JPH1134330A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH1134330A
JPH1134330A JP20982897A JP20982897A JPH1134330A JP H1134330 A JPH1134330 A JP H1134330A JP 20982897 A JP20982897 A JP 20982897A JP 20982897 A JP20982897 A JP 20982897A JP H1134330 A JPH1134330 A JP H1134330A
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JP
Japan
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ink
elastic member
cleaning
jet recording
printing
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Withdrawn
Application number
JP20982897A
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English (en)
Inventor
Ichiro Asai
市郎 浅井
Yasushi Suwabe
恭史 諏訪部
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルを用いずに小径インクドロップを吐出
でき、発熱などが生じにくく、高解像度化に対応した微
少ドロップを吐出でき、弾性部材の先端近傍に付着した
固化物等を除去することができるインクジェット記録ヘ
ッドを提供すること。 【解決手段】 画素信号に対応して振動する振動発生手
段と振動発生手段の励振に応じて振動する弾性部材5と
を有し、印字の際に弾性部材5の振動によりインクの表
面にキャピラリ波を発生させ、インクを飛翔させて記録
媒体に付着させて印字を行う印字ヘッド33と、非印字
時に弾性部材5を洗浄するために印字ヘッド33のイン
ク吐出方向に配置される洗浄手段50とを備えるように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク飛翔滴を被印
字面に吐出させて印字を行うインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ノズルからインク滴を吐出させて
印字を行なうインクジェット記録方式が知られており、
吐出するインクのドロップ径は主にノズル径によって決
まる。ノズルを用いるインクジェット記録方式におい
て、従来の解像度は300ドット/インチ程度であった
が、昨今その解像度が600乃至720ドット/インチ
と高解像度化されてきた。それに伴い、高解像度化によ
る効果を有効に発揮するためには解像度に応じて印字す
るドット径を小さくする必要が生じている。従来の方式
において、ドット径を小さくする手段としては、ノズル
径を小さくし吐出ドロップ径を小さくする方法がある
が、ノズル径を小さくするとゴミによるノズル詰まり
や、ノズル内のインク表面の乾燥による同じくノズル詰
まりや、ノズル円周部へのインク残滓の付着によるイン
ク吐出方向の変化が発生しやすくなり、記録紙上の画質
に欠陥が発生する。このため、本来の解像度に対応した
ドット径を印字するために必要なノズル径を採用できな
いという問題があった。
【0003】一方、ノズルに起因する問題を解決する方
法として、ノズルレスのインクジェット記録方法が提案
されている。ノズルレスのインクジェット記録方式は振
動や音響波などを用いており、吐出ドロップ径がノズル
径によって支配されないという利点がある。
【0004】ノズルを用いない第1の従来技術の一例と
しては、例えば米国特許4308547号に開示され
る。これは、凹状にカーブした球面形状の圧電体シェル
をインク中に配置し、この圧電体シェルに電極を通して
電圧を印加するものである。この圧電体シェルからイン
ク中に放射された縦波はインク自由表面の一点に集めら
れ、インク自由表面からドロップが吐出される。さら
に、この種の従来技術の生産性や構造の精密さを向上で
きるものとして特公平6−45233号公報や特開平3
−200199号公報に開示された技術が知られてい
る。このような従来技術においては、振動子で発生した
振動を音響レンズでインク自由表面の一点に集束しドロ
ップを吐出させている。しかし、小さなドロップを吐出
させるためには100MHz前後の高周波数で駆動する
ため、駆動手段が一般に高価になるというコスト上の問
題がある。また、発熱によりインク粘度が上昇しドロッ
プ径が変動したり、印字ヘッド内でインク自体の乾燥・
固化が起こり吐出できなくなるという重大な問題が生じ
やすい。これは、インク中を伝搬する縦波は高周波数で
駆動するほどインク中で減衰しやすく、インク中に吸収
されるエネルギー量が増大する結果、発熱量も増加して
ゆくからある。従って、この問題を解決するためにヘッ
ドに冷却機構を設けるなどの方法もあるが、印字ヘッド
のコストやサイズが大きくなり問題である。
【0005】さらに第2のノズルを用いないインクジェ
ット記録技術としては、振動子で発生した振動を音響ホ
ーンでインク自由表面の一点に集束しドロップを吐出さ
せる方式がある。米国特許4308547号では、凹状
レンズのかわりに振動子の上に形成された音響ホーンに
より振動を集束し、音響ホーン先端に接触したベルト上
を搬送されてくるインク薄膜にこの振動が作用しインク
ドロップを吐出させるものが開示される。また、特開平
4−168050号公報では、集音体を圧電体上に設け
た構成が提案されている。集音体は、圧電体およびこれ
に電圧を印加するための電極からなる振動子の上に形成
され、インクを保持したインクリザーバー中に配置され
ている。集音体は先細りの形状で、集音体の底部から入
射した歪みが集音体内部を伝搬するに伴って集音体の振
幅が増幅される。そして、集音体で集められた大振幅の
波がインクをたたくことで生じた縦波がインク自由表面
を押し上げインクドロップを吐出させる。
【0006】音響学の分野においては一般に、共振によ
り集音体(もしくは音響ホーン)の先端を大振幅に振動
させて吐出力を得ようとした場合、集音体中を振動波が
伝搬するためには、集音体の垂直断面方向の長さ(高
