JPH11240821A - 毛髪処理剤 - Google Patents

毛髪処理剤

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Publication number
JPH11240821A
JPH11240821A JP5890298A JP5890298A JPH11240821A JP H11240821 A JPH11240821 A JP H11240821A JP 5890298 A JP5890298 A JP 5890298A JP 5890298 A JP5890298 A JP 5890298A JP H11240821 A JPH11240821 A JP H11240821A
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JP
Japan
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hair
group
amino acid
amino
reaction
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Application number
JP5890298A
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English (en)
Inventor
Takayuki Omura
孝之 大村
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛髪に豊かな光沢と滑らかさを与え、かつ枝
毛、切れ毛等の毛髪の損傷を予防し、発生した枝毛に対
しては修復をして目立たなくする効果を有する毛髪処理
剤を提供する。 【解決手段】 (A)ケラチン物質分解誘導体と、
(B)アミノ酸側鎖のアミノ基を含むペプチドのアミノ
基にケイ素原子をただ一つ含む官能基が共有結合した特
定のシリル化ペプチドとを配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪に対して、優
れた光沢となめらかな感触を付与し、枝毛修復効果も有
する毛髪処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シャンプー、ヘアリンス、ヘ
アトリートメント剤、整髪料、パーマネントウェーブ用
剤、染毛剤などの毛髪化粧料に、加水分解タンパクや、
カチオン化セルロース、シリコーンなどの高分子物質を
配合して、洗髪、ブラッシング、ヘアドライヤーでの乾
燥などによる毛髪の物理的損傷や、パーマネントウェー
ブ処理や染毛処理などの化学的処理による毛髪の損傷を
防止し、損傷した毛髪を回復させることが試みられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カチオ
ン化セルロースなどの多糖類は、洗髪時の毛髪の指通り
性の改善や乾燥後の毛髪のボリュームアップには効果が
あるものの、洗髪や化学処理により毛髪のタンパク成分
が溶出して毛髪に損傷が生じ、また、それに伴って毛髪
の保湿性が低下したり、毛髪がパサツクようになったと
きに、それらを解消することができず、乾燥後にパサツ
キが出たり、櫛通り性が悪くなるという問題があった。
【0004】また、シリコーンは、光沢の付与や櫛通り
性の改善には有用であるが、シリコーンは、本来、親油
性(疎水性)物質であり、損傷の少ない毛髪、すなわ
ち、疎水性が強い毛髪には吸着しやすいが、損傷毛、す
なわち、損傷によって親水性基が表面に露出してきて親
水性が強くなった毛髪には吸着しにくいといわれ、損傷
毛に対しては、シリコーンオイルの有する特性を充分に
発揮することができないという問題があった。
【0005】また、こうした毛髪の損傷を防止するため
に第4級アンモニウム塩を含有するヘアリンス剤及びヘ
アトリートメント剤が使用されている。しかし、この方
法によれば、毛髪を柔軟にし、帯電を防止する効果は確
かにあるが、毛髪中から失われた蛋白質を元に戻すわけ
ではないので、一時的な効果しか期待できないのが実状
であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる現状において、本
発明者は、優れた毛髪保護効果を有する毛髪処理剤を得
るべく鋭意検討を行ったところ、特定のケラチン物質分
解誘導体とアミノ酸側鎖のアミノ基を含むペプチドのア
ミノ基にケイ素原子をただ一つ含む官能基が共有結合し
たシリル化ペプチドとを配合して、毛髪処理剤を調製す
ることにより、毛髪の損傷を防止し、毛髪につや、潤
い、柔軟性を付与し、枝毛を防止し、毛髪の櫛通り性を
改善する優れた毛髪処理剤が得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、次の(A)および
(B)を含有することを特徴とする毛髪処理剤である。
【0008】(A)ケラチン物質の加水分解物、ケ
ラチン物質の酸化分解物のアルカリ塩およびケラチン
物質の還元分解物のチオール基における誘導体のアルカ
リ塩からなる群より選ばれたケラチン物質分解誘導体の
一種または二種以上。 (B)下記一般式(I)または(II)で表されるアミノ
酸側鎖のアミノ基を含むペプチドのアミノ基にケイ素原
子をただ一つ含む官能基が共有結合したシリル化ペプチ
ド。
【0009】
【化3】
【0010】[式中、R1、R2、R3は炭素数1〜3の
アルキル基または水酸基を示し、これらのR1、R2、R
3はすべて同じでもよく、また異なっていてもよい。R4
は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端
アミノ基を除く残基を示し、R5はR4以外のアミノ酸側
鎖を示し、aは1または3で、mは0〜200、nは0
〜200、m+nは1〜200である。(ただし、mお
よびnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順
序を示すものではない。)]
【0011】
【化4】
【0012】[式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3
のアルキル基または水酸基を示し、これらのR1 、R
2 、R3はすべて同じでもよく、また異なっていてもよ
い。R4は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ
酸の末端アミノ基を除く残基を示し、R5はR4以外のア
ミノ酸側鎖を示し、aは1または3で、mは0〜20
0、nは0〜200、m+nは1〜200である。(た
だし、mおよびnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ
酸配列の順序を示すものではない。)]
【0013】((A)ケラチン物質分解誘導体)本発明
の(A)成分であるケラチン物質分解誘導体はケラチン
物質を加水分解するか、ケラチン物質を酸化分解し、こ
れをアルカリ塩とするか、ケラチン物質を還元分解した
のち、そのチオール基を化学修飾して誘導体とし、これ
をアルカリ塩とする方法のいずれかにより製造される。
原料のケラチン物質としては、例えば、獣毛、毛髪、羽
毛、爪、角、蹄、鱗等が挙げられるが、羊毛、毛髪およ
び羽毛が特に好ましい。これらのケラチン物質はそのま
ま酸化または還元反応に付すこともできるが、必要に応
じて、適当な大きさに切断または粉砕するとか、洗浄、
脱脂等の前処理を行ってもよい。
【0014】ケラチン物質の分解は、次のいずれかの方
法により行われる。 (1)加水分解反応 酸による加水分解 酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化
水素酸等の無機酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸等の有機酸が
挙げられる。これらは一般に3〜85%の濃度で使用さ
れるが、加水分解の反応が常にpH4以下となるように
するのが望ましい。反応温度は40〜100℃が好まし
いが、加圧下160℃まで上げることもできる。反応時
間は2〜24時間が好適である。反応物は水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等のアルカリで中和
し、そのまま使用できるが、更に、これをゲル濾過、イ
オン交換樹脂等によって精製して使用することもでき
る。このような酸加水分解によって得られたものは、ア
ルカリ加水分解のものに比較し、ケラチンのポリペプチ
ド鎖に加水分解以外の変化を与えないので、良好な結果
が得られる。
【0015】アルカリによる加水分解 アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、
ホウ砂等の無機アルカリが使用される。これらは一般に
1〜20%の濃度が適当である。アルカリを必要以上に
使用すると、加水分解物溶液の色相が褐色〜黒色とな
り、好ましくない。反応は、室温〜100℃の温度で3
0分〜24時間行うのが好ましく、必要以上に温度を上
げすぎたり、反応時間を長くしないようにする必要があ
