JPH11228131A - 活性アルミナ、及び微細孔径分布が双ピーク分布曲線の活性アルミナの製造方法 - Google Patents

活性アルミナ、及び微細孔径分布が双ピーク分布曲線の活性アルミナの製造方法

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JPH11228131A
JPH11228131A JP10036132A JP3613298A JPH11228131A JP H11228131 A JPH11228131 A JP H11228131A JP 10036132 A JP10036132 A JP 10036132A JP 3613298 A JP3613298 A JP 3613298A JP H11228131 A JPH11228131 A JP H11228131A
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alumina
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子サイズが異なる二種の物質を同時に吸着
等することが可能となる活性アルミナを提供する。 【解決手段】 内部に多数の微細孔が形成された多孔質
の活性アルミナにおいて、該活性アルミナの結晶型がγ
アルミナとχアルミナとの混在型であって、前記活性ア
ルミナに形成された微細孔径の分布を表す分布曲線が、
二つのピークが出現する双ピーク分布曲線となることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性アルミナ及びそ
の製造方法に関し、更に詳細には内部に多数の微細孔が
形成された多孔質の活性アルミナ、及び微細孔径分布が
双ピーク分布曲線となる活性アルミナの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミナは、耐熱性が高く、化学的安定
性、耐薬品性等に優れており、種々の工業用途に用いら
れている。特に、内部に多数の微細孔が形成された多孔
質の活性アルミナは、大きな比表面積が形成されるた
め、各種の気体・液体を吸着する吸着能を有し、触媒の
担体、フィルタ、吸着剤、或いは乾燥材等の多くの分野
に利用されている。かかる活性アルミナは、従来、水酸
化アルミニウム(バイヤライト、ベーマイト、ギブサイ
ト等)、アルミニウムアルコキシド、ミョウバン等の原
料を焼成することによって製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した種
々の分野において活性アルミナを用いる場合には、吸着
する気体等の分子に適合した、微細孔径、比表面積、細
孔容積等の活性アルミナを用いる必要がある。このた
め、従来では、活性アルミナの製造工程において、母塩
結晶、前駆体、或いは製造条件を調整することによっ
て、比表面積等を調整した活性アルミナを得ることはで
きる。しかし、従来の製造方法によって得られる活性ア
ルミナは、その微細孔径の分布を表す分布曲線が単一ピ
ークのものとなり、分子サイズが異なる二種の物質を同
時に吸着等することは極めて困難であった。そこで、本
発明の課題は、分子サイズが異なる二種の物質を同時に
吸着等することが可能となる活性アルミナ及びその製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するには、微細孔径の分布を表す分布曲線のピーク
値が互いに異なる二種類の微細孔群が併存する活性アル
ミナが有効と考え、先ず、微細孔径の分布曲線のピーク
値が互いに異にする二種類の活性アルミナを別々に得た
後、両活性アルミナを混合することを試みた。しかしな
がら、得られた混合活性アルミナの微細孔径の分布曲線
は、単一ピークの分布曲線となり、しかも混合前の活性
アルミナの各々の微細孔径の分布曲線に比較してブロー
ドなものとなった。このため、本発明者は、双ピーク分
布曲線となる活性アルミナを、原料のアルミニウム化合
物を焼成して得ることができないか検討を重ねた結果、
塩基性塩化アルミニウム水溶液を、有機化合物等の添加
物を添加することなくゲル化し、得たゲル化物を焼成す
ることによって、微細孔径の分布曲線が双ピーク分布曲
線となる活性アルミナが得られることを知り、本発明に
到達した。
【0005】すなわち、本発明は、内部に多数の微細孔
が形成された多孔質の活性アルミナにおいて、該活性ア
ルミナの結晶型がγアルミナとχアルミナとの混在型で
あって、前記活性アルミナに形成された微細孔径の分布
