JPH11220906A - 被覆粒状肥料の製造方法 - Google Patents

被覆粒状肥料の製造方法

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JPH11220906A
JPH11220906A JP2334598A JP2334598A JPH11220906A JP H11220906 A JPH11220906 A JP H11220906A JP 2334598 A JP2334598 A JP 2334598A JP 2334598 A JP2334598 A JP 2334598A JP H11220906 A JPH11220906 A JP H11220906A
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JP
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solvent
gas
granular fertilizer
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coated granular
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JP2334598A
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Koichi Adachi
浩一 足立
Yasushi Terada
泰史 寺田
Kengo Zensei
健吾 前正
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒状肥料の表面を高分子化合物を主成分とす
る皮膜で被覆して、溶解速度を制御した被覆粒状肥料を
製造する方法であって、大規模生産に適した方法を提供
する。 【解決手段】 高分子化合物を主成分とする皮膜材料を
溶剤に溶解または懸濁させたコーティング液をガス気流
下で粒状肥料粒子に噴霧すると共に該溶剤を蒸発させ
て、該粒状肥料粒子表面に皮膜を形成する被覆粒状肥料
の製造方法において、使用したガスを循環再使用する。
コーティング液中の溶剤の噴霧速度を最大理論溶剤蒸発
速度の40%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒状肥料の表面を
高分子化合物を主成分とする皮膜で被覆して、溶解速度
を制御した被覆粒状肥料の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、農業分野においては様々な種類の
肥料が用いられてきており、形態的には固体粒状のもの
や液状のもの、肥効速度的には速効性のものから緩効性
のものまである。中でも特に、粒状肥料を高分子化合物
(樹脂)等でコーティング(被覆)したコーティング
(被覆)肥料は、肥料成分が長期にわたり徐々に放出さ
れる特徴があり、施肥回数が少なくて済む等の理由か
ら、近年の農業人口の減少に対応する省力型肥料として
注目されている。
【0003】このコーティング材には、従来、安価で汎
用的なポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂や、ポリ塩化ビニルおよびそれらの誘導体など
を主流として、その他、様々な樹脂が用いられている。
【0004】一方、被覆方法としては、樹脂成分を有機
溶剤に溶解させて溶液化したコーティング溶液を、ガス
気流下、粒状肥料粒子に連続的に噴霧し、同時に溶剤を
蒸発乾燥させて、粒子表面に樹脂層を積層していく(以
下、「スプレーコーティング」と称す。)方法が一般に
採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなコ
ーティング肥料を大規模にかつ効率的に製造する方法に
ついては、従来、ほとんど検討が行われていなかった。
【0006】大規模生産を行う際の問題点の一つは、溶
剤の取り扱いである。即ち、小規模生産の場合、スプレ
ーコーティングで排出されるガス中の有機溶剤蒸気は、
そのまま大気に解放する、吸着除去する、水で吸収す
る、あるいは焼却処理するなどの使い捨てが可能である
が、大規模生産の場合、このような方法は経済的ではな
