JPH11230325A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH11230325A
JPH11230325A JP10048810A JP4881098A JPH11230325A JP H11230325 A JPH11230325 A JP H11230325A JP 10048810 A JP10048810 A JP 10048810A JP 4881098 A JP4881098 A JP 4881098A JP H11230325 A JPH11230325 A JP H11230325A
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air
shift
fuel ratio
engine
control
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Atsushi Tabata
淳 田端
Yasuo Hojo
康夫 北條
Yoshio Ito
良雄 伊藤
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の燃費を可及的に向上させることの
可能な自動変速機の制御装置を提供する。 【解決手段】 混合気の空燃比を理論空燃比より大きい
リーン空燃比にするリーンバーン運転を行うことの可能
な内燃機関の出力側に自動変速機が連結されている自動
変速機の制御装置において、リーンバーン運転の可能な
条件が成立したことを判断するリーンバーン条件判断手
段(ステップ51,53,56,57)と、このリーン
バーン条件判断手段(ステップ51,53,56,5
7)によってリーンバーン運転の可能な条件の成立が判
断されていない場合に、自動変速機の制御内容を、リー
ンバーン運転の可能な条件の成立を促進する制御内容に
設定する制御内容変更手段(ステップ54,55,5
8)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、混合気の空燃比
を変更可能な内燃機関の出力側に連結される自動変速機
の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】省エネ化や環境保全のために内燃機関の
燃費を向上させることが強く望まれていることは周知の
とおりである。例えば、ガソリンエンジンでは、空燃比
を大きくしたリーンバーン運転の可能なエンジンが開発
され、また実用化されている。このリーンバーン運転
は、理論空燃比より大きい空燃比の混合気をシリンダの
内部に吸入して燃焼を生じさせる運転状態である。この
ため、エンジントルクが低下し、また燃焼が不安定にな
ってトルク変動が比較的大きくなるなどの特性がある。
したがって、通常は、車速が所定車速以上でかつスロッ
トル開度が比較的低開度の状態で実行することとしてい
る。さらに、エンジンのシリンダから排出される排気中
の空気濃度が高くなることにより、排気ガス中のNOx
の濃度が高くなる傾向にある。このため、従来では、エ
ンジンの排気系統中にNOx 吸収剤を配置し、エンジン
のリーンバーン運転により生じるNOx を、NOx 吸収
剤により吸収している。
【0003】一方、自動変速機を搭載した車両において
は、車両の走行状態、例えば、スロットル開度などによ
って表されるエンジン負荷や車速などに基づいて、自動
変速機の変速が判断され、かつ、実行される。また、こ
の自動変速機には、歯車変速機構とエンジンとの間に流
体継手の一種であるトルクコンバータを配置したものが
ある。
【0004】このトルクコンバータは、エンジンのトル
クが流体を介して歯車変速機構に伝えられる構成である
ため、動力の伝達効率が低下する。そこで、トルクコン
バータの入力部材と出力部材とを、選択的に係合・解放
するロックアップクラッチを備えたトルクコンバータが
採用されている。このロックアップクラッチを係合すれ
ば、エンジンのトルクが機械的に歯車変速機構に伝達さ
れるため、動力の伝達効率が向上する。
【0005】ところで、上記のように、リーンバーン運
転の可能なエンジンの出力側に自動変速機が連結された
制御装置の一例が、特開平9−184438号公報に記
載されている。この公報に記載された制御装置は、空燃
比をリーンにしたリーンバーン運転中の所定期間ごとに
一時的に空燃比をリッチ化する内燃機関に、走行状態に
基づいて変速を実行する自動変速機が連結されている。
そして、自動変速機での変速が予測された場合は、変速
の予測に基づき、その予測された変速が実行される以前
に、空燃比の一時的なリッチ化を実行する制御が行われ
る。
【0006】上記公報に記載された制御装置において
は、変速を予測する手段によって変速の判断もしくは実
行の時期が予め解るので、例えばNOx 吸収剤からNO
x を放出させるための空燃比の一時的なリッチ化が、そ
の変速に先行して実施される。そのため、変速を行う時
点では、NOx 吸収剤のNOx 吸収能力に余裕があり、
NOx 吸収剤の飽和を間接的に判断して所定期間ごとに
実行される空燃比のリッチ化が、変速の際に実行される
ことが回避される。すなわち自動変速機の変速と内燃機
関での空燃比のリッチ化とが時間的に重なることがな
く、その結果、自動変速機の入力トルクが安定して変速
ショックが良好になるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リーンバー
ン運転は、理論空燃比より大きい空燃比の混合気をシリ
ンダに送り込み、あるいはその混合気をシリンダ内で生
じさせてこれを燃焼させる運転状態であるから、車両の
状態によっては燃焼が不安定になったり、それに伴って
振動が生じたりする可能性がある。また、リーンバーン
運転時の排気中の窒素酸化物(NOx )濃度が高くなる
ので、排気浄化触媒に対する負荷が大きくなる。このよ
うにリーンバーン運転時には理論空燃比で運転している
状態とは異なる状況が生じるため、所定の条件が成立し
た場合にリーンバーン運転を許可することとしている。
【0008】上述した従来の制御装置は、リーンバーン
運転がおこなわれている際の一時的な空燃比のリッチ化
(リッチスパイク)と自動変速機の変速との重畳による
不都合を解決するためのものであるが、その制御の前提
となるリーンバーン運転が許可されていない場合の制御
については何ら触れていない。リーンバーン運転の可能
な車両では、通常、リーンバーン運転以外の場合には、
理論空燃比もしくはそれに近い空燃比で運転をおこな
い、またその内燃機関に自動変速機が連結されていれ
ば、これを通常の通りに制御している。言い換えれば、
従来では、リーンバーン運転が許可されない状態では、
燃費の向上のための特別な制御をおこなっていないの
で、車両の全体としての燃費の向上のための制御に改善
の余地があった。
【0009】また、内燃機関については燃費を考慮した
上記のリーンバーン運転が選択的に実行されるが、その
内燃機関に連結された自動変速機は、振動や変速ショッ
クの改善あるいは動力性能などの点で、ストイキバーン
(理論空燃比での燃焼)の際とは異なって制御されるこ
とがあるが、燃費の完全の点での制御内容の改善につい
ては従来省みられていず、この点でも改良の余地があっ
た。
【0010】この発明は、上記事情を背景としてなされ
たもので、内燃機関の燃費を可及的に向上させることの
可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、混合気の空燃
比を理論空燃比より大きいリーン空燃比にするリーンバ
ーン運転を行うことの可能な内燃機関の出力側に自動変
速機が連結されている自動変速機の制御装置において、
リーンバーン運転の可能な条件が成立したことを判断す
るリーンバーン条件判断手段と、このリーンバーン条件
判断手段によってリーンバーン運転の可能な条件の成立
が判断されていない場合に、前記自動変速機の制御内容
を、前記リーンバーン運転の可能な条件の成立を促進す
る制御内容に設定する制御内容変更手段とを備えている
ことを特徴とするものである。
【0012】ここで、リーンバーン運転が可能な条件が
成立したか否かを判断するための基準には、空調用のヒ
ーター制御要求信号と、エンジンの排気系統に設けられ
た排気浄化触媒の温度と、エンジン冷却水温と、自動変
速機の作動油温とが含まれる。
【0013】請求項1の発明によれば、リーンバーン運
転の可能な条件が成立していない場合に、自動変速機の
制御内容が、リーンバーン運転の可能な条件の成立を促
進する内容に変更される。したがって、内燃機関の回転
数が所定の高速回転領域に維持されて暖機が促進され、
エンジンの排気系統に設けられた排気浄化触媒の温度が
上昇して触媒の活性化が促進される。
【0014】また、請求項2の発明は、混合気の空燃比
を変更可能な内燃機関の出力側に、複数の変速段を備え
た自動変速機が連結されている自動変速機の制御装置に
おいて、前記空燃比の変更に伴う前記内燃機関の燃料消
費量特性の変化に基づいて、前記自動変速機の変速点を
変更する変速点変更手段を備えていることを特徴とする
ものである。
【0015】請求項2の発明によれば、内燃機関の空燃
比の変更に伴う燃料消費量特性の変化に基づいて、自動
変速機の変速点が変更される。このため、所定の車速に
おいて、各空燃比に対応して、可及的に燃料消費量の少
ない変速段を設定することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に基づいて
より具体的に説明する。先ず、この発明で対象とする自
動変速機の一例について図1を参照して説明する。図1
において、エンジン1にトルクコンバータ2を介して自
動変速機3が連結されている。このトルクコンバータ2
は、エンジン1のクランク軸4に連結されたポンプイン
ペラ5と、自動変速機3の入力軸6に連結されたタービ
ンランナー7と、これらポンプインペラ5およびタービ
ンランナー7の間を直結するロックアップクラッチ8
と、一方向クラッチ9によって一方向の回転が阻止され
ているステータ10とを備えている。すなわち、ポンプ
インペラ5がトルクコンバータ2の入力部材に相当し、
タービンランナー7がトルクコンバータ2の出力部材に
相当する。
【0017】上記自動変速機3は、ハイおよびローの2
段の切り換えを行う副変速部11と、後進ギヤ段および
前進4段の切り換えが可能な主変速部12とを備えてい
る。副変速部11は、サンギヤS0 、リングギヤR0 、
およびキャリヤK0 に回転可能に支持されてそれらサン
ギヤS0 およびリングギヤR0 に噛み合わされているピ
ニオンP0 から成るHL遊星歯車装置13と、サンギヤ
S0 とキャリヤK0 との間に設けられたクラッチC0 お
よび一方向クラッチF0 と、サンギヤS0 とハウジング
19との間に設けられたブレーキB0 とを備えている。
【0018】主変速部12は、サンギヤS1 、リングギ
ヤR1 、およびキャリヤK1 に回転可能に支持されてそ
れらサンギヤS1 およびリングギヤR1 に噛み合わされ
ているピニオンP1 からなる第1遊星歯車装置14と、
サンギヤS2 、リングギヤR2 、およびキャリヤK2 に
回転可能に支持されてそれらサンギヤS2 およびリング
