JPH11241012A - 或光の波長に対して不透明な半導体ウェ―ハ用ポリカ―ボネ―ト調合物およびキャリヤ - Google Patents

或光の波長に対して不透明な半導体ウェ―ハ用ポリカ―ボネ―ト調合物およびキャリヤ

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JPH11241012A
JPH11241012A JP10361750A JP36175098A JPH11241012A JP H11241012 A JPH11241012 A JP H11241012A JP 10361750 A JP10361750 A JP 10361750A JP 36175098 A JP36175098 A JP 36175098A JP H11241012 A JPH11241012 A JP H11241012A
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Gary Eugene Spilman
ゲリー・ユージーン・スピルマン
John G Skabardonis
ジョン・ジー・スカバードニス
Eric Thomas Gohr
エリック・トーマス・ゴー
Martin J Lindway
マーティン・ジェイ・リンドウェイ
Douglas George Hamilton
ダグラス・ジョージ・ハミルトン
David A Bradley
デイヴィッド・エイ・ブラッドレイ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン性不純物、特に硫酸イオンおよび塩素イ
オンがそれぞれ300ppb未満である芳香族ポリカー
ボネート組成物およびこれから作成される物品。 【解決手段】本発明の組成物は、当該ポリカーボネート
組成物の重量に対して約1重量%の水性媒質を用いてポ
リカーボネート組成物からイオン性不純物を脱揮発成分
処理することによって調製される。この脱揮発成分処理
は、ポリカーボネート組成物のコンパウンディング中エ
クストルーダー内で、好ましくは真空下で行なうのが好
ましい。また、押出されたポリカーボネート樹脂のスト
ランドは、硫酸イオンと塩素イオンの含量が各々300
ppb未満である水浴中で急冷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な加工特性を
維持しつつイオン性不純物が減少した熱可塑性の芳香族
ポリカーボネート組成物に関する。その製品は、コンピ
ューター産業用のコンピューターハードドライブプラッ
ターキャリヤまたはプレチップシリコンウェーハキャリ
ヤのようなより高品質の成形品を製造するためのより高
品質のポリカーボネート樹脂である。特に本発明は、改
良された方法および本明細書に記載したような方法で得
られる改良された製品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、最終成形品に
おけるその特性性能に影響することになるある種の不純
物を含有している可能性があることが多い。たとえば、
硫酸イオンと塩素イオンは充分な量で存在すると、プレ
チップシリコンウェーハキャリヤやコンピューターハー
ドドライブプラッターキャリヤを製造するためのポリカ
ーボネート樹脂の色と加工性に影響を及ぼす。硫酸イオ
ンはシリコンウェーハの表面で残留アンモニアと反応し
て硫酸アンモニウムを形成することができ、この硫酸ア
ンモニウムはシリコンプレチップウェーハの表面で白い
残渣を形成する。そこでこのウェーハは、コンピュータ
ーチップに加工する前に洗浄する必要が生じる。射出成
形、押出またはコンパウンディングのような追加の熱相
への曝露によってもポリカーボネート樹脂の変色が誘発
され得る。ホスファイト系の安定剤を用いても、特に加
工温度でポリカーボネートの黄変とホスファイトの加水
分解が起こり得る。このホスファイトは高温または加工
温度で加水分解を受けやすく、その場で酸種を形成し、
これが次にポリカーボネートと反応し得、その結果鎖の
