JPH11224953A - 光起電力装置及びその製造方法 - Google Patents

光起電力装置及びその製造方法

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JPH11224953A
JPH11224953A JP10116072A JP11607298A JPH11224953A JP H11224953 A JPH11224953 A JP H11224953A JP 10116072 A JP10116072 A JP 10116072A JP 11607298 A JP11607298 A JP 11607298A JP H11224953 A JPH11224953 A JP H11224953A
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JP
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layer
photovoltaic device
group
absorbing layer
light
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JP10116072A
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Yoshihiko Iijima
喜彦 飯島
Hitoshi Kondo
均 近藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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    • Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光吸収層の配向性を向上させ、更に熱的安定
性に優れた高い光電変換効率を有する光起電力装置を提
供する。また、高い光電変換効率を有する光起電力装置
が低コストで得られる製造方法を提供する。 【解決手段】 I−III−VI2族化合物半導体から
なる光吸収層および光吸収層に接して光の入射側の反対
側に形成された導電層を有する光起電力装置において、
導電層が非晶質合金からなる光起電力装置。I族および
III族元素を含む層を少なくともVI族元素を含む雰
囲気中で加熱することによって光吸収層を非晶質合金か
らなる導電層上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い光電変換効率
を有する光起電力装置及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カルコパイライト構造を有するI−II
I−VI2族化合物半導体を光吸収層とする光起電力装
置は、光吸収層が薄膜であっても高い光電変換効率を示
し、また光照射による効率の劣化等が少ないことから実
用化が期待されている。上記光吸収層を形成する方法と
しては、I−III−VI2族化合物半導体を構成する
各元素を別々の蒸発源から同時に蒸発させて基板上で化
合物を得る多源同時蒸着法や、化合物を構成する金属の
積層膜あるいは混合膜をカルコゲン元素を含む雰囲気中
で加熱する気相セレン化(硫化)法などが知られてい
る。特に後者は大面積で大量に製造できるため量産に向
いた方法として注目されている。従来、光吸収層である
カルコパイライト構造を有するI−III−VI2族化
合物半導体は、上記方法などを用い金属薄膜上あるいは
金属基板上に形成されていた。この場合、形成されたI
−III−VI2族化合物半導体は、下地金属の影響を
受け配向性に問題を生じる等により、光吸収層と光吸収
層に接して該層より光の入射側に形成される半導体材料
層(バッファー層)との格子不整合により、光電変換効
率の低下を招くなどの不具合が生じていた。
【0003】これを解決するために、特開平4−199
880号公報には、カルコパイライト薄膜の下地に非晶
質導電性基板または非晶質導電性薄膜を用いることによ
り、カルコパイライト薄膜の配向性を向上させることが
開示されている。また、特開平4−309238号公報
には、導電性基板の表面をイオン打ち込み等の方法によ
り非晶質化し、その上にカルコパイライト薄膜を製膜す
ることにより、カルコパイライト薄膜の配向性を向上さ
せることが開示されている。しかしながら、これらの方
法では、下地として、非晶質材料を用いるため、熱的安
