JPH11231704A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH11231704A
JPH11231704A JP10036242A JP3624298A JPH11231704A JP H11231704 A JPH11231704 A JP H11231704A JP 10036242 A JP10036242 A JP 10036242A JP 3624298 A JP3624298 A JP 3624298A JP H11231704 A JPH11231704 A JP H11231704A
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JP
Japan
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fixing roll
fixing
tube
heat
distortion
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Application number
JP10036242A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Kusumoto
保浩 楠本
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11231704A publication Critical patent/JPH11231704A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い離型性能及び優れた画質を得られ、離型
層の摩擦磨耗や皺発生による定着ロールの劣化の少ない
定着装置を得る。 【解決手段】 定着ロール12は、円筒体16とその外
周に巻装された耐熱性弾性体層18及び耐熱性弾性体層
18の外周のフッ素系樹脂のチューブ20とで構成され
る。圧力印加部材14は、支持体24と搬送ベルト28
とを有し、支持箱32内には、耐熱性ゴム体34と加圧
体36とが取り付けられている。チューブ20及び耐熱
性弾性体樹脂層18が径方向内側に押されることで、フ
ッ素樹脂系チューブ20に径方向内側への歪みWが生じ
ており、定着ロール12の離型性能が向上されると共に
画質が向上している。加圧体36の長手方向の長さがチ
ューブ20の軸方向長さより長くされており、チューブ
20の摩耗及び皺発生が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定着装置に関し、さ
らに詳しくは、未定着のトナー像が転写された転写材を
挟持搬送することによりトナー像を転写材に定着させる
定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像形成装置、例えば、電子写真
プロセスを利用した複写機等においては、紙等の記録体
上に転写された未定着のトナー像を定着する方法とし
て、溶剤定着法、加圧定着法、加熱定着法、及び加熱加
圧定着法等が知られている。
【0003】これらの定着法のうち、加熱加圧定着法を
採用した定着装置について説明する。
【0004】図8には、加熱加圧定着法の1つである熱
ロール方式の定着装置が示されている。この定着装置7
0では、加熱ローラ72と加圧ローラ74と、を有して
おり、加熱ローラ72は、円筒状の芯金76と、芯金7
6の内部に配設されたヒータ78及び、芯金76の外周
に被覆された耐熱性樹脂層あるいは、耐熱性ゴム層によ
る離型層79、で構成されている。一方、加圧ローラ7
4は、円筒状の芯金80と、芯金80の外周に形成され
た耐熱弾性体層82及びヒータ84と、で構成されてい
る。加圧ローラ74は加熱ローラ72に対して圧接され
ており、加熱ローラ72と加圧ローラ74との間で、未
定着のトナー像が形成された用紙Pを挟持搬送する。こ
れにより、未定着のトナーTを溶融させた後、用紙Pに
浸透させて定着させる。
【0005】このように、加熱加圧方式の定着装置で
は、トナーTを熱で溶融させ、さらに用紙Pに押しつけ
て定着させるため、熱風定着方式やオーブン定着方式と
較べて熱効率が高く、現在最も広く利用されている。
【0006】これに対し、トナーを熱で溶融させること
なく、用紙Pに押しつけるだけで定着させることができ
る場合には、上記構成のヒータ78、84を省略した方
式(加圧方式)によって、定着装置が構成される。この
加圧方式では、トナーを加熱する必要がないので低電力
となる。
【0007】ところで、離型層79としては、定着済の
トナーTを加熱ローラ72から引き離すために、耐熱性
樹脂や耐熱性ゴム等を被覆して構成されている。一般的
には、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)
や、パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合樹脂
(以下、PFA)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレ
ン共重合樹脂(以下、FEP)に代表されるフッ素系耐
熱性樹脂の方が、シリコーンゴムやフッ素ゴムに代表さ
れる耐熱性ゴムよりも、離型剤(いわゆる離型オイル)
を用いることなく高い離型性を得られることが知られて
いるため、白黒複写機においては耐熱性樹脂が用いられ
ている。
【0008】しかし、金属性の芯金76に離型層79と
してフッ素系耐熱性樹脂を被覆した場合、フッ素系耐熱
性樹脂は材質そのものが硬く、トナーとの微小な密着性
が低いために、定着画像のいわゆるベタ部に、細かい濃
度ムラが発生することがある。これに対し、耐熱性ゴム
を金属性の芯金76に被覆した場合は、耐熱性ゴム自体
の柔らかさのために、ゴムが伸展してトナーと確実に密
着する。このため、濃度ムラのない優れた画質を得るこ
とができる。
