JPH11231044A - レーダ装置,電圧制御発振器及び電圧制御発振器の制御方法 - Google Patents

レーダ装置,電圧制御発振器及び電圧制御発振器の制御方法

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JPH11231044A
JPH11231044A JP10033201A JP3320198A JPH11231044A JP H11231044 A JPH11231044 A JP H11231044A JP 10033201 A JP10033201 A JP 10033201A JP 3320198 A JP3320198 A JP 3320198A JP H11231044 A JPH11231044 A JP H11231044A
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modulation signal
transistor
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康之 三宅
Kazuoki Matsugatani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波回路の構成を複雑化することなくレー
ダ装置の検出性能を向上させる。 【解決手段】 発振周波数を変調信号Smにより制御可
能であると共に、変調信号Smに対する発振周波数の変
化率を制御信号Skにより調整可能な電圧制御発振器1
2は、変調信号Smに従って、時間に対して直線的に周
波数が増減する三角波状に周波数変調された送信信号S
sを生成し、この送信信号Ssは、制御信号Skを変化
させると、変調周期が変化することなく周波数変調幅の
みが変化する。これに応じて、送受信信号Ss(L),
Srを混合してなるビート信号Sbが表れる周波数帯が
変化する。つまり、制御信号Skを適宜変化させること
により、常に、外部雑音や低周波雑音の影響の少ない周
波数帯にてビート信号の検出を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の衝突防止
等に使用され、周波数変調されたレーダ波を送受信する
ことにより、目標物体との相対距離や相対速度に関する
情報を取り出すFMCW方式のレーダ装置、該レーダ装
置に好適な電圧制御発振器及び電圧制御発振器の制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年レーダ装置を自動車に搭載し、衝突
防止等の安全装置として応用する試みがなされている
が、車載用のレーダ装置としては、目標物の距離と相対
速度とを同時に検出可能であり、しかも構成が比較的簡
単で小型化・低価格化に適したFMCW方式のレーダ装
置(以下、FMCWレーダ装置とよぶ)が用いられてい
る。
【0003】このFMCWレーダ装置では、図8(a)
に実線で示すように、三角波状の変調信号により周波数
変調され、周波数が時間に対して直線的に漸次増減する
送信信号Ssをレーダ波として送信し、目標物体により
反射されたレーダ波を受信する。この時、受信信号Sr
は、図8(a)に点線で示すように、レーダ波が目標物
体との間を往復するのに要する時間、即ち目標物体まで
の距離に応じた時間Tdだけ遅延し、レーダと目標物体
との相対速度に応じた周波数Fdだけドップラシフトす
る。
【0004】そして、このような受信信号Srと送信信
号Ssとをミキサで混合することにより、図8(b)に
示すように、これら信号Sr,Ssの差の周波数成分で
あるビート信号Sbを発生させ、送信信号Ssの周波数
が増加する時のビート信号Sbの周波数(以下、上り変
調時のビート周波数とよぶ)をfu、送信信号Ssの周
波数が減少する時のビート周波数(以下、下り変調時の
ビート周波数とよぶ)をfdとして、目標物体との距離
R及び相対速度Vを、以下の(1)(2)式を用いて算
出するように構成されている。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】なお、cは電波伝搬速度、Tは送信信号を
変調する三角波の周期、△Fは送信信号の周波数変調
幅、Foは送信信号の中心周波数である。ここで、この
ようなFMCWレーダ装置を車載用レーダ装置として適
用するには、約100〜200mを最大距離として、そ