曲線が、二つのピークが出現する双ピーク分布曲線とな
ることを特徴とする活性アルミナにある。また、本発明
は、アルミニウム化合物を焼成して内部に多数の微細項
が形成された多孔質の活性アルミナを製造する際に、該
アルミニウム化合物として用いた塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液を、有機化合物等の添加物を添加することなく
ゲル化し、次いで、得られたゲル化物を、γアルミナの
結晶型とχアルミナの結晶型とが混在する活性アルミナ
が得られるように焼成することを特徴とする微細孔径分
布が双ピーク分布曲線の活性アルミナの製造方法にあ
る。
【0006】本発明に係る活性アルミナは、塩基性塩化
アルミニウム水溶液を、有機化合物等の添加物を添加す
ることなくゲル化し、得たゲル化物を、γアルミナの結
晶型とχアルミナの結晶型とが混在する活性アルミナが
得られるように焼成して得たものである。このため、得
られた活性アルミナは、微細孔径の分布曲線が、二つの
ピークが出現する双ピーク分布曲線となり、二種類の微
細孔群が併存するものである。この様に、二種類の微細
孔群が併存する本発明に係る活性アルミナによれば、各
微細孔群の微細孔径に適合する分子サイズの物質を吸着
でき、分子サイズが異なる二種の物質を同時に吸着可能
にできる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る活性アルミナは、そ
の結晶型が、γアルミナとχアルミナとの混在型であっ
て、図1に示す様に、微細孔径の分布曲線が、互いに異
なる微細孔径の箇所に二つのピークが出現する双ピーク
分布曲線であることが肝要である。ここで、活性アルミ
ナの結晶型が、γアルミナ又はχアルミナの単一結晶型
である場合、微細孔径分布の分布曲線が単一ピークの分
布曲線となり易い。また、 図1に示す微細孔径分布
は、窒素ガスによる吸着法によって測定したものであ
る。すなわち、液体窒素温度下の試料に、窒素ガスの飽
和圧力(液体窒素浴の蒸気圧)と、試料に接触して平衡
状態となった窒素ガスの圧力との相対圧を変化させつつ
窒素ガスを吸着させ、相対圧と吸着量との関係を測定し
た後、得られた測定値を用いてBJH法により解析して
微細孔径分布を算出した。このBJH法は、相対圧が低
いときは、窒素ガスは小さな細孔への吸着が起こり、相
対圧が高くなるに従い大きな細孔への吸着が惹起される
ことに基づいているものである。
【0008】かかる図1に示す双ピーク分布曲線におい
て、微細孔径の大なる側に出現するピークP1 の微細孔
径が50nm以下(特に好ましくは50〜5nm)であ
り、且つ微細孔径の小なる側に出現するピークP2 の微
細孔径が3nm以上(特に好ましくは3〜4nm)であ
ることが、多孔質材として汎用されているゼオライトよ
りも若干大きな細孔径の微細孔群と、その細孔径よりも
大きな細孔径の微細孔群とを併存させることができる。
図1に示す双ピーク分布曲線では、ピークP1 の高さH
1 は、ピークP2 の高さH2 よりも高くなっている。こ
のピークP1 、P2 の各分布曲線の高さH1 、H2 は、
図1に示す様に、各分布曲線のベースライン10、12
から各ピークP 1 、P2 までの高さである。
【0009】この様に、双ピーク分布曲線となる本発明
に係る活性アルミナにおいて、その比表面積は50〜1
10m2/gの範囲にあり、細孔容積は0.2〜0.25cm
3/gの範囲にある。この比表面積の値は、液体窒素温度
下の試料に窒素ガスを吸着させ、その吸着量と窒素ガス
分子の占有面積から比表面積を測定するBET法によっ
て求めたものである。また、細孔容積の値は、窒素ガス
吸着によって求めた細孔直径1.7〜300nmの細孔
範囲のものである。
【0010】結晶型がγアルミナとχアルミナとの混在
型であって、図1に示す双ピーク分布曲線を呈する本発
明に係る活性アルミナは、塩基性塩化アルミニウム水溶
液を、有機化合物等の添加物を添加することなくゲル化
した後、得られたゲル化物を焼成することによって得る
ことができる。ここで、この塩基性塩化アルミニウム水
溶液に有機化合物等の添加物、例えばポリエチレングリ
コール等の水溶性の有機化合物を添加してゲル化する
と、最終的に得られる活性アルミナは、その結晶型がγ
アルミナ又はχアルミナの一方となり易く、且つ微細孔
径の分布曲線は極めてシャープな単一ピークの分布曲線
となって、双ピーク分布曲線を呈する活性アルミナを得
ることは困難である。本発明において用いる塩基性塩化
アルミニウム水溶液としては、OH/Alモル比が1.
