JPH11220857A5 - - Google Patents

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Description

【発明の名称】ブラシレス三相同期発電機
【特許請求の範囲】
【請求項1】主発電巻線を備えた固定子と、前記主発電巻線の極数の奇数倍の極数を有する固定子励磁巻線と、前記主発電巻線と磁気的結合をなす円筒型界磁を備えた回転子とを備え、該回転子にあらかじめ残留磁気が確立されたブラシレス三相同期発電機であって、
前記円筒型界磁に全節集中巻により巻装され、前記主発電巻線と同じ極数を有する多数の界磁巻線と
前記多数の界磁巻線のうち、前記固定子励磁巻線により奇数次空間高調波磁界に基づく主界磁束が形成される中心界磁巻線を、それぞれ互いに並列に接続した環流手段と、
前記多数の界磁巻線のうち、前記奇数次空間高調波磁界に基づいて前記中心界磁巻線に誘起される同位相の電圧に対して任意位相差の電圧が誘導されるとともに、互いに同位相となり前記中心界磁巻線とは異なる多数の界磁巻線を連続して接続した修正手段と、を備え、
前記多数の界磁巻線を連続して接続した修正手段は、それぞれを前記中心界磁巻線と並列に接続したことを特徴とするブラシレス三相同期発電機。
【請求項2】前記修正手段は、前記中心界磁巻線とは異なって連続する多数の界磁巻線にそれぞれ接続された多数のダイオードからなる請求項1記載のブラシレス三相同期発電機。
【請求項3】前記修正手段は、前記中心界磁巻線とは異って連続する多数の界磁巻線に少なくとも1つのダイオードを接続してなる請求項1記載のブラシレス三相同期発電機。
【請求項4】前記環流手段はダイオードからなる請求項1記載のブラシレス三相同期発電機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレス三相同期発電機に関し、特に固定子励磁巻線から発生する奇数次空間高調波磁束による回転子界磁巻線の誘導電流波形を改善し励磁効率を高めるよう工夫した回転子界磁巻線の回路構成関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブラシレス三相同期発電機について、特開平8−65976号公報の図1及び本願の図8に基づいて説明する。従来のブラシレス三相同期発電機1の固定子2側には、三相4極の主発電巻線 ,W ,W と、主発電巻線 ,W ,W の極数の奇数倍となる12極巻装された固定子励磁巻線W、可変抵抗R 及び多数のダイオードR で形成される直流電源が設けられている。一方、回転子側には、前記主発電巻線 ,W ,W と同極数であって、全節集中巻で回転子2に巻装された複数の回転子界磁巻線 設けられている。各回転子界磁巻線W はダイオードDによって短絡されている。
【0003】
複数の界磁巻線W f1 〜W f6 は4極に形成されるように円筒形状に巻装され(図8参照)、この界磁巻線W f1 〜W f6 はそれぞれダイオードD 〜D によって短絡して接続されている。
【0004】
上記ブラシレス三相同期発電機の無負荷時における作用について、以下説明する。回転子6側を回転させることにより、回転子鉄心の残留磁気によって主発電巻線 ,W ,W に起電力が誘導される。この誘導起電力によって主発電巻線 ,W ,W には交流電流が流れ、該交流電流によって主発電巻線 ,W ,W には電機子反作用磁界が生じる。また、直流電源を作用させて固定子励磁巻線 に直流電流を流すと、直流電流によって静止磁界が生じ、電機子反作用磁界と静止磁界が重畳された重畳磁界となる。この重畳磁界は、回転子の複数個の界磁巻線 のそれぞれに起電力を誘導する。この起電力はダイオードD 〜D によって半波整流されてその直流成分によって回転子の主磁束が増磁される。この主界磁束の増磁によって主発電巻線 ,W ,W の起電力がさらに増加する。このようにして無負荷における端子電圧が自己確立される。
【0005】
ここで、界磁巻線W f1 〜W f2 は、主発電巻線 ,W ,W の極数と同極数で回転子6に全節集中巻に巻装され、さらに、ダイオード 〜D 短絡されているので、奇数次の空間高調波磁界すべてに作用し、空間高調波磁界は界磁巻線W作る主界磁の増大に役立つ。
【0006】
