JPH11221391A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JPH11221391A
JPH11221391A JP4111898A JP4111898A JPH11221391A JP H11221391 A JPH11221391 A JP H11221391A JP 4111898 A JP4111898 A JP 4111898A JP 4111898 A JP4111898 A JP 4111898A JP H11221391 A JPH11221391 A JP H11221391A
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幸弘 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上糸と下糸とを確実に切り分ける。 【解決手段】 本発明のミシンには、軸47で略水平に
一体回動自在に支持された移動刃48及び糸案内プレー
ト49と、移動刃48の両側に配設された一対の固定刃
45,46とを備えた糸切断装置14が針板の下側に設
けられている。移動刃48は刃48a,48bを備え、
固定刃45,46は、それぞれ刃45a,46aを備え
ている。糸切断装置14は移動刃48を回動させ、一対
の刃48a,45a又は刃48b,46aを合致させて
糸を切断する。このとき、糸案内部材49の糸案内部4
9bが糸の切断しない部位を移動刃48の移動軌跡外に
案内する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縫製終了後に縫製
用の糸を切断する糸切断装置を備えたミシンに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の糸切断装置を備えたミシンとし
て、例えば、特開平3−143481号公報に開示され
た刺繍ミシンがある。図18〜図23に示すように、こ
の刺繍ミシンの糸切断装置80は枢軸85を用いて針板
91の下面側に枢着された一対のカッタ要素81,82
を備え、該各カッタ要素はそれぞれ刃81a,81b及
び刃82a,82bを有している。カッタ要素82には
その下側に下糸引出片86が一体に形成してある。カッ
タ要素80,81は、被動片96,97を介して駆動レ
バー84の係合穴84a,84bに係合されており、該
駆動レバー84は駆動機構(図示略)によって軸83を
中心に回動されるようになっている。また、糸切断装置
80は、上糸94を上糸掛片87に巻き掛けて、上糸9
4を加工布Wに連なる側(以下、「加工布側」とい
う。)の上糸94aと、針(図示略)に連なる側(以
下、「針側」という。)の上糸94bとに振り分ける上
糸振分機構を備えている。
【0003】この糸切断装置80で上糸94を切断する
ときは、まず、上糸振分機構を作動させて上糸掛片87
を釜88の中に進入させ、釜88の回動と針(図示略)
の上下動とを一時的に行ない、図18及び図19に示す
ように上糸94が上糸掛片87に巻き掛かった状態にす
る。次に、同図の矢印方向にレバー84を回動させる
と、図20に示すように刃81b,82bが針孔90の
下で合致し、両刃の移動経路内側(加工布側)の上糸9
4aを切断する。また、下糸95を切断するときは、図
21及び図22に示す状態から同図の矢印方向にレバー
84を回動させる。すると、下糸引出片86が下糸95
を引っ掛けて一定長さを釜88から引き出してから、図
23に示すように刃81b,82bが針孔90の下で合
致して下糸95を切断する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上糸94を
上糸掛片87に巻き掛けるときに、下糸95が刃81
a,82aの移動経路内側の上糸94aに絡むことがあ
る。このとき、図24に示すように下糸95の絡む位置
が上糸掛片87の近くになると、刃81a,82aの移
動経路内に下糸95が入り、上糸94と同時に下糸95
も切断されてしまう。
【0005】また、加工布側の糸残量は、例えば、伸び
やすい糸のときは縮みを考慮して少し長めに切断するな