5〜2.7の範囲にある塩基性塩化アルミニウム水溶
液、具体的には下記〔化2〕に示す塩基性塩化アルミニ
ウム水溶液が好適である。
【化2】
【0011】本発明では、かかる塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液をゲル化する。このゲル化温度は、室温〜70
℃程度とすることが好ましい。次いで、得られたゲル化
物を、γアルミナの結晶型とχアルミナの結晶型とが混
在する活性アルミナが得られるように焼成する。この焼
成条件としては、焼成温度までの昇温速度を50〜50
0℃/Hrとし、焼成温度を600〜1100℃(特に
好ましくは700〜950℃)とすることが好ましい。
この焼成温度が1100℃を越えると、得られるアルミ
ナの結晶型はαアルミナとなり易い。この様にして得ら
れた活性アルミナは、粉末状、顆粒状、又はフレークス
状であり、その結晶型はγアルミナとχアルミナとの混
在型となり、微細孔径分布は、図1に示す様に、双ピー
ク分布曲線となる。
【0012】本発明においては、塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液のOH/Alモル比、焼成温度、焼成時の水蒸
気分圧を調整することによって、得られる活性アルミナ
の微細孔径分布を変更することができる。特に、塩基性
塩化アルミニウム水溶液のOH/Alモル比及び焼成温
度の要因は、得られる活性アルミナの微細孔径の分布に
大きな影響を与える。すなわち、塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液のOH/Alモル比を増加するに伴い、得られ
る活性アルミナの微細孔径の分布曲線において、微細孔
径の小なる側に出現する分布曲線のピークP1 は、その
位置が略同一値であって、ピークP1の高さH1 が次第
に高くなる。他方、微細孔径の大なる側に出現する分布
曲線のピークP2 は、その高さH2 が次第に低くなりつ
つ微細孔径の小さい方向に次第にシフトする。また、焼
成温度を昇温するに伴い、得られる活性アルミナの微細
孔径の分布曲線において、微細孔径の大なる側に出現す
る分布曲線のピークP2 は、その高さH2 が次第に高く
なりつつ微細孔径の大きい方向に次第にシフトする。他
方、微細孔径の小なる側に出現する分布曲線のピークP
1 は、その位置が略同一値であって、ピークP1 の高さ
1 が次第に低くなる。従って、本発明に係る活性アル
ミナにおいては、塩基性塩化アルミニウム水溶液のOH
/Alモル比、或いは焼成温度を調整することによっ
て、得られる活性アルミナの微細孔径分布を調整するこ
とができる。
【0013】本発明によって得られた活性アルミナの微
細孔径の分布曲線が双ピーク分布曲線となる理由は、次
のように考えられる。すなわち、活性アルミナに形成さ
れる微細孔は、生成した結晶粒子間の間隙であるため、
結晶型及び結晶粒子の大きさとその分布によって決定さ
れる。この点、本発明に係る活性アルミナは、結晶型が
γアルミナとχアルミナとが混在する混合結晶型である
ため、両結晶型及び結晶粒子の大きさとその分布に基づ
く微細孔径が形成され、活性アルミナの微細孔径分布が
双ピーク分布曲線となる。また、本発明においては、原
料として用いる塩基性塩化アルミニウム水溶液のOH/
Alモル比によっても、得られる活性アルミナの微細孔
径の分布が変化する。このため、塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液中に存在するアルミニウムモノマー、オリゴマ
ー、ポリマーの含有比が、得られる活性アルミナの微細
孔径分布に影響してるものと考えられる。
【0014】つまり、ポリマーの含有比率が高い水溶液
である、OH/Alモル比の高い塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液を用いた場合、得られる活性アルミナの微細孔