この発電機三相抵抗負荷あるいは誘導性負荷を接続した場合、主発電巻線 ,W ,W から負荷電流が流出するため、負荷電流によって主発電巻線 ,W ,W が作る電機子反作用磁界が増大する。従って、電機子反作用磁界の奇数次空間高調波成分も負荷電流の大きさに比例して増大し、さらに奇数次高調波磁界の増大が界磁巻線 の誘導起電力の増加をもたらす。これにより、回転子の主磁束が増磁されて主発電巻線 ,W ,W の誘導起電力が増加する。そのため主発電巻線 ,W ,W のインピーダンス電圧降下は誘導起電力の増加によって補われることになり、励磁巻線 に直流電流を流す直流電源の容量が軽減できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
固定子励磁巻線 と磁気的に結合した回転子界磁巻線 に流れる電流はアンペアターンの法則
に支配され、界磁巻線 に流れる電流を半波整流しその直流分によって界磁起磁力を生じるようにしてある。従って、界磁巻線 の個数が少ないと漏れ磁束が多くなり、固定子励磁巻線 との磁気結合が悪く界磁巻線 の起磁力と固定子励磁巻線 の起磁力の比、すなわち、起磁力の増幅率が小さくなり、従って励磁用直流電源( AVR の容量が大きくなる。そのため、起磁力の増幅率が大きくAVRを小型化できる、いわゆる励磁効率のよい発電機の開発が望まれていた。また、界磁巻線 は回転子の円周上に均等に分布して巻装されているので、界磁束を有効に生じない巻線も存在することになって界磁効率が悪く、この効率の改善望まれていた。さらに、三相不平衡負荷又は単相負荷を接続した場合には、電機子反作用磁界の逆相分により回転子界磁巻線 基本周波数の2倍の周波数の起電力が誘導し、電圧降下の補償作用を有するものの、界磁巻線 の個数が多くなると増磁作用が大となって過補償になり、出力電圧が過電圧となることもあった。
【0008】
本発明の目的は、電機子反作用磁界の空間高調波成分との磁気的結合を有効に生かしながら、上記問題点を解決するブラシレス三相同期発電機を提供することにある。
【0009】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、主発電巻線を備えた固定子と、前記主発電巻線の極数の奇数倍の極数を有する固定子励磁巻線と、前記主発電巻線と磁気的結合をなす円筒型界磁を備えた回転子とを備え、該回転子にあらかじめ残留磁気が確立されたブラシレス三相同期発電機であって、前記円筒型界磁に全節集中巻により巻装され、前記主発電巻線と同じ極数を有する多数の界磁巻線と、前記多数の界磁巻線のうち、前記固定子励磁巻線により奇数次空間高調波磁界に基づく主界磁束が形成される中心界磁巻線を、それぞれ互いに並列に接続した環流手段と、前記多数の界磁巻線のうち、前記奇数次空間高調波磁界に基づいて前記中心界磁巻線に誘起される同位相の電圧に対して任意位相差の電圧が誘導されるとともに、互いに同位相となり前記中心界磁巻線とは異なる多数の界磁巻線を連続して接続した修正手段と、を備え、前記多数の界磁巻線を連続して接続した修正 手段は、それぞれを前記中心界磁巻線と並列に接続する、という技術的手段を講じた。
【0010】
また、請求項2の発明では、前記修正手段を、前記中心界磁巻線とは異なって連続する多数の界磁巻線にそれぞれ接続された多数のダイオードから構成した。
【0011】
請求項3の発明では、前記修正手段を、前記中心界磁巻線とは異なって連続する前記多数の界磁巻線に少なくとも1つのダイオードを接続して構成した。
【0012】
さらに、請求項4の発明では、前記環流手段をダイオードから構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のブラシレス三相同期発電機の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。図1、図2、図3及び図4は本発明のブラシレス三相同期発電機40の第1実施例を示し、図1は本発明による発電機の回路図の結線図を示す。
【0014】
本発明のブラシレス三相同期発電機40の固定子側は、従来のブラシレス三相同期発電機と同じである。すなわち、三相4極の主発電巻線42と、この主発電巻線42の極数(例えば、4極)の奇数倍の12極に巻装された固定子励磁巻線43と、ブリッジ回路に結線されたダイオード49及び可変抵抗器48を多数有する直流電源44と、により固定子41を構成する一方、主発電巻線42と同極数全節集中巻に形成された複数の回転子界磁巻線46を有した回転子45を構成する。本発明の発電機40の回転子界磁巻線46図2に示すように接続されている。ここで回転子鉄心に付与されたスロット数を36スロットとし、回転子界磁巻線が4極に形成されたと仮定して回転子を具体化して説明する。1極に対して9スロットが回転子鉄心上に割り当てられている。1組の回転子界磁巻線は4極に12スロットで巻装されている。そして、この巻線を3組形成して回転子鉄心の巻線となる。
