積により一点で被測定物体表面と接触するから、被測定
物体1の表面が平面であっても、凹凸面であっても、ま
た、硬度差等があっても同様の接触条件が得られる。そ
して、感温部2a’は接触直後のある時間、数秒間の温
度の変化に応じた起電力を発生し、この起電力をA/D
変換器3により5ヘルツ位のサンプリング周波数でA/
D変換し、変換値をメモリー機能を有するデータ収録装
置4に格納して、データをコンピューター5で温度値に
換算し、理論値との突き合わせを行うことによって、熱
伝導率、熱拡散率、比熱容量の熱三定数を同時に測定す
るものである。
【0009】図3は、熱物性の参照(標準)値が知られ
ているJIS−SUS304ステンレス鋼の径50m
m、厚さ10mmのものを被測定物体として、温度プロ
ーブを手持ちにより被測定物体の表面へ微小面積で一点
で接触させて得られた温度応答測定例を示すものであ
り、縦軸には温度プローブ及び被測定物体の接触直前の
初期温度Tp 0 及びTs 0 によって温度プローブの温度
p を無次元化したTp *=(Tp −Tp0)/(Ts0
p0)を、横軸には接触後の時刻t秒の1/2乗をと
り、温度プローブの初期温度を約30℃被測定物体より
高くして得られた結果に二体接触熱伝導モデルによる理
論解のそれを重ね合わせたもので、接触直後を除く広範
な時間帯で両者が良く一致することを示している。図4
は、数回繰り返し測定した場合の温度応答曲線を1/t
1 / 2 に対して三個所の接触点○、□、△について描い
たもので、接触直後のばらつきを除けば1/t1 / 2
1で直線的変化が再現性よく現れることを示しており、
この直線部から熱三定数の算定ができる。
【0010】また、前記ステンレス鋼と、それと同じ形
状のアルミニューム(JIS−A1050系)、POC
O−AMX−5Q1グラファイト、石英ガラス(純度9
9.999%)、アクリル樹脂の5種類の被測定物体に
ついて、熱三定数を測定してそのうちの熱伝導率の算出
結果を、それらの参照(標準)値と比較した結果は、図
5の通りであり熱伝導率の測定値と参照(標準)値が良
く一致することを示している。
【0011】前記5種類の被測定物体について測定した
熱三定数のうち熱拡散率の算出結果を、それらの参照
(標準)値と比較した結果は、図6の通りであり熱拡散
率も測定値と参照(標準)値が良く一致することを示し
ている。
【0012】前記5種類の被測定物体について測定した
熱三定数のうち比熱容量の算出結果を、それらの参照
(標準)値と比較した結果は、図7の通りであり比熱容
量も測定値と参照(標準)値が良く一致することを示し
ている。
【0013】
【発明の効果】(請求項1の効果) (1) 各種機械や装置の構成部材となる多種類の工業
材料を、その場において、加工しないそのままの状態で
材質にも関係なく一様に測定して、熱伝導率・熱拡散率
・比熱容量の熱三定数を同時に求めることができ、しか
も、装置は安価で、操作は簡便であり、測定の結果も安
定している。 (2) 被測定物体の表面が平面でなくてもよく、ま
た、大きさ(厚さ)も数mm以下と小さくても適用でき
る。さらに、被測定物体、あるいは測定位置によって接
触面積が変ってもそれを解析上評価することが可能なの
で再現性よく測定できる。 (請求項2の効果) 温度
プローブは測定状況に応じて容易に適当な温度にコンク
ロールするこができて、スタンドあるいは手による保持
がし易く、その感温部が被接触物体の表面へ接触して、
温度変化に応じた起電力変化をすると、A/D変換器、
データ収録装置、コンピューターが即座に起電力変化に
応じて熱三定数を算出するから、迅速な測定が可能で、
どこへでも簡便に携帯して現場測定を行うのに便利な装
置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱三定数の点接触式測定装置の構
成を示す概念図である。
【図2】同上装置に用いた温度プローブの構成を示す縦
断面図である。
【図3】本発明の方法でJIS−SUS304ステンレ
ス鋼の熱三定数を測定した場合の温度応答測定例を示す
線図である。
【図4】同上被測定物体の繰り返し測定による再現性を
示した線図である。
【図5】本発明の方法で5種類の被測定物体の熱三定数
の測定を行い、得られた熱伝導率の算出結果と参照(標
準)値とを比較した線図である。
【図6】同上被測定物体の熱三定数の測定を行い、得ら
れた熱拡散率の算出結果と参照(標準)値とを比較した
線図である。
【図7】同上被測定物体の熱三定数の測定を行い、得ら
れた比熱容量の算出結果と参照(標準)値とを比較した
線図である。
【符号の説明】 A 熱三定数の測定装置 1 被測定物体 2 温度プローブ 2a 熱電対 2a’ 感温部 3 A/D変換器 4 メモリー機能を有するデータ収録装置 5 コンピューター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月20日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、省エネルギー化機械・装置の設計において