さ)は振動波の波長の1/2波長の整数倍の大きさを持
つものでなければならないことが知られている。従っ
て、集音体の大きさを小さくし高密度なインクジェット
ヘッドを作製するためには、振動波の波長も小さく、つ
まり振動子を振動させる駆動周波数を大きくしなければ
ならない。従って、このような従来技術においては、イ
ンク中のエネルギー減衰を抑えかつ比較的安価な駆動回
路ですむように低周波数で駆動させようとすると集音体
が著しく大きくなるため、高密度な印字ヘッドを作製で
きないという問題があった。従って、現実的な密度の印
字ヘッドを作製するためには、先の第1の従来技術同様
に数10Mから数100MHzという高い周波数で駆動
させる必要があった。また、音響ホーンに接触したベル
トでインク薄膜を安定に搬送することは実際上は困難で
あり、吐出ドロップ径がばらつきやすく問題であった。
【0007】さらに第3のノズルを用いないインクジェ
ット記録技術としては、吐出力として静電力を用いるい
わゆる静電吸引方式がある。静電吸引方式には、そのイ
ンクメニスカスを形成するために、振動を用いるものが
知られている。例えば、特開昭62−222853号公
報では、記録針をインク表面から突出させ、これに軸方
向に伝搬する超音波エネルギーを与えるという技術が開
示される。ここでは、超音波流動(acoustic
streaming)現象により、記録針に接するイン
クは記録針の先端方向に移動し、記録針の先端に凸状の
インク隆起(インクメニスカス)を形成する。そこで、
記録針と背面電極との間に静電界を印加し、インクを引
きちぎり、記録針と背面電極との間に配置された記録媒
体上にインク滴を着弾させる。これは、記録針の先端に
インクメニスカスを形成するため、従来の静電吸引方式
に比べ、より小さいインクドロップを形成できるとして
いる。また、特開昭56−28867号公報でも、針電
極と背面電極との間に静電界を印加しておき、針電極に
画像信号を印加すると同時に、針電極を振動させる静電
吸引方式が提案されている。このようにすると、インク
ジェットの粒子化が安定にできる。しかし、静電吸引方
式では、湿度などによる記録媒体の誘電体厚みの変動や
記録媒体の表面粗さのばらつきなどによって、形成され
るドロップ径が変動しやすい。さらに、このような構成
では、静電界のみならず、超音波も生成する必要がある
ため装置が大きくかつ高価になりやすいという欠点があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ノズルを用
いずに小径インクドロップを吐出でき、かつ、発熱など
が生じにくくコストも安価な低周波数駆動でエネルギー
効率の良いインクジェット記録装置を提供することを目
的とする。また、本発明は、高解像度化に対応した微少
ドロップを吐出でき、インク詰まりやドロップ径の変動
などといったインク吐出の不安定さがない高信頼で高画
質な印字が可能である新規なインクジェット記録装置を
提供することを目的とする。さらに、本発明は弾性部材
の先端近傍に付着した固化物あるいはその粘度が上昇し
たインク物を除去するための洗浄手段を有するインクジ
ェット記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はキャピラリ波に
よるドロップ吐出現象を用いている。ここでキャピラリ
波と、本発明の基本原理を図9乃至図11を用いて説明
する。
【0010】図9を用いて、キャピラリ波による液滴形
成の原理について説明する。キャピラリ波による液滴形
成は、例えば山海堂発行「超音波噴霧」168頁(19
90)に述べられているように、超音波噴霧などの発生
機構として知られている。図9に示すように、キャピラ
リ(毛細表面)波は振動面上の薄い液膜に見られる現象
であり、液体6の表面張力を復元力とする振動体9上の
薄液層の表面波である。振動体9の振動振幅が十分にあ
れば、徐々に波頭が成長してゆき波頭から液滴が引きち
ぎれる形態をとる。波頭と波頭の間隔はキャピラリ波の
波長λであり次のように求まる。
【0011】λ=(8πσ/ρfe21/3
【0012】ここでσ、ρは液体の表面張力、および密
度であり、feは励振(駆動)周波数である。励振周波
数feが高いほど、波長λは小さく、いわゆるキャピラ
リ波は細かくなり、その波頭から分裂する液滴径も小さ
くなる傾向がある。キャピラリ波の作用により飛翔する
液滴はその波長以下の微小滴とすることができる。数k
Hzから数MHzと比較的駆動周波数が低くても小さな
ドロップを吐出できるため従来から印字ヘッドへの適用
が検討されてきた。しかし、複数滴が発生しやすい、各
滴の直径がばらつくなどの理由から単一滴による印字は
実現されておらず、このため複数滴発生を前提として、
上部に配したノズル孔で印字ドット径を制御する方式が
とられていた。なお、ノズル孔に起因する問題のみなら
ず、複数滴を発生させるため印字ドット径が広がり(大
きくなり)やすく、またドット周辺にも飛沫が飛び画像
を劣化させやすかった。
【0013】図10、図11は本発明のドロップ吐出機
構の概要について説明するものである。図10は吐出ヘ
ッドの断面図であり、図11はその正面図である。な
お、図11では吐出ドロップは図示しない。
【0014】振動を発生する機構(振動子)9としては
電歪素子、磁歪素子、機械式アクチュエータなどが適用
可能である。図10では、基板1上に圧電セラミック薄
膜2、およびこれを駆動するための電極3,4を形成し
振動子9として用いる。振動子9の上に、金属薄膜など
からなる弾性部材5を形成する。
【0015】振動子9は、基板1の剛性や圧電セラミッ
ク薄膜2の厚さなどから決まる固有の共振周波数f0を
持つため、外部駆動手段120から振動子9にf0と同
じもしくはその整数倍の周波数fで電圧を印加して励振
する(以下、外部駆動手段は図示しない)。この時、振
動子9に接続された弾性部材の共振周波数f1がf0と
同じになるように弾性部材5の大きさや剛性、インク6
の高さや量などを調整しておくと、振動子9の振動に共
振し、片持ち梁構造の弾性部材5を曲げ振動させること
がきる。ここでは、弾性部材5は、振動子9の主たる振
動方向(a−a’)と略垂直方向(b−b’)に曲げ振
動させた。片持ち梁構造の弾性部材は、基端部より先端
部の方が、曲げこわさを小さくすることによって、弾性
部材の先端近傍でより効率よく曲げ振動し振幅を得るこ
とができる。曲げこわさは、弾性部材の(断面2次モー
メント)×(ヤング率)で表されるものである。
