JPH11222714A - 特殊断面セルロースアセテート繊維及びその集合体並びにその製造方法 - Google Patents
特殊断面セルロースアセテート繊維及びその集合体並びにその製造方法Info
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- JPH11222714A JPH11222714A JP3974098A JP3974098A JPH11222714A JP H11222714 A JPH11222714 A JP H11222714A JP 3974098 A JP3974098 A JP 3974098A JP 3974098 A JP3974098 A JP 3974098A JP H11222714 A JPH11222714 A JP H11222714A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来のアセテート繊維にみられる複雑に入り組
んだ多数の凹凸を減少させ、表面ができるだけ平滑で、
肌と繊維との接触感が向上したウエット感に富んだしっ
とりした風合いをもつ、単繊維繊度が4d/f以下の極
細アセテート繊維及びその集合体、並びに同繊維の製造
方法を提供する。 【解決手段】円の一部を1本の直線で切除した形状をも
ち、前記直線の両端と円中心とのなす角度θが60°≦
θ≦120°、断面積が2000μm2 以下である紡糸
孔を有する紡糸口金により、酢化度45%以上のセルロ
ースアセテート繊維(1) を紡糸する。得られた前記繊維
(1) の断面形状は、周面が平滑な略C字状をなし、その
両端(2,2) がぼぼ接合して擬中空部(3) を形成すると共
に同擬中空部(3) の面積は全断面積の10%以下を占
め、単繊維繊度が4d/f以下である。このように、ア
セテート繊維に生じる凹凸を制御して減少させると共
に、形成された凹窪部を繊維内部に封じ込め、繊維表面
を凹凸のない平滑面とすることで、ウェット感に富んだ
しっとりした風合いが得られる。
んだ多数の凹凸を減少させ、表面ができるだけ平滑で、
肌と繊維との接触感が向上したウエット感に富んだしっ
とりした風合いをもつ、単繊維繊度が4d/f以下の極
細アセテート繊維及びその集合体、並びに同繊維の製造
方法を提供する。 【解決手段】円の一部を1本の直線で切除した形状をも
ち、前記直線の両端と円中心とのなす角度θが60°≦
θ≦120°、断面積が2000μm2 以下である紡糸
孔を有する紡糸口金により、酢化度45%以上のセルロ
ースアセテート繊維(1) を紡糸する。得られた前記繊維
(1) の断面形状は、周面が平滑な略C字状をなし、その
両端(2,2) がぼぼ接合して擬中空部(3) を形成すると共
に同擬中空部(3) の面積は全断面積の10%以下を占
め、単繊維繊度が4d/f以下である。このように、ア
セテート繊維に生じる凹凸を制御して減少させると共
に、形成された凹窪部を繊維内部に封じ込め、繊維表面
を凹凸のない平滑面とすることで、ウェット感に富んだ
しっとりした風合いが得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特殊な断面を有する
セルロースアセテート繊維及びその集合体、並びに同繊
維の製造方法に関し、特に、その特殊で新規な断面形状
により、布帛に従来にないウエットな風合いを付与する
ことのできるアセテート繊維及びその集合体、並びに同
繊維の製造方法に関するものである。
セルロースアセテート繊維及びその集合体、並びに同繊
維の製造方法に関し、特に、その特殊で新規な断面形状
により、布帛に従来にないウエットな風合いを付与する
ことのできるアセテート繊維及びその集合体、並びに同
繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテート繊維は、これまで
主として低屈折率であるために発色性に優れており、ド
ライで清涼感豊かな、ファッシション性の高い高級衣料
素材として位置付けられて来ている。このアセテート繊
維の持つ独特のドライタッチの風合いは、主として同繊
維が乾式紡糸により製造されることに由来するものと考
えられている。即ち、一般にアセテート繊維の乾式紡糸
では、原料ポリマーであるアセテートフレークスをアセ
トンや塩化メチレン等の揮発性の高い溶剤に溶解してこ
れを紡糸原液とし、その原液を円形の紡糸孔をもつ紡糸
口金から吐出して、加熱空気により紡糸原液中の溶剤を
蒸発除去させて繊維状に固化される。
主として低屈折率であるために発色性に優れており、ド
ライで清涼感豊かな、ファッシション性の高い高級衣料
素材として位置付けられて来ている。このアセテート繊
維の持つ独特のドライタッチの風合いは、主として同繊
維が乾式紡糸により製造されることに由来するものと考
えられている。即ち、一般にアセテート繊維の乾式紡糸
では、原料ポリマーであるアセテートフレークスをアセ
トンや塩化メチレン等の揮発性の高い溶剤に溶解してこ
れを紡糸原液とし、その原液を円形の紡糸孔をもつ紡糸
口金から吐出して、加熱空気により紡糸原液中の溶剤を
蒸発除去させて繊維状に固化される。
【0003】この乾式紡糸の過程では、紡糸原液が紡糸
口金より吐出された直後に、原液自体の持つ熱により外
側の表面層の溶剤が蒸発していわゆるスキン層が形成さ
れ、更に、引き続いて加熱空気により糸内部の溶剤が蒸
発する。この溶剤の蒸発に伴う体積収縮がランダムに生
じるために、繊維にはその断面形状に複雑に入り組んだ
多くの凹凸、通常で4〜12個程度の凹凸が形成され、
断面形状が極めて出入りの大きなものとなる。その結
果、前記繊維は人肌等との接触面積が減少し、独特のド
ライ感や清涼感が生み出されていると考えられ、特に、
春夏の婦人衣料に適した素材とされている。
口金より吐出された直後に、原液自体の持つ熱により外
側の表面層の溶剤が蒸発していわゆるスキン層が形成さ
れ、更に、引き続いて加熱空気により糸内部の溶剤が蒸
発する。この溶剤の蒸発に伴う体積収縮がランダムに生
じるために、繊維にはその断面形状に複雑に入り組んだ
多くの凹凸、通常で4〜12個程度の凹凸が形成され、
断面形状が極めて出入りの大きなものとなる。その結
果、前記繊維は人肌等との接触面積が減少し、独特のド
ライ感や清涼感が生み出されていると考えられ、特に、
春夏の婦人衣料に適した素材とされている。
