JPH11235820A - 記録ヘッド - Google Patents

記録ヘッド

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JPH11235820A
JPH11235820A JP3914598A JP3914598A JPH11235820A JP H11235820 A JPH11235820 A JP H11235820A JP 3914598 A JP3914598 A JP 3914598A JP 3914598 A JP3914598 A JP 3914598A JP H11235820 A JPH11235820 A JP H11235820A
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JP
Japan
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ink
oil film
film material
recording head
ink chamber
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Pending
Application number
JP3914598A
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English (en)
Inventor
Yasushi Suwabe
恭史 諏訪部
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルを用いずに微小なインク滴を吐出可能
とし、高解像度の画像を記録できる記録ヘッドを得る。 【解決手段】 画像信号に基づいて信号発生手段32か
らの入力信号が振動発生手段24に入力されると、圧電
振動子26が振動し、弾性部材34の先端部34Bの近
傍が曲げ振動する。これにより、弾性部材34の先端部
34Bの近傍にキャピラリ波が発生し、連続して一滴ず
つ微小なインク滴が飛翔する。プレート16には油膜材
料含浸部材40が設けられており、油膜材料含浸部材4
0からしみ出した油膜材料によって、油膜42が形成さ
れている。この油膜42により、インク室18内のイン
ク20からの水分の蒸発が阻止され、インク20が乾燥
しない。蒸発したインク20の残滓が弾性部材34やイ
ンク室壁14及びプレート16等に付着することもな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を飛翔さ
せ記録媒体の所定の位置に着弾させることによって画像
を記録する記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】被印字面に液滴、特にインク滴を吐出し
て印字を行うインクジェット記録方式の代表的なものと
して、ノズルを用いる方式があり、そのノズル式の記録
方式として、従来、オンデマンド型と連続流型とが知ら
れている。
【0003】オンデマンド型は、記録情報に対応してノ
ズルから間欠的にインクを吐出させて印字を行う方式で
あり、代表的なものとしてピエゾ振動子型とサーマル型
とがある。ピエゾ振動子型は、インク室に付設した圧電
素子にパルス電圧を印加して圧電素子を変形させること
によりインク室内のインク液圧を変化させ、ノズルから
インク滴を吐出させて記録紙上にドットを記録するもの
である。サーマル型は、インク室内に設けた加熱素子に
よりインクを加熱し、これにより発生したバブルにより
ノズルからインク滴を吐出させて、記録紙上にドットを
記録するものである。
【0004】一方、連続流型は、インクに圧力を加えて
ノズルから連続的にインクを吐出させると同時に、ピエ
ゾ振動子などにより振動を加えて突出インク柱を液滴化
し、さらに液滴に対して選択的に帯電、偏向を行うこと
によって記録を行うものである。
【0005】これらの各方式はいずれも、インク滴の径
が主としてノズルの径によって決まる。そして、ノズル
径を小さくすると、ゴミやチリによるノズル詰まりや、
ノズル円周部へのインク残滓の付着によるインク吐出方
向の変化を生じるといった問題が発生する。
【0006】これに対して、ノズルを用いないで、被印
字面にインク滴を吐出して印字を行う記録方式がいくつ
か提案されている。例えば、米国特許第4308547
号明細書に示されているように、凹状にカーブした球面
形状の圧電体シェルをインク中に配置し、この圧電体シ
ェルに電極を介して電圧を印加する記録方式がある。こ
の方式では、圧電体シェルからインク中に放射された縦
波がインク自由表面の一点に集められ、インク自由表面
からインク滴が吐出される。
【0007】また、特公平6−45233号公報に示さ
れているように、ガラスなどの基板上に球面状の凹部を
設けてこれを音響レンズとし、基板の裏面に圧電体、お
よびこれに電圧を印加するための電極からなる振動子を
形成して、この振動子をインク中に配置する記録方式も
ある。
【0008】さらに、特開平3−200199号公報に
は、より安価で、よりシャープに焦点を合わせられるレ
ンズとして、凹状レンズの代わりに薄膜平板状の位相フ
レネルレンズを基板上に設けた記録方式が示されてい
る。
【0009】上述における、縦波をインク自由表面に集
束させてインク自由表面からインク滴を吐出させる方式
では、インク滴の径は縦波の集束径にほぼ等しく、その
集束径dは、振動子の駆動周波数をf、レンズのF値を
Fとすると、d〜F/fとなる。なお、インク中を伝搬
する縦波の波長をλ、その伝搬速度をvとすると、これ
らと振動子の駆動周波数fとの間には、v=f・λの関
係がある。
【0010】したがって、例えば、インク滴の径(集束
径)dが15μm程度の非常に小さなインク滴を吐出さ
せようとする場合には、レンズのF値を1とすると、従
来の低粘度・水性インク中の縦波の伝搬速度vは、ほぼ
1500m/秒であるので、振動子の駆動周波数fを約
100MHzというような非常に高い周波数にしなけれ
ばならない。レンズのF値は、種々の問題から著しく小
さくすることは実際上困難であるため、インク滴の径d
をより小さくしようとすると、一般にはより高い周波数
で振動子を駆動させなければならないことになる。
【0011】このように、縦波をインク自由表面に集束
させてインク自由表面からインク滴を吐出させる方式で
は、100MHz前後の高い周波数で複数の振動子を駆
動しなければならないため、一般に駆動手段が高価にな