径の分布曲線において、微細孔径の小なる側に出現する
分布曲線のピークP1 の高さH1 は、モノマーやオリゴ
マーの含有比率が高い水溶液であるOH/Alモル比の
低い塩基性塩化アルミニウム水溶液を用いて得られた活
性アルミナに比較して高くなる。他方、微細孔径の大な
る側に出現する分布曲線のピークP2 の高さH 2 は、モ
ノマーやオリゴマーの含有比率が高い水溶液であるOH
/Alモル比の低い塩基性塩化アルミニウム水溶液を用
いて得られた活性アルミナに比較して低くなる。この様
に、本発明においては、塩基性塩化アルミニウム水溶液
中に含有されているモノマー、オリゴマー、ポリマーの
含有比に基づく微細孔径が形成されているため、前記結
晶型及び結晶粒子の大きさとその分布に基づく微細孔径
と相俟って、活性アルミナの微細孔径の分布曲線を双ピ
ーク分布曲線にできる。
【0015】本発明においては、活性アルミナから成る
所定形状に成形された成形体も得ることができる。かか
る成形体は、所定形状に成形したゲル成形体を、脱水速
度を調整しつつ6〜120℃/Hrの昇温速度で昇温
し、600〜1100℃の温度で焼成することによって
得ることができる。ここで、所定形状に成形したゲル成
形体は、得られたゲル化物を粉砕して粉状物を圧縮成形
してもよく、所定形状の容器に入れた塩基性塩化アルミ
ニウム水溶液をゲル化した後、容器形状に成形されたゲ
ル成形体を取り出すことによっても得ることができる。
また、塩基性塩化アルミニウム水溶液は、高濃度にアル
ミニウムを含有する溶液であるが、同濃度のアルミニウ
ムを含有する他の溶液に比較して、溶液粘度が低い。こ
のため、多孔体に塩基性塩化アルミニウム水溶液を減圧
下で含浸させることによって、多孔体の細孔内に塩基性
塩化アルミニウム水溶液を進入させる。次いで、細孔内
に進入した塩基性塩化アルミニウム水溶液をゲル化した
後、ゲル化物を焼成することによって、微細孔径の分布
曲線が双ピークの分布曲線となる活性アルミナを多孔体
の細孔内に形成できる。
【0016】更に、焼成の際に、燃焼又は熱分解して消
滅する紙等の材料から形成された型材を、塩基性塩化ア
ルミニウム水溶液に浸漬することによって、型材の表面
及び内部に塩基性塩化アルミニウム水溶液を付着せしめ
た後、型材の表面及び内部に付着した塩基性塩化アルミ
ニウム水溶液をゲル化し、次いで、型材と共にゲル化物
を焼成する。かかる焼成によって、型材は消失するもの
の、型材の形態を保持した活性アルミナ成形体を得るこ
とができる。以上、説明した本発明に係る活性アルミナ
は、分子サイズが異なる二種の物質を同時に吸着等する
ことができ、原油等の複数の大きさの分子を含む同族系
列の混合物から、同族系列の複数種の成分を同時に吸着
する吸着材として使用可能である。また、本発明に係る
活性アルミナは触媒としても使用可能である。つまり、
一般的に、多孔質材において、大きな微細孔は被吸着分
子の通路して吸着速度を支配し、小さな微細孔は主に吸
着座として作用する。このため、微細孔径の異なる二種
類の微細孔群が併存ている本発明の活性アルミナでは、
微細孔径の大なる微細孔群が高速拡散場として利用され
ると共に、微細孔径の小なる微細孔群は微細孔径に合致
した分子の反応場として利用される。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。ここで、活性アルミナの構造解析はX線回折
(CuKα)を用いて行い、その比表面積は前述したB
ET法により測定し、微細孔径分布も前述したBJH法
によって測定した。また、細孔容積は窒素ガス吸着によ
って求めた細孔直径1.7〜300nmの細孔範囲の細
孔容積である。
【0018】実施例1 OH/Al比が2.46であり、酸化アルミニウム(Al
2O3)に換算した換算濃度が22.5重量%相当のアルミ
ニウム成分を含む塩基性塩化アルミニウム水溶液を60