る。アルカリによる加水分解では反応の進行とともにケ
ラチンの加水分解物が溶け出し、反応の進行状況が目に
見えるという利点がある。反応は反応混合物が均一溶液
となった時点で終了させればよい。
【0016】酵素による加水分解 酵素としては、ペプシン、プロテアーゼA、プロテアー
ゼBなどの酸性タンパク質分解酵素、パパイン、プロメ
ライン、サーモライシン、トリプシン、プロナーゼ、キ
モトリプシンなどの中性タンパク質分解酵素が使用され
る。加水分解時のpHはペプシンなどの酸性タンパク質
分解酵素の場合にはpH1〜3の範囲、パパインなどの
中性タンパク質分解酵素の場合にはpH5〜8の範囲に
調製するのが望ましい。pHは一般に酢酸アンモニウム
/アンモニア緩衝液、リン酸緩衝液などの緩衝液によ
り、適切に調製するのが便利である。反応温度は30〜
45℃が望ましく、反応時間としては、一般に3〜24
時間が適当である。酵素による加水分解反応では、酵素
の使用量、反応温度、反応時間により加水分解物の分子
量は大きく影響される。従って、目的とする分子量のケ
ラチン加水分解物を得るためには、酵素使用量、反応温
度、反応時間の各条件について、得られた加水分解物の
分子量分布をゲル濾過法により調べ、経験的に最適条件
を決定する必要がある。酵素による加水分解物は、酸、
アルカリによる加水分解物に比較して、分子量分布がせ
まく、遊離のアミノ酸の生成も少ないので、化粧品用配
合用としては好適である。
【0017】これらの加水分解反応によって得られる加
水分解物の平均分子量は200以上5000以下である
ことが望ましい。ケラチン分解物の毛髪に対する吸着性
は、その分子量によって決まり、分子量1000程度の
ものが最も吸着しやすく、分子量5000を越えたもの
はほとんど吸着しないためである。また、ケラチン物質
分解誘導体中のジスルフィド結合はできるだけ多く残存
していることが好ましく、このためには純度の高いケラ
チン物質を使用すること及び加水分解反応を温和な条件
で行うことが必要である。
【0018】(2)酸化分解反応 ケラチンの酸化は、自体公知の各種方法[N.H.Leon;Tex
tile Progress,7巻、1頁(1975)]によって行われる。酸
化剤としては、ケラチン構造中のジスルフィド結合(S
−S結合)に対して親電子的に作用するタイプの有機ま
たは無機の酸化剤が好ましく、例えば、有機過酸、無機
パーオキソ酸又はその塩、過マンガン酸又はその塩、ク
ロム酸又はその関連化合物、ハロゲン、過酸化物、酸素
酸又はその塩等が例示されるが、過酢酸、過ギ酸、過安
息香酸等の有機過酸が特に好ましい。
【0019】酸化反応は、ケラチン物質中のジスルフィ
ド結合に対し過剰量、通常ジスルフィド結合1個に対し
て2倍当量以上、好ましくは4〜10倍当量の酸化剤を
使用して、液体媒質中で行う。反応は酸性ないしアルカ
リ性の何れにおいても行い得るが、酸性、特に弱酸性条
件下で行うのが好ましい。反応温度、圧力等の条件は、
使用する酸化剤、ケラチン物質の種類等によって異な
り、特に限定されず、温度は一般に室温で充分である
が、必要に応じて加熱することもでき、また圧力も常圧
で充分であるが、減圧下又は加圧下で行ってもよい。斯
くするとき、ケラチン物質のジスルフィド結合は開裂さ
れてスルホン酸(−SO3H)を生成する。
【0020】(3)還元分解及び化学修飾反応 ケラチン物質を還元するために使用される還元剤として
は、当該構造中のジスルフィド結合を開裂してチオール
基(−SH)を与えるもの、一般にはジスルフィド結合
に対して求核的に作用するタイプの有機又は無機還元剤
が好ましい。具体的には、メルカプトエタノール、チオ
グリコール酸、ベンジルメルカプタン、1,4−ジチオ
スライトール、トリブチルホスフィン等の有機還元剤、
亜硫酸水素ナトリウム等の硫化物、水素化アルミニウム
リチウム等の金属水素化物のごとき無機還元剤が例示さ
れる。
【0021】還元剤の量は、ケラチン物質中のジスルフ
ィド結合に対して2〜10倍当量用いるのが一般的であ
る。反応系のpHは2〜12、特に、6〜11の範囲が
好ましく、この範囲を出ると、加水分解が併起するので
好ましくない。反応温度は、室温で充分であるが、加熱
して反応時間を短縮することもできる。反応時間は通常
2〜3時間あるいはそれ以上を要する。また、この還元
によって生ずるチオール基が実質的に酸化されないこと
が必要であり、このため、操作を不活性ガス雰囲気中で
行うのがよい結果を与える。
【0022】斯くして、得られたケラチン物質の還元分
解物は、そのチオール基を化学修飾してその誘導体(以
下これを「ケラチン物質還元誘導体」という)とする。
当該チオール基における誘導体としては、次のものが例
示される。
【0023】−SCH2COOH、 −SCH2CH2
OOH、−SCH(CH2COOH)COOH、−SC
H(CH3)CH2COOH、−SCH2CH(CH3)C
OOH、−SO3H、−SSO3H、−SCH2CH2SO
3H、
【0024】
【化5】
【0025】−SCH2CH2CONHC(CH32CH
2SO3H、 −SCH2CH2SO2CH2COOH。これ
らの中で、−SCH2COOH、−SCH(CH2COO
H)COOHが特に好ましい。
【0026】チオール基の化学修飾法は、自体公知の手
段、例えば、N.H.Leon; Textile Progress、7巻、1頁(1
975)、大饗茂著「有機イオウ化合物」、化学同人発行(1
968)及び奥正巳著「高分子実験学講座」、12巻、共立出
版(1957)に基づいて行われる。その代表的な方法として
は次のものがある。
【0027】SH基の求核的置換反応を利用する方法 K−SH+R−L→K−S−R+HL (式中、Kはケラチン化合物残基、Rは導入される化学
修飾基、Lはハロゲン原子、酸残基等の脱離性の原子ま
たは基を示す。) この方法により、反応する化合物としては、例えば、ヨ
ード酢酸、ブロム酢酸、クロル酢酸などのハロゲン化合
物が挙げられる。
【0028】SH基の炭素間2重結合に対する求核的
付加反応を利用する方法
【0029】
【化6】K−SH+(R1)(R2)C=C(R3)(R4) → K−S
−C(R1)(R2)−C(R3)(R4)H
【0030】(式中、R1 ,R2 ,R3およびR4のうち少
なくとも1個はその中にカルボキシル基またはスルホン
酸基を有する基を示し、残余はアルキル基または水素原
子を示す。Kは前記した意味を有する。) この方法により、反応する化合物としては、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フ
マル酸、ビニルカルボキシメチルスルホン酸、ビニルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸などを挙げることができ
る。 SH基と亜硫酸化合物との置換反応を用いる方法
【0031】
【化7】K−SH+NaHSO3 → K−S−SO3H K−SH+Na2SO3 → K−S−SO3H(空気中で
の反応)
【0032】(式中、Kは前記した意味を有する。)
【0033】SH基をスルホン酸基へ酸化する方法 K−SH → K−SO3H(酸化反応) (式中、Kは前記した意味を有する。) この反応に用いられる酸化剤としては、例えば、ハロゲ
ン、過マンガン酸塩を挙げることができる。
【0034】ケラチン物質の酸化分解及びケラチン物質
還元誘導体のアルカリ塩としては、ナトリウム、カリウ
ム等の無機アルカリ金属塩、アンモニウム塩、あるいは
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、アミ
ノメルカプトプロパンジオール、トリイソプロパノール
アミン、グリシン、ヒスチジン、アルギニン等の有機塩
基との塩が挙げられる。これらは別の系で調製して毛髪
処理剤に配合することもできるが、ケラチン物質の酸化
分解物又はケラチン物質還元誘導体とアルカリ物質を毛
髪処理剤に配合して、その系中で造塩させることもでき
る。この場合のアルカリ物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等の無機アルカリ物質及びアンモニア、エタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−
アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−
アミノ−1−ブタノール、トリイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノール
アミン、アルギニン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン等
の有機アルカリ物質が挙げられ、これらはケラチン物質
酸化分解物またはケラチン物質還元誘導体中のカルボキ
シル基またはスルホン酸基に対し、0.1〜8当量で添
加配合するのが好ましい。斯くして得られた(A)成分
は、これを一種または二種以上混合して、本発明の毛髪
処理剤に用いられる。
【0035】本発明に用いられるケラチン物質分解誘導
体の好ましい配合量は、0.05〜10.0重量%で、
