JPH11240441A - ブレーキ液圧倍力システム - Google Patents

ブレーキ液圧倍力システム

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JPH11240441A
JPH11240441A JP10290496A JP29049698A JPH11240441A JP H11240441 A JPH11240441 A JP H11240441A JP 10290496 A JP10290496 A JP 10290496A JP 29049698 A JP29049698 A JP 29049698A JP H11240441 A JPH11240441 A JP H11240441A
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pressure
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piston
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岡弘之
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小林道夫
Masahiro Shimada
島田昌宏
Mamoru Sawada
沢田護
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Jidosha Kiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキペダルのストロークを変えることがで
きるようにして、適正なペダルストロークを可能とす
る。 【解決手段】パワーピストン8の前端に、マスタシリン
ダ2のプライマリピストン48′が設けられているとと
もに、このプライマリピストン48′とセカンダリピス
トン48″との間に液室55が設けられている。この液
室55は、オリフィス76を介して可変ストローク装置
71のストロークシュミレータ75に接続されている。
作動時、パワーピストン8の前進により、液室55の作
動液がストロークシュミレータ75に導入される。した
がって、このストロークシュミレータ75に吸収された
作動液の分、入力軸18に連結されたブレーキペダルの
ペダルストロークが増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧により入力を
所定の大きさに倍力させて出力することにより大きなブ
レーキ力を得るようになっているブレーキ液圧倍力シス
テムの技術分野に属し、特に、ブレーキペダルのストロ
ークを変えることのできるブレーキ液圧倍力システムの
技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のブレーキ液圧倍力システムは、
小さなペダル踏力を液圧で倍力して大きなブレーキ力を
得る液圧倍力装置を備えており、このような液圧倍力装
置の一例として、実用新案登録第2551658号公報
により提案されているものがある。
【0003】図5は、この実用新案登録の液圧倍力装置
を示す図である。図中、1′はブレーキ液圧倍力装置、
2′はハウジング、3′はプラグ、4′はパワーピスト
ン、5′は制御弁、6′は弁座部材、7′は筒状固定部
材、8′はナット、9′はボール弁、10′は弁体、1
1′は筒状部材、12′は入力軸、13′は筒状ストッ
パ部材、14′は反力ピストン、15′は動力室、1
6′は出力軸である。
【0004】このブレーキ液圧倍力装置1′において
は、図示の非作動状態では、制御弁5′のボール弁9′
が弁座部材6′に着座しているとともに、筒状部材1
1′の先端弁部がボール弁9′から離座している。した
がって、動力室15′が、図示しない液圧源に常時接続
されている入力口17′から遮断しているとともに、同
じく図示しないリザーバに常時接続されている室18′
に連通し、動力室15′には液圧が導入されていなく、
パワーピストン4′は作動しない。
【0005】この非作動状態から、図示しないブレーキ
ペダルが踏み込まれ、入力軸12′に入力が加えられて
入力軸12′が前進すると、筒状部材11′も前進し
て、筒状部材11′の先端弁部が制御弁5′のボール弁
9′に当接するとともにこのボール弁9′を押して、弁
座部材6′から離座する。これにより、動力室15′は
入力口17′に連通するとともに、室18′から遮断
し、動力室15′に圧液が導入され、パワーピストン
4′が作動する。パワーピストン4′の作動により、ブ
レーキ液圧倍力装置1′は出力軸16′から出力し、図
示しないマスタシリンダのピストンを作動し、マスタシ
リンダはマスタシリンダ圧を発生する。このマスタシリ
ンダ圧が、例えば2系統ブレーキシステムにおいて両系
統のホイールシリンダにそれぞれ導入されて、両系統の
ブレーキが作動する。そして、動力室15′の液圧が入
力に応じた大きさになると、ボール弁9′が弁座部材
6′に着座するので、ブレーキ液圧倍力装置1′の出力
は、入力を倍力した大きさとなる。
【0006】ブレーキペダルを解放して入力をなくす
と、入力軸12′が図示しないリターンスプリングによ
り後退するので、筒状部材11′も後退して、筒状部材
11′の先端弁部が制御弁5′のボール弁9′から離座
する。これにより、動力室15′は入力口17から遮断
するとともに、室18′に連通し、動力室15′に導入
された液圧がリザーバに排出され、パワーピストン4′
がリターンスプリング20′により後退する。入力軸1
2′に固定された筒状ストッパ部材13′がプラグ3′
のストッパ21′に当接すると、入力軸12′はそれ以
上後退しなく、後退限となって、図示の非作動状態に戻
る。動力室15′の液圧が完全に排出されると、パワー
ピストン4′も図示の非作動状態に戻り、ブレーキ液圧
倍力装置1′は出力しなく、マスタシリンダも非作動状
態となる。
【0007】この従来のブレーキ液圧倍力装置1′にお
いては、その出力と入力軸12′のストロークとの関係
が一定となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人
は、2系統ブレーキにおいて、例えば前述のようなブレ
ーキ液圧倍力装置1′の動力室15′に導入される液圧
を一方の系統のホイールシリンダに直接導入して一方の
系統のブレーキを作動するとともに、ブレーキ液圧倍力
装置1′の出力で作動されるマスタシリンダのマスタシ
リンダ圧を、他方の系統のホイールシリンダに導入して
他方の系統のブレーキを作動するセミフルパワーブレー
キシステムを提案している(特願平8−309214
号)。
【0009】このセミフルパワーブレーキシステムにお
いては、動力室15′の液圧を一方の系統のホイールシ
リンダに直接導入しているので、同じブレーキ力を得る
場合、ブレーキペダルのストロークが、前述のマスタシ
リンダ圧を両系統のホイールシリンダに導入する従来の
ブレーキシステムに比べて小さくなる。このため、運転
者はブレーキ作動時に違和感を抱くようになる。
【0010】また、積載状態等の車両状況、ブレーキ状
況、あるいは運転者等によって、より適正なペダルスト
ロークを設定できるようにすることが望ましいが、前述
の出力とペダルストロークとの関係が一定である従来の
ブレーキ液圧倍力装置1′では、この要望に応えること
は難しい。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、ブレーキペダルのストロ
ークを変えることができるようにして、適正なペダルス
トロークが可能なブレーキ液圧倍力システムを提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明のブレーキ液圧倍力システムは、
液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、
出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストン
の受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前
記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、
作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するととも
に前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動
に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を
作動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を
作動するブレーキペダルと、前記パワーピストンの出力
によって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するマ