ど、糸の性質に応じて調節する必要がある。ここで、針
板91と釜88との間隔は狭く、糸の切断位置を垂直方
向に移動させることが困難であるため、水平方向に移動
させる必要がある。しかし、一対のカッタ要素81,8
2は枢軸85及び被動片96,97の3軸で回動されな
がら両カッタ要素81,82が移動するように構成され
ているため、カッタ要素81,82の合致位置(糸の切
断位置)の調節は非常に困難である。仮にカッタ要素8
1,82の合致位置を水平方向に移動させたとしても、
今度は一方のカッタ要素が先に糸と接触することにな
り、両カッタ要素81,82が合致する前に糸が切れ、
加工布側の糸残量が短くなることがあるという問題が発
生する。
【0006】さらに、互いに離れた複数の小区域を縫製
するときのように、小区域を縫製してすぐに糸を切断す
ると、縫い始め側の糸が加工布Wの裏面に縫い込まれず
に、長く残る。この残った糸は、前記糸の切断時にカッ
タ要素81,82の移動経路内に偶然入って切断される
こともあるが、多くは長く残ったままになり加工布Wの
裏面側の仕上がりを低下させていた。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決し、上糸
と下糸とを確実に切り分けられ、加工布側の糸残量を容
易に調節でき、所望の切断位置で糸を確実に切断でき、
さらに、長く残った縫い始め側の糸を短く切り揃えるこ
とができるミシンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のミシンは、針板の下側で略水平に相対移動
する一対の刃の合致により糸を切断する糸切断装置を備
えたミシンにおいて、糸の切断しない部位を前記各刃の
移動軌跡外に案内する糸案内部材を、一方の刃とともに
移動するように構成したことを特徴とする。
【0009】また、本発明のミシンは、針板の下側で略
水平に相対回動する一対の刃の合致により糸を切断する
糸切断装置を備えたミシンにおいて、一方の刃を固定
し、他方の刃を回動自在に構成したことを特徴とする。
【0010】また、本発明のミシンは、針板の下側で略
水平に相対回動する一対の刃の合致により糸を切断する
糸切断装置を備えたミシンにおいて、前記針板の下面に
該針板の針孔の周縁から下方へ突出する環状突部を設け
たことを特徴とする。
【0011】前記環状突部の下端位置は、特に限定され
ないが、該環状突部の下端と、前記針孔の下側を通過す
る前記刃の上面との間に少なくとも糸が自由に通過可能
な間隔を残し、該刃の上面になるべく近い方が好まし
い。
【0012】また、本発明のミシンは、針板の下側で一
対の刃の合致により糸を切断する糸切断装置を備えたミ
シンにおいて、長く残った縫い始め側の糸を前記刃の移
動軌跡内に進入させる糸進入手段を備えたことを特徴と
する。
【0013】また、本発明のミシンは、針板の下側に位
置された一対の突部を有する上糸掛片に上糸を巻き掛
け、前記針板の針孔及び前記一対の突部を頂点とする三
角ループ状に上糸を張り、該三角ループ状の上糸の一方
の斜辺部を下糸から遠ざけ、一対の刃の合致により前記
一方の斜辺部を切断する糸切断装置を備えたミシンにお
いて、前記一方の斜辺部の垂直に対する傾斜角度が0°
から17°になるように構成したことを特徴とする。
【0014】ここで、前記一方の斜辺部の垂直に対する
傾斜角度を0°から17°としたのは、該傾斜角度がこ
の範囲にあれば前記一方の斜辺部に下糸が絡んだとき
に、絡む位置が前記針孔の近くになり易くなるため、該
斜辺部に下糸が近寄って該斜辺部とともに下糸が切断さ
れるという問題の発生を低減できるからである。さら
に、前記傾斜角度が0°から11°であれば、下糸の絡
む位置が前記針孔の近くによりなり易くなるため好まし
く、該傾斜角度が0°に近い程より好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を刺繍ミシンに具体
化した第一実施形態について、図1〜図16を参照して
説明する。図1〜図6に示すように、刺繍ミシン1は本
体フレーム(図示略)に設けられたアーム3を備え、ア