【0016】サイン波状の交流電圧を一定期間だけバー
スト波として振動子9に印加して図10のようにa−
a’方向に振動させ、弾性部材5に曲げ振動させる。な
お、振動子をa−a’方向以外に振動させて弾性部材5
を曲げ振動させてももちろんよい。バースト波とは、振
動子を駆動する際、1個から複数個の波からなる交流電
圧が断続的に振動子に印加される波形をいう。波形はサ
イン波に限らず三角波やノコギリ波等でもよい。
【0017】なお、弾性部材5の材料としてはシアノア
クリレート系樹脂やエポキシ系樹脂あるいはフッ素系樹
脂やポリイミドなどの各種樹脂を用いることができる。
特にポリイミドなどのように精密に形状を加工できる樹
脂を用いることは重要である。共振を用いて弾性部材先
端に大きな変位を実現したい場合には、その寸法を精密
に形成できる材質と加工方法を選択すべきであり、先の
ポリイミドなどではエキシマレーザやフォトリソグラフ
ィー技術を使ってこれを実現できる。また、SiO2
SiONあるいはSiNやAlNやAl23などといっ
た各種無機材料で弾性部材を形成してもよい。また、A
l、Fe、Ti、Cr、Au、Mo、TiWなど、ある
いはそれらの各種合金で弾性部材を形成してもよい。イ
ンクと接する間に腐食しないようにSiO2などの無機
膜でそれらの表面を保護してもよい。樹脂と無機材料と
金属のうち、2つ以上の材料を用いて構成してもよいの
はもちろんである。また、振動エネルギーが効率的に伝
搬できるのなら、弾性部材の先端と基端部を別な材料で
構成してもよい。
【0018】また、振動子として圧電体を用いる場合に
は、圧電基板で構成しても圧電薄膜で構成してもよい。
また、圧電体として、水晶、ジルコン酸・チタン酸鉛
(PZT)やチタン酸バリウムBaTiO3、ニオブ酸
鉛PbNb26、Bi12GeO20、ニオブ酸リチウムL
iNbO3、タンタル酸リチウムLiTaO3などの多結
晶体や単結晶体、あるいはZnOやAlNなどの圧電薄
膜、あるいはポリ尿素、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)やPVDFの共重合体などの圧電性高分子またはP
ZTなどの無機圧電物質と圧電性高分子との複合体など
でもよい。
【0019】弾性部材が静止している状態でも、弾性部
材の先端近傍には表面張力によりインクの厚さが薄い部
位がある。静止状態が比較的長時間にわたると、特にこ
の弾性部材先端近傍ではインクの乾きによりインクの物
性に変化が生じやすい。インクの乾きが激しい場合に
は、先端近傍にインクが固化し付着する場合があり、弾
性部材の先端の振動量が変わり、吐出ドロップ径や吐出
方向が著しく変化して画質が劣化したり、インクドロッ
プが吐出できなくなることがある。印字が完了し記録装
置を停止した際には、インク面を弾性部材の先端より上
に配置したり、あるいはインクドロップが吐出する装置
の吐出開口部にキャップ材を押し当ててキャッピングし
インク成分の蒸発を押さえることでこの問題は回避でき
る。しかし、印字中には先の問題が発生しやすい。これ
は、印字中であっても画像信号によってはたまたま比較
的長い間吐出せずに待機状態となるイジェクタが存在す
るためである。
【0020】従って、本記録装置においては、一連の印
字動作が完了する前に1回もしくは複数回にわたって、
あるいは一連の印字動作が完了した後に、弾性部材の先
端を洗浄し、弾性部材の先端近傍に付着した固化物ある
いはその粘度が上昇したインク物を除去することが望ま
しい。ノズル径によってインク吐出径が支配される従来
の記録装置では、ノズル孔周辺に付着したインクやその
固化物を比較的容易にワイピングなどにより除去でき
る。しかし、本記録装置においては、弾性部材がインク
吐出径を支配しており、この繊細な構造の弾性部材を変
形させたり破損することなしにワイピングするなどして
クリーニングすることはかなり困難である。
【0021】そこで上記目的は、画素信号に対応して振
動する振動発生手段と、振動発生手段の励振に応じて曲
げ振動する弾性部材とを有し、印字の際に弾性部材の振
動によりインクの表面にキャピラリ波を発生させ、イン
クを飛翔させて記録媒体に付着させて印字を行う印字ヘ
ッドと、非印字時に弾性部材を洗浄する洗浄手段とを備
えたことを特徴とするインクジェット記録装置によって
達成される。
【0022】この洗浄手段における弾性部材及びこれを
励振するための機構は、印字に用いるものと同一の振動
発生手段および弾性部材からなる。非印字時において、
印字に用いるものと同一の振動発生手段を励振し、その
励振により印字に用いるものと同一の弾性部材を曲げ振
動させるものである。
【0023】弾性部材を強く振動させると、超音波洗浄
に近い状態となり、弾性部材の先端に付着したインク固
化物あるいは粘度上昇したインク物をインク中に溶解し
除去することができる。この洗浄においては弾性部材を
なるべく大きく曲げ振動させることが有効である。この
洗浄を短時間に完了させたい場合には、印字時に比べて
大きな電圧で振動発生手段を励振することが望ましい。
ただし、弾性部材を大きく曲げ振動させると複数のイン
クドロップが弾性部材から吐出する。そこで、複数のイ
ンクドロップにより装置内を汚すなど問題が生じてしま
う場合には、弾性部材先端をインクに埋没させ振動させ
るか、キャッピングして弾性部材を振動させるとよい。
弾性部材先端をインクに埋没させ振動させる場合は、キ
ャピラリー波の発生と波頭からの飛翔は起こりにくくな
り、流動により弾性部材先端上にインクの盛り上がりが
生じるが、インク中にて弾性部材先端の洗浄が進行す
る。キャッピングして弾性部材を振動させる場合は、装
置内を汚すなどの問題が発生することがない。また、弾
性部材をクリーニング部に移動させ弾性部材を洗浄する
方法も有効である。これによれば、弾性部材を振動させ
複数のインクドロップが弾性部材先端から吐出しても、
吐出したインクをクリーニング部がスポンジなどによっ
て受け取る構造にしてあれば、洗浄のために弾性部材を
振動させるときにキャッピングをしなくても問題が生じ
ない。
【0024】弾性部材を曲げ振動させてその先端を洗浄
するときには、振動発生手段を印字時において励振する
周波数と略同一もしくはその整数倍の周波数で、振動発
生手段を励振する。このようにすることにより、印字時
と同じ振動発生手段と弾性部材を用いて洗浄を行うこと
ができるため、洗浄手段として特別に記録装置に付加す
る必要がない。従って、記録装置が大型化したりコスト