スタシリンダピストンを有するマスタシリンダと、この
マスタシリンダのマスタシリンダ圧が導入されることに
よりブレーキ力を発生するブレーキシリンダと、前記パ
ワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの間に設
けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封
される液室と、この液室に接続され、前記パワーピスト
ンの作動時に前記液室の作動液が導入される受圧シリン
ダからなるストロークシュミレータとを備えていること
を特徴としている。
【0013】また請求項2の発明は、前記液室と前記ス
トロークシュミレータとの間に配設されている開閉弁
と、前記液室に接続され、前記パワーピストンの作動時
に前記液室の作動液が導入される第2の受圧シリンダ
と、この第2の受圧シリンダと前記液室との間に配設さ
れ、これらの間の連通・遮断を制御する連通・遮断制御
弁とを備えていることを特徴としている。
【0014】更に請求項3の発明は、2系統のブレーキ
システムにおいて、液圧を発生する液圧源と、作動液を
貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、
このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動
時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記
リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバ
から遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧
源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御
弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加え
られて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パ
ワーピストンの出力によって作動制御されてマスタシリ
ンダ圧を発生するマスタシリンダピストンを有するマス
タシリンダと、前記動力室の液圧が導入されることによ
りブレーキ力を発生する一方の系統のブレーキシリンダ
と、前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧が導入され
ることによりブレーキ力を発生する他方の系統のブレー
キシリンダと、前記パワーピストンと前記マスタシリン
ダピストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピ
ストンの作動時に密封される液室と、この液室に接続さ
れ、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が
導入されるストロークシュミレータとを備えていること
を特徴としている。
【0015】更に請求項4の発明は、前記液室と前記ス
トロークシュミレータとの間に開閉弁が設けられ、更に
前記一方の系統のブレーキシリンダが前記液室に接続可
能とされているとともに、このブレーキシリンダを前記
動力室または前記液室に選択的に切換接続する切換弁が
設けられていることを特徴としている。
【0016】更に請求項5の発明は、2系統のブレーキ
システムにおいて、液圧を発生する液圧源と、作動液を
貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、
このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動
時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記
リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバ
から遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧
源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御
弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加え
られて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パ
ワーピストンの出力によって作動制御されてマスタシリ
ンダ圧を発生するマスタシリンダピストンを有するマス
タシリンダと、前記動力室の液圧が導入されることによ
り液圧を発生する圧力変換シリンダと、この圧力変換シ
リンダの液圧が導入されることによりブレーキ力を発生
する一方の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシリ
ンダのマスタシリンダ圧が導入されることによりブレー
キ力を発生する他方の系統のブレーキシリンダと、前記
パワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの間に
設けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密
封される液室と、この液室に接続され、前記パワーピス
トンの作動時に前記液室の作動液が導入されるストロー
クシュミレータとを備えていることを特徴としている。
【0017】更に請求項6の発明は、前記液室と前記ス
トロークシュミレータとの間に開閉弁が設けられ、更に
前記圧力変換シリンダが前記液室に接続可能とされてい
るとともに、この圧力変換シリンダを前記動力室または
前記液室に選択的に切換接続する切換弁が設けられてい
ることを特徴としている。
【0018】更に請求項7の発明は、前記液室と前記ス
トロークシュミレータとの間に、少なくともオリフィス
が配設されていることを特徴としている。更に請求項8
の発明は、前記オリフィスと並列に、前記ストロークシ
ュミレータから前記液室への液の流れのみを許容するチ
ェックバルブが設けられていることを特徴としている。
【0019】
【作用】このような構成をした請求項1ないし8の発明
のブレーキ液圧倍力システムにおいては、パワーピスト
ンの作動時に液室の作動液がストロークシュミレータに
導入される。したがって、このときは作動液がストロー
クシュミレータに吸収された分、ブレーキペダルのスト
ロークが従来のペダルストロークより増大する。特に、
請求項3および5の発明のブレーキ液圧倍力システムは
セミフルパワーブレーキシステムであり、このセミフル
パワーブレーキシステムにおいてペダルストロークが増
大するので、適正なペダルストロークが可能となる。
【0020】また、請求項2の発明においては、ストロ
ークシュミレータおよび第2の受圧シリンダをともに液
室から遮断するように、開閉弁および連通・遮断制御弁
をそれぞれ制御すると、液室はロック状態となり、パワ
ーピストンが作動しても液室の作動液はこの液室から流
出することはない。したがって、このときはブレーキペ
ダルのストロークの増減はなく、従来と同様の、ペダル
ストロークはマスタシリンダ圧が導入されるブレーキシ
リンダのピストンストローク等のブレーキ系のストロー
ク分となる。
【0021】ストロークシュミレータを液室に連通しか
つ第2の受圧シリンダを液室から遮断するように、開閉
弁および連通・遮断制御弁をそれぞれ制御すると、パワ
ーピストンの作動時、液室の作動液はストロークシュミ
レータのみに導入されるようになる。したがって、前述
の請求項1の場合とまったく同じになる。
【0022】ストロークシュミレータを液室から遮断し
かつ第2の受圧シリンダを液室に連通するように、開閉
弁および連通・遮断制御弁をそれぞれ制御すると、パワ
ーピストンの作動時、液室の作動液は第2の受圧シリン
ダのみに導入されるようになる。したがって、このとき
は作動液が第2の受圧シリンダに吸収された分、ブレー
キペダルのストロークが増大する。その場合、第2の受
圧シリンダの作動液吸収量をストロークシュミレータの
作動液吸収量と異なるように設定すれば、このときのペ
ダルストロークの増大量がストロークシュミレータのそ
れと異なるようになる。
【0023】ストロークシュミレータおよび第2の受圧
シリンダをともに液室に連通するように、開閉弁および
連通・遮断制御弁をそれぞれ制御すると、パワーピスト
ンの作動時、液室の作動液はストロークシュミレータお
よび第2の受圧シリンダの両方に導入されるようにな
る。したがって、このときは作動液がストロークシュミ
レータおよび第2の受圧シリンダにそれぞれ吸収された
分、ブレーキペダルのストロークが増大する。この場合
には、作動液の吸収量が最も多くなるので、ペダルスト
ロークは他の場合に比べて最も増大する。このように、