るというコスト上の問題を生じるとともに、吸収による
発熱によりインク粘度が変化してインク滴の径が変動し
たり、記録素子内でインク自体の乾燥や固化を生じてイ
ンクを吐出できなくなることがあるという重大な問題を
生じる。
【0012】上記以外の従来技術として、特開平6−3
40070号公報において、新規なオンデマンド型の記
録方式が開示されている。これは、片持ち梁構造の梁を
曲げ振動で共振させて、梁の先端に十分な振幅を発生さ
せ、インクを飛翔させるものであり、比較的低い励振周
波数および低い電圧でインクを吐出できる可能性を有す
る記録方式である。しかしながらこの記録方式は、梁先
端に設けられたノズルを介してインク滴を形成する機構
を用いており、前述したノズル式の各種記録方式と同
様、インク滴の径はノズル径で決定される。従って、ノ
ズル径を小さくすると、ノズル詰まりやノズル円周部へ
のインク残滓の付着によるインク吐出方向の変化を生じ
るといった課題を有している。この特開平6−3400
70号公報に開示された技術は、従来方式に比べノズル
詰まりの問題が生じる可能性を少なくすることを解決す
べき技術的課題の一つとしているが、インク滴の径がノ
ズル径で決まる以上、根本的な解決とはなり得ない。
【0013】さらに別の従来技術として、インクジェッ
ト記録方式ではないものの、振動エネルギーを作用させ
て液体を微粒子化する方法が、特開平3−154665
号公報に記載されている。この方法は霧化装置に適用す
べくなされたものであって、圧電磁器を含む振動子と、
振動子に固着され片持ち梁の形で曲げ振動する振動部か
らなり、振動部の一部を液体に漬けて、超音波の放射に
より霧状の液滴を発生させるものである。しかしながら
この霧化装置に用いられている技術では、ノズルを用い
ずに微小径のインク滴を生成することができるものの、
時間的、空間的に制御されていない多数のインク滴が生
成されてしまうので、記録媒体の所定位置に正確にイン
ク滴を着弾させる必要があるインクジェット記録装置に
は応用し得ない。
【0014】このように、近年益々記録媒体に対する高
解像度の画像記録が求められているが、従来のいずれの
記録方式、あるいは霧化装置等の他の分野における技術
を用いても、これらの要望に応えることが難しい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事実を
考慮し、ノズルを用いずに微小なインク滴を吐出可能と
し、高解像度の画像を記録できる記録ヘッドを提供する
ことを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、画像信号に対応して振動を発生させる振動発生手段
と、インクが貯留されるインク室と、前記インク室に配
置され前記振動発生手段の励振に応じて曲げ振動する弾
性部材と、を備え、曲げ振動する前記弾性部材の表面に
形成されたインク薄膜からインク滴を飛翔させて記録媒
体にこのインク滴を付着させる記録ヘッドであって、前
記インク室内に貯留されたインクの表面に油膜材料を供
給する油膜材料供給手段を有することを特徴とする。
【0017】従って、画像信号に対応して振動発生手段
が振動を発生させると、この励振に応じて弾性部材が曲
げ振動する。弾性部材はインク室に配置されており、曲
げ振動により弾性部材の表面に形成されたインク薄膜か
らインク滴が飛翔して、記録体上にドットを記録する。
【0018】このように、ノズルを用いることなく微小
なインク滴を吐出できるので、ノズル詰まりによるイン
クの吐出不良や、ノズル周辺部へのインクの付着等によ
るインク滴吐出方向の変化等が生じることがなく、常に
高解像度の画像を正確に記録することができる。
【0019】インク室内のインク表面には、油膜材料供
給手段によって油膜材料が供給されており、インク表面
に油膜が形成される。この油膜によって、インクの蒸発
が防止されるため、蒸発に起因するインクの粘度上昇
や、固形物の析出、付着による吐出不良が生じるという
ことがない。さらに、インクの蒸発による無駄な消費を
防止でき、インク消費量をインク滴の吐出に必要な最小
限の量とすることが可能となる。インクの水分が蒸発し
て濃度が変化してしまうこともない。
【0020】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、前記イン
ク室に貯留された前記インクの表面に接触する位置に配
置されていることを特徴とする。
【0021】すなわち、常に油膜材料供給手段がインク
室内のインクの表面に接触しているので、油膜材料供給
手段から供給された油膜材料は、空気中やインク中を経
ることなくインク室内のインクの表面に速やかに到達
し、油膜が形成される。また、油膜材料が、インクの表
面以外の部分(例えばインク室を構成する室壁等)に付
着してしまうことがないので、油膜材料供給手段から供
給された油膜材料を無駄にすることなく、インク室内の
インクの表面に油膜を形成することができる。
【0022】また、油膜材料供給手段は、常にインク室
内のインクの表面に接触することで、このインクのメニ
スカスを保持することも可能となる。
【0023】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、内部に前
記油膜材料を含浸可能な油膜材料含浸部材で構成されて
いることを特徴とする。
【0024】従って、インク室内のインクの表面に形成
された油膜の膜厚が薄くなると、インクの表面張力によ
って油膜材料含浸部材から油膜材料が引き出され、イン
ク室のインクの表面にしみ出る。このように、油膜材料
の供給にインクの表面張力を利用することにより、常に
適量の油膜材料を供給して、油膜の膜厚を一定に維持す
ることができる。
【0025】また、油膜材料の供給にインクの表面張力
を利用しているので、油膜材料供給手段から油膜材料を
積極的に供給するための供給装置(例えばポンプ等)を
設ける必要がなくなり構造が簡単になる。さらに、供給
装置を不要としたことで、電源のオンオフに関わらず油
膜の膜厚を一定に維持することができる。
【0026】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、前記イン
ク室に貯留された前記インクに接触すると共にこのイン
クの表面からは離間した位置に配置されていることを特
徴とする。
【0027】このため、油膜材料供給手段とインク室と
の間(特に、インク室のうちでも油膜材料供給手段と連