分断が増大する可能性があると共に、最終的に成形品中
で色を生じることになり得る副反応を起こすものと考え
られる。この望ましくない過程は、ポリカーボネート樹
脂の押出、コンパウンディングまたは成形の間にも起こ
り得る。
【0003】また、望ましい特性を達成または改良する
ために、押出、コンパウンディングまたは射出成形中に
ポリカーボネート樹脂と共にある種の添加剤が用いられ
るのが普通である。そのような添加剤は加工性に悪影響
を及ぼさないことが望ましい。さらに、ホスファイトお
よび/またはエポキシを安定化用添加剤として用いるこ
とによって変色に対してポリカーボネート樹脂を安定化
することが知られている。これらの安定化用添加剤は広
く米国特許第4,381,358号、同第4,358,
563号および同第3,673,146号などに開示さ
れている。
【0004】しかし、ある種の公知の不純物が、その不
純物を中和するための添加剤を使用しないで除去できる
なら、ポリカーボネート組成物の特性は不純物の除去に
よって大きく向上するであろう。また、そのような添加
剤を省略すると、そのような添加剤を用いた場合に起こ
り得る加工性の低下の可能性が回避されよう。プレチッ
プシリコンウェーハの加工では通常、シリコンウェーハ
にUV重合性のフォトレジストを塗布し、像のとおりに
そのフォトレジストを照射してそのウェーハをパターン
化する。特にフォトレジストを塗布したウェーハをマス
クを通してUV光に露光する。このマスクには、そのシ
リコンウェーハ上に作成しようとする回路に対応するパ
ターンが印刷されている。UV光によりフォトレジスト
の露光した領域が重合する。次いでこのシリコンウェー
ハを溶剤で洗浄する。この溶剤は、フォトレジストコー
ティングの重合しなかった領域を溶かすが、重合した領
域は残す。次に、ウェーハを、たとえば金属化によりパ
ターン化することができる。その後、重合したフォトレ
ジストを除去すると、UV光がマスクを通って透過した
領域が金属化されたウェーハが生成する。
【0005】プレチップシリコンウェーハを取扱う際ダ
ストその他あらゆる形態の汚染物を避けることが極めて
重要である。また、非常に多くの数の特定のシリコンチ
ップを作成することも望ましい。したがって、可能な場
合には、ダストのない環境を維持する機械で製造作業を
実施する。したがって、プレチップシリコンウェーハキ
ャリヤがある波長の光に対して透明であって、ロボット
装置が反射光に基づいて特定のキャリヤ中にどれだけの
数のウェーハがあるのか決定できるようになっているの
が有利であろう。しかし、上に述べたように、プレチッ
プシリコンウェーハキャリヤは、フォトレジストの重合
を生起しうる波長の光に対して不透明であることも望ま
しい。
【0006】したがって、本発明の目的は、ポリカーボ
ネート樹脂中のイオン性の不純物を低減する方法を提供
することである。本発明の別の目的は、ポリカーボネー
ト組成物の溶融ブレンド中にポリカーボネート中のイオ
ン性不純物を低減することである。本発明のさらに別の
目的は、ポリカーボネート樹脂中の硫酸イオンと塩素イ
オンを低減することである。
【0007】さらに、本発明の別の目的は、イオン性不
純物の低減したポリカーボネート樹脂を製造することで
ある。本発明の別の目的は、クリーンな雰囲気で封止す
ることができるプレチップシリコンウェーハキャリヤを
提供することである。また、観察者が適当なクリーンな
環境中でそのようなキャリヤを開く必要なくそのキャリ
ヤ中にどれだけの数のウェーハが存在するのか見ること
ができるということも本発明の別の目的である。
【0008】さらにまた、本発明の別の目的は、イオン
性不純物が低減したポリカーボネート樹脂組成物であっ
て、半導体チップ製造に有用なフォトレジストの重合を
生起しうる波長の光に対して不透明であり、しかもある
波長の可視光に対しては透明であるポリカーボネート樹
脂組成物を提供することである。また、本発明のさらに
別の目的は、従来技術の欠点を克服した適切なコンピュ