定性に劣る、経時変化が生ずるなどの問題が生じ、また
イオン打ち込み等の方法を用いる場合には、特別な装置
を必要とすることから、生産コストの増大、生産効率の
低下等の問題が生じていた。また、特に熱的安定性に劣
る場合には、光吸収層であるカルコパイライト薄膜を形
成する際に結晶化が生じ、それがカルコパイライト薄膜
の配向性に悪影響を及ぼす等の不具合があった。そし
て、上記のような下地の上に形成したカルコパイライト
薄膜を用いた太陽電池などの光起電力装置では光電変換
効率が低下するなどの問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、光吸収層の配向性を向上さ
せ、更に熱的安定性に優れた高い光電変換効率を有する
光起電力装置を提供することにある。また、本発明の課
題は高い光電変換効率を有する光起電力装置が低コスト
で得られ、更に生産性に優れた光起電力装置の製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、I−III−VI2族化合物半導体からなる光吸収
層およびその光吸収層に接して光の入射側の反対側に形
成された導電層を有する光起電力装置において、該導電
層が非晶質合金からなることを特徴とする光起電力装置
が提供される。
【0006】第二に、I−III−VI2族化合物半導
体からなる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入
射側の反対側に形成された導電層を有する光起電力装置
において、該導電層が基体を兼ねる非晶質合金薄帯であ
ることを特徴とする光起電力装置が提供される。
【0007】第三に、上記第一または第二に記載の光起
電力装置において、非晶質合金の結晶化温度が400℃
以上であることを特徴とする光起電力装置が提供され
る。
【0008】第四に、上記第一乃至第三のいずれかに記
載の光起電力装置において、非晶質合金が、Fe、C
o、Ni、Cr、Cu、Pdの1種〜6種を含む遷移金
属及びその固溶体からなる群から選ばれる少なくとも一
つと、B、C、Si、P、Ge、Ti、Zr、Hf、N
b、Taの1種〜10種を含む元素及びその固溶体から
なる群から選ばれる少なくとも一つとにより構成されて
いることを特徴とする光起電力装置が提供される。
【0009】第五に、上記第一乃至第四のいずれかに記
載の光起電力装置において、導電層のシート抵抗値が5
0Ω/□以下であることを特徴とする光起電力装置が提
供される。
【0010】第六に、上記第一乃至第五のいずれかに記
載の光起電力装置において、光吸収層に接して光の入射
側に、該光吸収層よりバンドギャップの大きい半導体材
料層を有することを特徴とする光起電力装置が提供され
る。
【0011】第七に、上記第六に記載の光起電力装置に
おいて、半導体材料層が、光吸収層と接合する半導体層
と、その半導体層に接して光の入射側に形成された透明
電極層とからなることを特徴とする光起電力装置が提供
される。
【0012】第八に、上記第六または第七に記載の光起
電力装置において、光吸収層と接合する半導体材料層
が、少なくともZnS、ZnSe、ZnOおよびこれら
の混晶よりなる群より選択されたものを含有して構成さ
れていることを特徴とする光起電力装置が提供される。
【0013】第九に、I−III−VI2族化合物半導
体からなる光吸収層および光吸収層に接して光の入射側
の反対側に形成された導電層を有する光起電力装置の製
造方法において、I族およびIII族元素を含む層を少
なくともVI族元素を含む雰囲気中で加熱することによ
って光吸収層を非晶質合金からなる導電層上に形成する
ことを特徴とする光起電力装置の製造方法が提供され
る。
【0014】第十に、I−III−VI2族化合物半導
体からなる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入
射側の反対側に形成された導電層を有する光起電力装置
の製造方法において、非晶質合金薄帯上にI−III−
VI2族化合物半導体からなる光吸収層を連続的に形成
することを特徴とする光起電力装置の製造方法が提供さ
れる。
【0015】第十一に、I−III−VI2族化合物半
導体からなる光吸収層およびその光吸収層に接して光の
入射側の反対側に形成された導電層を有する光起電力装
置の製造方法において、非晶質合金薄帯上にI−III
−VI2族化合物半導体からなる光吸収層、該光吸収層
と接合する半導体層、及び該半導体層に接する透明電極
層を連続的に形成することを特徴とする光起電力装置の