が余分にかかることがない。なお、整数倍の周波数で、
振動発生手段を励振することは特に効果がある。励振す
る周波数が高いほど、弾性部材先端の振幅は一般には小
さくなるが、加速度が増加するため洗浄力が増大するか
らである。励振する周波数は1kHzから10MHzの
範囲が適している。なお、洗浄するに際し、弾性部材を
振動させうるのであれば印字時とは異なる周波数で振動
発生手段を励振しても構わない。
【0025】洗浄は原則的には非印字時に行うものであ
る。しかし、洗浄は一連の印字動作の途中で中断して洗
浄を実行する場合や一連の印字動作が完了し記録装置が
停止している場合のみならず、一連の印字動作中にたま
たま非印字な状態にあるイジェクタに対しても行うこと
が可能である。画像信号によって比較的長い間インクド
ロップを吐出せずに待機状態となるイジェクタがわかっ
ている場合に、このイジェクタに対して洗浄を実行する
ことができる。
【0026】非印字時において、インク室に洗浄液を導
入して洗浄手段を励振する洗浄方法も有効なものであ
る。この場合にも、印字時に励振するときと同一の振動
発生手段と弾性部材を用いて洗浄を行うことが好まし
い。ただし、インク室のインクを一旦回収した後、洗浄
液を導入して洗浄するため、洗浄に時間を要することに
なる。洗浄液は、用紙上に画像を形成するための特性を
有する必要はなく、インク固化物を溶解できる特性を有
していれば十分良好に弾性部材先端の洗浄を遂行するこ
とができる。なお、本発明は、ドロップ径を規定するた
めにいわゆるノズルを用いる必要はない。このため、イ
ンクの乾燥を抑制するなどために吐出ドロップ径より大
きな吐出開口を配置することができる。従って、後ほど
発明の実施の形態で述べるように、ノズルを用いる従来
技術に比べて吐出開口を大きくすることができ、よって
インク室に洗浄液を導入するもしくは排出することが容
易である。このため、インク室への洗浄液の導入・排出
が短時間かつ完全に行うことができる。
【0027】なお、洗浄を行うために、印字に用いる手
段とは異なる振動発生手段や弾性部材を各イジェクタも
しくは印字ヘッド全体に設けてもかまわない。
【0028】以上のように、駆動周波数という観点から
は、レンズなどを用い数百MHzを必要とした従来技術
に比べ、本発明では数百kHz前後と大幅に低い周波数
で微小インク滴を吐出でき、高周波駆動のための高価な
駆動系が不要になるとともに、インク中で発生する発熱
量も低減され吐出ドロップ径の変動やヘッド内のインク
固化による信頼性低下といった問題も起こりにくくな
る。さらに、本発明により、安定に印字できるととも
に、小型で安価な印字装置を提供できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図8を用いて本発
明の実施の形態を説明する。図1、図2に本発明の第1
の実施の形態によるインクジェット記録装置の印字ヘッ
ドの構成を示す。概略を説明した先の図10、図11と
同じ部材には同じ番号が付けてあり、図1は印字ヘッド
の断面図を、図2は正面図(インクドロップは省略され
ている)を示している。インクジェット記録装置の印字
ヘッド部は、主にはインクタンク103と印字ヘッド3
3からなっている。
【0030】10μmの厚さのジルコニアからなる振動
板1上に0.5μmの厚さのAg電極3を堆積後パター
ンニングし、続いて30μmの厚さのジルコン酸・チタ
ン酸鉛(PZT)からなる圧電セラミック薄膜2を堆積
後パターンニングし、さらに0.05μmの厚さのCr
と1μmの厚さのAuの2層からなる電極4を堆積後パ
ターンニングし形成した。PZT薄膜は分極処理され、
両電極間に電圧が印加された場合に振動板に対して水平
方向に振動するが、振動板との関係において、結果的に
は圧電セラミック薄膜2および電極3,4からなる振動
子9は振動板に対して垂直方向に振動する。なお、電極
3は各振動子に共通するコモン電極であり、電極4は特
定の振動子のみを振動させるためのアドレス電極であ
る。図では省略されているが、これらの電極配線は振動
板の端部から接続コネクタ104を介して図示していな
い外部の駆動電源に接続されている。さらに、振動子9
を1μmの厚さのSiO2などからなる保護膜10で被
覆した。保護膜を被覆することにより、環境からもたら
されうる水分がPZT薄膜の分極率に変化を引き起こな
いようにしてある。なお、振動子へのインクからの悪影
響を防止できるのならば、弾性部材5が形成される振動
板の一面と同一の面にこの振動子を形成してももちろん
よい。
【0031】次に、振動子9が形成された振動板1の一
面をアルミナからなる保持部材20とその支持部21を
介して接着した。弾性部材5を持つ各振動子が吐出のた
めの一つのイジェクタを構成するが、印字時に各イジェ
クタが発生する振動が隣接イジェクタに影響を及ぼさな
いように、この支持部21で各イジェクタの振動をその
部位に限定する。
【0032】さらに、各振動子9が形成された振動板1
の面とは異なる他面の上に、厚さ5μm、底辺が50μ
mで高さが250μmの図2に示す形状のポリイミドか
らなる弾性部材5を形成した。弾性部材5は、長方形板
において先端から40μmまで70°に先鋭化した。こ
の作製工程は次のようである。長方形のポリイミド・フ
ィルムを85°に折り曲げ、接着層厚が2μmとなるよ
うエポキシ系樹脂を台部材上に塗布し、L字となったフ
ィルムの1面を台部材に接着する。続いて、台部材上に
立った他面をその面に垂直となる方向からエキシマレー
ザを照射し先程の形状に加工した。
【0033】続いて、吐出開口27を有するインク室2
5をプラスチック26により形成した。吐出開口27は
プラスチック26にエキシマレーザを照射して形成し
た。さらに、プラスチック26にはインク供給口28が
開けられており、異物を除去し供給を安定化するインク
フィルタ102を介してインク6が充填されたインクタ
ンク103に接続されている。弾性部材5の先端50μ
mがインク面7より突出するように、図示していない外
部のインク供給圧調製器によりインク圧を調整した。ま
た、インク室25を形成するプラスチック26には、図
のように、インク面7の高さを固定するようにインク室
25の底面から約200μmの位置にインク面固定部材
29を取り付けてある。この材質はインクに侵されずイ
ンク面を固定できるものならなんでもよいが、ここでは
インク室を構成する材質と同一のプラスチックを用い安
価に一体形成した。