い上に、溶剤処理の問題等も発生してくる。
【0007】一方、溶剤として可燃性の有機溶剤を使用
する場合、爆発・火災を防止するため、溶剤乾燥用のガ
ス(以下、「乾燥ガス」と称す。)として窒素等の不活
性ガスを使用することが考えられるが、この場合には不
活性ガスの効率的な使用法、空気の混入防止方法などを
検討する必要がある。
【0008】本発明は上記従来の実状に鑑みてなされた
ものであって、特に、被覆粒状肥料を大規模生産する場
合に好適な、工業的、経済的に有利な被覆粒状肥料の製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の被覆粒状肥料の
製造方法は、高分子化合物を主成分とする皮膜材料を溶
剤に溶解または懸濁させたコーティング液をガス気流下
で粒状肥料粒子に噴霧すると共に該溶剤を蒸発させて、
該粒状肥料粒子表面に皮膜を形成する被覆粒状肥料の製
造方法において、使用したガスを循環再使用する方法で
あって、前記コーティング液中の溶剤の噴霧速度を最大
理論溶剤蒸発速度の40%以下にすることを特徴とす
る。
【0010】スプレーコーティングに使用した乾燥ガス
を循環再利用することにより、溶剤の無駄やガスの無駄
が防止され、効率的な製造を行える。
【0011】即ち、使用済みの乾燥ガスを循環再使用す
ることで、溶剤の回収が可能となる。また、装置を完全
密閉化することもできるため、循環ガスに窒素等の不活
性ガスを用いる場合において、ガスの使用効率を高める
と共に、空気の混入を防止して、可燃性溶剤を安全に使
用することができるようになる。
【0012】ところで、このようなコーティング装置か
ら排出される溶剤蒸気を含んだ使用済みガスを一旦冷却
して、溶剤を凝縮分離回収したのち加熱して再びコーテ
ィング装置に戻すという乾燥ガスのリサイクルプロセス
を工業化する際の問題点として、使用済みガス中の溶剤
を凝縮分離する際の温度とコーティング液のスプレー速
度(噴霧速度)の兼ね合いが挙げられる。このうちコー
ティング液のスプレー速度は、通常、コーティング装置
内にスプレーしたコーティング液中に含まれる溶剤の乾
燥速度から決められる。即ち、スプレー速度が速すぎる
と、溶剤の乾燥が追いつかなくなり、肥料粒子が溶剤で
濡れた状態でコーティングが進行するため、粒子同士が
凝集接着した団粒が生じやすくなるという問題がある。
団粒は、肥料を機械的に施肥する際の粒子の流動性を悪
化させ、また、コーティング中に団粒が剥離すると皮膜
にピンホールが生じ、製品の肥料成分溶出パターンに悪
影響を及ぼすなどの不具合を生じるため、一般に製品中
の団粒の割合は重量で3%以下に抑える必要がある。し
たがって、団粒の生成を防止するために、コーティング
液(コーティング液中の溶剤)のスプレー速度は溶剤の
乾燥速度を十分に考慮して適度に抑える必要がある。
【0013】一方、溶剤の乾燥速度は、乾燥ガスの風
量、温度、溶剤蒸気濃度の関数となっている。このう
ち、風量と温度は、コーティング装置の機種や品質の問
題から一般的にはほとんど変えられないことが多い。し
たがって、乾燥速度は、コーティング装置に吹き込まれ
る乾燥ガス中の溶剤蒸気濃度(以下、「溶剤湿度」と称
す。)に依存している。これに対して、乾燥ガスのリサ
イクルプロセスにおける溶剤の凝縮温度を考えると、凝
縮温度を下げるほど溶剤湿度が低下するため、溶剤乾燥
速度の面からみて好ましいが、この場合には冷却装置が
過大なものになる。他方、凝縮温度を上げるほど、冷却
装置の面からは経済的であるが、溶剤湿度が増加するた
め、溶剤乾燥速度の面からはコーティング液のスプレー
速度を遅くする必要が生じ不都合である。
【0014】このように、乾燥ガスのリサイクルプロセ
スを経済的に実施するためには、溶剤の凝縮温度を上げ
る方向が好ましいが、この場合にはスプレー速度を低下
させる必要があり、生産性の低下を招くという相反した
状況が生じることになる。
【0015】しかしながら、従来において、溶剤湿度と
スプレー速度との関連については全く解明されておら
ず、生産性を低下させることなく、また、製品品質を損
なうことなく乾燥ガスのリサイクルプロセスを実現する
ことは困難であった。
【0016】本発明者らは、被覆粒状肥料の生産性と乾
燥ガスのリサイクルプロセスの経済性について検討した
結果、コーティング液中の溶剤のスプレー速度を一定範