ギヤR2 に噛み合わされているピニオンP2 からなる第
2遊星歯車装置15と、サンギヤS3 、リングギヤR3
、およびキャリヤK3 に回転可能に支持されてそれら
サンギヤS3 およびリングギヤR3 に噛み合わされてい
るピニオンP3 からなる第3遊星歯車装置16とを備え
ている。
【0019】上記サンギヤS1 とサンギヤS2 とは互い
に一体的に連結され、リングギヤR1 とキャリヤK2 と
キャリヤK3 とが一体的に連結され、そのキャリヤK3
は出力軸17に連結されている。また、リングギヤR2
がサンギヤS3 に一体的に連結されている。そして、リ
ングギヤR2 およびサンギヤS3 と中間軸18との間に
第1クラッチC1 が設けられ、サンギヤS1 およびサン
ギヤS2 と中間軸18との間に第2クラッチC2 が設け
られている。
【0020】またブレーキ手段として、サンギヤS1 お
よびサンギヤS2 の回転を止めるためのバンド形式の第
1ブレーキB1 がハウジング19に設けられている。ま
た、サンギヤS1 およびサンギヤS2 とハウジング19
との間には、第1一方向クラッチF1 およびブレーキB
2 が直列に設けられている。この第1一方向クラッチF
1 は、サンギヤS1 およびサンギヤS2 が入力軸6と反
対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるよう
に構成されている。
【0021】キャリヤK1 とハウジング19との間には
第3ブレーキB3 が設けられており、リングギヤR3 と
ハウジング19との間には、第4ブレーキB4 と第2一
方向クラッチF2 とが並列に設けられている。この第2
一方向クラッチF2 は、リングギヤR3 が逆回転しよう
とする際に係合させられるように構成されている。上記
クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2
,B3 ,B4 は、油圧が作用することにより摩擦材が
係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0022】上記の自動変速機では、前進5段と後進段
とを設定することができ、これらの変速段を設定するた
めの各摩擦係合装置の係合・解放の状態を図2の係合作
動表に示してある。なお、図2において○印は係合状
態、×印は解放状態をそれぞれ示す。
【0023】図3は、エンジン1および自動変速機3に
ついての制御系統図を示しており、アクセルペダル20
の踏み込み量(アクセル開度)がアクセルペダルスイッ
チ(図示せず)により検出され、その検出信号がエンジ
ン用電子制御装置21に入力されている。またエンジン
1の吸気ダクトには、スロットルアクチュエータ22に
よって駆動される電子スロットル弁23が設けられてお
り、この電子スロットル弁23は、アクセルペダル20
の踏み込み量に応じて制御装置21からスロットルアク
チュエータ22に制御信号が出力され、その制御量に応
じて開度が制御されるようになっている。
【0024】また、エンジン1の回転速度を検出するエ
ンジン回転速度センサ24、吸入空気量を検出するエア
フローメータ25、吸入空気の温度を検出する吸入空気
温度センサ26、上記電子スロットル弁23の開度θを
検出するスロットルセンサ27、出力軸17の回転速度
などから車速Vを検出する車速センサ28、エンジン1
の冷却水温度を検出する冷却水温センサ29、ブレーキ
の作動を検出するブレーキスイッチ30、シフトレバー
31の操作位置を検出する操作位置センサ32、空調用
のヒーター制御スイッチ158、エンジン1の排気系統
に設けられた排気浄化触媒の温度を検出する排気温セン
サ159などが設けられている。この排気浄化触媒に
は、後述するNOx 吸収剤、および後述する三元触媒が
含まれる。
【0025】これらのセンサから、エンジン回転速度
N、吸入空気温度Tha 、電子スロットル弁23の開度
θ、車速V、エンジン冷却水温THw 、ブレーキの作動
状態BK、シフトレバー31の操作位置Pshを表す信
号、ヒーター制御の信号、触媒温度の信号が、エンジン
用電子制御装置21および変速用電子制御装置33に供
給されるようになっている。なお、この変速用電子制御
装置33には、上記の電子スロットル弁23の開度θ、
車速V、エンジン冷却水温THw 、ブレーキの作動状態
BKの信号が入力されている。
【0026】また、タービンランナー7の回転速度を検
出するタービン回転速度センサ34からタービン回転速
度NT を表す信号が変速用電子制御装置33に供給され
ている。さらに、アクセルペダル20が最大操作位置ま
で操作されたことを検出するキックダウンスイッチ35
からキックダウン操作を表す信号が変速用電子制御装置
33に入力されている。
【0027】さらにまた、自動変速機3の作動油(オー
トマチックトランスミッションフルード)の温度を検出
する油温センサ160が設けられている。この作動油に
より、自動変速機3に設けられている各種の摩擦係合装
置の制御、トルクコンバータ2の制御、各遊星歯車装置
の潤滑および冷却が行われる。そして、油温センサ16
0の信号が、変速用電子制御装置33に入力されてい
る。また、車体の振動を検出する振動検出センサ161
の信号が変速用電子制御装置33に入力されている。こ
の振動検出センサ161は、例えばシフトレバー31な
どに取り付けられており、その検出信号に基づいてこも
り音の発生を検出することも可能である。
【0028】エンジン用電子制御装置21は、中央演算
処理装置(CPU)、記憶装置(RAM,ROM)、入
出力インターフェースを備えたいわゆるマイクロコンピ
ュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用
しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力
信号を処理し、種々のエンジン制御を実行する。例え
ば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁37を制御し、
点火時期制御のためにイグナイタ38を制御し、アイド
ルスピード制御のために図示しないバイパス弁を制御
し、トラクション制御を含む全てのスロットル制御を、
スロットルアクチュエータ22により電子スロットル弁
23を制御して実行する。
【0029】変速用電子制御装置33も、上記のエンジ
ン用電子制御装置21と同様のマイクロコンピュータで
あって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用し、予め
ROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理
するとともに、油圧制御回路38の各ソレノイド弁ある
いはリニアソレノイド弁を駆動するようになっている。
例えば、変速用電子制御装置33は、スロットル弁23
の開度に対応した大きさの出力圧PSLT を発生させるた
めにリニアソレノイド弁SLT、およびアキュームレータ
背圧を制御するためにリニアソレノイド弁SLN、ならび
にロックアップクラッチ8のスリップ量を制御し、また
変速過渡時の所定のクラッチあるいはブレーキの係合圧
を変速の進行に従いかつ入力トルクに応じて制御するた
めにリニアソレノイド弁SLUをそれぞれ駆動する。
【0030】また、変速用電子制御装置33は、基本ス
ロットル弁開度θ(アクセルペダルの踏み込み量に対し
て所定の非線形特性で変換したスロットル開度)および
車速Vならびにこれらをパラメータとした変速線図に基
づいて、自動変速機3の変速段を決定し、この決定され
た変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路
38におけるNo .1ないしNo .3のソレノイド弁S
OL1 ,SOL2 ,SOL3を駆動し、エンジンブレーキを発
生させる際には、No .4のソレノイド弁SOL4 を駆動
するよう構成されている。そして、この実施例において
は、エンジン1の燃焼状態、つまり、空燃比に対応して
変速線図を変更することが可能になっている。
【0031】他方、上記ロックアップクラッチ8は、自
動変速機3の第1速および第2速では解放されるが、第
3速および第4速では、基本スロットル弁開度θおよび
車速Vをパラメータとするロックアップクラッチ制御パ
ターンに基づいて、ロックアップクラッチ8の解放(オ
フ)、スリップ、係合(オン)のいずれかの領域が判定
され、スリップ領域であればロックアップクラッチ8が
スリップ制御され、係合領域であれば係合させられる。
このスリップ制御は、エンジン1の回転変動を吸収しつ
つトルクコンバータ2の回転損失を可及的に抑制するた
めのものである。また、この実施例においては、エンジ
ン1の燃焼状態、つまり、空燃比に対応してロックアッ
プクラッチ制御パターンを変更することが可能になって
いる。
【0032】図4は、シフトレバー31の操作位置を示
している。図において、車両の前後方向の6つの操作位
置と車両の左右方向の2つの操作位置との組み合せによ
り、シフトレバー31を8つの操作位置へ操作可能に支
持する図示しない支持装置によってシフトレバー31が
支持されている。そしてPはパーキングレンジ位置、R
はリバースレンジ位置、Nはニュートラルレンジ位置、
Dはドライブレンジ位置、“4”は第4速までの変速段
を設定する“4”レンジ位置、“3”は第3速までの変
速段を設定する“3”レンジ位置、“2”は第2速まで
の変速段を設定する“2”レンジ位置、Lは第1速以上
の変速段へのアップシフトを禁止するローレンジ位置を
それぞれ示す。
【0033】図2に示すように上記の自動変速機3は、
第2速と第3速との間の変速が、第3ブレーキB3 と第
2ブレーキB2 との係合状態を共に切り換えるクラッチ
・ツウ・クラッチ変速となる。その変速制御は、パワー
オン/オフの状態やシフトアップ/ダウンの状態に応じ
て、変速に関与する摩擦係合装置をアンダーラップもし
くはオーバーラップ状態に制御する必要があり、具体的
には、第2ブレーキB2 の油圧を入力トルクに応じて制
御し、また第3ブレーキB3 の油圧を変速の進行状況に
基づいて制御する必要がある。そこで上記の油圧制御回
路38には、この変速を円滑かつ迅速に実行するため
に、図5に示す回路が組み込まれており、以下、簡単に
その構成を説明する。
【0034】図5において符号70は 1-2シフトバルブ
を示し、また符号71は 2-3シフトバルブを示し、さら
に符号72は 3-4シフトバルブを示している。これらの
シフトバルブ70,71,72の各ポートの各変速段で
の連通状態は、それぞれのシフトバルブ70,71,7
2の下側に示しているとおりである。なお、その数字は
各変速段を示す。その 2-3シフトバルブ71のポートの
うち第1速および第2速で入力ポート73に連通するブ
レーキポート74に、第3ブレーキB3 が油路75を介
して接続されている。この油路にはオリフィス76が介
装されており、そのオリフィス76と第3ブレーキB3
との間にダンパーバルブ77が接続されている。このダ
ンパーバルブ77は、第3ブレーキB3 にライン圧が急
激に供給された場合に少量の油圧を吸入して緩衝作用を
行うものである。