さらに好ましくは0.1〜1.0重量%である。上記範
囲より少ない場合は、毛髪に艶や潤いを付与したり、毛
髪を保護したり、櫛通り性を改善したりする効果が充分
に発揮されず、また、ケラチン物質分解誘導体の毛髪処
理剤への配合量が上記範囲より多くなっても、配合量の
増加に伴う効果の増加が認められない上に、配合量が極
端に多くなると、ベタツキを生じるようになるからであ
る。
【0036】((B)シリル化ペプチド)次に、本発明
に用いられるシリル化ペプチドは、前記した一般式
(I)または(II)で表されるものである。一般式
(I)で表されるシリル化ペプチドは、例えば、下記の
一般式(III)
【0037】
【化8】
【0038】[式中、R6、R7、R8は、炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基ま
たはハロゲン原子を示し、これらのR6、R7、R8はす
べて同じでもよく、また異なっていてもよい。aは1ま
たは3で、XはCl、Br、F、Iなどのハロゲン原子
を示す。]で表されるシリル化合物と、下記の一般式
(IV)
【0039】
【化9】
【0040】[式中、R4は側鎖の末端にアミノ基を有
する塩基性アミノ酸の末端アミノ基を除く残基を示し、
5はR4以外のアミノ酸側鎖を示し、mは0〜200、
nは0〜200、m+nは1〜200である。]で表さ
れるペプチド類とを縮合反応させることによって得られ
る。
【0041】また、一般式(II)で表されるシリル化ペ
プチドは、例えば、下記の一般式(V):
【0042】
【化10】
【0043】[式中、R6 、R7 、R8 は炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基ま
たはハロゲン原子を示し、これらのR6 、R7 、R8
すべて同じでもよく、また異なっていてもよい。aは1
または3を示す。]で表されるシリル化合物と、上記の
一般式(IV)で表されるペプチド類とを縮合反応させる
ことによって得られる。
【0044】(シリル化ペプチドの特性)一般式(I)
で表されるシリル化ペプチドや一般式(II)で表される
シリル化ペプチドは、その化学構造式からも明らかなよ
うに、それぞれ一般式(III)で表されるシリル化合物
や一般式(V)で表されるシリル化合物に基づくケイ素
原子を含むシリル官能基部分と、一般式(IV)で表され
るペプチド類に基づくペプチド部分を有するので、これ
を毛髪処理剤に配合すると、シリル官能基部分の有する
優れた伸展性、摩擦低減性、艶や光沢の付与作用、撥水
性の付与作用などと、ペプチド部分の有する毛髪への吸
着作用、それに伴う毛髪のボリュームアップ、ハリの付
与、造膜による保護作用、保湿作用などを同時に発揮さ
せることができる。しかも、ペプチド類は損傷毛への吸
着性が良いので、上記シリル化ペプチドは、高分子量の
シリコーンでは吸着しにくい損傷毛にペプチド部分を介
して、シリル官能基を吸着させることができるので、損
傷毛の感触を改善するとともに、強度の回復に寄与する
ことができる。
【0045】従って、このシリル化ペプチドを配合して
毛髪処理剤を調製すると、上記シリル化ペプチドが毛髪
に艶や潤いを付与し、毛髪をなめらかにし、かつ毛髪の
櫛通り性などを改善し、枝毛、切れ毛の発生を防止する
とともに、損傷毛の強度を回復させる。
【0046】また、上記一般式(I)で表されるシリル
化ペプチドや一般式(II)で表されるシリル化ペプチド
は、ペプチド部分に低分子量のシリル官能基が結合した
ものであって、毛髪には通常のペプチドの吸着機構で吸
着するので、ペプチドを含まない洗浄剤で洗浄すること
により、可逆的にシリル化ペプチドを毛髪上から脱着す
ることができる。
【0047】一般式(I)で表されるシリル化ペプチド
や一般式(II)で表されるシリル化ペプチドにおいて、
1、R2、R3を前記のように特定しているのは、一般
式(I)で表されるシリル化ペプチドや一般式(II)で
表されるシリル化ペプチドが、水溶性を有し、水溶性の
毛髪処理剤中での良好な保存安定性を保つようにするた
めである。また、aを1または3と特定しているのは、
aが2の場合は、一般式(III)で表されるシリル化合
物や一般式(V)で表されるシリル化合物の状態での保
存安定性が悪く、aが3より大きくなると、分子全体中
でシリル官能基部分の占める割合が小さくなり、シリル
官能基の有する性質を充分に発揮できなくなるためであ
る。
【0048】(シリル化ペプチドにおけるペプチド部
分)一般式(I)で表されるシリル化ペプチドや一般式
(II)で表されるシリル化ペプチドにおいて、R4は側
鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミ
ノ基を除く残基であるが、上記のような側鎖の末端にア
ミノ基を有する塩基性アミノ酸としては、例えば、リジ
ン、アルギニン、ヒドロキシリンなどが挙げられる。ま
た、R5 はR4 以外のアミノ酸の側鎖を示すが、そのよ
うなアミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、アスパ
ラギン酸、アラニン、セリン、トレオニン、バリン、メ
チオニン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニ
ルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが挙げ
られる。
【0049】一般式(I)で表されるシリル化ペプチド
や一般式(II)で表されるシリル化ペプチドにおいて、
mは0〜200、好ましくは0より大きく50以下(0
<m≦50)、より好ましくは0より大きく10以下
(0<m≦10)であり、nは0〜200、好ましくは
1〜100、より好ましくは2〜40であり、m+nは
1〜200、好ましくは2〜100、より好ましくは3
〜50であるが、これは次の理由によるものである。す
なわち、mが上記範囲より大きくなると、側鎖のアミノ
基に結合するシリル官能基が増え、ペプチド本来の毛髪
への吸着作用が減少し、nが上記範囲より大きくなる
と、ペプチド部分に対するシリル官能基部分の割合が小
さくなり、シリル官能基部分が有する特性を充分に発揮
することができなくなり、m+nが上記範囲より大きく
なると、ペプチドとしての毛髪への吸着性や浸透性が低
分子量のペプチドに比べて減少する上に、保存中に凝集
しやすくなり、保存安定性が低下する。
【0050】なお、上記のm、nやm+nは、理論的に
は整数であるが、ペプチド部分が後述するような加水分
解ペプチドである場合は、該加水分解ペプチドが分子量
の異なるものの混合物として得られるため、測定値は平
均値になる。
【0051】上記一般式(IV)で表されるペプチド類に
は、アミノ酸、ペプチド、アミノ酸またはペプチドのエ
ステルが含まれる。上記のアミノ酸としては、アラニ
ン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロ
リン、フェニルアラニン、チロリン、セリン、トレオニ
ン、メチオニン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、ア
スパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン
酸、シスチン、システイン、 システイン酸、トリプト
ファン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、O−
ホスホセリン、シトルリンなどが挙げられる。
【0052】上記ペプチドは、天然ペプチド、合成ペプ
チド、タンパク質(蛋白質)を酸、アルカリまたは酵素
で部分加水分解して得られる加水分解ペプチドなどであ
る。天然ペプチドとしては、例えば、グルタチオン、バ
シトラシンA、インシュリン、グルカゴン、オキシトシ
ン、バソプレシンなどが挙げられ、合成ペプチドとして
は、例えば、ポリグリシン、ポリリシン、ポリグルタミ
ン酸、ポリセリンなどが挙げられる。加水分解ペプチド
としては、例えば、コラーゲン(その変性物であるゼラ
チンを含む)、ケラチン、絹フィブロイン、セリシン、
カゼイン、コンキオリン、エラスチン、鶏、あひるなど
の卵の卵黄タンパク、卵白タンパク、大豆タンパク、小
麦タンパク、トウモロコシタンパク、米(米糠)タンパ
ク、ジャガイモタンパクなどの動植物由来のタンパク、
あるいは、サッカロミセス属、カンディタ属、エンドミ
コプシス属の酵母菌や、いわゆるビール酵母、清酒酵母
といわれる酵母菌より分解した酵母タンパク、キノコ類
(担子菌)より抽出タンパク、クロレラより分離したタ
ンパクなどの微生物由来のタンパクを酸、アルカリまた
は酵素で部分的に加水分解して得られるペプチドなどが
挙げられる。上記アミノ酸またはペプチドのエステルと
しては、上記アミノ酸またはペプチドのカルボキシル基
における炭素数1〜20の炭化水素アルコールとのエス
テル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロ
ピルエステル、イソプロピルエステル、ラウリルエステ
ル、セチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、2
