JPH11235826A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents
インクジェット記録ヘッドInfo
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- JPH11235826A JPH11235826A JP4083498A JP4083498A JPH11235826A JP H11235826 A JPH11235826 A JP H11235826A JP 4083498 A JP4083498 A JP 4083498A JP 4083498 A JP4083498 A JP 4083498A JP H11235826 A JPH11235826 A JP H11235826A
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- Japan
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- ink
- polymer
- recording head
- repellent film
- block polymer
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】安価で、耐擦性能に優れ、長期にわたって安定
かつ十分な撥インク性能をもつ撥インク性皮膜を備えた
インクジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環
式炭化水素重合体からなるブロック重合体と高分子材料
とを溶媒に混合溶解させ、あるいは前記ブロック重合体
を高分子材料に分散させてノズル面に塗布乾燥した後、
熱処理して撥インク性皮膜を形成する。ブロック重合体
の含有率が0.5 〜7重量%の領域では低表面張力インク
の接触角が85度以上、剥離開始ワイピング回数が1万回
以上という優れた撥インク性及び耐擦性を得ることがで
きる。
かつ十分な撥インク性能をもつ撥インク性皮膜を備えた
インクジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環
式炭化水素重合体からなるブロック重合体と高分子材料
とを溶媒に混合溶解させ、あるいは前記ブロック重合体
を高分子材料に分散させてノズル面に塗布乾燥した後、
熱処理して撥インク性皮膜を形成する。ブロック重合体
の含有率が0.5 〜7重量%の領域では低表面張力インク
の接触角が85度以上、剥離開始ワイピング回数が1万回
以上という優れた撥インク性及び耐擦性を得ることがで
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェット
記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドのノズ
ル面に形成される撥インク性皮膜に関する。
記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドのノズ
ル面に形成される撥インク性皮膜に関する。
【0002】
【従来の技術】図2はインクジェット記録ヘッド(以下
記録ヘッドと略称する)の一例の構成を示す断面図であ
り、図3はその部分拡大図である。記録ヘッドは、イン
ク管路3を形成するための溝が形成された流路基板1
と、その溝側の面に接合されてインク管路3を形成させ
る振動板2とで構成されている。このような記録ヘッド
のインク管路3にインク供給源9から供給されたインク
が、インク加圧室32で急激に加圧されてインクノズル34
のノズル開口部35からインク滴となって吐出され、記録
媒体上に付着し記録する。図2の場合では、圧電素子4
によってインクが加圧される。
記録ヘッドと略称する)の一例の構成を示す断面図であ
り、図3はその部分拡大図である。記録ヘッドは、イン
ク管路3を形成するための溝が形成された流路基板1
と、その溝側の面に接合されてインク管路3を形成させ
る振動板2とで構成されている。このような記録ヘッド
のインク管路3にインク供給源9から供給されたインク
が、インク加圧室32で急激に加圧されてインクノズル34
のノズル開口部35からインク滴となって吐出され、記録
媒体上に付着し記録する。図2の場合では、圧電素子4
によってインクが加圧される。
【0003】インクが吐出されるインクノズル34のノズ
ル開口部35には、振動板2としてのガラス板や金属板、
流路基板1としてのシリコン基板や金属基板や樹脂基板
などが使用されている。これらの材料の表面にはインク