製造方法が提供される。
【0016】以下に本発明をさらに詳しく説明する。上
記第一に記載の光起電力装置は、I−III−VI2族
化合物半導体からなる光吸収層およびその光吸収層に接
して光の入射側の反対側に形成された導電層を有する光
起電力装置において、該導電層が非晶質合金からなるこ
とを特徴とするものである。導電層を非晶質合金とする
ことによって、光吸収層の配向性に対する下地層の影響
を少なくすることができ、導電層上に形成されるI−I
II−VI2族化合物薄膜をその最稠密面である(11
2)面に配向させることができる。これにより、I−I
II−VI2族化合物半導体からなる光吸収層における
結晶欠陥が少なくなり、光キャリアの拡散長が長くなる
ため、高い光電変換効率が得られる。
【0017】一般に薄膜の結晶配向性は下地の影響を強
く受けることが知られており、I−III−VI2族化
合物薄膜を(112)面に配向させるためには、その下
地層が光吸収層の配向性に影響を及ぼさないことが望ま
しい。従って、下地層は非晶質合金であることが好適で
ある。また、このように光吸収層の下地層として非晶質
合金を適切に用いることにより、熱的安定性が向上し常
に高い光電変換効率を得ることができる。
【0018】上記第二に記載の光起電力装置は、I−I
II−VI2族化合物半導体からなる光吸収層に接して
光の入射側の反対側に形成される導電層が基体を兼ねる
非晶質合金薄帯であることを特徴とするものである。こ
れにより、高い光電変換効率を有する光起電力装置が得
られることに加え、導電層として非晶質合金からなる連
続した薄帯を用い、それが基体を兼ねることによって、
光起電力装置の構成材料を削減することができ、また連
続的に光起電力装置を作製することが可能となり、光起
電力装置のコストの削減および生産性の向上を図ること
ができる。
【0019】上記第三に記載の光起電力装置は、非晶質
合金の結晶化温度が400℃以上であることを特徴とす
るものである。このようにすることにより、光吸収層を
非晶質合金からなる導電層上に形成する際に、非晶質合
金の結晶化を抑制することができ、それにより光吸収層
の(112)面配向性が向上し、高い光電変換効率を得
ることができる。また、導電層として基体を兼ねる非晶
質合金薄帯を用いる場合には、非晶質合金の結晶化によ
る薄帯の機械的強度の低下を抑制することができる。
【0020】上記第四に記載の光起電力装置は、非晶質
合金が、Fe、Co、Ni、Cr、Cu、Pdの1種〜
6種を含む遷移金属及びその固溶体からなる群から選ば
れる少なくとも一つと、B、C、Si、P、Ge、T
i、Zr、Hf、Nb、Taの1種〜10種を含む元素
及びその固溶体からなる群から選ばれる少なくとも一つ
とにより構成されていることを特徴とするものである。
これにより、熱的安定性を有し、経時変化の少ない非晶
質合金層を形成することができ、その上に光吸収層を形
成することにより常に高い光電変換効率を得ることがで
きる。また、導電層として基体を兼ねる非晶質合金薄帯
を用いる場合には、機械的強度を充分に有する非晶質合
金薄帯が得られる。
【0021】上記第五に記載の光起電力装置は、導電層
のシート抵抗値が50Ω/□以下であることを特徴とす
るものである。導電層としてこのようなものを採用する
ことにより、直列抵抗成分が減少するため光キャリアを
有効に収集できるので高い光電変換効率が得られる。
【0022】上記第六に記載の光起電力装置は、さらに
光吸収層に接して該層より光入射側に、光吸収層よりバ
ンドギャップの大きい半導体材料層を設けた構成よりな
ることを特徴とするものである。このような半導体材料
層を設けることにより、いわゆる窓効果によって、ホモ
接合の場合に比べて短波長感度が向上し、高い光電変換
効率を得ることができる。
【0023】上記第七に記載の光起電力装置は、光吸収
層よりバンドギャップの大きい半導体材料層が、光吸収
層と接合する半導体層と、その半導体層に接して光の入
射側に形成された透明電極層とから構成されることを特
徴とするものである。これにより、理想的な接合界面の
形成と表面再結合の抑止が可能となり、光吸収層とそれ
に接する層の接合特性が良好なものとなり、高い光電変
換効率を得ることができる。
【0024】上記第八に記載の光起電力装置は、光吸収
層と接合する半導体材料層が、少なくともZnS、Zn
Se、ZnOおよびこれらの混晶よりなる群より選択さ
れたものを含有して構成されていることを特徴とするも
のである。上記材料は、いずれもバンドギャップが2.