【0015】
図3を参照すると、円筒状回転子鉄心上に巻線が示してあり、9個の界磁巻線Wf51〜Wf594極となるように全節集中巻で、かつ、ダイオードD 〜D を介して巻装されている。界磁巻線 W f51 W f57 とは、第3空間高調波を誘起して同相の電圧が誘導されるよう、互いに並列に接続し、そして、主界磁束の形成に有効に作用する中心界磁巻線Wf54 並列に接続する。この中心界磁巻線とは、主界磁束が形成される際、他の界磁巻線よりもより大きな磁束が形成される界磁巻線のことを示している。同様に、界磁巻線 W f52 W f58 とを並列に接続し、さらに、中心界磁巻線 W f55 と並列に接続する。また、界磁巻線 W f53 W f59 とを並列に接続し、さらに、中心界磁巻線 W f56 と並列に接続する。ダイオードD〜Dは整流素子となっている。
【0016】
さらに詳述すると、静止磁界の空間基本波と第3次空間高調波成分と第5次空間高調波成分とに関し、回転子の各スロット1〜36に巻装されている界磁巻線Wf51〜Wf59 の位置関係が図3に示してある。界磁巻線Wf51とWf57 は同相の電圧が誘起されるように並列に接続するとともに、逆位相の電圧が誘起される中心界磁巻線Wf54と並列に接続するものである。
【0017】
このブラシレス三相同期発電機40の作用を以下に説明する。回転子45を回転させると、回転子鉄心の残留磁気によって主発電巻線42に起電力が誘導される。この誘導起電力によって直流電源44及び固定子励磁巻線43を通じて主発電巻線42に交流電流が流れる。この交流電流に基づき、電機子反作用磁界が主発電巻線42の周りに形成される。直流電源44を作用させて固定子界磁巻線43に直流電流を流すことにより、固定子励磁巻線43の周りに静止磁界が生じる。電機子反作用磁界と静止磁界との重畳磁界は、回転子45の複数個の各界磁巻線46に起電力を誘導する。この複数個の界磁巻線46は静止 磁界及び電機子反作用磁界の奇数次の空間高調波成分の全てと磁気的に結合をなしている。界磁巻線46に誘導させる起電力は、界磁巻線46に設けたダイオードD D によってそれぞれ半波整流されその直流成分が回転子の主磁束を増磁する。主界磁束の増磁によって、主発電巻線42の起電力がさらに増加する。このようにして、無負荷における端子電圧が自己確立する。以上に説明した作用は従来の発電機と同様である。
【0018】
本発明では図3に示すように、界磁巻線 W f51 W f57 は同相の電圧が誘導されるよう、それぞれダイオード D 及び D を介して並列に接続する。並列に接続される界磁巻線 W f51 及び W f57 は、さらに主界磁束の形成に有効に作用する中心界磁巻線 W f54 と並列に接続される。中心界磁巻線 W f54 にはダイオードのような環流手段 D が接続されている。
【0019】
界磁巻線 W f51 及び W f57 に流れる電流は、それぞれダイオードD及びDによって半波整流され、その直流分が主界磁束の形成に有効に作用する中心界磁巻線Wf54に流れる。上記直流成分は環流ダイオードD にも作用し、中心界磁巻線W 54には大きな直流分起磁力が生じるので、主界磁束が増する。その結果は図4に示すとおりで、一般的な発電機に比べて、中心界磁巻線W f54 に流れる電流値は大幅に増大し、直流分の増大によって界磁巻線電流波形が大幅に平滑化されるものとなる。このため、起磁力の増大によって発電機の効率の改善が効果的に達成される。
【0020】
【実施例】
次に、本発明にかかる第2の実施例を図5により説明する。この実施例は界磁巻線W f51 とW f57 が同相で電圧が誘導されるよう、並列に接続して交流ループ回路60を形成するようにし、次に、ダイオード D を介して中心界磁巻線 W f54 と並列に接続する。この実施例で特筆すべき点は、多数の界磁巻線が同相で並列に直接接続され、さらに、少なくとも1つの共通ダイオード D を介して中心界磁巻線と並列に接続された点にある。この実施例ではループ回路60を備えているので、発電機に接続されている単相負荷によって生じる逆相回転磁界の空間基本波成分に基づいてW f51 とW f57 の両巻線に環流が流れ、その生じる電圧の位相が120°になる。したがって、ダイオードDを介して中心界磁巻線W f54 に流れる整流電流が減少し、Wf54による界磁束が少なくなって出力電圧の上昇が抑制される。また、逆相分回転磁界に起因する出力電圧波形の乱れが防止される。すなわち、回転子界磁巻線がダンパ巻線の作用を兼ねることになる。