【0009】また、例えば特開平5−150679に記
載されているように、耐熱性ゴムを被覆した場合、ゴム
の歪みが発生することで高い剥離性能を有することが知
られている。この「歪み」とは、定着ロールを圧力ロー
ル等の加圧手段で加圧した時、定着ロール表面に表れる
内側への局部的な弾性変形のことを言う。定量的には、
歪みを生じた加熱ロールを使用して用紙を挟持搬送する
場合の、加熱ロール一回転当りの用紙の搬送長をMW 、
歪みを生じていない加熱ロールを使用して用紙を挟持搬
送する場合の、加熱ロール一回転当りの用紙の搬送長を
MN としたとき、歪み率εは、 ε=(MW /MN −1)×100(%) によって定義される。
【0010】一般には、歪みが生じた定着ロール一回転
で送り出される用紙の長さは、歪みが生じていない定着
ロール一回転で送り出される用紙の長さより長くなる。
【0011】さて、特開平5−150679に開示され
る定着ロールは、LTVシリコーンゴムの上層に、RT
Vシリコーンゴムが配置されて構成されており、最上層
のRTVシリコーンゴム自身も伸展性があることから、
歪みは発生しやすい。しかし、RTVシリコーンゴムは
離型性がそれほど高いものではなく、また、それ自身の
摩擦係数が高く磨耗しやすいため、離型剤塗布手段を別
途設ける必要があった。
【0012】従って、高い離型性能を有するフッ素系樹
脂を耐熱性ゴムの表面に被覆すればさらに高い離型性能
を有し、特別な離型剤塗布手段を用意する必要もなくな
ることが考えられる。
【0013】この点に関しては、特開昭61−2237
6、特開昭61−248731等に開示されるように、
耐熱性ゴムの表面にフッ素樹脂ディスパージョンを塗布
焼成したロールを用いれば、容易に高い離型性能および
優れた画質を得られるようになる。しかし、塗布焼成膜
はその厚みが高々2〜3μm程度であるため、用紙を通
紙したときに離型層の磨滅(特に、用紙端部の磨滅)が
生じてしまうおそれがある。
【0014】そこで、特開昭57−89785、特開昭
53−144747、特公平7−349、特開平4−4
2183等に開示されるように、あらかじめ製造された
いわゆるフッ素樹脂チューブを耐熱性ゴムの表面に被覆
することで、これらの問題は解決される。
【0015】ところが、一般的なフッ素樹脂チューブの
厚さは50〜100μm程度であることからチューブ自
体が硬く、上記した歪みを十分に発生させて高い離型性
を得るということは困難であった。さらに、フッ素系樹
脂チューブを弾性体の上層に被覆させることで歪みを発
生させることにより離型性を向上させかつ、画質を向上
させることに対してはこれまで着目されてはいなかっ
た。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事実を
考慮し、高い離型性能及び優れた画質を得ながら、離型
層の摩擦磨耗や皺発生による定着ロールの劣化の少ない
定着装置を得ることを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、円筒状又は円柱状に形成され少なくとも径方向内側
に弾性変形可能な弾性部材と、前記弾性部材の外周に円
筒状に形成され径方向の肉厚が10μm乃至40μmと
されたフッ素系樹脂層と、を備えた定着ロールと、前記
定着ロールに対向して配置され定着ロールとの間で未定
着のトナー像が転写された転写材を挟持搬送してこのト
ナー像を転写材に定着させると共に、定着ロールに対し
て径方向内側に向かって加圧することにより定着ロール
に0.1%以上の歪みを発生させる加圧手段と、を有
し、前記フッ素系樹脂層の軸方向両端がそれぞれ前記転
写材の幅方向両端よりも外側に位置し、前記加圧手段の
幅方向両端がそれぞれ前記フッ素系樹脂層の軸方向両端
よりも外側に位置していることを特徴とする。
【0018】従って、未定着のトナー像が転写された転
写材は、定着ロールと加圧手段との間で挟持搬送されな
がら、トナーが転写材に押しつけられて定着される。こ
のとき、定着ロール又は加圧手段にヒータ等の加熱手段
を設け、トナーを溶融させて転写材に定着させるように
してもよい。
【0019】加圧手段は、定着ロールを径方向内側に加
圧する。定着ロールを構成する弾性部材の外周に被覆さ
れたフッ素系樹脂層は、10μm乃至40μmの肉厚と
されているため、加圧手段からの加圧で径方向内側に変
形可能となっている。従って、加圧手段からの加圧によ
り、弾性部材が径方向内側に弾性変形すると共にフッ素
系樹脂層に歪みが生じる。この歪みにより、定着ロール
の離型性能が向上し、定着後の転写材が定着ロールから
容易に分離される。また、歪みにより、未定着のトナー
像との密着性が高くなるので、光沢ムラのない高画質の
画像を得ることができる。フッ素系樹脂層は、10μm
以上の厚みを有するので、磨滅により画質が低下してし
まうことがなく、フッ素系樹脂層の耐久性も向上する。
【0020】加圧手段の幅方向両端はそれぞれフッ素系
樹脂層の軸方向両端よりも外側に位置しているので、フ
ッ素系樹脂層は軸方向で全域にわたって加圧手段により
均一に加圧され、歪み率が軸方向でほぼ一定となる。こ
のため、定着ロールに部分的な皺が生じない。
【0021】さらに、フッ素系樹脂層の軸方向両端がそ
れぞれ転写材の幅方向両端よりも外側に位置しているの
で、転写材の幅方向全域にわたってトナー画像を転写材
に定着させることができる。
【0022】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記加圧手段が、無端状に形成され
て少なくとも外側に変形可能とされ前記定着ロールに対
向して配置された搬送ベルトと、前記搬送ベルトを前記
定着ロールに接触させた状態で循環可能に支持し、搬送
ベルトを外側に部分的に変形させることで定着ロールに
前記歪みを発生させる支持部材と、を有することを特徴
とする。
【0023】従って、支持部材が搬送ベルトを部分的に
変形させ、この変形部分が定着ロールを径方向内側に加