が付着し拡散し易く、ノズル開口部35の近傍にインクが
付着すると吐出するインクの直進性が悪くなり、インク
滴の飛行に偏向を生じ、印字が乱れるなどして、画像品
質が著しく低下し、場合によっては、インク不吐出ノズ
ルを発生させたりする。このため、そのままでは実用に
供することができない。
ル開口部35には、振動板2としてのガラス板や金属板、
流路基板1としてのシリコン基板や金属基板や樹脂基板
などが使用されている。これらの材料の表面にはインク
が付着し拡散し易く、ノズル開口部35の近傍にインクが
付着すると吐出するインクの直進性が悪くなり、インク
滴の飛行に偏向を生じ、印字が乱れるなどして、画像品
質が著しく低下し、場合によっては、インク不吐出ノズ
ルを発生させたりする。このため、そのままでは実用に
供することができない。
【0004】更に、記録ヘッドを使用する場合には、必
ずノズル面5の表面の汚れやインクを払拭するために、
定期的な保守指令あるいは印字状態の監視データによる
印字不良除去指令によって、ノズル面5はインクジェッ
ト記録装置に備えられているワイパーによってその表面
を擦られる。したがって、撥インク性皮膜6はこのワイ
パによる機械的な摩擦に耐えることも要求される。この
耐擦性能としては、1万(10K) 〜4万(40K) 回のワイピ
ングに耐えることを要求される。この回数はインクの付
着状況によって変わり、付着し難い表面の場合には少な
く、付着し易い表面の場合には多くなる。
ずノズル面5の表面の汚れやインクを払拭するために、
定期的な保守指令あるいは印字状態の監視データによる
印字不良除去指令によって、ノズル面5はインクジェッ
ト記録装置に備えられているワイパーによってその表面
を擦られる。したがって、撥インク性皮膜6はこのワイ
パによる機械的な摩擦に耐えることも要求される。この
耐擦性能としては、1万(10K) 〜4万(40K) 回のワイピ
ングに耐えることを要求される。この回数はインクの付
着状況によって変わり、付着し難い表面の場合には少な
く、付着し易い表面の場合には多くなる。
【0005】そこで、インクがノズル開口部35に付着
し、ノズル面5上を拡散するのを防止するために、ノズ
ル開口部35の周辺あるいはノズル面5全体に撥インク処
理としての撥インク性皮膜6が形成されている。図2及
び図3の場合には、ノズル面5に直接に撥インク性皮膜
6が形成されているが、別途準備したノズル板に撥イン
ク性皮膜を形成し、そのノズル板をノズル面5に接合し
ている記録ヘッドもある。
し、ノズル面5上を拡散するのを防止するために、ノズ
ル開口部35の周辺あるいはノズル面5全体に撥インク処
理としての撥インク性皮膜6が形成されている。図2及
び図3の場合には、ノズル面5に直接に撥インク性皮膜
6が形成されているが、別途準備したノズル板に撥イン
ク性皮膜を形成し、そのノズル板をノズル面5に接合し
ている記録ヘッドもある。
【0006】このような撥インク処理としては各種の方
法が提案されている。一般的に、撥インク性をもつ材
料、例えば弗化物重合体を直接にノズル面5上に塗布し
ても、その密着強度は非常に弱いので、撥インク性材料
が直接にノズル面5あるいはノズル板(以下ではノズル
面5で代表させる)上に形成されることはない。ノズル
面5に密着性のよい材料に、弗化物重合体のような撥イ
ンク性材料を分散させて密着性を確保する方法として
は、特開昭57-157765 号公報に開示されている粉体静電
塗装による方法や、特開昭60-183161 号公報に開示され
ている弗化物重合体とニッケルとの共析メッキによる方
法、特開昭60-255441 号公報に開示されている弗素樹脂
や弗素樹脂粒子を分散させた樹脂による方法などがあ
る。これらの方法では、撥インク性を良くするためにそ
の成分を増加すると耐擦性が低下して不十分となり、両
特性を両立させることが困難である。また、共析メッキ
の場合には、弗化物重合体をニッケル中に分散させてい
るため、インク中の成分、特にアルカリ性成分によって
ニッケルが腐食されることも問題である。
法が提案されている。一般的に、撥インク性をもつ材
料、例えば弗化物重合体を直接にノズル面5上に塗布し
ても、その密着強度は非常に弱いので、撥インク性材料
が直接にノズル面5あるいはノズル板(以下ではノズル
面5で代表させる)上に形成されることはない。ノズル
面5に密着性のよい材料に、弗化物重合体のような撥イ
ンク性材料を分散させて密着性を確保する方法として
は、特開昭57-157765 号公報に開示されている粉体静電
塗装による方法や、特開昭60-183161 号公報に開示され
