JPH11222509A - 多相共重合体並びに多相共重合体混合物およびその組成物 - Google Patents

多相共重合体並びに多相共重合体混合物およびその組成物

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JPH11222509A
JPH11222509A JP20107798A JP20107798A JPH11222509A JP H11222509 A JPH11222509 A JP H11222509A JP 20107798 A JP20107798 A JP 20107798A JP 20107798 A JP20107798 A JP 20107798A JP H11222509 A JPH11222509 A JP H11222509A
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monomer
weight
copolymer
mixture
graft
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JP20107798A
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English (en)
Inventor
Katsuji Horio
勝司 堀尾
Tetsumi Ikeda
哲美 池田
Shizuki Nakamura
静樹 中村
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性および成形加工性に優れた多相共重
合体並びにその多相共重合体の混合物およびその組成物
を提供すること。 【解決手段】 数平均粒子径0.1〜10μmからなる
ジエン系ゴム状重合体粒子からなる内相(a)、芳香族
ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を主成分とする共
重合体からなる外相(b)、さらに内相(a)内に分散
している芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を
主成分とする共重合体からなる分散粒子(c)の少なく
とも3相を構成要素とする多相共重合体であって、外相
(b)は内相(a)とグラフト共重合し、分散粒子
(c)は内相(a)内に2個以上分散し、かつ内相
(a)の最大部の粒子径と分散粒子(c)の最大粒子径
が1.01〜3.0である多相共重合体、並びにこの多
相共重合体を含有する混合物およびその組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性および成
形加工性の良好な多相共重合体並びに多相共重合体の混
合物およびその組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】AB
S樹脂は耐衝撃性、耐熱性、成形加工性等のバランスに
優れていることから家電、OA、車両内装、住設分野等
広範囲な用途に使用されている。近年、成形品の薄肉
化、大型化の傾向から更なる耐衝撃性および優れた成形
加工性が求められている。特に家電製品、OA機器、携
帯電話機等のハウジングとしての用途では優れた成形加
工性とともに落錘衝撃強度等の実用強度が重要な材料特
性の指標として挙げられている。
【0003】このABS樹脂の機械的特性は、ジエン系
ゴム状重合体の性状、粒子径、粒子径分布やジエン系ゴ
ム状重合体へのグラフト共重合する量やグラフト層の厚
みやマトリックス樹脂との相溶性等の因子に依存し、特
に衝撃強度はこれら因子により大きく左右される。公知
技術ではこれらの因子をコントロールすることにより衝
撃強度の向上が試みられてきた。
【0004】しかし、耐衝撃性の向上は図れても、成形
加工性とのバランスが崩れ、成形品の薄肉化、大型化の
厳しいユーザー要求に対して満足いく物性は得られてい
ないのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決しABS樹脂の成形加工性を損なうことなく耐
衝撃性を一層向上させるべく鋭意検討した結果、特定の
形状を有する多相共重合体を用いることにより、その目
的を達成し得ることを見出した。
【0006】すなわち、本発明は、数平均粒子径が0.