れ以下の範囲内にある目標物体を、少なくとも数mの距
離分解能で検出できるように構成する必要がある。な
お、FMCWレーダ装置の距離分解能△Rは(3)式、
また相対速度がゼロの場合に検出されるビート周波数f
bは(4)式で表されることが知られている。
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】この(3)式から明かなように、数mの距
離分解能を得るためには、周波数変動幅△Fを、100
MHz程度に設定する必要があり、また、このような周
波数変動幅△Fを確保するためには、送信信号の中心周
波数Foを、ミリ波と呼ばれる周波数帯(数十GHz〜
数百GHz)に設定する必要がある。
【0011】そして、制御の応答性を考慮して、三角波
の周期Tを1ms程度に設定した場合、(4)式から明
らかなように、数十KHz〜数百KHzのビート信号を
検出することになる。ところがミリ波のような高周波帯
の信号を扱う高周波用ミキサでは、図9に示すように、
信号強度の揺らぎの周波数成分からなるAM−FM変換
ノイズや、周波数に反比例した強度を有する1/fノイ
ズがミキサの出力に重畳される。しかも、これらAM−
FM変換ノイズ及び1/fノイズ(以下、合わせて低周
波ノイズとよぶ)の強度は、ビート信号Sbと同じ数十
KHz〜数百KHzの周波数領域で比較的強いため、ビ
ート信号Sbの信号対雑音比(以下、SN比という)を
劣化させてしまうという問題があった。
【0012】特に、SN比は、目標物体の検出距離に大
きな影響を与える(具体的には、SN比が12dB向上
すると検出距離が約2倍になる)ため、雑音を抑えSN
比を向上させることはレーダの性能を向上させる上で極
めて重要である。これに対して、例えば特開平5−40
169号公報には、送信信号Ss又は受信信号Srに、
新たな信号を重畳して高調波を発生させることにより、
高周波用ミキサにて送受信信号Ss,Srを混合した時
に、本来より高い周波数帯にビート信号を発生させ、更
に、このビート信号に、送信信号Ss又は受信信号Sr
に重畳した信号を、中間周波用ミキサにて再度混合する
ことにより、ビート信号を本来の数十KHz〜数百KH
zの周波数帯に再変換するように構成されたFMCWレ
ーダ装置が開示されている。
【0013】この装置では、送信信号Ss又は受信信号
Srに重畳する信号の周波数を数MHz程度に設定すれ
ば、送受信信号Ss,Srを混合する高周波用ミキサか
ら出力されるビート信号を、低周波ノイズの影響が十分
に小さくなる領域(数MHz程度)に発生させることが
でき、また、このビート信号を数十KHz〜数百KHz
の周波数に変換する中間周波用ミキサは、高周波用ミキ
サが取り扱うミリ波に比べて周波数の低いビート信号や
スイッチング信号(いずれも数MHz程度)を扱うの
で、その出力に重畳される低周波ノイズは、高周波用ミ
キサに比べて十分に小さい。
【0014】即ち、高周波用ミキサでは、低周波ノイズ
の影響が小さい周波数領域にビート信号Sbを発生さ
せ、このビート信号Sbの周波数成分を、低周波ノイズ
の少ない中間周波用ミキサにて本来の周波数帯に変換し
ているので、低周波ノイズの影響を低減でき、ビート信
号SbのSN比が改善されるのである。
【0015】また、特開平4−14286号公報には、
送信信号を周波数変調する三角波の周期を短くすること
によって、ビート信号の表れる周波数を高周波側に移行
させるレーダ装置が開示されている。これについては、
前述の(4)式を見れば、三角波の周期を短くすると、
ビート信号が表れる周波数帯を高くできることがわか
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者(特開平
5−40169号)のレーダ装置では、ミリ波帯の高周
波信号である送信信号や受信信号に新たな信号を重畳す
る処理を行わなければならない。これは、レーダ波を減
衰させることになるため、検出感度を劣化させてしまう
という問題や、高周波回路は一般に回路への組み付けが
難しく、また値段も高いため、製造に手間を要すると共
に装置が高価なものとなるという問題があった。
【0017】一方、後者(特開平4−14286号)の
レーダ装置では、送信信号を周波数変調する三角波の周
期を短くすることで、信号処理時のSN比を劣化させて
しまうという問題があった。即ち、車載用FMCWレー