囲に抑えることで、団粒の生成を防止して良好なコーテ
ィングを行うことができることを見出し、本発明に到っ
た。
【0017】本発明においては、ガス循環系路の閉塞等
の不具合を防止するために、使用済みガスを除塵した
後、循環再使用するのが好ましい。
【0018】また、除塵したガスは次いで冷却し、ガス
中の溶剤を凝縮することにより除去した後、循環再使用
し、この場合において、凝縮した溶剤も回収して再利用
するのが好ましい。また、溶剤を除去するために冷却し
たガスは加熱した後、循環再使用するのが好ましい。
【0019】本発明において、ガス循環用の送風手段
は、溶剤の凝縮除去のためのガス冷却手段の下流側に設
置するのが有利である。
【0020】また、本発明は、特に、高分子化合物とし
てポリオレフィン系樹脂を用いる場合に有効である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0022】まず、本発明に係る乾燥ガスのリサイクル
プロセスの全体構成について説明する。
【0023】図1は、本発明に係る乾燥ガスのリサイク
ルプロセスの実施の形態を示す系統図である。
【0024】図1中、1はコーティング装置であり、こ
の中で粒状肥料粒子とガス気流を接触させながら、コー
ティング液のスプレーを行う。2は、コーティング装置
1から排出された使用済みガス中に含まれる肥料の微粉
や肥料に添着しなかったコーティング材の微粉などの固
形物を除去する除塵装置である。この除塵装置2で使用
済みガスを除塵することにより、使用済みガスの循環系
路における配管閉塞等の不具合を防止することができ
る。
【0025】3は凝縮器であり、ここで使用済みガスを
冷却することにより、ガス中の溶剤蒸気を凝縮させて除
去し、溶剤をタンク4に回収する。使用済みガスを好適
に循環再使用するためには、この凝縮器3で凝縮除去す
る溶剤の量をコーティング装置1でスプレーした溶剤量
と同等とする必要がある。ここで回収された溶剤は、コ
ーティング液の調製に再使用することができる。
【0026】5はガス循環用の送風機であり、図示の如
く、凝縮器3の下流側に設けて冷却されて容量の小さく
なったガスを送風することで、送風機5が小型化され
る。
【0027】6は加熱器であり、凝縮器3で一旦冷却さ
れたガスを再び加熱しコーティング装置1へ送るたもの
ものである。この加熱器6では、少なくともコーティン
グ装置1でスプレーされる溶剤を蒸発させるに足る熱量
をガスに与える必要がある。なお、7は、コーティング
液の調整槽、8はコーティング液をコーティング装置1
内にスプレーするためのポンプである。
【0028】なお、図1は本発明に好適な製造プロセス
の一実施例を示すものであって、本発明はその要旨を超
えない限り、何ら図示のプロセスに限定されるものでは
ない。
【0029】例えば、送風機5は必ずしも凝縮器3と加
熱器6との間に位置させる必要はなく、除塵装置2と凝
縮器3との間、あるいは加熱器6とコーティング装置1
との間に配置することもできる。また、コーティング装
置1内の圧力を制御する目的で、これらの箇所に複数台
の送風機を設置することもできる。さらに、ガス循環系
路内のガスを外部のガスと置換するために、ガス吸引口
と排出口をガス循環系路の適切な場所に設けることもで
きる。その他、ガス循環系路の適当な箇所に、ガス流量
計、ダンパー、バルブ、温度計などの流量制御機器、計
測機器などを必要に応じて設置することもできる。
【0030】本発明は、特にバッチ式のコーティングプ
ロセスに適しているが、連続式のコーティングプロセス
にも同様に適用することができる。
【0031】次に、本発明におけるスプレー速度につい
て説明する。
【0032】本発明では、コーティング液中の溶剤のス
プレー速度が最大理論溶剤蒸発速度の40%以下となる
ようにスプレーを行う。ここで、最大理論溶剤蒸発速度
とは、造粒操作などの用語である最大理論水分蒸発速度
(例えば、日本粉体工業技術協会編「造粒ハンドブッ
ク」107頁)の水分を溶剤に置き換えたものである。
即ち、コーティング装置1で水をスプレーする場合を想
定してコーティング装置1を入出する乾燥ガス(風量一
定)の湿度を考えた場合、出口ガスの湿度は、入口ガス
の湿度に対し、装置内でスプレーされ蒸発した水分だけ
増加しているはずである。したがって、スプレー速度を