1〜10μmであるジエン系ゴム状重合体粒子からなる
内相(a)と、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単
量体を主成分とする単量体の共重合体である硬質重合体
からなる外相(b)と、さらに内相(a)内に分散して
いる芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を主成
分とする単量体の共重合体である硬質重合体からなる分
散粒子(c)の少なくとも3相を構成要素とする多相共
重合体であって、(イ)外相(b)は内相(a)の外側
にあって内相(a)とグラフト共重合しており、(ロ)
分散粒子(c)は内相(a)内に少なくとも2個以上分
散しており、かつ内相(a)の最大部の粒子径Dとその
内部に存在する分散粒子(c)の最大粒子径dとの比D
/dが1.01〜3.0である多相共重合体、並びにジ
エン系ゴム状重合体に、芳香族ビニル単量体、シアン化
ビニル単量体および必要に応じてその他の共重合可能な
単量体がグラフト共重合したグラフト共重合体であっ
て、該グラフト共重合体中の少なくとも25重量%が上
記の多相共重合体であること、または該グラフト共重合
体と芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体および
必要に応じてその他の共重合可能な単量体の共重合体か
らなる混合物であって、該混合物中のグラフト共重合体
の少なくとも25重量%が上記の多相共重合体であるグ
ラフト共重合体混合物、さらにはこれらグラフト共重合
体混合物と芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体
を主成分とする単量体の共重合体である硬質重合体を含
有してなる多相共重合体組成物である。また、多相共重
合体およびグラフト共重合体混合物の製造方法をも提供
するものである。
【0007】まず、本発明の多相共重合体について説明
する。本発明の多相共重合体は、ジエン系ゴム状重合体
粒子からなる内相(a)と、芳香族ビニル単量体とシア
ン化ビニル単量体を主成分とする単量体の共重合体であ
る硬質重合体からなる外相(b)と、さらに内相(a)
内に分散している芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル
単量体を主成分とする単量体の共重合体である硬質重合
体からなる分散粒子(c)との少なくとも3相を構成要
素とすることが必須である。
【0008】本発明の多相共重合体をなす内相(a)
は、数平均粒子径0.1〜10μmであるジエン系ゴム
状重合体粒子からなる。ジエン系ゴム状重合体として
は、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、ク
ロロプレン、シクロペンタジエン等の共役ジエン単量体
の重合体、および2,5−ノルボルナジエン、4−エチ
リデンノルボルデン、1,4−シクロヘキサジエン等の
非共役ジエン単量体の重合体、ならびに共役ジエン単量
体もしくは非共役ジエン単量体とスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル単量体、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート等のアクリル酸エス
テル単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル
単量体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチ
レン、2−ブテンなどのオレフィン単量体等とのゴム状
共重合体が挙げられる。
【0009】また、本発明に用いるジエン系ゴム状重合
体としては、架橋用単量体として多官能性ビニル単量体
を共重合したゴム状共重合体も用いることができる。こ
の時の多官能性ビニル単量体としては、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコ
ールジメタクリレート、シアヌル酸トリアリル、イソシ
アヌル酸トリアリル、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレー
ト、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト等が挙げられる。
【0010】ジエン系ゴム状重合体の数平均粒子径は
0.1μm〜10μmであり、好ましくは0.2μm〜
4μm、さらに好ましくは0.25μm〜3.5μmで
ある。数平均粒子径が0.1μm以上10μm以下の範
囲に入らない場合、多相共重合体並びに多相共重合体の