圧する。これにより、定着ロールに局所的な歪みを発生
させて、定着ロールの剥離性能を向上させることができ
る。
【0024】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記搬送ベルトの幅方向両端がそれ
ぞれ前記支持部材の幅方向両端よりも外側に位置してい
ることを特徴とする。
【0025】これにより、加圧手段の搬送ベルトからの
露出を防止できるため、フッ素系樹脂層の摺擦による磨
滅を防止して、定着ロールの定着性能を維持することが
できる。
【0026】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記定着ロー
ルと前記加圧手段とに挟持搬送された転写材が幅方向に
最大幅を有する部分での定着ロールの歪み率をεRO、定
着ロールの軸方向略中央での歪み率をεRIとしたとき、
0.5≦εRO/εRI≦1.0に設定されていることを特
徴とする。
【0027】このようにεROのεRIに対する比を設定す
ることで、転写材を定着ロールと加圧手段との間に挟持
搬送してトナー像を転写材に定着させる際に、転写材に
皺が発生しない。
【0028】また、転写材の幅方向略中央部分と比較し
て、幅方向幅方向両端部分の歪みが小さくなっているの
で、転写材の幅方向両端部分に相当する位置の近傍での
定着ロールの磨滅を低減でき、定着ロールの耐久性を向
上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】(定着装置の構成)図1及び図2
には、本発明の一実施の形態に係る定着装置10が示さ
れている。この定着装置10は、円筒状に形成された定
着ロール12と、この定着ロール12に対向して配置さ
れ、定着ロール12との間に用紙Pを挟持して搬送する
圧力印加部材14と、で構成されている。
【0030】用紙Pには、図示しない転写手段によって
トナーTが未定着で転写されている。用紙Pが定着ロー
ル12と圧力印加部材14との間で挟持搬送されると、
用紙Pの未定着のトナーTが定着される。
【0031】定着ロール12は、軸方向に所定長さを有
する円筒体16と、この円筒体16の外周に巻装された
円筒状の耐熱性弾性体層18、及び耐熱性弾性体層18
の外周に巻装されたフッ素系樹脂層としてのチューブ2
0と、で構成されている。さらに、円筒体16の内部に
は、加熱源としてハロゲンランプ22が設けられてお
り、定着ロール12の表面が加熱されている。定着ロー
ル12の表面温度は図示しない温度センサによって検知
され、同じく図示しない温度コントローラによって、所
定温度に維持されるようになっている。
【0032】なお、本実施の形態に係る定着ロール12
は、その表面を加熱することにより熱定着ロールとして
機能させることができるが、定着ロール12の表面を加
熱することなく、加圧ロールとして機能させることも可
能である。
【0033】円筒体16を構成する材料としては、一般
に、剛性に優れた鉄、ステンレスや熱伝導性に優れたア
ルミニウム等が使用されるが、他の金属等を使用しても
よい。
【0034】耐熱性弾性体層18の材料としては、フッ
素ゴム及びシリコーンゴムが使用できる。熱定着ロール
の場合、耐熱性弾性体層の厚さは100μm乃至2mm
が好ましい。これは、耐熱性弾性体層18の厚さが10
0μm未満だと、後述する歪みWが発生しにくいため記
録用紙の巻き付き防止効果が低く、2mmを越えると熱
伝導性が悪くなって、いわゆるウォームアップ時間(定
着ロール12の表面が所定の温度に達するまでに要する
時間)が長くなるためである。
【0035】また、定着ロール12を熱定着ロールとし
て使用する場合、耐熱性弾性体層18の硬さは、JIS
K6301に従って測定した場合、20度乃至60度
であることが好ましい。耐熱性弾性体層18の硬さが2
0度未満だと、記録用紙Pに加えられる圧力が小さくな
って画質を向上させることができず、また、60度を越
えると、歪みが発生しにくいため記録用紙の巻き付き防
止効果が得られないためである。
【0036】圧力印加部材14として圧力ロールを用い
る場合には、その耐熱性弾性体層の硬さは、定着ロール
12の耐熱性弾性体層18の歪みを得るために、定着ロ
ール12の耐熱性弾性体層18の硬度と同程度又はそれ
以上の硬さとされる。
【0037】圧力ロールの最上層にチューブを使用する
場合、チューブの厚さは任意の値とすることができる
が、一例として、30〜50μmとすることができる。
また、圧力ロールが最上層として離型性の良い耐熱性弾
性体層を備える場合、このような耐熱性弾性体層に使用
される材料としては、フッ素ゴムやシリコーンゴムを挙
げることができる。
【0038】チューブ20としては、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルキルビニー
ルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン六
フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)に代表されるフ
ッ素系耐熱性樹脂が考えられる。これらの中では、耐熱
性、加工性の点からPFAが好ましい。なお、耐熱性弾
性体層との密着性を向上させるために、チューブの内面
にエッチングによるプライマー処理等を施すことができ
る。
【0039】定着ロール12を熱定着ロールとして使用
する場合、チューブ20の厚さ(径方向の肉厚)は5μ
m乃至40μmであることが必要である。チューブの厚
さが5μm未満だと、摩耗しやすいため熱定着ロールの
寿命が短くなり、40μmを越えると、熱定着ロールの
表面が固くなって、画質の向上が図れない。チューブ2
0の厚さは10μm乃至20μmであることがより好ま
しい。
【0040】一方、圧力印加部材14は、断面略円筒状
に形成され、軸方向が水平となるように図示しないハウ