熱物性情報が不可欠であり、このため、機械・装置の構
成部材となる多種類の工業材料は特別な試料形状に加工
することなく、その場で測定できることが要求される
が、現状においてはこれができない点である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、前記ステンレス鋼と、それと同じ形
状のアルミニウム(JIS−A1050系)、POCO
AXM−5Q1グラファイト、石英ガラス(純度9
9.999%)、アクリル樹脂の5種類の被測定物体に
ついて、熱三定数を測定してそのうちの熱伝導率の算出
結果を、それらの参照(標準)値と比較した結果は、図
5の通りであり熱伝導率の測定値と参照(標準)値が良
く一致することを示している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【発明の効果】(請求項1の効果) (1) 各種機械や装置の構成部材となる多種類の工業
材料を、その場において、加工しないそのままの状態で
材質にも関係なく一様に測定して、熱伝導率・熱拡散率
・比熱容量の熱三定数を同時に求めることができ、しか
も、装置は安価で、操作は簡便であり、測定の結果も安
定している。 (2) 被測定物体の表面が平面でなくてもよく、ま
た、大きさ(厚さ)も数mm以下と小さくても適用でき
る。さらに、被測定物体、あるいは測定位置によって接
触面積が変ってもそれを解析上評価することが可能なの
で再現性よく測定できる。 (請求項2の効果) 温度プローブは測定状況に応じて
容易に適当な温度にコントロールするこができて、スタ
ンドあるいは手による保持がし易く、その感温部が被接
触物体の表面へ接触して、温度変化に応じた起電力変化
をすると、A/D変換器、データ収録装置、コンピュー
ターが即座に起電力変化に応じて熱三定数を算出するか
ら、迅速な測定が可能で、どこへでも簡便に携帯して現
場測定を行うのに便利な装置を提供できる。
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 熱三定数の点接触式測定方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱三定数の点接触
式測定方法。詳しくは、被測定物体の表面へこれとは異
なる温度の感温部を一点で接触させ、接触直後の温度応
答曲線と理論温度応答曲線とを突き合わせるだけで被測
定物体の材質や表面状態等に関係なくその場において熱
三定数を簡便正確に測定できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱三定数の測定方法としてフラッ
シュ法によるものが知られており、それはレーザー発生
装置や試料保持・温度検出装置などで構成されていて、
大掛りな装置であるため被測定物体をその場において測
定できるものではない。一方、熱伝導率のみが求められ
る熱線法やプローブ法も知られているが、それは接触面
が正確な平面で、十分接触を良くする必要があり、ま
た、金属材料への適用は難しいという問題点がある。
こで、本発明者等は、熱物性が既知である熱電対プロー
ブの先端を試料とは異なる温度に保持して被測定物体の
表面へ接触させ、接触直後のある時間の温度変化を求め
ることによって熱三定数を計測する熱物性テスターを開
発して平成9年10月23日に講演発表した。しかしな
がら、この熱物性テスターは、手軽に使える道具的なも
のであるため、熱物性値が既知の熱電対プローブを使用
しないと測定ができない。被測定面積が直径50mm、
厚さが10mm以上あるものでないと測定時間の関係で不
都合である。熱電対プローブを試料温度よりも30℃高
温にする必要がある等の問題点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決するため、計測において被測定物体及び温度プロ
ーブの両者の温度応答の理論解と実測値とを突き合わせ
て熱三定数を求めることにより温度プローブの熱物性を
測定条件としない。被測定面積は微小で薄くてもよく、
従って、被測定面の熱物性分布も診断できて、温度プロ
ーブの温度を自由に変更して測定することもできる特徴
を有して、熱物性情報が不可欠である省エネルギー機械
・装置の構成材料となる多種類の工業材料を特別な加工
をすることなく、その場において熱物性の測定とその分
布の計測とができるもので、それによって材料組成分布
などの情報を非破壊的に診断できる技術手段が提供され
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明に係る熱三定数の点接触式測定方法は、下記の
術手段を採用することを特徴とする。 (1) 温度プローブを利用して熱伝導率、熱拡散率、
比熱容量の熱三定数を測定する方法であって、温度プロ
ーブの感温部を被測定物体とは異なる温度に保ち、この
感温部を被測定物体表面へ接触面積が小さくなるように
一点で接触させ、接触直後のある時間内の実測温度応答
曲線を理論温度応答曲線と突き合わせて熱三定数を同時
に算出する。 (2) 被測定物体表面と微小面積で接触して、感温部