通した部分)に圧力差を発生させることで、油膜材料を
供給することができるので、任意の場所に油膜材料供給
手段を設けることができる。圧力差は、体積ポンプや圧
電素子等の圧力差発生手段によって発生させることがで
きる。
【0028】また、油膜材料がインクの飛翔に伴って消
費されることを考慮し、インク消費量から油膜材料の消
費量をカウントして、このカウント値に基づいて、上記
した圧力差発生手段を駆動させ、油膜材料を供給するこ
とができる。これにより、インク消費量に応じた油膜材
料の供給が可能となる。例えば、使用頻度や使用環境に
よってインク消費量が異なる場合でも、これに対応して
適切な量の油膜材料を供給できる。
【0029】請求項5に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、前記イン
ク室に貯留された前記インクから離間した位置に配置さ
れていることを特徴とする。
【0030】従って、油膜材料はインク中を移動するこ
となく、インク室のインクの表面に直接達するので、油
膜の形成を速やかに行うことができる。
【0031】なお、このように油膜材料をインク室のイ
ンクの表面に直接供給するためには、例えば、油膜材料
供給手段をインク室の真上に配置し、重力によって油膜
材料を滴下してもよいが、スプレー等を使用して、油膜
材料に鉛直下方の速度成分を予め持たせるようにして滴
下すれば、より速やかに油膜材料を供給して、油膜を形
成をすることができる。さらに、スプレー等により油膜
材料を霧状にして供給してもよく、この場合には、広い
範囲に速やかに油膜材料を供給できる。
【0032】また、必ずしも油膜材料供給手段はインク
室の真上に配置されている必要はない。油膜材料供給手
段がインク室の真上に配置されていなくても、滴下され
た油膜材料がインク室のインクの表面に達するように、
油膜材料に所定の水平方向の速度成分を持たせて滴下す
ればよい。
【0033】さらに、油膜材料供給手段がインク室に貯
留されたインクから離間しているので、油膜材料供給手
段とインク室とを相対移動させることが可能となる。こ
のように相対移動させることで、油膜を形成する領域が
広い場合でも、少ない数の油膜材料供給手段でこの領域
に満遍なく油膜材料を供給するこができる。また、油膜
材料供給手段の数が少なくなるので、取り付け位置等の
レイアウトの自由度が高くなる。
【0034】また、請求項4に記載の発明と同様に、イ
ンク消費量から油膜材料の消費量をカウントして、この
カウント値に基づいて油膜材料を供給することができ
る。これにより、インク消費量に応じた油膜材料の供給
が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1及び図2には、本発明の第1
の実施の形態に係る記録ヘッド10の概略的構成が示さ
れている。
【0036】記録ヘッド10は、長尺平板状に形成され
た基板12と、この基板12の幅方向(図1左右方向)
両端近傍から上方に垂直に立設された一対のインク室壁
14及び、インク室壁14の上端辺に固定されたプレー
ト16、で囲まれたインク室18を有している。このイ
ンク室18に、所定量のインク20が貯留されている。
インク20の表面はプレート16に接しており、プレー
ト16はインク20のメニスカスを保持するメニスカス
保持手段として機能している。
【0037】インク室壁14のうち、一方(図1及び図
2において左側)のインク室壁14の下端にはインク供
給路22が形成されており、図示しないインクタンクか
らインク室18内にインク20が供給されるようになっ
ている。
【0038】基板12の上面には、この基板12の長手
方向に沿って所定間隔で、複数の振動発生手段24が固
着されている。図1に詳細に示すように、振動発生手段
24は、一定厚の板状に形成された圧電振動子26と、
この圧電振動子26の上面及び下面に熱圧着などにより
貼着された電極28、30と、で構成されている。電極
28、30には信号発生手段32が接続されており、こ
の信号発生手段32から、画像信号に対応した交番電圧
が入力されるようになっている。これにより、電極2
8、30の間に交番電界が印加されて、振動発生手段2
4の圧電振動子26が振動する。
【0039】なお、振動発生手段24としては、信号発
生手段32から入力された電気信号に応じて振動を発生
するものであれば良く、圧電材料、磁歪材料、機械式ア
クチュエータ、静電気力を応用したアクチュエータ等を
適用可能である。中でも圧電材料は、インクジェットプ
リンタの機能材料としても広く使われており、高度な製
造技術が確立しているので最適である。
【0040】圧電材料としては、水晶、チタン酸ジルコ
ン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウムBaTiO3 、ニ
オブ酸鉛PbNb2 6 、ビスマスゲルマネイトBi12
GeO20、ニオブ酸リチウムLiNbO3 、タンタル酸
リチウムLiTaO3 などの多結晶体や単結晶体、また
はZnOやAlNなどの圧電薄膜、またはポリ尿素、P
VDF(ポリフッ化ビニリデン)やPVDFの共重合体
などの圧電性高分子、またはPZTなどの無機圧電物質
と圧電性高分子との複合体などを用いることができる。
【0041】振動発生手段24の上面には、弾性部材3
4が立設されている。弾性部材34は、記録ヘッド10
の幅方向(図1左右方向)に所定の厚みを有し、側面視
にて長方形の板状に形成されている。また、基端部34
Aが振動発生手段24に固着され、先端部34Bが自由
端となった、いわゆる片持ち梁状とされている。弾性部
材34の高さは、インク室18に貯留されたインク20
の表面が表面張力やインク20と弾性部材34の表面と
の親和性(ぬれ)及びインク20に作用する重力などに
より弾性部材34の上端近傍に接触するように、所定の
高さとされている。
【0042】なお、振動発生手段24や弾性部材34を
インク20などとの干渉による変質、腐食、異物付着等
から保護する目的で、PTFE等の薄膜36で振動発生
手段24、弾性部材34の表面を被覆することは効果的
である。
【0043】電極28、30間に交番電界が印加されて
振動発生手段24の圧電振動子26が振動すると、この
振動により、弾性部材34が共振周波数で励振されて、
曲げ振動する(図1及び図3矢印A方向)。特に、弾性
部材34の先端部34Bの近傍は大きな振幅で曲げ振動
するため、弾性部材34の板厚方向両側に構成されたイ
ンク20の薄膜からインク滴46が吐出し、記録媒体で