混合物およびその組成物の衝撃強度と成形加工性のバラ
ンスが不十分となる。
【0011】次に、本発明の多相共重合体をなす外相
(b)および分散粒子(c)は、芳香族ビニル単量体と
シアン化ビニル単量体を主成分とする単量体の共重合体
からなる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、クロロスチレン、ブチルスチレン、
ビニルトルエン等が挙げられる。また、シアン化ビニル
単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、エタクリロニトリル等が挙げられる。更に、必要に
応じてこれらと共重合可能なビニル単量体として、メチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレートなどの(メタ)
アクリル酸エステル単量体等を使用することもできる。
【0012】また、外相(b)は内相(a)の外側にあ
って内相(a)とグラフト共重合しており、分散粒子
(c)は内相(a)内に少なくとも2個以上分散してお
り、内相(a)の最大部の粒子径Dとその内部に存在す
る分散粒子(c)の最大粒子径dとの比D/dが1.0
1〜3.0であることが必須であり、好ましくは1.1
〜2.5、さらに好ましくは1.5〜2.5である。ま
た分散粒子(c)は内相(a)とグラフト共重合してい
ても、していなくても良い。
【0013】外相(b)が内相(a)の外側にあって内
相(a)とグラフト共重合していない場合、多相共重合
体組成物の構成成分である硬質重合体との界面接着性が
弱くなり、多相共重合体組成物の衝撃強度が著しく低下
する。
【0014】また、分散粒子(c)が内相(a)内に1
個のみ存在している場合、およびD/dが1.01〜
3.0の範囲外である場合、多相共重合体およびその多
相共重合体組成物の衝撃強度が著しく低下する。
【0015】多相共重合体を構成する内相(a)、外相
(b)、分散粒子(c)の割合は特に限定されるもので
はないが、内相(a)100重量部に対して外相(b)
5〜200重量部、分散粒子(c)30〜100重量部
の割合が好ましい。さらに好ましくは内相(a)100
重量部に対して外相(b)10〜100重量部、分散粒
子(c)36〜100重量部である。外相(b)が5重
量部未満であると、グラフト共重合体混合物と硬質重合
体との界面接着性が弱くなり、多相共重合体組成物の衝
撃強度が著しく低下し、分散粒子(c)が30重量部未
満でも100重量部を超えても、多相共重合体組成物の
衝撃強度が著しく低下する。また、外相(b)が200
重量部を越えても多相共重合体組成物の衝撃強度が低下
する。
【0016】本発明の多相共重合体およびグラフト共重
合体混合物は、ジエン系ゴム状重合体ラテックスの存在
下に芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体を
含有する単量体混合物を乳化グラフト重合することによ
って得られる。乳化重合方法はジエン系ゴム状重合体ラ
テックスの存在下で該単量体混合物を一括、回分、また
は連続添加して重合を行うことで得ることが出来る。
【0017】グラフト共重合体混合物は、構成する各種
単量体の量に限定されるものではないが、特に固形分と
してジエン系ゴム状重合体20〜80重量部を有したラ
テックスに、芳香族ビニル単量体50〜90重量%、シ
アン化ビニル単量体10〜50重量%、および必要に応
じてその他の共重合可能な単量体0〜40重量%からな
る単量体混合物20〜80重量部を乳化グラフト重合し
て得ることが好ましい。
【0018】ジエン系ゴム状重合体ラテックスには、前
記内相(a)で述べたジエン系ゴム状重合体のラテック
スを用いることができる。ジエン系ゴム状重合体におい
ては、数平均粒子径0.1〜10μmであるジエン系ゴ
ム状重合体ラテックスを用いることが好ましい。
【0019】また、芳香族ビニル単量体およびシアン化
ビニル単量体も外相(b)および分散粒子(c)で述べ
た芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体を用
い、更に、必要に応じてこれらと共重合可能なビニル単
量体も前記で述べた(メタ)アクリル酸エステル単量体
等を使用することができる。
【0020】また、乳化重合の開始剤としては、各種の
ハイドロパーオキサイド、アルキルパーエステル、パー
カーボネート等の有機過酸化物や過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニト
リル等があり、好ましくはジイソプロピルベンゼンハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等
で代表される有機ハイドロパーオキサイド類やターシャ
リーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーヘキシ
ルパーオキシベンゾエート、ターシャーリーブチルパー
オキシベンゾエート等で代表される有機パーオキシエス
テル類と鉄イオン等の還元剤、ナトリウムアルデヒドス
ルホキシレート等の2次還元剤およびエチレンジアミン
4酢酸4ナトリウム等のキレート剤を組み合わせたレド
ックス系開始剤が挙げられる。特にジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイドを用いると一段と優れた本
発明の効果が得られる。
【0021】連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカ
プタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメル
カプタン等のメルカプタン類、ジペンテン、ターピノー
レン等のテルペン類、クロロホルム、ブロロホルム等の
ハロゲン化炭化水素類、α−メチルスチレンダイマーが
挙げられる。
【0022】本発明の多相共重合体を得るためには、ジ
エン系ゴム状重合体ラテックスの存在下に芳香族ビニル
単量体とシアン化ビニル単量体を主成分とする単量体混
合物を乳化グラフト重合するにあたり、ジエン系ゴム状
重合体の重合時に用いる該単量体混合物に対する膨潤指
数を5.0〜15.0とすることが必須であり、さらに
7.0〜15.0とすることが好ましい。
【0023】膨潤指数が5.0未満であると、分散粒子
(c)が内相(a)内に形成されず、分散粒子(c)が
単独もしくは複数個形成されてもD/dが1.01〜
3.0の範囲外となる。また15.0以上であると、分
散粒子(c)が内相(a)内に形成されるものの、やは
りD/dが規定範囲外となる。
【0024】膨潤指数はジエン系ゴム状重合体ラテック
スをメタノール析出、乾燥させた試料を、重合時に用い
る単量体混合物中に温度25℃で48時間溶解させた
後、100メッシュ金網で濾別し15分後の膨潤重量と
元の試料重量との比(膨潤重量/試料重量)で表した値
である。
【0025】次に、本発明の多相共重合体組成物につい
て説明する。多相共重合体組成物は、グラフト共重合体
混合物と硬質重合体を含有する組成物である。グラフト
共重合体混合物は、ジエン系ゴム状重合体に、芳香族ビ
ニル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じて
その他の共重合可能な単量体がグラフト共重合したグラ
フト共重合体(A)40〜100重量%と、芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じてそ
の他の共重合可能な単量体の共重合体(B)0〜60重
量%からなる混合物であって、該混合物中のグラフト共
重合体(A)の少なくとも25重量%が前記した本発明
の多相共重合体である混合物である。好ましくは、グラ
フト共重合体混合物中はグラフト共重合体(A)60〜
80重量%と共重合体(B)20〜40重量%からな
り、該混合物中のグラフト共重合体の少なくとも25重
量%が前記した本発明の多相共重合体である。なお、ジ
エン系ゴム状重合体存在下で、芳香族ビニル単量体、シ
アン化ビニル単量体および必要に応じてその他の共重合
可能な単量体をグラフト共重合した際、ジエン系ゴム状
重合体にグラフトされた重合体をグラフト共重合体
(A)(未グラフト共重合体を含まない)といい、未グ
ラフト共重合体を共重合体(B)という。
【0026】グラフト共重合体混合物中に、グラフト共
重合体(A)が40重量%未満だと多相共重合体組成物
の衝撃強度が不十分になり、また前記した本発明の多相
共重合体が該混合物中のグラフト共重合体の少なくとも
25重量%未満だとやはり衝撃強度が不十分となる。
【0027】また、グラフト共重合体混合物を構成する
多相共重合体中に内相(a)が存在しない場合、多相共
重合体組成物の衝撃強度と成形加工性のバランスが不十
分となる。
【0028】また、外相(b)が存在しない場合、グラ
フト共重合体混合物と硬質重合体との界面接着性が弱く
なり、多相共重合体組成物の衝撃強度が著しく低下す
る。
【0029】更に、分散粒子(c)が存在しない場合、
多相共重合体組成物の衝撃強度が著しく低下する。
【0030】次に、多相共重合体組成物の構成成分であ
る硬質重合体について説明する。硬質重合体は芳香族ビ
ニル単量体とシアン化ビニル単量体を主成分とする共重