ダ装置等では、一般的に、ビート信号の処理を高速フー
リエ変換(FFT)を用いて行っているが、このFFT
処理後の周波数分解能△fは、(5)式にて表すことが
できる。
【0018】 △f=1/Ts (5) なお、Tsは、上り変調又は下り変調の各期間内で、ビ
ート信号を検出するためのサンプリングを行っている期
間(以下、サンプリング期間という)である。従って、
各サンプリング期間Tsは、当然、送信信号を周波数変
調する三角波の周期Tの1/2以下(Ts≦T/2)の
値となる。
【0019】また、FFT処理を行うと、処理された信
号に白色雑音が重畳されることが知られており、そのス
ペクトル密度が均一な場合、白色雑音の強度Nは、ボル
ツマン定数k及び絶対温度THを用いて(6)式にて表
すことができる。 N=k・TH・△f=k・TH/Ts (6) つまり、ビート信号が発生する周波数帯を高くするため
に、送信信号を周波数変調する三角波の周期Tを短くす
ると、当然、サンプリング時間Tsも短くしなければな
らず、その結果、(6)式から明らかなように、白色雑
音強度Nが大きくなって、レーダ装置での信号処理時の
SN比が劣化してしまうのである。
【0020】本発明は、上記問題点を解決するために、
高周波回路を複雑化することなく、検出性能を向上させ
ることが可能なレーダ装置、このレーダ装置を構成する
のに好適な電圧制御発振器、及び電圧制御発振器の制御
方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた発明である請求項1に記載のレーダ装置で
は、送信信号生成手段が、時間に対して直線的に周波数
が変化するよう三角波状に変調された高周波の送信信号
を生成し、この送信信号がレーダ波として送出される。
目標物体により反射されたレーダ波の受信信号に、送信
信号生成手段からの送信信号をローカル信号として混合
し、該混合された信号の周波数差を成分とするビート信
号に基づいて、目標物体との距離又は相対速度のうち少
なくともいずれか一方を求める。
【0022】ところで、送信信号生成手段は、送信信号
の変調周期を一定にしたまま該送信信号の周波数変調幅
(以下、単に変調幅という)を変化可能に構成されてい
る。即ち、上述の(4)式から明らかなように、変調幅
△Fを変化させれば、送信信号の変調周期Tを変化させ
ることなく、ビート信号が発生する周波数帯を変化させ
ることができるのである。
【0023】従って、本発明のレーダ装置によれば、受
信信号に重畳された外部雑音等が、ビート信号のSN比
を劣化させている場合に、送信信号の変調幅を適宜変化
させ、外部雑音の影響の小さい周波数帯にビート信号が
表れるようにすることができるため、どのような周波数
帯に外部雑音が表れたとしても、常に、SN比の優れた
ビート信号にて検出を行うことができる。
【0024】なお、周知のように低周波ノイズは周波数
が高くなるほど小さくなるため、通常は、送信信号生成
手段が許す限り、変調幅が広くなるように設定し、ビー
ト信号が表れる周波数帯をできるだけ高くして検出を行
うことが望ましい。また、本発明のレーダ装置では、ビ
ート信号が発生する周波数帯を変化させても、三角波の
変調周期が一定であるため、検出したビート信号の信号
処理をFFTを用いて行う場合に、白色雑音を増大させ
てしまうことがなく、SN比の良好な状態で信号処理を
行うことができる。
【0025】しかも、送信信号及び受信信号の信号経路
等、高周波信号を取り扱う高周波回路に新たな回路を追
加する必要がないため、装置構成が簡単であり、しかも
高周波信号である送受信信号を減衰させ検出感度を劣化
させてしまうこともない。つまり、本発明によれば、低
周波雑音や外部雑音の影響が最も小さい周波数帯でビー
ト信号を検出できると共に、検出されたビート信号の信
号処理時に重畳される白色雑音を低く抑えることがで
き、更には高周波信号を減衰させる高周波回路部品等を
取り付ける必要もないため、当該レーダ装置の検出性能
を最大限に引き出すことができる。
【0026】次に、送信信号生成手段は、例えば請求項
2に記載のように、時間に対して信号レベルが直線的に
変化する三角波状の変調信号を発生する変調信号発生器
と、変調信号発生器からの変調信号に応じた周波数で発
振して送信信号を生成する周波数可変発振器と、変調信
号発生器が発生する変調信号の振幅を制御信号に従って
変化させる振幅変調器とにより構成してもよいし、ま