ている弗化物重合体とニッケルとの共析メッキによる方
法、特開昭60-255441 号公報に開示されている弗素樹脂
や弗素樹脂粒子を分散させた樹脂による方法などがあ
る。これらの方法では、撥インク性を良くするためにそ
の成分を増加すると耐擦性が低下して不十分となり、両
特性を両立させることが困難である。また、共析メッキ
の場合には、弗化物重合体をニッケル中に分散させてい
るため、インク中の成分、特にアルカリ性成分によって
ニッケルが腐食されることも問題である。
【0007】撥インク性皮膜6とノズル面5との密着性
を確保するための別の手段としては以下のような手段が
ある。特開平4-158046号公報に開示されているもので
は、シリコーン樹脂中に弗素系界面活性剤を所定比率混
合して塗布し熱処理することによって、弗素系界面活性
剤を速やかに樹脂表面に移行させ、樹脂親和性部分が樹
脂側に相溶し、撥インク性部分が空気側に配向すること
によって、撥インク性と耐擦性とを両立させようとして
いる。また、特開平4-279358号公報に開示されているも
のでは、ノズル板に酸化膜を形成しその酸化膜上へSiを
含むカップリング剤を有するアンカーコート層を設け、
更にその上に主鎖に含弗素ヘテロ環状構造を含有する重
合体の薄層膜を形成しており、特開平6-328688号公報に
開示されているものでは、ノズル板表面上にジルコニア
薄層膜を形成し、その上に含弗素シリコンカップリング
剤からなる層を設けている。
を確保するための別の手段としては以下のような手段が
ある。特開平4-158046号公報に開示されているもので
は、シリコーン樹脂中に弗素系界面活性剤を所定比率混
合して塗布し熱処理することによって、弗素系界面活性
剤を速やかに樹脂表面に移行させ、樹脂親和性部分が樹
脂側に相溶し、撥インク性部分が空気側に配向すること
によって、撥インク性と耐擦性とを両立させようとして
いる。また、特開平4-279358号公報に開示されているも
のでは、ノズル板に酸化膜を形成しその酸化膜上へSiを
含むカップリング剤を有するアンカーコート層を設け、
更にその上に主鎖に含弗素ヘテロ環状構造を含有する重
合体の薄層膜を形成しており、特開平6-328688号公報に
開示されているものでは、ノズル板表面上にジルコニア
薄層膜を形成し、その上に含弗素シリコンカップリング
剤からなる層を設けている。
【0008】一方、近年、インクジェット記録方式にお
いては、画像品質への高解像度化や高コントラスト化、
カラー化、高速化等の要求が強く、インク受容媒体への
高浸透性を有するインクへの改良、インクの長期溶解・
分散安定性の改良が実施されている。これらの改良方策
としては、主としてアルコール類、エーテル類、界面活
性剤等がインク組成物中に添加される。しかし、これら
の添加物は概してその表面張力が低く、インクの表面張
力を低下させる。インクの表面張力が低下すると、ノズ
ル面5におけるインクの接触角が低下し、前述したよう
な、ノズル面5へのインク付着及び拡散がより発生し易
くなる。
いては、画像品質への高解像度化や高コントラスト化、
カラー化、高速化等の要求が強く、インク受容媒体への
高浸透性を有するインクへの改良、インクの長期溶解・
分散安定性の改良が実施されている。これらの改良方策
としては、主としてアルコール類、エーテル類、界面活
性剤等がインク組成物中に添加される。しかし、これら
の添加物は概してその表面張力が低く、インクの表面張
力を低下させる。インクの表面張力が低下すると、ノズ
ル面5におけるインクの接触角が低下し、前述したよう
な、ノズル面5へのインク付着及び拡散がより発生し易
くなる。
【0009】このような状況においては、上記のような
従来技術による撥インク性皮膜6を検討し直してみる
と、特開平4-158046号公報に開示されているものでは、
インクの接触角が最大で78度であり、撥インク性が十分
とは言えず、また、特開平4-279358号公報及び特開平6-
328688号公報に開示されているものでは、製造工程が多
く、しかも耐擦性が十分には確保し難い。このように、
従来技術による撥インク性皮膜では、十分な撥インク性
と耐擦性とを得ることができない。
従来技術による撥インク性皮膜6を検討し直してみる
と、特開平4-158046号公報に開示されているものでは、
インクの接触角が最大で78度であり、撥インク性が十分
とは言えず、また、特開平4-279358号公報及び特開平6-
328688号公報に開示されているものでは、製造工程が多
く、しかも耐擦性が十分には確保し難い。このように、
従来技術による撥インク性皮膜では、十分な撥インク性