【0034】印字時には、図示していない交流電源を用
いて、外部からこの振動子9に振動板1の剛性や形状な
どから決まる固有の共振周波数f0と同じ、もしくはそ
の整数倍の周波数fで、画像信号に応じて電圧を印加し
て励振した。印字時には、複数のイジェクタのうち一つ
もしくは複数のイジェクタに選択的に電圧を印加してい
る。本実施の形態では、一つの画素を形成するために、
選択したイジェクタに対して、200kHZで10Vp
−p(最高最低振幅)の電圧を印加時間50μsecの
間バースト的に印加した(バースト数は10)。アドレ
ス電極で選択されたイジェクタの弾性部材5の先端のみ
から、弾性部材5にほぼ直角に15μm直径のインクド
ロップが吐出した。インクドロップは1mm離して配置
された印字紙36上に達し、画像信号に応じて複数のド
ット(画素)を生成し画像を形成してゆく。
【0035】この時の本実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置全体の概要は以下のようである。図3は本発
明のインクジェット記録装置の主要部の構成図を示す。
インクジェット記録装置37は、後述する各色に対応し
た数の複数の印字ヘッド33がキャリッジ34に固定さ
れ、キャリッジ34は印字紙36の紙幅方向に往復移動
し、印字紙36が移動することにより印字紙全面に文字
および絵を印字できるようになっている。なお、各印字
ヘッド33内では振動子および弾性部材からなる複数の
イジェクタが振動板上に配置されているが、外部から与
えられる画像信号に応じてその時々で選択されたイジェ
クタのみが駆動されインクドロップを吐出する。
【0036】さらに、印字紙36の移動はローラー35
を回転させることにより行った。キャリッジ34の送り
速度と印字ヘッド33内の各振動子の配置間隔は600
dpi(dot per inch)に対応するように
した。キャリッジ34に固定された各印字ヘッド33
は、黒、イエロー、マゼンタ、シアンのインクタンク3
8のどれかに接続されている。各インクは各印字ヘッド
33へ供給され、画像信号に対応した振動子に電圧が加
わると、その選択された振動子上のインク面からインク
ドロップが吐出され画像を形成してゆく。なお、図示し
ていないが印字ヘッド33への電気的信号はキャリッジ
34を介して外部から送られる。印字ヘッド33の印字
駆動条件は先に述べた。
【0037】印字ヘッド33内の弾性部材先端の洗浄は
以下のように行った。印字ヘッド33に画像信号が伝達
され、一定期間、インクドロップを吐出したら、図3に
示すクリーニング部40に印字ヘッド33を移動し洗浄
手段により洗浄した。洗浄手段は、印字に用いるものと
同一の振動発生手段および弾性部材である。キャリッジ
34は印字紙36の紙幅方向に往復移動するが、本実施
の形態では、各色が印字のために10往復するごとに印
字ヘッド33をクリーニング部40に移動した。図4に
本実施の形態によるクリーニング部の詳細を示す。クリ
ーニング部40は、開口部43を有するプラスチックか
らなる外部ケース41とその中に収容されたスポンジ4
2とからなる。洗浄工程において生じうるインクドロッ
プ8は、印字ヘッド33から吐出されそのままクリーニ
ング部40に達しスポンジ42に吸収される。洗浄工程
においては、外部から全イジェクタに信号を入力し、2
00kHZで30Vp−p(最高最低振幅)の電圧を印
加時間50msecの間バースト的に印加した。この信
号により、全イジェクタの弾性部材は印字時に比べより
激しく振動し、弾性部材先端にできたインク固化物やあ
るいは粘度上昇したインク物をインク中に溶解し除去す
ることができた。
【0038】なお、本実施の形態では、洗浄工程におい
て全イジェクタに洗浄信号を入力したが、洗浄を必要と
しないイジェクタは励振しなくてももちろんよい。ま
た、クリーニング部においては、インクドロップを受け
入れることができるものであれば吸収スポンジに限ら
ず、他の吸収機構、もしくはインク回収機構を設けても
もちろんよい。また、クリーニング部において、スポン
ジの代わりに、キャッピングのできるキャップ材を配置
してもよい。その場合、キャップ材を図1の吐出開口2
7に押し当て、洗浄手段を駆動させ弾性部材先端を振動
させる。吐出開口27がキャッピングされているため、
洗浄工程において生じたインクドロップが記録装置内を
汚すこともなく洗浄を実施することができる。また、本
実施の形態では、印字のために10往復するごとに印字
ヘッドをクリーニング部に移動し洗浄したが、この回数
は使用環境(温度、湿度)や使用するインクの物性(粘
度、保湿材成分やその濃度)などにより適宜選択される
べきものである。また、可能であるならば、印字中では
なく印字完了後、もしくは印字前にこの洗浄を実施して
もよい。
【0039】印字後の印字紙36上に形成された各ドッ
トは、各色インクともほぼ30μm径の円状に整った均
一小径ドットであった。洗浄手段により洗浄を行ったこ
とにより、洗浄工程前後におけるドット径やドットの着
弾位置精度に各色とも変動はなく、小径ドロップを安定
に吐出することができていた。
【0040】ノズルをインク表面に配置してしていない
ため、インク・ノズル内およびその周辺へのインク固着
はなく、微少ドロップを安定して吐出ができた。また、
駆動周波数も低いので発熱もなく、発熱によるインクの
粘度変化や固化といった問題も生じなかった。特に、洗
浄手段の導入により、高い解像度に対応する微小ドット
を安定に形成でき高品位な印字が可能であった。また、
印字に用いると同一の振動発生手段および弾性部材で洗
浄手段を構成しているため小型で安価な記録装置を実現
できた。
【0041】図5、図6に本発明の第2の実施の形態に
よるインクジェット記録装置の印字ヘッドを示す。図5
は印字ヘッドの断面図を、図6は正面図(インクドロッ
プ8は省略されている)を示している。また、第1の実
施の形態と同じ部材には同じ番号が付けてある。本実施
の形態において、第1の実施の形態と異なるのは、洗浄
液を用いた弾性部材の洗浄方法である。
【0042】10μmの厚さのジルコニアからなる振動
板1上に0.5μmの厚さのAg電極3を堆積後パター
ンニングし、続いて30μmの厚さのジルコン酸・チタ
ン酸鉛(PZT)からなる圧電セラミック薄膜2を堆積
後パターンニングし、さらに0.05μmの厚さのCr
と1μmの厚さのAuの2層からなる電極4を堆積後パ
ターンニングし形成した。PZT薄膜は分極処理され、
両電極間に電圧が印加された場合に振動板に対して水平