ーターハードドライブプラッターキャリヤまたはプレチ
ップシリコンウェーハキャリヤを提供することである。
【0009】さらに別の本発明の目的は、半導体チップ
製造に有用なフォトレジストの重合を生起しうる波長の
光に対して不透明であり、しかもある波長の可視光に対
しては透明であるプレチップシリコンウェーハキャリヤ
を提供することである。
【0010】
【発明の要約】本発明は、イオン性不純物の低減したポ
リカーボネート組成物、およびポリカーボネート樹脂中
のイオン性不純物を低減させる方法に関する。本発明は
また、イオン性不純物が低減した芳香族ポリカーボネー
ト組成物にも関する。本発明のポリカーボネート組成物
は(たとえば、プレチップシリコンウェーハキャリヤを
製造するために)射出成形したり、シートやフィルムに
押出したり、異形押出したり、共押出したり、押出ブロ
ー成形したりすることができる。
【0011】また、イオン性不純物が低減しており、特
定の光透過性を有する、すなわち、少なくとも或る波長
の可視光に対しては透明であり得るが半導体チップ製造
に有用であることが知られているフォトレジストの重合
を生起させる波長の光に対しては不透明であり得るとい
う品質を有するポリカーボネート配合物を提供する。
【0012】
【発明の詳細な記述】本発明の方法は、水性媒質を使用
することによって、芳香族ポリカーボネート樹脂配合物
のコンパウンディング中エクストルーダーのような溶融
ブレンド工程において下流で不純物を脱揮発成分処理す
ることを含む。エクストルーダーにおける溶融ブレンド
中配合物に水性媒質、好ましくは水を少量添加した後一
般にはエクストルーダーの下流での真空下で、脱揮発成
分処理することによってイオン性不純物を除去する。硫
酸イオンの除去が好ましいイオン除去であるが、塩素イ
オンのような他のイオンも除去されることが判明した。
硫酸イオンと塩素イオンは各々、300ppb (10
億分の1部)未満のレベルに低減させるのが好ましい。
溶融ブレンドプロセスでは、配合物をダイに通して押出
してストランドとし、これを次にペレット化する。ペレ
ット化の前にこれらのストランドを、水性媒質の冷却用
または急冷用の浴に通す。水はイオン濃度、すなわち硫
酸イオンと塩素イオンがかなり高いので、ポリカーボネ
ート樹脂ストランドはこれらのイオンにより再び汚染さ
れる。したがって、本発明の方法では、さらに、押出さ
れたストランドを通過させるのに使用する水性の冷却浴
が低いイオン濃度、特に低い硫酸イオンと塩素イオンの
含量を有する必要がある。したがって、水浴の少なくと
も硫酸イオンと塩素イオンの濃度を分析し、これをそれ
ぞれ約300ppb未満にすべきであり、または最低で
もこの水浴は脱イオン水とすべきである。
【0013】本発明で使用する芳香族ポリカーボネート
樹脂のコンパウンディング法または溶融ブレンド法は、
それぞれ芳香族ポリカーボネート配合物のコンパウンデ
ィングまたは溶融ブレンドの分野の当業者に周知であ
る。また、ポリカーボネート成形用配合物を調製するた
めのこれらの方法は、数多くの文献および特許に開示さ
れている。組成物は、まず最初に、通常はエクストルー
ダー内で、添加剤とコンパウンディングまたは溶融ブレ
ンドするのが好ましい。コンパウンディングした配合物
を押出してストランドとし、これを通常は水浴中で急冷
し、ペレット化し、乾燥させ、加熱・加圧下で加工して
最終物品とする。この最終物品を射出成形したり、異形
押出したり、シートやフィルムに押出したり、共押出し
たり、または押出ブロー成形したりして、びんのような
単層または多層のプラスチック物品、コンピューター産
業用のコンピューターハードドライブプラッターキャリ
ヤまたはシリコンプレチップウェーハキャリヤのような
中空形状にすることができる。コンパウンディングする
配合物に少量の水性媒質を添加してイオン性不純物の除
去を高める。また、イオン性不純物の再導入を避けるた
めにイオン濃度の低い水性急冷浴も使用する。水性媒
質、好ましくは水の量は、イオン性不純物、特に硫酸イ
オンと塩素イオンを約300ppb未満に低減するのに