開閉弁および連通・遮断制御弁を適宜制御することによ
り、ペダルストロークを種々変えることができる。
【0024】更に、請求項4の発明においては、前述の
請求項2の第2の受圧シリンダを一方の系統のブレーキ
シリンダと替えるとともに、連通・遮断制御弁を切換弁
と替えるだけで、請求項2の作用と同じである。
【0025】更に、請求項6の発明においては、前述の
請求項2の第2の受圧シリンダを圧力変換シリンダと替
えるとともに、連通・遮断制御弁を切換弁と替えるだけ
で、請求項2の作用と同じである。
【0026】更に、請求項7の発明においては、ブレー
キペダルを急速に踏み込んだ急ブレーキ時には、パワー
ピストンが急速にストロークして液室の作動液をストロ
ークシュミレータに送給しようとするが、オリフィスに
よるオリフィス効果によりストロークシュミレータへの
作動液の送給が遅れるので、ペダルストロークは通常よ
り小さくなる。それとともに、ストロークシュミレータ
への作動液の送給が遅れる分だけ液室の液圧は通常より
高くなる。したがって、急ブレーキ時、通常よりペダル
ストロークが小さくなるとともに液室の液圧も高くな
り、急ブレーキが効果的に作動されるようになる。
【0027】更に、請求項8の発明においては、ストロ
ークシュミレータに供給された液が、チェックバルブに
より遅れることなく液室の方へ戻されるので、オリフィ
スが設けられても、マスタシリンダピストン、パワーピ
ストンおよび入力軸が遅れることなく、非作動位置の方
へ戻るようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係るブレーキ
液圧倍力装置の実施の形態の第1例を示す断面図、図2
は図1の部分拡大断面図である。
【0029】図1および図2に示すようにこの第1例の
ブレーキ液圧倍力装置1は、マスタシリンダ2が一体に
設けられており、このマスタシリンダ2と共通のハウジ
ング3を備えている。
【0030】ハウジング3には、比較的軸方向に長い段
付孔4が図1において右端に開口して穿設されていると
ともに、この段付孔4の小径部4aが一定の断面積でブ
レーキ液圧倍力装置1からマスタシリンダ2まで延びて
いる。この軸方向孔4の右端開口部は、Oリング5を有
するプラグ6によって液密に閉塞されている。このプラ
グ6は段付筒状突出部6aを有しており、この段付筒状
突出部6aの小径突出部6bがハウジング3の段付孔4
の小径部4a内に位置するようにして、段付筒状突出部
6aの大径突出部6cが小径部4a内に圧入されている
とともに、プラグ6はハウジング3に螺合されたナット
7によって段付孔4の段部に当接されてハウジング3に
固定されている。
【0031】段付孔4の小径部4a内にパワーピストン
8が液密にかつ摺動可能に配設されている。パワーピス
トン8には、その中心に位置して軸方向に延びるととも
にパワーピストン8の右端に開口する段付孔9が穿設さ
れており、段付孔9の小径部9a内には、端部に第1弁
座10aを有する筒状の弁座部材10が圧入されてい
る。弁座部材10の右端のフランジ部10bが段付孔9
の段部に当接されているとともに、段付孔9の大径部9
b内に嵌入された筒状固定部材11によって軸方向に支
持されており、更に筒状固定部材11はCリング12に
よってパワーピストン8に固定されている。
【0032】段付孔9の小径部9a内には、カラー13
が圧入されており、このカラー13に、円錐弁14が一
体に形成された筒状の弁体15が摺動可能に配設されて
おり、この弁体15はスプリング16により円錐弁14
が弁座部材10の第1弁座10aに着座する方向に常時
付勢されている。また、弁座部材10の軸方向孔10c
内には、弁作動部材17の先端に形成された第2弁座1
7aが円錐弁14に着座可能に配設されている。また、
弁作動部材17は入力軸18に嵌合固定されているとと
もに、この弁作動部材17には、プラグ6の小径突出部
6bの先端に当接可能で、この当接時に入力軸18の後
退限を規定するフランジ状のストッパ部17bが一体に
設けられている。弁座部材10と弁作動部材17との間
にはスプリング19が縮設されていて、弁作動部材17
および入力軸18は、常時図において右方に付勢されて
いる。入力軸18はプラグ6を液密に貫通し、その後端
は図示しないがブレーキペダルに連結されている。
【0033】入力軸18と弁作動部材17の各外周とプ
ラグ6の小径突出部6bの軸方向孔の内周との間に、筒
状の反力ピストン20がいずれにも摺動可能に嵌合され
ている。図3に示すように、この反力ピストン20の図
3において左端部には、第1フランジ部20aと第2フ
ランジ部20bとが設けられている。第1フランジ部2
0aの左側部は、ストッパ部17bが当接可能となって
おり、このストッパ部17bが第1フランジ部20aの
左側部に当接することにより、反力ピストン20に対し
てこの弁作動部材17のそれ以上の後退を阻止するスト
ッパ部20cとされている。換言すれば、弁作動部材1
7のストッパ部17bが反力ピストン20のストッパ部
20cに当接することにより、反力ピストン20に対し
て入力軸18のそれ以上の後退が阻止されるようになっ
ている。
【0034】また、第2フランジ部20bの右側部は、
反力ピストン20がパワーピストン8に対して所定量後
退移動したとき、筒状固定部材11の段部11aに係合
する係合部20dとされている。更に、反力ピストン2
0の右端20eは、入力軸18の段部18aに当接可能
となっている。そして、反力ピストン20の第2フラン
ジ部20bと筒状固定部材11との間にスプリング21
が縮設されており、このスプリング21により、通常時
は反力ピストン20の第2フランジ部20bは弁座部材
10のフランジ部10bに当接されている。
【0035】更にハウジング3には、圧液が導入される
入力口22と、この入力口22と段付孔4の小径部4a
とを連通する通路孔23とが設けられているとともに、
パワーピストン8に、この通路孔23と段付孔9の小径
部9aとを連通する通路孔24が穿設されている。その
場合、通路孔24は、弁座部材10とカラー13との間
の小径部9aに開口している。これらの入力口22およ
び通路孔23,24により、液圧供給通路が構成されて
いる。
【0036】プラグ6とパワーピストン8の右端との間
には、動力室25が形成されており、この動力室25は
弁座部材10の軸方向孔10cに常時連通されている。
この動力室25内に、弁作動部材17のストッパ部材1
7bおよび反力ピストン20の第1および第2フランジ
部20a,20bがそれぞれ位置されている。なお、プ
ラグ6の小径突出部6bの外周面と筒状固定部材11の
内周面との間には、隙間が設けられていて、筒状固定部
材11の軸方向両側で作動液が自由に流動可能となって
いる。
【0037】また、動力室25は、ハウジング3に穿設
された通路孔26を介して出力口27に常時連通されて
いるとともに、この出力口27は2ブレーキ系統のうち
の一方の系統におけるホイールシリンダ28,29に常
時連通されている。
【0038】更に、弁体15には軸方向に貫通する軸方
向孔30が穿設されており、この軸方向孔30はパワー
ピストン8に穿設された通路孔31に常時連通してい
る。この通路孔31は小径部4aを介してハウジング3
に穿設された排出口32に常時連通されており、この排
出口32はリザーバ33に常時連通されている。更に、
動力室25は、パワーピストン8に穿設された通路孔3
4を介して弁体15の段部15aに面する室35に常時
連通されている。
【0039】更に、入力口22とリザーバ33とを接続
する液圧回路36に、モータ37で駆動される液圧ポン
プ38と、液圧ポンプ38の吐出側にチェックバルブ3
9を介してアキュムレータ40とがそれぞれ設けられて
いる。アキュムレータ40には、液圧ポンプ38の吐出
圧によって常時所定圧が蓄えられるようになっている。
【0040】ところで、本例のブレーキ液圧倍力装置1
は、更にプラグ6に形成された反力室41が設けられて
おり、この反力室41に、入力軸18の段部18aおよ
び反力ピストン20の右端20eが面するようになって
いる。そして、反力室41はプラグ6に穿設された径方
向孔42、ハウジング3とプラグ6との間の環状空間4
3、ハウジング3に穿設された軸方向孔44を介して、
制御圧導入口45に常時連通されている。
【0041】図1に示すように、制御圧導入口45は、
二位置三方弁からなる圧力切換弁46を備えた可変サー
ボ装置47に接続されている。この二位置三方切換弁4
6は、制御圧導入口45を、リザーバ33に常時連通す
る液圧回路36に接続する第1位置Iと、制御圧導入口
45を、出力口27とホイールシリンダ28,29とを
接続するブレーキ液通路に接続する第2位置IIとが設定
されており、通常時は第1位置Iに設定されるととも
に、出力口27の液圧、つまり動力室25の液圧が設定
作動圧になったとき、第2位置IIに切換制御されるよう
になっている。
【0042】一方、マスタシリンダ2は、パワーピスト
ン8の有効受圧面積と同じ有効受圧面積にそれぞれ設定