【0004】かかる乾式紡糸により製造される繊維の断
面形状は、主に、その紡糸口金の紡糸孔形状、固化途中
の原液の流動性、及び乾燥速度により決定されるもので
あり、従来から様々な紡糸孔形状と同紡糸孔により得ら
れる繊維の断面形状とが提案されている。
面形状は、主に、その紡糸口金の紡糸孔形状、固化途中
の原液の流動性、及び乾燥速度により決定されるもので
あり、従来から様々な紡糸孔形状と同紡糸孔により得ら
れる繊維の断面形状とが提案されている。
【0005】例えば、特公昭37−7917号公報に、
多数の紡糸孔形状とその口金より得られる繊維の断面形
状が開示されている。その一例を挙げると、紡糸孔形状
が正三角形であると略Y字状断面の繊維が得られ、ま
た、紡糸孔形状が正方形であると略X字状断面の繊維が
得られる。2/3円形状の紡糸孔からは中空の略円形断
面をもつ繊維が、三日月状の紡糸孔からは中空の長円形
状断面をもつ繊維が得られる。更には、3つのスリット
孔を三角形に配した紡糸孔の場合には、円形中空をもつ
三角形状断面の繊維が得られる。
多数の紡糸孔形状とその口金より得られる繊維の断面形
状が開示されている。その一例を挙げると、紡糸孔形状
が正三角形であると略Y字状断面の繊維が得られ、ま
た、紡糸孔形状が正方形であると略X字状断面の繊維が
得られる。2/3円形状の紡糸孔からは中空の略円形断
面をもつ繊維が、三日月状の紡糸孔からは中空の長円形
状断面をもつ繊維が得られる。更には、3つのスリット
孔を三角形に配した紡糸孔の場合には、円形中空をもつ
三角形状断面の繊維が得られる。
【0006】また、特公昭37−12710号公報及び
特公昭39−14012号公報には円の一部を1本の直
線で切除した形状をもつ紡糸孔が開示されている。更
に、セルロースアセテート繊維を紡糸する際に、前記紡
糸孔の直線部分に向けて熱風を送風することにより、得
られる繊維の断面がC字形状となる。
特公昭39−14012号公報には円の一部を1本の直
線で切除した形状をもつ紡糸孔が開示されている。更
に、セルロースアセテート繊維を紡糸する際に、前記紡
糸孔の直線部分に向けて熱風を送風することにより、得
られる繊維の断面がC字形状となる。
【0007】特開昭60−134012号公報に開示さ
れた紡糸孔は、三角形の3つの頂点が、同三角形の重心
を中心とする円により切除された形状をもち、かかる紡
糸孔により紡糸されたセルロースアセテート繊維は略Y
字状断面をもつ。
れた紡糸孔は、三角形の3つの頂点が、同三角形の重心
を中心とする円により切除された形状をもち、かかる紡
糸孔により紡糸されたセルロースアセテート繊維は略Y
字状断面をもつ。
【0008】更に、国際公開WO96/35010号公
報には、紡糸原液にセルロースアセテートを可塑化しう
る高分子物質5〜40重量部を添加することにより、セ
ルロースアセテート繊維の断面形状を変更することが試
みられている。例えば、かかる高分子物質を含有する紡
糸原液を円形の紡糸孔から紡糸すると、長円の中央部分
がくびれた繭状断面をもつ繊維が得られる。また、正方
形の紡糸孔を用いると十字状断面の繊維が、三角形の紡
糸孔を用いるとY字状断面の繊維が得られ、更に、23
0°〜250°の扇形の紡糸孔を用いると、端部がほと
んど接合して擬中空部が形成された略C字状断面の繊維
が得られる。
報には、紡糸原液にセルロースアセテートを可塑化しう
る高分子物質5〜40重量部を添加することにより、セ
ルロースアセテート繊維の断面形状を変更することが試
みられている。例えば、かかる高分子物質を含有する紡
糸原液を円形の紡糸孔から紡糸すると、長円の中央部分
がくびれた繭状断面をもつ繊維が得られる。また、正方
形の紡糸孔を用いると十字状断面の繊維が、三角形の紡
糸孔を用いるとY字状断面の繊維が得られ、更に、23
0°〜250°の扇形の紡糸孔を用いると、端部がほと
んど接合して擬中空部が形成された略C字状断面の繊維
が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の消費
者ニーズの多様化に伴って、アセテート繊維と云えども
ドライ感のみでなく、多様な風合い・タッチが要求され
ている。特に、アセテート繊維のもつドライ感とは全く
正反対の風合いであるウェット感やしなやかなドレープ
性が、アセテート繊維に要求されている。
者ニーズの多様化に伴って、アセテート繊維と云えども
ドライ感のみでなく、多様な風合い・タッチが要求され
ている。特に、アセテート繊維のもつドライ感とは全く
正反対の風合いであるウェット感やしなやかなドレープ
性が、アセテート繊維に要求されている。
【0010】ウェット感を付与するためには、繊維断面
を凹凸の少ない平滑な形状とすることが有効であり、ま
たドレープ性を向上させるためには、単繊維繊度が4d
/f以下の極細繊維とすることが有効である。しかしな
がら、上述した公報に開示されている繊維のうち、凹凸
の大きな断面形状をもつ繊維は、いずれもドライ感に優
れたものであり、かかる要求には対応できていない。
を凹凸の少ない平滑な形状とすることが有効であり、ま
たドレープ性を向上させるためには、単繊維繊度が4d
/f以下の極細繊維とすることが有効である。しかしな
がら、上述した公報に開示されている繊維のうち、凹凸
の大きな断面形状をもつ繊維は、いずれもドライ感に優
れたものであり、かかる要求には対応できていない。
【0011】また、国際公開WO96/35010号公
報に開示された凹凸の少ない円形に近い、単一の擬中空
部をもつ略C字状断面の繊維ではドライ感は軽減される
ものの、かかる略C字状断面の繊維を紡糸するための紡
糸孔は上述したように230°〜250°の扇形であ
り、円形の中心に向けて角度をもって突出する部位が存
在する入り組んだ形状をもつため、孔径が50μm以下
の微細な紡糸孔を形成することが困難となるばかりでな
く、前記突出部位で紡糸原液のつまりが生じ易く、紡糸
口金を頻繁に洗浄しなければならないため、安定した紡
糸が不可能となる。そのため、単繊維繊度が4d/f以
下といった極細繊維を実質的には得ることができず、繊
度が大きいためにドレープ性が損なわれるといった問題
がある。
報に開示された凹凸の少ない円形に近い、単一の擬中空
部をもつ略C字状断面の繊維ではドライ感は軽減される
ものの、かかる略C字状断面の繊維を紡糸するための紡
糸孔は上述したように230°〜250°の扇形であ
り、円形の中心に向けて角度をもって突出する部位が存