【0035】また符号78は B-3コントロールバルブで
あって、第3ブレーキB3 の係合圧をこの B-3コントロ
ールバルブ78によって直接制御するようになってい
る。すなわちこの B-3コントロールバルブ78は、スプ
ール79とプランジャ80とこれらの間に介装したスプ
リング81とを備えており、スプール79によって開閉
される入力ポート82に油路75が接続され、またこの
入力ポート82に選択的に連通させられる出力ポート8
3が第3ブレーキB3 に接続されている。さらにこの出
力ポート83は、スプール79の先端側に形成したフィ
ードバックポート84に接続されている。一方、前記ス
プリング81を配置した箇所に開口するポート85に
は、 2-3シフトバルブ71のポートのうち第3速以上の
変速段でDレンジ圧を出力するポート86が油路87を
介して連通されている。またプランジャ80の端部側に
形成した制御ポート88には、ロックアップクラッチ用
リニアソレノイドバルブSLUが接続されている。
【0036】したがって B-3コントロールバルブ78
は、スプリング81の弾性力とポート85に供給される
油圧とによって調圧レベルが設定され、かつ制御ポート
88に供給される信号圧が高いほどスプリング81によ
る弾性力が大きくなるように構成されている。
【0037】さらに図5中、符号89は 2-3タイミング
バルブであって、この 2-3タイミングバルブ89は、小
径のランドと2つの大径のランドとを形成したスプール
90と第1のプランジャ91とこれらの間に配置したス
プリング92とスプール90を挟んで第1のプランジャ
91とは反対側に配置された第2のプランジャ93とを
有している。この 2-3タイミングバルブ89の中間部の
ポート94に油路95が接続され、またこの油路95
は、 2-3シフトバルブ71のポートのうち第3速以上の
変速段でブレーキポート74に連通させられるポート9
6に接続されている。
【0038】さらにこの油路95は途中で分岐して、前
記小径ランドと大径ランドとの間に開口するポート97
にオリフィスを介して接続されている。この中間部のポ
ート94に選択的に連通させられるポート98は油路9
9を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されて
いる。そして第1のプランジャ91の端部に開口してい
るポートにロックアップクラッチ用リニアソレノイドバ
ルブSLUが接続され、また第2のプランジャ93の端部
に開口するポートに第2ブレーキB2 がオリフィスを介
して接続されている。
【0039】前記油路87は第2ブレーキB2 に対して
油圧を供給・排出するためのものであって、その途中に
は小径オリフィス101とチェックボール付きオリフィ
ス102とが介装されている。またこの油路87から分
岐した油路103には、第2ブレーキB2 から排圧する
場合に開くチェックボールを備えた大径オリフィス10
4が介装され、この油路103は以下に説明するオリフ
ィスコントロールバルブ105に接続されている。
【0040】オリフィスコントロールバルブ105は第
2ブレーキB2 からの排圧速度を制御するためのバルブ
であって、そのスプール106によって開閉されるよう
に中間部に形成したポート107には第2ブレーキB2
が接続されており、このポート107より図での下側に
形成したポート108に前記油路103が接続されてい
る。第2ブレーキB2 を接続してあるポート107より
図での上側に形成したポート109は、ドレインポート
に選択的に連通させられるポートであって、このポート
109には、油路110を介して前記 B-3コントロール
バルブ78のポート111が接続されている。なおこの
ポート111は、第3ブレーキB3 を接続してある出力
ポート83に選択的に連通させられるポートである。
【0041】オリフィスコントロールバルブ105のポ
ートのうちスプール106を押圧するスプリングとは反
対側の端部に形成した制御ポート112が油路113を
介して、 3-4シフトバルブ72のポート114に接続さ
れている。このポート114は、第3速以下の変速段で
第3ソレノイドバルブS3 の信号圧を出力し、また第4
速以上の変速段で第4ソレノイドバルブS4 の信号圧を
出力するポートである。さらにこのオリフィスコントロ
ールバルブ105には、前記油路95から分岐した油路
115が接続されており、この油路115を選択的にド
レインポートに連通させるようになっている。
【0042】なお、前記 2-3シフトバルブ71において
第2速以下の変速段でDレンジ圧を出力するポート11
6が、前記 2-3タイミングバルブ89のうちスプリング
92を配置した箇所に開口するポート117に油路11
8を介して接続されている。また 3-4シフトバルブ72
のうち第3速以下の変速段で前記油路87に連通させら
れるポート119が油路120を介してソレノイドリレ
ーバルブ100に接続されている。
【0043】そして図5中、符号121は第2ブレーキ
B2 用のアキュームレータを示し、その背圧室には、リ
ニアソレノイドバルブSLNが出力する油圧に応じて調圧
されたアキュームレータコントロール圧が供給されてい
る。なおこのアキュームレータコントロール圧は、入力
トルクに応じて制御され、リニアソレノイドバルブSLN
の出力圧が低いほど高い圧力になるように構成されてい
る。したがって第2ブレーキB2 の係合・解放の過渡的
な油圧は、リニアソレノイドバルブSLNの信号圧が低い
ほど高い圧力で推移するようになっている。またそのリ
ニアソレノイドバルブSLUの信号圧を一時的に低くする
ことにより、第2ブレーキB2 の係合圧を一時的に高く
することができる。
【0044】また符号122は C-0エキゾーストバルブ
を示し、さらに符号123はクラッチC0 用のアキュー
ムレータを示している。なお C-0エキゾーストバルブ1
22は2速レンジでの第2速のみにおいてエンジンブレ
ーキを効かせるためにクラッチC0 を係合させるように
動作するものである。
【0045】したがって、上述した油圧回路によれば、
B-3コントロールバルブ78のポート111がドレイン
に連通していれば、第3ブレーキB3 の係合圧を B-3コ
ントロールバルブ78によって直接調圧することがで
き、またその調圧レベルをリニアソレノイドバルブSLU
によって変えることができる。またオリフィスコントロ
ールバルブ105のスプール106が、図の左半分に示
す位置にあれば、第2ブレーキB2 はこのオリフィスコ
ントロールバルブ105を介して油路103に連通させ
られるので、大径オリフィス104を介して排圧が可能
になり、したがって第2ブレーキB2 からのドレイン速
度を制御することができる。
【0046】上述した自動変速機3における各摩擦係合
装置の係合圧は、エンジン1でのスロットル開度θに応
じて制御されるライン圧によって決まる圧力になるが、
例えばクラッチ・ツウ・クラッチ変速である第2速と第
3速との間の変速の際の第3ブレーキB3 の係合圧PB3
は、変速の進行状況に基づいて制御される。例えば第2
速から第3速へのアップシフトの場合には、第2ブレー
キB2 と共に所定のトルク容量をもついわゆるオーバー
ラップ気味に制御されて入力回転数が第3速の同期回転
数に低下することを促進させる。
【0047】また反対に第3速から第2速へのダウンシ
フトの際には、第3ブレーキB3 の係合圧を低い圧力に
維持していわゆるアンダーラップ気味に制御し、入力回
転数が第2速の同期回転数に上昇することを促進させ
る。また第2速へのダウンシフトの変速終期には、最終
的には解放される第2ブレーキB2 の係合圧を一時的に
高くしてトルクを低下させることにより、捩りトルクに
起因するショックを防止する。
【0048】以上説明した自動変速機3が連結されてい
るエンジン1は、空燃比を理論空燃比(ストイキ)より
大きくしたリーンバーン運転が可能であり、かつリーン
バーン運転中にNOx 吸収剤からNOx を放出させるた
めに、空燃比を一時的にリッチ側に設定するリッチスパ
イクを実行するよう構成されている。そこでこのエンジ
ン1について説明すると、図6は吸排気系統を模式的に
示しており、ピストン130の頂部側に形成された燃焼
室131には、点火プラグ132が配置されている。ま
たこの燃焼室131には、吸気弁133を有する吸気ポ
ート134と、排気弁135を有する排気ポート136
とが連通されている。
【0049】その吸気ポート134は、対応するマニホ
ールド137を介してサージタンク138に連結され、
その各マニホールド137には、吸気ポート134内に
向けて燃料を噴射する燃料噴射弁139が取り付けられ
ている。またサージタンク138は、吸気ダクト140
およびエアフローメータ25を介してエアクリーナ14
1に連結され、吸気ダクト140内にスロットル弁23
が配置されている。
【0050】一方、排気ポート136は、排気マニホー
ルド142および排気管143を介してNOx 吸収剤1
44を内蔵したケーシング145に接続され、さらにそ
のケーシング145は排気管146を介して触媒コンバ
ータ147に連結されている。なお、この触媒コンバー
タ147は、三元触媒148を内蔵している。
【0051】このエンジン1を制御するエンジン用電子
制御装置21は、デジタルコンピュータからなり、双方
向性バス149によって相互に接続されたROM(リー
ドオンリーメモリ)150、RAM(ランダムアクセス
メモリ)151、CPU(マイクロプロセッサ)15
2、入力ポート153および出力ポート154を備えて
いる。エアフローメータ25は吸入空気量に比例した出
力電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器155を介
して入力ポート153に入力されるようになっている。
また入力ポート153にはエンジン回転数を表す出力パ
ルスを発生するエンジン回転速度センサ24が接続され
ている。一方、出力ポート154は対応する駆動回路1
56,157を介してそれぞれ点火プラグ132および
燃料噴射弁139に接続されている。
【0052】上記のようにエンジン1は、燃料噴射弁1
39から燃料が供給されるよう構成されており、その燃
料噴射時間TAUは、 TAU=TP×Kt の式に基づいて算出される。ここでTPは基本燃料噴射
時間を表し、またKt は補正係数を表している。基本燃
料噴射時間TPはエンジン1のシリンダに供給される混
合気の空燃比を理論空燃比とするのに必要な燃料噴射時
間である。
【0053】この基本燃料噴射時間TPは予め実験によ
り求められ、1回転あたりの吸入空気量Q/N(Qは吸
入空気量、Nはエンジン回転数)で表されるエンジン負
荷およびエンジン回転数Nの関数として図7に示すよう
なマップの形で予めROM152内に記憶されている。
補正係数Kt はエンジン1内に供給される混合気の空燃
比を制御するための係数であって、Kt =1.0であれ
ば、シリンダ内に供給される混合気は理論空燃比とな
る。これに対してKt <1.0となれば、シリンダ内に
供給される混合気の空燃比は理論空燃比より大きくな
り、エンジン1はリーンバーン運転されることになる。
さらにKt >1.0になれば、シリンダ内に供給される
混合気の空燃比は理論空燃比よりも小さくなり、いわゆ