ある記録用紙に向かって飛翔する。
【0044】弾性部材34としては、振動発生手段24
の振動を曲げ振動に変換可能で、先端部34Bの近傍に
インク滴の吐出に十分な振幅を発生可能な部材であれ
ば、その材質、形状等は特に限定されないが、加工性や
価格等の面から、ステンレス、ニッケル等の金属材料が
好適である。さらには、ポリイミド樹脂、PET、エポ
キシ樹脂、シアノアクリレート樹脂等の高分子材料を用
いることもできる。
【0045】プレート16には、弾性部材34に対応し
た位置に、円形の孔38が形成されている。孔38が形
成されていることによって、弾性部材34の上端近傍は
プレート16に当たることなく、プレート16よりも上
方に突出している。
【0046】孔38の内縁には、油膜材料供給手段とし
て、環状に形成された油膜材料含浸部材40が配置され
ている。油膜材料含浸部材40は、プレート16と同様
にインク20の表面に接触して、インク20のメニスカ
スを保持するメニスカス保持手段として機能している。
【0047】油膜材料含浸部材40は内部に油膜材料を
含浸しており、油膜材料含浸部材40からしみ出した油
膜材料がインク20の表面に油膜42を形成する。この
ように、インク20の表面に油膜42が形成されるの
で、インク20中の水分の蒸発を阻止することができ、
インク20が乾燥しづらく、インク20の濃度が変化し
ない。また、蒸発によるインク20の残滓が弾性部材3
4、インク室壁14及びプレート16等に付着しない。
【0048】油膜材料含浸部材40としては、内部に油
膜材料を含浸できる材料か、内部に油膜材料を保持する
空隙を有する材料などを適宜選択できる。例えば、布、
紙、天然ゴム、高分子材料などに油膜材料を含浸させた
ものでも良く、あるいは、金属、セラミックなどの無機
材料や、天然ゴム、合成樹脂などの有機材料に、油膜材
料を保持できる空隙を多数持たせたいわゆる多孔質材料
で構成しても良い。さらに、これらの多孔質材料を親油
処理をして、油膜材料を浸透、保持しやすくすることも
有効である。
【0049】油膜材料としては、インク20の表面に油
膜を形成できる材料であれば適宜選択可能である。イン
ク20の表面に油膜を形成できる条件として、インク2
0と空気の界面の張力(インク20の表面張力)γi 、
油膜と空気の界面の張力(インク20の表面張力)γo
、インク20と油膜の界面張力γioとしたときに、γi
>γo +γioの関係を満たすようにする必要がある。
このように、表面張力を利用して油膜材料含浸部材40
から油膜材料が引き出され、油膜42が形成されるよう
にしたので、インク20の表面に積極的に油膜材料を供
給する手段(例えばポンプ等)が不要となる。
【0050】さらに、油膜材料は、油膜42として機能
するために、インク20に溶解しないこと、インク20
と自発的に乳化しないこと、比較的沸点が高く常温で液
体であることが好ましい。また、インク20の表面が重
力の方向に対して上側に位置する場合には、インク20
より油膜材料の比重が小さいこと、逆に、インク20の
表面が重力の方向に対して下側に位置する場合には、イ
ンク20より油膜材料の比重が大きいことが必要であ
る。水性のインクを用いる場合の油膜材料としては、炭
化水素、高級脂肪酸、不水溶性のアルコール類、植物
油、シリコンオイルなどを用いることができる。これら
は、単独でも、あるいは混合して用いても構わない。
【0051】次に、本実施の形態に係る記録ヘッド10
の動作及び作用を説明する。先ず、図3に示すように、
インク滴46を飛翔させてドットを記録する場合につい
て説明する。すなわち、入力された画像情報に基づいて
一画素ずつ画像信号が信号発生手段32に入力される
と、その画像信号に基づいて振動発生手段24の駆動信
号が発生される。
【0052】振動発生手段24は、基板12の剛性や、
圧電振動子26の厚さ、圧電特性、および弾性部材34
の大きさや剛性などから決まる固有の共振周波数f0
有する。そのため、信号発生手段32から振動発生手段
24に、f0 と同じ、またはその整数倍の周波数fの電
圧を印加して駆動すると、効率よく弾性部材34を振動
させることができる。もちろん、駆動周波数はこれに限
られず、弾性部材34を所望の振動数で曲げ振動させる
ことができれば、いかなる周波数でもよい。また、この
駆動信号の波形は、図4(A)に示すような弾性部材3
4の励振周波数に等しい連続した交流電圧や、図4
(B)に示すような連続するパルス電圧を用いることが
できる。さらに、図4(C)に示すような励振周期を1
周期とする波形が少なくとも1つ以上連なった波形信号
を1画素分として、断続的に連ねたバースト波でもよ
い。但し、この場合一つ一つの波形は矩形波に限らず、
サイン波や三角波でも良い。特に、バースト波を用いる
ことにより、共振周波数f0 のバースト波を振動発生手
段24に短時間だけ印加して、弾性部材34を振動させ
ることができる。また、バースト波によって、微小なイ
ンク滴46を吐出させることが可能となる。これに対
し、交番電圧を連続して印加した場合には、比較的大き
な連続したインク滴が吐出され続ける。
【0053】なお、インク滴46を吐出させるエネルギ
ーは、振動発生手段24の励振周期を1周期とする波形
の数(バースト数という)と印加電圧で決まる。バース
ト数を増やせば、比較的低電圧でインク滴46を吐出さ
せることが可能であり、一方、バースト数を減らせば、
インク滴46の吐出に必要な電圧は若干高くなるもの
の、より飛翔速度の早いインク滴46の吐出が可能とな
る。
【0054】このような所定の波形の駆動信号が信号発
生手段32から振動発生手段24に印加され、圧電振動
子26が振動することにより、弾性部材34が共振して
基端部34Aを中心にして矢印A方向に曲げ振動を行
う。図3に示すように、インク20の表面張力、インク
20と弾性部材34の表面との親和性(ぬれ)及びイン
ク20に作用する重力等により、弾性部材34の先端部
34Bの近傍には、振動方向(矢印A方向)に所定の液
厚(数μm〜数百μm)を有するインク20の薄膜が形
成される。そして、弾性部材34の曲げ振動により、こ
の薄膜部分にキャピラリ波が発生する。
【0055】図5に示すように、ある時間tにおいて、
インク20の表面には、弾性部材34の曲げ振動方向
(矢印A方向)に垂直な面の幅(矢印B方向の幅)Wに
対して波長λがW=2λとなるようなキャピラリ波44
が2山発生している。微小時間Δt経過後の時間t+Δ