在する入り組んだ形状をもつため、孔径が50μm以下
の微細な紡糸孔を形成することが困難となるばかりでな
く、前記突出部位で紡糸原液のつまりが生じ易く、紡糸
口金を頻繁に洗浄しなければならないため、安定した紡
糸が不可能となる。そのため、単繊維繊度が4d/f以
下といった極細繊維を実質的には得ることができず、繊
度が大きいためにドレープ性が損なわれるといった問題
がある。
【0012】そこで本発明は、従来のアセテート繊維が
もつ凹凸の多い断面形状とそれに基づくドライな感触を
低減させ、それとは全く正反対のウエット感に富んだし
っとりした風合いをもち、しなやかなドレープ性をもつ
アセテート繊維及びその集合体、並びに同繊維の製造方
法を提供することを目的としている。具体的には、従来
のアセテート繊維にみられる複雑に入り組んだ多数の凹
凸を減少させ、表面ができるだけ平滑で、肌と繊維との
接触感が向上したウエット感に富んだしっとりした風合
いをもつ、単繊維繊度が4d/f以下の極細アセテート
繊維及びその集合体、並びに同繊維の製造方法を提供す
ることを目的としている。
もつ凹凸の多い断面形状とそれに基づくドライな感触を
低減させ、それとは全く正反対のウエット感に富んだし
っとりした風合いをもち、しなやかなドレープ性をもつ
アセテート繊維及びその集合体、並びに同繊維の製造方
法を提供することを目的としている。具体的には、従来
のアセテート繊維にみられる複雑に入り組んだ多数の凹
凸を減少させ、表面ができるだけ平滑で、肌と繊維との
接触感が向上したウエット感に富んだしっとりした風合
いをもつ、単繊維繊度が4d/f以下の極細アセテート
繊維及びその集合体、並びに同繊維の製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、酢化度45%以上のセルロースアセテー
ト繊維であって、その断面形状は周面が平滑な略C字状
をなし、その両端がぼぼ接合して擬中空部を形成すると
共に同擬中空部の面積は全断面積の10%以下を占め、
単繊維繊度が4d/f以下であることを特徴とする特殊
断面セルロースアセテート繊維を主要な構成としてい
る。
に、本発明は、酢化度45%以上のセルロースアセテー
ト繊維であって、その断面形状は周面が平滑な略C字状
をなし、その両端がぼぼ接合して擬中空部を形成すると
共に同擬中空部の面積は全断面積の10%以下を占め、
単繊維繊度が4d/f以下であることを特徴とする特殊
断面セルロースアセテート繊維を主要な構成としてい
る。
【0014】即ち、上述のようにアセテート繊維の乾式
紡糸の特性上、溶剤の蒸発に伴う体積収縮は避けられな
いため、本発明者らは、アセテート繊維に生じる凹凸を
制御して減少させると共に、形成された凹窪部を繊維内
部に封じ込めることで、繊維表面の凹凸を少なくし、ウ
ェット感に富んだしっとりした風合いを実現させたもの
である。
紡糸の特性上、溶剤の蒸発に伴う体積収縮は避けられな
いため、本発明者らは、アセテート繊維に生じる凹凸を
制御して減少させると共に、形成された凹窪部を繊維内
部に封じ込めることで、繊維表面の凹凸を少なくし、ウ
ェット感に富んだしっとりした風合いを実現させたもの
である。
【0015】本発明のアセテート繊維は、ウエットでし
っとりとした風合いを発揮させるために断面形状を略C
字状、即ち、円周から円中心に向けて凹んだ凹窪部を一
個もたせた形状とすると共に、周面を極めて平滑にし、
更には両端部をほぼ接合させて擬中空部を形成している
が、この擬中空部の面積が目的とするウェット感に富ん
だしっとりした風合いの発現の仕方に大きく影響する。
即ち、この擬中空部の面積が繊維の全断面積に対して大
きい場合には、同一の繊度の場合に軽量となり重量感が
損なわれ、その擬中空部に封じ込められた空気と相まっ
て、むしろ嵩高感に富んだハリ腰のある風合いとなって
しまう。そのため、前記擬中空部の断面積は全断面積の
10%以下とし、更には5%以下であることがより望ま
しい。
っとりとした風合いを発揮させるために断面形状を略C
字状、即ち、円周から円中心に向けて凹んだ凹窪部を一
個もたせた形状とすると共に、周面を極めて平滑にし、
更には両端部をほぼ接合させて擬中空部を形成している
が、この擬中空部の面積が目的とするウェット感に富ん
だしっとりした風合いの発現の仕方に大きく影響する。
即ち、この擬中空部の面積が繊維の全断面積に対して大
きい場合には、同一の繊度の場合に軽量となり重量感が
損なわれ、その擬中空部に封じ込められた空気と相まっ
て、むしろ嵩高感に富んだハリ腰のある風合いとなって
しまう。そのため、前記擬中空部の断面積は全断面積の
10%以下とし、更には5%以下であることがより望ま
しい。
【0016】前記セルロースアセテートはセルロースの
繰り返し単位中に存在する3個の水酸基のうち、平均2
〜3個の水酸基がアセチル化されて酢酸エステルとなっ
たものであり、特に平均2.1〜3.0個がアセチル化
されたもの(酢化度45〜62%)が好ましい。
繰り返し単位中に存在する3個の水酸基のうち、平均2
〜3個の水酸基がアセチル化されて酢酸エステルとなっ
たものであり、特に平均2.1〜3.0個がアセチル化
されたもの(酢化度45〜62%)が好ましい。
【0017】更に、本願の目的とするウェット感やしっ
とりした風合いは、糸の柔軟性やドレープ性とも大いに
関係がある。即ち、腰が無くて曲げ抵抗が小さい柔軟性
の高いドレープ性に富んだ糸は、いずれも人肌との接触
感が大きくなり、ウェット感やしっとり感を付与するの
に効果的である。従って、糸の繊度及び比重を適切に選
択することは、繊維の断面形状を上述のように特殊化す
ることと相まって、ウェット感を付与するといった目的
を達成することが可能となる。この観点から、ウエット
感を向上させるためには糸の太さを細くすることが効果
的であり、前記アセテート繊維は単繊維繊度が4d/f
以下であることが好ましく、前記単繊維繊度が3d/f
以下では更にウェット感を向上させることができる。
とりした風合いは、糸の柔軟性やドレープ性とも大いに
関係がある。即ち、腰が無くて曲げ抵抗が小さい柔軟性
の高いドレープ性に富んだ糸は、いずれも人肌との接触
感が大きくなり、ウェット感やしっとり感を付与するの
に効果的である。従って、糸の繊度及び比重を適切に選
択することは、繊維の断面形状を上述のように特殊化す
ることと相まって、ウェット感を付与するといった目的