6eV以上と大きいため、大きな窓効果が期待でき、ま
た適当な混晶比を選択することによって、I−III−
VI2族化合物半導体との格子不整合を小さくすること
ができるため、良好な接合特性が得られる。さらには、
従来用いられてきたCdSにおけるCdのような有害な
物質を含まない点でも望ましい。
【0025】上記第九に記載の光起電力装置の製造方法
は、I族およびIII族元素を含む層を少なくともVI
族元素を含む雰囲気中で加熱することによって光吸収層
を非晶質合金からなる導電層上に形成することを特徴と
するものである。光吸収層をこのようにして形成するこ
とにより、導電層(基体を兼ねる非晶質合金薄帯を含
む)との密着性、結晶性および導電率制御性を確保し、
大面積を有する光吸収層を大量に製造することが可能と
なり、光起電力装置の製造コストを低減することができ
る。
【0026】第十に記載の光起電力装置の製造方法は、
非晶質合金薄帯上にI−III−VI2族化合物半導体
からなる光吸収層を連続的に形成することを特徴とする
ものであり、これにより光起電力装置を連続的に作製す
ることができ、光起電力装置の生産性を向上させること
ができる。
【0027】第十一に記載の光起電力装置の製造方法
は、非晶質合金薄帯上にI−III−VI2族化合物半
導体からなる光吸収層、該光吸収層と接合する半導体
層、及び該半導体層に接する透明電極層を連続的に形成
することを特徴とするものであり、これにより光起電力
装置を連続的に作製することができ、光起電力装置の生
産性を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて以下に説明する。図1は本発明の光起電力装置の一
例を模式的に示す断面図であり、基板1、非晶質合金か
らなる導電層2、I−III−VI2族化合物半導体か
らなる光吸収層3、光吸収層3と逆の伝導型である半導
体層4および透明電極層5から構成されている。また、
図2は本発明の光起電力装置の他の例を模式的に示す断
面図であり、非晶質合金薄帯(基体と導電層を兼ねる)
2A、I−III−VI2族化合物半導体からなる光吸
収層3、光吸収層3と逆の伝導型である半導体層4およ
び透明電極層5から構成されている。
【0029】非晶質合金の結晶化温度は、光吸収層を非
晶質合金からなる導電層2上または非晶質合金薄帯2A
上に形成する際の加熱温度を考慮すると、400℃以上
が好ましく、特に500℃以上が好ましい。これによ
り、I−III−VI2族化合物半導体からなる光吸収
層を導電層上または非晶質合金薄帯上に形成する際にお
ける非晶質合金の結晶化を防ぐことができる。
【0030】非晶質合金としては、非結晶化の容易さ、
結晶化温度、経時変化の度合い、導電層としての特性並
びに薄帯としたときの機械的強度などの点から、遷移金
属−非金属系、遷移金属−遷移金属系、典型金属−典型
金属系など種々のものが挙げられるが、Fe、Co、N
i、Cr、Cu、Pdの1種〜6種を含む遷移金属及び
その固溶体からなる群から選ばれる少なくとも一つと、
B、C、Si、P、Ge、Ti、Zr、Hf、Nb、T
aの1種〜10種を含む元素及びその固溶体からなる群
から選ばれる少なくとも一つとにより構成されることが
好ましい。
【0031】非晶質合金の層或いは薄帯の製造法として
は、液相凝固制御法、気相凝固制御法、固相反応制御
法、溶液中析出制御法、バルク処理法など種々の方法が
あり、いずれの方法を用いてもよい。なお、非晶質合金
薄帯の場合は光起電力装置製造プロセスを考慮すると、
機械的強度および靱性を有していることが必要である。
【0032】また、非晶質合金からなる導電層2または
非晶質合金薄帯2Aのシート抵抗値は50Ω/□以下が
望ましく、10Ω/□以下がより好ましい。これにより
光キャリアを有効に収集できるので高い光電変換効率が
得られる。ここで、シート抵抗値は、電気抵抗率と膜厚
の関係で変化するが、材料のコストおよび残留応力等を
考慮すると、導電層2の膜厚は10μm以内程度にする
ことが望ましい。これより導電層材料の電気抵抗率とし
ては、5×10-2Ωcm以下が好ましく、特に1×10
-2Ωcm以下が好ましい。
【0033】また、非晶質合金薄帯2Aの場合には、材
料のコストおよび残留応力並びに機械的強度等を考慮す
ると、非晶質合金薄帯2Aの膜厚は100μm以内程度
にすることが望ましい。これより非晶質合金薄帯(基体