増加させて、出口ガスの湿度がその温度における飽和湿
度に達した場合、理論的にそれ以上蒸発は起こらないこ
とになる。この上限のスプレーされる水の速度を最大理
論水分蒸発速度という。これは、溶剤をスプレーする場
合も同じである。以上のことを数式で表現すると次のよ
うになる。
【0033】最大理論溶剤蒸発速度E、およびスプレー
されるコーティング液中の溶剤のスプレー速度Wは、次
式、で表される。
【0034】 E=(q/v)(HS−H)…………………… W=FS …………………… E: 最大理論溶剤蒸発速度(kg/hr) q: 乾燥ガスの風量(m3/hr) v: 乾燥ガスの湿り比容(m3/kg-dry air) HS :出口乾燥ガスの飽和溶剤湿度(kg-溶剤/kg-dry a
ir) H :入口乾燥ガスの溶剤湿度(kg-溶剤/kg-dry air) W :スプレーされる溶剤速度(kg/hr) F:コーティング液のスプレー速度(kg/hr) S:コーティング液の溶剤濃度(kg/kg) ここで、出口ガスの温度は、スプレー中の粒子群に温度
検出端子を挿入して測定した温度(品温)とする。も
し、W<Eの状態であれば溶剤の蒸発は理論的には起こ
るはずである。
【0035】次に、スプレーされる溶剤速度Wと最大理
論溶剤蒸発速度Eとの比をRと定義すると次の式の通
りである。
【0036】 R=100(W/E)(%)……………… Rは、溶剤蒸発の推進力の指標と考えられ、100%に
近づくほど、蒸発速度は低下するはずである。このRを
40%以下の範囲にとることが本発明の意味するところ
である。
【0037】本発明者らの検討によると、Rが40%を
超えると、団粒が増加する。これは、溶剤の蒸発速度が
低下したため、肥料粒子表面が濡れた状態でコーティン
グが進行するためと推定される。一方、Rが低すぎると
製品品質としては良好であるが、スプレー速度が遅くな
りすぎるか、または溶剤凝縮温度が低くなりすぎるた
め、いずれにしても工業的な生産効率の面から好ましく
ない。Rとしては、特に5〜20%、即ち、コーティン
グ液中の溶剤のスプレー速度は最大理論溶剤蒸発速度の
5〜20%、とりわけ10〜20%とするのが好まし
い。
【0038】次に、本プロセスによる被覆粒状肥料の製
造方法、被覆肥料およびコーティング材等の種類、使用
する装置・機器等について説明する。
【0039】(1)製造方法 調整槽7にて後述の溶剤に主成分ポリマー、界面活性
剤、その他添加剤を溶解させ、さらに必要に応じて無機
粉体を添加することによりコーティング溶液を調製す
る。一方、原料の粒状肥料をコーティング装置1に仕込
み、このコーティング装置1内に加熱器6から循環され
る熱ガス気流により品温を30〜100℃、好ましくは
40〜80℃に保ちながら、コーティング装置1のスプ
レーノズルで、調整槽7からポンプ8により供給される
コーティング溶液を噴霧することによりコーティングを
行う。なお、ここでいう品温とは、噴霧されている状態
の肥料粒子集団に、直接、温度検出端子を挿入して測定
される温度をいう。この品温の調整、保持は、溶剤を蒸
発除去するためにコーティング装置1内に供給する熱ガ
ス気流で行う。熱ガス気流の温度は、当然ながら、品温
以上必要であり、通常、50〜150℃である。その流
速は、溶剤除去速度、品温および粒子の流動状態などを
勘案して決定される。コーティング材の添着量(被覆
率)は、原料の粒状肥料に対し3〜20重量%、好まし
くは5〜15重量%である。また、スプレーコーテイン
グの時間は、コーティング溶液濃度、噴霧速度、被覆率
等により決められるが、通常、0.1〜10時間、好ま
しくは0.2〜3時間である。コーティング終了後は、
そのままコーティング装置1から肥料を抜き出すことに
より被覆粒状肥料を得ることできる。
【0040】(2)原料となる粒状肥料 粒状肥料(原肥)には、特に制限はなく、尿素、硫安、
塩安、塩化カリ、硫酸カリ、燐酸アンモニウム等の粒状
の単肥の他に、N、K2O、P25等の多成分を含む粒
状の肥料が使用される。粒状肥料の粒径、形状は特に限
定されないが、一般に粒径0.5〜4mmで、角張った
形態や異形形態のものより、球状または球状に近い形態
の粒子の方が好ましい。
【0041】(3)コーティング(被覆)材料 被覆材料としての高分子化合物の種類には、特に制限は