合体である。硬質重合体を得るためには、本発明の多相
共重合体を得るために用いた芳香族ビニル単量体とシア
ン化ビニル単量体を主成分とする単量体混合物と必ずし
も同一である単量体混合物を用いる必要はない。すなわ
ち必ずしも、多相共重合体をなす外相(b)および分散
粒子(c)構成する硬質重合体とは一致するものでなく
てもよい。
【0031】硬質重合体に使用する芳香族ビニル単量体
には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
等が挙げられ、シアン化ビニル単量体には、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル等が
挙げられる。更に、これらと共重合可能なビニル単量体
として、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートな
どの(メタ)アクリル酸エステル単量体等を使用するこ
ともできる。
【0032】硬質重合体の重合方法は、特に制限なく公
知の技術を用いることができる。具体的には、乳化重
合、懸濁重合および連続重合等がある。
【0033】硬質重合体は、構成する各種単量体の量に
限定されるものではないが、芳香族ビニル単量体50〜
90重量%、シアン化ビニル単量体10〜50重量%、
およびこれらと共重合可能な単量体0〜40重量%から
なる共重合体が好ましい。
【0034】多相共重合体組成物は、グラフト共重合体
混合物1〜50重量部と硬質重合体99〜50重量部を
含有する組成物であり、好ましくはグラフト共重合体混
合物20〜50重量部と硬質重合体80〜50重量部で
ある。グラフト共重合体混合物が1〜50重量部の範囲
外および硬質重合体が99〜50重量部の範囲外である
場合、多相共重合体組成物の衝撃強度と成形加工性のバ
ランスが不十分となる。
【0035】多相共重合体組成物をなすグラフト共重合
体混合物と硬質重合体の混合は、ヘンシェルミキサーや
バンバリーミキサー、単軸および二軸押出機等の公知の
装置を用いて行うことができ、更に混合時、滑剤、顔
料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、
可塑剤、抗菌剤、防カビ剤等の添加剤およびガラス繊維
等の強化剤を必要に応じて配合することもできる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、これら実施例に限定されるものではない。
【0037】実施例1 <グラフト共重合体混合物A−1の製造>ステンレス製
オートクレーブに数平均粒子径0.3μm、アクリロニ
トリルとスチレンの単量体混合物(重量比が1:3)に
対する膨潤指数8.0のポリブタジエンゴムのラテック
スを50重量部(固形分換算)仕込み、次いで純水23
4重量部、硫酸第一鉄0.0025重量部、エチレンジ
アミン4酢酸4ナトリウム0.005重量部およびナト
リウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15重量
部を加え、窒素雰囲気下にて攪拌した内容物を温度60
℃に保ち、アクリロニトリル12.5重量部、スチレン
37.5重量部、乳化剤として高級脂肪酸(C14
17)カリウム塩0.75重量部、連鎖移動剤としてt
−ドデシルメルカプタン0.6重量部および開始剤とし
てジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.
3重量部を4時間かけて連続添加した。単量体添加後、
t−ブチルパーオキシアセテート0.05重量部を添加
し、更に温度70℃で2時間攪拌して重合を終了し多相
共重合体含有のグラフト共重合体ラテックスを得た。こ
のラテックスを塩化カルシウムを用いて塩析、脱水、乾
燥した。表1に示すグラフト共重合体混合物パウダーA
−1を得た。なお、グラフト共重合体混合物パウダーA
−1中のグラフト重合していないアクリロニトリルとス
チレンの共重合体の量は30重量%であった。
【0038】実施例2 <グラフト共重合体混合物A−2の製造>実施例1のグ
ラフト共重合体混合物A−1の製造において、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイドの添加量を0.
15重量部とした以外は全く同じ製造方法によりグラフ
ト共重合体混合物A−2を得た。この共重合体混合物の
特性を表1に示す。なお、グラフト共重合体混合物パウ
ダーA−2中のグラフト重合していないアクリロニトリ
ルとスチレンの共重合体は36重量%であった。
【0039】実施例3 <グラフト共重合体混合物A−3の製造>実施例1のグ
ラフト共重合体混合物A−1の製造において、数平均粒