と導電層を兼ねる)材料の電気抵抗率としては、5×1
0-1Ωcm以下が好ましく、特に1×10-1Ωcm以下
が好ましい。
【0034】続いて、導電層2上または非晶質合金薄帯
2A上にI−III−VI2族化合物半導体からなる光
吸収層3を、多源同時蒸着法、常圧または減圧気相硫化
(セレン化)法などにより形成する。多源同時蒸着法
は、I族、III族、VI族元素を別々の蒸発源から同
時に蒸発させて、上方に設置された導電層2を有する基
板(300〜500℃に加熱)上または非晶質合金薄帯
2A(300〜500℃に加熱)上で所望の組成の化合
物を得る方法である。この場合、各元素の蒸発速度を厳
密にコントロールする必要がある。
【0035】気相硫化(セレン化)法は、I族およびI
II族元素からなる積層膜あるいは混合膜を真空蒸着
法、スパッタリング法などで導電層2を有する基板上ま
たは非晶質合金薄帯2A上に形成した後、SあるいはS
eを含む雰囲気、例えば不活性ガスで希釈したH2Sあ
るいはH2Seガス中(常圧あるいは減圧)で400〜
600℃に加熱して化合物を得る方法であり、この方法
は光吸収層の大面積化、量産化が容易である点から好ま
しい。I−III−VI2族化合物半導体からなる光吸
収層3の膜厚としては、0.5〜5μmが適切である。
【0036】このI−III−VI2化合物半導体を構
成する元素としては、I族元素としてCu、Ag、II
I族元素としてIn、Ga、Al、VI族元素としてS
e、Sから各々1種類以上を選択することが適切であ
る。
【0037】I−III−VI2族化合物半導体からな
る光吸収層に接して該層より光入射側に設けられる半導
体材料層(光吸収層と逆の伝導型である半導体材料層)
の材料としてはI−III−VI2族化合物半導体と同
一の化合物半導体を用いること(ホモ接合)もできる
が、それよりバンドギャップの大きい半導体を用いるこ
とが、窓効果によって短波長領域の光をより多く光吸収
層に取り込むことができる点、すなわち短波長感度を向
上させる点から望ましい。さらには、半導体材料層を半
導体層(光吸収層と逆の伝導型である半導体層)4とそ
の上の透明電極層(例えば縮退したn型半導体層)5の
積層として形成することが、接合特性を良好とする点か
ら望ましい。
【0038】半導体層4は、例えば溶液成長法、MOC
VD法等により、ZnSe、ZnS、ZnOまたはこれ
らの混晶を膜厚10〜200nmに堆積して形成し、透
明電極層5は、例えばスパッタリング法、イオンプレー
ティング法、真空蒸着法、MOCVD法等によりIT
O、ZnO:Al等を膜厚0.1〜2μmに堆積して形
成することができる。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0040】実施例1 ガラス基板上に導電層として膜厚lμmのFe4.5Ni
2.3Co66Nb2.2Si10B15を複合ターゲットを用いて
スパッタリング法により堆積した。この導電層は、X線
回折および電子線回折測定の結果、非晶質であることを
確認した。なお、電子顕微鏡内加熱ステージ上で上記導
電層を加熱し、in−situで結晶化温度を測定した
結果、550℃であった。
【0041】ついで、CuターゲットとInターゲット
を用いて、スパッタリング法により導電層上にCu/I
nの積層膜を堆積し、これをArで希釈した減圧H2S
ガス中で400℃に加熱することにより、膜厚2μmの
p型I−III−VI2族化合物半導体(CuInS2)
からなる光吸収層を形成した。上記CuInS2からな
る光吸収層は、X線回折の結果、(112)面に優先配
向していたが、それ以外の面からの回折線も観測され
た。2番目に強度の大きかった(204)面からの回折
線との強度比は、28.0で極めて強く配向しているこ
とがわかった。
【0042】次に、p型I−III−VI2族化合物半
導体(CuInS2)からなる光吸収層上に、n型半導
体層として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜を
MOCVD法を用いて堆積した。続いて、透明電極層と
して膜厚500nmのITO膜をスパッタリング法を用
いて堆積し光起電力装置を得た。この光起電力装置の光
電変換効率は、11.2%(AM1.5、100mW/
cm2)であった。
【0043】比較例1 導電層として膜厚lμmのMo(結晶層)を形成した以
外は実施例1と同様にして導電層上にp型I−III−