−ヘキシルデシルエステル、ステアリルエステルなどが
挙げられる。
【0053】(シリル化ペプチドの合成)上記一般式
(I)および一般式(II)で表されるシリル化ペプチド
は、一般式(III)で表されるシリル化合物や一般式
(V)で表されるシリル化合物と、一般式(IV)で表さ
れるペプチド類とを接触反応させて得られたものである
が、一般式(III)で表されるシリル化合物や一般式
(V)で表されるシリル化合物は、シランカップリング
剤として市販されているものを使用することができる。
そのようなシランカップリング剤としては、例えば、東
芝シリコーン(株)製のTSL8390,TSL821
9、TSL8395、TSL8326、TSL832
5、TSL8320、TSL8355、TSL8350
(いずれも商品名)、日本ユニカー(株)製のSH60
40、SH6076(いずれも商品名)、信越シリコー
ン(株)製のKMB403、KMB402,KMB70
3(いずれも商品名)などが挙げられる。
【0054】上記一般式(III)で表されるシリル化合
物や一般式(V)で表されるシリル化合物と、一般式
(IV)で表されるペプチド類との反応は、例えば、ま
ず、シリル化合物を30〜50℃の水中で5〜20分間
攪拌して加水分解することにより、ケイ素原子に結合す
るアルコキシ基やハロゲン原子を水酸基に変換した後、
この水酸基化したシリル化合物を一般式(IV)で表され
るペプチド類の溶液に滴下し、両者を接触させることに
よって行われる。上記反応に際して、ペプチド類は30
〜50重量%程度の水溶液にするのが好ましく、水酸基
化したシリル化合物の滴下は30分〜5時間で終了する
のが好ましい。
【0055】一般式(III)で表されるシリル化合物を
用いる場合は、反応時、反応によってハロゲン化水素が
生成して反応後のpHが低下するので、反応と同時に水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ溶液を
滴下して、反応系内のpHを8〜11、特に、9〜10
に保つことが好ましい。また、一般式(V)で表される
シリル化合物を用いる場合は、反応によるpHの低下は
生じないが、反応は塩基性で進行するので、ペプチド溶
液のpHを8〜11、特に、9〜10にしておくことが
好ましい。反応は常温でも進行するが、温度は高くなる
ほど反応速度は速くなる。しかし、pHが高い状態で温
度が高くなると、シリル化合物の加水分解が促進される
ため、高くても70℃以下にすることが好ましく、特に
40〜60℃で行うのが好ましい。反応の進行と終了
は、ファン・スレーク(Van Slyke)法によ
り、反応中のペプチド類のアミノ態窒素量を測定するこ
とによって確認することができる。反応終了後、反応液
は中和した後、適宜濃縮して、イオン交換樹脂、透析
膜、電気透析、ゲル濾過、限外濾過などによって精製
し、液体のまま、あるいは、粉末化して毛髪化粧料の調
製に供される。
【0056】上記一般式(I)で表されるシリル化ペプ
チドにおいて、ペプチドのアミノ基へのシリル官能基
(すなわち、ケイ素原子をただ一つ含む官能基)の導入
率は50%以上,85%以下が好ましい。シリル官能基
の導入率が50%より少ない場合は、シリル化合物に基
づく特性が充分に発揮されないおそれがあり、また、8
5%より多くなると、疎水性が増して親水性が減少する
おそれがある。また、一般式(II)で表されるシリル化
ペプチドにおいて、ペプチドのアミノ基へのシリル官能
基の導入率は50%以上,75%以下が好ましい。シリ
ル官能基の導入率が50%より少ない場合は、シリル化
合物に基づく特性が充分に発揮されないおそれがあり、
また、75%より多くなると、疎水性が増して親水性が
減少するおそれがある。
【0057】本発明のシリル化ペプチドは、例えば、特
開平9−52821号公報、特開平8−81338号公
報、特開平8−157340号公報等にその詳細が記載
されている。
【0058】一般式(I)で表されるシリル化ペプチド
や一般式(II)で表されるシリル化ペプチドの毛髪処理
剤への配合量(毛髪処理剤中での含有量)としては、
0.05〜30.0重量%が好ましく、特に、0.5〜
15.0重量%がより好ましい。すなわち、シリル化ペ
プチドの毛髪処理剤への配合量が、上記範囲より少ない
場合は、毛髪にツヤや潤いを付与したり、毛髪を保護し
たり、櫛通り性を改善したり、高分子シリコーンの乳化
安定性を向上させる効果が充分に発揮されず、また、シ
リル化ペプチドの毛髪化粧料への配合量が多くなって
も、配合量の増加に伴う効果の増加が認められない上
に、配合量が極端に多くなると、ベトツキを生じるよう
になるからである。そして、毛髪処理剤への配合に当た
って、上記シリル化ペプチドは単独で用いても良いし、
2種以上を混合して用いても良い。
【0059】本発明の毛髪処理剤において、ケラチン物
質分解誘導体とシリル化ペプチドの配合割合は、ケラチ
ン物質分解誘導体1重量部に対して、シリル化ペプチド
を0.1〜10.0重量部、好ましくは0.5〜3.0
重量部用いるのが望ましい。
【0060】本発明の毛髪処理剤には、上記の必須構成
成分の他に、目的に応じて本発明の効果を損なわない量
的、質的範囲内で、さらに流動パラフィン、スクワラ
ン、ラノリン誘導体、高級アルコール、各種エステル
油、アボガド油、パーム油、牛脂、ホホバ油、シリコー
ン油、ポリアルキレングリコールポリエーテルおよびそ
のカルボン酸オリゴエステル化合物、テルペン系炭化水
素油などの油分、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソ
ルビトール、ポリエチレングリコール等の水溶性多価ア
ルーコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロ
リドンカルボン酸塩等の保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線
散乱剤、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニル
ピロリドン等の樹脂類、大豆蛋白、ゼラチン、コラーゲ
ン、絹フィブロイン、エラスチン等の蛋白または蛋白分
解物、エチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤、各
種アミノ酸、ビオチン、パントテン酸誘導体等の賦活
剤、γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナトリウム、
ビタミンE誘導体、ニコチン酸誘導体等の血行促進剤、
硫黄、チアントール等の抗脂漏剤、エタノール、イソプ
ロパノール、テトラクロロジフルオロエタン等の希釈
剤、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、薬剤、香
料、色剤等を必要に応じて適宜配合してもよい。
【0061】特に、毛髪処理剤が洗浄剤の場合には、使
用性向上の目的で配合されるカチオン性高分子物質、例
えば、カチオン変性セルロースエーテル誘導体(商品
名:ポリマーJR(U.C.C.社製)等)、ポリビニ
ルピロリドン誘導体四級アンモニウム(商品名:ガフコ
ート(GAF社製)等)、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロリドのポリマー(商品名:マーコート(Merc
k社製)等)、ポリアクリル酸誘導体四級アンモニウム
(商品名:Cartex(National Star
ch社製)等)、ポリオキシエチレンポリアルキレンポ
リアミン(商品名:ポリコート(HENKEL社製)
等)を本発明の効果を損なわない量で配合する(ゴワツ
キ、ヘアフライを起こさない程度)ことにより、洗浄剤
のすすぎ時の滑らかさを付与する効果は本発明による同
効果にプラスされて相乗的に向上する。
【0062】また、本発明の毛髪処理剤は、水溶液、エ
タノール溶液、エマルション、サスペンション及びゲル
の形態とすることができ、シャンプー剤、ヘアリンス
剤、ヘアトリートメント剤、プレシャンプー剤、ヘアス
プレー、ヘアブラッシング剤、ヘアセット剤、ヘアリキ
ッド、ヘアトニック等の公知毛髪処理剤の剤型とするこ
とができる。
【0063】
【実施例】次に、本発明について、実施例を挙げて説明
する。本発明は、これらによって限定されるものではな
い。配合量は全て重量%である。実施例に先立ち、本発
明のケラチン物質分解誘導体およびシリル化ペプチドの
合成法を説明する。
【0064】1.ケラチン物質分解誘導体の合成 合成例1−1(ケラチン物質の酸化分解誘導体の合成) (イ)羊毛繊維10gを、700gの8%過酢酸水溶液
に、室温で1日浸漬し、酸化反応を行わせた。得られた
酸化処理羊毛を濾過、水洗し、700gの0.1Nアン
モニア水中に、室温で一日浸漬すると、約90gの羊毛
がアンモニア水中に可溶化した。約1gの不溶部を濾過
で除き、得られた羊毛ケラチンの酸化分解物であるケラ
トースのアンモニア水溶液に2N塩酸を加えてpH4.
0とすると、α−ケラトースが沈殿として析出してき
た。これを濾過し、アセトンにて洗浄し、乾燥して5.