を自由な温度に制御できる温度プローブは、小型軽量に
形成されて被測定物体の現場計測に便利なものである。 更にこの方法の詳細を述べれば、感温部となる温度セン
サを内蔵した温度プローブは被測定物体と異なる温度に
感温部を保ち、被測定物体へ微小面積で一点で接触させ
る。この一点で接触させることの利点は、一般に接触熱
抵抗を小さくする上で接触圧力を1MPa以上とするこ
とは常識であるが、本発明の温度プローブは30g程度
と軽量で、しかも、接触面積が極めて小さいので十分に
前記条件で測定できることと、接触面積がその都度変わ
ってもその影響を解析上評価できるようにして解析し得
ることにある。そして、接触後のある時間(数秒)の温
度変化により生ずる起電力を、AD変換機能とメモリー
及びデータ収録機能を有するデジタルマルチメーターを
用いて検出し、その結果からコンピューターによって理
論接触モデルによる理論温度応答が実測のそれと一致す
るように熱三定数、すなわち、熱伝導率、熱拡散率、比
熱容量を決定する方法であって、あらゆる工業材料を対
象とし、表面が柔らかく多孔性の物体にも適用し得る特
徴を有する。
【0005】
【実施例】以下に本発明に係る熱三定数の点接触式測定
方法の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0006】図1は本発明に係る熱三定数の点接触式測
定方法の実施に適した測定装置Aの概念図である。この
測定装置Aは、被測定物体1と異なる温度の感温部2a
を微小面積で被測定物体1の表面と一点で接触させ、接
触後のある時間の温度変化を起電力として求める温度プ
ローブ2と、求めた起電力をA/D変換するA/D変換
器3と、変換値を検出するメモリー機能を有するデータ
収録装置4と、検知されたデータを演算し熱三定数を算
出するコンピューター5とにより構成されるもので、A
/D変換器3とデータ収録装置4は、個別のものを用い
てもよいが、両機能を備えるものがデジタルマルチメー
タとして市販されるのでこれを用いると便利であり、コ
ンピューター5は、社内LANでワークステーションを
用いてもよいが、ノート型パソコンやマイクロコンピュ
ーターが可搬型としては便利である。
【0007】前記測定装置Aにおける温度プローブ2
は、図2に示す通り温度センサとして素線径0.13m
mのK型熱電対2aを用い(この熱熱電対2aは小型の
サーミスタやIC温度センサ、測温抵抗体等を代替でき
る)、ビード状にスポット溶接した接触点、即ち感温部
2a’が露出するようにアルミナ管の保温材6で包み、
保温材6の外側には発熱体となるステンレスシース管7
を嵌め、シース管7の外側には熱電対2aの感温部2
a’に近い端部だけをシース管7に接触させ、その後側
はシース管7から離隔させたステンレス管8を被せ、ス
テンレス管8の外側にはアルミナ管9を取り付け、さら
に、その外側には保持部10を取付ける。そして、シー
ス管7とステンレス管8との後側、すなわち、熱電対2
aの感温部2a’とは反対側に端子11と12を設け
て,これら端子11、12を電源13に接続してシース
管7へ直接通電することにより、これを発熱させて熱電
対2aを加熱させるようにしたものである。従って、被
測定物体1とは異なる温度の感温部2a’を微小面積で
被測定物体1の表面と一点で接触させることができて、
しかも、感温部2a’が周囲の空気対流の影響を受け
ず、スタンドあるいは手による保持もし易いという小型
軽量、最大径30mm、全長120mm、重量30gの
温度プローブが得られる。なお、この温度プローブ2の
保持は、スタンドにより行なうと柔らかい材料への接触
時の沈み込みを極力少なくし得ることや、接触圧力を必
要以上に大きくしないというメリットがある。
【0008】前記測定装置Aによる熱三定数の測定は、
温度プローブ2の熱電対2aの温度を被測定物体1より
も30℃程度高くして、図1に示すように被測定物体1
の表面へ接触させる。この場合、感温部2a’は微小面
積により一点で被測定物体表面と接触するから、被測定
物体1の表面が平面であっても、球面や凹凸面などであ
っても、また、硬度差があっても同様の接触条件が得ら
れる。そして、感温部2a’は接触直後のある時間、数
秒間の温度の変化に応じた起電力を発生し、この起電力
をA/D変換器3により5ヘルツ位のサンプリング周波
数でA/D変換し、変換値をメモリー機能を有するデー
タ収録装置4に格納して、データをコンピューター5で
温度値に換算し、理論値との突き合わせを行うことによ
って、熱伝導率、熱拡散率、比熱容量の熱三定数を同時
に測定するものである。
【0009】図3は、熱物性の参照(標準)値が知られ
ているJIS−SUS304ステンレス鋼の径50m
m、厚さ10mmのものを被測定物体として、温度プロ
ーブを手持ちにより被測定物体の表面へ微小面積で一点
で接触させて得られた温度応答測定例を示すものであ
り、縦軸には温度プローブ及び被測定物体の接触直前の
初期温度Tp0及びTs0によって温度プローブの温度Tp
を無次元化したTp * =(T p−Tp0)/(Ts0−Tp0