ジングに取り付けられた支持体24と、この支持体24
の外周に巻装された無端状の搬送ベルト28と、を有し
ている。支持体24の上部には、支持体24の内部と外
部とを連通する取付孔30が形成されている。
【0041】取付孔30には、上面が開放された支持箱
32が取り付けられている。支持箱32内には、耐熱性
ゴム体34と、耐熱性ゴム体34より用紙Pの搬送方向
下流側(図1左側)の位置に配置された加圧体36と、
が固定されている。
【0042】耐熱性ゴム体34は、定着ロール12と対
向圧接することにより円弧面34Aが形成される。ま
た、加圧体36には、定着ロール12に向かって円弧面
34Aから所定の突出高さで突出し、円弧面34Aより
も小さい所定の曲率半径を有する凸部36Aが形成され
ている。円弧面34A及び加圧体36の先端には、摩擦
低減部材38が貼着されており、搬送ベルト28と、耐
熱性ゴム体34及び加圧体36との摩擦が低減されてい
る。
【0043】摩擦低減部材38と、定着ロール12の外
周とで形成される間隙を通過して、搬送ベルト28が支
持体24の外周を循環する。このため、搬送ベルト28
は円弧面34Aに沿って内側に凹み、さらに凸部36A
に沿って外側に湾曲した状態で定着ロール12に接する
ため、搬送ベルト28の定着ロール12との接触面積が
広くなる。
【0044】また、加圧体36は、凸部36Aによっ
て、定着ロール12を加圧している。これにより、定着
ロール12のチューブ20及び耐熱性弾性体樹脂層18
が径方向内側に押され、チューブ20に径方向内側への
歪みWが生じている。後述するように、この歪みWによ
って、定着ロール12の離型性能が向上されている。
【0045】また、図2に示すように、チューブ20の
軸方向両端は、用紙Pの幅方向両端よりも外側に位置す
るように、チューブ20の軸方向長さ及び位置が決めら
れている。これにより、用紙Pの幅方向全域に亘って未
定着トナー像のトナーを定着させることができる(な
お、図2では図示の便宜上、定着ロール12のチューブ
20、圧力印加部材14の加圧体36及び用紙Pのみを
図示している)。
【0046】また、加圧体36の長手方向(チューブ2
0の軸方向と同じ方向)両端は、チューブ20の軸方向
両端よりも外側に位置している。これにより、チューブ
20の軸方向全域に亘って加圧体36が当接して加圧す
るので、チューブ20が局所的に強く加圧されない。こ
れにより、チューブ20に皺が発生しないようになって
いる。
【0047】さらに、搬送ベルト28の幅方向両端は、
加圧体36の長手方向両端よりも短く、定着ロール12
のチューブ20より長いため、チューブ20を構成する
フッ素系樹脂層の摺擦による磨滅を防止して、定着ロー
ル12の定着性能を維持することができる。
【0048】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 (実施例1〜9、比較例1〜4)定着ロール12及び圧
力印加部材14を以下のように構成した。
【0049】定着ロール12 円筒体16として、外径25mm、厚さが1.5mmの
円筒状のアルミニウム製芯金を使用し、その外周に耐熱
性弾性体層18として厚さ3mmのHTV(高温加硫)
シリコーンゴム層(JIS K6301による硬さ30
度)を設け、さらにこのシリコーンゴム層上に、チュー
ブ20として、エッチングにより内面がプライマー処理
された厚さ10μmのPFA樹脂チューブを被覆して熱
定着ロールを作成した。チューブ20の軸方向長さを耐
熱性弾性体層18の軸方向長さと略同等の長さとした。
【0050】ハロゲンランプ22は650Wのものを使
用し、定着ロール12の表面温度を150℃に維持し
た。
【0051】圧力印加部材14 支持体24としては、軸方向の長さ350mm、外形2
5mmの耐熱性樹脂、例えばポリカーボネート製の略円
筒体を、搬送ベルト28としては、周方向長さ90m
m、肉厚90μmのポリイミド製ベルトを、耐熱性ゴム
体34としては、硬度40度(JIS K6301)の
LTVシリコーンゴムをそれぞれ使用した。また、搬送
ベルト28の幅を、耐熱性ゴム体34の長手方向(定着
ロール12の軸方向)の長さよりも長くし、搬送ベルト
28の幅方向両端が耐熱性ゴム体34の長手方向両端よ
りも外側に位置するようにした。
【0052】摩擦低減部材38としては、ガラス繊維に
フッ素樹脂を含浸させて焼成された摺動用部材を使用し
た。
【0053】加圧体36の上端(定着ロール12を加圧
する部分)の曲率半径は4mmとした。
【0054】〈歪みと離型性との関係〉歪みと離型性と
の関係を評価するために、まず、以下のように、荷重と
セルフストリッピング性能との関係を求めた。
【0055】定着装置10おいて、用紙Pの搬送速度が
160mm/secになるように定着ロール12を図1
時計周り方向回転させ、この状態で、3.0mg/cm
2 の面密度の未定着カラートナー像が用紙全面にわたり
形成された用紙Pを定着ロール12圧力印加部材14と
のニップ領域に通し、定着ロール12に記録用紙が巻き
付かないか否か(セルフストリッピングが可能であるか
否か)を観察した。
【0056】圧力印加部材14によって定着ロール12
に加えられる荷重や用紙Pの坪量(単位面積当りの質
量)を変化させながら、上記手順を繰り返した。結果を
表1に示す。なお、表1及び後述する表2の中で、
「A」は記録用紙の繊維が熱定着ロールの軸方向と平行
になるように記録用紙を挿通したことを示し、「B」は
記録用紙の繊維が熱定着ロールの軸方向と垂直になるよ
うに記録用紙を挿通したことを示す。
【0057】
【表1】
【0058】この表1からも分かるように、通常、
「A」の方が「B」に比べ、記録用紙の腰が弱くなるた
め、セルフストリッピングが困難になる傾向を持つ。
【0059】また、表1に示されるように、圧力印加部
材14による荷重が10kgのときにセルフストリッピ
ングの向上がみられ、30kg以上の場合には、用紙P
の坪量及び送り方向に関わらずセルフストリッピングが