【0021】
さらに、本発明にかかる第3の実施例を図6により説明する。この実施例は全節集中巻の多数の界磁巻線 W f51 W f59 が円筒型の回転子に巻装され、界磁巻線 W f52 W f59 の電圧が互いに同位相となり、奇数次空間高調波磁界により中心界磁巻線 W f54 に誘導される電圧に対して任意位相差の電圧が誘導されるように、界磁巻線 W f52 W f59 とをダイオード D D を介して並列に接続する。並列に接続された界磁巻線 W f52 W f59 は、さらに環流ダイオード D が接続された中心界磁巻線 W f54と並列に接続する。
【0022】
以上のような回路に形成すると、上述した第1の実施例と同様中心界磁巻線W f54 に流れる電流値は増大するとともに、界磁電流波形が大幅に平滑化される。実際には発電機に接続された負荷により、中心界磁巻線Wf54 に接続された界磁巻線Wf52及びWf59の電流位相と、中心界磁巻線 W f54の電流の位相とがずれる傾向を示すこともあるこの位相のずれを考慮し、第3の実施例では、無負荷時に位相がずれた状態であっても負荷時において位相のずれをゼロとすることができる。
【0023】
なお、第2の実施例と同様に、第3の実施例におけるブラシレス三相同期発電機は、界磁巻線W f52 及びW f59 より形成される交流ループ回路とすることもできる。この構 成により、単相負荷時逆相分回転磁界と鎖交して界磁巻線に生じる2倍周波数の交流ループ回路吸収され、交流に起因する出力電圧波形の乱れを防止することができるとともに、整流電流の減少によって自励現象による電圧を防止することができる。
【0024】
図7に示すものは、2つの中心界磁巻線W f54a ,W f54b 界磁巻線W f51 による回路と界磁巻線W f57 による回路とに振り分けた例を示している。本例の場合、スロット1(W f51 )とスロット7(W f57 )とが互いに干渉することが予想される場合に有効な結線となる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、界磁巻線に流れる電流は界磁束を有効に生じないので、ダイオードによって半波整流し、その電流の直流成分を界磁束の形成に有効に作用する中心界磁巻線に流すことによって、中心界磁巻線に流れる直流成分電流値が増大して電流波形が大幅に平滑化されることになる。電流が平滑化されると、界磁起電力が大きくなるとともに、励磁効率が改善され、発電機の効率を高めることができる。
【0026】
実際に発電機に負荷が接続された時は、中心界磁巻線に流れる電流の位相と、理論上では同じ位相となる他の界磁巻線に流れる電流の位相とがずれる傾向にある。このような位相間のずれを考慮して、無負荷時に位相がずれた状態にあっても、負荷時には同じ位相に接続することができる。
【0027】
そして、少なくとも2つの界磁巻線を直接接続した交流ループ回路を備えているので、単相負荷時の逆相分回転磁界と鎖交して界磁巻線に生じる2倍周波数の交流成分がループ回路に吸収され、交流成分に起因する出力電圧波形の乱れを防止することができるとともに、整流電流の減少によって自励現象による過電圧を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブラシレス三相同期発電機の結線図である。
【図2】本発明による回転子の回転子巻線1組を展開した結線図である。
【図3】全スロットに設けられ回転子巻線の3組結線図である。
【図4】本発明と従来技術とを比較した界磁電流波形図である。
【図5】回転子巻線にループ回路を備えた回路図である。
【図6】本発明の第2の実施例にかかる回路図である。
【図7】本発明の第3の実施例にかかる回路図である。
【図8】従来のブラシレス三相同期発電機の回転子を示す回路図である。
【符号の説明】
40 ブラシレス同期発電機
41 固定子
42 主発電巻線
43 固定子励磁巻線
44 直流電源
45 回転子
46 回転子励磁巻線
47 半導体素子
60 ループ回路
Wf 界磁巻線
D ダイオード
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