℃で乾燥し、透明なゲル化物を得た。得られたゲル化物
のアルミニウム量は、酸化アルミニウム(Al2O3)に換算
して42.1重量%であった。次いで、得られたゲル化
物を、100℃/Hrの昇温速度で900℃の焼成温度
まで昇温し、更に900℃の焼成温度で1時間保持し
た。主として顆粒状粒子から成る活性アルミナが得られ
た。得られた活性アルミナの顆粒状粒子等について、X
線回折による構造回折によれば、結晶型はγアルミナと
χアルミナとの混合型であった。また、その微細孔径の
分布を測定した結果、図1に示す分布曲線、すなわち互
いに異なる微細孔径の箇所に二つのピークが出現する双
ピーク分布曲線となる。かかる双ピーク分布曲線におい
て、微細孔径の大なる側に出現する分布曲線のピークP
2 の高さH2 は、微細孔径の小なる側に出現する分布曲
線のピークP1 の高さH1 よりも低くなり、且つピーク
1 は3.4nm近傍に位置し、ピークP 2 は5〜9n
m近傍に位置する。更に、得られた活性アルミナの比表
面積は108.6m2 /gであり、細孔容積は0.20
3cm3 /gであった。尚、ゲル化物を焼成する際の昇
温速度を60℃/Hrとすることによって、粒径5mm
程度の顆粒状の活性アルミナを得ることができた。
【0019】実施例2 OH/Al比が2.00であり、酸化アルミニウム(Al
2O3)に換算した換算濃度が19.3重量%相当のアルミ
ニウム成分を含む塩基性塩化アルミニウム水溶液を60
℃で乾燥し、透明なゲル化物を得た。得られたゲル化物
のアルミニウム量は、酸化アルミニウム(Al2O3)に換算
して36.8重量%であった。次いで、得られたゲル化
物を、実施例1と同一条件で焼成し、主として顆粒状粒
子から成る活性アルミナを得た。得られた活性アルミナ
の顆粒状粒子等について、X線回折による構造回折によ
れば、結晶型はγアルミナとχアルミナとの混合型であ
った。但し、本実施例で得られた活性アルミナでは、実
施例1で得られた活性アルミナに比較して、χアルミナ
の占める割合が増加している。また、その微細孔径の分
布を測定した結果、図2に示す様に、互いに異なる微細
孔径の箇所に二つのピークが出現する双ピーク分布曲線
となった。かかる双ピーク分布曲線において、微細孔径
の大なる側に出現するピークP2 の高さH2 は、微細孔
径の小なる側に出現するピークP1 の高さH1 よりも大
であり、且つピークP1 は3.4nm近傍に位置し、ピ
ークP2 は12nm近傍に位置する。
【0020】かかる図2に示す双ピーク分布曲線を、図
1に示す双ピーク分布曲線と比較すると、微細孔径の小
なる側に出現する分布曲線のピークP1 は実質的に同一
位置に在るが、微細孔径の大なる側に出現する分布曲線
のピークP2 は微細孔径の大きい方向にシフトしてい
る。この様に、塩基性塩化アルミニウム水溶液のOH/
Al比を調整することによって、得られる活性アルミナ
の微細孔径分布を調整できる。更に、得られた活性アル
ミナの比表面積は76.9m2 /gであり、細孔容積は
0.247cm3 /gであった。
【0021】実施例3 実施例1で得られた透明なゲル化物を粉砕した粉砕物
を、粒径43μm以下に分級した後、内径13.0mm
の金型に充填し、30MPaの圧力で成形して直径13
mmのゲル成形体を得た。次いで、このゲル成形体を焼
成することによって活性アルミナ成形体を得ることがで
きる。ここで、得られたゲル成形体を焼成する際には、
ゲル成形体を昇温速度60℃/Hrで850℃の焼成温
度まで昇温し、更に850℃の焼成温度で1時間保持し
た。得られた活性アルミナ成形体は、嵩密度が1.95
g/cm3 であって、抗折る強度は22MN/m2 であ
った。また、活性アルミナ成形体は、その直径が9.8
5mmであり、ゲル成形体の75.8%に収縮してい
る。この活性アルミナ成形体から削り取った活性アルミ
ナについて、X線回折による構造回折及び微細孔径分布