可能となることが分かる。特に、圧力体36による荷重
が増加するに従い、坪量の小さい(紙厚の薄い)用紙で
あってもセルフストリッピングが可能となることが判
る。
【0060】次に、上記の定着装置10を使用して、定
着ロール12が1回転するときに搬送される用紙Pの搬
送長MW を測定し、この測定値と定着ロール12の計算
上の外周の長さMN (すなわち、歪みが生じていない定
着ロール12が1回転するときに搬送される用紙Pの搬
送長)とから歪み率εを求めた。歪み率εは ε=(MW /MN −1)×100(%) によって定義される。
【0061】圧力印加部材14の加圧体36による荷重
を変化させながら、上記手順を繰り返した。なお、用紙
Pとして、坪量が65g/m2 のものを使用した。結果
を図3及び図4に示す。
【0062】図3及び図4から、定着ロール12の表面
には歪みが発生しており、荷重を増加するに従って定着
ロール12の表面の歪み率が増加することが分かる。
【0063】さらに、図4から、荷重が10kgのとき
に歪みが0.1%となり、荷重が30kgのときに歪み
が0.3%となっていることがわかる。従って、図4と
表1とを照らし合わせることで、歪みが0.3%以上で
あれば、十分な剥離性能を得られることが分かる。
【0064】なお、特開平5−150679号公報で
は、歪みが0.5%以上あれば、剥離性能が向上すると
しており、これと比較して、本発明の定着装置10では
剥離性能が向上している。これは、本発明の定着装置1
0が、曲率半径が小径(4mm)の加圧体36を定着ロ
ール12に食い込ませており、しかも、用紙Pは画像面
とは反対側の非画像面側に曲がるように排出されること
により、定着ロール12の歪み(加圧体36により歪み
と比較して曲率半径が大きい)だけでの剥離性能だけで
なく、用紙Pのいわゆる剛性を利用でき、ロール同士で
の圧接でニップを形成するものより巻き付きにくくなる
ためである。
【0065】また、定着ロール12そのものの径も、特
開平5−150679号公報記載の定着ロールと比較す
れば小さいため、用紙Pの曲率が大きくなり、用紙は巻
き付きにくくなることためであるとも考えられる。
【0066】(比較例5〜16)定着ロール12をハー
ドロールに代え、それ以外は上記したものと全く同じ条
件で荷重とセルフトリッピング性との関係を調べた。
【0067】ここでいう「ハードロール」とは、実質的
に径方向へほとんど変形しないロールをいい、具体的に
は、外径が25mm、厚さが2.5mmの円筒状のアル
ミニウム芯金の外周に、厚さが10mmのテフロン(商
品名)が巻装されたハードロールを使用した。また、圧
力印加部材14の耐熱性ゴム体34に代えて、硬度20
度(JIS K6301)のHTVシリコーンゴムを使
用した。この結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】表2に示されるように、すべての荷重にお
いてセルフストリッピングが不可能であった。これは定
着ロールがハードロールであるため弾性層がなく、歪み
が生じないためと考えられる。
【0070】〈歪みとマイクログロスとの関係〉次に、
上記の操作により得られた定着画像の画質について、画
質の評価項目であるマイクログロスについて検討した。
マイクログロスとは、ベタ部にグロス(光沢)の細かい
ムラが発生することを言う。このマイクログロスが発生
すると、耐熱性弾性体層18を使用して定着ロール12
を歪み可能とし、セルフトリッピング性能を向上させて
も、画像の画質が劣ってしまうため、優れた画質を得る
という本発明の課題を解決できなくなる。
【0071】ここでは、このマイクログロスに関して最
も影響を与えると考えられる、フッ素樹脂のチューブ2
0の厚さと定着ロール12を構成しているゴム(耐熱性
弾性体層)の硬度を変化させて、ベタ画像を定着し、マ
イクログロスの発生具合を目視で評価した。
【0072】また、参考のために、マイクログロスが顕
著に発生しやすいことが知られている従来のハードロー
ルを定着ロールに代えて使用し、これによって得られた
定着画像についても同様の評価を行った。
【0073】ハードロールとしては、比較例5〜16と
同様のものを使用した。結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】この表3に示すように、定着ロール12を
構成しているゴム(耐熱性弾性体層18)の硬度が硬く
なればマイクログロスが発生しやすくなり、チューブ2
0の厚さを厚くしても発生しやすくなることが分かる。
また、チューブ20の厚さを40μmより厚くした場合
には、定着ロール12がハードロールに近似してしまう
ため、定着ロール12を構成しているゴム(耐熱性弾性
体層18)の硬度を低くしてもマイクログロスは発生し
てしまうことが分かる。
【0076】これより、チューブ20の厚さは40μm
以下が適切であり、好ましくは30μm以下、さらに好
ましくは20μm以下が適切であると考えられる。
【0077】〈チューブの厚さと耐久性との関係〉とこ
ろで、フッ素樹脂系のチューブ20の厚さを薄くした場
合、長期的な信頼性が懸念される、すなわち、用紙Pを
挿通させた時の摩擦による磨耗劣化が問題となる。
【0078】そこで、チューブ20の厚さと定着ロール
12の耐久性との関係を検討するためチューブ20の厚
さを10μmとした2本の定着ロール12を富士ゼロッ
クス社製A Color935に装着し、富士ゼロック
ス社製L紙A4の白紙を定着温度150℃で挿通させ、
磨耗劣化の度合いを目視で観察した。このときの定着ロ
ールの歪み率は用紙挿通部略中央部での歪み率εRIを剥
離性能が十分に確保できる0.5%に固定して行った。
なお、一般的に定着ロールの寿命としては、10万枚程
度とされており、これを目安とした。
【0079】この結果、チューブ20の厚さが5μmの
場合、磨耗が顕著となり、約9万枚通した時点で、耐熱