tにおいて、図6に示すように、2山のキャピラリ波4
4の間から1山のインク隆起部が形成され、これが分離
して1インク滴が飛翔する。
【0056】信号発生手段32から振動発生手段24へ
繰り返し駆動信号を印加することで、弾性部材34から
駆動信号に対応して一滴ずつインク滴46が飛翔する。
【0057】このように、一滴ずつインク滴46を安定
的に飛翔させるためには、弾性部材34の先端部34B
の近傍において、弾性部材34の曲げ振動方向に対して
垂直な面(振動面34C)における幅をWとし、次式で
算出される値をλとしたときに、先端部34Bの近傍の
少なくとも一部の幅Wがほぼ2λとなるようにすること
が望ましい。
【0058】 λ=〔8πσ/(ρfe 2 )〕1/3 ×104 (μm) ・・・式(1) ここで、σは、インク表面張力(mN/m) ρは、インク密度(g/cm3 ) fe は、励振周波数(Hz) 上記式(1)は、一般の参考書、例えば、千葉近著『超
音波噴霧』(山海堂)第7章第2節に、キャピラリ波の
波長を与える式として記載されているものである。
【0059】幅Wは、2λの値にできるかぎり近い方が
良く、1.2λ〜2.4λの範囲にするのが好ましい。
このようにして生成された微小インク滴は、信号発生手
段32から振動発生手段24に入力された適切な波形の
入力信号により、弾性部材34の振動面34Cに垂直な
方向に安定して飛翔する。
【0060】なお、弾性部材34の先端部34Bの近傍
において、幅Wが1λ以下であるとキャピラリ波が発生
しにくくなり、信号発生手段32の励振電圧を大きくす
るか、バースト数を増やすかしないとインク滴が飛翔し
ない。たとえインク滴が飛翔しても、安定して飛翔しに
くい。
【0061】一方、弾性部材34の先端部34Bの近傍
において、幅Wが3λ以上である場合もキャピラリ波は
発生しにくい。この場合には上述と同様に、信号発生手
段32の励振電圧を大きくするか、バースト数を増やす
ことによってキャピラリ波を発生させることができる
が、その場合にはキャピラリ波が3山以上生成され、複
数のインク滴が一度に飛翔することになり、一滴ずつ飛
翔させることができない。
【0062】インク室18内に貯留されたインク20の
表面には、油膜材料含浸部材40からしみ出した油膜材
料によって、油膜42が形成されている。従って、弾性
部材34の振動により発生したインク滴46は、表面に
微量の油膜を保持したまま記録媒体へと飛翔する。イン
ク滴46の油膜成分は記録媒体へ浸透するとともに、イ
ンク滴46中の水分は蒸発し、インク滴46中の色材は
記録媒体表面に保持されて画像を形成する。
【0063】インク滴46の飛翔により、インク室18
内のインク20は消費されるが、図示しないインクタン
クからインクがインク供給路22を経て供給されるの
で、インク室18内には常に所定量のインク20が貯留
される。
【0064】また、インク滴46の飛翔に伴い、油膜4
2を構成する油膜材料も消費される。しかし、インク2
0の表面張力γi 、インク20の表面張力γo 、インク
20と油膜の界面張力γioとの間に、γi >γo +γio
の関係が満たされるように油膜材料を選択しているの
で、油膜42の膜厚が薄くなった場合には、表面張力を
利用して油膜材料含浸部材40から油膜材料が適量(通
常はごく微量)しみ出し、常に一定厚(数μm〜十数μ
m)の油膜42が形成される。このため、インク室18
内のインク20からの水分の蒸発が阻止され、インク2
0が乾燥することがなく、また、蒸発によるインク20
の残滓が弾性部材34やインク室壁14及びプレート1
6等に付着することもない。さらに、インク20の表面
に積極的に油膜材料を供給する手段(例えばポンプ等)
が不要となる。
【0065】このように、本実施の形態に係る記録ヘッ
ド10では、ノズルに制約されずに微小なインク滴46
が生成できると共に、インク乾燥による弾性部材34へ
のインク残滓などの付着がないため、高画質で安定した
記録装置の実現が可能となる。
【0066】図7には、本発明の第2の実施の形態に係
る記録ヘッド50が示されている。この記録ヘッド50
では、第1の実施の形態に係る記録ヘッド10と比較し
て、油膜材料供給手段の構成が異なっている。以下、第
1の実施の形態に係る記録ヘッド10と同一の構成要素
及び構成部材等については同一の符号を付して説明を省
略する。
【0067】この記録ヘッド50では、第1の実施に形
態に係る記録ヘッド10のプレート16に相当する部材
は設けられておらず、インク室52が、基板12とイン
ク室壁14とで構成されている(従って、インク室52
は上方に向かって開放されている)。
【0068】また、この記録ヘッド50では、第1の実
施の形態に係る油膜材料含浸部材40に代えて、油膜材
料を貯蔵するタンク54と、このタンク54から油膜材
料をインク室18内へ供給するポンプ56、及びポンプ
56からインク室52内へ油膜材料を供給する油膜供給
通路58と、で構成された油膜材料供給装置60が基板
12の下方に設けられている。基板12には、油膜供給
通路58が挿通される挿通孔62が形成されている。
【0069】ポンプ56が駆動されると、油膜供給通路
58の上端(インク室52に連通している部分)に圧力
差が生じ、この圧力差でインク室52内に油膜材料が供
給される。油膜材料はインク20と混合せず、しかもイ
ンク20よりも比重が小さいため、インク20内を上昇
して、インク20の表面に一定厚の油膜42を形成す
る。
【0070】このように、インク室52に連通する部分
の圧力差で油膜材料を供給するので、任意の場所に油膜
材料供給装置60を設けることができる。なお、インク
室52に連通する部分に圧力差を発生させることができ
るものであれば、ポンプ56に代えて、例えば圧電素子
等の他の圧力差発生手段を用いることもできる。
【0071】ポンプ56には、制御装置64が接続され
ている。さらに、制御装置64は、信号発生手段32と
接続されており、信号発生手段32から振動発生手段2
4に印加された駆動信号の数(印字パルス数)をカウン
トし、内部のメモリーに記憶することができるようにな
っている。従って、制御装置64がポンプ56を制御す
ることで、ポンプ56によって供給される油膜材料の量
が制御されることになる(なお、ここで用いる「印字パ
ルス数」とは、信号発生手段32が画像信号に基づいて
発生した信号の数をさし、図4(C)のバースト波を発
生する場合には、1回のバースト波発生につき印字パル
スを1回とカウントする)。これを、図8に示すフロー
