JPH11234980A - 電機子コイルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

電機子コイルの製造方法及び製造装置

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JPH11234980A
JPH11234980A JP10036873A JP3687398A JPH11234980A JP H11234980 A JPH11234980 A JP H11234980A JP 10036873 A JP10036873 A JP 10036873A JP 3687398 A JP3687398 A JP 3687398A JP H11234980 A JPH11234980 A JP H11234980A
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pallet
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layer
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Kenichi Shibayama
柴山  賢一
Koji Katahira
晃二 片平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な電機子コイルの製造コストを低く抑
えることができ、且つ高い生産効率を実現できる電機子
コイルの製造方法及び製造装置を提供すること。 【解決手段】 下層コイル導体を製造する製造装置は、
複数の成形工程でそれぞれ所定の成形加工を行う複数の
成形型と、成形加工の際にコイル素材11を保持するパ
レット13とを備える。パレット13は、成形型に位置
決めされ、加工時に型の一部として使用される。パレッ
ト13にはワーク受け23が組み付けられ、そのワーク
受け23には、コイル素材11を受ける凹部25がパレ
ット13の横幅方向全体に形成されている。凹部25の
底面両側に形成される角部25aは、電機子鉄心のスロ
ット底部の角部より曲率半径の大きいRが付与されてい
る。また、凹部25の底面とワーク受け23の側面とで
形成される角部は、内側円板状絶縁体の角部より曲率半
径の小さいRが付与されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電機子コイルの製
造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特開平9−18233
7号公報に記載された電機子コイルの製造方法がある。
この電機子コイルは、所定数の下層コイル導体と上層コ
イル導体から成る。各コイル導体は、それぞれ電機子鉄
心のスロットに挿入される直線状のコイル辺と、このコ
イル辺の両端から略直角方向に延設された一組のコイル
端部と、このコイル端部の先端より略直角に折れ曲がっ
てコイル辺と反対側へ突出する一組のコイル突出部とを
有している。上記の製造方法は、下層コイル導体4及び
上層コイル導体5を平角線から形成するもので、図6
(a)〜(c)に示すように、先ず複数の下層コイル導
体4及び上層コイル導体5の展開体を形成するのに必要
な長さを有する平角線10を準備し、次に、平角線10
の長手方向で所定の間隔毎に平角線10の断面積を減少
させて軸細部10aを形成する。続いて、各軸細部10
aの略中央部を切断して複数の下層コイル導体4及び上
層コイル導体5の展開体(コイル素材11)に分割す
る。その後、図7(a)〜(e)に示すように、各展開
体(コイル素材11)の両端部を順次折り曲げて所定形
状の下層コイル導体4及び上層コイル導体5を形成して
いる。なお、図6及び7は下層コイル導体4の製造工程
を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報では、図8
(a)〜(e)に示す成形工程を実施するための具体的
な方法が述べられていないが、一般的には各工程順にそ
れぞれの成形を行う複数の型を準備し、各型毎に順次所
定の成形を加えて最終形状のコイル導体を製造する方法
が考えられる。この場合、加工素材を各型毎に順次着脱
する必要があるため、高い加工精度を保つためには、各
型にて加工素材の高精度な位置決めを行う必要がある。
その高精度な位置決めを行うためには、それぞれ高精度
な型が必要となるため製造コストが高価となる。また、
各型毎に加工素材を順次着脱する必要があることから、