性弾性体層18を構成するHTVシリコーンゴムが局部
的にではあるが露出した。従って、チューブ20の厚さ
が5μm以下の場合には、チューブ20の長期的な信頼
性の点からは十分とはいえない。
【0080】次に、搬送ベルト28の両端と加圧体36
の長手方向両端の位置関係を変え、チューブ20の耐久
性について検討した。
【0081】すなわち、上記した試験においては、搬送
ベルト28の幅を、耐熱性ゴム体34の長手方向(定着
ロール12の軸方向)の長さよりも長くし、搬送ベルト
28の幅方向両端が耐熱性ゴム体34の長手方向両端り
も外側に位置するようにして行ったが、比較のため、搬
送ベルト28の幅を、耐熱性ゴム体34の長手方向の長
さよりも短くし、搬送ベルト28の幅方向両端が耐熱性
ゴム体34の長手方向両端りも内側に位置するようにし
て、同様の試験を行った。
【0082】その結果、定着ロール12の両端部分の耐
熱性ゴム体34との接触部分のチューブ20が、用紙P
を1000枚程度挿通した時点で磨滅し、下地の耐熱性
弾性体層18が露出してしまった。このことから、チュ
ーブ20の軸方向長さを耐熱性弾性体層18の軸方向長
さよりも長くし、チューブ20の軸方向両端が耐熱性弾
性体層18の軸方向両端よりも外側に位置させること
で、チューブ20の耐久性を向上させることが可能とな
る。
【0083】〈用紙の幅方向端部でのチューブの摩耗〉
ところで、上記した試験では、チューブ20を構成する
フッ素樹脂の磨耗劣化がもっとも顕著にみられるのは用
紙Pの幅方向端部が挿通される挿通部分やその近傍の領
域であり、それ以外のほとんどの領域では、磨耗はあま
りみられなかった。
【0084】これは、用紙は一般に裁断によって所定の
大きさに製造されるために、用紙Pの端部(切り口)に
おいて用紙Pの繊維がむき出しになっているためである
と考えられるからである。すなわち、用紙Pが定着ロー
ル12と圧力印加部材14との間を挟持搬送されて定着
ロール12が歪む際に、この用紙Pの繊維の切断面が定
着ロール12の表面(すなわちチューブ20の表面)を
局所的にきつく摺擦するため、あるいは、用紙Pの厚さ
の分、定着ロール12と圧力印加部材14との間で、用
紙挿通部と非挿通部との段差が発生し、定着ロールに剪
断力が働くためであると考えられる。
【0085】また、実際の使用状況を考慮すると、定着
ロール12の軸方向の同一部分に用紙Pの幅方向端部が
位置することが多い。例えば、定着ロール12の軸方向
で用紙Pが同じ長さとなるように用紙Pを挟持搬送させ
る場合(例えばA4用紙、A3用紙を定着ロール12の
軸方向と一致させる場合等。特に、A4用紙の長辺はA
3用紙の短辺と同じ長さであるため、A4用紙をいわゆ
る横送りし、A3用紙を縦送りするようにしている場合
には、A4用紙であってもA3用紙であっても、定着ロ
ール12の軸方向の同一部分に用紙Pの幅方向端部が位
置することになる、B5用紙の長辺とB4用紙の短辺に
ついても同様である)。
【0086】そこで、この用紙Pの挟持搬送時に用紙P
の端部が位置する部分、特に、用紙Pの端部が位置する
頻度の高い部分での、定着ロール12の歪み率を減らせ
ば、用紙Pの繊維の切り口が定着ロール12の表面に摺
擦する力が減り、結果として、チューブ20を構成する
フッ素樹脂の磨耗磨滅は低減されると考えられる。
【0087】そこで、圧力印加部材14の加圧体36に
よる印加圧力を、定着ロール12の軸方向で用紙Pの端
部が挿通される部分およびその近傍において、それ以外
の部分よりも低くし、先述の用紙挿通試験を行って、定
着ロール12の磨耗を比較検討した。
【0088】この時、使用した定着ロール12のチュー
ブ20の厚さは10μmとした。これは、実用可能な定
着ロール12の厚さのうち、最も顕著に試験の結果が表
れる厚さであると考えられるためである。また、定着ロ
ール12の耐熱性弾性体層18は硬度40度、厚さを
0.7mmの固定条件とした。そして、用紙Pが挿通さ
れる部分の略中央部での歪み率εRIを0.5%に固定
し、用紙Pが挿通される部分の幅方向端部及びその近傍
での歪み率εROを変えるとによって、定着ロール12の
磨耗を比較検討した。
【0089】なお、上記した歪み率εROの変更は、圧力
印加部材14の形状を変えることによって容易に実現す
ることができる。より具体的には、耐熱性ゴム体34及
び加圧体36の少なくとも一方の形状を変更することで
実現できる。結果を図5に示す。図5において、歪み率
比とは、(εRO/εRI)をいう。従って、図5は、この
歪み率比と、定着ロール12の摩耗量との関係を表して
いる。
【0090】図5から分かるように、歪み率の比を小さ
くしていけば、磨耗量は減少していく。これより、歪み
率の比を小さくすれば、信頼性を向上させられると考え
られる。
【0091】〈チューブの皺発生〉ところが、歪み率の
比を0.4以下にした場合、表4に示すように、用紙P
の幅方向端部領域のチューブ20の表面に定着ロール1
2の軸に平行な細かな皺が発生することが、用紙挿通枚
数が40,000枚の時に確認された。
【0092】
【表4】
【0093】これは、以下に示す理由によると考えられ
る。すなわち、定着ロール12への加圧力は、用紙Pの
軸方向端部の近傍では軸方向の位置によって異なる。こ
のため、チューブ20および、耐熱性弾性体層18は、
定着ロール12の回転時あるいは回転開始時に、軸方向
の位置に対応して、定着ロール12の周方向に沿って異
なる伸び方をする。その結果、チューブ20がいわゆる
降伏点以上に伸び、塑性変形をおこすことにより発生す
るためと考えられる。そして、定着ロール12は、この
皺が発生した部分において機械的性質が極端に弱くなる
ため、定着ロール12の回転に伴う摺擦によって皺の部
分に破れが生じ、結果的に定着ロール12の離型性能が
劣化してしまうこととなる。
【0094】そこで、定着ロール12の耐熱性弾性体層
18の硬度の違いによってチューブ20の皺の発生具合
がどのように異なるか、をみるために試験を行った。条