と耐擦性とを得ることができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、上
記のような従来技術の問題点を解消して、コストが安
く、耐擦性能に優れ、長期にわたって安定かつ十分な撥
インク性能をもつ撥インク性皮膜を備えた記録ヘッドを
提供することである。
記のような従来技術の問題点を解消して、コストが安
く、耐擦性能に優れ、長期にわたって安定かつ十分な撥
インク性能をもつ撥インク性皮膜を備えた記録ヘッドを
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明においては、イ
ンク加圧室やインクノズル等からなるインク管路を有
し、インクノズルの開口部であるノズル面に撥インク性
皮膜を備えているインクジェット記録ヘッドにおいて、
撥インク性皮膜が、1対の弗化アルキル基含有重合体及
び非環式炭化水素重合体からなるブロック重合体と高分
子材料とを溶媒に混合溶解させて形成した皮膜、または
前記ブロック重合体を高分子材料に分散させて形成した
皮膜である(請求項1の発明)。
ンク加圧室やインクノズル等からなるインク管路を有
し、インクノズルの開口部であるノズル面に撥インク性
皮膜を備えているインクジェット記録ヘッドにおいて、
撥インク性皮膜が、1対の弗化アルキル基含有重合体及
び非環式炭化水素重合体からなるブロック重合体と高分
子材料とを溶媒に混合溶解させて形成した皮膜、または
前記ブロック重合体を高分子材料に分散させて形成した
皮膜である(請求項1の発明)。
【0012】1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環
式炭化水素重合体からなるブロック重合体と高分子材料
とで撥インク性皮膜を形成しているので、ノズル面と十
分な接合強度を確保できる高分子材料中に、ブロック重
合体の非環式炭化水素重合体がアンカーとして強固に保
持され、表面に出ている弗化アルキル基含有重合体が十
分な撥インク性を発揮する。
式炭化水素重合体からなるブロック重合体と高分子材料
とで撥インク性皮膜を形成しているので、ノズル面と十
分な接合強度を確保できる高分子材料中に、ブロック重
合体の非環式炭化水素重合体がアンカーとして強固に保
持され、表面に出ている弗化アルキル基含有重合体が十
分な撥インク性を発揮する。
【0013】請求項1の発明において、非環式炭化水素
重合体がアクリル系重合体であり、高分子材料が紫外線
硬化性樹脂または熱硬化性樹脂である(請求項2の発
明)。アクリル系重合体と紫外線硬化性樹脂または熱硬
化性樹脂とは非常に接着性がよく、しかも高分子材料の
硬化時にアクリル重合体がより強固に高分子材料に保持
され、アンカー効果がより強く発揮される。
重合体がアクリル系重合体であり、高分子材料が紫外線
硬化性樹脂または熱硬化性樹脂である(請求項2の発
明)。アクリル系重合体と紫外線硬化性樹脂または熱硬
化性樹脂とは非常に接着性がよく、しかも高分子材料の
硬化時にアクリル重合体がより強固に高分子材料に保持
され、アンカー効果がより強く発揮される。
【0014】請求項1の発明において、ブロック重合体
が高分子材料中に0.5 〜7重量%含有されている(請求
項3の発明)。ブロック重合体の割合が0.5 〜7重量%
の範囲は、検討結果によれば、十分な接触角と十分な耐
擦性能が得られる範囲に相当する。
が高分子材料中に0.5 〜7重量%含有されている(請求
項3の発明)。ブロック重合体の割合が0.5 〜7重量%
の範囲は、検討結果によれば、十分な接触角と十分な耐
擦性能が得られる範囲に相当する。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明による記録ヘッドの実施
の形態について実施例を用いて説明する。なお、記録ヘ
ッドの構成は従来技術と同じであるから、図2及び図3
の構成によって説明する。流路基板1にはシリコンウェ
ハを使用し、振動板2にはガラス板を使用して図2に示
した構造の記録ヘッドを作成した。この記録ヘッドのノ
ズル開口部35の直径は数十μm である。以下の方法によ
って、この記録ヘッドのノズル面5に撥インク性皮膜6
を形成した。
の形態について実施例を用いて説明する。なお、記録ヘ
ッドの構成は従来技術と同じであるから、図2及び図3
の構成によって説明する。流路基板1にはシリコンウェ
ハを使用し、振動板2にはガラス板を使用して図2に示
した構造の記録ヘッドを作成した。この記録ヘッドのノ
ズル開口部35の直径は数十μm である。以下の方法によ
って、この記録ヘッドのノズル面5に撥インク性皮膜6
を形成した。