生産効率が悪いという問題も生じる。本発明は、上記事
情に基づいて成されたもので、その目的は、高精度な電
機子コイル(下層コイル導体及び上層コイル導体)の製
造コストを低く抑えることができ、且つ高い生産効率を
実現できる電機子コイルの製造方法及び製造装置を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段)平角
線のコイル素材から複数の成形工程を経て下層コイル導
体または上層コイル導体を製造する製造方法であって、
パレットにコイル素材の所定部位を保持したまま複数の
成形型にて順次所定の成形加工を行うことを特徴とす
る。この方法によれば、コイル素材をパレットから外す
ことなく最終形状のコイル導体まで加工できるため、高
速加工が可能となり、生産効率を向上できる。
【0005】(請求項2の手段)下層側パレットは、そ
の横幅寸法が電機子鉄心の両端面間の長さと一組の第1
の絶縁体の厚さとを加えた長さと同一に設けられて、コ
イル素材の所定部位を受け入れるスロット形状の溝部が
下層側パレットの横幅全体に設けられ、上層側パレット
は、その横幅寸法が電機子鉄心の両端面間の長さと一組
の第1の絶縁体の厚さと一組の下層コイル端部の厚さと
一組の第2の絶縁体の厚さとを加えた長さと同一に設け
られている。これにより、パレットを型の一部として使
用することができ、コイル素材の下層コイル端部または
上層コイル端部に相当する部位を折り曲げる際に、その
折り曲げ部の位置精度が良好になる。また、パレットの
横幅方向の両側面が溝部の底面と略直角に形成され、且
つ溝部の底面からパレット底面までの高さが下層コイル
端部または上層コイル端部の長さ以上に設けられている
ため、コイル素材の下層コイル端部または上層コイル端
部に相当する部位を折り曲げてパレットの側面に当接さ
せることができる。その結果、折り曲げ部の折曲げ角度
をパレットの角部(溝部の底面とパレットの側面とで形
成される角部)によって略直角に加工することができ
る。
【0006】(請求項3の手段)下層側パレットは、コ
イル素材の下層コイル端部に相当する部位を折り曲げる
際の支点となる角部(つまり溝部の底面と下層側パレッ
トの側面とで形成される角部)が、第1の絶縁体の角部
より曲率半径の小さいRが付与され、上層側パレット
は、コイル素材の上層コイル端部に相当する部位を折り
曲げる際の支点となる角部(つまり溝部の底面と上層側
パレットの側面とで形成される角部)が、第2の絶縁体
の角部より曲率半径の小さいRが付与されている。これ
により、所定形状に成形された下層コイル導体は、下層
コイル辺と下層コイル端部との角部(折り曲げ部)を第
1の絶縁体の角部より曲率半径の小さいRで形成できる
ため、下層コイル導体を電機子鉄心に組み付けた時に下
層コイル導体の前記角部が第1の絶縁体の角部に当たる
ことがないため、第1の絶縁体の割れや欠け等を防止で
きる。同様に、上層コイル辺と上層コイル端部との角部
(折り曲げ部)を第2の絶縁体の角部より曲率半径の小
さいRで形成できるため、上層コイル導体を電機子鉄心
に組み付けた時に上層コイル導体の前記角部が第2の絶
縁体の角部に当たることがないため、第2の絶縁体の割
れや欠け等を防止できる。
【0007】(請求項4の手段)下層側パレットは、溝
部の底面と側面とで形成される角部が、電機子鉄心のス
ロットの底面と側面とで形成される角部より曲率半径の
大きいRが付与されている。これにより、下層コイル辺
をスロット内に挿入した際に、下層コイル辺の角部がス
ロットの角部に当たることがないため、下層コイル辺と
スロットの壁面とを絶縁するための絶縁物の破損を防止
できる。なお、絶縁物は、下層コイル辺とスロットとの
間に介在される薄膜状の絶縁体(紙、樹脂等)でも良い
し、電機子鉄心に粉体等の絶縁被膜を塗布したものでも
良い。
【0008】(請求項5の手段)パレットと成形型の下
型または上型との位置決めを行う位置決め手段として、
パレットの所定位置に位置決め孔を2箇所以上設け、下
型または上型の所定位置に位置決め孔に嵌合する位置決
めピンを設けても良い。あるいは、パレットの所定位置
に位置決めピンを2箇所以上設け、下型または上型の所
定位置に位置決めピンに嵌合する位置決め孔を設けても
良い。この場合、上型または下型の所定位置にパレット
を配置した後、下型の移動または上型の移動によってパ
レットの位置決めと同時にコイル素材の加工を行うこと
ができるため、高速加工が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1はパレットの平面図である。本発