について測定した結果、活性アルミナの結晶型が、γア
ルミナとχアルミナとの混在型であって、活性アルミナ
の微細孔径の分布曲線が、互いに異なる微細孔径の箇所
に二つのピークが出現する双ピーク分布曲線であった。
【0022】実施例4 OH/Al比が2.53であり、酸化アルミニウム(Al
2O3)に換算した換算濃度が22.3重量%相当のアルミ
ニウム成分を含む塩基性塩化アルミニウム水溶液を、内
径6.2cmのフッ素樹脂製のシャーレに入れてゲル化
した。かかるゲル化条件としては、相対湿度を70%以
上に保持した雰囲気中において、塩基性塩化アルミニウ
ム水溶液を常温から60℃に昇温して徐々に乾燥した。
得られた透明で且つ直径6.2cmのゲル化成形体を、
120℃まで30℃/Hrの昇温速度で加熱した後、引
き続き60℃/Hrの昇温速度で850℃(焼成温度)
まで加熱し、850℃で1時間保持して活性アルミナ成
形体とした。得られた活性アルミナ成形体は、その直径
が4.3cmであり、直径方向において、ゲル成形体の
略69%に収縮している。この活性アルミナ成形体から
削り取った活性アルミナについて、X線回折による構造
回折及び微細孔径分布について測定した結果、活性アル
ミナの結晶型が、γアルミナとχアルミナとの混在型で
あって、活性アルミナの微細孔径の分布曲線が、互いに
異なる微細孔径の箇所に二つのピークが出現する双ピー
ク分布曲線であった。
【0023】実施例5 実施例1で用いた塩基性塩化アルミニウム水溶液に、直
径25mmで長さ90mmの円筒濾紙を減圧下で浸漬し
た後、濾紙を35℃で乾燥して付着した塩基性塩化アル
ミニウム水溶液をゲル化した。次いで、ゲル化物が付着
した濾紙を、100℃/Hrの昇温速度で350℃まで
昇温して30分間保持した後、150℃/Hrの昇温速
度で600℃まで昇温し、引き続き190℃/Hrの昇
温速度で850℃(焼成温度)まで昇温した。かかる焼
成温度(850℃)で1時間保持して活性アルミナ成形
体とした。得られた活性アルミナ成形体は、円筒濾紙と
略同一形状の円筒状形状ではあるが、濾紙は消失してい
る。かかる活性アルミナ成形体は、直径19mmで長さ
69mmであり、円筒濾紙の約76%に収縮している。
この活性アルミナ成形体から削り取った活性アルミナに
ついて、X線回折による構造回折及び微細孔径分布につ
いて測定した結果、活性アルミナの結晶型が、γアルミ
ナとχアルミナとの混在型であって、活性アルミナの微
細孔径の分布曲線が、互いに異なる微細孔径の箇所に二
つのピークが出現する双ピーク分布曲線であった。ま
た、この活性アルミナ成形体の表面状態を電子顕微鏡に
よって観察したところ、円筒濾紙を形成するセルロース
繊維の形状をそのまま縮小・転写したマイクロ構造を持
っていることが認められた。尚、焼成温度を1150℃
としたところ、得られる成形体は円筒濾紙と略同一形状
の円筒状形状であり且つ緻密な構造を有するものである
が、結晶型はαアルミナとなった。
【0024】比較例 水酸化アルミニウム(ギブサイト)を、100℃/Hr
の昇温速度で900℃の焼成温度まで昇温し、更に90
0℃の焼成温度で1時間保持した。粉末状粒子から成る
活性アルミナが得られた。得られた活性アルミナの粉末
状粒子のX線回折による構造回折によれば、結晶型はχ
アルミナのみであった。また、その微細孔径分布を測定
した結果、図3に示す単一ピークの分布曲線となった。
この分布曲線において、そのピーク値は微細孔径5nm
付近にある。更に、得られた活性アルミナの比表面積は
102.5m2/gであり、細孔容量は0.232cm3/g で
あった。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る活性アルミナは、二種類の
微細孔群が併存し、微細孔群の各々に適合する分子サイ
ズの物質を吸着できるため、分子サイズが異なる二種の
物質を同時に吸着可能にできる。このため、溶液又は気