た、請求項3に記載のように、時間に対して信号レベル
が直線的に変化する三角波状の変調信号を発生する変調
信号発生器と、変調信号発生器からの変調信号に応じた
周波数で発振すると共に、変調信号に対する発振周波数
の変化率を調整可能な周波数可変発振器とにより構成し
てもよい。
【0027】いずれにしても、変調信号発生器は、一定
周期(周波数),一定振幅の変調信号を生成すればよい
ため、簡単な構成の変調信号発生器の用いて装置を構成
することができる。ところで、一般に、この種のレーダ
装置に用いられる周波数可変発振器の一つとして、トラ
ンジスタに正帰還を加えることにより負性抵抗を示すよ
う構成された負性抵抗回路と、該負性抵抗回路のトラン
ジスタに直列又は並列接続される共振回路とからなり、
トランジスタのゲートに印加する直流バイアス電圧(ひ
いてはトランジスタのゲート・ソース間容量)を外部か
らの変調信号に応じて変化させることにより、発振周波
数を変化させるように構成された電圧制御発振器が知ら
れている。
【0028】この電圧制御発振器では、使用する変調信
号の振幅に対して、所望の周波変調幅が得られるよう
に、トランジスタの帰還量を決めるスタブを調整するこ
とにより、変調信号に対する発振周波数の変化率を設定
していた。つまり、この種の電圧制御発振器では、変調
信号に対する発振周波数の変化率は固定されてしまうた
め、請求項3に記載の周波数可変発振器として使用する
ことができなかった。
【0029】しかし、この種の電圧制御発振器について
の研究を重ねた結果、図7に示すように、トランジスタ
のドレインへの直流バイアス電圧Vdを変化させると、
変調信号に対する発振周波数の変化率が変化すること、
つまり、この種の電圧制御発振器では、請求項5に記載
のように、外部からの制御信号に従ってトランジスタの
ドレインに印加する直流バイアス電圧を変化させること
により、変調信号に対する発振周波数の変化率を調整す
る制御が可能であることを見出した。
【0030】この電圧制御発振器の制御方法を具体的に
実現したものが、請求項6に記載された電圧制御発振器
であり、更に、請求項3に記載のレーダ装置において、
周波数可変発振器として、請求項6に記載の電圧制御発
振器を用いて構成したものが、請求項4に記載のレーダ
装置である。
【0031】このように構成された請求項4に記載のレ
ーダ装置によれば、電圧制御発振器の発振器本体は、従
来からあるものをそのまま用いることができ、直流バイ
アス電圧を変化させる変化率調整手段を追加するだけの
簡単な構成で、レーダ装置の検出性能の向上を図ること
ができる。
【0032】また請求項6に記載の電圧制御発振器は、
変調信号に対する発振周波数の変化率を任意に設定でき
るため、上述のレーダ装置に限らず、より様々な用途に
用いることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。 [第1実施例]図1は、第1実施例の障害物検出用レー
ダ装置の全体構成を表すブロック図である。
【0034】図1に示すように、本実施例のレーダ装置
10は、送信信号Ssとしてミリ波帯の高周波信号を生
成し、該高周波信号の周波数を変調信号Smに応じて制
御可能であると共に、変調信号Smに対する高周波信号
の周波数の変化率を制御信号Skに応じて調整可能な周
波数可変発振器としての電圧制御発振器12と、電圧制
御発振器12に供給する変調信号Smとして、時間に対
して直線的に周波数が増減するような変調を電圧制御発
振器12に行わせるための三角波を生成する変調信号発
生器としての三角波発生器14と、電圧制御発振器12
が生成する送信信号Ssに応じたレーダ波を放射する送
信アンテナ16と、電圧制御発振器12からの送信信号
Ssを電力分配し、ローカル信号Lを生成する分配器1
8と、レーダ波を受信する受信アンテナ20と、受信ア
ンテナ20からの受信信号Srに、分配器18からのロ
ーカル信号Lを混合し、これら信号の差の周波数成分で
あるビート信号Sbを生成する高周波用ミキサ22と、
高周波用ミキサ22からのビート信号Sbに基づいて、
目標物体との距離、及び相対速度を検出する信号処理部
24とを備えている。
【0035】そして、信号処理部24は、CPU,RO
M,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心
に構成され、三角波発生器14への起動,停止信号を出