明の対象となる電機子1は、例えばエンジンを始動する
スタータモータに用いられるもので、図3および図4に
示すように、回転軸2、電機子鉄心3、電機子コイル
(下層コイル導体4、上層コイル導体5)、及び円板状
絶縁体(第1の絶縁体である内側円板状絶縁体6と第2
の絶縁体である外側円板状絶縁体7)等より構成され
る。回転軸2は、図示しない軸受を介して回転自在に支
持されている。電機子鉄心3は、円板状のコアシートを
複数枚重ね合わせて回転軸2の外周に圧入状態で嵌め合
わされている。電機子鉄心3の外周部には、所定数(例
えば25個)のスロット3aが軸方向に沿って凹設され
ている。
【0010】電機子コイルは、電気抵抗の低い純銅また
は純アルミニウムを材料として形成された下層コイル導
体4と上層コイル導体5とから成り、それぞれスロット
3aの数と同数使用されている。なお、下層コイル導体
4及び上層コイル導体5の製造方法については後述す
る。下層コイル導体4は、直線状の下層コイル辺4a
と、この下層コイル辺4aの両端から下層コイル辺4a
に対して略直角方向に延設された一組の下層コイル端部
4bと、各下層コイル端部4bの先端から略直角に下層
コイル辺4aと反対方向へ突出する一組の下層コイル突
出部4cとから成る。但し、一組の下層コイル端部4b
は、互いに下層コイル辺4aを中心とする周方向の反対
側へそれぞれ所定角度傾斜している。この下層コイル導
体4は、図3に示すように、下層コイル辺4aを電機子
鉄心3のスロット3a内に挿入して電機子鉄心3に組み
付けられる。なお、スロット3a内に挿入される下層コ
イル辺4aは、例えば断面コの字状に成形された下層ス
ロット絶縁体8(図5参照)によって電機子鉄心3(ス
ロット3aの壁面)と絶縁されている。あるいは、下層
スロット絶縁体8を使用する代わりに、下層コイル辺4
aの外周面に絶縁テープ等を巻き付けてスロット3a内
に挿入しても良い。
【0011】上層コイル導体5は、下層コイル辺4aよ
り若干長く設けられた直線状の上層コイル辺5aと、こ
の上層コイル辺5aの両端から上層コイル辺5aに対し
て略直角方向に延設された一組の上層コイル端部5b
と、各上層コイル端部5bの先端から略直角に上層コイ
ル辺5aと反対方向へ突出する一組の上層コイル突出部
5cとから成る。但し、一組の上層コイル端部5bは、
互いに上層コイル辺5aを中心とする周方向の反対側へ
それぞれ所定角度傾斜している。また、一方(図3の右
側)の上層コイル端部5bは、その軸方向端面上をブラ
シ(図示しない)が摺動する整流子辺として形成されて
いる。この上層コイル導体5は、図3に示すように、上
層コイル辺5aをスロット3a内の下層コイル辺4aの
外側に挿入して電機子鉄心3に組み付けられる。なお、
スロット3a内に挿入される上層コイル辺5aは、例え
ば断面コの字状に成形された上層スロット絶縁体9(図
5参照)によって電機子鉄心3(スロット3aの壁面)
と絶縁されている。あるいは、上層スロット絶縁体9を
使用する代わりに、上層コイル辺5aの外周面に絶縁テ
ープ等を巻き付けてスロット3a内に挿入しても良い。
【0012】円板状絶縁体は、図4に示すように、電機
子鉄心3の軸方向端面と下層コイル端部4bとの間に介
在されて両者を絶縁する一組の内側円板状絶縁体6と、
下層コイル端部4bと上層コイル端部5bとの間に介在
されて両者を絶縁する一組の外側円板状絶縁体7とから
成る。内側円板状絶縁体6は、所定の厚みを有する例え
ば樹脂製の板材を円環状に打ち抜いて形成したもので、
中央部に回転軸2の外径に嵌合できる丸孔6aが空けら
れている。この内側円板状絶縁体6は、下層コイル導体
4を電機子鉄心3に組み付ける前に、軸方向から丸孔6
aに回転軸2を通して電機子鉄心3の端面外側に装着さ
れる。外側円板状絶縁体7は、内側円板状絶縁体6より
厚い例えば樹脂製の板材を円環状に打ち抜いて形成した
もので、中央部に下層コイル突出部4cの外径に嵌合で
きる丸孔7aが空けられている。この外側円板状絶縁体
7は、全ての下層コイル導体4を電機子鉄心3に組み付
けた後、軸方向から丸孔7aに各下層コイル突出部4c
を通して下層コイル端部4bの軸方向外側に装着され
る。
【0013】次に、電機子コイル(下層コイル導体4と
上層コイル導体5)の成形工程について、下層コイル導
体4を例として説明する。 A)下層コイル導体4に使用されるコイル素材を形成す
るまでの工程。 a)先ず、図6(a)に示すように、複数の下層コイル
導体4の展開体(コイル素材)を形成するのに必要な長
さを有する平角線10を準備する。この平角線10は、