体中の二種の物質を同時に吸着でき、公害防止用の吸着
材等として利用可能である。また、本発明に係る活性ア
ルミナは、微細孔径の大なる微細孔群が高速拡散場とし
て利用可能であると共に、微細孔径の小なる微細孔群は
微細孔径に合致した分子の反応場として利用可能である
ため、触媒としても使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る活性アルミナの微細孔径分布を表
す分布曲線の一例を示す。
【図2】本発明に係る活性アルミナの微細孔径分布を表
す分布曲線の他の例を示す。
【図3】本発明に係る活性アルミナに対して比較例とな
る活性アルミナの微細孔径分布を表す分布極性を示す。
【符号の説明】
1 微細孔径の小なる微細孔径群の分布曲線のピーク P2 微細孔径の大なる微細孔径群の分布曲線のピーク H1 微細孔径の小なる微細孔径群の分布曲線のピーク
高さ H2 微細孔径の大なる微細孔径群の分布曲線のピーク
高さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に多数の微細孔が形成された多孔質
    の活性アルミナにおいて、 該活性アルミナの結晶型がγアルミナとχアルミナとの
    混在型であって、前記活性アルミナに形成された微細孔
    径の分布を表す分布曲線が、互いに異なる微細孔径の箇
    所に二つのピークが出現する双ピーク分布曲線となるこ
    とを特徴とする活性アルミナ。
  2. 【請求項2】 双ピーク分布曲線のうち、微細孔径の大
    なる側に出現するピークの微細孔径が50nm以下であ
    り、且つ微細孔径の小なる側に出現するピークの微細孔
    径が3nm以上である請求項1記載の活性アルミナ。
  3. 【請求項3】 塩基性塩化アルミニウム水溶液を原料に
    用いて得られた活性アルミナであって、前記原料中のO
    H/Al比を変更したとき、前記活性アルミナの微細孔
    径の双ピーク曲線において、微細孔径の小なる側に出現
    するピークの位置が実質的に同一値であると共に、微細
    孔径の大なる側に出現するピークの位置が変動する請求
    項1又は請求項2記載の活性アルミナ。
  4. 【請求項4】 アルミニウム化合物を焼成して内部に多
    数の微細孔が形成された多孔質の活性アルミナを製造す
    る際に、 該アルミニウム化合物として用いた塩基性塩化アルミニ
    ウム水溶液を、有機化合物等の添加物を添加することな
    くゲル化し、 次いで、得られたゲル化物を、γアルミナの結晶型とχ
    アルミナの結晶型とが混在する活性アルミナが得られる
    ように焼成することを特徴とする微細孔径分布が双ピー
    ク分布曲線の活性アルミナの製造方法。
  5. 【請求項5】 塩基性塩化アルミニウム水溶液として、
    下記〔化1〕に示す塩基性塩化アルミニウム水溶液を用
    いる請求項4記載の微細孔径分布が双ピーク分布曲線の
    活性アルミナの製造方法。 【化1】
  6. 【請求項6】 得られたゲル化物の焼成温度を、600
    〜1100℃とする請求項4又は請求項5記載の微細孔
    径分布が双ピーク分布曲線の活性アルミナの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003026419A (ja) * 2001-07-12 2003-01-29 Taimei Chemicals Co Ltd α−アルミナの製造方法
CZ302753B6 (cs) * 2010-05-10 2011-10-19 Ceské vysoké ucení technické v Praze Zpusob prípravy oxidu hlinitého

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