チャートを用いて説明する。
【0072】制御装置64には、内部のメモリーに、予
め設定された所定のインク使用量がカウント値P0 とし
て記憶されており、ステップ112で、まずこの使用量
を読みこむ。
【0073】次に、ステップ114で信号発生手段32
から振動発生手段24に入力された駆動信号の数(印字
パルス数)を記憶するメモリをクリア(P1 =0)す
る。そして、ステップ116で待機モードに入る。
【0074】次のステップ118において、入力信号が
信号発生手段32から振動発生手段24に入力されない
場合には、ステップ116に戻って引き続き待機モード
となるが、印字パルスが信号発生手段32から振動発生
手段24に入力されると、ステップ120で図示しない
印字位置駆動手段を駆動させる。この印字位置駆動手段
は、記録ヘッド50を主走査方向(図7紙面と垂直方
向)に移動させるための手段である。
【0075】次のステップ122では、印字パルスがあ
るか否かを判断し、印字パルスがない場合には、ステッ
プ120に戻って再び印字位置駆動手段を駆動させる
が、印字パルスがある場合には、ステップ124でP1
に1を加算する。さらにステップ126で、振動発生手
段24を駆動させる。
【0076】次のステップ128では、P1 が予め設定
された所定のカウント値P0 よりも大きくなったか否か
を判断し、大きくなっている場合には、ステップ130
でポンプ56を一定時間駆動させて、一定量の油膜材料
をインク室52内へ供給する。さらに、ステップ132
で、P1 の値をクリアする(P1 =0)。そして、ステ
ップ134に移行する。テップ128で、P1 が予め設
定された所定カウント値P0 よりも大きくなっていない
場合には、そのままステップ134に移行する。
【0077】ステップ134では、記録ヘッド50によ
る印字が終了したか否かを判断し、終了した場合には、
ポンプ56の動作を終了させる。印字が終了していない
場合には、ステップ120に戻って印字位置駆動手段を
駆動させ、以下同様の動作を繰り返す。
【0078】このように、信号発生手段32から振動発
生手段24に印加された駆動信号の数(印字パルス数)
をカウントすることで、インク20の消費量及び油膜材
料の使用量を計算して、必要十分な油膜材料をインク室
52内へ供給でき、油膜42の膜厚を常に一定厚に維持
できる。
【0079】また、P0 の値は任意の値に設定できるの
で、記録ヘッド50の使用環境や使用頻度に応じて油膜
42の膜厚を任意の厚さにできる。P0 を小さく設定す
ると、インク20の消費量に対する油膜材料の供給量を
多くすることができ、逆に、P0 を大きく設定すると、
インク20の消費量に対する油膜材料の供給量を少なく
することができる。
【0080】なお、信号発生手段32から振動発生手段
24に印加された駆動信号の数をカウントして、油膜材
料の使用量を計算する以外にも、例えば、記録ヘッド5
0の使用時間や非使用時間(放置時間)をカウントし
て、油膜材料の消費量を計算すると共に、このカウント
値を予め設定された設定値と比較して、油膜材料を供給
するようにしてもよい。例えば、インク滴46(図3参
照)の飛翔によって消費される油膜材料の量がきわめて
微量である場合には、油膜42の膜厚の減少は、インク
滴46の飛翔よりも長期にわたる油膜材料の蒸発やイン
ク20への溶け込みによって影響を受けるようになる。
従って、このような場合でも、油膜材料の減少分を、ポ
ンプ56を駆動させて供給することができ、常に油膜4
2の膜厚を一定厚に維持できる。
【0081】図9には、本発明の第3の実施の形態に係
る記録ヘッド70が示されている。この記録ヘッド70
では、第1の実施の形態に係る記録ヘッド10と比較し
て、油膜材料供給手段の構成が異なっている。以下、第
1の実施の形態に係る記録ヘッド10と同一の構成要素
及び構成部材等については同一の符号を付して説明を省
略する。
【0082】この記録ヘッド70では、第2の実施の形
態に係る記録ヘッド50と同様、第1の実施に形態に係
る記録ヘッド10のプレート16に相当する部材は設け
られておらず、インク室52が、基板12とインク室壁
14とで構成されている。
【0083】また、この記録ヘッド70では、第1の実
施の形態に係る油膜材料含浸部材40に代えて、油膜材
料を貯蔵するタンク74と、このタンク74から油膜材
料をインク室52内へ供給するポンプ76と、で構成さ
れた油膜材料供給装置72がインク室18の上方に設け
られている。そして、油膜材料はポンプ76の駆動によ
りタンク74から取り出され、インク室52の上方から
滴下されてインク20の表面に供給される。このよう
に、油膜材料はインク20中を流動することなく直接、
インク20の表面に達するので、油膜材料の供給を迅速
に行うことができる。
【0084】油膜材料は重力のみにより滴下するように
してもよいが、例えば、油膜材料の出口(ポンプ76の
下端)にノズルあるいはスプレーを設け、霧状にして供
給したり、鉛直下方の速度成分を予め持たせて滴下させ
たりしてもよい。いずれの場合でも、油膜材料は重力の
みにより滴下される場合と比較して、より迅速にインク
20の表面に供給される。
【0085】また、油膜材料供給装置72は、必ずしも
インク室52の真上に配置されている必要はない。すな
わち、インク室52の真上に配置されていない場合であ
っても、滴下された油膜材料がインク室52のインク2
0の表面に達するように、予め所定の水平方向の速度成
分を持たせて滴下すればよい。
【0086】さらに、油膜材料供給装置72から油膜材
料が滴下される部位(滴下口)は、1つの油膜材料供給
装置72に対して1つである必要はなく、複数設けても
よい。例えば、筒状のパイプをその長手方向が基板12
の長手方向(図9紙面と垂直方向)と一致するように配
置すると共に、パイプの周面に複数の滴下口を形成して
もよい。これにより、1つのポンプ76を駆動させるだ
けで複数の滴下口から油膜材料を滴下させて、広い範囲
に油膜材料を供給することができる。
【0087】また、ポンプ76には、第2の実施の形態
と同様の制御装置64を接続してもよい。これにより、
油膜材料の消費量を計算して、必要十分な油膜材料をイ
ンク室52内へ供給でき、油膜42の膜厚を常に一定の
範囲内に維持できる。
【0088】また、第3の実施の形態に係る記録ヘッド
70では、油膜材料供給装置72が、インク室52内の
インク20及び、このインク20の表面から離間した位
置に配置されているので、インク室52と油膜材料供給