丸線をローラ等により成形加工して形成しても良い。あ
るいは、平板から打ち抜き加工しても良い。 b)続いて、図6(b)に示すように、平角線10の長
手方向で所定の間隔毎に平角線10の断面積を減少させ
て軸細部10aを形成する。この場合、平角線10の外
周の一部をプレス加工による打ち抜き等の除去加工によ
って軸細部10aを形成することができる。あるいは、
平角線10の外周の一部をローラによって塑性変形させ
て軸細部10aを形成しても良い。 c)続いて、各軸細部10aの略中央部を切断して複数
のコイル素材11(図6(c)参照)に分割する。な
お、b)の工程とc)の工程を入れ換えても良い。即
ち、平角線10を複数のコイル素材11に切断した後、
その切断されたコイル素材11の両端部に軸細部10a
を形成する。
【0014】B)後述の製造装置によりコイル素材11
から最終形状の下層コイル導体4を形成するまでの成形
工程。 d)前記の工程(a〜c)で得られたコイル素材11の
下層コイル突出部4cに相当する部位を略90度屈曲す
る(図7(b)参照)。 e)続いて、下層コイル端部4bに相当する部位をコイ
ル素材11の同一平面上で所定角度θだけ傾ける(図7
(c)参照)。 f)続いて、下層コイル端部4bに相当する部位に対し
て下層コイル突出部4cに相当する部位を90度捻る
(図7(d)参照)。 g)続いて、下層コイル辺4aに相当する部位に対して
下層コイル端部4bに相当する部位を90度折り曲げ
て、図7(e)に示す最終形状まで成形する。
【0015】次に、製造装置について説明する。製造装
置は、上記の各成形工程(d〜g)でそれぞれ所定の成
形加工を行う複数の成形型12と、成形加工の際にコイ
ル素材11を保持し、且つ型の一部として使用されるパ
レット13とを備える。 (成形型12の構成)ここでは、上記d)の工程で使用
される成形型12を例として説明する。成形型12は、
図8及び図9に示すように、下プレート14に固定され
た下型15、上プレート16に固定された上型17、及
びパレット13を搭載するためのパレット受け18等よ
り構成される。
【0016】下プレート14と上プレート16は、複数
のガイドバー19により位置決めされ、そのガイドバー
19に沿って上プレート16が上型17と共に上下方向
に移動可能に設けられている。下型15は、二分割され
て下プレート14上に所定の間隔を隔てて配置され、そ
れぞれコイル素材11の端部を屈曲させるための成形凹
部15aが形成されている。上型17には、下型15の
成形凹部15aに対応する成形凸部17aが形成されて
いる。また、上型17には、2本の位置決めピン20と
パレット押さえ21が設けられている。位置決めピン2
0は、上型17に対するパレット13の位置決めを行う
もので、上型17の下方へ突出して設けられている。パ
レット押さえ21は、上型17が下降する際に、パレッ
ト受け18に搭載されているパレット13の上面を押さ
えるものである。パレット受け18は、二分割された一
方の下型15と他方の下型15との間に配されて、下プ
レート14に対しスプリング22で支持され、上下方向
に移動可能に設けられている。また、パレット受け18
には、パレット13の搭載位置を規制する規制手段(図
示しない)が設けられている。
【0017】(パレット13の構成)パレット13に
は、下層コイル導体4を成形加工する際に使用する下層
側パレット13と、上層コイル導体5を成形加工する際
に使用する上層側パレット(図示しない)とが準備され
ているが、ここでは下層側パレット13を例として説明
する。パレット13には、図1及び2に示すように、コ
イル素材11を把持(クランプ)するためのワーク受け
23とクランパー24とが組み付けられている。ワーク
受け23は、パレット13の長手方向の略中央部に、パ
レット13の横幅方向(図1(a)の上下方向)全体に
渡って組み込まれている。なお、パレット13の横幅、
即ちワーク受け23の長さは、電機子鉄心3の両端面間
の長さと一組の内側円板状絶縁体6の厚さとを加えた長
さと同一に設定されている。このワーク受け23には、
図1(b)に示すように、コイル素材11を受ける(コ
イル素材11をセットする)断面略L字状の凹部25が
パレット13の横幅方向に形成されている。凹部25の
深さは、コイル素材11の厚みと略同一に設定されてい
る。また、凹部25の底面両側に形成される角部25a
は、電機子鉄心3のスロット3aの底面と側面とで形成
される角部3b(図5参照)より曲率半径の大きいRが
付与されている。更に、凹部25の底面とワーク受け2