されたプライマリピストン48′とセカンダリピストン
48″とを有するタンデムマスタシリンダとして構成さ
れている。その場合、プライマリピストン48′がパワ
ーピストン8の前端に一体に設けられている。
【0043】両ピストン48′,48″の間隔を規制す
る間隔規制ロッド49がマスタシリンダピストン48の
方へ突出して固定されているとともに、この間隔規制ロ
ッド49にリテーナ50が軸方向に摺動可能に嵌合され
ている。また、リテーナ50とプライマリピストン4
8′の前端との間には、スプリング51が縮設されてい
て、リテーナ50が常時プライマリピストン48′から
遠ざかる方向に付勢されている。通常時は、このリテー
ナ50は間隔規制ロッド49の頭部49aに当接して、
それ以上プライマリピストン48′から離れることを規
制されている。
【0044】セカンダリピストン48″はリターンスプ
リング52のばね力により常時後方(図1において右
方)に付勢されていて、その後端は、通常時はリテーナ
50に当接されている。プライマリピストン48′の前
端とセカンダリピストン48″の後端には、それぞれカ
ップシール53,54が設けられており、これらのカッ
プシール53,54の間の小径部4aに、液室55が画
成されている。両カップシール53,54は、それぞれ
カップシール53,54を通る液室55外から液室55
内への液の流れは許容するが、カップシール53,54
を通る液室55から液室55外への液の流れは阻止する
ようになっている。
【0045】また、ハウジング3には、マスタシリンダ
のブレーキ液補償口56が穿設されており、このブレー
キ液補償口56は、常時リザーバ33に連通している。
そして、プライマリピストン48′の非作動位置では、
カップシール53が排出口32とブレーキ液補償口56
との間に位置するようにされている。したがって、非作
動時には、液は液室55とブレーキ液補償口56との間
で両方向に自由に流れるようになっているが、パワーピ
ストン8が前進して、カップシール53がブレーキ液補
償口56を通り過ぎると、液室55からブレーキ液補償
口56に向かう液の流れは阻止されるようになってい
る。
【0046】セカンダリピストン48″は、ハウジング
3の段付孔4の小径部4aに、その前端に設けられたカ
ップシール57により一方向にのみ液密に、かつ摺動可
能に嵌合されている。
【0047】また、小径部4a内にはセカンダリピスト
ン48″により液室58が画成されているとともに、こ
の液室58は出力口59を介して2ブレーキ系統のうち
の他方の系統におけるホイールシリンダ60,61に常
時連通されている。更に、セカンダリピストン48″に
は、径方向孔62とこの径方向孔62に連通する軸方向
孔63が穿設されている。この軸方向孔63には、先端
に弁64が設けられた弁ロッド65が貫通しており、こ
の弁ロッド65は、ハウジング3に小径部4aおよびセ
カンダリピストン48″に穿設された径方向孔62を径
方向に貫通して設けられた弁解放ロッド66に当接可能
となっている。更に、弁64はスプリング67によって
弁座68に着座する方向に常時付勢されている。そし
て、セカンダリピストン48″が図示の非作動位置にあ
るときは、弁ロッド65が弁解放ロッド66に当接する
ことにより、弁64がスプリング67のばね力に抗して
弁座68から離座し、リザーバ33と液室58とが連通
されるようになっている。また、セカンダリピストン4
8″が前進したときは、スプリング67のばね力により
弁64が弁座68に着座しかつ弁ロッド65が弁解放ロ
ッド66から離れ、リザーバ33と液室58とが遮断さ
れてマスタシリンダ圧が発生するようになっている。
【0048】そして、パワーピストン8の有効受圧面
積、プライマリピストン48′の有効受圧面積、および
セカンダリピストン48″の前後端部の各有効受圧面積
はすべて等しく設定されている。
【0049】更に、ハウジング3には、常時リザーバ3
3に連通している通路孔69が穿設されており、したが
ってセカンダリピストン48″の軸方向孔63は、径方
向孔62、小径部4a、および通路孔69を介してリザ
ーバ33に常時接続されている。
【0050】液室55は、ハウジング3の接続口70を
介して可変ストローク装置71に接続されている。この
可変ストローク装置71は、ピストン72、シリンダ7
3、およびスプリング74を有し、ペダルストロークを
確保するためのストロークシュミレータ75と、接続口
70とストロークシュミレータ75との間の通路に設け
られたオリフィス76と、このオリフィス76をバイパ
スして設けられ、ストロークシュミレータ75から接続
口70への液の流れのみを許容するチェックバルブ77
とから構成されている。
【0051】また、ブレーキ液圧倍力装置1の出力口2
7と一方の系統のホイールシリンダ28,29とを接続
する液通路には、ポンプ38およびアキュムレータ40
の液圧源の失陥時に、一方の系統のブレーキを確実に作
動するための液圧失陥時ブレーキ作動装置78が設けら
れている。この液圧失陥時ブレーキ作動装置78は、ピ
ストン79、シリンダ80、およびスプリング81を有
する圧力変換シリンダ82と、二位置三方弁からなる圧
力制御切換弁83とから構成されている。
【0052】圧力変換シリンダ82は本発明の第2の受
圧シリンダに相当し、動力室25または液室55から送
給された圧液が導入されたとき、ピストン79が作動し
てブレーキ液圧を発生し、ホイールシリンダ28,29
に導入されるようになっている。また、圧力変換シリン
ダ82は、液圧失陥がホイールシリンダ28,29側の
失陥によるものである場合、動力室25または液室55
からの圧液がこの失陥部から外に漏出するのを防止する
ようになっている。
【0053】圧力制御切換弁83は、アキュムレータ4
0の蓄圧によるパイロット圧で制御されるようにされて
いる。また、この圧力制御切換弁83は、圧力変換シリ
ンダ82を出力口27に接続する第1位置Iと、圧力変
換シリンダ82を接続口70に接続する第2位置IIとが
設定されており、液圧正常時は第1位置Iに設定されて
いるとともに、液圧失陥時は第2位置IIに切り換え設定
されるようになっている。
【0054】このように、この第1例の、マスタシリン
ダ2と一体のブレーキ液圧倍力装置1を用いたブレーキ
システムは、一方のブレーキ系統がそのホイールシリン
ダ28,29に動力室25の液圧が導入されるフルパワ
ーブレーキ系統であり、また他方のブレーキ系統がその
ホイールシリンダ60,61にマスタシリンダ圧が導入
される液圧ブレーキ系統であるセミフルパワーブレーキ
システムとして構成されている。
【0055】次に、この例のマスタシリンダと一体のブ
レーキ液圧倍力装置の作用について説明する。ブレーキ
ペダルが踏み込まれないブレーキ非操作時は、円錐弁1
4、弁座部材10の第1弁座10aおよび弁作動部材1
7の第2弁座17aは、図1および図2に示す位置関係
にある。すなわち、円錐弁14が弁座部材10の第1弁
座10aに着座しているとともに、弁作動部材17の第
2弁座17aが円錐弁14から離座している。この状態
では、入力口22に常時連通している通路孔24と弁座
部材10の軸方向孔10cとが遮断されているととも
に、弁座部材10の軸方向孔10cと排出口32に常時
連通している弁体15の軸方向孔30とが連通してい
る。したがって、ブレーキ非操作時は、動力室25がポ
ンプ38およびアキュムレータ40から遮断されている
とともにリザーバ33に連通し、動力室25には圧液が
供給されない。
【0056】また、反力ピストン20の右端20eは、
入力軸18の段部18aから離隔している。更に、弁作
動部材17のストッパ部17bがプラグ6の小径突出部
6bに当接しているとともに、反力ピストン20の第1
フランジ部20aのストッパ部20cから離隔してこの
ストッパ部20cより前進した位置となっている。更
に、プライマリピストン48′のカップシール53がブ
レーキ液補償口56より後方に位置しており、したがっ
て液室55はリザーバ33に接続されている。
【0057】一方、マスタシリンダ2においては、弁ロ
ッド65が弁開放ロッド66に当接して、弁64が弁座
68から離座している。したがって、液室58はリザー
バ33に接続されている。
【0058】更に、可変サーボ装置47の圧力切換弁4
6が図示の第1位置Iにあり、反力室41はリザーバ3
3に連通している。また、液圧失陥時ブレーキ作動装置
78の圧力制御切換弁83が図示の第1位置Iにあり、
圧力変換シリンダ82が出力口27に接続されている。
【0059】ブレーキペダルの踏込みによる通常ブレー
キ操作時は、入力軸18が前進し、弁作動部材17の第
2弁座17aが円錐弁14に着座するとともに、円錐弁
14が弁座部材10の第1弁座10aから離座するの
で、この状態では通路孔24と弁座部材10の軸方向孔
10cとが連通するとともに、弁座部材10の軸方向孔
10cと弁体15の軸方向孔30とが遮断される。した
がって、動力室25がリザーバ33から遮断されるとと