力するための出力ポート、制御信号Skを生成するため
のD/A変換器、ビート信号Sbをデジタル値に変換し
てCPUに取り込むためのA/D変換器、A/D変換器
を介して取り込んだデータについて、高速フーリエ変換
(FFT)を高速に実行するための演算処理装置等を備
えている。
【0036】なお、本実施例では電圧制御発振器12及
び三角波発生器14が送信信号生成手段に相当し、ま
た、制御信号Skを生成するためのD/A変換器が変化
率調整手段に相当する。ここで、図2は、電圧制御発振
器12の詳細な構成を表す回路図である。
【0037】図2に示すように、電圧制御発振器12
は、高電子移動度電界効果トランジスタ(HEMT:hi
gh electron mobility transistor )26a、及びHE
MT26aに正帰還を加えるためHEMT26aのソー
スに接続された帰還用スタブ26bからなる負性抵抗回
路26と、HEMT26aのゲートに接続された伝送線
からなる共振回路28と、共振回路28のゲートへの接
続端とは反対側端に接続された高周波信号接地用のコン
デンサ30と、一端がHEMT26aのドレイン,他端
が当該電圧制御発振器12の出力端子OUTに接続され
た伝送線32a、及び一端が出力端子OUT,他端が抵
抗R1を介して制御信号Skの入力端子IN2に接続さ
れた伝送線32bからなり、当該電圧制御発振器12の
出力インピーダンスを調整する出力整合回路32と、伝
送線32bの入力端子IN2側端に接続された高周波信
号接地用のコンデンサ34と、抵抗36a,36b,3
6cからなり、入力端子IN1に印加される変調信号S
mを分圧してなるバイアス電圧を、共振回路28とコン
デンサ30との接続端から共振回路28を介してHEM
T26aのゲートに印加するバイアス印加回路36とを
備えている。
【0038】このように構成された電圧制御発振器12
では、入力端子IN1に印加される変調信号Sm(の電
圧値)に応じて、HEMT26aのゲート・ソース間に
印加するバイアス電圧が変化し、これに伴ってゲート・
ソース間容量が変化することにより発振周波数、即ち出
力端子OUTから出力される送信信号Ssの周波数が変
化する。
【0039】また、入力端子IN2に印加する制御信号
Skを変化させると、HEMT26aのドレイン電圧V
dが変化し、先に図7に示したように、変調信号Smに
対する発振周波数の変化率が変化する。なお、図7は、
ドレイン電圧Vdを2.5V,2.0V,1.5Vに設
定し、それぞれについて、変調信号Smの電圧値を−8
〜0Vの範囲で1Vずつ変化させた時の発振周波数の測
定結果を表すグラフである。図7に示すように、ドレイ
ン電圧Vd(即ち制御信号Sk)を小さくする程、グラ
フの傾き、即ち変調信号Smに対する発振周波数の変化
率が大きくなり、具体的には、変調信号Smをグラフに
示す範囲(−8〜0V)で変化させるとすると、送信信
号Ssの変調幅△Fは、0.7GHzから3.3GHz
へ約5倍に広域化することになる。また、ドレイン電圧
Vdがいずれの場合でも、線形性が良好に保持されてい
る。
【0040】ここで、図3は、(a)及び(b)が、そ
れぞれ変調信号Sm及び制御信号Skの電圧値の変化を
表す波形図、(c)が送信信号Ssの周波数の変化を表
す波形図である。上記のように構成された本実施例のレ
ーダ装置10では、信号処理部24が、まず三角波発生
器14を起動することにより、三角波発生器14にて生
成された一定周期かつ一定振幅の三角波を変調信号Sm
として電圧制御発振器12の入力端子IN1に印加し、
これと共に、信号処理部24に設けられたD/A変換器
にて一定電圧Vaを発生させ、これを制御信号Skとし
て電圧制御発振器12の入力端子IN2に印加する。す
ると、電圧制御発振器12の出力端子OUTからは、制
御信号Skの電圧値Vaに応じた変調幅△Faで変調さ
れた送信信号Ssが出力される。
【0041】そして、この送信信号Ssを、送信アンテ
ナ16がレーダ波として放射すると共に、分配器18が
その一部をローカル信号Lとして分離する。また、送信
アンテナ16から放射され、目標物体に反射して戻って
きたレーダ波を受信アンテナ20が受信すると、高周波
用ミキサ22が、この受信アンテナ20からの受信信号
Srと、分配器18からのローカル信号Lとを混合して
ビート信号Sbを生成する。
【0042】このビート信号Sbは、信号処理部24に