件としては、チューブ20の厚さを10μm、耐熱性弾
性体層18の厚さを0.7mm、硬度を10度として、
上記と同様の試験を用紙挿通枚数50,000枚まで行
った。この結果を表5に示す。
【0095】
【表5】
【0096】表5から分かるように、チューブ20に皺
が発生した時の用紙Pの挿通枚数に、表4に示した試験
の場合と違いがあるが、上記試験と同様に、定着ロール
12の歪み率の比が0.5未満では、同じように皺が発
生し、それ以上では皺の発生はない。
【0097】さらに、チューブ20の厚さとチューブ2
0の皺の発生との関係を見るために、チューブ20の厚
さを40μmに変更し、耐熱性弾性体層18の硬度を4
0度、厚さ0.7mmのままとして、同様の試験を行っ
た。この結果を表6に示す。
【0098】
【表6】
【0099】表5と表6から分かるように、チューブ2
0の厚さには関係なく、歪み率の比により皺が発生する
ことが分かる。
【0100】〈用紙の皺発生〉次に、定着ロール12の
歪み率を変えることで、用紙Pにも皺(用紙皺)が発生
してしまうおそれがあるため、この検討を行った。具体
的には、チューブ20の厚さ、耐熱性弾性体層18の硬
度及び厚さを上記を同じ条件とし、定着ロール12の歪
み率の比を変化させ、富士ゼロックス社製S紙A3をい
わゆる縦送りで100枚挿通させて、この時に皺が発生
した時の用紙Pの挿通枚数を見た。これを表4、表5、
表6に併記する。これより、歪み率の比が0.5未満で
あれば用紙Pの皺の発生頻度が急激に上昇することが分
かる。
【0101】ここまでは、歪み率の比がεRO/εRI≦1
の場合についての検討を行ってきた。そこで、これとは
逆のεRO/εRI>1の場合で同様の試験を行い、用紙P
の挿通枚数と用紙Pの幅方向端部が当接する部分での定
着ロール12の磨耗量の関係をみた。これを図6に示
す。この時、チューブ20の厚さは10μmとし、定着
ロールの弾性層硬度は40度、厚さは0.7mmの固定
条件とした。また、歪み率εRIを0.5%に固定し、ε
ROを変化させて、定着ロール12の磨耗量を調べた。
【0102】図6から分かるように、歪み率の比が1.
2より大きくなった場合、チューブ20の皺の発生は顕
著ではない(表7参照)が、用紙Pの幅方向端部が当接
する部分でのチューブ20の磨滅が顕著となることがわ
かる。
【0103】また、用紙Pの皺発生試験を行った。この
結果を表7に併記する。
【0104】
【表7】
【0105】これによれば、歪み率の比を1より大きく
しても紙皺の発生はみられないことが分かる。
【0106】これらより、皺の発生具合は耐熱性弾性体
層18の硬度、厚さあるいはチューブ20の厚さに関係
なく、歪み率の比のみに支配されていることが分かる。
そして、歪み率の比は 0.5≦εRO/εRI≦1.2 が適当であり、好ましくは 0.5≦εRO/εRI≦1.0 がよいと考えられる。
【0107】〈歪み率5%でのチューブの皺発生及び用
紙の皺発生〉これまでは、用紙Pの幅方向中央部での歪
み率が、0.5%と比較的小さい場合で検討を行ってき
た。そこで、これを5%程度にした場合でのチューブ2
0の磨耗量、チューブ20の皺及び用紙Pの皺の発生具
合について検討を行った。条件はチューブ20の厚さを
10μm、耐熱性弾性体層18の硬度を10度、厚さを
3mmにして行った。この結果を図7及び表8に示す。
【0108】
【表8】
【0109】これに示すように、図5及び表4に示した
状況とほとんどかわらず、歪み率比が、0.5未満の時
に悪化することが分かる。すなわち、歪み率を大きくし
ても歪み率の比により、チューブ20の皺、用紙Pの皺
の発生状況が支配される。
【0110】従って、歪み率の比は 0.5≦εRO/εRI≦1.2 が適当であり、また、チューブ20の磨耗量を少なくす
るという観点から、好ましくは 0.5≦εRO/εRI≦1.0 がよいと考えられる。
【0111】〈チューブの軸方向端部と加圧体の長手方
向端部の位置関係〉次に、チューブ20の軸方向両端の
位置と、加圧体36の長手方向両端の位置と、を変え
て、チューブ20及び用紙Pの皺の発生について試験し
た。
【0112】すなわち、上記の試験はすべて、図2に示
すように、加圧体36の長手方向の長さLPRがチューブ
20の軸方向長さLR より長く、かつチューブ20の軸
方向長さLR が用紙Pの幅をLPAよりも長い状態、すな
わち LPR≧LR ≧LPA であり、しかも、チューブ20の軸方向両端が用紙Pの
幅方向両端よりも外側に位置し、加圧体36の長手方向
両端がチューブ20の軸方向両端よりも外側に位置して
いる状態で行ってきた。そこで、チューブ20の軸方向
長さLR が加圧体36の長手方向の長さLPRより長く、
かつ加圧体36の長手方向の長さLPRが用紙Pの幅をL
PAよりも長い状態、すなわち LR ≧LPR≧LPA であり、しかも、チューブ20の軸方向両端が用紙Pの
幅方向両端よりも外側に位置し、チューブ20の軸方向
両端が加圧体36の長手方向両端よりも外側に位置して
いる状態で同様な試験を行った。結果を表9に示す。
【0113】
【表9】
【0114】表9から分かるように、加圧体36の端部
がチューブ20に当接する部分では、歪み率の比とは関
係なくチューブ20に皺が発生することが確認された。
これは、定着ロール12の用紙Pの幅方向端部が挿通さ
れる部分と異なり、加圧体36の端部が当接する部分の
近傍で歪み率の比が極端に小さくなるため、結果として
チューブ20に皺が発生するためであると考えられる。
【0115】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、円筒状又は
円柱状に形成され少なくとも径方向内側に弾性変形可能
な弾性部材と、前記弾性部材の外周に円筒状に形成され
径方向の肉厚が10μm乃至40μmとされたフッ素系
樹脂層と、を備えた定着ロールと、前記定着ロールに対
向して配置され定着ロールとの間で未定着のトナー像が