充分な量である。水性媒質の添加量は、ポリカーボネー
ト配合物の重量を基準にして、約0.25〜約2.0重
量%、好ましくは約0.75〜約1.5重量%である。
約1.0%が最適であることが判明している。冷却用ま
たは急冷用の水性浴はイオン濃度が低くなければなら
ず、好ましくは硫酸イオン濃度と塩素イオン濃度が各々
約300ppb未満、特に各々約100ppb以下、さ
らに特定的には各々約50ppb未満である。
【0014】水性媒質は成分と共にエクストルーダーの
供給ホッパーに添加してもよいし、下流で溶融物に添加
してもよい。明らかなことであるが、水性媒質はこの水
性媒質の脱揮発成分処理とイオン性不純物の除去の前に
添加しなければならない。水性媒質は一度に添加しても
よいし、いくつかに分けて添加してもよく、たとえば供
給ホッパーに一部を添加し残りをエクストルーダーの下
流で、あるいは供給ホッパーから少しずつ添加してもよ
い。
【0015】本発明で使用する芳香族ポリカーボネート
樹脂は公知の芳香族ポリカーボネートもしくはそれらの
コポリマーもしくはターポリマーまたはポリカーボネー
トと他のポリマー、コポリマーもしくはターポリマーと
のブレンドのいずれでもよい。本発明の実施の際に使用
する芳香族ポリカーボネートは、酸受容体および通常は
分子量調節剤の存在下で二価のフェノールをカーボネー
ト前駆体と反応させることによって調製できる。本明細
書に開示するポリカーボネート樹脂の調製においてはい
かなる二価フェノールでも使用できる。官能基として2
つのヒドロキシル基を含有し、その各々が芳香核の炭素
原子に直接結合している単核または多核の芳香族化合物
が好ましい。本発明の実施の際に使用することができる
二価フェノールのいくつかの例は、1,1‐ビス(4‐
ヒドロキシフェニル)メタン、2,2‐ビス(4‐ヒド
ロキシフェニル)プロパン、4,4‐ビス(4‐ヒドロ
キシフェニル)ヘプタンなどのようなビスフェノール;
ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,
5‐ジクロロ‐4‐ヒドロキシフェニル)エーテルなど
のような二価フェノールエーテル;p,p′‐ジヒドロ
キシジフェニル、3,3′‐ジクロロ‐4,4′‐ジヒ
ドロキシジフェニルなどのようなジヒドロキシジフェニ
ル;ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3‐メチル‐5‐エチル‐4‐ヒドロキシフ
ェニル)スルホンなどのようなジヒドロキシアリールス
ルホン;ジヒドロキシベンゼン、レゾルシノール、ヒド
ロキノン;1,4‐ジヒドロキシ‐2‐クロロベンゼ
ン、1,4‐ジヒドロキシ‐2,3‐ジクロロベンゼ
ン、1,4‐ジヒドロキシ‐2‐メチルベンゼンなどの
ようなハロ置換およびアルキル置換ジヒドロキシベンゼ
ン;ならびにビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホキ
シド、ビス(3,5‐ジブロモ‐4‐ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシドなどのようなジヒドロキシジフェニル
スルホキシドである。
【0016】本発明の実施の際に使用するカーボネート
前駆体はハロゲン化カルボニルでもハロホルメートでも
よい。本発明で使用することができるハロゲン化カルボ
ニルは、臭化カルボニル、塩化カルボニル、フッ化カル
ボニルなど、またはこれらの混合物である。本発明で使
用するのに適したハロホルメートとしては、二価フェノ
ールのビスハロホルメート(ヒドロキノンのビスクロロ
ホルメートなど)またはグリコールのビスハロホルメー
ト(エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポ
リエチレングリコールなどのビスハロホルメート)があ
る。その他のカーボネート前駆体も当業者には明らかで
あろうが、ホスゲンともいわれる塩化カルボニルが好ま
しい。