4gのα−ケラトースを得た。
【0065】(ロ)羊毛繊維を高圧容器中にて6kg/
cm2の飽和水蒸気で6分間加圧加熱した後、大気中に
急激に放出して多孔質の膨化物を得た。これを粉砕した
もの10g、ギ酸250g、30%過酸化水素水溶液5
0gを500ml容の三ツ口フラスコに入れ、室温で1
日浸漬した。この時、粉末の形はなく、泡状のかたまり
が上層に浮遊していた。この反応混合物を濾過し、濾液
を水1.5l中に注ぎ、塩酸でpH4に調整した。析出
した沈殿を濾取し、水500mlで洗浄し、α−ケラト
ース4.5gを得た。更に、反応物を濾取した不溶部に
水350mlを加え、アンモニア水でpH11とし、室
温で1日浸漬した。これを濾過し、濾液部に塩酸を加え
てpH4とし、析出した沈殿を濾取し、α−ケラトース
0.7gを得た。不溶部1.4gは主にβ−ケラトース
であった。
【0066】合成例1−2(ケラチン物質の還元分解誘
導体の合成) (イ)羊毛繊維10gを8M尿素及び0.01Mトリス
緩衝剤濃度の水溶液600ml中に浸漬し、還元剤とし
て6mlの2−メルカプトエタノールを加えた後、5N
苛性カリ水溶液にてpH10に調整し、窒素気流下室温
で還元反応を行った。約3時間後に、羊毛は反応液中に
約85%可溶化した。そして、系のpHが7以下となら
ないように5N苛性カリ水溶液にて調整しながら、ヨー
ド酢酸16.5%gを徐々に加え、最終的に系のpHを
8.5とし、カルボキシメチル化反応を室温で2時間行
った。反応液を濾過して不溶部を除き、得られた濾液を
セルロースチューブ中に入れ、イオン交換水に対して透
析を行い、尿素を始めとする低分子不純物を除去した。
尿素が透析されるに従い、セルロースチューブ内は水不
溶性成分であるHGT(グリシン、チロシン含量の高い
成分)が析出し、白濁してくる。透析終了後、HGTを
遠心分離により除き、得られたS−カルボキシメチルケ
ラチン(SCMKA)の中性透明水溶液から、等電点沈
殿法によりSCMKAは不溶性となり、沈殿として析出
してくる。これを濾別し、エタノールで洗浄後乾燥して
4.2gのSCMKAを得た。
【0067】(ロ)合成例1−2(イ)において、羊毛
繊維の代わりに羽毛を高圧容器中で6kg/cm2、2
40℃の過熱水蒸気で6分間加熱した後、大気中に急激
に放出して得られる多孔質の膨化物を用い、ヨード酢酸
の代わりにマレイン酸17.5gを用いる以外は合成例
1−2(イ)と同様の操作により、5.3gのS−
(1,2−ジカルボキシエチル)−ケラチンを得た。
【0068】(ハ)合成例1−2(イ)において、羊毛
繊維の代わりに馬のひずめの粉砕物を用い、ヨード酢酸
の代わりにアクリル酸11gを用いる以外は、合成例1
−2(イ)と同様の操作により、4.2gのS−(2−
カルボキシエチル)−ケラチンを得た。
【0069】(ニ)合成例1−2(イ)において、ヨー
ド酢酸の代わりにスチレンスルホン酸28gを用いる以
外は合成例1−2(イ)と同様の操作により、4.8g
のS−(スルホフェニルビニル)−ケラチンを得た。
【0070】(ホ)羊毛繊維8gをn−プロパノール3
00ml、0.1Nトリス緩衝液300mlに分散さ
せ、窒素置換した後トリ−n−ブチルホスフィン3.2
mlを加え、室温で24時間攪拌した。これを濾取した
後、不溶部に水400ml、マレイン酸9.28gおよ
び5N水酸化カリウム約30mlを加え、pH8.0と
した後、室温で6時間攪拌した。28%アンモニア水溶
液約20mlを加えてpH11.5とした後、さらに室
温で18時間攪拌した。反応液を濾過して不溶物を除
き、得られた濾液をセルロースチューブに入れ、イオン
交換水に対して透析を行い、低分子不純物を除去した。
透析終了後、セルロースチューブ内の不溶成分を遠心分
離により除き、得られた中性透明水溶液を、1N塩酸約
5.5mlを加えてpH4.4とし、析出した沈殿を濾
取して、エタノールで洗浄後乾燥して3.9gのS−
(1,2−ジカルボキシエチル)−ケラチンを得た。
【0071】(ヘ)合成例1−2(ホ)において、羊毛
繊維の代わりに羊毛を高圧容器中で6kg/cm2の飽
和水蒸気で6分間加熱した後、大気中に急激に放出して
得られる多孔質の膨化物を粉砕したものを用い、マレイ
ン酸の代わりに2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸16.5gを用いる以外は、合成例1−2
(ホ)と同様の操作により、4.5gのケラチン−S−
(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸)を得た。
【0072】合成例1−3(ケラチン物質の加水分解誘
導体の合成) (イ)羊毛繊維10gを1%の亜硫酸水素ナトリウム水
溶液300gに浸漬し、5N苛性ソーダ水溶液でpH
6.7に調整した。さらに、パパイン0.2gを加え、
60℃で15時間加水分解反応を行うと、約80%の羊
毛が可溶化された。濾過により、不溶物を除き、得られ
た濾液中の亜硫酸塩を分画分子量500の膜を用いて限
外濾過法により除去すると共に、加水分解物水溶液を濃
縮し、これを凍結乾燥することにより、分子量500〜
2000の加水分解物7.7gを得た。
【0073】(ロ)羊毛繊維10gを75%リン酸水溶
液300gに浸漬し、120〜130℃で5時間加水分
解反応を行った。これを冷却し、濾過により不溶部を除
去した後、4〜5倍量の水を加え、遠心によりさらに不
溶部を除いた。次に、炭酸カルシウムあるいは水酸化バ
リウムを加えてpH6.7に調整した後、沈殿物を濾取
し、これを乾燥することにより、分子量500〜200
0の加水分解物8.0gを得た。 (注)上記合成例1−3(イ)あるいは1−3(ロ)の
製法により、加水分解中のS−S結合量は105gの加
水分解物あたり50molあり、加水分解の過程で羊毛
中のシスチンが破壊されていないことがわかる。
【0074】(ハ)羽毛100gを高圧容器中で6kg
/cm2 、240℃の過熱水蒸気で6分間加圧加熱した
後、大気中に急激に放出し、多孔質の膨化物を得た。こ
の膨化物を粉砕した後、0.3N苛性ソーダ3lを加
え、60℃で18時間加水分解反応を行った後、1N塩
酸で中和し、反応液を濾過した。得られた濾液中の食塩
を分画分子量500の膜を用いて限外濾過法により除去
すると共に、ケラチン加水分解物水溶液を濃縮し、これ
を凍結乾燥することにより、ケラチン加水分解物7.2
gを得た。このものの分子量をゲル濾過法により測定し
たところ1800であった。
【0075】(ニ)馬のひずめの粉砕物を粒度0.25
〜1mmにそろえたもの100gを、50%メタノー
ル、50%クロロホルム溶液で脱脂し、次いで、1%ア
ンモニア水で可溶性タンパクを除去した後、三ツ口フラ
スコに移し、水酸化ナトリウム20gおよびイオン交換
水400gを加え、攪拌しながら温度を90℃で4時間
加水分解反応を行った。冷却後、塩酸でpH8に調整し
た後、反応液を濾過した。濾液中の食塩を除去する操作
以後は合成例1−3(ハ)と同様にしてケラチン加水分
解物68gを得た。このものの分子量をゲル濾過法によ
り測定したところ、2500であった。
【0076】2. シリル化ペプチドの合成 合成例2−1 加水分解コラーゲン(コラーゲンの加水分解物で、一般
式(IV)において、mの平均値=2、nの平均値=1
8、m+nの平均値=20)の30%水溶液50g(ア
ミノ態窒素の測定によって得られた化学量論的モル数と
して10.6ミリモル)に20%水酸化ナトリウム水溶
液を滴下してpHを9.5にし、55℃に加温した。一
方、シリル化剤として、一般式(V)において、R6
CH3 、R7=OCH3 、R8=OCH3 で、a=3のシ
リル化合物2.3g(加水分解コラーゲンのアミノ態窒
素量に対し、1.0当量)を水に15%水溶液となるよ
うに溶解し、希塩酸でpHを3.5に調整して、50℃
で15分間攪拌を続け、メトキシ基(−OCH3)を加
水分解して水酸基に変換させた。
【0077】上記の加水分解コラーゲン溶液を55℃で
攪拌しながら、その中に、水酸基に変換したシリル化合
物水溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、55
℃で、さらに5時間攪拌を続け、反応を完結させた。反
応終了後、アミノ態窒素を測定することにより、シリル
官能基の加水分解コラーゲンのアミノ態窒素への導入率
を求めたところ、シリル官能基の導入率は67%であっ
た。反応液を希塩酸で中和した後、電気透析装置で脱塩
し、pHを6.5に調整した後、濃縮して濃度調整を行
うことにより、反応生成物(シリル化加水分解コラーゲ
ン)濃度が20%の水溶液を63g得た。
【0078】合成例2−2 加水分解小麦タンパク(小麦タンパクの加水分解物で、
一般式(IV)において、mの平均値=1.2,nの平均
値=8.8,m+nの平均値=10)の30%水溶液5
0g(アミノ態窒素の測定によって得られた化学量論的
モル数として15ミリモル)を20%水酸化ナトリウム
水溶液を滴下してpH9.5にし、55℃に加温した。
一方、シリル化剤として、一般式(V)において、R6
=Cl,R7=CH3、R8=Clで、a=3のシリル化
合物3.1g(加水分解小麦ペプチドのアミノ態窒素量
に対し、0.9当量)を水に15%水溶液となるように
溶解し、15分間攪拌を続けてケイ素原子に直接結合し
ているCl原子を水酸基に変換させた。上記加水分解小
麦タンパク水溶液を55℃で攪拌しながら、その中に水
酸基に変換したシリル化合物水溶液を1時間かけて滴下
した。滴下終了後、55℃で、さらに5時間攪拌を続け
て反応を完結させた。反応液を希塩酸で中和後、電気透
析で脱塩し、濃縮して濃度調整を行うことにより、反応
生成物(シリル化加水分解小麦タンパク)濃度が20%
の水溶液55gを得た。シリル官能基の導入率は62%
であった。
【0079】合成例2−3 加水分解コラーゲンに代えて、加水分解ケラチン(羊毛
の加水分解物で、一般式(IV)において、mの平均値=
0.6,nの平均値=4.4,m+nの平均値=5)の
30%水溶液50g(アミノ態窒素の測定により得られ
た化学量論的モル数として、42ミリモル)を用い、シ
リル化剤として、一般式(V)において、R6=CH3
7=OC25、R8=OC25で、a=3のシリル化合
物を75g(加水分解ケラチンのアミノ態窒素量に対
し、0.8当量)用いたほかは、合成例2−1と同様に
して、反応生成物(シリル化加水分解ケラチン)濃度が
20%の水溶液58gを得た。シリル官能基の導入率は
59%であり、また、一般式(V)で表されるシリル化
合物において、ケイ素原子に直接結合していたエトキシ
基(OC25)は上記反応の間に水酸基に変換されてい
た。
【0080】合成例2−4 加水分解コラーゲンに代えて、加水分解大豆タンパク
(大豆タンパクの加水分解物で、一般式(IV)におい
て、mの平均値=0.5、nの平均値=5.5、m+n
の平均値=6)の30%水溶液50g(アミノ態窒素の
測定によって得られた化学量論的モル数として、18.