を達成することが可能となる。この観点から、ウエット
感を向上させるためには糸の太さを細くすることが効果
的であり、前記アセテート繊維は単繊維繊度が4d/f
以下であることが好ましく、前記単繊維繊度が3d/f
以下では更にウェット感を向上させることができる。
【0018】また、ドレープ性を向上させるためには糸
の比重を重くすることも大いに効果があり、この比重を
重くするために、高比重無機物等をセルロースアセテー
ト繊維中に含有保持させることができる。前記アセテー
ト繊維は比重が3.5以上、屈折率が1.3〜1.9の
微粒子無機物を5〜30重量%含むことが好ましく、前
記微粒子無機物は硫酸バリウムであることが好ましい。
かかる繊維は、前記微粒子無機物をアセテートとの重量
比が5:95〜30:70である紡糸原液を用いて紡糸
することにより得られる。前記無機物を含むアセテート
繊維は、実質的に比重が1.35〜1.64となり、ウ
ェット感を更に向上させることが可能となる。更に、前
記無機物の屈折率が1.3〜1.9と、アセテート繊維
の屈折率に近い屈折率をもつ無機物を採用することで、
セルロースアセテートの特徴である光沢感や発色性の良
さを損うことがない。
の比重を重くすることも大いに効果があり、この比重を
重くするために、高比重無機物等をセルロースアセテー
ト繊維中に含有保持させることができる。前記アセテー
ト繊維は比重が3.5以上、屈折率が1.3〜1.9の
微粒子無機物を5〜30重量%含むことが好ましく、前
記微粒子無機物は硫酸バリウムであることが好ましい。
かかる繊維は、前記微粒子無機物をアセテートとの重量
比が5:95〜30:70である紡糸原液を用いて紡糸
することにより得られる。前記無機物を含むアセテート
繊維は、実質的に比重が1.35〜1.64となり、ウ
ェット感を更に向上させることが可能となる。更に、前
記無機物の屈折率が1.3〜1.9と、アセテート繊維
の屈折率に近い屈折率をもつ無機物を採用することで、
セルロースアセテートの特徴である光沢感や発色性の良
さを損うことがない。
【0019】また、本発明は、上述した特殊断面セルロ
ースアセテート繊維を全繊維本数の60%以上含んでな
ることを特徴とするセルロースアセテート繊維集合体を
他の主要な構成としている。即ち、上述のような特殊断
面形状を有するセルロースアセテートの単繊維の本数が
全繊維本数の60%以上である前記繊維集合体は、編織
物としたときに同編織物に十分なウェット感を呈するこ
とができるが、この割合が60%未満では、目的とする
ウェット感を十分に付与することができず、好ましくは
前記単繊維が全繊維本数の70%以上である。
ースアセテート繊維を全繊維本数の60%以上含んでな
ることを特徴とするセルロースアセテート繊維集合体を
他の主要な構成としている。即ち、上述のような特殊断
面形状を有するセルロースアセテートの単繊維の本数が
全繊維本数の60%以上である前記繊維集合体は、編織
物としたときに同編織物に十分なウェット感を呈するこ
とができるが、この割合が60%未満では、目的とする
ウェット感を十分に付与することができず、好ましくは
前記単繊維が全繊維本数の70%以上である。
【0020】ここで、アセテート繊維の一般的な製造方
法を紹介すると、アセテート繊維はアセテートフレーク
スをアセトンや塩化メチレンなどの溶剤に溶解して紡糸
原液とし、これを円形の紡糸孔を有する紡糸口金を用い
て乾式紡糸することによって得られる。この乾式紡糸に
おいては、紡糸口金より紡糸原液が吐出されると同時に
溶剤が蒸発し、繊維が硬化していくが、その際には、ま
ず外側が硬化して表皮層が形成され、その後に内部の溶
剤が抜けていくについて外側の表皮層が部分的に内側に
入り込み、繊維表面に凹凸が形成される。前述の円形の
紡糸孔を有する紡糸口金により通常の条件で紡糸した場
合に、この凹凸の出現頻度が大きくなり、約4〜12個
の凸部が形成される。
法を紹介すると、アセテート繊維はアセテートフレーク
スをアセトンや塩化メチレンなどの溶剤に溶解して紡糸
原液とし、これを円形の紡糸孔を有する紡糸口金を用い
て乾式紡糸することによって得られる。この乾式紡糸に
おいては、紡糸口金より紡糸原液が吐出されると同時に
溶剤が蒸発し、繊維が硬化していくが、その際には、ま
ず外側が硬化して表皮層が形成され、その後に内部の溶
剤が抜けていくについて外側の表皮層が部分的に内側に
入り込み、繊維表面に凹凸が形成される。前述の円形の
紡糸孔を有する紡糸口金により通常の条件で紡糸した場
合に、この凹凸の出現頻度が大きくなり、約4〜12個
の凸部が形成される。
【0021】このように乾式紡糸では、内部溶剤の蒸発
に伴う体積収縮と表皮層の形成速度及び形成程度とが断
面形状に大きく影響する。従って、上述したような断面
形状を有する本発明のアセテート繊維を得るためには、
断面において一部の表皮層の形成速度及び形成程度に他
部との差をもたせ、表面の一部に比較的強度が低く、応
力を受けた際に変形しやすい部分を意図的に設けること
により、体積収縮の際に生ずる歪みをその部分に集中さ
せ、他部を比較的平滑な状態に維持させることが必要で
ある。
に伴う体積収縮と表皮層の形成速度及び形成程度とが断
面形状に大きく影響する。従って、上述したような断面
形状を有する本発明のアセテート繊維を得るためには、
断面において一部の表皮層の形成速度及び形成程度に他
部との差をもたせ、表面の一部に比較的強度が低く、応
力を受けた際に変形しやすい部分を意図的に設けること
により、体積収縮の際に生ずる歪みをその部分に集中さ
せ、他部を比較的平滑な状態に維持させることが必要で
ある。
【0022】そこで、本発明は円の一部を1本の直線で
切除した形状をもち、前記直線の両端と円中心とのなす
角度θが60°≦θ≦120°、断面積が2000μm
2 以下である紡糸孔を有する紡糸口金を用い、酢化度4
5%以上のセルロースアセテート繊維を乾式紡糸するこ
とを特徴とする特殊断面セルロースアセテート繊維の製
造方法を更に他の主要な構成としている。
切除した形状をもち、前記直線の両端と円中心とのなす
角度θが60°≦θ≦120°、断面積が2000μm
2 以下である紡糸孔を有する紡糸口金を用い、酢化度4
5%以上のセルロースアセテート繊維を乾式紡糸するこ
とを特徴とする特殊断面セルロースアセテート繊維の製
造方法を更に他の主要な構成としている。