るリッチ状態となる。
【0054】図6に示すエンジンでは、通常、例えばK
t =0.7もしくは0.6程度に維持されており、した
がってリーンバーン運転が行われる。図8は、燃焼室1
31から排出される排気ガス中の代表的な成分の濃度を
概略的に示している。この図8から知られるように、燃
焼室131から排出される未燃焼のHC、COの濃度
は、燃焼室131に供給される混合気の空燃比がリッチ
になるほど増大し、燃焼室131から排出される排気ガ
ス中の酸素O2 の濃度は燃焼室131内に供給される混
合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0055】ケーシング145内に収容されているNO
x 吸収剤144は、例えばアルミナを担体とし、この担
体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムL
i 、セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa
、カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa
、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なく
とも一つと、白金Pt のような貴金属とが担持されてい
る。
【0056】吸気ダクトおよびNOx 吸収剤144の上
流の排気管路内に供給された空気と燃料との比を「NO
x 吸収剤144への流入排気ガスの空燃比」とすると、
このNOx 吸収剤144は、流入排気ガスの空燃比がリ
ーンのときにNOx 吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度
が低下すると、吸収したNOx を放出するNOx の吸収
放出作用を行う。
【0057】なお、NOx 吸収剤144の上流の排気管
路内に燃料あるいは空気が供給されない場合には、流入
排気ガスの空燃比が燃焼室131内に供給される混合気
の空燃比に一致し、したがってこの場合には、NOx 吸
収剤144は燃焼室131内に供給される混合気の空燃
比がリーンの時にNOx を吸収し、燃焼室131内に供
給される混合気中の酸素濃度が低下すると、吸収したN
Ox を放出することになる。
【0058】前述したように、図6に示すエンジン1で
は、通常、シリンダ内に供給される混合気はリーン(例
えばKt =0.7)に維持されており、このとき発生す
るNOx は、NOx 吸収剤144に吸収される。ところ
がリーン混合気が燃焼されつづけると、NOx 吸収剤1
44によるNOx 吸収能力が飽和してしまい、しばらく
してNOx 吸収剤144によりNOx を吸収できなくな
ってしまう。そこでこの実施例では、リーン混合気が継
続して燃焼されたときには図9に示すようにシリンダ内
に供給される混合気を一時的にリッチ(Kt =KK)に
制御し、それによってNOx 吸収剤144に吸収された
NOx をNOx 吸収剤144から放出させる。すなわち
リッチスパイクを実行する。
【0059】その場合、単にシリンダ内に供給される混
合気をリーン空燃比からリッチ空燃比に切り換えるとエ
ンジン出力トルクが変動するので、そのような事態が生
じないようにリーン空燃比とリッチ空燃比とが設定され
ている。すなわち図10に示すように、エンジン出力ト
ルクは出力空燃比(11.0〜12.0)を境として空
燃比がリーン側になるとエンジン出力トルクが低下し、
また空燃比がリッチ側になってもエンジン出力トルクは
低下する。
【0060】したがって図10に示すようにエンジン出
力トルクが等しくなるリーン空燃比(KL)とリッチ空
燃比(KK)とが存在することになる。そこで燃焼室1
31においてリーン混合気を燃焼すべきときには、その
ときの空燃比をリーン空燃比(KL)とし、燃焼室13
1内でリッチ混合気を燃焼すべきときにはその時の空燃
比をリッチ空燃比(KK)とするとともに、点火時期を
それぞれの空燃比に対応した値に切り換えるようにして
いる。このようにリーン空燃比およびリッチ空燃比を予
め定めると、リーン空燃比からリッチ空燃比に切り換え
られたとき、およびリッチ空燃比からリーン空燃比に切
り換えられたときに、エンジン出力トルクの変動やショ
ックが抑制される。
【0061】なお、この実施例では、リーン空燃比(K
L)が予め例えばKt =0.7相当に設定されており、
したがってこのリーン空燃比を用いたときのエンジン出
力トルクと等しい出力トルクが得られるようにリッチ空
燃比(KK)が設定される。この場合、このリッチ空燃
比(KK)はエンジン負荷Q/Nとエンジン回転数Nと
の関数になり、このリッチ空燃比(KK)は図11に示
すようにエンジン負荷Q/Nおよびエンジン回転数Nの
関数の形で予めROM150に記憶されている。
【0062】なお、NOx 吸収剤144からのNOx の
放出作用は、一定量のNOx がNOx 吸収剤144に吸
収されたとき、例えばNOx 吸収剤144の吸収能力の
50%程度までNOx が吸収されたときに行われる。N
Ox 吸収剤144に吸収されるNOx の量は、エンジン
1から排出される排気ガスの量と、排気ガス中のNOx
濃度とに比例する。この場合、排気ガス量は吸入空気量
に比例し、排気ガス中のNOx 濃度はエンジン負荷に比
例するので、NOx 吸収剤144に吸収されるNOx 量
は正確には吸入空気量とエンジン負荷との積の累積値か
ら推定することができる。なお、制御を単純にするため
には、エンジン回転数の累積値からNOx 吸収剤144
に吸収されているNOx 量を推定してもよい。
【0063】つぎに上記のエンジン1におけるリッチス
パイクの制御について説明する。図12は、前記電子制
御装置21により一定時間毎に実行されるルーチンを示
している。先ず、ステップ1において基本燃料噴射時間
TPに対する補正係数Kt が1.0よりも小さいか否
か、すなわちリーンバーン運転が行われているか否かが
判別される。Kt ≧1.0のとき、すなわちシリンダ内
に供給されている混合気が理論空燃比またはリッチ空燃
比のときには特に制御を行うことなくこのルーチンから
抜ける。
【0064】これに対してKt <1.0のとき、すなわ
ちリーン混合気が燃焼されているときには、ステップ2
に進んで現在のエンジン回転数NEにΣNEを加算した
結果がΣNEとされる。したがってΣNEはエンジン回
転数NEの累積値を示している。ついでステップ3で
は、累積回転数ΣNEが一定値SNEよりも大きいか否
かが判別される。
【0065】この一定値SNEはNOx 吸収剤144に
そのNOx 吸収能力の例えば50%のNOx 量が吸収さ
れていると推定される累積回転数を示している。ΣNE
≦SNEのときにはリターンし、ΣNE>SNEのと
き、すなわちNOx 吸収剤144にそのNOx 吸収能力
の50%のNOx 量が吸収されていると推定されたとき
にはステップ4に進んでNOx 放出フラグがセットされ
る。NOx 放出フラグがセットされると、後述するよう
にシリンダ内に供給される混合気がリッチに切り換えら
れるとともに、混合気の空燃比に応じて点火時期が遅角
される。
【0066】ついでステップ5では、カウント値Cが1
だけインクリメントされる。ついでステップ6ではカウ
ント値Cが一定値C0 よりも大きくなったか否か、すな
わち例えば0.5秒経過したか否かが判別される。C≦
C0 のときにはリターンし、C>C0 になると、ステッ
プ7に進んでNOx 放出フラグがリセットされる。NO
x 放出フラグがリセットされると、後述するようにシリ
ンダ内に供給される混合気がリッチからリーンに切り換
えられる。したがってシリンダ内に供給される混合気は
0.5秒の間、リッチに制御されることになる。ついで
ステップ8において累積回転数ΣNEおよびカウント値
Cがクリアされる。
【0067】図13は、燃料噴射時間TAUの算出ルー
チンを示しており、このルーチンはエンジン用電子制御
装置21により一定時間毎(またはクランク軸の一定回
転角度毎)に実行される。図13において、先ずステッ
プ10で図8に示すマップから基本燃料噴射時間TPが
算出される。ついでステップ11ではNOx 放出フラグ
がセットされているか否かが判別される。NOx 放出フ
ラグがセットされていないときにはステップ12,13
に進んで補正係数Kt が例えば0.7とされ、ついでス
テップ14に進む。ステップ14では燃料噴射時間TA
U(=TP×Kt )が算出される。このときにはシリン
ダ内に供給される混合気がリーンとされる。
【0068】一方、ステップ11においてNOx 放出フ
ラグがセットされたと判断されたときには、ステップ1
5に進んで図11に示す関係からKKが算出される。つ
いでステップ16では補正係数Kt の値がKKにされ、
ステップ14に進む。したがってこのときにはシリンダ
内に供給される混合気がリッチ空燃比とされる。
【0069】ところでエンジンなどの経年変化によって
実際の空燃比が制御した空燃比からずれることがある。
このような場合には、例えば空燃比センサ(図示せず)
を排気ポート136に設置し、検出された実際の空燃比
に基づいて制御値を補正することが好ましい。
【0070】さらに、リーン運転中に空燃比を一時的に
リッチ側に設定するリッチスパイクを行う場合、シリン
ダに供給される混合の空燃比を小さくしても燃焼室13
1内での混合気の空燃比が遅れて変化することがある。
これは、リーン運転中では吸気ポート134の壁面が乾
いた状態にあり、ここにリッチ空燃比の混合気を供給す
ると、混合気に含まれる燃料の一部が吸気ポート134
の壁面に付着し、その分、シリンダ内での混合気中の燃
料の量が少なくなることに起因している。
【0071】したがってリッチスパイクの制御開始時点
に遅れて燃焼室131内の空燃比が小さくなる。そのた
めリッチスパイクの制御開始と同時に点火時期を変更す
ると、過渡的に空燃比と点火時期とが不適合状態とな
り、エンジン出力トルクの変動が大きくなることが考え
られる。
【0072】このような事態を未然に回避するために、
空燃比をリーンからリッチに変更し、あるいはリッチか
らリーンに変更する場合に、点火時期を空燃比の変更に
遅らせて変更し、あるいは点火時期を徐々に変更するこ
とが好ましい。あるいは空燃比をリーンからリッチに変
更する場合に、吸気ポート134の壁面への燃料の付着
による不足分を補うため、制御開始時に燃料噴射量を増
大させることが好ましい。またリッチからリーンに変更
する場合、吸気ポート134の壁面からの燃料の離脱に
よるリッチ化に対応して、制御開始時に燃料噴射量を減
少させことが好ましい。これらの空燃比を切り換える場
合の過渡的な制御は、特開平6−193487号公報に
具体的に記載されている。
【0073】上記のようにNOx 吸収剤144からのN
Ox の放出のために空燃比をリッチ化するリッチスパイ
クを実行した場合、点火時期の遅角制御などによってエ
ンジントルクの変動を抑制するが、エンジントルクの変
動を完全になくすることは実際には困難である可能性が
ある。一方、前述した自動変速機3は、変速時の摩擦係
合装置の油圧を入力トルク基づいて制御しており、した
がってリッチスパイクに伴うエンジントルクの変動が自