VI2族化合物半導体(CuInS2)からなる光吸収層
を形成した。上記CuInS2からなる光吸収層は、X
線回折の結果、(112)面に優先配向していたが、そ
れ以外の面からの回折線も観測された。2番目に強度の
大きかった(204)面からの回折線との強度比は、
5.2であり実施例1と比べて遥かに小さく、配向が弱
いことがわかった。次に、p型I−III−VI2族化
合物半導体(CuInS2)からなる光吸収層上に、n
型半導体層として、膜厚100nmのZnO−ZnS混
晶膜をMOCVD法を用いて堆積した。続いて、透明電
極層として膜厚500nmのITO膜をスパッタリング
法を用いて堆積し光起電力装置を得た。この光起電力装
置の光電変換効率は、8.8%(AM1.5、100m
W/cm2)であり、実施例1の光起電力装置の光電変
換効率に比べて、約27%劣っていた。
【0044】実施例2 非晶質合金薄帯として、液体急冷法によりFe63Ni16
Si8B14薄帯(膜厚30μm)を作製した。X線回折
及び電子線回折測定の結果、この薄帯は非晶質であるこ
とを確認した。なお、電子顕微鏡内加熱ステージ上で上
記非晶質合金薄帯を加熱し、in−situで結晶化温
度を測定した結果、470℃であった。次に、上記薄帯
上にCuターゲットとInターゲットを用いて、スパッ
タリング法によりCu/Inの積層膜を堆積し、これを
Arで希釈した減圧H2Sガス中で400℃に加熱する
ことにより、膜厚2μmのp型I−III−VI2族化
合物(CuInS2)層からなる光吸収層を形成した。
【0045】ついで、上記光吸収層上に、n型半導体層
として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜をMO
CVD法を用いて堆積し、続いて、透明電極層として膜
厚500nmのITO膜をスパツタリング法を用いて堆
積して光起電力装置を得た。この光起電力装置の光電変
換効率は、11.2%(AM1.5、100mW/cm
2)であった。
【0046】なお、この光起電力装置の作製時には、上
記の光吸収層、n型半導体層および透明電極層を非晶質
合金薄帯上に連続的に形成した。比較例1では、通常通
りに各層の試料の交換、装置の排気、各層の製膜を行っ
たが、この場合に比較して、非晶質合金薄帯上に各層を
連続的に形成した場合には、光起電力装置の生産性が向
上し、単位時間にすると約10倍の光起電力装置を作製
することができた。
【0047】実施例3 ガラス基板上に導電層として膜厚1μmのFe78Si10
B12を複合ターゲットを用いてスパッタリング法にて堆
積した。この導電層は、X線回折及び電子線回折測定の
結果、非晶質であることを確認した。なお、実施例1と
同様にして結晶化温度を測定した結果、結晶化温度は4
80℃であった。ついで、CuターゲットとInターゲ
ットを用いて、スパッタリング法により導電層上にCu
/Inの積層膜を堆積し、これをArで希釈した減圧H
2Sガス中で400℃に加熱することにより、膜厚2μ
mのp型I−III−VI2族化合物半導体(CuIn
S2)からなる光吸収層を形成した。
【0048】次に、p型I−III−VI2族化合物半
導体(CuInS2)からなる光吸収層上に、n型半導
体層として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜を
MOCVD法を用いて堆積した。続いて、透明電極層と
して膜厚500nmのITO膜をスパッタリング法を用
いて堆積し光起電力装置を得た。この光起電力装置の光
電変換効率は、11.0〜11.5%(AM1.5、1
00mW/cm2)であった。なお、この光起電力装置
の作製においては、通常通りに各層の試料の交換、装置
の排気、各層の製膜を行った。
【0049】実施例4 非晶質合金薄帯として、液体急冷法によりFe78Si10
B12薄帯(膜厚30μm)を作製した。X線回折及び電
子線回折測定の結果、この薄帯は非晶質であることを確
認した。なお、実施例2と同様にして結晶化温度を測定
した結果、上記薄帯の結晶化温度は480℃であった。
次に、上記簿帯上にCuターゲットとInターゲットを
用いて、スパッタリング法によりCu/Inの積層膜を
堆積し、これをArで希釈した減圧H2Sガス中で40
0℃に加熱することにより、膜厚2μmのp型I−II
I−VI2族化合物(CuInS2)層からなる光吸収層