【0023】かかる紡糸孔から紡糸された繊維は、紡糸
直後の断面形状が前記紡糸孔の形状と略一致しており、
即ち、繊維表面は前記紡糸孔の直線部分から紡糸された
平坦表面と、前記紡糸孔の円弧部分から紡糸された円弧
表面とを有している。かかる繊維表面をもつ繊維は、紡
糸直後に繊維表面が乾燥する際に、前記平坦表面の乾燥
速度が円弧表面の乾燥速度よりも遅く、前記平坦表面は
前記円弧表面よりも表皮層の形成が遅れる。そのため、
その後に繊維内部の溶剤が蒸発することに伴う体積収縮
の際に、乾燥程度の小さい平坦表面に前記体積収縮の応
力が集中し、同平坦表面が糸内部に向かって陥没して単
一の凹窪部が形成され、更に、体積収縮により同凹窪部
が内部へと入り込むことによりその両端がほぼ接合して
擬中空部が形成される。
直後の断面形状が前記紡糸孔の形状と略一致しており、
即ち、繊維表面は前記紡糸孔の直線部分から紡糸された
平坦表面と、前記紡糸孔の円弧部分から紡糸された円弧
表面とを有している。かかる繊維表面をもつ繊維は、紡
糸直後に繊維表面が乾燥する際に、前記平坦表面の乾燥
速度が円弧表面の乾燥速度よりも遅く、前記平坦表面は
前記円弧表面よりも表皮層の形成が遅れる。そのため、
その後に繊維内部の溶剤が蒸発することに伴う体積収縮
の際に、乾燥程度の小さい平坦表面に前記体積収縮の応
力が集中し、同平坦表面が糸内部に向かって陥没して単
一の凹窪部が形成され、更に、体積収縮により同凹窪部
が内部へと入り込むことによりその両端がほぼ接合して
擬中空部が形成される。
【0024】従って、前記紡糸孔の前記直線部分の寸法
が長い場合、即ち、前記直線の両端と円中心とのなす角
度θが120°より大きい場合には、前記擬中空部の断
面積が大きくなり、ウェット感が少なく、嵩高感の大き
な張り腰のある風合いとなるため、好ましくない。ま
た、逆にこの直線部分の寸法が短かすぎる場合、即ち、
前記直線の両端と円中心とのなす角度θが60°より小
さい場合には、紡糸直後の繊維の前記平坦表面と前記円
弧表面との乾燥速度の差異が小さく、両表面における表
皮層の形成が比較的均一化するため、上述したような直
線部分における体積収縮による応力の集中がなくなり、
結果的には円形の紡糸孔により紡糸された繊維と略同一
の複数の凹凸がある断面形状となる。
が長い場合、即ち、前記直線の両端と円中心とのなす角
度θが120°より大きい場合には、前記擬中空部の断
面積が大きくなり、ウェット感が少なく、嵩高感の大き
な張り腰のある風合いとなるため、好ましくない。ま
た、逆にこの直線部分の寸法が短かすぎる場合、即ち、
前記直線の両端と円中心とのなす角度θが60°より小
さい場合には、紡糸直後の繊維の前記平坦表面と前記円
弧表面との乾燥速度の差異が小さく、両表面における表
皮層の形成が比較的均一化するため、上述したような直
線部分における体積収縮による応力の集中がなくなり、
結果的には円形の紡糸孔により紡糸された繊維と略同一
の複数の凹凸がある断面形状となる。
【0025】また、かかる紡糸孔の形状は、特殊断面形
状をもつ繊維を紡糸するための特殊孔形状の中にあって
は極めて単純な形状であり、その形成が容易である。そ
のため、紡糸孔の孔径が50μm以下で面積が2000
μm2 以下の微細な紡糸孔をもつ紡糸口金を作製するこ
とが可能となる。それにより、単繊維繊度が4d/f以
下の細繊度のアセテート繊維を紡糸することが可能とな
り、上述したような細繊度と構造をもつ繊維が得られる
ことで、ウェット感を向上させることができる。
状をもつ繊維を紡糸するための特殊孔形状の中にあって
は極めて単純な形状であり、その形成が容易である。そ
のため、紡糸孔の孔径が50μm以下で面積が2000
μm2 以下の微細な紡糸孔をもつ紡糸口金を作製するこ
とが可能となる。それにより、単繊維繊度が4d/f以
下の細繊度のアセテート繊維を紡糸することが可能とな
り、上述したような細繊度と構造をもつ繊維が得られる
ことで、ウェット感を向上させることができる。
【0026】更に、通常、アセテート繊維を乾式紡糸を
する際には、前記紡糸口金から吐出される際の紡糸原液
の温度を65℃以上75℃以下程度に設定している。し
かしながら、本発明ではこの紡糸原液の温度を上述した
通常の温度よりも低い範囲に設定することによって、上
述したような特殊断面形状を有するアセテート繊維を得
ることが容易となる。即ち、前記紡糸口金から吐出され
る紡糸原液の温度は45〜65℃、好ましくは50〜6
0℃に設定することが好ましい。この紡糸原液温度が4
5℃よりも低いと紡糸原液中の溶剤が十分に乾燥せず、
紡糸工程中に複数の単繊維が密着したり、或いは糸切れ
を起こす原因となる。一方、65℃よりも高いと溶剤が
極めて蒸発しやすくなり、紡糸孔の形状を上述のような
特殊な形状としても、繊維の平坦表面と円弧表面との表
皮層の形成速度の差異が小さくなり、単繊維あたりの繊
維断面における凹凸の数が増大する。
する際には、前記紡糸口金から吐出される際の紡糸原液
の温度を65℃以上75℃以下程度に設定している。し
かしながら、本発明ではこの紡糸原液の温度を上述した
通常の温度よりも低い範囲に設定することによって、上
述したような特殊断面形状を有するアセテート繊維を得
ることが容易となる。即ち、前記紡糸口金から吐出され
る紡糸原液の温度は45〜65℃、好ましくは50〜6
0℃に設定することが好ましい。この紡糸原液温度が4
5℃よりも低いと紡糸原液中の溶剤が十分に乾燥せず、
紡糸工程中に複数の単繊維が密着したり、或いは糸切れ
を起こす原因となる。一方、65℃よりも高いと溶剤が
極めて蒸発しやすくなり、紡糸孔の形状を上述のような
特殊な形状としても、繊維の平坦表面と円弧表面との表
皮層の形成速度の差異が小さくなり、単繊維あたりの繊
維断面における凹凸の数が増大する。
【0027】また、前記紡糸口金から吐出される紡糸原
液は、屈折率が1.3〜1.9、比重が3.5以上の微
粒子無機物を5〜30重量%含んでなることが既述した
理由からも望ましい。
液は、屈折率が1.3〜1.9、比重が3.5以上の微
粒子無機物を5〜30重量%含んでなることが既述した
理由からも望ましい。
【0028】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
いて、図面及び代表的な実施例を参照して具体的に説明
する。図1は本発明の典型的な実施態様である特殊断面
セルロースアセテート繊維をモデル的に示す断面図、図