なく、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
ウレタン、エチレン−酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂、ア
ルキド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂
等の熱硬化性樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、その他、天然ゴムやSBR,NBRなどの合
成ゴム、更には、ポリカプロラクトン、ポリ酪酸、脂肪
族ポリエステル、ポリグリコリット、ポリビニルアルコ
ール、酸化ポリエチレン等の分解性ポリマーが挙げられ
る。これらのうち、透湿性が低いため少量でも溶出防止
効果の高い熱可塑性樹脂が好ましく、特にポリエチレン
やポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が適してい
る。これらの樹脂は単独でも、2種以上の混合物として
用いることも可能である。また、被覆する目的を損なわ
なければ、高分子化合物に加えて他の無機物や有機物を
共存させても構わない。例えば、上記の様な透水性の高
い樹脂で被覆した場合には、溶出性の調整や樹脂の増量
等の目的で、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、ケイソ
ウ土、シリカ、金属酸化物、イオウ等の無機物質の他、
界面活性剤、ワックス、可塑剤等の有機物質を加えても
構わない。
【0042】(4)溶剤およびコーティング液 溶剤種には特に制限はなく、様々な条件を考慮して適宜
選択される。その判断材料としては、皮膜材料となる高
分子化合物の溶解力、溶解温度、ハンドリング性、回収
の容易さ、毒性、安全性、価格等が挙げられる。例え
ば、皮膜材料としてポリオレフィン系樹脂、特に低密度
のポリエチレンを用いる場合は、ヘキサン、オクタン、
トルエン、キシレン、テトラリン等の炭化水素系溶剤、
トリクロロエチレン、パークロロエチレン等の塩素化炭
化水素系溶剤が好ましい。
【0043】コーティング液の濃度についても特に限定
されない。コーティング液の濃度を高くすると溶剤の使
用量が低減しかつ処理時間が短くなるので好ましい。ま
た、コーティング液の濃度を低くすると溶液の粘度が低
くなりハンドリング性が良好になる。ただし、スプレー
コーテイングする場合は、使用するスプレーノズルおよ
び噴霧圧力に応じ、適当な噴霧状態が得られる粘度にな
るよう濃度を調整する必要がある。具体的な例を挙げる
と、コーティング材料として低密度ポリエチレンを用
い、溶剤としてパークロロエチレンを用いる場合、コー
ティング溶液の濃度は1〜12重量%、好ましくは3〜
10重量%である。なお、一般に、高分子化合物は低温
時には溶剤不溶のものが多いため、溶解に際しては通常
加熱撹伴が必要である。
【0044】(5)コーティング装置 コーティング装置としては、粒状物質を混合撹伴し、か
つ気流と十分接触せしめる構造、機能を持った装置であ
れば良く特に限定されない。混合撹伴方式で分類する
と、撹伴翼を用いて混合撹伴するタイプの装置として
は、例えば、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等
が挙げられる。装置自身の運動に付随して粒状物質を撹
伴するものとしては、回転ドラム式コーター(特開昭5
2−61216号公報)、回転パン式コーター(特開平
5−85873号公報)、回転落下式コーター(特開平
7−8869号公報,同7−31914号公報)などが
挙げられる。また、振動力で撹伴する振動流動装置(特
開平1−245847号公報)は、大量の粒状物質を激
しく撹伴できるので好ましい。気力で撹伴するタイプと
しては、粒子を吹き飛ばして循環混合するワースター型
または噴流層型コーター、粒子を浮遊流動させる方式と
しては、流動層型コーター(特公平4−61840号公
報)などが挙げられる。
【0045】コーティング液の粒状物質への添着は、通
常、一流体もしくは二流体スプレーノズルを用い、撹伴
粒子中の適切な位置に噴霧することによって行う。ま
た、溶剤の蒸発乾燥除去は前述の通り、循環再使用され
る熱ガス気流で行うが、そのガスとしては、空気のほか