【0017】上に開示した反応は二価ヒドロキシ化合物
とホスゲンのような塩化カルボニルとの間の界面工程ま
たは反応として知られているものが好ましい。本発明の
芳香族ポリカーボネートを調製する別の方法は、芳香族
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換
を含むエステル交換法である。この方法は界面溶融プロ
セスとして知られている。本発明を実施する際、芳香族
ポリカーボネートを製造する方法は特に重要ではない。
本発明の非常に重要な特徴は、上記のようにイオン性不
純物を含有する水性媒質の脱揮発成分処理によって芳香
族ポリカーボネート樹脂配合物を調製することである。
本明細書で使用する芳香族ポリカーボネートとは、すで
に述べた芳香族ポリカーボネートおよびこれらの組合せ
のいずれかを意味し、包含している。
【0018】また本発明のポリカーボネート組成物は、
UV安定剤、熱安定剤、離型剤、テフロン、充填材およ
び強化用充填材たとえばガラス繊維(短または長ガラス
繊維)、炭素繊維、タルク、シリカならびにポリカーボ
ネート組成物に用いられている他の公知の添加剤のよう
な添加剤を含んでいてもよい。しかし、成形品の揮発分
が低いことが重要であるような用途(たとえば、ハード
ドライブプラッターキャリヤやプレチップシリコンウェ
ーハキャリヤ)では、添加剤はこの基準に従って注意し
て選択する必要がある。たとえば、ポリカーボネートと
共に均一な混合物ではなく、マトリックスを形成する多
くの充填材は、ハードディスクや電子チップの製造で避
けなければならないダストを発生し得るので、使用する
べきではない。
【0019】感光性の電子装置の貯蔵と輸送に使われる
光遮蔽性輸送用装置のような用途では、ポリカーボネー
ト製の光遮蔽性のエンクロージャに放射線吸収性添加剤
を添加するのが有利である。この輸送装置は、感光性の
半導体装置の汚染を防止すると同時に、感光性装置と反
応する(たとえば、フォトレジストコーティングを光重
合する)波長の光を遮蔽する。好ましい態様の輸送装置
では、250〜450nmの波長の光の3%未満がこの
輸送装置を透過し、一方600〜1500nmの波長の
光の少なくとも25%が透過する。この好ましい態様の
場合、後述する技術により1気圧、100℃で測定した
ガス抜けレベルはポリカーボネートの0.5重量%未満
であり、浸出性の塩素含量と硫酸含量は300ppb未
満である。本発明のさらに好ましい態様の場合、輸送装
置は190〜500nmの波長の光の2%未満を透過
し、或る可視波長の光の少なくとも20%を透過する。
本発明の最も好ましい態様の場合、輸送装置は190〜
500nmの波長の光の0.5%未満を透過し、上述の
条件下で測定したガス抜けレベルは成形した輸送装置中
のポリカーボネートの0.1重量%未満である。
【0020】ガス抜けはさまざまな公知の技術によって
測定できる。簡単にいうと、ひとつの方法では、製品ペ
レットを所定の温度と圧力の密封容器中に所定の時間置
く。所定の時間経った後容器内のペレットの上方の平衡
化された空間から試料を取り、ガスクロマトグラフィー
と質量分析計を用いて分析する。この方法では、所定の
温度で発生する揮発性の化学種のレベルが半定量的に示
され、その化学種の種類が同定される。より感度の高い
動的な方法では、超冷却された吸収剤を用いて、不活性
ガスで常にパージしながら除去される揮発分を捕捉す
る。一定時間の後捕捉された物質を加熱して脱着し、ガ
スクロマトグラフィーと質量分析計を用いて分析する。
ひとつの測定例では、この後者の試験において本発明に
従って作成した試料は脱着レベルが0.5ppmであっ
たのに対して、市販の試料は脱着レベルが31ppmで
あった。
【0021】滲出性の塩素含量もまた公知の方法によっ
て決定できる。たとえば、この含量を測定するには、ポ
リカーボネートのペレットを高温(たとえば50〜80
℃)の純粋な脱イオン水に所定の時間(たとえば1〜2
4時間)浸漬する。所定の時間経過後ペレットを取り出
し、その水を、イオン交換分離を利用した液体クロマト