を形成した。
【0050】ついで、上記光吸収層上に、n型半導体層
として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜をMO
CVD法を用いて堆積し、続いて、透明電極層として膜
厚500nmのITO膜をスパツタリング法を用いて堆
積して光起電力装置を得た。この光起電力装置の光電変
換効率は、11.0〜11.5%(AM1.5、100
mW/cm2)であった。なお、この光起電力装置の作
製時には、上記の光吸収層、n型半導体層および透明電
極層を非晶質合金薄帯上に連続的に形成した。この場合
は、上記実施例3の場合に比較して、光起電力装置の生
産性が向上し、単位時間にすると約10倍の光起電力装
置を作製することができた。
【0051】実施例5 非晶質合金薄帯として、液体急冷法により作製したFe
86B14薄帯を使用した以外は実施例2と同様にして薄帯
上にp型I−III−VI2族化合物半導体(CuIn
S2)からなる光吸収層を形成した。なお、X線回折お
よび電子線回折測定の結果、上記薄帯は非晶質であるこ
と確認した。また、実施例2と同様にして結晶化温度を
測定した結果、上記薄帯の結晶化温度は340℃であっ
た。また、上記CuInS2からなる光吸収層は、X線
回折の結果、(112)面に優先配向していたが、(2
04)面からの回折線との強度比は6.5で実施例1と
比べて小さく配向が弱いことがわかった。
【0052】次に、p型I−III−VI2族化合物半
導体(CuInS2)からなる光吸収層上に、n型半導
体層として、膜厚100nmのZnO−ZnS混晶膜を
MOCVD法を用いて堆積した。続いて、透明電極層と
して膜厚500nmのITO膜をスパッタリング法を用
いて堆積し光起電力装置を得た。この光起電力装置の光
電変換効率は、9.1%(AM1.5、100mW/c
m2)であった。非晶質合金の結晶化温度が400℃以
上である実施例1などの場合に比べると光電変換効率が
劣っていた。
【0053】また、実施例2と同様にして非晶質合金薄
帯上にp型I−III−VI2族化合物半導体(CuI
nS2)からなる光吸収層を連続的に形成したところ、
その形成中に非晶質合金薄帯に割れが発生した。割れが
発生した非晶質合金薄帯を、再度、X線回折により測定
した結果、結晶化が生じていた。
【0054】
【発明の効果】請求項1の光起電力装置によれば、I−
III−VI2族化合物の配向性が高くなり、光吸収層
における結晶欠陥が少なくなることにより光キャリアの
拡散長が長くなるため、高い光電変換効率が得られる。
請求項2の光起電力装置によれば、光起電力装置の構成
材料を削減することができ、また連続的に光起電力装置
を作製することが可能となり、高い光電変換効率を有す
る光起電力装置のコストを削減することができ、また生
産性の向上を図ることができる。
【0055】請求項3および4の光起電力装置によれ
ば、非晶質合金の結晶化を抑制することができ、I−I
II−VI2族化合物の配向性が高くなり、光吸収層に
おける結晶欠陥が少なくなることにより光キャリアの拡
散長が長くなるため、より高い光電変換効率が得られ
る。請求項5の光起電力装置によれば、光キャリアを有
効に収集できるため、高い光電変換効率が得られる。請
求項6の光起電力装置によれば、短波長感度が向上し、
高い光電変換効率が得られる。請求項7の光起電力装置
によれば、光吸収層とそれに接する層の接合特性が良好
となるので、高い光電変換効率が得られる。
【0056】請求項8の光起電力装置によれば、高い光
電変換効率が得られると共に有害物質を含まないため、
安全性の高い光起電力装置が得られる。請求項9の光起
電力装置の製造方法によれば、大面積を有する光吸収層
を大量に製造することが可能となり、光起電力装置の製
造コストを低減することができる。請求項10または1
1の光起電力装置の製造方法によれば、光起電力装置を
連続的に作製することができ、光起電力装置の生産性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力装置の一例を模式的に示す断
面図である。
【図2】本発明の光起電力装置の他の例を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 非晶質合金からなる導電層 2A 非晶質合金薄帯(基体と導電層を兼ねる) 3 I−III−VI2族化合物半導体からなる光吸