もにポンプ38およびアキュムレータ40に連通し、動
力室25にアキュムレータ40の圧液が供給される。こ
の場合、円錐弁14、第1弁座10aおよび第2弁座1
7aにより、動力室25をポンプ38およびアキュムレ
ータ40の液圧源またはリザーバ33に選択的に切換制
御するブレーキ液圧倍力装置1の制御弁84が構成され
ている。
【0060】動力室25に液圧が導入されると、パワー
ピストン8が前進するとともに、反力ピストン20は直
ぐに作動して、その右端20eが入力軸18の段部18
aに当接する。動力室25内に導入された圧液がリター
ンスプリング52のばね力に打ち勝つ圧力になると、こ
の液圧によりパワーピストン8が出力を発生し、この出
力によりプライマリピストン48′が前進するととも
に、セカンダリピストン48″が前進する。このセカン
ダリピストン48″の前進で弁64が弁座68に着座し
て、液室58にマスタシリンダ圧が発生する。
【0061】そして、動力室25内の液圧が一方の系統
の両ホイールシリンダ28,29に導入されるととも
に、マスタシリンダ圧が他方の系統の両ホイールシリン
ダ60,61に導入され、両系統のブレーキが作動す
る。このとき、動力室25内の液圧が作用するパワーピ
ストン8の有効受圧面積が液室58のマスタシリンダ圧
が受けるマスタシリンダピストン44の有効受圧面積と
が等しいことから、動力室25内の液圧とマスタシリン
ダ圧とはバランスして等しくなる。したがって、各ホイ
ールシリンダ28,29;60,61にはともに等しい液
圧の圧液が供給される。
【0062】動力室25内の圧液は軸方向の通路孔34
を介して室35内にも導入され、この室35内の液圧が
弁体15の段部15aに作用することにより、弁体15
は動力室25の液圧に対抗する方向に付勢される。
【0063】プライマリピストン48′が前進し、その
カップシール53がブレーキ補償口56を通過すると、
液室55がリザーバ33から遮断されて密封状態とな
る。そして、このときプライマリピストン48′がセカ
ンダリピストン48″より大きく前進するので、液室5
5の作動液が接続口70から、可変ストローク装置71
のストロークシュミレータ75に送られる。このとき、
プライマリピストン48′は、通常ブレーキ作動時であ
るため通常の速度で前進するので、ストロークシュミレ
ータへ流動する液に対するオリフィス76のオリフィス
効果は小さい。したがって、プライマリピストン48′
すなわちパワーピストン8は通常の速度で、ピストン7
2のストローク分つまりストロークシュミレータ75の
作動液吸収分、ストロークするようになる。したがっ
て、通常作動時のペダルストロークは、ホイールシリン
ダ60,61のロスストローク分とストロークシュミレ
ータ75の作動液吸収分とを加えたものに基づいたスト
ローク量になる。
【0064】入力軸18の反力が入力軸18の入力に等
しくなると、円錐弁14が弁座部材10の第1弁座10
aおよび弁作動部材17の第2弁座17aのいずれにも
着座し、動力室25はアキュムレータ40およびリザー
バ33のいずれからも遮断される。入力軸18の入力が
更に上昇すると、再び円錐弁14が第1弁座10aから
離座し、動力室25には更に圧液が供給され、動力室2
5内の液圧が更に上昇する。以後、円錐弁14が第1弁
座10aに対する着座および離座を繰り返すことによ
り、動力室25内の液圧が入力軸18の入力の上昇にし
たがって上昇する。このときは、ブレーキ液圧倍力装置
1は、通常ブレーキ時のサーボ比の比較的小さなサーボ
比でサーボ制御を行うようになる。
【0065】このサーボ制御中で、入力が所定の大きさ
になるまでは、動力室25内の液圧が圧力切換弁46の
作動圧まで上昇しないので、圧力切換弁46は第1位置
Iに設定されたままとなり、反力室41はリザーバ33
に接続されたままとなっている。
【0066】そして、各ホイールシリンダ28,29;
60,61はそれぞれ入力軸18の入力に対して倍力さ
れたブレーキ力を発生し、このブレーキ力でブレーキが
作動する。このとき、前述のように動力室25内の液圧
とマスタシリンダ圧とはバランスして互いに等しくな
り、各ホイールシリンダ33,34;68,52が発生す
るブレーキ力も互いに等しい。
【0067】入力が所定量になって、動力室25内の液
圧が圧力切換弁46の作動圧になると、圧力切換弁46
は切り換えられて第2位置IIに設定される。すると、反
力室41は出力口27と液圧失陥時ブレーキ作動装置7
8との間のブレーキ液通路に接続され、反力室41に
は、出力口27の液圧、つまり動力室25の液圧が導入
される。そして、反力室41に導入された液圧は、入力
軸18の段部18aに当接している反力ピストン20の
右端20eの一部に、入力軸18に加えられている入力
と同方向に作用するようになる。このため、入力軸18
に作用される反力が小さくなり、以後、ブレーキ液圧倍
力装置1の出力は入力軸18の入力に対して通常ブレー
キ時のサーボ制御中よりは大きく上昇する。すなわち、
ブレーキ液圧倍力装置1は比較的大きなサーボ比で入力
軸18の入力を倍力して出力するサーボ制御を行うよう
になる。これにより、各ホイールシリンダ28,29;
60,61はそれぞれ入力軸18の入力に対して通常ブ
レーキ時のブレーキ力より大きなブレーキ力を発生す
る。このように、ブレーキ液圧倍力装置1は、入力が所
定以上大きくなると通常ブレーキ時のサーボ比より大き
なサーボ比でサーボ制御を行う逆二段サーボ特性を有し
ている。
【0068】更に、入力が上昇して、動力室25の液圧
がアキュムレータ40に蓄圧される最大設定圧になる
と、動力室25の液圧はそれ以上上昇しなく、ブレーキ
液圧倍力装置1は大きなサーボ比によるサーボ制御を終
了し、全負荷状態となる。したがって、これ以後、ブレ
ーキ液圧倍力装置1の出力上昇分は、入力上昇分を倍力
しないものとなる。
【0069】ブレーキペダルを解放してブレーキ作動を
解除すると、入力軸18および弁作動部材17がともに
右方へ後退して制御弁84の第2弁座17aが円錐弁1
4から離座し、動力室25内の圧液が、弁座部材10の
軸方向孔10c、円錐弁14と第2弁座17aとの間の
隙間、弁体15の軸方向孔30,径方向孔31、段付孔
4の小径部4a、および排出口32を介してリザーバ3
3に排出される。このとき、弁作動部材17のストッパ
部17bが、反力ピストン20のストッパ部20cに当
接するまで、入力軸18が大きく後退するので、第2弁
座17aが円錐弁14から大きく開き、動力室25内の
圧液は迅速に排出される。
【0070】動力室25内の圧液の排出により、一方の
系統の両ホイールシリンダ28,29の圧液も迅速に動
力室25を通ってリザーバ33に排出されて、両ホイー
ルシリンダ28,29の液圧が低下する。一方、リター
ンスプリング52のばね力により、セカンダリピストン
48″、プライマリピストン48′およびパワーピスト
ン8が迅速に後退する。このとき、スプリング51のば
ね力により、プライマリピストン48′がセカンダリピ
ストン48″より大きく後退するようになるが、ストロ
ークシュミレータ75に供給された液が、チェックバル
ブ77により遅れることなく液室55の方へ戻されるの
で、オリフィス76が設けられても、プライマリピスト
ン48′、パワーピストン8および入力軸18は遅れる
ことなく、非作動位置の方へ戻るようになる。
【0071】セカンダリピストン48″が後退すると、
液室58の液圧および他方の系統の両ホイールシリンダ
60,61の液圧がともに低下する。そして、弁ロッド
65が弁開放ロッド66に当接すると、それ以後のセカ
ンダリピストン48″の後退に対して、弁64が弁座6
8から離座し、液室58がリザーバ33に接続される。
このため、両ホイールシリンダ60,61の圧液も迅速
に液室58を通ってリザーバ33に排出されて、両ホイ
ールシリンダ60,61の液圧が更に低下する。これに
より、両系統のブレーキが迅速に解除開始される。
【0072】動力室25内の液圧が圧力切換弁46の設
定作動圧より低下すると、圧力切換弁46が第1位置I
に切り換わり、反力室41がリザーバ33に接続され
る。したがって、ブレーキ液圧倍力装置1の出力が入力
の低下に対して通常ブレーキの小さいサーボ比で低下す
る。
【0073】ブレーキ解除がほぼ終了するまで入力軸1
8が更に後退すると、弁作動部材17のストッパ部17
bがプラグ6の小径突出部6bの先端に当接することに
より、入力軸18および弁作動部材17の後退が停止
し、入力軸18および弁作動部材17はともに後退限と
なる。しかしながら、入力軸18および弁作動部材17
の後退が停止しても、パワーピストン8、反力ピストン
20、円錐弁14および弁座部材10は、ともに更に後
退を続ける。このため、弁作動部材17のストッパ部1
7bが反力ピストン20のストッパ部20cから離隔す
るとともに、円錐弁14が弁作動部材17の第2弁座1
7aに近づいてくる。
【0074】パワーピストン8の右端がプラグ6に当接
すると、パワーピストン8の後退が停止し、セカンダリ