3の側面(図2の左右両側面)とで形成される角部25
b(図2参照)は、内側円板状絶縁体6の角部より曲率
半径の小さいRが付与されている。
【0018】クランパー24は、回転軸26によりパレ
ット13に回転自在に支持され、パレット13に組み込
まれたテーパピン27のテーパ部27aを介してスプリ
ング28の付勢力が伝達されることにより、ワーク受け
23の凹部25にセットされたコイル素材11を所定の
クランプ力でクランプすることができる。従って、テー
パピン27を押し込んでクランプ力を解消することでコ
イル素材11をアンクランプする(離す)ことができ
る。パレット13には、円形の位置決め孔29が2箇所
形成されている。この位置決め孔29は、図1(b)に
示すように、パレット13の高さ方向(図1(b)の上
下方向)に貫通して設けられ、前述の上型17に設けら
れた位置決めピン20と嵌合可能に設けられている。パ
レット13の横幅方向の両側面は、ワーク受け23の側
面と段差のない平面であり、且つワーク受け23の凹部
25の底面に対して略直角に形成されている(図2参
照)。また、ワーク受け23の凹部25の底面からパレ
ット13の底面までの高さが下層コイル端部4bの長さ
以上に設定されている。
【0019】次に、この製造装置の実施例を上記d)の
工程(コイル素材11から下層コイル突出部4cに相当
する部位を90度屈曲する工程)について説明する。先
ず、前述の工程(a〜c)で所定の長さに切断されたコ
イル素材11をパレット13に固定する。具体的には、
テーパピン27を押し込んだ状態でワーク受け23の凹
部25にコイル素材11の所定部位をセットし、その後
テーパピン27を離してクランパー24によりコイル素
材11をクランプする。なお、ワーク受け23の凹部2
5にセットするコイル素材11の所定部位とは、両側の
下層コイル端部4bに相当する部位の間である。言い換
えれば、下層コイル端部4b及び下層コイル突出部4c
に相当する部位がワーク受け23の凹部25より外側へ
出ている状態である。
【0020】続いて、パレット13を成形型12のパレ
ット受け18に搭載して成形加工を開始する。ここで
は、図示しないプレスマシン等により上プレート16を
下方へ加圧して、ガイドバー19に沿って上プレート1
6を下降させる。この上プレート16が下降すると、先
ず上型17に設けられた位置決めピン20がパレット1
3の位置決め孔29に嵌合することで、下型15及び上
型17に対するパレット13の位置決めが行われる。更
に、上プレート16が下降すると、パレット押さえ21
の下面がパレット13の上面およびコイル素材11の上
面に当接した後、スプリング22を圧縮させながらパレ
ット受け18と共にパレット13を下方へ押圧する。そ
の後、下型15の成形凹部15aにコイル素材11の端
部が当接し、下型15の成形凹部15aと上型17の成
形凸部17aにより下層コイル突出部4cに相当する部
位を90度屈曲する(図10参照)。
【0021】以上により上記d)の工程を終了し、次の
工程e)へ移行する。この時、パレット13は、コイル
素材11をクランプしたまま、工程d)で使用された成
形型12から工程e)で使用される成形型へ移動する。
なお、上記の工程では下層コイル導体4を例として説明
しているが、上層コイル導体5の場合も同様の工程を経
て成形される。但し、上層コイル導体5の成形工程で使
用される上層側パレットは、パレットの横幅、即ちワー
ク受けの長さが、電機子鉄心3の両端面間の長さと一組
の内側円板状絶縁体6の厚さと一組の下層コイル端部4
bの厚さと一組の外側円板状絶縁体7の厚さとを加えた
長さと同一に設定されている。また、ワーク受けに設け
られた凹部の底面とワーク受けの側面とで形成される角
部は、外側円板状絶縁体7の角部より曲率半径の小さい
Rが付与されている。更に、ワーク受けの凹部の底面か
らパレットの底面までの高さが上層コイル端部の長さ以
上に設定されている。
【0022】(本実施例の効果)本実施例では、パレッ
ト13にコイル素材11の所定部位を保持したまま複数
の成形型12にて順次所定の成形加工を行うことができ
る。この方法によれば、コイル素材11をパレット13
から外すことなく最終形状の下層コイル導体4及び上層
コイル導体5まで加工できる。また、上型17に設けた
位置決めピン20とパレット13に設けた位置決め孔2
9とを嵌合させることで上型17および下型15に対す
るパレット13の位置決めを行うことができる。この場
合、上型17の下降によってパレット13の位置決めと