4ミリモル)を用い、シリル化剤として、一般式(V)
において、R6=OCH3、R7=OCH3 、R8=OCH
3で、a=1のシリル化合物を3.4g(加水分解大豆
タンパクのアミノ態窒素量に対して、0.9当量)用い
たほかは、合成例2−1と同様にして、反応生成物(シ
リル化加水分解大豆タンパク)濃度が20%の水溶液5
3gを得た。シリル官能基の導入率は60%であり、ま
た、一般式(V)で表されるシリル化合物において、ケ
イ素原子に直接結合していたメトキシ基は上記反応の間
に水酸基に変換されていた。
【0081】合成例2−5 加水分解コラーゲンに代えて、加水分解酵母タンパク
(酵母タンパクの加水分解物で、一般式(IV)におい
て、mの平均値=1.2、nの平均値=6.8、m+n
の平均値=8)の30%水溶液50g(アミノ態窒素の
測定によって得られた化学量論的モル数として30ミリ
モル)を用い、シリル化剤として、一般式(V)におい
て、R6=CH3、R7=OC25 、R8=OC25で、
a=3のシリル化合物を5.3g(加水分解酵母タンパ
クのアミノ態窒素量に対して、0.8当量)用いたほか
は、合成例2−1と同様にして、反応生成物(シリル化
加水分解酵母タンパク)濃度が20%の水溶液48gを
得た。シリル官能基の導入率は57%であり、また、一
般式(V)で表されるシリル化合物において、ケイ素原
子に直接結合していたエトキシ基は上記反応の間に水酸
基に置換されていた。
【0082】合成例2−6 L−リジン塩酸塩10g(分子量182.6、54.7
ミリモル)を100mlの水に溶解し、20%水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下してpHを9.5にし、55℃に
加温した。一方、シリル化剤として、一般式(V)にお
いて、R6=OCH3、R7=OCH3 、R8=OCH3
で、a=3のシリル化合物17.8g(L−リシン塩酸
塩のアミノ態窒素量に対し、0.7当量)を水に15%
水溶液となるように溶解し、希塩酸でpHを3.5に調
整して50℃で15分間攪拌を続け、メトキシ基を加水
分解して水酸基に変換させた。上記L−リシン塩酸塩水
溶液を攪拌しながら、その中に、水酸基に変換したシリ
ル化合物水溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了
後、55℃で、さらに5時間攪拌を続けて反応を完結さ
せた。
【0083】反応終了後、アミノ態窒素量を測定するこ
とにより、シリル官能基の導入率を求めたところ、シリ
ル官能基の導入率は65%であり、ペプチド末端のアミ
ノ基だけでなく、側鎖のアミノ基も反応していることが
わかった。反応液を希塩酸で中和した後、電気透析装置
で脱塩精製し、pHを6.5に調整した後、濃縮して濃
度調整を行うことにより、反応生成物(シリル化L−リ
ジン)濃度が15%の水溶液を118g得た。
【0084】合成例2−7 L−リジン塩酸塩に代えて、グリシル−L−アラニン1
0g(分子量146.1、68.4ミリモル)を用い、
シリル化剤として、一般式(V)において、R6=C
3、R7=OCH3 、R8=OCH3 で、a=1のシリ
ル化合物を13.5g(グリシル−L−アラニンのアミ
ノ態窒素量に対し、0.9当量)を用いたほかは、合成
例2−6と同様にして、反応生成物(シリル化グリシル
−L−アラニン)濃度が15%の水溶液104gを得
た。シリル官能基の導入率は55%であり、また、一般
式(V)で表されるシリル化合物において、ケイ素原子
に直接結合していたメトキシ基は上記反応の間に水酸基
に変換されていた。
【0085】 A.毛髪の保護修復剤としての実施例 実施例1(トリートメントローション) 重量% (1) 1,3−ブチレングリコール 2.0 (2) グリセリン 1.0 (3) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5 (4) メチルフェニルポリシロキサン 1.0 (5) 合成例1−1(イ)のケラチン物質分解誘導体 1.0 (6) 合成例2−1のシリル化ペプチド 1.0 (7) 香料 適量 (8) 紫外線防止剤 適量 (9) 防腐剤 適量 (10)エタノール 50.0 (11)イオン交換水 43.5 <製法>(5)〜(11)を攪拌溶解し、次いで、これに(1)〜
(4)を順次添加する。
【0086】 実施例2(トリートメントムース) 重量% (1) 軽質流動イソパラフィン(C12〜C15) 22.0 (2) ジメチルポリシロキサン(20cs) 3.0 (3) プロピレングリコール 6.0 (4) ポリオキシエチレン(80モル)硬化ヒマシ油エステル 2.0 (5) カチオン化セルロース 0.2 [商品名:ポリマーJR-400、ユニオンカーバイド社製] (6) 合成例1−2(ホ)のケラチン物質分解誘導体 4.0 (7) 合成例2−2のシリル化ペプチド 6.0 (8) イオン交換水 46.8 (9) 液化石油ガス(LPG) 10.0 <製法>(3),(4)の混合物に(1),(2)の混合溶解物を添加
し、乳化する。これに、(5)〜(8)の溶液を加え、混合攪
拌して原液を得る。この原液をエアゾール缶に充填し、
次いで、(9)の噴射ガスを充填して、エアゾールタイプ
の毛髪損傷予防修復剤を得た。
【0087】 比較例1(トリートメントローション) 重量% (1) 1,3−ブチレングリコール 2.0 (2) グリセリン 1.0 (3) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5 (4) メチルフェニルポリシロキサン 1.0 (5) コラーゲン加水分解物 1.0 (6) 香料 適量 (7) 紫外線防止剤 適量 (8) 防腐剤 適量 (9) エタノール 50.0 (10)イオン交換水 44.5 <製法>(5)〜(10)を攪拌溶解し、次いで、これに(1)〜
(4)を順次添加する。
【0088】 比較例2(トリートメントムース) 重量% (1) 軽質流動イソパラフィン(C12〜C15) 22 .0 (2) ジメチルポリシロキサン(20MPa) 3.0 (3) プロピレングリコール 6.0 (4) ポリオキシエチレン(80モル)硬化ヒマシ油エステル 2.0 (5) カチオン化セルロース 0.2 [商品名:ポリマーJR-400、ユニオンカーバイド社製] (6) 合成例1−2(ホ)のケラチン物質分解誘導体 4.0 (7) 水溶性エラスチン 6.0 (8) イオン交換水 46.8 (9) 液化石油ガス(LPG) 10.0 <製法>(3),(4)の混合物に(1),(2)の混合溶解物を添加
し、乳化する。これに、(5)〜(8)の溶液を加え、混合攪
拌して原液を得る。この原液をエアゾール缶に充填し、
次いで、(9)の噴射ガスを充填して、エアゾールタイプ
の毛髪損傷予防修復剤を得た。
【0089】試験例1 毛髪の滑らかさの測定 同一人から採取した損傷した頭髪で毛束を作り、それぞ
れの毛束に実施例1,2および比較例1,2の試料を塗
布し、摩擦測定器により、毛髪の摩擦係数を測定した。
その後、それぞれ毛束をシャンプーで2回洗浄し、充分
に水洗した後、ドライヤーで乾燥して、その毛髪の摩擦
係数を測定した。その結果を表1に示す。
【0090】
【表1】 ───────────────────────────────── 試料 塗布直後の摩擦係数 シャンプー後の摩擦係数 ───────────────────────────────── 実施例1 0.15 0.20 実施例2 0.20 0.25 比較例1 0.30 0.45 比較例2 0.25 0.35 未塗布 0.45 0.45 ─────────────────────────────────
【0091】表1の結果から、本発明品を用いることに
より、摩擦係数が著しく低減し、シャンプー後も毛髪の
滑らかさが持続していることがわかる。
【0092】試験例2 枝毛発生防止効果の測定 同一人から採取した健常な頭髪で毛束を作り、それぞれ
の毛束に実施例1,2および比較例1,2の試料を塗布
し、機械的にブラッシングを1万回かけた時の枝毛の発
生本数を数えた。各毛束は1300本の頭髪からなって
いる。その結果を表2に示す。
【0093】
【表2】 ──────────────── 試料 枝毛発生本数 ──────────────── 実施例1 20 実施例2 50 比較例1 200 比較例2 100 未塗布 300 ────────────────
【0094】表2の結果から、本発明品は、枝毛発生防
止に顕著な効果が見られることが分かる。
【0095】試験例3 枝毛修復効果の測定 枝毛の多く発生していたパネル4名に、実施例1のトリ
ートメントローションを使用してもらい、枝毛の修復効
果をみた。その結果、いずれのパネルにおいても、枝毛
は目立たなくなっており、本発明品の修復効果が確認さ
れた。