設けられたA/D変換器にてA/D変換され、信号処理
部24に取り込まれる。なお、ビート信号SbをA/D
変換するサンプリングは、上り変調又は下り変調毎に、
そのほぼ全期間(T/2)をサンプリング期間として、
検出すべきビート周波数fu,fdの最大値の2倍に相
当する周期以下のサンプリング周期にて行うものとす
る。
【0043】そして、信号処理部24では、ビート信号
SbをA/D変換することにより得られたデジタルデー
タを、上り変調時又は下り変調時の各サンプリング期間
毎に高速フーリエ変換(FFT)することにより、各サ
ンプリング期間毎のスペクトラムを求め、そのスペクト
ラムから上り変調時のビート周波数fu,及び下り変調
時のビート周波数fdを抽出し、これらビート周波数f
u,fdに基づき、上述の(1)(2)式を用いて、目
標物体との距離Rや相対速度Vを算出する処理を実行す
る。
【0044】この時、FFTの演算結果からビート信号
SbのSN比を求め、SN比が悪い場合には、制御信号
Skの電圧値を変化させ(図3中:時刻t1)、ビート
信号Sbが発生する周波数帯を変化させて、同様の処理
を繰り返す。なお、図3では、信号処理部24が、制御
信号Skの電圧値をVaより小さな値Vbに変化させて
おり、電圧制御発振器12における変調信号Smに対す
る発振周波数の変化率が大きくなるため、出力端子OU
Tからは、この電圧値Vbに応じて、先の変調幅△Fa
より大きな変調幅△Fbで変調された送信信号Ssが出
力され、ビート信号Sbはより高い周波数帯に発生する
ようになる。
【0045】ここで、図4に、送信信号Ssの変調幅△
Fを400MHz及び100MHzとして、上り変調時
のビート信号のスペクトラムをシミュレーションにより
求めた結果を表す。但し、目標物体までの距離を50
m,相対速度を10m/s,送信信号Ssの変調周期T
を2.56msとした。
【0046】図4に示すように、変調幅△Fが100M
Hzの時にビート周波数fuは21KHzとなり、一
方、変調幅△Fが400MHzの時にビート周波数fu
は99KHzとなった。また、低周波ノイズの影響によ
り、変調幅△Fを400MHzとした時の方が、変調幅
△Fを100MHzとした時より、SN比が約8dB向
上していることがわかる。
【0047】以上説明したように、本実施例のレーダ装
置10においては、送信信号Ssの周波数変調幅△Fを
変化させることにより、ビート信号Sbが表れる周波数
帯を変化させている。従って、本実施例のレーダ装置1
0によれば、受信信号Srに重畳された外部雑音等が、
ビート信号SbのSN比を劣化させているような場合
に、送信信号Ssの変調幅△Fを適宜変化させ、外部雑
音の影響の小さい周波数帯にビート信号Sbが表れるよ
うにすることができるため、どのような周波数帯に外部
雑音が表れたとしても、常に、SN比の優れたビート信
号Sbにて検出を行うことができる。
【0048】また、本実施例のレーダ装置10では、電
圧制御発振器12の変調信号Smに対する発振周波数の
変化率を調整することにより、送信信号Ssを周波数変
調する三角波の周期Tを変化させることなく、変調幅△
Fのみを変化させている。このため、本実施例のレーダ
装置10によれば、検出したビート信号SbをFFT処
理することにより重畳される白色雑音の強度は、変調幅
△F(即ちビート信号Sbが発生する周波数帯)によら
ず一定であり、SN比を劣化させてしまうことがないの
で、常に、SN比の良好な状態で信号処理を行うことが
できる。
【0049】更に、本実施例のレーダ装置10では、送
信信号Ss,受信信号Sr,ローカル信号Lの信号経路
等、高周波信号を取り扱う高周波回路に新たな回路を追
加する必要がないため、装置構成が簡単であり、しかも
これらの高周波信号Ss,Sr,Lを減衰させ検出感度
を劣化させてしまうこともない。
【0050】つまり、本実施例のレーダ装置10によれ
ば、低周波雑音や外部雑音の影響が最も小さい周波数帯
でビート信号Sbを検出できると共に、検出されたビー
ト信号Sbの信号処理時に重畳される白色雑音を低く抑
えることができ、しかも高周波信号Ss,Sr,Lを減
衰させる高周波回路部品等を新たに取り付ける必要もな
いため、当該レーダ装置10の検出性能を最大限に引き
出すことができる。
【0051】また本実施例のレーダ装置10では、電圧
制御発振器12として、負性抵抗回路26と共振回路2