グラフに注入して、塩素イオンをppbレベルで検出す
る。あるいは、実施例1に記載するようにして、ポリカ
ーボネートを塩素化溶剤に溶かし、脱イオン水で抽出
し、この水のイオン含量を測定することによりイオン含
量を決定できる。
【0022】光遮蔽性輸送用装置によって保護される典
型的な感光性電子装置は紫外光に感受性のフォトレジス
トで塗布されたプレチップ半導体ウェーハであるが、他
の感光性電子装置も本発明の輸送装置によって保護する
ことができる。好ましい態様の場合本発明の輸送装置は
UV光を吸収する添加剤を複数種含む。さらに好ましい
態様の場合輸送装置は1種以上のベンゾトリアゾール系
添加剤を含む。適切なベンゾトリアゾール系添加剤とし
てはチバ・ガイギ(Ciba Geigy)から販売されている「チ
ヌビン(Tinuvin) 」がある。このような添加剤とその化
学構造のリストは、チバ・スペシャルティー・ケミカル
ズ社カタログ(Ciba Specialty Chemicals Corporation
Catalog)ならびに付属のMSDSシートおよび技術デー
タシート(これらは引用により本明細書に含まれている
ものとする)に挙げられている。最も好ましい態様の場
合本発明の輸送装置はオレンジ染料と複数のベンゾトリ
アゾール系添加剤を含む。
【0023】
【実施例の詳細な記述】本発明は以下の実施例によって
さらに説明することができる。しかし、本発明はいかな
る意味でもこれらの実施例に限定されるものではないと
理解されたい。実施例中、量がパーセントで表されてい
る場合は重量%である。実施例1 以下のようにして、各々約1000グラムのポリカーボ
ネート樹脂の4種の試料を作成した。
【0024】試料Aは、メチレンクロライド中20℃で
測定した固有粘度が約0.50デシリットル/グラム
(dl/g)の芳香族ポリカーボネート粉末である。こ
のポリカーボネート粉末はエクストルーダーで溶融押出
しなかった。試料Bは、試料Aのポリカーボネート粉末
と離型剤、熱安定剤および着色剤の標準的な添加剤の配
合物をエクストルーダーで溶融ブレンドすることによっ
て試料Aのポリカーボネート粉末を用いて調製した。こ
の試料を約330℃、押出圧力約1200psiでベン
ト式エクストルーダーで溶融ブレンドした。試料Bの押
出したストランドは通常の水道水を用いた水浴で急冷し
た。
【0025】試料Cも芳香族ポリカーボネート粉末であ
るが、試料Aで用いた条件下で測定した固有粘度は約
0.45dl/gであった。この試料Cもまた、エクス
トルーダーで溶融押出しなかった。試料Dは試料Cのポ
リカーボネート粉末を用いて調製し、試料Bで用いたの
と同じエクストルーダー条件下でエクストルーダーで溶
融ブレンドした。この配合物は本質的に試料Bの配合と
同じであったが、配合物の重量に対して約1.0重量%
の水を配合物に添加した点が異なっていた。エクストル
ーダーの下流で、水銀柱約20インチ以上の減圧下でエ
クストルーダーのベントを介して配合物を脱揮発成分処
理した。この押出したポリカーボネートストランドを急
冷するのに用いた水浴は、硫酸含量が約12ppb、塩
素含量が約12ppbの脱イオン水であった。
【0026】各々の配合物は同じ重量%の標準的添加剤
を含有していた。各配合物の硫酸イオン含量と塩素イオ
ン含量をイオンクロマトグラフィー(IC)分析で分析
した。得られた結果は下記表1に示した通りである。試
験法は、ポリカーボネート試料約3〜5グラムを25m
lのメチレンクロライドに溶かした後15〜20mlの
脱イオン水でイオンを抽出するものである。抽出した脱
イオン水の5mlの試料をイオンクロマトグラフに注入
して試料中の全遊離イオンを測定する。
【0027】 表 1 試料 全遊離硫酸イオン含量 全遊離塩素イオン含量 A 565 1945 B 450 550 C 525 1555 D 276 156実施例2 本実施例は、ポリカーボネート樹脂のストランドを水性
の急冷用媒質に通した後普通の水道水からポリカーボネ