に、安全面から窒素、炭酸ガスなどの不活性ガスも使用
できる。
【0046】(6)除塵装置 除塵装置としては通常の集塵機が用いられる。その種類
は特に限定されないが、例として、サイクロンのような
遠心集塵機、バグフィルター、カートリッジフィルタ
ー、プリコートフィルターなどの濾過集塵機、コットレ
ル集塵機のような電気集塵機などが挙げられる。集塵機
の選定に当たっては、捕集する微粉の粒径、その量、使
用条件でのガス流速、圧力損失、温度などの状況を考慮
する必要があるが、本発明のプロセスにおいては、バグ
フィルターもしくはサイクロンとバグフィルターの組み
合わせが好ましい。 (7)凝縮器および加熱器 凝縮器および加熱器としては通常の熱交換器が用いられ
る。その種類は特に限定されないが、その例として、多
管式熱交換器、二重管式熱交換器、うず巻板式熱交換
器、フィンチューブ式熱交換器、プレートフィン式熱交
換器、プレート式熱交換器、カスケード式冷却器、チュ
ーブフロー式熱交換器、ボックスクーラー、直方型熱交
換器などが挙げられる。選定の基準としては、ガス流
量、交換熱量、温度、価格などが挙げられるが、本発明
においては、多管式熱交換器、フィンチューブ式熱交換
器が好適である。熱交換用熱媒としては、蒸気、温水、
オイル、冷水、ブラインなどが適宜使用できる。また、
コーティング液から排出された使用済みガスとコーティ
ング装置に導入される除塵、溶剤除去後のガスとを熱交
換するようにしても良い。
【0047】(8)送風機 送風機としては、通常のファン、ブロワーなどの送風機
または圧縮機が用いられる。その種類は特に限定されな
いが、例として、ターボ型の軸流式または遠心式送風
機、容積型の回転式または往復式圧縮機などが挙げられ
る。選定に当たっては、取り扱うガスの性質、流量、必
要圧力、温度などを考慮する必要があるが、本発明にお
いては、ターボ型遠心式の送風機が適している。
【0048】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】実施例1〜10、比較例1,2 図2に示すガス循環できる設備を用いて被覆粒状肥料の
製造を行った。
【0050】なお、図2のガス循環再使用プロセスは図
1に示すガス循環再使用プロセスにおいて、ガス吸引口
と排出口や、ガス流量計、ダンパー、バルブ、温度計な
どの流量制御機器、計測機器などを設置した点が異な
り、その他の基本的な構成は同様の構成とされており、
図2において図1に示す部材と同一の機能を奏する部材
には同一符号を付してある。
【0051】本実施例においてコーティング装置1とし
ては流動層型コーティング装置(流動床径25cm、高
さ150cm)を用いた。除塵装置2として濾過面積2
2のバグフィルターを設置した。凝縮器3としては伝
熱面積40m2の横型フィンチューブ式熱交換器を用
い、冷却液として0℃の冷水を流通させた。冷水の入口
にはコントロールバルブV1を設置し、温度調節器11
によりガスの出口側の温度計11Aの指示に合わせて冷
水の流量を制御できるようにした。また、凝縮液出口に
は容量30Lの溶剤回収用のタンク4を設けた。送風機
5には、片吸込型1段ターボブロワーを使用した。加熱
器6としては、伝熱面積9m2の横型フィンチューブ式
熱交換器を設置し、熱媒として圧力1.5kg/cm2
の蒸気を流通させた。蒸気の入口にはコントロールバル
ブV2を設置し、コーティング装置1のガスの入口側の
温度調節器12により温度計12Aの指示に合わせて蒸
気の流量を制御できるようにした。また、加熱器6の下
流側に、オリフィス型ガス流量計13を設け、送風機5
の後に設置したダンパー14の開度によってガス流量を
コントロールできるようにした。さらに、ダンパー14
の両側に窒素ガスの吸引口14Aと排出口14Bを取り
付けた。送風機5とダンパー14との間には、酸素濃度
計15を設置した。これらの各機器をつなぐ循環系の配
管は125Aの鋼管を用いた。
【0052】なお、スプレーノズルとして一流体ノズル
1個をコ−ティング装置1内に設置した。
【0053】調整槽7にて、皮膜材料として低密度ポリ
エチレン(密度0.92、MFR23)、エチレン−α−オ
レフィン共重合体(密度0.88、MFR3.6)、タ
ルクおよびノニオン系界面活性剤を5:2:3:0.6
(重量比)の割合で合計1.5kgを溶剤のテトラクロ