【0096】 実施例3 (ヘアブロー) 重量% (1) デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0 (2) アンモニウム変性高分子シリコーン(分子量50万) 1.0 (3) 1,3−ブチレングリコール 2.0 (4) ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油エステル 2.0 (5) エタノール 15.0 (6) 合成例2−3のシリル化ペプチド 5.0 (7) 合成例1−3(ロ)のケラチン物質分解誘導体 5.0 (8) イオン交換水 65.0 (9) 香料 適量 <製法>(1)に(2)を溶解し、(3),(4)の混合物に添加
し、乳化して、(5)〜(9)と混合する。ディスペンサー容
器に詰め、霧状で頭髪に噴霧するヘアブローを得た。
【0097】 実施例4(ヘアフォーム) 重量% (1) デカメチルシクロペンタシロキサン(6Mpa・s) 20.0 (2) ジメチルポリシロキサン 5.0 (3) ジプロピレングリコール 5.0 (4) ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 3.0 [商品名:SILWET 10-E、日本ユニカー(株)社製] (5) エタノール 10.0 (6) イオン交換水 43.0 (7) 合成例2−4のシリル化ペプチド 4.0 (8) 合成例1−3(イ)のケラチン物質分解誘導体 4.0 (9) 香料 適量 (10)ブタン 4.0 (11)ジメチルエーテル 2.0 <製法>(1)に(2)を溶解し、(3),(4)の混合液に添加
し、乳化する。その乳化物を(5)〜(9)とを混合してなる
溶液に加え、エアゾール溶液に入れて弁を取り付けた後
に(10),(11)を充填する。
【0098】 実施例5(ヘアクリーム) 重量% (1) イソパラフィン 10.0 [商品名:アイソゾール400、日本石油化学(株)社製] (2) ホホバ油 3.0 (3) ジメチルポリシロキサン(20MPa・S/25℃) 5.0 (4) トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリンエステル 8.0 (5) ワセリン 5.0 (6) ステアリルアルコール 2.0 (7) ソルビタンモノオレート 2.0 (8) ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油エステル 2.0 (9) グリセリン 5.0 (10)ヒアルロン酸 5.0 (11)メチルパラベン 適量 (12)イオン交換水 49.0 (13)合成例2−5のシリル化ペプチド 1.0 (14)合成例1−2(ロ)のケラチン物質分解誘導体 3.0 <製法>(1)〜(8)を70℃で攪拌溶解し、(9)〜(14)を
溶解したものの中に加えて乳化し、ヘアクリームを得
る。
【0099】 実施例6(トリートメントローション) 重量% (1) イソパラフィン 15.0 [商品名:シェルゾール71、シェル社製] (2) 高分子量ジメチルポリシロキサン(分子量50万) 3.0 (3) 1,3−ブチレングリコール 2.0 (4) ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油エステル 2.0 (5) 合成例2−6のシリル化ペプチド 10.0 (6) 合成例1−1(イ)のケラチン物質分解誘導体 3.0 (7) エタノール 15.0 (8) イオン交換水 50.0 (9) 香料 適量 <製法>(1)に(2)を溶解し、(3),(4)の混合物に加えて
乳化し、その乳化物を(5)〜(9)の溶解物に加えて溶解
し、トリートメントローションを得た。
【0100】B.ヘアリンス効果剤としての実施例 実施例7〜12,比較例3〜6 表3および表4に示す組成により、常法に従ってヘアリ
ンスを調製した。各調製物について、下記の方法により
評価した結果を併せて表3および表4に示す。
【0101】(1)毛髪保護効果 各試料1gを長さ15cm、500〜600本の毛髪束
に塗布し、40℃温水、300ml中で振とうすすぎ
(100cycle)を2回繰り返した後、この毛髪束を乾
燥させる。この毛髪束に一定の力でブラッシングを行っ
た後に発生した枝毛、切れ毛の数をカウントし、毛髪の
全数に対する枝毛、切れ毛の発生率を算出する。未処理
毛での枝毛、切れ毛の発生率X%に対し、各サンプル処
理毛での発生率Y%を比較し、Y/Xの値により以下の
ように評価した。
【0102】 Y/X<0.5 …A(毛髪保護効果大) 0.5≦Y/X<0.8…B(毛髪保護効果中) 0.8≦Y/X<1.0…C(毛髪保護効果小) 1.0≦Y/X …D(毛髪保護効果なし)
【0103】(2)毛髪への吸着量測定 各試料2gを完全脱脂後の毛髪束4gに塗布し、温水
(40℃)中で振とうすすぎ(100cycle)を2回繰
り返した後、この毛髪束を乾燥させる。それぞれの毛髪
束より吸着物をソックスレー抽出(ジクロルメタン/メ
タノール=92/8vol%、5hr抽出)し、その重
量より毛髪1g当たりの試料吸着量を算出した。各試料
の毛髪への吸着性を以下のように評価した。 30mg以上 …A(毛髪への吸着性大) 10mg以上,30mg未満…B(毛髪への吸着性中) 10mg未満 …C(毛髪への吸着性小)
【0104】(3)毛髪へのつや付与効果 各試料1gを長さ15cm、500〜600本の毛髪束
に塗布し、40℃温水、300ml中で振とうすすぎ
(100cycle)を2回繰り返した後、この毛髪束を乾
燥させる。この毛髪束から任意に10本の毛髪を選び、
変角光度計GP−IR[(株)村上色彩研究所製]で入射
された光に対する毛髪の反射光分布を測定し、毛髪の光
沢度(つや)を次の式により求めた。
【0105】
【数1】G=s/d(G:光沢度、s:正反射光量、
d:拡散反射光量)
【0106】以上の方法で求められた光沢度Gにより各
試料の毛髪へのつや付与効果を以下のように評価した。 Gが15以上 …A(つや付与効果大) Gが10以上,15未満…B(つや付与効果中) Gが5以上,10未満 …C(つや付与効果小) Gが5未満 …D(つや付与効果なし)
【0107】(4)均一コート性 毛髪のつや測定と同じ方法で調製した毛髪サンプルの走
査型電子顕鏡(SEM)写真より均一コート性を評価し
た。各試料で処理された毛髪のSEM写真(400〜1
000倍)を判定者15名により、未処理毛髪のSEM
写真と比較して、均一コート性が「良好」「同程度」の
2段階で評価した。その判定結果より以下のように評価
した。 15名全員が「良好」と答えたもの …A 15名中8〜14名が「良好」と答えたもの…B 15名中、7名以下が「良好」と答えたもの…C
【0108】(5)乾燥後の滑らかさ(毛髪に対する効
果の官能評価) 試験対象者として、19才から36才の女性15名を選
んだ。各試験対象者は、市販ヘアシャンプー(通常のア
ルキル硫酸エステル塩系シャンプー)で洗髪後の毛髪
に、各試料12gずつを塗布し、約40℃の水ですすぎ
洗いしてから、ドライヤー乾燥後の毛髪の感触を対照用
試料(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム2.0
%、セトステアリルアルコール3.0%、プロピレング
リコール5.0%および水90%からなるもの)と比較
して、「著しく良好」、「良好」、「同程度」および
「劣っている」の4段階で評価した。その15名の判定
結果から以下のように評価した。 12名以上が「著しく良好」または「良好」と答えたも
の…A 8〜11名が「著しく良好」または「良好」と答えたも
の…B 4〜7名が「著しく良好」または「良好」と答えたもの
…C 3名以下が「著しく良好」または「良好」と答えたもの
…D
【0109】
【表3】 ─────────────────────────────────── 実施例番号 7 8 9 10 11 12 ─────────────────────────────────── シリル化ペプチド(合成例2−7) 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0 1.0 0.8 0.5 2.0 2.0 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム − 0.5 − − − − セトステアリルアルコール 3.0 3.5 3.0 1.5 4.0 4.0 (C16/C18=7/3) ケラチン物質分解誘導体 2.0 1.0 1.0 0.2 5.0 2.5 (合成例1−1(イ)) 高分子量ジメチルポリシロキサン − − − − − 2.5 (分子量40万) ジメチルポリシロキサン(5cs) 10.0 10.0 10.0 10.0 5.0 − メチルパラベン 適量 適量 適量 適量 適量 適量 色素 適量 適量 適量 適量 適量 適量 香料 適量 適量 適量 適量 適量 適量 イオン交換水 残余 残余 残余 残余 残余 残余 ─────────────────────────────────── 毛髪保護効果 A A A A A A 毛髪への吸着性 A A A A A A 毛髪へのつや付与効果 A A A B A A 均一コート性 A A A B A A 乾燥後の滑らかさ A A A A A A ───────────────────────────────────