ピストン48″およびパワーピストン8は非作動位置と
なって、ブレーキが迅速にかつ完全に解除される。この
状態では、プライマリピストン48′のカップシール5
3がブレーキ液補償口56より後方に位置するので、室
55はブレーキ液補償口56を介してリザーバ33に接
続されるようになる。
【0075】パワーピストン8の非作動位置では、円錐
弁14が弁作動部材17の第2弁座17aにきわめて近
づいて円錐弁14と第2弁座17aとの間の間隙がきわ
めて小さくなり、着座寸前となる。したがってブレーキ
ペダルが踏み込まれて入力軸18および弁作動部材17
が前進すると、直ぐに第2弁座17aが円錐弁14に着
座するとともに円錐弁14が弁座部材10の第1弁座1
0aから直ぐに離座する。すなわち、制御弁84の切換
作動を行うためのロスストロークがきわめて小さくな
り、ブレーキが迅速に作動する。
【0076】このようにして、ブレーキ操作時には迅速
にブレーキが作動するとともに、ブレーキ操作解除時に
はブレーキ作動が迅速に解除し、ブレーキ液圧発生装置
1はきわめて応答性のよいものとなる。また、ブレーキ
ペダルを急速に踏み込んで急ブレーキをかけると、パワ
ーピストン8およびプライマリピストン48′も急速に
前進し、液室55の液を急速に接続口70からストロー
クシュミレータ75に送給しようとするが、オリフィス
76によるオリフィス効果により、ストロークシュミレ
ータ75への液の送給が遅れるので、ペダルストローク
は通常より小さくなる。それとともに、ストロークシュ
ミレータ75への液の送給が遅れる分だけ液室55の液
圧が高くなる。このとき、セカンダリピストン48″、
プライマリピストン48′、パワーピストン8の有効受
圧面積が同じであることから、動力室25の液圧および
液室58の液圧は、液室55の液圧と等しく、通常より
高くなる。
【0077】そして、動力室25の高い液圧が出力口2
7から圧力変換シリンダ82に供給され、圧力変換シリ
ンダ82のピストン79が作動して高圧のブレーキ液圧
を発生し、この高いブレーキ液圧がホイールシリンダ2
8,29に導入され、ホイールシリンダ28,29は大き
なブレーキ力を発生する。一方、高いマスタシリンダ圧
が出力口59からホイールシリンダ60,61に導入さ
れ、ホイールシリンダ60,61は大きなブレーキ力を
発生する。こうして、急ブレーキ時には、ブレーキ液圧
倍力装置1は、オリフィス76により小さなペダルスト
ロークで大きなブレーキ力を発生させることができる。
【0078】このようにして、第1例のブレーキ液圧倍
力装置1においては、オリフィス76によりブレーキペ
ダルの踏み込み速度に応じてペダルストロークを変える
ことができ、ブレーキペダルの急速な踏み込み時には、
可変ストローク装置71により、液圧倍力装置1は入力
軸18の小さいストロークで大きな出力を発生するの
で、ブレーキ力の立ち上がりが早くなるとともに、両系
統に大きなブレーキ力を迅速に発生させることができる
ようになる。
【0079】更に、ポンプ38およびアキュムレータ4
0等の液圧源の液圧が失陥すると、圧力制御切換弁83
が第2位置IIに設定される。この状態で、運転者がブレ
ーキペダルの踏み込みによる通常ブレーキ操作を行って
入力軸18を前進させ、制御弁84を切り換えても、動
力室25には液圧が導入されない。このため、パワーピ
ストン8は、動力室25の液圧によっては作動しない。
更に、ブレーキペダルが大きく踏み込まれて入力軸18
が大きく前進すると、弁作動部材17が最大ストローク
して弁座部材10に当接し、このパワーピストン8を押
すようになる。すると、パワーピストン8と一体のプラ
イマリピストン48′が前進し、そのカップシール53
がブレーキ液補償口56を通過すると、液室55に液圧
が発生し、この液圧が接続口70および圧力制御切換弁
83を介して圧力変換シリンダ82に導入される。これ
以後の一方の系統のブレーキは、前述の通常ブレーキの
場合と同じようにして作動する。このときのペダルスト
ロークは、通常作動時のペダルストロークに対してホイ
ールシリンダ28,29のロスストローク分だけ大きい
ものになる。
【0080】更に、この液圧失陥時のブレーキ作動にお
いては、プライマリピストン48′が前進することによ
り、セカンダリピストン48″も前進し、前述と同様に
弁64が弁座68に着座して、液室58に液圧が発生す
る。液室58の液圧は出力口59を介して他方の系統の
ホイールシリンダ60,61に導入され、他方の系統の
ブレーキも作動する。このとき、セカンダリピストン4
8″の前後端の各有効受圧面積が等しいので、液室55
の液圧と液室58の液圧は同じになり、その結果、両系
統のブレーキ力は同じになる。
【0081】液圧失陥時におけるブレーキ作動の解除
は、通常ブレーキの解除と同様にブレーキペダルを解放
することにより行われる。ブレーキペダルの解放によ
り、パワーピストン8とともにプライマリピストン4
8′が後退して、液室55の液圧が低下するので、一方
の系統のブレーキ力が低下するとともに、セカンダリピ
ストン48″が後退して、液室58の液圧が低下するの
で、他方の系統のブレーキ力も低下する。更に、プライ
マリピストン48′が後退して、カップシール53がブ
レーキ補償口56を通過すると、液室55がこのブレー
キ補償口56に連通する。すると、液室55がリザーバ
33に連通するので、液室55および圧力変換シリンダ
82の液圧がリザーバ33に排出されるので、一方の系
統のブレーキが完全に解除される。また、セカンダリピ
ストン48″も更に後退するので、通常ブレーキの作動
解除と同様に、弁64が弁座68から離座するので、液
室58がリザーバ33に連通し、他方の系統のブレーキ
も完全に解除される。このようにして、第1例のブレー
キ液圧倍力装置1においては、液圧失陥時に、両系統に
ブレーキ力を確実に発生させることができるようにな
る。
【0082】なお、オリフィス76およびチェックバル
ブ77は必ずしも必要ではなく、例えばブレーキ液圧倍
力装置1に急ブレーキの機能を他の装置で持たせる場合
等、場合によっては省略することができる。
【0083】図4は、本発明の実施の形態の第2例を示
す、図1と同様の図である。この第1例のブレーキ液圧
倍力装置1は、前述の図1に示す第1例の可変サーボ装
置47における動力室25の液圧により制御される圧力
切換弁46に代えて、これと同じ二位置三方弁からな
り、電磁力により制御される電磁切換弁85が設けられ
ている。また、出力口27の近傍には、出力口27の液
圧つまりは動力室25の液圧を検出する圧力センサ86
が設けられている。そして、図示しない電子制御装置
は、圧力センサ86によって検出された動力室25の液
圧が前述の圧力切換弁46の作動圧と同じ圧力になった
ことを検出すると、電磁切換弁85を第2位置IIに切り
換えるようになっている。
【0084】また、可変ストローク装置71は、第1電
磁開閉弁87を介して接続口70に接続されている。こ
の第1電磁開閉弁87は、連通位置Iと遮断位置IIとが
設定されており、通常時は連通位置Iに設定される常開
弁とされている。更に、可変ストローク装置71は、接
続口70と圧力変換シリンダ82とを接続する通路に設
けられた第2電磁開閉弁88を備えている。この第2電
磁開閉弁88は、遮断位置Iと連通位置IIとが設定され
ており、通常時は遮断位置Iに設定される常閉弁とされ
ている。これら第1および第2電磁開閉弁87,88
は、ともに電子制御装置により制御されるようになって
いる。
【0085】前述の第1例の液圧失陥時ブレーキ作動装
置78における圧力制御切換弁83は、アキュムレータ
40の蓄圧によって切換制御されるようになっている
が、この第2例の液圧失陥時ブレーキ作動装置78にお
いては、この圧力制御切換弁83に代えて、同じ二位置
三方弁からなり電磁力で制御される電磁切換弁89が設
けられている。そして、この電磁切換弁89を液圧失陥
時に切換制御するために、アキュムレータ40の蓄圧を
検出する圧力センサ90が設けられている。そして、電
子制御装置は、圧力センサ90からの検出信号に基づい
てアキュムレータ40の蓄圧が失陥したと判断したとき
に、電磁切換弁89を第2位置IIに切換設定するように
なっている。なお、電子制御装置は、後述する自動ブレ
ーキ作動条件が成立したと判断したときも、電磁切換弁
89を第2位置IIに切換設定するようになっている。
【0086】更に、この第2例のブレーキ液圧倍力装置
1では、ブレーキ液補償口56が第1例とは反対側に設
けられているとともに、このブレーキ液補償口56は、
液圧回路36から分岐された液通路91に接続されてい
る。この液通路91には、自動ブレーキ装置92が設け
られており、この自動ブレーキ装置92は、二位置三方
弁からなる電磁切換弁93と、圧力調整弁94とから構
成されている。この電磁切換弁93は、ブレーキ液補償
口56をリザーバ33に接続する第1位置Iと、接続口
79を、圧力調整弁94を介してアキュムレータ40に
接続する第2位置IIとが設定されており、通常時は第1