ーム3には可動ヘッド4が垂直軸線の周りで回動可能に
支持されている。可動ヘッド4には複数本の針棒5が上
下動可能に配列され、各針棒5には針6及び布押え18
が取付けられている。可動ヘッド4の下方にはベッド1
0が設けられ、ベッド10には針孔11を備えた針板1
2が設けられている。針板12の下側には釜13が設置
されるとともに、釜13の近傍には糸切断装置14と上
糸振分機構41とが設置されている。また、ベッド10
の上方には加工布Wを張設した刺繍枠9が配置され、駆
動枠(図示略)によって刺繍データに基づいて水平移動
されるようになっている。
【0016】アーム3には針棒5と平行な状態で案内棒
20が取付けられ、案内棒20には昇降体21が上下動
自在に装着されている。昇降体21には係合子22が水
平回動自在に軸着されており、係合子22が針棒5の先
端部5aに係合しているときに針棒5を上下に駆動する
ようになっている。針6の上方には天秤15が昇降可能
に配設され、天秤15と針6との間にはエプロン16が
設けられている。エプロン16には針棒5と同数の上糸
挟持部材17が内装されており、上糸挟持部材17は後
述する上糸引掛部材30が上糸7を引き寄せた後に、天
秤15と針6との間で上糸7を挟持するようになってい
る。上糸7はボビンから糸道装置(いずれも図示略)を
介し、糸ガイド23、天秤15、エプロン16、針6、
布押え18、針孔11を通して釜13に供給され、この
上糸7と釜13から繰り出された下糸8とを用いて加工
布Wに刺繍縫目が形成される。
【0017】また、アーム3には取付板27が前下がり
の斜状に固定され、その後端にはステッピングモータ2
8が設置されている。取付板27の上面にはガイド29
を介して上糸引掛部材30が前後に摺動可能に支持さ
れ、その先端にはフック31が形成されている。上糸引
掛部材30は、ステッピングモータ28により摺動さ
れ、針6と釜13との間の上糸7を引掛けて針6の後方
へ引き寄せるようになっている。そして、上糸7は可動
ヘッド4に取り付けられた上糸把持具32により上糸引
掛部材30から外されて保持されるようになっている。
【0018】針板12には、図6に示すように垂直方向
に孔12aが設けられ、該孔12aには縫製時に布押え
18とともに加工布Wを挾持する布保持部材35が取り
付けられている。布保持部材35は、中央に針が貫通す
る針孔11が設けられた円板部と、該円板部の下面側に
おいて針孔11の周縁から下方に延設されたパイプ部3
6とを備えている。パイプ部36は針板12の上面側か
ら孔12aに挿入され、その下端部は針板12の下方に
突出し、後述する糸切断装置14の移動刃48の上面の
近くまで延設されている。このパイプ部36の針板12
の下面からの突出部分が、針板12の下面に該針板12
の針孔11の周縁から下方へ突出する環状突部である。
パイプ部36の下端と移動刃48の上面との間には、少
なくとも上糸7及び下糸8が通過可能な間隔がおかれて
いる。円板部37の上面側の周縁は加工布Wの表面を傷
めないように面取りされている。
【0019】糸切断装置14は、図2及び図3に示すよ
うに針板12の下側でベッド10に固定されたベース部
50を備えている。ベース部50の水平板部と基台部と
に貫設された穴50a,50cには、軸47が回動自在
に支持されており、該軸47は駆動機構(図示略)によ
り回動されるようになっている。軸47の上端部には糸
案内部材としての糸案内プレート49と移動刃48とが
略水平に一体回動可能に取り付けられている。移動刃4
8は刃48a,48bを備えている。穴50aの後方に
は段部50bが設けられており、その前壁は移動刃48
及び糸案内プレート49の回動範囲を約90°に規制す
るようになっている。また、段部50bの上面かつ穴5
0aの両側方にはそれぞれ固定刃45,46が止めネジ
51で固定されている。固定刃45,46は、それぞれ
刃45a,46aを備えている。
【0020】固定刃45,46は、それぞれ図8の線4
5b,46bの位置で下方に2°(例示であってこれに
限定されない。)曲げられ、固定刃45,46の刃45
a,46aが移動刃48の刃48a,48bに少し強め