方向に振動するが、振動板との関係において、結果的に
は圧電セラミック薄膜2および電極3,4からなる振動
子9は振動板に対して垂直方向に振動する。なお、電極
3は各振動子に共通するコモン電極であり、電極4は特
定の振動子のみを振動させるためのアドレス電極であ
る。図では省略されているが、これらの電極配線は振動
板の端部から接続コネクタ104を介して図示していな
い外部の駆動電源に接続されている。さらに、振動子9
を1μmの厚さのSiO2などからなる保護膜10で被
覆した。保護膜を被覆することにより、環境からもたら
されうる水分がPZT薄膜の分極率に変化を引き起こな
いようにしてある。なお、振動子へのインクからの悪影
響を生じなくできるのならば、弾性部材5が形成される
振動板の一面と同一の面にこの振動子を形成してももち
ろんよい。
【0043】次に、振動子9が形成された振動板1の一
面をアルミナからなる保持部材20とその支持部21を
介して接着した。弾性部材5を持つ各振動子が吐出のた
めの一つのイジェクタを構成するが、印字時に各イジェ
クタが発生する振動が隣接イジェクタに影響を及ぼさな
いように、この支持部21で各イジェクタの振動をその
部位に限定する。
【0044】さらに、各振動子9が形成された振動板1
の面とは異なる他面の上に、厚さ5μm、底辺が50μ
mで高さが250μmの図6のような形状のポリイミド
からなる弾性部材5を形成した。弾性部材5は、長方形
板において先端から40μmまで70°に先鋭化した。
この作製工程は次のようである。長方形のポリイミド・
フィルムを85°に折り曲げ、接着層厚が2μmとなる
ようエポキシ系樹脂を台部材上に塗布し、L字となった
フィルムの1面を台部材に接着する。続いて、台部材上
に立った他面をその面に垂直となる方向からエキシマレ
ーザを照射し先程の形状に加工した。
【0045】続いて、吐出開口27を有するインク室2
5をプラスチック26により形成した。吐出開口27は
その開口形状が吐出ドロップ径になんら関係を有しない
ため、後に述べる洗浄工程において使用する洗浄液をこ
のインク室25に導入しやすいように先の実施の形態に
比べ大きな開口面積にしてある(図6)。吐出開口27
はプラスチック26にエキシマレーザを照射して形成し
た。さらに、プラスチック26にはインク供給口28が
開けられており、図示していないインクリザーバからイ
ンク供給ポンプ113を用いて適宜、チューブ112、
114を介しインク室25にインクが供給される。ま
た、このインク供給ポンプ113はその供給圧を調整し
て、インク面7の高さをインク室25の底面から常に一
定の高さとなるよう固定する機構を行っている。弾性部
材5の先端50μmがインク面7より突出するように、
インク供給ポンプ113によりインク圧を調整した。ま
た、インク室25には大気連通口111と開閉電磁弁1
15を介して必要に応じて大気と連通可能となってい
る。なお、インク供給口28には開閉電磁弁110が配
置され、必要により開閉する。インク室25を形成する
プラスチック26には、図のように、インク面7の高さ
を固定するようにインク室25の底面から約200μm
の位置にインク面固定部材29を取り付けてある。
【0046】印字時には、図示していない交流電源を用
いて、外部からこの振動子9に振動板1の剛性や形状な
どともから決まる固有の共振周波数f0と同じ、もしく
はその整数倍の周波数fで、画像信号に応じて電圧を印
加して励振した。印字時には、複数のイジェクタのうち
一つもしくは複数のイジェクタに選択的に電圧を印加し
ている。本実施の形態では、一つの画素を形成するため
に、選択したイジェクタに対して、200kHZで10
Vp−p(最高最低振幅)の電圧を印加時間50μse
cの間バースト的に印加した(バースト数は10)。ア
ドレス電極で選択されたイジェクタの弾性部材5の先端
のみから、弾性部材5にほぼ直角に15μm直径のイン
クドロップが吐出した。インクドロップは1mm離して
配置された印字紙36上に達し、画像信号に応じて複数
のドット(画素)を生成し画像を形成する。
【0047】この時の本実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置全体の概要は以下のようである。図7は本実
施の形態によるインクジェット記録装置の主要部の構成
図を示す。インクジェット記録装置37は、後述する各
色に対応した数の複数の印字ヘッド33がキャリッジ3
4に固定され、キャリッジ34は印字紙36の紙幅方向
に往復移動し、印字紙36が移動することにより印字紙
全面に文字および絵を印字できるようになっている。な
お、各印字ヘッド33内では振動子および弾性部材5か
らなる複数のイジェクタが振動板上に配置されている
が、外部から与えられる画像信号に応じてその時々で選
択されたイジェクタのみが駆動されインクドロップを吐
出する。
【0048】さらに、印字紙36の移動はローラー35
を回転させることにより行った。記録画像の画素密度が
主走査方向、副走査方向ともに600dpi(dot
per inch)になるように、ローラー35の送り
速度およびキャリッジ34の送り速度と印字のタイミン
グを調整した。キャリッジ34に固定された各印字ヘッ
ド33は、黒、イエロー、マゼンタ、シアンのインクタ
ンク38のどれかに接続されている。各インクは各印字
ヘッド33へ供給され、画像信号に対応した振動子に電
圧が加わると、その選択された振動子上のインク面から
インクドロップが吐出され画像を形成してゆく。なお、
図示していないが印字ヘッド33への電気的信号はキャ
リッジ34を介して外部から送られる。印字ヘッド33
の印字駆動条件は先に述べた。
【0049】印字ヘッド33内の弾性部材先端の洗浄は
以下のように行った。先ず、画像信号に対応して一連の
印字動作が完了したら、印字ヘッド33は図7において
右端のクリーニング部50の部分まで移動する。クリー
ニング部50上で印字ヘッド33は図示していない回転
機構により90°矢印Aのごとく回転することが可能に
なっている。回転する場合には、図8に示すように、印
字ヘッド33とクリーニング部50は密着される。な
お、図8では密着後の様子を転倒して描いているが、矢
印Bの方向が図6の矢印Bの方向に一致している。ま
た、図8では印字ヘッド33の一部が省略して描かれて
いる。
【0050】ここで、クリーニング部50は、図8に示
すようにプラスチックからなる本体51と印字ヘッド3