子径0.35μm、アクリロニトリルとスチレンの単量
体混合物(重量比が1:3)に対する膨潤指数14.7
のポリブタジエンゴムラテックスを用いた以外は全く同
じ製造方法によりグラフト共重合体混合物A−3を得
た。この共重合体混合物の特性を表1に示す。なお、グ
ラフト共重合体混合物パウダーA−3中のグラフト重合
していないアクリロニトリルとスチレンの共重合体は4
0重量%であった。
【0040】比較例1 <グラフト共重合体混合物A−4の製造>実施例1のグ
ラフト共重合体混合物A−1の製造において、アクリロ
ニトリルとスチレンの単量体混合物(重量比が1:3)
に対する膨潤指数3.8のポリブタジエンゴムラテック
スを用いた以外は全く同じ製造方法によりグラフト共重
合体混合物を得た。この共重合体混合物の特性を表1に
示す。なお、グラフト共重合体混合物パウダーA−4中
のグラフト重合していないアクリロニトリルとスチレン
の共重合体は5重量%であった。
【0041】比較例2 <グラフト共重合体混合物A−5の製造>実施例1のグ
ラフト共重合体混合物A−1の製造において、アクリロ
ニトリルとスチレンの単量体混合物(重量比が1:3)
に対する膨潤指数19.2のポリブタジエンゴムラテッ
クスを用いた以外は全く同じ製造方法によりグラフト共
重合体混合物A−5を得た。この共重合体混合物の特性
を表1に示す。なお、グラフト共重合体混合物パウダー
A−5中のグラフト重合していないアクリロニトリルと
スチレンの共重合体は70重量%であった。
【0042】
【表1】
【0043】なお、実施例および比較例中での各物性の
測定は以下の方法により測定した。 (1)グラフト共重合体混合物中の未グラフト共重合体
の測定 グラフト共重合体混合物パウダーを秤量して試料重量と
し、メチルエチルケトン(MEK)を用い温度25℃で
24時間溶解し、遠心分離処理により不溶分と可溶分に
分けた。このMEK不溶分を真空乾燥処理したものを不
溶分重量とした。そして、元の試料重量からMEK不溶
分を差し引いた量を可溶分とした。この可溶分量(試料
重量−不溶分重量)を試料重量で割った100分率を未
グラフト共重合体とした。
【0044】(2)ジエン系ゴム状重合体の数平均粒子
径 コールター社製N4型を用いて測定した。測定条件は試
料粘度0.01Poise、屈折率1.17、温度20℃で
行った。
【0045】(3)膨潤指数 ジエン系ゴム状重合体ラテックスを温度25℃でメタノ
ール析出し、充分真空乾燥させた試料を秤量して試料重
量とし、重合時に用いる単量体混合物中に温度25℃で
48時間溶解させた後、100メッシュ金網で濾別し1
5分後の重量を膨潤重量として、元の試料重量との比
(膨潤重量/試料重量)で表した値である。
【0046】(4)多相共重合体の粒子径 試料ラテックスを水溶性エポキシ樹脂中に2〜3滴加
え、振とう器で混合分散させた後、テフロン製シャーレ
に入れ温度60℃24時間加熱し、エポキシを硬化させ
た。硬化後、試料をオスミウム酸蒸気で約15時間染色
させ、超薄切片を作製した。日本電子(株)製透過型電
子顕微鏡JEM−100を用いて、超薄切片の電子顕微
鏡写真を撮影した。内相(a)の最大部の粒子径Dおよ
び分散粒子径(c)の最大粒子径dは、撮影倍率50,
000倍の写真より求めた。
【0047】(5)多相共重合体の粒子数の計測 試料ラテックスを前記(4)で示した方法で前処理した
超薄切片の電子顕微鏡写真を撮影し、撮影倍率15,0
00倍の写真より求めた。計測の対象粒子は、120個
以上の粒子を含む写真(170mm×120mm)4枚
を対象として求めた。
【0048】なお、本実施例にて製造されたグラフト共
重合体混合物A−1の電子顕微鏡写真を図1、図2に、
またA−4の電子顕微鏡写真を図3、図4に、さらにグ
ラフト共重合体混合物のA−1の電子顕微鏡写真中の本
発明の多相共重合体を示す模式図を図5に、本発明の多
相共重合体でないA−4の例の模式図を図6に示す。
【0049】実施例4〜11および比較例3〜8 次に、多相共重合体組成物の実施例を示す。まず、多相
共重合体組成物の成分である硬質重合体は、下記で製造
したB−1〜B−2を用いた。
【0050】<硬質重合体B−1の製造>オートクレー
ブに純水100重量部、過硫酸カリウム0.2%水溶液
2.5重量部、第三リン酸カルシウム0.07重量部、
スチレン30重量部、アクリロニトリル25重量部、t
−ドデシルメルカプタン0.6重量部および過酸化ベン
ゾイル0.1重量部を加え窒素雰囲気下にて撹伴した内
容物を温度100℃に保ち、その後スチレン45重量部
を温度100℃で2時間、温度103℃で2時間、温度
107℃で3時間の計7時間かけて連続添加した。添加