動変速機3での変速制御に影響を及ぼす。そこで、この
実施例では、前述したエンジン回転数の累積値に基づい
たNOx 放出のためのリッチスパイクのタイミングを、
変速のタイミングに基づいて強制的に変更する。
【0074】図14は、その制御ルーチンの一例を示す
フローチャートであって、入力信号の処理(ステップ2
0)を行った後に、リーンバーン状態か否かの判断を行
う(ステップ21)。これは、前述した図12における
ステップ1と同様な判断ステップであり、燃料噴射時間
の補正係数Kt が“1.0”より小さい値に設定されて
いるか否かによって判断することができる。リーンバー
ン状態でなければ、特に制御を行うことなくこのルーチ
ンから抜け、またリーンバーン状態であれば変速の発生
が予測されているか否かを判断する(ステップ22)。
【0075】上述した自動変速機3では、車速Vやスロ
ットル開度θなどによって定まる走行状態が、予め記憶
してある変速線図(変速マップ)における変速線を横切
るように変化することに基づいて変速が判断される。例
えば第2速から第3速へのアップシフトは、図15の
(A)に示すように、車速Vの増大に伴って走行状態が
アップシフト線を横切ってA点からB点に変化すること
によって生じる。
【0076】また例えばアクセルペダル20を踏み込む
ことによる第3速から第2速へのダウンシフトは、図1
5の(B)に示すように、スロットル開度θの増大に伴
って走行状態がダウンシフト線を横切ってC点からD点
に変化することによって生じる。したがって変速の予測
は、これら車速Vやスロットル開度θなどの走行状態を
示すパラメータの変化量もしくは変化率に基づいて行う
ことができる。
【0077】ステップ22で変速の発生が予測された場
合、その予測の前の所定時間TA の間に前述したリッチ
スパイクが既に実行されたか否かを判断する(ステップ
23)。これは、予測された変速中あるいはそれに続く
多重変速中にリッチスパイクが実行されるか否かを判断
するものである。すなわちリッチスパイクは、NOx吸
収剤からNOx を放出させて吸収能力を回復させるため
の空燃比のリッチ化であり、一旦実施した後は、NOx
吸収剤の吸収能力が所定の値に低下するまで実施する必
要はないから、TA 秒前にリッチスパイクが実施された
場合には、ある程度の時間は再度リッチスパイクが実施
されないことになる。したがって変速予測の前のTA 秒
の間にリッチスパイクが実施されていない場合、すなわ
ちステップ23で否定判断された場合には、予測された
変速中に、NOx 吸収剤の吸収能力の飽和(例えば50
%程度の飽和)に基づくリッチスパイクが実行される可
能性がある。そこでステップ23で否定判断された場合
には、NOx 放出フラグをセットする(ステップ2
4)。
【0078】なお、ステップ23は、実質上、通常時に
累積エンジン回転数などに基づいて所定期間ごとに実施
されているリッチスパイクが、予測された変速中に行わ
れる可能性を判断するステップであり、したがってその
判断の仕方は、上記のタイマTA によらずに、他の方法
であってもよい。例えば図14に併せて記載してあるよ
うに、エンジン回転数の累積値ΣNEが前記判断基準と
なる一定値SNEより小さい基準値A(=SNE−β、
βは一定値)を越えたか否かによって判断することもで
きる(ステップ23’)。また前記の判断基準となる時
間TA や判断基準となる回転数の累積値Aは、エンジン
回転数Nと吸気管負圧PMや吸入空気量GNとなどに基
づいて変えてもよい。
【0079】ステップ24におけるNOx 放出フラグの
セットは、図12に示すステップ4と同様の制御であ
り、これに基づいて図13に示す制御による空燃比のリ
ッチ化が行われる。その場合、先ず、ロックアップクラ
ッチ8のトルク容量の低下制御が実行される(ステップ
25)。具体的には、ロックアップクラッチ8を解放さ
せ、あるいはロックアップクラッチ8を係合させる油圧
を低下させていわゆるスリップ制御する。エンジントル
クの変動をトルクコンバータによって吸収させるためで
ある。ついでリッチスパイクの開始指令を出力する(ス
テップ26)。またタイマ(図示せず)をスタートさせ
る。
【0080】このようにして実施される空燃比の一時的
なリッチ化は、変速中でのリッチスパイクを回避するた
めのものであるから、その実行継続時間(処理時間)T
R は、通常のリッチスパイクの時間TS より短くてもよ
く、むしろ短いことが好ましい。またその処理時間TR
は、車速Vやスロットル開度θあるいは変速のパターン
によって変えてもよく、その場合、図16に示すよう
に、予めマップ化して保持しておくことが好ましい。
【0081】さらに空燃比のリッチ化の処理時間を短く
した場合には、NOx 吸収剤144からのNOx の放出
力を増大させるために、燃料噴射量を増量補正してもよ
い。そして通常のリッチスパイクに伴って実施する点火
時期の遅角制御は、上述した変速の予測に基づくリッチ
スパイクの際には実行しない。
【0082】リッチスパイクの開始を指令した後に変速
判断が発生したか否かを判断する(ステップ27)。こ
の判断は、図15に示すように走行状態が変化すること
に伴って変速用電子制御装置33によって判断される。
このステップ27で否定判断された場合には、リッチス
パイクの開始からの経過時間Tが、その実行継続時間T
R に達したか否かを判断する(ステップ28)。ステッ
プ28で否定判断された場合にはステップ27に戻り、
また肯定判断された場合には、処理時間の経過によって
リッチスパイクを終了する(ステップ29)。なお、リ
ッチスパイクの開始の後に変速判断が発生してステップ
27で肯定判断された場合には、直ちにステップ29に
進んでリッチスパイクの制御を終了させる。
【0083】このようにしてリッチスパイクを終了した
場合には、前述した図12に示す制御におけるステップ
7と同様に、NOx 放出フラグをリセットする。また累
積回転数ΣNEおよび前記カウント値Cを修正する(ス
テップ30)。すなわちステップ26で実行されるリッ
チスパイクは、その処理時間が通常のリッチスパイクよ
り短く、また燃料噴射量が補正されるなど、通常のリッ
チスパイクとは異なっているので、累積回転数ΣNEを
減少補正(ΣNE−N1 )し、またカウント値Cを減少
補正(C−C1 )する。その場合、これらの補正値N1
,C1 はリッチスパイクの処理時間TR に応じて変更
する。具体的には、処理時間TR が長いほど、大きい値
にする。
【0084】なお、変速の予測が成立しないためにステ
ップ22で否定判断された場合には、エンジン1の累積
回転数ΣNEなどに基づく通常のリッチスパイクの制御
を実行する(ステップ31)。また変速予測の成立した
時点より前のTA 秒間にリッチスパイクが実行されてい
てステップ23で肯定判断された場合には、変速中にリ
ッチスパイクが実行される可能性が低いので、ステップ
31に進んで通常のリッチスパイクの制御を実行する。
【0085】上述した変速の予測に基づくリッチスパイ
クを第2速から第3速へのアップシフトの際に実行した
例をタイムチャートで示すと、図17のとおりである。
第2速での走行中に車速が増大すると、その変化量や変
化率などに基づいて第3速へのアップシフトが予測され
る(t0 時点)。このt0 時点の前のTA 秒の間にリッ
チスパイクが実行されていない場合には、変速予測の成
立したt0 時点の後にリッチスパイクが開始される(t
1 時点)。これと同時もしくは直前にロックアップクラ
ッチ8の係合圧が低下させられてスリップ状態に設定さ
れ、あるいはスリップ状態となるまで係合圧が次第に低
下させられる(スイープ制御)。
【0086】予め設定した処理時間TR の間、リッチス
パイクが継続され、その終了とほぼ同時に第2速から第
3速へのアップシフトが判断される(t2 時点)。その
後の一定時間後(t3 時点)に変速出力が行われるとと
もに、ロックアップクラッチ8が解放させられ、同時に
第3ブレーキB3 の係合圧PB3が低下させられる。第3
ブレーキB3 がトルク容量を保持している状態で第2ブ
レーキB2 に油圧が供給されてその係合圧PB2が所定の
圧力に設定される。ついで第2ブレーキB2 の係合圧P
B2を増大させるとともに第3ブレーキB3 の係合圧PB3
を低下させ変速を進行させ、変速を終了する(t4 時
点)。その後にロックアップクラッチ8の係合圧を高く
してロックアップ・オン状態とする。
【0087】したがって上述した制御では、変速と通常
のリッチスパイクとが重なることが予想される場合に
は、変速の予測によってリッチスパイクを強制的に実行
するので、変速時にリッチスパイクが実行されることが
事前に回避される。そのため自動変速機3での変速が入
力トルク(エンジントルク)の安定した状態で実行さ
れ、その結果、変速に関与する摩擦係合装置の油圧を適
正に制御して変速ショックの悪化や摩擦係合装置の耐久
性の低下などを防止することができる。
【0088】上述した例は、変速を予測してその予測さ
れた変速と時間的に重ならないようにリッチスパイクの
タイミングをずらすものであるが、リッチスパイクのタ
イミングを変速に基づいて変更するにあたって変速を予
測しなくてもよい場合があり、その例を次に説明する。
図18はその制御ルーチンを示しており、入力信号の処
理(ステップ40)およびリーンバーン状態の有無の判
断(ステップ41)を、前述した図14に示す制御と同
様に行う。そしてリーンバーン状態であれば、変速判断
が成立したか否かを判断する(ステップ42)。この変
速判断は、車速Vやスロットル開度θなどの変化に起因
する変速線図に基づいた変速判断およびシフトレバー3
1をマニュアル操作することに伴う変速の判断を含む。
【0089】変速判断があった場合には、その時点より
所定時間TA 秒前の間にリッチスパイクが実行されたか
否かを判断する(ステップ43)。これは、前述した図
14に示すステップ23の判断ステップと同様であっ
て、変速判断に基づく変速と所定期間のサイクルで繰り
返されるリッチスパイクとが重なるか否かの判断であ
る。したがって、図14に示す制御と同様に、エンジン
回転数の累積値ΣNEが所定の基準値A(=SNE−
β、βは一定値)を越えたか否かの判断ステップ(ステ
ップ43’)に変更することもできる。
【0090】ステップ43で否定判断された場合には、
直前のリッチスパイクからある程度長い時間が経過して
いることになり、所定期間ごとのリッチスパイクが実行
される可能性が高いので、強制的にNOx 放出フラグを
セットする(ステップ44)。これは図14に示す制御
におけるステップ24と同様であり、これに基づいてリ
ッチスパイクを実行できる状態になる。また図14にお
けるステップ25と同様に、NOx 放出フラグをセット
した後に、ロックアップクラッチ8のスリップ制御もし
くはそのトルク容量のスイープダウンを実行する(ステ
ップ45)。
【0091】そして変速判断の成立と同時もしくはその
直後に、直ちにリッチスパイクを実行する(ステップ4
6)。すなわち通常の自動変速機では、変速判断が成立
した場合、直ちに変速を指令せずに、変速判断の確認や
他の変速判断の成立の有無の確認などのために所定時間
のインターバルを取っている。したがって変速の判断の