3の吐出開口27に密着する開口53を有するゴム部5
2からなる。また、本体51には洗浄液を供給するため
の開口60が開けられ、図示していない洗浄液リザーバ
からチューブ64、62を介して供給ポンプ63を用
い、さらには適宜、開閉電磁弁61の開閉により洗浄液
が供給されるうるようになっている。また、本体51に
は洗浄液およびインクを排出するための開口69が開け
られ、チューブ66、68を介して排出ポンプ67を用
い、さらには適宜、開閉電磁弁65の開閉により図示し
ていない排液リザーバに排液が排出されうるようになっ
ている。
【0051】一連の印字動作が完了したら、印字ヘッド
33のインク供給を停止するよう開閉電磁弁110を動
作させ閉じた。続いて、印字ヘッド33はクリーニング
部50の部分まで移動し、キャリッジ34ごと回転した
後、クリーニング部50に密着された。回転により、印
字ヘッド33のインク室内のインク6はクリーニング部
50に排出され、開閉電磁弁65を開き、排出されたイ
ンクは排出ポンプ67によりチューブ66、68を介し
て排出リザーバに排出された。続いて、開閉電磁弁65
を閉じ、開閉電磁弁61を開き図示していない洗浄液リ
ザーバからチューブ64、62を介して供給ポンプ63
を用いて洗浄液をクリーニング部50、さらには密着し
ている印字ヘッド33のインク室25に開口27を通じ
て導入した。この時、洗浄液がインク室25に入りやす
いように、開閉電磁弁115を開いて大気と連通した状
態にした。洗浄液をインク室25に導入した後この開閉
電磁弁115は閉じられた。インク室25の体積にして
1/2ほどの洗浄液が入った時点で、供給ポンプ63を
停止し開閉電磁弁61を閉じ、すぐさま印字ヘッド33
をキャリッジ34ごと先程と逆方向に90°回転し元の
状態に戻した。本実施の形態の場合、印字中に弾性部材
先端にできたインク固化物やあるいは粘度上昇したイン
ク物を溶解し除去するための洗浄液として、ジメチルス
ルフォキシド70%、メタノール30%からなる溶液を
用いた。なお、洗浄効果があり、弾性部材やその他の部
材を溶解もしくは腐食しないものなら、他の成分からな
る洗浄液を本発明に用いることができる。
【0052】続いて、洗浄を実施するため、洗浄手段と
して、印字に用いるものと同じ振動手段と弾性部材を用
いて洗浄した。外部から全イジェクタに信号を入力し、
200kHZで20Vp−p(最高最低振幅)の電圧を
印加時間5秒の間印加し弾性部材を振動させた。この信
号により、弾性部材先端にできたインク固化物やあるい
は粘度上昇したインク物を洗浄液に溶解し弾性部材から
除去することができた。
【0053】さらに、印字ヘッド33はクリーニング部
50の部分まで移動し、回転した後、クリーニング部5
0に密着された。回転により、印字ヘッド33のインク
室内の洗浄液はクリーニング部50に排出され、開閉電
磁弁65を開き、排出された洗浄液は排出ポンプ67に
よりチューブ66、68を介して排出リザーバに排出さ
れた。洗浄工程の最後に、印字ヘッド33をキャリッジ
34ごと逆方向に90°回転し元の状態に戻し、再び印
字ヘッド33の開閉電磁弁110を開きインク供給ポン
プ113を動作させインクリザーバからインクをインク
室に供給し印字可能の状態に戻した。ノズルを用いる従
来技術に比べて吐出開口を大きくすることができ、よっ
てインク室に洗浄液を導入するもしくは排出することが
容易であるため、インク室への洗浄液の導入・排出が短
時間かつ完全に行うことができた。
【0054】なお、本実施の形態では、洗浄工程におい
て全イジェクタに洗浄信号を入力したが、洗浄を必要と
しないイジェクタは励振しなくてももちろんよい。ま
た、クリーニング部から洗浄液を印字ヘッドに供給した
が、印字ヘッド側に供給口があってもよい。ただし、そ
の場合、印字ヘッドが大きくなりキャリッジの送り速度
が遅くなりやすいという問題が生じる。また、印字ヘッ
ド側に供給口があり、かつ印字ヘッド側の構造上の制約
によって印字ヘッド側の供給口の開口面積を十分大きく
とれない場合には、インク室内への洗浄液の導入速度が
低下し洗浄工程に時間を要してしまうという問題が生じ
る。この場合、先に説明した印字ヘッドの吐出開口はそ
の開口形状が吐出ドロップ径になんら関係を有しないと
いう本吐出原理上の特徴を生かせないことによる。な
お、可能であるならば、印字完了後ではなく、印字前、
あるいは印字を一時中断してこの洗浄を実施してもよ
い。
【0055】印字後の印字紙36上に形成された各ドッ
トは、各色インクともほぼ30μm径の円状に整った均
一小径ドットであった。洗浄工程後に再度信号を送り印
字を行ったが、洗浄手段により洗浄を行ったことによ
り、ドット径やドットの着弾位置精度に各色とも変動は
なく、小径ドロップを安定に吐出することができてい
た。
【0056】ノズルをインク表面に配置してしていない
ため、インク・ノズル内およびその周辺へのインク固着
はもちろんなく、微少ドロップを安定して吐出ができ
た。また、駆動周波数も低いので発熱もなく発熱による
インクの粘度変化や固化といった問題も生じなかった。
特に、洗浄手段の導入により、高い解像度に対応する微
小ドットを安定に形成でき高品位な印字が可能であっ
た。また、印字に用いると同一の振動発生手段および弾
性部材で洗浄手段を構成しているため小型で安価な記録
装置を実現できた。
【0057】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。例えば、弾性部材5の片持ち梁構造
の自由端の先端部近傍における曲げ振動の振動方向に対
して垂直な面の幅Wが、ほぼW=2λの長さとなる領域
を有するようにしてもよい。但し、λは以下の式で与え
られる。 λ={8πσ/(ρfe2)}1/3×104(μm) ここで、σは、インク表面張力(mN/m) ρは、インク密度(g/cm3) feは、励振周波数(Hz) である。こうすることにより、幅Wにおいて2山のキャ
ピラリ波を生成でき、その後1山のインク隆起部が形成
されて次の瞬間これが分離してより正確に1インク滴を
飛翔させることができるようになる。
【0058】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、ノズルを
用いずに微小なドロップ滴を吐出でき、かつ従来に比べ
低周波で駆動できる新規な吐出機構により、高解像度化
に対応した微少ドロップを吐出でき、インク詰まりやイ
ンク突出方向の変動といったインク吐出の不安定さがな