【0016】ノズル面5への接着強度を確保するための
高分子材料としてシリコン及びガラスに優れた接着性を
もつカルドエポキシ樹脂を選び、この樹脂をジエチレン
グリコールジメチルエーテルに10重量%溶解して樹脂溶
液とし、1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環式炭
化水素重合体からなるブロック重合体である弗素樹脂セ
グメントとアクリル樹脂セグメントとからなるブロック
重合体を、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケト
ンの1/1の混合液に30重量%分散させて分散液とし、
樹脂溶液と分散液とを混合して十分に攪拌し、カルドエ
ポキシ樹脂の固形分に対するブロック重合体の固形分の
割合が0〜8重量%の範囲内でその割合を変化させた分
散液を調整した。
高分子材料としてシリコン及びガラスに優れた接着性を
もつカルドエポキシ樹脂を選び、この樹脂をジエチレン
グリコールジメチルエーテルに10重量%溶解して樹脂溶
液とし、1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環式炭
化水素重合体からなるブロック重合体である弗素樹脂セ
グメントとアクリル樹脂セグメントとからなるブロック
重合体を、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケト
ンの1/1の混合液に30重量%分散させて分散液とし、
樹脂溶液と分散液とを混合して十分に攪拌し、カルドエ
ポキシ樹脂の固形分に対するブロック重合体の固形分の
割合が0〜8重量%の範囲内でその割合を変化させた分
散液を調整した。
【0017】約20mm厚の発泡ポリウレタンフォームシー
トを用いて、フォームシートの表面と分散液面が同じに
なるようにこの分散液をフォームシートに充填し、記録
ヘッドのインクノズル34から空気を吹き出しながら、ノ
ズル面5にこのフォームシートを軽く接触させて分散液
をノズル面5に塗布し(キッスコーティング法)、その
まま3.5 分間溶媒を乾燥させた後、空気の吹き出しを止
めて150 ℃で15分間プリベークした後、200 ℃で1時間
加熱して、樹脂を硬化させ、約0.5 μm 厚の撥インク性
皮膜6を形成した。
トを用いて、フォームシートの表面と分散液面が同じに
なるようにこの分散液をフォームシートに充填し、記録
ヘッドのインクノズル34から空気を吹き出しながら、ノ
ズル面5にこのフォームシートを軽く接触させて分散液
をノズル面5に塗布し(キッスコーティング法)、その
まま3.5 分間溶媒を乾燥させた後、空気の吹き出しを止
めて150 ℃で15分間プリベークした後、200 ℃で1時間
加熱して、樹脂を硬化させ、約0.5 μm 厚の撥インク性
皮膜6を形成した。
【0018】上記のカルドエポキシ樹脂のカルドとは錨
のことであり、樹脂の鎖の端部が鉤状に湾曲している樹
脂のことをカルドエポキシ樹脂という。ブロック重合体
のアクリル樹脂セグメントをできるだけ強力に保持する
ためにこの樹脂を採用している。勿論、この発明におい
ては普通のエポキシ樹脂に代えることもできる。また、
1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環式炭化水素重
合体からなるブロック重合体とは、弗化アルキル基を
A、非環式炭化水素をBとした場合に、 〔AA・・・A〕−〔B・・・BB〕 と示される構造のブロック重合体であり、実施例に用い
たものでは、〔AA・・・A〕が弗素樹脂セグメントで
あり、〔B・・・BB〕がアクリル樹脂セグメントであ
る。
のことであり、樹脂の鎖の端部が鉤状に湾曲している樹
脂のことをカルドエポキシ樹脂という。ブロック重合体
のアクリル樹脂セグメントをできるだけ強力に保持する
ためにこの樹脂を採用している。勿論、この発明におい
ては普通のエポキシ樹脂に代えることもできる。また、
1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環式炭化水素重
合体からなるブロック重合体とは、弗化アルキル基を
A、非環式炭化水素をBとした場合に、 〔AA・・・A〕−〔B・・・BB〕 と示される構造のブロック重合体であり、実施例に用い
たものでは、〔AA・・・A〕が弗素樹脂セグメントで
あり、〔B・・・BB〕がアクリル樹脂セグメントであ
る。
【0019】このようにして形成した撥インク性皮膜6
の撥インク性を評価するために、表面張力が35mN/mと
いう低表面張力のインクの接触角を測定し、更に、この