に当たり、上糸7及び下糸8を確実に挟み切りするよう
になっている。固定刃45の先端かつ固定刃46側の角
は、釜13から抜けたループ状の上糸7がこの角に引っ
掛からないように鈍角に形成されている。また、移動刃
48の軸側上面の両側部には斜面部48cが設けられて
おり、移動刃48が固定刃45,46の下側に入るとき
に同刃の刃先を上に上げ、固定刃45,46と移動刃4
8との接触を和らげるようになっている。また、移動刃
48の先端側にも斜面部48dが設けられている。
【0021】糸案内プレート49は略扇形状に形成され
ており、その円弧部の固定刃45側の端部には上糸引掛
用の爪部49aが設けられている。爪部49aは、糸案
内プレート49の回動時にその先端が針孔11の略中心
を通過するように形成されており、後述する上糸振分機
構41により振り分けられた加工布側の上糸7a(上糸
7の切断部位)を刃48aの移動経路内に引き寄せるよ
うになっている。糸案内プレート49の円弧部は、針側
の上糸7b(上糸7の切断しない部位)及び下糸8を刃
48aの移動経路外に案内する糸案内部49bとなって
いる。また、円弧部の固定刃46側の側部には下糸ガイ
ド用の凹部49cが設けられ、該凹部49cは針孔11
の下側を通過するときに下糸8を刃48bの移動経路内
にガイドするようになっている。
【0022】この糸切断装置14は、移動刃48が図8
の状態から図12の状態に向けて往動されると、移動刃
48が約33°回動した位置で移動刃48の刃48aと
固定刃45の刃45aとが合致して上糸7を切断し、図
12の状態から図8の状態に向けて復動されると、移動
刃48が図8の位置から13°回動した位置で移動刃4
8の刃48bと固定刃46の刃46aとが合致して下糸
8を切断する。即ち、針板12の下側で略水平に相対回
動する一対の刃48a,45a又は刃48b,46aの
合致により糸を切断するようになっている。このよう
に、糸切断装置14は糸を切断するための一対の刃の一
方が、ベース部50に固定された固定刃45,46に設
けられているので、固定刃45の取り付け位置を調節す
ることにより一対の刃48a,45a又は刃48b,4
6aの合致位置を容易に調節することができ、もって、
糸の切断位置を容易に調節することができる。
【0023】上糸振分機構41は、上糸7を加工布Wに
連なる側(以下、「加工布側」という。)の上糸7a
と、針に連なる側(以下、「針側」という。)の上糸7
bとに振り分けるとともに、加工布側の上糸7aを下糸
8から遠ざけるものである。該機構41は、ベッド10
に取り付けられた取付枠55を備え、該取付枠55には
駆動装置としてのロータリーソレノイド56が固定され
ている。ロータリーソレノイド56の駆動軸56aには
上糸掛片57が固定されており、上糸掛片57の自由端
側には一対の突部57aが設けられている。そして、ロ
ータリーソレノイド56の駆動軸56aが往復回動され
ると、その回動方向に応じて上糸掛片57が釜13に出
入りするようになっている。
【0024】一対の突部57aの間隔は、後述するよう
に針孔11及び一対の突部57aを頂点とする三角ルー
プ状に上糸7が張られたときに、移動刃48の刃48a
の移動経路内側(加工布側)の上糸7aの垂直に対する
傾斜角度が14°(例示であってこれに限定されな
い。)になるように構成されている。これは、上糸7を
上糸掛片57に巻き掛けるときに下糸8が移動刃48の
刃48aの移動経路内側(加工布側)の上糸7aに絡ん
でも、上糸7aがこの程度傾斜していれば、下糸8の絡
む位置が針孔11の近くになり易く、針孔11の近くに
絡んだときであれば、下糸8が移動刃48の刃48aの
移動経路内に入らないからである。従って、上糸7の切
断時に下糸8までが切断されてしまうという問題の発生
を低減できる(上糸7と下糸8とを確実に切り分けるこ
とができる。)。また、一対の突部57aは、その先端
が互いに近づくようにハ字状に形成されており、巻き掛
けた上糸7が容易に外れるようにされている。
【0025】次に、上記のように構成された刺繍ミシン
1の糸切断動作を図16に示すタイムチャートに従って
説明する。
【0026】まず、刺繍加工をしているときは刺繍ミシ