2は本発明の特殊断面セルロースアセテート繊維の製造
方法に使用される紡糸口金の紡糸孔の平面図である。
いて、図面及び代表的な実施例を参照して具体的に説明
する。図1は本発明の典型的な実施態様である特殊断面
セルロースアセテート繊維をモデル的に示す断面図、図
2は本発明の特殊断面セルロースアセテート繊維の製造
方法に使用される紡糸口金の紡糸孔の平面図である。
【0029】図1に示す特殊断面セルロースアセテート
繊維1の断面形状は、周面が平滑な略C字状をなし、そ
の両端2,2がぼぼ接合して擬中空部3を形成してい
る。同擬中空部3の面積は全断面積の10%以下を占め
ている。更に前記特殊断面セルロースアセテート繊維1
の単繊維繊度は4d/f以下である。
繊維1の断面形状は、周面が平滑な略C字状をなし、そ
の両端2,2がぼぼ接合して擬中空部3を形成してい
る。同擬中空部3の面積は全断面積の10%以下を占め
ている。更に前記特殊断面セルロースアセテート繊維1
の単繊維繊度は4d/f以下である。
【0030】この繊維1は繊維表面の凹凸が少ないた
め、繊維表面と人肌との接触面積が大きくなり、更にそ
の単繊維繊度が小さいため柔軟なドレープ性に富んだ繊
維となり、ウェット感をもつしっとりした風合いが得ら
れる。
め、繊維表面と人肌との接触面積が大きくなり、更にそ
の単繊維繊度が小さいため柔軟なドレープ性に富んだ繊
維となり、ウェット感をもつしっとりした風合いが得ら
れる。
【0031】かかる繊維を製造するための本発明の製造
方法に使用される紡糸口金に形成された紡糸孔の典型的
な形状について、図2を参照して説明する。前記紡糸孔
10は、直径Rの円の一部が1本の直線11で切除され
た形状をもつ。前記直線11の両端11a,11aと円
中心Oとのなす角度θが60°≦θ≦120°の間で設
定される。
方法に使用される紡糸口金に形成された紡糸孔の典型的
な形状について、図2を参照して説明する。前記紡糸孔
10は、直径Rの円の一部が1本の直線11で切除され
た形状をもつ。前記直線11の両端11a,11aと円
中心Oとのなす角度θが60°≦θ≦120°の間で設
定される。
【0032】次に、上記紡糸孔10をもつ紡糸口金を用
いて乾式紡糸されたセルロースアセテート繊維について
実施例を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施
例に限定されるものではない。
いて乾式紡糸されたセルロースアセテート繊維について
実施例を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施
例に限定されるものではない。
【0033】以下の実施例及び比較例における各種の評
価は次のようにして測定した。 (中空率)図3及び図4に示すような断面写真を撮影
し、同写真から繊維の全体の断面積に対する擬中空部の
割合を求め、%で示した。 (風合い)得られたセルロースアセテート繊維(マルチ
フィラメント)を用いて平編み組織で編地を作成し、精
錬染色後、手触りにより官能評価を行った。このとき、
比較例1を標準とし、これよりウエット感のあるものを
やや良、さらにウエット感のあるものを良と判定した。
価は次のようにして測定した。 (中空率)図3及び図4に示すような断面写真を撮影
し、同写真から繊維の全体の断面積に対する擬中空部の
割合を求め、%で示した。 (風合い)得られたセルロースアセテート繊維(マルチ
フィラメント)を用いて平編み組織で編地を作成し、精
錬染色後、手触りにより官能評価を行った。このとき、
比較例1を標準とし、これよりウエット感のあるものを
やや良、さらにウエット感のあるものを良と判定した。
【0034】〔比較例1〕平均酢化度61.2%のセル
ロースアセテートフレークスを、塩化メチレン/メタノ
ール混合溶剤(91/9)に溶解し、紡糸原液を調製し
た。この紡糸原液を72℃に調整し、孔径が38μmの
円形の紡糸孔をもつ紡糸口金により、紡速730m/分
にて紡糸を行い、75デニール/20フィラメントのセ
ルロースアセテートマルチフィラメントを得た。
ロースアセテートフレークスを、塩化メチレン/メタノ
ール混合溶剤(91/9)に溶解し、紡糸原液を調製し
た。この紡糸原液を72℃に調整し、孔径が38μmの
円形の紡糸孔をもつ紡糸口金により、紡速730m/分
にて紡糸を行い、75デニール/20フィラメントのセ
ルロースアセテートマルチフィラメントを得た。
【0035】〔実施例1〜3,比較例2〜4〕平均酢化
度61.2%のセルロースアセテートフレークスを、塩
化メチレン/メタノール混合溶剤(91/9)に溶解
し、紡糸原液を調製した。この紡糸原液を60℃に調整
し、表1に示す紡糸口金を用いて紡速500m/分にて
紡糸を行い、75デニール/30フィラメントのセルロ
ースアセテートマルチフィラメントを得た。各フィラメ
ントの断面形状、中空率及び風合いについての評価結果
を表1に示す。
度61.2%のセルロースアセテートフレークスを、塩
化メチレン/メタノール混合溶剤(91/9)に溶解
し、紡糸原液を調製した。この紡糸原液を60℃に調整
し、表1に示す紡糸口金を用いて紡速500m/分にて
紡糸を行い、75デニール/30フィラメントのセルロ
ースアセテートマルチフィラメントを得た。各フィラメ
ントの断面形状、中空率及び風合いについての評価結果
を表1に示す。
【0036】
【表1】 比較例2のように、紡糸孔の直線の両端と円中心とのな
す前記角度θが大きく、前記直線の寸法が長いと、凹窪
部の両端が互いに接合せず離れた状態で擬中空部は形成
されず、面積の大きな凹窪部が形成され、ウェット感を
得ることができない。また、比較例3のように擬中空部
が形成されても、前記角度θが大きく前記直線の寸法が
長いと、前記擬中空部の面積が大きくなり、硬めの風合
いとなる。一方、比較例4のように前記角度θが小さす
ぎても、繊維の表面には多数の凹凸が形成されることに
なり、人肌との接触面積が少ないドライ感の大きな硬め
の風合いとなる。
す前記角度θが大きく、前記直線の寸法が長いと、凹窪
部の両端が互いに接合せず離れた状態で擬中空部は形成
されず、面積の大きな凹窪部が形成され、ウェット感を
得ることができない。また、比較例3のように擬中空部
が形成されても、前記角度θが大きく前記直線の寸法が
長いと、前記擬中空部の面積が大きくなり、硬めの風合
いとなる。一方、比較例4のように前記角度θが小さす