ような撥インク性皮膜6を形成した記録ヘッドを記録装
置に搭載して印字特性と耐擦性とを評価した。耐擦性試
験としてのワイピングの条件は、加重が80g重、ワイピ
ング速度が100mm /sec 、ワイピング材料が厚さ1mmで
硬度40度のシリコーンゴムである。
の撥インク性を評価するために、表面張力が35mN/mと
いう低表面張力のインクの接触角を測定し、更に、この
ような撥インク性皮膜6を形成した記録ヘッドを記録装
置に搭載して印字特性と耐擦性とを評価した。耐擦性試
験としてのワイピングの条件は、加重が80g重、ワイピ
ング速度が100mm /sec 、ワイピング材料が厚さ1mmで
硬度40度のシリコーンゴムである。
【0020】図1は、このようにして形成した撥インク
性皮膜6のブロック重合体の含有率に対する低表面張力
インクの接触角及び耐擦性試験結果を示した線図であ
る。インクの接触角は、ブロック重合体の含有率の増加
に伴って当初急激に増加し、必要な接触角である85度を
含有率0.5 重量%の点で越え、110 度弱で飽和する。一
方、耐擦性試験としての剥離開始ワイピング回数は、接
触角とは傾向が逆であり、ブロック重合体の含有率の増
加に伴って当初の7万回近いワイピング回数から漸減し
て、含有率が5重量%を越えると、耐擦性の第1目標値
である4万回以上を割り込み、7重量%で第2目標であ
る1万回まで低下している。
性皮膜6のブロック重合体の含有率に対する低表面張力
インクの接触角及び耐擦性試験結果を示した線図であ
る。インクの接触角は、ブロック重合体の含有率の増加
に伴って当初急激に増加し、必要な接触角である85度を
含有率0.5 重量%の点で越え、110 度弱で飽和する。一
方、耐擦性試験としての剥離開始ワイピング回数は、接
触角とは傾向が逆であり、ブロック重合体の含有率の増
加に伴って当初の7万回近いワイピング回数から漸減し
て、含有率が5重量%を越えると、耐擦性の第1目標値
である4万回以上を割り込み、7重量%で第2目標であ
る1万回まで低下している。
【0021】第1目標値の4万回は、5万枚の印刷に対
して1枚1回に近いワイピングを実施することに相当
し、接触角が85度を越える領域では、インクがノズル面
5に付着し難いので5万枚の印刷に対しては十分に余裕
のある耐擦性をもつことに相当する。なお、7重量%を
越えると撥インク性皮膜6の形成そのものが困難とな
る。
して1枚1回に近いワイピングを実施することに相当
し、接触角が85度を越える領域では、インクがノズル面
5に付着し難いので5万枚の印刷に対しては十分に余裕
のある耐擦性をもつことに相当する。なお、7重量%を
越えると撥インク性皮膜6の形成そのものが困難とな
る。
【0022】上記の結果において、接触角が85度以上の
撥インク性皮膜6を形成した記録ヘッドでは、インクの
ノズル開口部35への付着がなく、吐出したインク滴の偏
向もなく、印字乱れなどの著しい画像品質の劣化や不吐
出ノズルの発生も全くなかった。なお、上記インクで接
触角が85度である撥インク性皮膜6のイオン交換水によ
る接触角は110 度であった。
撥インク性皮膜6を形成した記録ヘッドでは、インクの
ノズル開口部35への付着がなく、吐出したインク滴の偏
向もなく、印字乱れなどの著しい画像品質の劣化や不吐
出ノズルの発生も全くなかった。なお、上記インクで接
触角が85度である撥インク性皮膜6のイオン交換水によ
る接触角は110 度であった。
【0023】したがって、ブロック重合体の望ましい含
有率は0.5 〜7重量%と言える。なお、ワイピングする
ことよって皮膜6の接触角が低下することはなく、皮膜
6が剥離することによって接触角が低下するので、剥離
することが問題になる。上記の実施例においては、樹脂
として熱硬化性のカルドエポキシ樹脂を用いたが、紫外
線硬化樹脂に置き換えることもできる。また、樹脂を溶
解する溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテ
ルをシクロヘキサノンやジオキサン、メチルエチルケト
ン等に置き換えても同様の結果を得ることができるし、
ブロック重合体を分散させる溶媒もメチルエチルケトン
とメチルイソブチルケトンの1/1の混合液に限定され
るものではない。更に、ブロック重合体の分散液の分散
量を3重量%に変えても同様の結果を得た。
有率は0.5 〜7重量%と言える。なお、ワイピングする
ことよって皮膜6の接触角が低下することはなく、皮膜
6が剥離することによって接触角が低下するので、剥離
することが問題になる。上記の実施例においては、樹脂
として熱硬化性のカルドエポキシ樹脂を用いたが、紫外