ン1は図1及び図2の状態にあり、特定の針6による刺
繍加工が終了すると、刺繍ミシン1の制御装置(図示
略)から糸切指令が出力される。すると、針6の上死点
位置でロータリーソレノイド56が駆動され(図16
A)、図4〜図8に示すように上糸振分機構41の上糸
掛片57が回動され、その一対の突部57aが釜13の
内側に配置される。
【0027】次いで、針6が一往復した後、その針棒5
の先端部5aから係合子22の係合が外され、針6が上
死点位置で停止される(図16B)。なお、係合子22
は、刺繍ミシンの主軸(図示略)が停止された後に針棒
5の先端部5aに係合可能な状態に戻される(図16
D)。
【0028】このとき、図4〜図8に示すように上糸7
が上糸掛片57の一対の突部57aに巻き掛かり、針孔
11及び前記一対の突部57aを頂点とする三角ループ
状に上糸7が張られる。この状態では加工布側の上糸7
aのみが移動刃48の刃48aの移動経路内に入り、針
側の上糸7b及び下糸8は移動経路外にある。
【0029】次いで、糸切断装置14の駆動機構が作動
され(図16C)、移動刃48及び糸案内プレート49
が図8の状態から往動を始める。すると、まず、糸案内
プレート49の上糸引掛用爪部49aが針孔11の下方
において加工布側の上糸7aを引っ掛け(図9、図16
E)、針孔11の下方から固定刃45方向に寄せるとと
もに、糸案内部49bが針側の上糸7b及び下糸8を刃
48aの移動経路外に案内する。そして、上糸振分機構
41の上糸掛片57が釜13から退出され(図16
F)、一対の突部57aから上糸7が外される(図1
0、図16G)。このとき、図11に示すように移動刃
48の先端側には斜面部48dが設けられているため、
糸案内プレート49によって移動刃48の移動経路外に
案内された針側の上糸7bと下糸8とが移動刃48の先
端側によって傷つけられることはない。
【0030】その後、移動刃48の刃48aと固定刃4
5の刃45aとの合致により、三角ループ状の上糸7の
一方の斜辺部としての加工布側の上糸7aが切断される
(図12、図16J)。このように、糸案内部49bが
針側の上糸7b及び下糸8を刃48aの移動経路外に案
内するようになっているので、上糸7の切断部位である
加工布側の上糸7aのみを確実に切断できる(上糸7と
下糸8とを確実に切り分けることができる。)。
【0031】この後、すぐに上糸引掛部材30により針
側の上糸7bが針6の後方へ引き寄せられて上糸把持具
32に保持される(図16H〜I)。
【0032】移動刃48及び糸案内プレート49は一旦
図12及び図16Jの状態まで回動した後、復動を始め
る。すると、まず、糸案内プレート49の凹部49cが
針孔11の下方において下糸8を引っ掛けて、針孔11
の下方から固定刃46方向に引き寄せる(図13、図1
6K)。このとき、図14に示すように下糸8は布保持
部材35のパイプ部36(環状突部)に移動刃48の上
面の高さ位置近くまでガイドされているため、移動刃4
8の刃48bと固定刃46の刃46aとが合致するまで
は、刃46aに強く接触せず、同合致前に下糸8が切れ
ることはない。即ち、所望の切断位置で糸を確実に切断
できる。
【0033】そして、移動刃48の刃48bと固定刃4
6の刃46aとが合致して下糸8が切断される(図1
5、図16L)。
【0034】この糸切断装置14によれば、上糸7のみ
切断することもできる。この場合は、移動刃48が図8
の位置から60°回動した位置(図10に二点鎖線で示
す位置)で、移動刃48及び糸案内プレート49の復動
が開始される。すると、下糸8は糸案内部49bによっ
て移動刃48の刃48bの移動経路外に置かれたまま、
移動刃48及び糸案内プレート49がもとの位置に戻る
ため(図8)、下糸8は切断されない。
【0035】次に、図17は本発明を刺繍ミシンに具体
化した第二実施形態を示しており、この刺繍ミシンは長
く残った縫い始め側の上糸7c及び下糸8aを移動刃4
8の刃48aの移動経路内に進入させる糸進入手段を備
えている点においてのみ第一実施形態と異なる。このた
め、第一実施形態と同様の部分については重複説明を避
ける。