終了後、温度117℃に昇温して2時間攪拌して重合を
完了させて、冷却後重合液に塩酸を加え中和、脱水、乾
燥して硬質重合体のビーズを得た。この硬質重合体の特
性を表2に示す。
【0051】<硬質重合体B−2の製造>上記した硬質
重合体B−1の製造において、t−ドデシルメルカプタ
ンの添加量を0.2重量部とした以外は全く同じ製造方
法により硬質重合体B−2を得た。この硬質重合体の特
性を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】上記製造にて得られたグラフト共重合体混
合物A−1〜A−5と硬質重合体B−1〜B−2を表3
に示す配合によりヘンシェルミキサーにて混合した後、
池貝鉄工(株)製単軸押出機(FS−40)を用いて、
シリンダー温度220℃にて押出しペレット化した。得
られた試料ペレットを用いて下記した各物性測定方法に
従い測定を行い、その評価結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】なお、表2および表3の実施例および比較
例中での、各物性の測定は以下の方法により測定した。 (1)硬質重合体の重量平均分子量 GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を
用いて測定した。Polymer Labolator
y社のPL gel MIXED−Bのカラム、装置は
SYSTEM−21(Shodex)を用い、移動相:
テトラハイドロフラン、流量:1.0ml/分、検出
器:RI、標準ポリマー:ポリスチレンの条件下で行っ
た。
【0056】(2)アイゾット(Izod)衝撃強度 東芝機械(株)製射出成形機(IS−50EP)を用い
て、試料ペレットをシリンダー温度220℃で射出成形
し、ノッチ付きで厚さ1/4インチの試験片を作製し
た。この試験片について、ASTM D−256に準拠
して測定した(単位:J/m)。
【0057】(3)落錘衝撃強度 東芝機械(株)製射出成形機(IS−80CNV)を用
いて、試料ペレットをシリンダー温度220℃で成形
し、120mm×120mm×2mm寸法の角板試験片
を作製した。この試験片について、JIS K−721
1に準拠して測定し、結果は50%破壊エネルギーで表
した(単位:J)。
【0058】(4)メルトフローレート(MFR) 試料ペレットを用いてJIS K−6874に準拠し
て、温度220℃、荷重10kgf/cm2 の条件で測
定した(単位:g/10分)。
【0059】実施例4〜11に示したとおり 本発明の
規定範囲内の特性を有する多相共重合体を用いた組成物
は衝撃強度と成形加工性のバランスに優れており、しか
も落錘衝撃強度も非常に高いことがわかる。
【0060】比較例3〜8に示した本発明の規定範囲外
の特性を有するグラフト共重合体混合物を用いた組成物
では衝撃強度と成形加工性のバランスが崩れる。Izo
d衝撃強度が実施例よりも高いものもあるが、落錘衝撃
強度が著しく低下していることがわかる。
【0061】
【発明の効果】以上の通り、本発明の多相共重合体を用
いた組成物は、衝撃強度とりわけ実用物性の指標となる
落錘衝撃強度と成形加工性のバランスに優れ、家電製品
やOA機器等の分野の成形材料として幅広く使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は図面に代わる透過型電子顕微鏡写真(倍
率15,000倍)であり、本発明の実施例1のラテッ
クス状態での多相共重合体を含有するグラフト共重合体
混合物A−1を示す。
【図2】図2は図面に代わる透過型電子顕微鏡写真(倍
率50,000倍)であり、本発明の実施例1のラテッ
クス状態での多相共重合体を含有するグラフト共重合体
混合物A−1を示す。
【図3】図3は図面に代わる透過型電子顕微鏡写真(倍
率15,000倍)であり、本発明の比較例1のラテッ
クス状態での多相共重合体を含有するグラフト共重合体
混合物A−4を示す。
【図4】図4は図面に代わる透過型電子顕微鏡写真(倍
率50,000倍)であり、本発明の比較例1のラテッ
クス状態での多相共重合体を含有するグラフト共重合体
混合物A−4を示す。
【図5】図5は図1(図2)の本発明の多相共重合体の
模式図を示す。
【図6】図6は図3(図4)の本発明の多相共重合体で
ない模式図を示す。
【符号の説明】
1 ジエン系ゴム状重合体粒子からなる内相(a) 2 硬質重合体からなる外相(b) 3 硬質重合体からなる分散粒子(c)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均粒子径が0.1〜10μmである
    ジエン系ゴム状重合体粒子からなる内相(a)と、芳香