ート樹脂ストランドの表面に蓄積される浸出性の硫酸イ
オンと塩素イオンの量を、脱イオン水と比較して示す。
浸出性のイオンの量は主として、水浴からポリカーボネ
ートストランドの表面に吸着したイオンの量である。こ
の試験では、約10グラムのポリカーボネート試料に脱
イオン水25mlを加え、その試料を55℃のオーブン
に約16〜20時間保ち、試料から抽出された脱イオン
水の試料5mlをイオンクロマトグラフに注入して、急
冷用の水浴からポリカーボネートの表面に吸着した滲出
性の遊離イオンを測定する。試料Dのペレットは上記実
施例1のものであり、試料Eのペレットは上記試料Dの
調製手順に従って調製したが急冷用の水浴には脱イオン
水の代わりに標準的な水道水を用いたものである。
【0028】 表 2 浸出性塩素イオン 浸出性硫酸イオン 試料Dペレット 10 20 試料Eペレット 50 100 これらの実施例から分かるように、コンパウンディング
中の配合物に水を用い、次いでおそらくは水蒸気の形態
にあるその水を脱揮発成分処理した後、押出されたスト
ランドをイオン濃度が低い水浴で冷却したポリカーボネ
ート組成物では、ポリカーボネート配合物中のイオン性
不純物、特に硫酸イオンと塩素イオンが低下する。
【0029】実施例3 本実施例は、少なくとも或る可視波長範囲の光には透明
であるがUV硬化性フォトレジストの重合を生起し得る
波長の光に対しては不透明であるポリカーボネート配合
物の調製を示す。以下の配合物をエクストルーダー内で
溶融ブレンドすることによって約3,000グラムのポ
リカーボネート配合物の試料を調製した。
【0030】 表 3 成 分 重量部 線状ポリカーボネート(Mw約30,000〜60,000) 100.0 有機ホスファイト系安定剤 0.03 有機エステル離型剤 0.30 ベンゾトリアゾール系UV(max312,353nm) 1.00 ベンゾトリアゾール系UV(max300,340nm) 2.00 フタロペリノン溶剤有機染料380〜520nm 0.08 エクストルーダーにより、ペレット化されたポリカーボ
ネート配合物を製造する。
【0031】次に、以下の手順により、この配合物のU
V‐可視スキャンを調製した。まず最初に、射出成形機
により、550°Fの温度で2″×3″×0.090″
の寸法のカラーチップを調製した。次に、このチップを
サンプルホルダーに入れ、バリアン・キャリー‐5スキ
ャニングUV‐可視スペクトロメーター(Varian Cary-5
Scanning UV-Visible spectrometer)のアナライザービ
ームに装入した。チップを190〜830nmの波長範
囲にわたって走査した。図1に、この配合物のスペクト
ルを示す。配合物は500nmより短い波長で透過率が
非常に低いことに注意されたい。
【0032】実施例4 本実施例は、感光性の電子装置を輸送するための光遮蔽
性輸送用装置の製作方法を示すものである。実施例3に
従って調製したポリカーボネート配合物のペレットを公
知の方法によって射出成形してディスクを保持するのに
適した垂直スペーサーを複数有する輸送用装置を製造し
た。
【0033】特定の具体例に関して本発明を説明して来
たが、添付の請求の範囲に記載した本発明の思想と範囲
を逸脱することなく本発明の多くの変形と修正ができる
ことは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリカーボネート配合物の紫外‐可視
光のスペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・ジー・スカバードニス アメリカ合衆国、インディアナ州、エヴァ ンズヴィル、キー・ウェスト・ドライブ、 311番 (72)発明者 エリック・トーマス・ゴー アメリカ合衆国、インディアナ州、エヴァ ンズヴィル、ベイヤー・コート、332番 (72)発明者 マーティン・ジェイ・リンドウェイ アメリカ合衆国、インディアナ州、ニュー バーグ、ドレックストン・プレイス、 10633番 (72)発明者 ダグラス・ジョージ・ハミルトン アメリカ合衆国、インディアナ州、マウン ト・ヴァーノン、ノース・イーストゲイ ト・ドライブ、10420番 (72)発明者 デイヴィッド・エイ・ブラッドレイ アメリカ合衆国、インディアナ州、エヴァ ンズヴィル、ヘンゼ・ロード、7901番