【0036】この刺繍ミシンは、小区域を縫製してすぐ
に糸を切断するときのように、縫い始め側の糸が加工布
Wの裏面に縫い込まれずに長く残るときに、次のように
動作する。
【0037】まず、縫い始め位置が縫い終わり位置より
も反糸切断装置側になるように刺繍データを作成してお
く。この刺繍データに基づいて刺繍加工をした後であっ
て糸切断装置14を作動させるとき(図16C)よりも
前に、刺繍枠9を針孔11の直径と同程度図17におけ
る右方向に移動させる。すると、長く残った縫い始め側
の上糸7cと下糸8aが針孔11の反糸切断装置側の端
縁に当たり、移動刃48の刃48aの移動経路内に進入
する。このように刺繍枠9を移動させることが糸進入手
段である。そして、第一実施形態と同様に移動刃48が
往動されると、上糸7aと同時に縫い始め側の上糸7c
と下糸8aが切断される。なお、仮に縫い始め側の糸が
往動時に切断されずに残ったとしても、下糸切断時には
下糸ガイド用の凹部49cによって移動刃48の移動経
路内に引き寄せられて切断される。
【0038】このように、本実施形態の刺繍ミシンによ
れば長く残った縫い始め側の糸7c,8aを短く切り揃
えることができる。
【0039】なお、本発明は前記実施形態の構成に限定
されず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しな
い範囲で適宜変更して具体化することもできる。 (1)水平回動可能に支持されたガイド部材により糸7
c,8aを側方に移動させて、同糸を移動刃48の移動
経路内に進入させるように糸進入手段を変更すること。
【0040】(2)布保持部材35を止めネジにより取
替可能に取り付けることにより、針6や糸7,8の太さ
等に応じて、針孔11の直径やパイプ部36の長さ等が
異なるものに布保持部材35を交換可能にすること。 (3)布保持部材35を針板12の下面側から取り付け
るように構成すること。
【0041】(4)固定刃45,46の止めネジ51に
よる固定穴を長穴にして、固定位置をずらし得るように
構成し、固定刃45,46と移動刃48との刃の合致位
置を調節可能にすること。 (5)刃の位置を異ならせた固定刃45,46又は移動
刃48の替え刃を用意しておき、固定刃45,46又は
移動刃48を付け替えることで、固定刃45,46と移
動刃48との刃の合致位置を調節可能にすること。
【0042】(6)上糸7を切断する糸切断装置と、下
糸を切断する糸切断装置とを別々に設けること。 (7)刺繍ミシン以外の各種一般縫製ミシンに具体化す
ること。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1及び5の
発明に係るミシンによれば、上糸と下糸とを確実に切り
分けることができる。
【0044】また、請求項2の発明に係るミシンによれ
ば、糸の切断位置を容易に調節することができる。
【0045】また、請求項3の発明に係るミシンによれ
ば、所望の切断位置で糸を確実に切断できる。
【0046】また、請求項4の発明に係るミシンによれ
ば、長く残った縫い始め側の糸を短く切り揃えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態の刺繍ミシン
の要部を示す縦断面図である。
【図2】同刺繍ミシンのベッドに設けられた糸切断装置
を示す一部破断斜視図である。
【図3】同糸切断装置の分解斜視図である。
【図4】同刺繍ミシンの糸切断動作を説明する縦断面図
である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4の部分拡大図である。
【図7】同刺繍ミシンの上糸振分機構の作用を示す縦断
面図である。
【図8】同刺繍ミシンの糸切断動作における第一の状態
を示す平面図である。
【図9】同糸切断動作における第二の状態を示す平面図
である。
【図10】同糸切断動作における第三の状態を示す平面
図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】同糸切断動作における第四の状態を示す平面
図である。
【図13】同糸切断動作における第五の状態を示す平面