8とを備えた周知のものを用いており、負性抵抗回路2
6を構成するHEMT26aのドレインに印加する直流
バイアス電圧を変化させるためのD/A変換器等を追加
するだけの簡単な構成で、レーダ装置10の検出性能の
向上を図ることができる。 [第2実施例]次に第2実施例について説明する。
【0052】なお、本実施例のレーダ装置40は、第1
実施例のレーダ装置10とは、電圧制御発振器周辺の構
成が異なるだけであるため、この相違点についてのみ説
明する。即ち、本実施例のレーダ装置40では、図5に
示すように、変調信号Smに対する発振周波数の変化率
が固定された電圧制御発振器42を用いている。
【0053】この電圧制御発振器42は、例えば、図2
に示した電圧制御発振器12において、HEMT26a
のドレインへのバイアス電圧を印加する入力端子IN2
に、一定のバイアス電圧を印加する通常の制御方法で用
いられたものである。そして、この電圧制御発振器42
と三角波発生器14との間に、三角波発生器14が出力
する三角波の振幅を、信号処理部24からの制御信号S
kに応じて変化させる振幅変調手段としての可変増幅器
44が設けられている。なお、本実施例では、可変増幅
器44は、制御信号Skの電圧値が小さいほど、増幅率
が大きくなるものとする。
【0054】このように構成された本実施例のレーダ装
置40では、図6に示すように、信号処理部24が、制
御信号Sk(図中(b)参照)をある電圧値Vaに設定
して、三角波発生器14を起動すると、三角波発生器1
4にて生成された一定周期かつ一定振幅の三角波(図中
(a)参照)は、可変増幅器44にて制御信号Skの電
圧値Vaに応じた大きさに振幅を増幅された後、変調信
号Sm(図中(c)参照)として電圧制御発振器42に
入力され、電圧制御発振器42からは、変調信号Smの
振幅に応じた周波数変調幅△Faを有する送信信号Ss
(図中(d)参照)が出力される。
【0055】そして、信号処理部24が、制御信号Sk
の電圧値を変化(Va→Vb)させると(時刻t1)、
可変増幅器44での増幅率が変化するため、変調信号S
mの振幅が変化する。図6では、可変増幅器44での増
幅率を増大させるように制御信号Skを変化させている
ため、変調信号Smの振幅も大きくなり、これに応じて
送信信号Ssの周波数変調幅も大きく(△Fa→△F
b)なる。
【0056】つまり、本実施例のレーダ装置40では、
第1実施例のレーダ装置10と同様に、送信信号Ssの
周波数変調幅△Fを変化させることにより、ビート信号
Sbが表れる周波数帯を変化させることができ、しか
も、送信信号Ssの変調周期Tを変化させることなく周
波数変調幅△Fのみを変化させている。
【0057】また、本実施例のレーダ装置40では、変
調信号Smの振幅を可変にする可変増幅器44を設けた
だけであり、高周波信号Ss,Sr,Lの信号経路等の
高周波回路に新たな回路を追加する必要がないため、第
1実施例のレーダ装置10と同様に、装置構成が簡単で
あり、しかもこれらの高周波信号Ss,Sr,Lを減衰
させ検出感度を劣化させてしまうこともない。
【0058】従って、本実施例のレーダ装置40によれ
ば、第1実施例のレーダ装置10と全く同様に、低周波
雑音や外部雑音の影響が最も小さい周波数帯でビート信
号Sbを検出できると共に、検出されたビート信号Sb
の信号処理時に重畳される白色雑音を低く抑えることが
でき、しかも高周波信号Ss,Sr,Lを減衰させる高
周波回路部品等を新たに取り付ける必要もないため、当
該レーダ装置40の検出性能を最大限に引き出すことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のレーダ装置の全体構成図であ
る。
【図2】 高周波発振器の詳細な構成を表す回路図であ
る。
【図3】 第1実施例のレーダ装置各部の信号波形を表
す説明図である。
【図4】 シミュレーション結果を表すグラフである。
【図5】 第2実施例のレーダ装置の全体構成図であ
る。
【図6】 第2実施例のレーダ装置各部の信号波形を表
す説明図である。
【図7】 高周波発振器の特性を測定した結果を表すグ
ラフである。
【図8】 FMCWレーダ装置の原理を表す説明図であ
る。
【図9】 従来装置の問題点を表す説明図である。
【符号の説明】
10,40…レーダ装置 12,42…電圧制御発
振器 14…三角波発振器 16…送信アンテナ 18