装置72とを相対移動させて、油膜材料を供給すること
も可能となる。例えば、油膜材料供給装置72を、記録
ヘッド70が取り付けられたハウジング等に固定するこ
とで、記録ヘッド77のスキャン(図9紙面と垂直方向
への移動)を利用し、インク室52と油膜材料供給装置
72とを相対移動させて油膜材料を供給できる。このよ
うに、インク室52とを油膜材料供給装置72と相対移
動させることで、油膜材料供給装置72の数を少なくし
ても、インク20の表面に十分な量の油膜材料を満遍な
く供給することができる。例えば、記録ヘッド70のス
キャン時に、特定の位置を記録ヘッド70を通過したこ
とをセンサによって検知してポンプ76を駆動させ、油
膜材料を供給することができる。このため、油膜材料供
給装置72の数を少なくすることができ、記録ヘッド7
0全体としても部品点数が少なくなると共に構造が簡単
になる。また、油膜材料供給装置72の形状やレイアウ
ト等の自由度が高くなる。
【0089】図10には、本発明の第4の実施の形態に
係る記録ヘッド80が示されている。この記録ヘッド8
0では、第1の実施の形態に係る記録ヘッド10と比較
して、インク室の構成が異なっている。以下、第1の実
施の形態に係る記録ヘッド10と同一の構成要素及び構
成部材等については同一の番号を付して説明を省略す
る。
【0090】この記録ヘッド80では、内部に中空部8
4が形成されたケース82を有している。中空部84を
構成する隔壁86のうち一方(図10右側)の隔壁86
には開口88が形成されている。また、中空部84の幅
方向(図12左右方向)略中央からは弾性部材34が立
設されており、ケース82の底部82Aと、隔壁86及
び弾性部材34で囲まれた範囲が、インク室90とされ
ている。このインク室90に、所定量のインク20が貯
留されている。従って、ケース82の底部82Aが、第
1の実施の形態に係る基板12の役割を兼ねていること
になる。また、記録ヘッド80の外部からの空気流の乱
れや塵等によるメニスカスの乱れは、ケース82によっ
て防止されている。
【0091】ケース82の底部82Aには、インク供給
路92が形成されている。図示しないインクタンクから
インクがインク供給路92を経て供給され、インク室9
0内には常に所定量のインク20が貯留されるようにな
っている。
【0092】弾性部材34の、インク室90と反対側の
側面には、電極28、30及び圧電振動子26で構成さ
れた振動発生手段24が貼着されている。電極28、3
0に接続された信号発生手段32から、画像信号に対応
した交番電圧が入力されると、振動発生手段24は、こ
の電気信号に応じて振動を発生させる。そして、振動発
生手段24が振動すると、弾性部材34が共振周波数で
励振されて、曲げ振動するため、弾性部材34の板厚方
向片側(インク室90側)に構成されたインク20の薄
膜からインク滴38が飛翔し、開口88を通過して、記
録媒体である記録用紙に向かって吐出する。
【0093】隔壁86の内面には、油膜材料供給手段と
して、油膜材料含浸部材40が固着されている。油膜材
料含浸部材40はインク20の表面に接触して、弾性部
材34と共に、インク20のメニスカスを保持してい
る。
【0094】また、油膜材料含浸部材40の内部に含浸
された油膜材料が油膜材料含浸部材40からしみ出て、
インク20の表面に油膜42を形成する。これにより、
インク20中の水分の蒸発を阻止でき、インク20が乾
燥しづらく、インク20の濃度が変化しない。また、蒸
発によるインク20の残滓が弾性部材34やインク室壁
14等に付着しない。
【0095】なお、上記した各実施の形態に係る記録ヘ
ッドにおいては、各振動発生手段24及び弾性部材34
に共通して、1つのインク室18、52、90が構成さ
れたものを例として挙げたが、インク室18を複数の隔
壁で区切って構成してもよい。これにより、隣接する振
動発生手段24及び弾性部材34によるインク20の表
面の振動が互いに影響を及ぼしあることがなくなる。こ
のため、インク20の表面の振動が互いに干渉しあって
生じるクロストークを防止することができる。隔壁は各
振動発生手段24ごとに形成されていてもよいが、複数
の振動発生手段24ごとに形成されていてもよい。ま
た、隔壁は、基板12から立設されていてもよいが、必
ずしもそれだけに限られず、例えば、インク20の表面
の近傍にのみ形成されており、インク室18、52、9
0の下部では、各インク室18、52、90が連通され
ているようになっていてもよい。
【0096】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものでな
いことはもちろんである。 (実施例1)本実施例では、第1の実施の形態に係る記
録ヘッド10を使用して、インク滴46を飛翔させ、記
録材料にドットを記録した。
【0097】記録ヘッド10の弾性部材34としては、
エレクトロフォーミングによって形成されたおよそ7μ
m厚のニッケルを用いた。
【0098】振動発生手段24を構成する圧電振動子2
6は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)からなる圧電セ
ラミック薄膜圧電振動子26とした。また、この圧電セ
ラミック薄膜圧電振動子26に分極処理を施し、電極2
8、30間に電圧が印加されたとき、電極面に対して垂
直な方向に振動するようにした。
【0099】圧電セラミック薄膜の圧電振動子26に電
圧を印加するための電極28、30は、0.05μmの
厚さのクロムと、1μmの厚さの金によって2層構造と
した。振動発生手段24を励振する周波数は、190k
Hzとした。
【0100】油膜材料含浸部材40は、内部に低分子シ
リコンオイルを含浸させた多孔質の焼結金属で構成し
た。
【0101】以上の構成とされた記録ヘッド10からイ
ンク滴46を飛翔させたところ、微小なインク滴46を
安定的に飛翔させることができ、高解像度の画像を得る
ことができた。また、油膜材料供給手段である油膜材料
含浸部材40から適量の油膜材料(低分子シリコンオイ
ル)がしみ出て、一定厚の油膜42がインク室18のイ
ンク20の表面に形成され、インク20の乾燥による吐
出不良の発生はなかっった。
【0102】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、画像信号に
対応して振動を発生させる振動発生手段と、インクが貯
留されるインク室と、前記インク室に配置され前記振動