線硬化樹脂に置き換えることもできる。また、樹脂を溶
解する溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテ
ルをシクロヘキサノンやジオキサン、メチルエチルケト
ン等に置き換えても同様の結果を得ることができるし、
ブロック重合体を分散させる溶媒もメチルエチルケトン
とメチルイソブチルケトンの1/1の混合液に限定され
るものではない。更に、ブロック重合体の分散液の分散
量を3重量%に変えても同様の結果を得た。
【0024】
【発明の効果】この発明によれば、インク加圧室やイン
クノズル等からなるインク管路を有し、インクノズルの
開口部であるノズル面に撥インク性皮膜を備えているイ
ンクジェット記録ヘッドにおいて、撥インク性皮膜が、
1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環式炭化水素重
合体からなるブロック重合体と高分子材料とを溶媒に混
合溶解させて形成した皮膜、または前記ブロック重合体
を高分子材料に分散させて形成した皮膜であるので、ノ
ズル面と十分な接合強度を確保できる高分子材料中に、
ブロック重合体の非環式炭化水素重合体がアンカーとし
て強固に保持され、表面に出ている弗化アルキル基含有
重合体が十分な撥インク性を発揮する。したがって、コ
ストが安く、耐擦性能に優れ、長期にわたって安定かつ
十分な撥インク性能をもつ撥インク性皮膜を備えた記録
ヘッドを提供することができる(請求項1の発明)。
クノズル等からなるインク管路を有し、インクノズルの
開口部であるノズル面に撥インク性皮膜を備えているイ
ンクジェット記録ヘッドにおいて、撥インク性皮膜が、
1対の弗化アルキル基含有重合体及び非環式炭化水素重
合体からなるブロック重合体と高分子材料とを溶媒に混
合溶解させて形成した皮膜、または前記ブロック重合体
を高分子材料に分散させて形成した皮膜であるので、ノ
ズル面と十分な接合強度を確保できる高分子材料中に、
ブロック重合体の非環式炭化水素重合体がアンカーとし
て強固に保持され、表面に出ている弗化アルキル基含有
重合体が十分な撥インク性を発揮する。したがって、コ
ストが安く、耐擦性能に優れ、長期にわたって安定かつ
十分な撥インク性能をもつ撥インク性皮膜を備えた記録
ヘッドを提供することができる(請求項1の発明)。
【0025】請求項1の発明において、非環式炭化水素
重合体がアクリル系重合体であり、高分子材料が紫外線
硬化性樹脂または熱硬化性樹脂である。アクリル系重合
体と紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂とは非常に接
着性がよく、しかも高分子材料の硬化時にアクリル重合
体がより強固に高分子材料に保持され、アンカー効果が
より強く発揮される。したがって、非環式炭化水素重合
体としてのアクリル系重合体と、高分子材料としての紫
外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂とは、最適の材料の
組み合わせであり、コストが安く、耐擦性能に優れ、長
期にわたって安定かつ十分な撥インク性能をもつ撥イン
ク性皮膜を備えた記録ヘッドを提供することができる
(請求項2の発明)。
重合体がアクリル系重合体であり、高分子材料が紫外線
硬化性樹脂または熱硬化性樹脂である。アクリル系重合
体と紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂とは非常に接
着性がよく、しかも高分子材料の硬化時にアクリル重合
体がより強固に高分子材料に保持され、アンカー効果が
より強く発揮される。したがって、非環式炭化水素重合
体としてのアクリル系重合体と、高分子材料としての紫
外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂とは、最適の材料の
組み合わせであり、コストが安く、耐擦性能に優れ、長
期にわたって安定かつ十分な撥インク性能をもつ撥イン
ク性皮膜を備えた記録ヘッドを提供することができる
(請求項2の発明)。
【0026】請求項1の発明において、ブロック重合体
が高分子材料中に0.5 〜7重量%含有されている。ブロ
ック重合体の割合が0.5 〜7重量%の範囲は、検討結果
によれば、十分な接触角と十分な耐擦性能が得られる範
囲に相当する。したがって、0.5 〜7重量%のブロック
重合体を高分子材料中に含有させることによって、理想
的な撥インク性皮膜を形成することができる(請求項3
の発明)。
が高分子材料中に0.5 〜7重量%含有されている。ブロ