転写された転写材を挟持搬送してこのトナー像を転写材
に定着させると共に、定着ロールに対して径方向内側に
向かって加圧することにより定着ロールに0.1%以上
の歪みを発生させる加圧手段と、を有し、前記フッ素系
樹脂層の軸方向両端がそれぞれ前記転写材の幅方向両端
よりも外側に位置し、前記加圧手段の幅方向両端がそれ
ぞれ前記フッ素系樹脂層の軸方向両端よりも外側に位置
しているので、高い離型性及び優れた画質を得ることが
できる。フッ素系樹脂層が摩耗したりフッ素系樹脂層に
皺が発生したりすることなく、定着ロールの劣化を少な
くすることができる。
【0116】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記加圧手段が、無端状に形成され
て少なくとも外側に変形可能とされ前記定着ロールに対
向して配置された搬送ベルトと、前記搬送ベルトを前記
定着ロールに接触させた状態で循環可能に支持し、搬送
ベルトを外側に部分的に変形させることで定着ロールに
前記歪みを発生させる支持部材と、を有するので、支持
部材によって定着ロールに局所的な歪みを発生させて、
定着ロールの剥離性能を向上させることができる。
【0117】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記搬送ベルトの幅方向両端がそれ
ぞれ前記支持部材の幅方向両端よりも外側に位置してい
るので、フッ素系樹脂層の摺擦による磨滅を防止して、
定着ロールの定着性能を維持することができる。
【0118】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記定着ロー
ルと前記加圧手段とに挟持搬送された転写材が幅方向に
最大幅を有する部分での定着ロールの歪み率をεRO、定
着ロールの軸方向略中央での歪み率をεRIとしたとき、
0.5≦εRO/εRI≦1.0に設定されているので、転
写材に皺が発生せず、さらに、定着ロールの耐久性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る定着装置の概略的
構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る定着装置の概略的
構成を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る定着装置において
加圧体の荷重と定着ロールの歪み率との関係を示すグラ
フである。
【図4】本発明の一実施の形態に係る定着装置において
加圧体の荷重と定着ロールの歪み率との関係を示す図3
の一部を拡大したグラフである。
【図5】本発明の一実施の形態に係る定着装置において
チューブの厚さを10μm、耐熱性弾性体層を硬度40
度、厚さ0.7mmとした場合の用紙挿通枚数とチュー
ブの摩耗量との関係を歪み率比ごとに示すグラフであ
る。
【図6】本発明の一実施の形態に係る定着装置において
チューブの厚さを10μm、耐熱性弾性体層を硬度40
度、厚さ0.7mmとした場合の用紙挿通枚数とチュー
ブの摩耗量との関係を歪み率比ごとに示すグラフであ
る。
【図7】本発明の一実施の形態に係る定着装置において
チューブの厚さを10μm、耐熱性弾性体層を硬度10
度、厚さ3mmとした場合の用紙挿通枚数とチューブの
摩耗量との関係を歪み率比ごとに示すグラフである。
【図8】従来の定着装置の概略的構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 定着装置 12 定着ロール 14 圧力印加部材(加圧手段) 18 耐熱性弾性体層(弾性部材) 20 チューブ(フッ素系樹脂層) 24 支持体(支持部材) 28 搬送ベルト 36 加圧体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状又は円柱状に形成され少なくとも
    径方向内側に弾性変形可能な弾性部材と、前記弾性部材
    の外周に円筒状に形成され径方向の肉厚が10μm乃至
    40μmとされたフッ素系樹脂層と、を備えた定着ロー
    ルと、 前記定着ロールに対向して配置され定着ロールとの間で
    未定着のトナー像が転写された転写材を挟持搬送してこ
    のトナー像を転写材に定着させると共に、定着ロールに
    対して径方向内側に向かって加圧することにより定着ロ
    ールに0.1%以上の歪みを発生させる加圧手段と、 を有し、 前記フッ素系樹脂層の軸方向両端がそれぞれ前記転写材
    の幅方向両端よりも外側に位置し、 前記加圧手段の幅方向両端がそれぞれ前記フッ素系樹脂
    層の軸方向両端よりも外側に位置していることを特徴と
    する定着装置。
  2. 【請求項2】 前記加圧手段が、 無端状に形成されて少なくとも外側に変形可能とされ前
    記定着ロールに対向して配置された搬送ベルトと、 前記搬送ベルトを前記定着ロールに接触させた状態で循
    環可能に支持し、搬送ベルトを外側に部分的に変形させ
    ることで定着ロールに前記歪みを発生させる支持部材
    と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送ベルトの幅方向両端がそれぞれ
    前記支持部材の幅方向両端よりも外側に位置しているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記定着ロールと前記加圧手段とに挟持
    搬送された転写材が幅方向に最大幅を有する部分での定
    着ロールの歪み率をεRO、定着ロールの軸方向略中央で
    の歪み率をεRIとしたとき、0.5≦εRO/εRI≦1.
    0に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載の定着装置。
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