…分配器 20…受信アンテナ 22…高周波用ミキサ 24
…信号処理部 26…負性抵抗回路 26a…HEMT 26
b…帰還用スタブ 28…共振回路 30,34…コンデンサ 32
…出力整合回路 32a,32b…伝送線 36…バイアス印加回路 36a〜36c…抵抗 44…可変増幅器 IN1,IN2…入力端子 OUT…出力端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーダ波として送信するため、時間に対
    して直線的に周波数が変化するよう三角波状に変調され
    た高周波の送信信号を生成する送信信号生成手段を備
    え、目標物体により反射された上記レーダ波の受信信号
    に、上記送信信号生成手段からの送信信号をローカル信
    号として混合し、該混合された信号の周波数差を成分と
    するビート信号に基づいて、目標物体との距離又は相対
    速度のうち少なくともいずれか一方を求めるレーダ装置
    において、 前記送信信号生成手段は、前記送信信号の変調周期を一
    定にしたまま該送信信号の周波数変調幅を変化可能であ
    ることを特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記送信信号生成手段は、 時間に対して信号レベルが直線的に変化する三角波状の
    変調信号を発生する変調信号発生器と、 該変調信号発生器からの変調信号に応じた周波数で発振
    して前記送信信号を生成する周波数可変発振器と、 該変調信号発生器が発生する変調信号の振幅を、外部か
    らの制御信号に従って調整する振幅調整手段と、 からなることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記送信信号生成手段は、 時間に対して信号レベルが直線的に変化する三角波状の
    変調信号を発生する変調信号発生器と、 該変調信号発生器からの変調信号に応じた周波数で発振
    すると共に、前記変調信号に対する発振周波数の変化率
    を調整可能な周波数可変発振器と、 からなることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のレーダ装置において、 前記周波数可変発振器は、 トランジスタに正帰還を加えることにより負性抵抗を示
    すよう構成された負性抵抗回路、及び該負性抵抗回路の
    トランジスタに直列又は並列接続される共振回路を備
    え、外部からの変調信号に従って前記トランジスタのゲ
    ートに印加する直流バイアス電圧を変化させることによ
    り発振周波数が変化する発振器本体と、 前記トランジスタのドレインに印加する直流バイアス電
    圧を変化させることにより、前記変調信号に対する発振
    周波数の変化率を調整する変化率調整手段と、 からなることを特徴とするレーダ装置。
  5. 【請求項5】 トランジスタに正帰還を加えることによ
    り負性抵抗を示すよう構成された負性抵抗回路、及び該
    負性抵抗回路のトランジスタに直列又は並列接続される
    共振回路を備え、外部からの変調信号に従って前記トラ
    ンジスタのゲートに印加する直流バイアス電圧を変化さ
    せることにより発振周波数が変化する電圧制御発振器の
    制御方法であって、 外部からの制御信号に従って前記トランジスタのドレイ
    ンに印加する直流バイアス電圧を変化させることによ
    り、前記変調信号に対する発振周波数の変化率を変化さ
    せることを特徴とする電圧制御発振器の制御方法。
  6. 【請求項6】 トランジスタに正帰還を加えることによ
    り負性抵抗を示すよう構成された負性抵抗回路、及び該
    負性抵抗回路のトランジスタに直列又は並列接続される
    共振回路を備え、外部からの変調信号に従って前記トラ
    ンジスタのゲートに印加する直流バイアス電圧を変化さ
    せることにより発振周波数が変化する発振器本体と、 前記トランジスタのドレインに印加する直流バイアス電
    圧を変化させることにより、前記変調信号に対する発振
    周波数の変化率を調整する変化率調整手段と、からなる
    ことを特徴とする電圧制御発振器。
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