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸イオンが300ppb未満で塩素イ
    オンが300ppb未満であるポリカーボネートと放射
    線吸収性添加剤とを含み、250〜450nmの波長の
    光を3%未満透過し、600〜1500nmの波長の光
    を少なくとも25%透過し、1気圧、100℃における
    ガス抜けレベルがポリカーボネートの0.5重量%未満
    である、ポリカーボネート配合物。
  2. 【請求項2】 190〜500nmの波長の光を2%未
    満透過し、或る可視波長の光を少なくとも70%透過す
    る、請求項1記載のポリカーボネート配合物。
  3. 【請求項3】 190〜500nmの波長範囲の光を
    0.5%未満透過する、請求項2記載のポリカーボネー
    ト配合物。
  4. 【請求項4】 1気圧、100℃におけるガス抜けレベ
    ルがポリカーボネートの0.1重量%未満である、請求
    項3記載のポリカーボネート配合物。
  5. 【請求項5】 複数の放射線吸収性添加剤を含む、請求
    項1記載のポリカーボネート配合物。
  6. 【請求項6】 大部分をなすポリカーボネートと放射線
    吸収性添加剤を含んでおり、250〜450nmの波長
    の光を3%未満透過し、600〜1500nmの波長の
    光を少なくとも25%透過し、1気圧、100℃におけ
    るガス抜けレベルがポリカーボネートの0.5重量%未
    満であるポリカーボネート配合物であって、大部分が硫
    酸イオンと塩素イオンからなるイオン性不純物の濃度を
    イオンクロマトグラフィーで測定して硫酸イオンおよび
    塩素イオン約300ppb未満に低下させるのに充分な
    水性媒質と共にポリカーボネート樹脂を溶融ブレンド
    し、組成物からイオン性不純物と共に水を脱揮発成分処
    理し、放射線吸収性添加剤と共にこのポリカーボネート
    樹脂を、あるイオン濃度のイオン性不純物を有する水性
    媒質の急冷浴中に押出すことからなる方法によって製造
    される、ポリカーボネート配合物。
  7. 【請求項7】 複数のディスクを保持するのに適したス
    ペーサーを複数有する光遮蔽性輸送用装置であって、硫
    酸イオンが300ppb未満で塩素イオンが300pp
    b未満であるポリカーボネートと放射線吸収性添加剤と
    を含み、250〜450nmの波長の光を3%未満透過
    し、600〜1500nmの波長の光を少なくとも25
    %透過し、1気圧、100℃におけるガス抜けレベルが
    ポリカーボネートの0.5重量%未満であるポリカーボ
    ネート配合物からなる前記装置。
  8. 【請求項8】 硫酸イオンが300ppb未満で塩素イ
    オンが300ppb未満であるポリカーボネートと放射
    線吸収性添加剤とを含み、少なくともある波長範囲の可
    視光に対して透明であるが、半導体チップ製造に有用な
    フォトレジストの重合を生起させることができる波長の
    光に対しては不透明である、ポリカーボネート配合物。
  9. 【請求項9】 190〜500nmの波長の光に対して
    不透明である、請求項8記載のポリカーボネート配合
    物。
  10. 【請求項10】 放射線吸収性添加剤がベンゾトリアゾ
    ールである、請求項9記載のポリカーボネート配合物。
  11. 【請求項11】 複数種の放射線吸収性添加剤を含む、
    請求項9記載のポリカーボネート配合物。
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