後であっても強制的なリッチスパイクを行うことができ
る。
【0092】そのためここで許容されるリッチスパイク
の実行継続時間(処理時間)TR は、その変速判断から
変速出力までのインターバルの間あるいは遅くとも判断
された変速のトルク相の開始までの間である。またその
処理時間TR は、前述した図14に示す制御の場合と同
様に、通常のリッチスパイクの時間TS より短くてもよ
く、むしろ短いことが好ましく、さらに車速Vやスロッ
トル開度θあるいは変速のパターンによって変えてもよ
い。そして通常のリッチスパイクの際に実施される点火
時期の遅角制御は、ステップ46での強制的なリッチス
パイクの際には実行しない。
【0093】このようにしてリッチスパイクを実行した
後にいわゆる終了処理としてNOx放出フラグのリセッ
ト、およびエンジン1の累積回転数ΣNEとカウント値
Cとの減算処理を行う(ステップ47)。これは、図1
4に示すステップ30と同様である。
【0094】さらに変速判断が成立していないことによ
りステップ42で否定判断された場合には、エンジン1
の累積回転数ΣNEなどに基づく通常のリッチスパイク
を実施する(ステップ48)。また変速判断の前の前記
判断基準の時間TA の間に通常のリッチスパイクが実行
されていたことによりステップ43で肯定判断された場
合には、変速中に通常のリッチスパイクが実施される可
能性が低いので、ステップ48に進んで通常のリッチス
パイクを実行する。
【0095】上述した変速の予測に基づくリッチスパイ
クを第2速から第3速へのアップシフトの際に実行した
例をタイムチャートで示すと、図19のとおりである。
第2速での走行中に車速が増大し、走行状態が第3速へ
のアップシフト線を横切って変化すると、第3速へのア
ップシフトが判断される(t10時点)。このt10時点の
前のTA 秒の間にリッチスパイクが実行されていない場
合には、直ちに強制的にリッチスパイクが実行され、ま
たロックアップクラッチ8のトルク容量を低下させる制
御が実行される。TR 秒後のt11時点にリッチスパイク
が終了し、その後のt12時点に第3速への変速出力が行
われる。それ以降の制御内容は、図17を参照して説明
した前述の制御例と同様である。
【0096】したがって、上述した制御では、変速と通
常のリッチスパイクとが重なることが予想される場合に
は、変速の判断と変速出力との間で強制的にリッチスパ
イクを実行するので、変速時にリッチスパイクが実行さ
れることが事前に回避される。そのため自動変速機3で
の変速が入力トルク(エンジントルク)の安定した状態
で実行され、その結果、変速に関与する摩擦係合装置の
油圧を適正に制御して変速ショックの悪化や摩擦係合装
置の耐久性の低下などを防止することができる。
【0097】つぎに、エンジン1のリーンバーン運転に
適合する条件を達成し易くするための制御について説明
する。図20は、請求項1に対応する制御例であり、自
動変速機3の変速段を所定の変速段以下に制限すること
で、エンジン1のリーンバーン運転に適合する条件を早
期に達成する場合の制御ルーチンの一例を示すフローチ
ャートである。
【0098】まず、入力信号の処理(ステップ50)を
行った後、エンジン1のリーンバーン運転可能条件の1
つとしてヒーター制御要求の有無を判断する(ステップ
51)。このヒーターは空調のためのヒーターであり、
暖機が不充分な状態で室温を上昇させる場合にON制御
される。したがってヒーター制御の要求があれば、暖機
が不充分なことになり、また反対にヒーター制御の要求
がなければ、暖機が完了していることになる。このた
め、ステップ51で肯定判断された場合は、通常の変速
線図、具体的にはストイキ用の変速線図に基づいて自動
変速機3の制御が行われ(ステップ52)、リターンさ
れる。
【0099】一方、ステップ51で否定判断された場合
には、リーンバーン運転可能条件の他の条件として、排
気温センサ159により検出される排気浄化触媒の温度
が、エンジン1のリーンバーン運転に適合する所定温
度、例えば450℃以上であるか否かが判断される(ス
テップ53)。このステップ53の判断基準となる所定
温度は、エンジン1の始動時に行われる暖機運転の判断
基準となる温度とは相違する。
【0100】このステップ53で否定判断された場合に
は、リーンバーン運転を可能にする条件の成立を促進す
る制御が実行される。具体的には、自動変速機3の制御
のための変速パターン(変速線図)としてオーバードラ
イブ段(第5速)を実質的に禁止する変速パターンが採
用される(ステップ54)。その変速パターンの一例を
図21に通常の変速パターンと対比して示してある。す
なわち図21において実線で示したオーバードライブ段
(O/D)へのアップシフト線がステップ54の制御で
採用され、これに対して破線で示してあるアップシフト
線(オーバードライブ段へのアップシフト線)が通常の
制御で採用される。そして実線で示すアップシフト線
は、アクセル開度Accに応じた変化のない直線で示さ
れ、エンジン1の過回転(オーバーレボリューション)
が生じる車速V2以上の領域がオーバードライブ段とな
る位置に設定されている。これに対して通常の制御で使
用される破線で示したアップシフト線は、アクセル開度
Accおよび車速Vに応じて変速段領域が変化する折線も
しくは曲線で表され、その変速点の車速は、オーバード
ライブ段を通常の走行で許容するように設定されてい
る。また、実線で示すアップシフト線を有する変速パタ
ーンが採用された場合には、リーンバーン運転を実施す
る条件が成立していないので、エンジン1はストイキバ
ーン運転される。これとは反対に破線で示すアップシフ
ト線を有する通常の変速パターンが採用された場合に
は、他の条件の成立に応じてリーンバーン運転が実施さ
れる。
【0101】なお、オーバードライブ段を禁止するの
は、エンジン1の回転を高くして温度の上昇を促進する
ためであり、したがって検出された触媒温度が更に低い
場合には、オーバードライブ段より1段低速側の変速段
(例えば5速自動変速機であれば第4速)を禁止するこ
ととしてもよい。
【0102】このステップ54の制御を行うことによ
り、エンジン1の回転数が高い値に設定されて暖機が促
進されるとともに、排気浄化触媒の温度が上昇する。そ
の結果、排気浄化触媒の活性化が促進されて、排気浄化
触媒によるNOx の吸収機能が高められる。言い換えれ
ば、エンジン1がリーンバーン運転されて排気ガス中の
NOx が増大する状態に対処し易い条件が早期に達成さ
れる。
【0103】さらに、ステップ55において、自動変速
機3のロックアップクラッチ8を制御するロックアップ
クラッチ制御パターンが変更されて、ロックアップクラ
ッチ8を常時オフにする制御が行われ、リターンされ
る。すなわち、ロックアップクラッチ8がオフ状態であ
れば、エンジン1と自動変速機3とが流体を介して連結
されていることになるので、トルクコンバータ2でのい
わゆる滑りによってエンジン回転数が高めに維持されて
エンジン1の暖機が促進され、またトルクコンバータ2
での入力部材(ポンプインペラ5)と出力部材(タービ
ンランナ7)との相対回転によるオイルの撹拌およびそ
れに伴う剪断作用によって油温の上昇が促進される。
【0104】また一方、ステップ53で肯定判断された
場合は、リーンバーン運転可能条件の更に他の条件とし
て、エンジン1の冷却水の温度が所定温度、例えば、7
5℃以上であるか否かが判断される(ステップ56)。
このステップ56で否定判断された場合は、エンジン1
が充分に暖機されておらず、燃焼が不安定な状態にある
ため、リーンバーン運転には適合しない。したがって、
前記ステップ54に進む。
【0105】また、ステップ56で肯定判断された場合
は、自動変速機3の作動油温が所定温度、例えば、60
℃以上であるか否かが判断される(ステップ57)。ス
テップ57で否定判断された場合は、ロックアップクラ
ッチ8のオンを一切禁止する制御が行われ(ステップ5
8)、リターンされる。すなわち、自動変速機3の作動
油の温度が所定温度以下である場合は、その粘度が比較
的高い状態にある。そのためロックアップクラッチ8油
圧制御が難しくなり、所期通りの制御ができず、その結
果、耐久性の低下や振動の悪化などの不都合が生じる可
能性が高いからである。
【0106】なお、ステップ57で肯定判断された場合
はステップ52に進む。この場合、車速やアクセル開度
Accなどの条件が満たされれば、リーンバーン運転をお
こなうことができる状態であり、したがって自動変速機
3では通常の変速制御がおこなわれる。例えばオーバー
ドライブ段へのアップシフト線として図21に破線で示
すアップシフト線を備えた変速パターンでの変速制御が
実施される。
【0107】ここで、図20のフローチャートに示され
た機能的手段と、請求項1の構成との対応関係を説明す
る。すなわち、ステップ51とステップ53とステップ
56とステップ57とが請求項1のリーンバーン条件判
断手段に相当し、ステップ54およびステップ55なら
びにステップ58が請求項1の制御内容変更手段に相当
する。
【0108】以上のように、図20の制御例によれば、
自動変速機3の変速段を所定の変速段以下に制限する制
御、またはロックアップクラッチ8をオフさせる(オン
の禁止)制御を行うことにより、エンジン1の回転数が
所定の高速回転領域に維持されて暖機が促進される。そ
の結果、エンジン1の燃焼状態が安定して出力トルクの
変動が抑制され、また、浄化排気触媒が活性化されるこ
とにより、エンジン1のリーンバーン運転に適合する条
件が早期に成立し、エンジン1の燃費を一層向上させる
ことができる。
【0109】つぎに、図3および図6のハード構成を有
する自動変速機の制御装置において、エンジン1の燃料
消費量と、車速および自動変速機3の変速段との関係
を、図22の特性線図に基づいて説明する。図22に
は、自動変速機3の第3速および第4速に対応する燃料
消費量の一例が示されている。図22に示す燃料消費量
は、リーン空燃比(破線)とリッチ空燃比(実線)とに
区別されている。いずれの空燃比、またはいずれの変速
段においても、車速の増大に伴って燃料消費量が減少す
るとともに、所定車速以上では燃料消費量が増大する特
性を備えている。
【0110】まず、リーン空燃比について説明すれば、
車速V1付近において、第3速および第4速のそれぞれ
に対応する特性線が交差し、その交点車速V1における
各変速段の燃料消費量がほぼ同一になっている。また、
車速V1未満の所定の車速範囲においては、第3速の燃
料消費量の方が第4速の燃料消費量よりも少なくなって
いる。さらに、車速V1を超える所定の車速範囲におい
ては、第3速の燃料消費量よりも、第4速の燃料消費量
の方が少なくなっている。
【0111】つぎに、リッチ空燃比について説明すれ
ば、車速V1よりも高車速の車速V3付近において、第
3速および第4速のそれぞれに対応する特性線が交差
し、その交点車速V3における各変速段の燃料消費量が
ほぼ同一になっている。また、車速V3未満の所定の車
速範囲においては、第3速の燃料消費量の方が第4速の
燃料消費量よりも少なくなっている。さらに、車速V3
を超える所定の車速範囲においては、第3速の燃料消費
量よりも、第4速の燃料消費量の方が少なくなってい
る。