ロエチレン23kgに加え、80℃で溶解させコーティ
ング溶液を調製した(溶液濃度6重量%、溶剤濃度94
重量%)。
【0054】原料肥料として平均粒径2.5mmの粒状
尿素10kgを上記の流動層コーティング装置1に仕込
んだ。次に、ダンパー14を閉じて、窒素ガス吸引口1
4Aから窒素ガスをガス循環系に導入し、ガス排出口1
4Bから排出することにより、系内の空気を窒素ガスで
置換した。酸素濃度計15の読みが酸素濃度1%以下に
なった時点で、窒素ガス吸引・排出口14A,14Bを
閉じて、ダンパー14を開けた。その後、送風機5を起
動し、ガスが所定の流量で各機器を循環するようにダン
パー14の開度を調節した。この際、コーティング装置
1内の肥料が流動状態となった。 一方、凝縮器3の出
口ガス温度、コーティング装置1の入口ガス温度をそれ
ぞれ所定の温度に保つように設定し、それぞれが設定温
度になった時点で、コーティング液供給ポンプ8を起動
し、所定の流量で所定時間コーティング液をスプレーし
た。この間、各設定温度は設定値に保たれた。循環ガス
系内の酸素濃度も1%以下に保たれた。また、凝縮器3
につけた回収溶剤タンク4には、連続的に凝縮した溶剤
が流れ込む様子が観察された。ポンプ8を停止後、窒素
ガス吸引口14Aと排出口14Bを開き、ダンパー14
を締め切りガス循環系に残った溶剤ガスを窒素ガスでパ
ージした。その後、コーティング肥料を取り出した。
【0055】このスプレーコーティングにおいて、乾燥
ガスの流量、品温、溶剤凝縮温度(凝縮器出口温度)、
およびコーティング溶液のスプレー速度は次の範囲に設
定した。
【0056】 乾燥ガス流量 : 500Nm3/hr 品温 : 60℃ 凝縮温度 : 5、20、40、50℃の各温度 スプレー速度 : 60、80、100kg/hrの各
速度 ここで、品温は、肥料粒子中に熱電対を挿入して測定し
た。溶剤のスプレー速度を変えた場合は、乾燥ガス加熱
器の出口温度を調節することにより、品温60℃一定と
なるようにした。また、コーティング時間は、スプレー
速度から計算して肥料粒子についた被覆材の重量が粒子
重量の10%(被覆率10%)となる時間とした。
【0057】最大理論溶剤蒸発速度等の計算方法は次の
通りである。
【0058】乾燥ガスの風量qには、乾燥ガス流量50
0Nm3/hrを品温の60℃に温度補正して、610
3/hrを用いた。溶剤のテトラクロロエチレンの温
度と飽和蒸気圧は、次の関係式から計算した(化学便
覧第5版から)。
【0059】logP=7.02 - 1415.49/(221+T)…… P:飽和蒸気圧(mmHg) T:温度(℃) 出口乾燥ガスの飽和溶剤湿度HS、入口乾燥ガスの溶剤
湿度Hのうち、Hは、H=(166/29)(P/(760-P))から計
算した。ここで、166と29は、テトラクロロエチレ
ンと空気の分子量、760は大気圧である。HSは品温
60℃の値として、式からP=96.1を代入して、 HS
=0.829となる。本例においては、品温は60℃一定と
したので、HS=0.829で一定である。
【0060】一方、Hは、たとえば凝縮温度20℃の場
合、上記式からP=14.02で、H=0.108となる。ま
た、乾燥ガスの湿り比容vは、下記式から計算した。
【0061】v=0.0826(273+T)(1/29+H/166)…… T=60とし、凝縮温度20℃の場合、H=0.108を代
入して、v=0.960となる。Fは、実験のコーティング
溶液のスプレー速度の値、Sは溶剤濃度0.94を用いた。
【0062】これらの値を前記、式に代入すること
で、最大理論溶剤蒸発速度E、およびスプレーされる溶
剤速度Wが求められる。
【0063】得られたコーティング肥料20gをサンプ
リングし、そのうち団粒化しているものを拾い出して重
量を測定して20gに対する割合(団粒化率)を計算し
た。サンプリングは2回行い、その平均を団粒化率とし
た。
【0064】得られたコーティング肥料の団粒化率を、
その時のコーティング条件とともに表1にまとめた。
【0065】
【表1】
【0066】表1より、最大理論溶剤蒸発速度に対する
スプレーされる溶剤速度の割合Rが40%を超えないス
プレー速度または凝縮温度では、団粒化率は3%以下で
良好であるが(実施例1〜10)、R>40%の条件で
は、あきらかに団粒化率が増加することが分かる(比較