位置Iに設定されているとともに、自動ブレーキ作動時
に第2位置IIに切り換え設定されるようになっている。
この第2例のブレーキ液圧倍力装置の他の構成は、第1
例と同じである。
【0087】このように構成されたこの第2例のブレー
キ液圧倍力装置1の作用について説明する。ブレーキ非
作動時は、ブレーキ液圧倍力装置1およびマスタシリン
ダ2の各構成要素は、図4に示す非作動位置にある。こ
の非作動状態では、前述の第1例の場合とまったく同じ
状態となっている。したがって、この状態でブレーキペ
ダルの通常速度の踏み込みで通常ブレーキ操作が行われ
ると、同様にブレーキ液圧倍力装置1は第1例の場合と
まったく同じ作用を行う。これらの各電磁弁87,88,
89がすべて非作動時には、ペダルストロークは、第1
例の通常作動時のペダルストロークと同じになる。
【0088】また、第1電磁開閉弁87のみが作動して
遮断位置IIに設定されると、液室55がストロークシュ
ミレータ75から遮断される。したがって、プライマリ
ピストン48′のカップシール53がブレーキ液補償口
56を超えて前進すると、液室55はロック状態とな
る。このときは、ペダルストロークはマスタシリンダ2
のセカンダリピストン48″側の他方の系統のストロー
ク分のみとなる。
【0089】更に、第1および第2電磁開閉弁87,8
8と電磁切換弁89とが作動してともに位置IIに設定さ
れると、圧力変換シリンダ82が動力室25から遮断さ
れかつ液室55に接続されるとともに、液室55がスト
ロークシュミレータ75から遮断される。このときは、
ペダルストロークはホイールシリンダ28,29,60,
61のストローク分となる。
【0090】更に、第2電磁開閉弁88と電磁切換弁8
9とが作動してともに位置IIに設定され、また第1電磁
開閉弁87が非作動であると、圧力変換シリンダ82が
動力室25から遮断されかつ液室55に接続されるとと
もに、液室55がストロークシュミレータ75に接続さ
れる。したがって、このときのペダルストロークは、第
1例の通常作動時のペダルストロークに対して、ホイー
ルシリンダ28,29のストローク分だけ大きくなる。
【0091】このように、各電磁弁87,88,89の作
動を制御することにより、ペダルストロークを種々変え
ることができるようになる。したがって、積載状態等の
車両状況、ブレーキ状況、あるいは運転者等によって、
より適正なペダルストロークを設定することができる。
【0092】次に、自動ブレーキ作用について説明す
る。車両走行中に、自動ブレーキ作動条件が成立する
と、電子制御装置が2つの電磁切換弁89,93をとも
に第2位置IIに切換設定する。すると、圧力変換シリン
ダ82が動力室25から遮断されるとともに接続口70
に接続され、またブレーキ液補償口56がリザーバ33
から遮断されるとともに圧力調整弁94を介してアキュ
ムレータ40に接続される。これにより、アキュムレー
タ40の蓄圧が圧力調整弁94によって所定圧に調整さ
れ、この調整された液圧がブレーキ液補償口56を通っ
て液室55に導入され、更に液室55の液圧は接続口7
0を通ってストロークシュミレータ75に導入されると
ともに、圧力変換シリンダ82に導入される。すると、
ピストン79が作動してブレーキ液圧を発生し、発生し
たブレーキ液圧がホイールシリンダ28,29に導入さ
れて、一方の系統のブレーキが作動する。
【0093】一方、液室55に導入された液圧は、マス
タシリンダ2のセカンダリピストン48″の後端面に作
用するようになるので、セカンダリピストン48″が作
動し、液室58に、液室55の液圧と等しいマスタシリ
ンダ圧を発生する。このマスタシリンダ圧が出力口59
を介してホイールシリンダ60,61に導入されて、他
方の系統のブレーキが作動する。こうして、両系統にお
いて自動ブレーキが確実に作動するようになる。
【0094】自動ブレーキの作動解除の条件が成立する
と、電子制御装置は両電磁切換弁89,93をともに再
び非作動の第1位置Iに設定する。すると、圧力変換シ
リンダ82が接続口70から遮断されるとともに動力室
25に接続され、またブレーキ液補償口56がアキュム
レータ40から遮断されるとともにリザーバ33に接続
される。これにより、液室55の液圧は電磁切換弁93
を介してリザーバ33に排出されるとともに、圧力変換
シリンダ82の液圧は動力室25を通ってリザーバ33
に排出される。これにより、圧力変換シリンダ82のブ
レーキ液圧が消滅し、一方の系統のブレーキが解除され
る。
【0095】また、液室55がリザーバ33に接続され
てその液圧が低下することにより、セカンダリピストン
48″も後退し、セカンダリピストン48″が非作動位
置に戻ったときは、前述の通常ブレーキの場合と同様に
液室58がリザーバ33に連通するので、マスタシリン
ダ圧が消滅し、他方の系統のブレーキが解除される。こ
うして、自動ブレーキが完全に解除される。
【0096】更に、液圧失陥時ブレーキ作動装置78に
おいては、アキュムレータ40の液圧が失陥すると、圧
力センサ90からの検出信号により、電子制御装置は電
磁切換弁89を第2位置IIに切り換える。したがって、
前述の第1例の場合とまったく同じになり、液圧失陥時
でも、ブレーキペダルの踏み込みによりブレーキを作動
させることが可能となる。この第2例のブレーキ液圧倍
力装置の他の作用効果は、第1例と同じである。
【0097】なお、前述の各例では、圧力可変シリンダ
82を設けるものとしているが、この圧力可変シリンダ
82を省略して動力室25の液圧および液室55の液圧
を直接ホイールシリンダ28,29に導入することもで
きる。また、オリフィス76も省略して液室55の作動
液を直接ストロークシュミレータ75に導入することも
できる。
【0098】更に、パワーピストン8の前部にマスタシ
リンダ2のプライマリピストン48′を設けているが、
パワーピストン8の前部はプライマリピストン48とし
て機能する必要はなく、パワーピストン8の作動時に液
室55の作動液を接続口70から送給できるようになっ
ていさえすればよい。
【0099】更に、前述の各例では、本発明の液圧倍力
装置をセミフルパワーブレーキシステムのブレーキ液圧
倍力装置に適用して説明しているが、従来のようなマス
タシリンダ圧のみによりブレーキを作動させる一系統ま
たは二系統ブレーキシステムにも適用することができ
る。
【0100】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のブレーキ液圧倍力システムによれば、ブレーキペダル
のストロークを必要に応じて種々変えることができるよ
うになる。これにより、積載状態等の車両状況、ブレー
キ状況、あるいは運転者等によって、より適正なペダル
ストロークを設定できるようになる。
【0101】特に、請求項3および5の発明によれば、
セミフルパワーブレーキにおいて、ブレーキペダルスト
ロークを種々変えることにより、適正なストロークに設
定することが可能となる。これにより、運転者はブレー
キ作動時に違和感を抱くことがなく、ブレーキ操作フィ
ーリングを良好にできる。
【0102】また、請求項7の発明によれば、ブレーキ
ペダルの踏込速度によっても、ペダルストロークを変え
ることができるようになる。これにより、例えば急ブレ
ーキ時に小さなペダルストロークで大きなブレーキ力を
得ることができるようになり、急ブレーキを確実に作動
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブレーキ液圧倍力システムの実
施の形態の第1例を示す断面図である。
【図2】 図1に示すブレーキ液圧倍力装置の部分拡大
断面図である。
【図3】 図1に示すブレーキ液圧倍力装置に用いられ
ている反力ピストンを示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図で
ある。
【図5】従来のブレーキ液圧倍力装置を部分的に示す部
分断面図である。
【符号の説明】 1…ブレーキ液圧倍力装置、2…マスタシリンダ、3…
ハウジング、8…パワーピストン、18…入力軸、25
…動力室、27,59…出力口、28,29,60,61…
ホイールシリンダ、33…リザーバ、40…アキュムレ
ータ、48′…プライマリピストン、48″…セカンダ
リピストン、55,58…液室、56…ブレーキ液補償
口、70…接続口、71…可変ストローク装置、75…
ストロークシュミレータ、76…オリフィス、77…チ
ェックバルブ、78…液圧失陥時ブレーキ作動装置、8
2…圧力変換シリンダ、83…圧力制御切換弁、84…
制御弁、85,93…電磁切換弁、86,90…圧力セン
サ、87…第1電磁開閉弁、88…第2電磁開閉弁、8
9…電磁切換弁、92…自動ブレーキ装置、94…圧力