コイル素材11の加工とを連続して行うことができる。
これらの結果、高速加工が可能となり、生産効率を大幅
に向上できる。
【0023】本実施例の下層側パレット13は、ワーク
受け23の凹部25の底面両側に形成される角部25a
がR形状であり、そのRは、電機子鉄心3のスロット3
aの底面と側面とで形成される角部3bのRより曲率半
径が大きいため、所定の成形工程を経て製造された下層
コイル導体4を電機子鉄心3に組付ける時、つまり下層
コイル辺4aをスロット3a内へ挿入する際に、下層コ
イル辺4aの角部がスロット3aの角部に当たることが
ないため、下層コイル辺4aとスロット3aとの間に介
在される下層スロット絶縁体8が破損することを防止で
きる。なお、下層スロット絶縁体8を使用する代わり
に、電機子鉄心3に粉体等の絶縁被膜を塗布する場合で
も、同様に絶縁被膜の破損を防止できる。また、上層側
パレットにおいても、ワーク受けの凹部の底面両側に形
成される角部をR形状とすることにより、上層コイル辺
5aの角部をR形状に成形できるため、上層コイル辺5
aをスロット3a内へ挿入する際に、上層スロット絶縁
体9あるいは絶縁被膜の破損を防止できる。
【0024】更に、下層側パレット13において、ワー
ク受け23の凹部25の底面とワーク受け23の側面と
で形成される角部25b(コイル素材11の下層コイル
端部4bに相当する部位を折り曲げる際の支点となる角
部)は、内側円板状絶縁体6の角部より曲率半径の小さ
いRが付与されているため、下層コイル辺4aと下層コ
イル端部4bとの角部(折り曲げ部)を内側円板状絶縁
体6の角部より曲率半径の小さいRで形成できる。これ
により、下層コイル導体4を電機子鉄心3に組み付けた
時に下層コイル導体4の角部(折り曲げ部)が内側円板
状絶縁体6の角部に当たることがないため、内側円板状
絶縁体6の割れや欠け等を防止できる。上層側パレット
においても同様に、コイル素材11の上層コイル端部5
bに相当する部位を折り曲げる際の支点となる角部を、
外側円板状絶縁体7の角部より曲率半径の小さいRとす
ることにより、上層コイル導体5を電機子鉄心3に組み
付けた時に上層コイル導体5の角部(折り曲げ部)が外
側円板状絶縁体7の角部に当たることがないため、外側
円板状絶縁体7の割れや欠け等を防止できる。
【0025】上記実施例では、製造装置の実施例として
コイル素材11の端部(下層コイル突出部4cに相当す
る部位)を90度屈曲させる工程について説明している
が、下層コイル端部4bに相当する部位を90度屈曲さ
せる工程では、パレット13の角部(凹部25の底面と
ワーク受け23の側面とで形成される角部25b)を支
点として屈曲させることができ、更に屈曲させた部位の
内側面をパレット13の側面に当接させることにより、
屈曲部の位置精度および折り曲げ角度(略直角)が良好
となる。なお、上記実施例では、成形型12に対するパ
レット13の位置決め手段として、上型17に位置決め
ピン20を設け、パレット13に位置決め孔29を形成
しているが、その逆でも良い。つまり上型17に位置決
め孔29を形成し、パレット13に位置決めピン20を
設けても良い。また、位置決め孔29は、必ずしもパレ
ット13を貫通して形成する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はパレットの平面図、(b)は(a)に
示すパレットのA−A断面図である。
【図2】パレットのB−B断面図である。
【図3】電機子の半断面図である。
【図4】電機子の分解斜視図である。
【図5】図3のC−C断面図である。
【図6】コイル素材を形成する工程図である。
【図7】下層コイル導体を成形する工程図である。
【図8】製造装置の正面図である。
【図9】製造装置の側面図である。
【図10】製造装置の作動状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 電機子 3 電機子鉄心 3a スロット 4 下層コイル導体(電機子コイル) 4a 下層コイル辺 4b 下層コイル端部 5 上層コイル導体(電機子コイル) 5a 上層コイル辺 5b 上層コイル端部 6 内側円板状絶縁体(第1の絶縁体) 7 外側円板状絶縁体(第2の絶縁体) 11 コイル素材 12 成形型 13 パレット 15 下型 17 上型 20 位置決めピン 25 凹部(溝部) 29 位置決め孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周に所定数のスロットを有する電機子鉄
    心と、 下層コイル辺とこの下層コイル辺の両端から略直角に延