発生手段の励振に応じて曲げ振動する弾性部材と、を備
え、曲げ振動する前記弾性部材の表面に形成されたイン
ク薄膜からインク滴を飛翔させて記録媒体にこのインク
滴を付着させる記録ヘッドであって、前記インク室内に
貯留されたインクの表面に油膜材料を供給する油膜材料
供給手段を有するので、常に高解像度の画像を正確に記
録することができると共に、蒸発したインクが記録ヘッ
ドの内部等に付着してインク滴の吐出不良が生じたり、
インクの蒸発によって無駄に消費してしまったりしな
い。
【0103】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、前記イン
ク室に貯留された前記インクの表面に接触する位置に配
置されているので、油膜材料供給手段から供給された油
膜材料はインク室内のインクの表面に速やかに到達し、
インクの表面以外の部分に付着してしまうこともない。
【0104】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、内部に前
記油膜材料を含浸可能な油膜材料含浸部材で構成されて
いるので、表面張力を利用して、常に適量の油膜材料を
供給して、油膜の膜厚を一定に維持することができる。
【0105】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、前記イン
ク室に貯留された前記インクに接触すると共にこのイン
クの表面からは離間した位置に配置されているので、任
意の場所に油膜材料供給手段を設けることができる。
【0106】請求項5に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記油膜材料供給手段が、前記イン
ク室に貯留された前記インクから離間した位置に配置さ
れているので、油膜の形成を速やかに行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る記録ヘッドを
示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る記録ヘッドを
示す一部破断斜視図である。
【図3】本発明に係る記録ヘッドからのインク滴の飛翔
を説明する説明図である。
【図4】(A)〜(C)は本発明に係る記録ヘッドの信
号発生手段から振動発生手段に印加される駆動信号の電
圧波形を示す図である。
【図5】本発明に係る記録ヘッドからキャピラリ波が発
生する状態を説明する説明図である。
【図6】本発明に係る記録ヘッドからキャピラリ波が発
生する状態を説明する説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る記録ヘッドを
示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る記録ヘッドに
おける油膜材料供給装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る記録ヘッドを
示す断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る記録ヘッド
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 記録ヘッド 18 インク室 20 インク 24 振動発生手段 34 弾性部材 40 油膜材料含浸部材(油膜材料供給手段) 42 油膜 46 インク滴 50 記録ヘッド 52 インク室 60 油膜材料供給装置(油膜材料供給手段) 70 記録ヘッド 72 油膜材料供給装置(油膜材料供給手段) 80 記録ヘッド 90 インク室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像信号に対応して振動を発生させる振
    動発生手段と、 インクが貯留されるインク室と、 前記インク室に配置され前記振動発生手段の励振に応じ
    て曲げ振動する弾性部材と、 を備え、 曲げ振動する前記弾性部材の表面に形成されたインク薄
    膜からインク滴を飛翔させて記録媒体にこのインク滴を
    付着させる記録ヘッドであって、 前記インク室内に貯留されたインクの表面に油膜材料を
    供給する油膜材料供給手段を有することを特徴とする記
    録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記油膜材料供給手段が、前記インク室
    に貯留された前記インクの表面に接触する位置に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記油膜材料供給手段が、内部に前記油
    膜材料を含浸可能な油膜材料含浸部材で構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記油膜材料供給手段が、前記インク室
    に貯留された前記インクに接触すると共にこのインクの
    表面からは離間した位置に配置されていることを特徴と
    する請求項1に記載の記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記油膜材料供給手段が、前記インク室
    に貯留された前記インクから離間した位置に配置されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
JP3914598A 1998-02-20 1998-02-20 記録ヘッド Pending JPH11235820A (ja)

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JP3914598A Pending JPH11235820A (ja) 1998-02-20 1998-02-20 記録ヘッド

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JP (1) JPH11235820A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7997694B2 (en) 2006-09-26 2011-08-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Inkjet recording apparatus

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