    族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を主成分とする
    単量体の共重合体である硬質重合体からなる外相(b)
    と、さらに内相(a)内に分散している芳香族ビニル単
    量体とシアン化ビニル単量体を主成分とする単量体の共
    重合体である硬質重合体からなる分散粒子(c)との少
    なくとも3相を構成要素とする多相重合体であって、
    (イ)外相(b)は内相(a)の外側にあって内相
    (a)とグラフト共重合しており、(ロ)分散粒子
    (c)は内相(a)内に少なくとも2個以上分散してお
    り、かつ内相(a)の最大部の粒子径Dとその内部に存
    在する分散粒子(c)の最大粒子径dとの比D/dが
    1.01〜3.0であることを特徴とする多相共重合
    体。
  2. 【請求項2】 ジエン系ゴム状重合体に、芳香族ビニル
    単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じてその
    他の共重合可能な単量体がグラフト共重合したグラフト
    共重合体(A)40〜100重量%と、芳香族ビニル単
    量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じてその他
    の共重合可能な単量体の共重合体(B)0〜60重量%
    からなる混合物であって、該混合物中のグラフト共重合
    体の少なくとも25重量%が請求項1記載の多相共重合
    体であることを特徴とするグラフト共重合体混合物。
  3. 【請求項3】 ジエン系ゴム状重合体に、芳香族ビニル
    単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じてその
    他の共重合可能な単量体がグラフト共重合したグラフト
    共重合体(A)60〜80重量%と、芳香族ビニル単量
    体、シアン化ビニル単量体および必要に応じてその他の
    共重合可能な単量体の共重合体(B)20〜40重量%
    からなる混合物であって、該混合物中のグラフト共重合
    体の少なくとも25重量%が請求項1記載の多相共重合
    体であることを特徴とするグラフト共重合体混合物。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3記載のグラフト
    共重合体混合物1〜50重量部と芳香族ビニル単量体と
    シアン化ビニル単量体を主成分とする単量体の共重合体
    である硬質重合体50〜99重量部を含有してなる多相
    共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 ジエン系ゴム状重合体20〜80重量部
    に、芳香族ビニル単量体50〜90重量、シアン化ビニ
    ル単量体10〜50重量%、および必要に応じてその他
    の共重合可能な単量体0〜40重量%からなる単量体混
    合物20〜80重量部を重合して得られた請求項2また
    は請求項3記載のグラフト共重合体混合物1〜50重量
    部と、芳香族ビニル単量体50〜90重量%、シアン化
    ビニル単量体10〜50重量%、およびこれらと共重合
    可能な単量体0〜40重量%からなる硬質重合体50〜
    99重量部を含有してなることを特徴とする多相共重合
    体組成物。
  6. 【請求項6】 ジエン系ゴム状重合体ラテックスの存在
    下に芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を主成
    分とする単量体混合物を乳化グラフト重合するにあた
    り、ジエン系ゴム状重合体の該単量体混合物に対する膨
    潤指数を5.0〜15.0とすることを特徴とする請求
    項1記載の多相共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ジエン系ゴム状重合体ラテックスの存在
    下に芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を主成
    分とする単量体混合物を乳化グラフト重合するにあた
    り、ジエン系ゴム状重合体の該単量体混合物に対する膨
    潤指数を5.0〜15.0とすることを特徴とする請求
    項2または請求項3記載のグラフト共重合体混合物の製
    造方法。
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