    びる一組の下層コイル端部とを有し、前記下層コイル辺
    を前記スロット内に挿入して前記電機子鉄心に組み付け
    られる所定数の下層コイル導体と、 上層コイル辺とこの上層コイル辺の両端から略直角に延
    びる一組の上層コイル端部とを有し、前記上層コイル辺
    を前記下層コイル辺の後から前記スロット内に挿入して
    前記電機子鉄心に組み付けられる所定数の上層コイル導
    体とを備えた回転電機の電機子において、 前記下層コイル導体または前記上層コイル導体を製造す
    るために必要な所定の長さを有する平角線のコイル素材
    を準備し、複数の成形工程を経て前記コイル素材から前
    記下層コイル導体または前記上層コイル導体を製造する
    製造方法であって、 前記複数の成形工程でそれぞれ使用される複数の成形型
    と、 この複数の成形型とそれぞれ位置決め可能に設けられ、
    前記成形型にて前記コイル素材の成形加工を行う際に、
    前記コイル素材の所定部位を保持するパレットとを備
    え、 このパレットに前記コイル素材の所定部位を保持したま
    ま前記複数の成形型にて順次所定の成形加工を行うこと
    を特徴とする電機子コイルの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した電機子コイルの製造方
    法に用いる製造装置であって、 前記パレットは、前記下層コイル導体を成形加工する際
    に使用する下層側パレットと、前記上層コイル導体を成
    形加工する際に使用する上層側パレットとを有し、 前記下層側パレットは、その横幅寸法が前記電機子鉄心
    の両端面間の長さと前記電機子鉄心の端面と前記下層コ
    イル端部との間に介在されて両者を絶縁する一組の第1
    の絶縁体の厚さを加えた長さと同一に設けられて、前記
    コイル素材の所定部位を受け入れるスロット形状の溝部
    が前記下層側パレットの横幅全体に設けられ、且つ横幅
    方向の両側面が前記溝部の底面と略直角に形成されると
    ともに、その溝部の底面からパレット底面までの高さが
    前記下層コイル端部の長さ以上に設けられ、 前記上層側パレットは、その横幅寸法が前記電機子鉄心
    の両端面間の長さと前記一組の第1の絶縁体の厚さと前
    記一組の下層コイル端部の厚さと前記下層コイル端部と
    前記上層コイル端部との間に介在されて両者を絶縁する
    一組の第2の絶縁体の厚さとを加えた長さと同一に設け
    られて、前記コイル素材の所定部位を受け入れるスロッ
    ト形状の溝部が前記上層側パレットの横幅全体に設けら
    れ、且つ横幅方向の両側面が前記溝部の底面と略直角に
    形成されるとともに、その溝部の底面からパレット底面
    までの高さが前記上層コイル端部の長さ以上に設けられ
    ていることを特徴とする電機子コイルの製造装置。
  3. 【請求項3】前記下層側パレットは、 前記コイル素材の前記下層コイル端部に相当する部位を
    折り曲げる際の支点となる角部が、前記第1の絶縁体の
    角部より曲率半径の小さいRが付与され、 前記上層側パレットは、 前記コイル素材の前記上層コイル端部に相当する部位を
    折り曲げる際の支点となる角部が、前記第2の絶縁体の
    角部より曲率半径の小さいRが付与されていることを特
    徴とする請求項2に記載した電機子コイルの製造装置。
  4. 【請求項4】前記下層側パレットは、前記溝部の底面と
    側面とで形成される角部が、前記電機子鉄心のスロット
    の底面と側面とで形成される角部より曲率半径の大きい
    Rが付与されていることを特徴とする請求項2または3
    に記載した電機子コイルの製造装置。
  5. 【請求項5】前記成形型は、上下方向に相対移動可能な
    上型と下型とを有し、 その上型または下型の所定位置に前記パレットを配置し
    た後、そのパレットと前記下型または上型との位置決め
    を行う位置決め手段として、 前記パレットの所定位置に位置決め孔または位置決めピ
    ンを2箇所以上設け、前記下型または上型の所定位置に
    前記位置決め孔または位置決めピンに嵌合する位置決め
    ピンまたは位置決め孔を設けたことを特徴とする請求項
    2〜4に記載した何れかの電機子コイルの製造装置。
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