例1,2)。
【0067】なお、得られたコーティング肥料につい
て、仕込んだ元の肥料重量からの増加分を計算した結
果、いずれの場合もスプレーした皮膜材料に対し99%
がコーティングされていることが確認された。一方、回
収溶剤は、各実施例の平均で15kgであり、約96%
が回収された。また、バグフィルターを調べたところ、
各バッチにおいて約30gの尿素粉と皮膜材料の粉が付
着していた。
【0068】この被覆粒状肥料の製造工程において、系
内を密閉していたため、空気の混入はなく、窒素を効率
的に循環再使用できた。また、タンク4に回収した溶剤
はコーティング液の調製に有効に再使用することができ
た。
【0069】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の被覆粒状肥
料の製造方法によれば、使用済みガスを循環再使用する
ことで、溶剤の回収が可能となる;装置を完全密閉化す
ることができるため、循環ガスに窒素等の不活性ガスを
用いる場合において、ガスの使用効率を高めると共に、
空気の混入を防止して、可燃性溶剤を安全に使用するこ
とができるようになる;このような使用済みガスの循環
再使用に当り、製品被覆粒状肥料の団粒化を防止して、
高品質の被覆粒状肥料を効率的に製造することができ
る;などの効果が奏され、被覆粒状肥料の大規模生産を
工業的、経済的に有利に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥ガスのリサイクルプロセスの
実施の形態を示す系統図である。
【図2】実施例で採用した乾燥ガスのリサイクルプロセ
スを示す系統図である。
【符号の説明】 1 コーティング装置 2 除塵装置 3 凝縮器 4 タンク 5 送風機 6 加熱器 7 調整槽 8 ポンプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子化合物を主成分とする皮膜材料を
    溶剤に溶解または懸濁させたコーティング液をガス気流
    下で粒状肥料粒子に噴霧すると共に該溶剤を蒸発させ
    て、該粒状肥料粒子表面に皮膜を形成する被覆粒状肥料
    の製造方法において、使用したガスを循環再使用する方
    法であって、前記コーティング液中の溶剤の噴霧速度を
    最大理論溶剤蒸発速度の40%以下にすることを特徴と
    する被覆粒状肥料の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、使用したガスを除塵
    した後、循環再使用することを特徴とする被覆粒状肥料
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、除塵したガスを冷却
    し、ガス中の溶剤を凝縮させて除去した後、循環再使用
    することを特徴とする被覆粒状肥料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、凝縮した溶剤を回収
    して再使用することを特徴とする被覆粒状肥料の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4において、溶剤を除去し
    たガスを加熱した後、循環再使用することを特徴とする
    被覆粒状肥料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれか1項におい
    て、ガス冷却手段の下流側にガス循環用の送風手段を設
    置することを特徴とする被覆粒状肥料の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、高分子化合物がポリオレフィン系樹脂であることを
    特徴とする被覆粒状肥料の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351337A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Chuo Spring Co Ltd 潤滑剤を含むコントロールケーブルの製造方法および潤滑剤を含むコントロールケーブル

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