ぎても、繊維の表面には多数の凹凸が形成されることに
なり、人肌との接触面積が少ないドライ感の大きな硬め
の風合いとなる。
【0037】〔比較例5,実施例4〜8〕平均酢化度6
1.2%のセルロースアセテートフレークスを、塩化メ
チレン/メタノール混合溶剤(91/9)に溶解し、紡
糸原液を調製した。この紡糸原液を57℃に調整し、表
2に示す紡糸口金を用いて紡糸し、所定のアセテートマ
ルチフィラメントを得た。その結果を表2に示す。更
に、実施例5の断面写真を図3に、比較例5の断面写真
を図4にそれぞれ示す。
1.2%のセルロースアセテートフレークスを、塩化メ
チレン/メタノール混合溶剤(91/9)に溶解し、紡
糸原液を調製した。この紡糸原液を57℃に調整し、表
2に示す紡糸口金を用いて紡糸し、所定のアセテートマ
ルチフィラメントを得た。その結果を表2に示す。更
に、実施例5の断面写真を図3に、比較例5の断面写真
を図4にそれぞれ示す。
【0038】
【表2】 実施例5のセルロースアセテートマルチフィラメント
は、その単繊維が、図3に示すように断面形状が全体と
して略C字状をなし、その周面は平滑で、両端がぼぼ接
合して擬中空部を形成している。同擬中空部の面積は全
断面積の8%である。更にこのマルチフィラメントは7
5d/20fであり、即ち、単繊維繊度が約3.8d/
fである。
は、その単繊維が、図3に示すように断面形状が全体と
して略C字状をなし、その周面は平滑で、両端がぼぼ接
合して擬中空部を形成している。同擬中空部の面積は全
断面積の8%である。更にこのマルチフィラメントは7
5d/20fであり、即ち、単繊維繊度が約3.8d/
fである。
【0039】これに対して、比較例5では、紡糸孔径R
が大きく、紡糸孔の面積が本願発明の範囲(2000μ
m2 以下)よりも大きい紡糸口金を使用している。その
ため、得られたセルロースアセテートマルチフィラメン
トの単繊維は、図4に示すように断面形状が全体として
は略C字状でその両端がほぼ接合して擬中空部を形成し
ているが、周面が平滑ではなく凹凸が形成されており、
また、擬中空部の中空率が16%と大きいものとなる。
そのため、人肌との接触面積が小さくウェット感を得る
ことができず、またドレープ性も小さい。
が大きく、紡糸孔の面積が本願発明の範囲(2000μ
m2 以下)よりも大きい紡糸口金を使用している。その
ため、得られたセルロースアセテートマルチフィラメン
トの単繊維は、図4に示すように断面形状が全体として
は略C字状でその両端がほぼ接合して擬中空部を形成し
ているが、周面が平滑ではなく凹凸が形成されており、
また、擬中空部の中空率が16%と大きいものとなる。
そのため、人肌との接触面積が小さくウェット感を得る
ことができず、またドレープ性も小さい。
【0040】また、実施例4〜8から、紡糸孔の直径R
が小さくなると、得られる単繊維の中空率も小さくな
り、それに伴ってウェット感に富んだものとなり、風合
いが向上することがわかる。なお、本発明に使用される
紡糸口金の紡糸孔形状は上述したように比較的単純な形
状をもつため、実施例7や実施例8のように孔径Rが3
0μm以下の細径の紡糸孔をもつ紡糸口金を製造するこ
とが可能となり、実施例8のように75d/50f
(1.5d/f)といった繊度の小さなセルロースアセ
テート繊維を製造することが可能となる。
が小さくなると、得られる単繊維の中空率も小さくな
り、それに伴ってウェット感に富んだものとなり、風合
いが向上することがわかる。なお、本発明に使用される
紡糸口金の紡糸孔形状は上述したように比較的単純な形
状をもつため、実施例7や実施例8のように孔径Rが3
0μm以下の細径の紡糸孔をもつ紡糸口金を製造するこ
とが可能となり、実施例8のように75d/50f
(1.5d/f)といった繊度の小さなセルロースアセ
テート繊維を製造することが可能となる。
【0041】〔実施例9〜11〕平均酢化度61.2%
のセルロースアセテートフレークスを、塩化メチレン/
メタノール混合溶剤(91/9)に溶解し、更にこの溶
液に硫酸バリウムをアセテートに対し18重量%の割合
(硫酸バリウム:アセテートが15.3:84.7)で
添加して紡糸原液を調製した。この紡糸原液を57℃に
調整し、表3に示す紡糸口金を用いてで紡速500m/
分で紡糸し、所定のアセテートマルチフィラメントを得
た。結果を表3に示す。
のセルロースアセテートフレークスを、塩化メチレン/
メタノール混合溶剤(91/9)に溶解し、更にこの溶
液に硫酸バリウムをアセテートに対し18重量%の割合
(硫酸バリウム:アセテートが15.3:84.7)で
添加して紡糸原液を調製した。この紡糸原液を57℃に
調整し、表3に示す紡糸口金を用いてで紡速500m/
分で紡糸し、所定のアセテートマルチフィラメントを得
た。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】 紡糸原液に硫酸バリウムが添加されている場合でも、紡
糸に際して何ら不都合が生じることはなく、また、実施
例9〜11と実施例4〜6とを比較すると、硫酸バリウ
ムが添加されている実施例9〜11の方が中空率が若干
小さくなる。更に、これら実施例9〜11は、繊維が硫
酸バリウムを含有するため、比重が重くなりドレープ性
が向上し、ウェット感が増し風合いに優れると共に通常
の発色性をも損なうことがない。
糸に際して何ら不都合が生じることはなく、また、実施
例9〜11と実施例4〜6とを比較すると、硫酸バリウ
ムが添加されている実施例9〜11の方が中空率が若干
小さくなる。更に、これら実施例9〜11は、繊維が硫
酸バリウムを含有するため、比重が重くなりドレープ性
が向上し、ウェット感が増し風合いに優れると共に通常
の発色性をも損なうことがない。
【0043】〔実施例12〜14〕平均酢化度55.5
%のセルロースアセテートフレークスを、アセトン/水
混合溶剤(95/5)に溶解し、紡糸原液を調製した。
この紡糸原液を57℃に調整し表4に示すような紡糸口
金で紡速500m/分で紡糸し、所定のアセテートマル
チフィラメントを得た。結果を表4に示す。
%のセルロースアセテートフレークスを、アセトン/水
混合溶剤(95/5)に溶解し、紡糸原液を調製した。
この紡糸原液を57℃に調整し表4に示すような紡糸口
金で紡速500m/分で紡糸し、所定のアセテートマル
チフィラメントを得た。結果を表4に示す。