【0112】そこで、この実施例では、各空燃比に対応
して別々に変速点を設定することにより、所定車速にお
ける燃料消費量が最少になる変速段を設定することが可
能になっている。この制御を行うために設定される変速
線図の一例が、図23に示されている。この図23に
は、自動変速機3の変速段を、例えば第3速から第4速
にアップシフトする場合のアップシフト線が示されてい
る。まず、リッチ空燃比に対応するアップシフト線につ
いて説明する。前述のように、エンジン1がリッチ空燃
比により運転された場合は、車速V3よりも高速の車速
V2において、第3速よりも第4速の方が燃料消費量が
少なくなっている。そこで、リッチ空燃比に対応する第
3速から第4速へのアップシフト点が、アクセル開度A
ccの低開度領域において車速V2に設定されている。
【0113】つぎに、リーン空燃比に対応するアップシ
フト線について説明する。前述のように、エンジン1が
リーン空燃比により運転された場合は、車速V1と車速
V2との間において、第3速よりも第4速の方が燃料消
費量が少ない。そこで、リーン空燃比に対応する第3速
から第4速へのアップシフト点が、アクセル開度Accの
低開度領域において、車速V2よりも低速の車速V1に
設定されている。つまり、リーン空燃比に対応するアッ
プシフト線を低車速側に平行移動することにより、リッ
チ空燃比に対応するアップシフト線が設定されている。
【0114】図24は、エンジン1の空燃比の変化に伴
う燃料消費量の変化に応じて、図23に示す変速線図を
適用する場合の制御ルーチンの一例を示すフローチャー
トである。この制御ルーチンは、請求項2の発明に対応
している。
【0115】まず、入力信号の処理が行われ(ステップ
60)、ついで、車速Vが零であるか否かが判断される
(ステップ61)。ステップ61で肯定判断された場合
は、アクセル開度Accが零であるか否かが判断される
(ステップ62)。つまり、ステップ61およびステッ
プ62により、車両が停車中であるか否かが判断され
る。ステップ62で肯定判断された場合は、エンジン1
がリーンバーン運転されているか否かが判断される(ス
テップ63)。
【0116】このステップ63で肯定判断された場合
は、リーン空燃比に対応する変速線図により自動変速機
3の変速が制御され(ステップ64)、リターンされ
る。例えば、図23の変速線図の車速V3においては、
自動変速機3が、リーンバーン用のアップシフト線に基
づいて第4速が設定される。つまり、エンジン1が車速
V3でリーンバーン運転された場合は、図22のリーン
バーン運転の第4速に対応する燃料消費量に制御され
る。
【0117】前記ステップ63で否定判断された場合
は、エンジン1が定常リッチ運転されているか否かが判
断される(ステップ65)。この判断は、ヒーター信号
に基づいて行うことが可能であり、例えば、ヒーター制
御要求がある場合は、エンジン水温が低いことにより、
エンジン1がリッチ空燃比により制御される状態が所定
時間継続されることが予測される。このため、ヒーター
制御要求がある場合はステップ65で肯定判断され、リ
ッチ空燃比に対応するアップシフト線に基づいて自動変
速機3の変速制御が行われ(ステップ66)、リターン
される。
【0118】また、ステップ65で否定判断された場合
は、ステップ64に進み、リーン空燃比に対応するアッ
プシフト線に基づいて、自動変速機3の変速制御が行わ
れる。すなわち、ステップ65における定常リッチ運転
には、リッチスパイクや加速時などのように、一時的な
リッチ運転状態への切り替え動作は含まれない。これ
は、リーン運転中に、一時的にリッチ運転が行われた場
合は、リーン空燃比に対応するアップシフト線による変
速制御をそのまま維持することで、不必要な変速および
ショックを回避し、かつ、燃料消費量の増大を防止する
ためである。
【0119】なお、ステップ61で否定判断された場
合、またはステップ62で否定判断された場合は、いず
れも格別の制御を行わずにリターンされる。すなわち、
車両の走行中に、自動変速機3の変速点を変更する制御
を行った場合、急激なアップシフトやダウンシフトが生
じて違和感が生じる可能性がある。そこで、図24の制
御例では、車両の停止中に限り自動変速機3の変速点を
変更する制御を行うことで、上記違和感の発生を未然に
防止している。
【0120】また、上記と同様の目的を達成するため
に、変速用電子制御装置33に内蔵されているタイマの
機能により、自動変速機3の変速線図が連続して変更さ
れる事態を、回避することも可能である。つまり、リー
ンまたはリッチの何れか一方の空燃比に対応する変速線
図により自動変速機3の変速制御が行われている場合
に、当該変速線図による変速制御が開始されてから所定
時間内においては、空燃比を変更する制御が行われた場
合でも、変速線図の変更を禁止する制御を行えばよい。
【0121】さらに、図24の制御ルーチンにおいて
は、エンジン1がリーン空燃比により制御されている場
合と、リッチ空燃比により制御されている場合とで、自
動変速機3の変速点を変更する制御が行われているが、
空燃比全体を3段階以上に区分し、各段階毎に自動変速
機3の変速点を変更する制御を行うことも可能である。
さらにまた、図24の制御例においては、エンジン1の
空燃比の変更に伴う燃料消費量特性の変化に基づいて、
第3速から第4速にアップシフトする場合以外の変速点
を変更することも可能である。
【0122】ここで、図24の制御ルーチンに示された
機能的手段と、請求項2の構成との対応関係を説明す
る。すなわち、ステップ63ないしステップ66が、請
求項2の変速点変更手段に相当する。
【0123】以上のように、図24の制御ルーチンによ
れば、エンジン1の空燃比の変更に伴う燃料消費量特性
の変化に基づいて、自動変速機3の変速点が変更され
る。このため、例えば図23に示すように、車速V1と
車速V2との間の車速V3となる点Aにおいては、エン
ジン1が通常(リッチ空燃比)の状態で運転されていれ
ば第3速が設定されるのに対して、エンジン1がリーン
バーン運転されていれば第4速が設定され、その結果、
図22に示すように、エンジン1の燃料消費量を可及的
に抑制することができる。
【0124】図25は、ロックアップクラッチ制御パタ
ーンについての制御例を示すフローチャートである。ま
ず、入力信号の処理が行われる(ステップ70)ととも
に、エンジン1がリーンバーン運転されているか否かが
判断される(ステップ71)。ステップ71で肯定判断
された場合は、リーンバーン運転に対応して、予め設定
されたロックアップクラッチ制御パターンに基づいてロ
ックアップクラッチ8が制御され(ステップ72)、リ
ターンされる。
【0125】ステップ72で適用されるロックアップク
ラッチ制御パターンの一例が、図26に示されている。
このリーンバーン運転用のロックアップクラッチ制御パ
ターンにおいては、こもり音の発生領域の上限である車
速V2よりも高車速側でロックアップクラッチ8がオン
される。
【0126】つまり、車速V2以下でリーンバーン運転
が行われた場合は、エンジン1の燃焼状態が不安定にな
る。この状態でロックアップクラッチ8をオンさせる
と、燃焼の不安定に伴うエンジン1の振動が、ドライブ
トレーンに伝達されるとともに車体に伝達され、こもり
音が発生する。そこで、エンジン1がリーンバーン運転
されている場合は、車速V2を超えてからロックアップ
クラッチ8をオンさせる制御を行っている。したがっ
て、リーンバーン運転中にこもり音の発生する原因とな
るエンジン1の駆動状態に相当する車速V2以下におい
ては、ロックアップクラッチ8がオフされ、こもり音を
確実に防止できる。
【0127】一方、ステップ71で否定判断された場合
は、エンジン1が安定リッチ状態にあるか否かが判断さ
れる(ステップ73)。このステップ73の判断基準
は、図24のステップ65の判断基準と同様である。ス
テップ73で否定判断された場合はステップ72に進
み、ステップ73で肯定判断された場合は、リッチ状態
に対応するロックアップクラッチ制御パターンに基づい
てロックアップクラッチ8が制御され(ステップ7
4)、リターンされる。すなわち、リッチスパイクや一
時的なリッチ状態の場合には、リーンバーン運転用のロ
ックアップクラッチ制御パターンにより、ロックアップ
クラッチ8が制御される。
【0128】リッチ状態に対応するロックアップクラッ
チ制御パターンが図26に示されている。このロックア
ップクラッチ制御パターンにおいては、車速V2よりも
低速の車速V1以上の車速に到達した時点で、ロックア
ップクラッチ8をオンさせる制御が行われる。その理由
は、エンジン1がリッチ状態にある場合は、その燃焼状
態が安定してエンジン1の振動(出力変動)が発生しに
くく、エンジン1のトルクを機械的に歯車変速機構に伝
達したとしても、こもり音が生じにくいからである。な
お、ロックアップクラッチ8をオンさせた場合は、エン
ジン1のトルクが機械的に歯車変速機構に伝達されるこ
とになり、動力の伝達効率が向上して燃費が向上するこ
とは勿論である。
【0129】以上のように、図25の制御例によれば、
エンジン1の各空燃比に対応して予め種類の異なるロッ
クアップクラッチ制御パターンが設定されており、エン
ジン1の燃焼状態に基づいて、各制御パターンを変更す
る制御が行われている。したがって、エンジン1の空燃
比に関わりなく、こもり音を悪化させることなく燃費を
向上させることができる。
【0130】なお、車速以外の条件に基づいて、ロック
アップクラッチ制御パターンを変更してこもり音を防止
することも可能である。すなわち、振動検出センサ16
1の信号に基づいてこもり音を検出し、このこもり音が
所定値以上になった場合に、ロックアップクラッチ8を
オフしてリーンバーン運転を継続すること、または、リ
ッチ状態に切り替えてロックアップクラッチ8をオンす
ることの何れか一方を選択する制御を行ってもよい。こ
の場合、前者の制御を優先し、後者の制御を次善策とし
て選択する制御を行うこともできる。
【0131】さらに他の条件、例えば車両の加速性能が
重視されているか否かに基づいて、図25の制御例に用
いられるロックアップクラッチ制御パターンを変更する
ことも可能である。図27は、車両の加速要求に対応し
てロックアップクラッチ制御パターンを変更する場合の
線図である。すなわち、図27の線図においては、加速
要求、つまり、アクセル開度Accに基づいて、リーンバ
ーン運転に対応するロックアップクラッチ8のオフ領域
と、リッチ状態に対応するロックアップクラッチ8のオ
フ領域とを異らせている。
【0132】図27の線図においては、同じ車速であっ
ても、リッチ状態に対応するロックアップクラッチ8の
オフ領域の方が、リーンバーン運転に対応するロックア
ップクラッチ8のオフ領域よりも高開度側に設定されて
いる。すなわち、リッチ状態はリーンバーン運転に比べ
てエンジン1の出力トルクが高く、車両の加速要求に適
合しているため、ロックアップクラッチ8のオン領域を
拡大することで、車両の加速要求に適合する動力性能を
達成し易いからである。
【0133】ところで、空燃比をリーンまたはリッチに
切り替えることの可能なエンジンとしては、図3および
図6に示された構成の他に、燃焼室に燃料を直接噴射す