収層 4 半導体層 5 透明電極層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 I−III−VI2族化合物半導体から
    なる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入射側の
    反対側に形成された導電層を有する光起電力装置におい
    て、該導電層が非晶質合金からなることを特徴とする光
    起電力装置。
  2. 【請求項2】 I−III−VI2族化合物半導体から
    なる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入射側の
    反対側に形成された導電層を有する光起電力装置におい
    て、該導電層が基体を兼ねる非晶質合金薄帯であること
    を特徴とする光起電力装置。
  3. 【請求項3】 非晶質合金の結晶化温度が400℃以上
    であることを特徴とする請求項1または2記載の光起電
    力装置。
  4. 【請求項4】 非晶質合金が、Fe、Co、Ni、C
    r、Cu、Pdの1種〜6種を含む遷移金属及びその固
    溶体からなる群から選ばれる少なくとも一つと、B、
    C、Si、P、Ge、Ti、Zr、Hf、Nb、Taの
    1種〜10種を含む元素及びその固溶体からなる群から
    選ばれる少なくとも一つとにより構成されていることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の光起電力装置。
  5. 【請求項5】 導電層のシート抵抗値が50Ω/□以下
    であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の光起電力装置。
  6. 【請求項6】 光吸収層に接して光の入射側に、該光吸
    収層よりバンドギャップの大きい半導体材料層を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
    光起電力装置。
  7. 【請求項7】 半導体材料層が光吸収層と接合する半導
    体層と、その半導体層に接して光の入射側に形成された
    透明電極層とからなることを特徴とする請求項6記載の
    光起電力装置。
  8. 【請求項8】 光吸収層と接合する半導体材料層が、少
    なくともZnS、ZnSe、ZnOおよびこれらの混晶
    よりなる群より選択されたものを含有して構成されてい
    ることを特徴とする請求項6または7記載の光起電力装
    置。
  9. 【請求項9】 I−III−VI2族化合物半導体から
    なる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入射側の
    反対側に形成された導電層を有する光起電力装置の製造
    方法において、I族およびIII族元素を含む層を少な
    くともVI族元素を含む雰囲気中で加熱することによっ
    て光吸収層を非晶質合金からなる導電層上に形成するこ
    とを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 I−III−VI2族化合物半導体か
    らなる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入射側
    の反対側に形成された導電層を有する光起電力装置の製
    造方法において、非晶質合金薄帯上にI−III−VI
    2族化合物半導体からなる光吸収層を連続的に形成する
    ことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 I−III−VI2族化合物半導体か
    らなる光吸収層およびその光吸収層に接して光の入射側
    の反対側に形成された導電層を有する光起電力装置の製
    造方法において、非晶質合金薄帯上にI−III−VI
    2族化合物半導体からなる光吸収層、該光吸収層と接合
    する半導体層、及び該半導体層に接する透明電極層を連
    続的に形成することを特徴とする光起電力装置の製造方
    法。
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