【0044】
【表4】 溶剤を変更しても、得られる繊維の断面形状及び風合い
に格別の差異はなく、ウェット感に富んだしっとりした
風合いをもつ繊維を得ることができる。
に格別の差異はなく、ウェット感に富んだしっとりした
風合いをもつ繊維を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のような
従来にない全体的に丸みを帯び、且つ極めて平滑な表面
をもつ特殊な断面形状のセルロースアセテート繊維は、
今までにはないウエット感に富んだしっとりとした風合
いを有する布帛を提供することができ、その意義は極め
て大である。
従来にない全体的に丸みを帯び、且つ極めて平滑な表面
をもつ特殊な断面形状のセルロースアセテート繊維は、
今までにはないウエット感に富んだしっとりとした風合
いを有する布帛を提供することができ、その意義は極め
て大である。
【図1】本発明の代表的な実施態様による特殊断面セル
ロースアセテート繊維の断面をモデル的に示す断面図で
ある。
ロースアセテート繊維の断面をモデル的に示す断面図で
ある。
【図2】本発明の製造方法で使用される紡糸口金の紡糸
孔形状を示す平面図である。
孔形状を示す平面図である。
【図3】実施例5のアセテートマルチフィラメントの断
面の顕微鏡写真(倍率400倍)である。
面の顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【図4】比較例5のアセテートマルチフィラメントの断
面の顕微鏡写真(倍率400倍)である。
面の顕微鏡写真(倍率400倍)である。
1 特殊断面セルロースアセテート繊維 2 両端 3 擬中空部 10 紡糸孔 11 直線 11a 直線の両端
Claims (7)
- 【請求項1】 酢化度45%以上のセルロースアセテー
ト繊維であって、その断面形状は周面が平滑な略C字状
をなし、その両端がぼぼ接合して擬中空部を形成すると
共に同擬中空部の面積は全断面積の10%以下を占め、
単繊維繊度が4d/f以下であることを特徴とする特殊
断面セルロースアセテート繊維。 - 【請求項2】 屈折率が1.3〜1.9、比重が3.5
以上の微粒子無機物を5〜30重量%含む請求項1記載
の特殊断面セルロースアセテート繊維。 - 【請求項3】 前記微粒子無機物が硫酸バリウムである
請求項2記載の特殊断面セルロースアセテート繊維。 - 【請求項4】 請求項1記載の特殊断面セルロースアセ
テート繊維を全繊維本数の60%以上含んでなることを
特徴とする特殊断面セルロースアセテート繊維集合体。 - 【請求項5】 円の一部を1本の直線で切除した形状を
もち、前記直線の両端と円中心とのなす角度θが60°
≦θ≦120°、面積が2000μm2 以下である紡糸
孔を有する紡糸口金を用い、酢化度45%以上のセルロ
ースアセテート繊維を乾式紡糸することを特徴とする特
殊断面セルロースアセテート繊維の製造方法。 - 【請求項6】 前記紡糸口金から吐出される紡糸原液の
温度は45〜65℃である請求項5記載の製造方法。 - 【請求項7】 前記紡糸口金から吐出される紡糸原液
は、屈折率が1.3〜1.9、比重が3.5以上の微粒
子無機物を5〜30重量%含んでなる請求項5又は6記
載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3974098A JPH11222714A (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 特殊断面セルロースアセテート繊維及びその集合体並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3974098A JPH11222714A (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 特殊断面セルロースアセテート繊維及びその集合体並びにその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11222714A true JPH11222714A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12561372
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3974098A Pending JPH11222714A (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 特殊断面セルロースアセテート繊維及びその集合体並びにその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11222714A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102818533A (zh) * | 2012-07-29 | 2012-12-12 | 昆明醋酸纤维有限公司 | 一种醋酸纤维截面形状及径向异形度检测方法 |
| JP2024526587A (ja) * | 2021-06-24 | 2024-07-19 | イーストマン ケミカル カンパニー | 閉じたc字形繊維の高密度集合 |
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1998
- 1998-02-05 JP JP3974098A patent/JPH11222714A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102818533A (zh) * | 2012-07-29 | 2012-12-12 | 昆明醋酸纤维有限公司 | 一种醋酸纤维截面形状及径向异形度检测方法 |
| JP2024526587A (ja) * | 2021-06-24 | 2024-07-19 | イーストマン ケミカル カンパニー | 閉じたc字形繊維の高密度集合 |
| EP4359592A4 (en) * | 2021-06-24 | 2026-04-15 | Eastman Chem Co | HIGH POPULATION OF CLOSED C-SHAPED FIBERS |
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