る直噴火花点火エンジンがある。この直噴火花点火エン
ジンにおいては、ピストンの頂面に凹部が形成されてお
り、圧縮行程でピストンが所定の位置まで到達した時点
で、燃料を燃焼室に直接噴射する制御を行うことによ
り、燃焼室内の混合空気に、層状に変化する濃度分布
(いわゆる成層燃焼)が与えられて空燃比がリーンにな
る。
【0134】そして、この直噴火花点火エンジンに連結
された自動変速機に対して、図20または図24または
図25のうち、少なくとも一つの制御例を適用すること
も可能である。すなわち、図20の制御例により、直噴
火花点火エンジンに連結された自動変速機を制御すれ
ば、成層燃焼による運転領域が拡大され、当該エンジン
の燃費を一層向上させることができる。また、図24の
制御例により、直噴火花点火エンジンに連結された自動
変速機を制御すれば、空燃比の変更に伴う燃料消費量の
変化に応じて、この燃料消費量の少ない変速段が設定さ
れ易くなり、当該エンジンの燃費を一層向上させること
ができる。さらに、図25の制御例により、直噴火花点
火エンジンに連結された自動変速機を制御すれば、こも
り音または加速要求に基づいて、エンジン1の空燃比お
よびロックアップクラッチ8の制御が行われ、燃費が向
上する。
【0135】なお、この発明で対象とする自動変速機
は、図1に示すギヤトレイン以外のギヤトレインあるい
は図5に示す油圧回路以外の油圧回路を有するものであ
ってもよい。なお、図20ないし図27の制御例におい
ては、アクセル開度Accの代わりにスロットル開度θを
用いてもよい。
【0136】また、図24および図25の制御例は、リ
ーン空燃比とリッチ空燃比という2つの空燃比同士の変
更に限らず、ストイキ空燃比を含む空燃比の変更に基づ
いて実施することも可能である。さらに、図24および
図25の制御例は、空燃比をリーンおよびリッチの2段
階に分けた場合に限らず、空燃比をさらに多段階に細分
化し、この細分化した各段階に対応して、自動変速機の
変速点、またはロックアップクラッチ制御パターンを変
更する制御に応用することも可能である。
【0137】また、上記各制御例において、自動変速機
3の変速段を制御する変速線図、またはロックアップク
ラッチ8を制御するロックアップクラッチ制御パターン
を変更する方法には、予め制御内容の異なる複数種類の
変速線図または複数種類のロックアップクラッチ制御パ
ターンを記憶させておき、これらを状況に応じて読み替
える方法と、基準となる変速線図またはロックアップク
ラッチ制御パターンを演算処理により補正する方法とが
含まれる。
【0138】ここで、上記の具体例に基づいて開示した
この発明の特徴的な構成を列挙すれば以下の通りであ
る。すなわち、第1の特徴的な構成は、混合気の空燃比
を理論空燃比より大きいリーン空燃比にするリーンバー
ン運転を行うことの可能な内燃機関の出力側に自動変速
機が連結されている自動変速機の制御装置において、リ
ーンバーン運転の可能な条件が成立したことを判断する
リーンバーン条件判断手段と、このリーンバーン条件判
断手段によってリーンバーン運転の可能な条件の成立が
判断されていない場合に、前記自動変速機の所定の高速
段を禁止する制御内容変更手段を備えていることを特徴
とする自動変速機の制御装置。
【0139】また、第2の特徴的な構成は、混合気の空
燃比を理論空燃比より大きいリーン空燃比にするリーン
バーン運転を行うことの可能な内燃機関の出力側に、流
体継手の入力部材および出力部材を直接接続するロック
アップクラッチを有する自動変速機が連結されている自
動変速機の制御装置において、リーンバーン運転の可能
な条件が成立したことを判断するリーンバーン条件判断
手段と、このリーンバーン条件判断手段によってリーン
バーン運転の可能な条件の成立が判断されていない場合
に、前記ロックアップクラッチの係合を禁止する制御内
容変更手段を備えていることを特徴とする自動変速機の
制御装置。
【0140】また、第3の特徴的な構成は、混合気の空
燃比を変更可能な内燃機関の出力側に、流体継手の入力
部材および出力部材を直接接続するロックアップクラッ
チを備えた自動変速機が連結されている自動変速機の制
御装置において、前記各空燃比に対応するロックアップ
クラッチ制御パターンを、車両のこもり音に基づいて変
更するロックアップクラッチ制御手段を備えている。こ
こで、ロックアップクラッチ制御手段には、こもり音の
発生する車速を基準としてロックアップクラッチ制御パ
ターンを変更する機能と、車両のこもり音をセンサによ
り検出し、このセンサの検出結果に基づいてロックアッ
プクラッチ制御パターンを変更する機能とが含まれる。
【0141】さらに、第4の特徴的な構成は、混合気の
空燃比を変更可能な内燃機関の出力側に、流体継手の入
力部材および出力部材を直接接続するロックアップクラ
ッチを備えた自動変速機が連結されている自動変速機の
制御装置において、前記各空燃比に対応するロックアッ
プクラッチ制御パターンを、車両の加速要求に基づいて
変更するロックアップクラッチ制御手段を備えている。
ここで、車両の加速要求は、アクセル開度またはスロッ
トル開度により判断される。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、リーンバーン運転の可能な条件が成立していない
場合には、自動変速機の制御内容が、リーンバーン運転
の可能な条件の成立を促進する内容に変更される。この
ため、内燃機関の回転数が所定の高速回転領域に維持さ
れて暖機が促進され、エンジンの排気系統に設けられた
排気浄化触媒の温度が上昇して触媒の活性化が促進され
る。したがって、排気浄化触媒によるNOx 吸収効率が
高められ、内燃機関をリーンバーン運転することの可能
な条件が成立し易くなり、内燃機関の燃費が向上する。
【0143】また、請求項2の発明によれば、内燃機関
の空燃比の変更に伴う燃料消費量の変化に基づいて、自
動変速機の変速点が変更される。したがって、所定の車
速において、各空燃比に対応して、可及的に燃料消費量
の少ない変速段を設定することが可能になり、内燃機関
の燃費が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明で対象とする自動変速機のギヤトレ
インの一例を示すスケルトン図である。
【図2】 その自動変速機で各変速段を設定するための
摩擦係合装置の係合作動表を示す図である。
【図3】 そのエンジンおよび自動変速機についての制
御系統図である。
【図4】 シフト装置における各レンジ位置の配列を示
す図である。
【図5】 クラッチ・ツウ・クラッチ変速である第2速
と第3速との間の変速を実行する第2および第3のブレ
ーキの油圧を制御するための油圧回路の一部を示す図で
ある。
【図6】 この発明で対象とするエンジンの吸排気系統
および空燃比の制御系統を模式的に示す図である。
【図7】 基本燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図8】 エンジンから排出される排気ガス中の未燃焼
HC、COおよび酸素の濃度を概略的に示す線図であ
る。
【図9】 リッチスパイク時の空燃比を説明するための
図である。
【図10】 エンジントルクと空燃比との関係を説明す
るための図である。
【図11】 補正係数KKのマップを示す図である。
【図12】 NOx 吸収剤からのNOx の放出制御の一
例を示すフローチャートである。
【図13】 燃料噴射量制御の一例を示すフローチャー
トである。
【図14】 変速の予測に基づいて強制的にリッチスパ
イクを行う制御ルーチンの一例を示すフローチャートで
ある。
【図15】 アップシフトおよびダウンシフトを説明す
るための変速線図である。
【図16】 リッチスパイクの実行継続時間のマップの
一例を示す図である。
【図17】 図14に示す制御を行った場合のエンジン
回転数、空燃比、出力トルク、ロックアップクラッチな
らびに二つのブレーキの係合圧の変化を示すタイムチャ
ートである。
【図18】 変速判断に基づいて強制的にリッチスパイ
クを行う制御ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【図19】 図18に示す制御を行った場合のエンジン
回転数、空燃比、出力トルク、ロックアップクラッチな
らびに二つのブレーキの係合圧の変化を示すタイムチャ
ートである。
【図20】 この発明の実施例であり、エンジンのリー
ンバーン運転可能な条件を早期に達成するための制御例
を示すフローチャートである。
【図21】 図20の制御例に適用される変速パターン
を示す変速線図である。
【図22】 この発明の実施例であり、エンジンの燃料
消費量と、車速および自動変速機の変速段との関係を示
す特性線図である。
【図23】 この発明の実施例であり、図22の特性線
図に基づいて設定される変速線図である。
【図24】 この発明の実施例であり、エンジンの空燃
比の変更に伴う燃料消費量特性の変化に応じて自動変速
機の変速点を変更する場合の制御例を示すフローチャー
トである。
【図25】 他の実施例であり、エンジンの空燃比の変
更に伴いロックアップクラッチの制御パターンを変更す
る制御例を示すフローチャートである。
【図26】 図25の制御例に適用されるロックアップ
クラッチ制御パターンを示す線図である。
【図27】 図25の制御例に適用されるロックアップ
クラッチ制御パターンを示す線図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 3…自動変速機、 21…エンジン用
電子制御装置、 33…変速用電子制御装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合気の空燃比を理論空燃比より大きい
    リーン空燃比にするリーンバーン運転を行うことの可能
    な内燃機関の出力側に自動変速機が連結されている自動
    変速機の制御装置において、 リーンバーン運転の可能な条件が成立したことを判断す
    るリーンバーン条件判断手段と、このリーンバーン条件
    判断手段によってリーンバーン運転の可能な条件の成立
    が判断されていない場合に、前記自動変速機の制御内容
    を、前記リーンバーン運転の可能な条件の成立を促進す
    る制御内容に設定する制御内容変更手段とを備えている
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 混合気の空燃比を変更可能な内燃機関の
    出力側に、複数の変速段を備えた自動変速機が連結され
    ている自動変速機の制御装置において、 前記空燃比の変更に伴う前記内燃機関の燃料消費量特性
    の変化に基づいて、前記自動変速機の変速点を変更する
    変速点変更手段を備えていることを特徴とする自動変速
    機の制御装置。
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WO2016038715A1 (ja) * 2014-09-11 2016-03-17 日産自動車株式会社 車両の制御装置

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