調整弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田昌宏 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内 (72)発明者 沢田護 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソ−内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧を発生する液圧源と、作動液を貯え
    るリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、この
    パワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動時に
    前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記リザ
    ーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバから
    遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧源の
    圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御弁
    と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加えら
    れて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パワ
    ーピストンの出力によって作動制御されてマスタシリン
    ダ圧を発生するマスタシリンダピストンを有するマスタ
    シリンダと、このマスタシリンダのマスタシリンダ圧が
    導入されることによりブレーキ力を発生するブレーキシ
    リンダと、前記パワーピストンと前記マスタシリンダピ
    ストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピスト
    ンの作動時に密封される液室と、この液室に接続され、
    前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入
    される受圧シリンダからなるストロークシュミレータと
    を備えていることを特徴とするブレーキ液圧倍力システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記液室と前記ストロークシュミレータ
    との間に配設されている開閉弁と、前記液室に接続さ
    れ、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が
    導入される第2の受圧シリンダと、この第2の受圧シリ
    ンダと前記液室との間に配設され、これらの間の連通・
    遮断を制御する連通・遮断制御弁とを備えていることを
    特徴とする請求項1記載のブレーキ液圧倍力システム。
  3. 【請求項3】 2系統のブレーキシステムにおいて、液
    圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出
    力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの
    受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記
    液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作
    動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに
    前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に
    応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作
    動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作
    動するブレーキペダルと、前記パワーピストンの出力に
    よって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するマス
    タシリンダピストンを有するマスタシリンダと、前記動
    力室の液圧が導入されることによりブレーキ力を発生す
    る一方の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシリン
    ダのマスタシリンダ圧が導入されることによりブレーキ
    力を発生する他方の系統のブレーキシリンダと、前記パ
    ワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの間に設
    けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封
    される液室と、この液室に接続され、前記パワーピスト
    ンの作動時に前記液室の作動液が導入されるストローク
    シュミレータとを備えていることを特徴とするブレーキ
    液圧倍力システム。
  4. 【請求項4】 前記液室と前記ストロークシュミレータ
    との間に開閉弁が設けられ、更に前記一方の系統のブレ
    ーキシリンダが前記液室に接続可能とされているととも
    に、このブレーキシリンダを前記動力室または前記液室
    に選択的に切換接続する切換弁が設けられていることを
    特徴とする請求項3記載のブレーキ液圧倍力システム。
  5. 【請求項5】 2系統のブレーキシステムにおいて、液
    圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出
    力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの
    受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記
    液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作
    動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに
    前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に
    応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作
    動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作
    動するブレーキペダルと、前記パワーピストンの出力に
    よって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するマス
    タシリンダピストンを有するマスタシリンダと、前記動
    力室の液圧が導入されることにより液圧を発生する圧力
    変換シリンダと、この圧力変換シリンダの液圧が導入さ
    れることによりブレーキ力を発生する一方の系統のブレ
    ーキシリンダと、前記マスタシリンダのマスタシリンダ
    圧が導入されることによりブレーキ力を発生する他方の
    系統のブレーキシリンダと、前記パワーピストンと前記
    マスタシリンダピストンとの間に設けられ、少なくとも
    前記パワーピストンの作動時に密封される液室と、この
    液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液
    室の作動液が導入されるストロークシュミレータとを備
    えていることを特徴とするブレーキ液圧倍力システム。
  6. 【請求項6】 前記液室と前記ストロークシュミレータ
    との間に開閉弁が設けられ、更に前記圧力変換シリンダ
    が前記液室に接続可能とされているとともに、この圧力
    変換シリンダを前記動力室または前記液室に選択的に切
    換接続する切換弁が設けられていることを特徴とする請
    求項5記載のブレーキ液圧倍力システム。
  7. 【請求項7】 前記液室と前記ストロークシュミレータ
    との間に、少なくともオリフィスが配設されていること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1記載のブレ
    ーキ液圧倍力システム。
  8. 【請求項8】 前記オリフィスと並列に、前記ストロー
    クシュミレータから前記液室への液の流れのみを許容す
    るチェックバルブが設けられていることを特徴とする請
    求項7記載のブレーキ液圧倍力システム。
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