を、横軸には接触後の時刻t秒の1/2乗をとり、温度
プローブの初期温度を約30℃被測定物体よりも高くし
て得られた結果に二体接触熱伝導モデルによる理論解の
それを重ね合わせたもので、接触直後を除く広範な時間
帯で両者が良く一致することを示している。図4は、数
回繰り返し測定した場合の温度応答曲線を1/t1/2
対して三個所の接触点○、□、△について描いたもの
で、接触直後のばらつきを除けば1/t1/2<1で直線
的に変化が再現性良く現れることを示しており、この直
線部から熱三定数の算定ができる。
【0010】また、前記ステンレス鋼と、それと同じ形
状のアルミニウム(JIS−Al050系)、POCO
−AXM−5Q1グラファイト、石英ガラス(純度9
9.999%)、アクリル樹脂の5種類の被測定物体に
ついて、熱三定数を測定してそのうち熱伝導率の算出結
果を、それらの参照(標準)値と比較した結果は、図5
の通りであり熱伝導率の測定値と参照(標準)値とが良
く一致することを示している。
【0011】前記5種類の被測定物体について測定した
熱三定数のうち熱拡散率の算出結果を、それらの参照
(標準)値と比較した結果は、図6の通りであり熱拡散
率も測定値と参照(標準)値が良く一致することを示し
ている。
【0012】前記5種類の被測定物体について測定した
熱三定数のうち比熱容量の算出結果を、それらの参照
(標準)値と比較した結果は、図7の通りであり比熱容
量も測定値と参照(標準)値が良く一致することを示し
ている。
【0013】
【発明の効果】請求項1の効果 (1) 各種機械や装置の構成材料となる多種類の工業
材料を、その場において加工しないそのままの状態で材
や表面状態にも関係なく一様に測定して、熱伝導率・
熱拡散率、比熱容量の熱三定数を同時に求めることがで
きて、しか、装置は安価で、操作も簡単であり、測定の
結果も安定している。 (2) すべての感温センサーを用いて測定することが
可能で、被測定物体の表面が平面でなく、球面や凹凸面
等であってもよく、大きさ、厚さも微小で薄いものでも
よい。従って、被測定面の熱物性分布も診断できて、温
度プローブの温度を自由に変更して測定することができ
る。 請求項2の効果 温度プローブは、測定条件に応じて温
度を自由にコントロールすることができるもので、手ま
たはスタンドによる保持がし易く、かつ、小型軽量のも
のであるため、どこへでも簡便に携帯して被測定物体の
現場測定を便利に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱三定数の点接触式測定方法に用
いた測定装置の構成を示す概念図である。
【図2】同上装置に用いた温度プローブの構成を示す縦
断面図である。
【図3】本発明の方法でJIS−SUS304ステンレ
ス鋼の熱三定数を測定した場合の温度応答測定例を示す
線図である。
【図4】同上被測定物体の繰り返し測定による再現性を
示した線図である。
【図5】本発明の方法で5種類の被測定物体の熱三定数
の測定を行ない、得られた熱伝導率の算出結果と参照
(標準)値とを比較した線図である。
【図6】同上被測定物体の熱三定数野測定を行ない、得
られた熱拡散率の算出結果と参照(標準)値とを比較し
た線図である。
【図7】同上被測定物体の熱三定数の測定を行ない、得
られた比熱容量の算出結果と参照(標準)値とを比較し
た線図である。
【符号の説明】 A 熱三定数の測定装置 1 被測定物体 2 温度プローブ 2a 熱電対 2a’ 感温部 3 A/D変換器 4 メモリー機能を有するデータ収録装置 5 コンピューター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度プローブを利用して熱伝導率、熱拡
    散率、比熱容量の熱三定数を測定する方法であって、 温度プローブの感温部を被測定物体とは異なる温度に保
    ち、 この感温部を被測定物体表面へ接触面積が微小となるよ
    うに一点で接触させ、 接触直後のある時間内の温度変化を求めることによって
    熱三定数を計測することを特徴とする熱三定数の点接触
    式測定方法。
  2. 【請求項2】 被測定物体表面と微小面積で接触する感
    温部を自由な温度に制御できる温度プローブと、A/D
    変換器と、メモリー機能を有するデータ収録装置と、コ
    ンピューターとを備えることを特徴とする熱三定数の点
    接触式測定装置。
JP3230998A 1998-01-30 1998-01-30 熱三定数の点接触式測定方法 Pending JPH11218509A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003044509A1 (fr) * 2001-11-19 2003-05-30 The Circle For The Promotion Of Science And Engineering Methode et systeme d'analyse thermique

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