図である。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】同糸切断動作における第六の状態を示す平面
図である。
【図16】同糸切断動作を示すタイムチャートである。
【図17】本発明を具体化した第二実施形態の刺繍ミシ
ンの糸切断動作を説明する縦断面図である。
【図18】従来の刺繍ミシンの糸切断装置の上糸切断動
作を示す平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX線断面図である。
【図20】同上糸切断動作の別の状態を示す拡大平面図
である。
【図21】同糸切断装置の下糸切断動作を示す平面図で
ある。
【図22】図21のXXII−XXII線断面図であ
る。
【図23】同下糸切断動作の別の状態を示す拡大平面図
である。
【図24】同刺繍ミシンの上糸振分機構の作用を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 刺繍ミシン 7 上糸 8 下糸 9 刺繍枠 11 針孔 12 針板 13 釜 14 糸切断装置 35 布保持部材 36 パイプ部 41 上糸振分機構 45 固定刃 45a 刃 46 固定刃 46a 刃 48 移動刃 48a 刃 48b 刃 49 糸案内プレート 49b 糸案内部 57 上糸掛片 57a 突部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針板の下側で略水平に相対移動する一対
    の刃の合致により糸を切断する糸切断装置を備えたミシ
    ンにおいて、糸の切断しない部位を前記各刃の移動軌跡
    外に案内する糸案内部材を、一方の刃とともに移動する
    ように構成したことを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 針板の下側で略水平に相対回動する一対
    の刃の合致により糸を切断する糸切断装置を備えたミシ
    ンにおいて、一方の刃を固定し、他方の刃を回動自在に
    構成したことを特徴とするミシン。
  3. 【請求項3】 針板の下側で略水平に相対回動する一対
    の刃の合致により糸を切断する糸切断装置を備えたミシ
    ンにおいて、前記針板の下面に該針板の針孔の周縁から
    下方へ突出する環状突部を設けたことを特徴とするミシ
    ン。
  4. 【請求項4】 針板の下側で一対の刃の合致により糸を
    切断する糸切断装置を備えたミシンにおいて、長く残っ
    た縫い始め側の糸を前記刃の移動軌跡内に進入させる糸
    進入手段を備えたことを特徴とするミシン。
  5. 【請求項5】 針板の下側に位置された一対の突部を有
    する上糸掛片に上糸を巻き掛け、前記針板の針孔及び前
    記一対の突部を頂点とする三角ループ状に上糸を張り、
    該三角ループ状の上糸の一方の斜辺部を下糸から遠ざ
    け、一対の刃の合致により前記一方の斜辺部を切断する
    糸切断装置を備えたミシンにおいて、前記一方の斜辺部
    の垂直に対する傾斜角度が0°から17°になるように
    構成したことを特徴とするミシン。
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JP2003103081A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Barudan Co Ltd ミシン
CN107587281A (zh) * 2017-10-26 2018-01-16 向康城 一种刺绣机双线交叉结构及采用该结构的双线交叉编织方法
CN112481851A (zh) * 2020-12-10 2021-03-12 温州瓯燕电脑刺绣有限公司 一种绣花机剪线装置
CN115992420A (zh) * 2023-02-20 2023-04-21 浙江镨美科智能刺绣设备有限公司 一种刺绣机剪线装置及刺绣机剪线方法

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