い高信頼で高画質な印字が可能である新規なインクジェ
ット記録装置を提供することができる。特に、印字に用
いると同一の振動発生手段および弾性部材からなる洗浄
手段により弾性部材先端のクリーニングを簡易かつ容易
に行うことができ、小型で安価なインクジェット記録装
置を実現できる。また、低周波で駆動できるためエネル
ギー効率が良く、よって使用できるインクの物性範囲を
広くでき、各種の印字用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置の印字ヘッドの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置の印字ヘッドの正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置の立体図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置のクリーニング部の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置の印字ヘッドの断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置の印字ヘッドの正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置の立体図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるインクジェッ
ト記録装置のクリーニング部の断面図である。
【図9】キャピラリ波の吐出機構を説明するための断面
図である。
【図10】本発明における印字ヘッドの断面図である。
【図11】本発明における印字ヘッドの正面図である。
【符号の説明】
1 振動板 2 圧電セラミック薄膜 3、4 電極 5 弾性部材 6 インク 7 インク面 8 吐出ドロップ 9 振動子 10 保護膜 20 保持部材 21 支持部 25 インク室 26 インク室構成部材 27 吐出開口部 28 インク供給開口部 29 インク面保持部材 33 印字ヘッド 34 キャリッジ 35 ローラー 36 印字紙 37 記録装置 38 インクタンク 40 クリーニング部 41 クリーニング部外枠 42 吸収スポンジ 43 開口 50 クリーニング部 51 クリーニング部外枠 52 ゴム 53 開口 60 洗浄液供給開口 61 開閉電磁弁 62、64チューブ 63 洗浄液供給ポンプ 65 開閉電磁弁 66、68 チューブ 67 廃棄ポンプ 69 廃棄開口 102 フィルター 103 インクタンク 104 信号接続コネクタ 110 開閉電磁弁 111 通気開口 112、114 チューブ 113 インク供給ポンプ 115 開閉電磁弁 120 外部駆動手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画素信号に対応して振動する振動発生手段
    と、前記振動発生手段の励振に応じて曲げ振動する弾性
    部材とを有し、印字の際に前記弾性部材の振動によりイ
    ンクの表面にキャピラリ波を発生させ、前記インクを飛
    翔させて記録媒体に付着させて印字を行う印字ヘッド
    と、 非印字時に前記弾性部材を洗浄する洗浄手段とを備えた
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインクジェット記録装置に
    おいて、 前記弾性部材は、片持ち梁構造を有し、洗浄時には前記
    先端部は前記インク中に埋没させられることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のインクジェット
    記録装置において、 前記洗浄手段は、前記非印字時に前記振動発生手段を励
    振させ、前記弾性部材を所定の振動数で振動させて前記
    弾性部材の洗浄を行うことを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置において、 前記洗浄手段は、前記印字ヘッドの前記インクの吐出面
    を遮蔽する遮蔽機構を有することを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置において、 前記洗浄手段は、前記印字ヘッドのインク室に洗浄液を
    導入する導入機構を備えていることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置において、 前記洗浄手段は、前記印字ヘッドのインク室内の液体を
    排出する排出機構を備えていることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置において、 前記振動発生手段は、印字時に前記弾性部材の実効共振
    周波数のいずれか一の周波数で励振することを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置において、 前記洗浄手段は、洗浄時において、前記印字時に前記振
    動発生手段を励振させる前記周波数とほぼ同一もしくは
    その整数倍の周波数で前記振動発生手段を励振させるこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置において、 前記洗浄手段は、洗浄時において、前記印字時に前記振
    動発生手段を励振させる電圧より高い電圧で前記振動発
    生手段を励振させることを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、 前記洗浄手段は、前記印字ヘッドの印字領域外に設けた
    洗浄部を有していることを特徴とするインクジェット記
    録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100358340B1 (ko) * 1999-07-31 2002-10-25 삼성전자 주식회사 잉크젯 프린터
WO2004028815A1 (ja) * 2002-09-24 2004-04-08 Konica Minolta Holdings, Inc. 静電吸引型液体吐出ヘッドの製造方法、ノズルプレートの製造方法、静電吸引型液体吐出ヘッドの駆動方法、静電吸引型液体吐出装置及び液体吐出装置

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