ック重合体の割合が0.5 〜7重量%の範囲は、検討結果
によれば、十分な接触角と十分な耐擦性能が得られる範
囲に相当する。したがって、0.5 〜7重量%のブロック
重合体を高分子材料中に含有させることによって、理想
的な撥インク性皮膜を形成することができる(請求項3
の発明)。
【図1】この発明によるインクジェット記録ヘッドの実
施例の撥インク性皮膜の特性を示す線図
施例の撥インク性皮膜の特性を示す線図
【図2】インクジェット記録ヘッドの一例の構成を示す
断面図
断面図
【図3】図2の部分拡大図
1 流路基板 2 振動板 3 インク管路 31 インク供給路 32 インク加圧室 33 インク射出路 34 インクノズル 35 ノズル開口部 4 圧電素子 5 ノズル面 6 撥インク性皮膜 9 インク供給源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大澤 克之 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】インク加圧室やインクノズル等からなるイ
ンク管路を有し、インクノズルの開口部であるノズル面
に撥インク性皮膜を備えているインクジェット記録ヘッ
ドにおいて、 撥インク性皮膜が、1対の弗化アルキル基含有重合体及
び非環式炭化水素重合体からなるブロック重合体と高分
子材料とを溶媒に混合溶解させて形成した皮膜、または
前記ブロック重合体を高分子材料に分散させて形成した
皮膜であることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
ド。 - 【請求項2】非環式炭化水素重合体がアクリル系重合体
であり、高分子材料が紫外線硬化性樹脂または熱硬化性
樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
ェット記録ヘッド。 - 【請求項3】ブロック重合体が高分子材料中に0.5 〜7
重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載
のインクジェット記録ヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4083498A JPH11235826A (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | インクジェット記録ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4083498A JPH11235826A (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | インクジェット記録ヘッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11235826A true JPH11235826A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=12591673
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4083498A Pending JPH11235826A (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | インクジェット記録ヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11235826A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005047261A (ja) * | 2003-07-15 | 2005-02-24 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | インクジェットプリンタ及び記録ヘッド |
-
1998
- 1998-02-23 JP JP4083498A patent/JPH11235826A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005047261A (ja) * | 2003-07-15 | 2005-02-24 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | インクジェットプリンタ及び記録ヘッド |
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