【0110】
【表4】 ────────────────────────────── 比較例番号 3 4 5 6 ────────────────────────────── シリル化ペプチド(合成例2−7) − − − 10.0 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0 1.0 2.0 2.0 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム − − − − セトステアリルアルコール 3.0 2.0 3.0 3.0 (C16/C18=7/3) ケラチン物質分解誘導体 − 1.0 − − (合成例1−1(イ)) 高分子量ジメチルポリシロキサン 2.0 − − − (分子量40万) ジメチルポリシロキサン(5cs) 10.0 10.0 15.0 5.0 メチルパラベン 適量 適量 適量 適量 色素 適量 適量 適量 適量 香料 適量 適量 適量 適量 イオン交換水 残余 残余 残余 残余 ────────────────────────────── 毛髪保護効果 C C D C 毛髪への吸着性 B B C B 毛髪へのつや付与効果 C C D C 均一コート性 C C C C 乾燥後の滑らかさ B C D D ──────────────────────────────
【0111】表3,表4からわかるように、本発明の毛
髪処理剤は、比較例に比べ、毛髪保護効果、乾燥後の滑
らかさ、毛髪への吸着性、毛髪へのつや付与効果、均一
コート性に優れたものであった。
【0112】 実施例13(ヘアリンス) 重量% (1) シリル化ペプチド(合成例2−1) 3.0 (2) ケラチン物質分解誘導体(合成例1−2(ロ)) 12.0 (3) 塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.6 (4) セトステアリルアルコール(C16/C18=6/4) 2.0 (5) ジメチルポリシロキサン(100MPa) 3.0 (6) 環状シリコン5量体 15.0 (7) グリセロールモノステアレート 1.0 (8) ステアリン酸 0.5 (9) グリセリン 5.0 (10)プロピレングリコール 5.0 (11)黄色−4号(色素) 適量 (12)香料 適量 (13)メチルパラベン 適量 (14)EDTA−3Na(キレート剤) 適量 (15)イオン交換水 残余 <製法>(1),(2),(7),(9),(10),(11),(13),(14),(15)を
70℃で混合攪拌し、これに、(3),(4),(5),(6),(7),
(8),(12)を70℃で混合攪拌したものを添加し、ヘアリ
ンスを得た。得られたヘアリンスを前記実施例7〜12
と同様の方法によって評価した。その結果、このヘアリ
ンスは、安定性に優れ、官能試験評価においても従来に
ない優れた滑らかさを示し、その上、優れた保護効果を
毛髪に付与するものであった。
【0113】 実施例14(ヘアトリートメントクリーム) 重量% (1) 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0 (2) セトステアリルアルコール(C16/C18=7/3) 6.5 (3) べヘニルアルコール 2.0 (4) ジメチルポリシロキサン(5cs) 20.0 (5) 流動パラフィン 6.0 (6) 2−オクチルドデカノール 2.0 (7) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体 0.3 (エチレンオキサイド60モル付加物) (8) ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0 (エチレンオキサイド4モル付加物) (9) 合成例2−2のシリル化ペプテド 0.5 (10)グリセリン 10.0 (11)ジプロピレングリコール 5.0 (12)黄色−4号(色素) 適量 (13)香料 適量 (14)メチルパラベン 適量 (15)EDTA−3Na(キレート剤) 適量 (16)イオン交換水 残余 (17)合成例1−3(イ)のケラチン物質分解誘導体 0.5 く製法>(1),(9)〜(12),(14)〜(17)を70で混合攪拌
し、これに、(2)〜(8),(13)を70℃で混合攪拌したも
のを添加し、ヘアトリートメントクリームを得た。得ら
れたヘアトリートメントクリームを前記実施例7〜12
と同様の方法によって評価した。その結果、このヘアト
リートメントクリームは、特に傷んだ毛髪に対し、優れ
た滑らかさを与え、毛髪保護効果の良好なものであっ
た。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の毛髪処理
剤は、毛髪に豊かな光沢と滑らかさを与え、かつ枝毛、
切れ毛等の毛髪の損傷を予防し、発生した枝毛に対して
は修復をして目立たなくする効果を有する毛髪処理剤で
ある。また、本発明の毛髪処理剤をヘアリンス、ヘアト
リートメント、ヘアパック等によるすすぎ工程の入るヘ
アリンス効果剤として用いた時には、毛髪をべたつかせ
ず、毛髪に優れた滑らかさおよび光沢を付与することが
でき、ブラッシング等の物理的刺激から毛髪を保護する
効果が高い毛髪処理剤とすることができるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(A)および(B)を含有すること
    を特徴とする毛髪処理剤。 (A)ケラチン物質の加水分解物、ケラチン物質の
    酸化分解物のアルカリ塩およびケラチン物質の還元分
    解物のチオール基における誘導体のアルカリ塩からなる
    群より選ばれたケラチン物質分解誘導体の一種または二
    種以上。 (B)下記一般式(I)または(II)で表されるアミノ
    酸側鎖のアミノ基を含むペプチドのアミノ基にケイ素原
    子をただ一つ含む官能基が共有結合したシリル化ペプチ
    ド。 【化1】 [式中、R1、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基ま
    たは水酸基を示し、これらのR1、R2、R3はすべて同
    じでもよく、また異なっていてもよい。R4は側鎖の末
    端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ基を
    除く残基を示し、R5はR4以外のアミノ酸側鎖を示し、
    aは1または3で、mは0〜200、nは0〜200、
    m+nは1〜200である。(ただし、mおよびnはア
    ミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順序を示すも
    のではない。)] 【化2】 [式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜3のアルキル基
    または水酸基を示し、これらのR1 、R2 、R3はすべ
    て同じでもよく、また異なっていてもよい。R4は側鎖
    の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ
    基を除く残基を示し、R5はR4以外のアミノ酸側鎖を示
    し、aは1または3で、mは0〜200、nは0〜20
    0、m+nは1〜200である。(ただし、mおよびn
    はアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順序を示
    すものではない。)]
  2. 【請求項2】 ケラチン物質分解誘導体の一種または二
    種以上の混合物の配合量が0.05〜10.0重量%
    で、シリル化ペプチドの配合量が0.05〜30.0重
    量%である請求項1記載の毛髪処理剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012513449A (ja) * 2008-12-23 2012-06-14 ピエール、ファブレ、デルモ‐コスメティーク ローカストビーンガム加水分解物を含む化粧用組成物
WO2021037679A1 (en) 2019-08-23 2021-03-04 Unilever Global Ip Limited Use of hair treatment composition in foam format

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