JPH11243227A - 窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子の製造方法

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JPH11243227A
JPH11243227A JP10369501A JP36950198A JPH11243227A JP H11243227 A JPH11243227 A JP H11243227A JP 10369501 A JP10369501 A JP 10369501A JP 36950198 A JP36950198 A JP 36950198A JP H11243227 A JPH11243227 A JP H11243227A
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修二 中村
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成人 岩佐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高輝度および高出力の窒化物半導体発光素子の
製造方法を提供する。 【解決手段】n型の窒化物半導体よりなる第1のn型ク
ラッド層(5)と、p型の窒化物半導体よりなる第1の
p型クラッド層(7)との間に、少なくともインジウム
を含む窒化物半導体よりなる活性層(6)を形成し、こ
の活性層(6)を単一量子井戸構造または多重量子井戸
構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する分野】本発明は、窒化物半導体発光素子
の製造方法に関する。
【0001】
【従来の技術】窒化物半導体(Ina Alb Ga1-a-b
N、0≦a、0≦b、a+b≦1)は、紫外ないし赤色
に発光するLED、LD等の発光素子の材料として期待
されている。事実、本出願人は、この半導体材料を用い
て、1993年11月に光度1cdの青色LEDを発表
し、1994年4月に光度2cdの青緑色LEDを発表
し、1994年10月には光度2cdの青色LEDを発
表した。これらのLEDは全て製品化されて、現在ディ
スプレイ、信号等の実用に供されている。
【0002】そのような青色、青緑色LEDの発光チッ
プは、基本的には、サファイア基板の上に、n型GaN
よりなるn型コンタクト層と、n型AlGaNよりなる
n型クラッド層と、n型InGaNよりなる活性層と、
p型AlGaNよりなるp型クラッド層と、p型GaN
よりなるp型コンタクト層とが順に積層された構造を有
している。サファイア基板11とn型コンタクト層との
間には、GaN、AlGaNまたはAlNよりなるバッ
ファ層が形成されている。活性層を形成するn型InG
aNには、Si、Ge等のドナー不純物および/または
Zn、Mg等のアクセプター不純物がドープされてい
る。このLED素子の発光波長は、その活性層のInG
aNのIn含有量を変えるか、または活性層にドープす
る不純物の種類を変えることにより、紫外領域から赤色
まで変化させることが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記L
ED素子は発光波長が長くなるに従って、発光出力が大
きく低下するという問題がある。図4は従来のLED素
子のピーク発光波長と発光出力の関係を示す図である。
このLEDでは活性層のInGaNにZnとSiとをド
ープし、Znの準位を介して発光させることにより発光
波長をInGaNのバンド間発光よりも発光エネルギー
で約0.5eV小さくして発光波長を長くしている。図
4に示すように、従来のLEDは、450nmでは3m
W付近の出力を示すのに対し、発光ピークが長波長に移
行するに従ってその出力は大きく減少し、550nmで
は出力が0.1mW以下にまで低下している。例えば、
450nm発光のLEDにおける活性層はIn0.05Ga
0.95Nであり、500nm発光のLEDにおける活性層
はIn0.18Ga0.82Nであり、550nm発光のLED
における活性層はIn0.25Ga0.75Nであり、さらに各
活性層にはZnがドープされている。このように、不純
物がドープされたInGaN活性層、より詳しくは、I
x Ga1-x N(0≦x<1)活性層は、In含有量が
増えると結晶性が悪くなり発光出力は大きく低下する。
このため実際に使用できるIn含有量すなわちx値はお
よそ0.15以下でしか、高出力のLEDができないの
が現状であるので、青色LEDしか高出力のものは実現
されていない。しかも、Znをドープして発光させてい
るので半値幅が約70nmと広く、青色の色純度に劣
る。
【0004】ところで、高出力の青色LEDが実用化さ
れた現在、緑色LEDだけが色調、発光出力とも他のL
EDに比べて劣っている。例えばフルカラーLEDディ
スプレイを赤色LED、緑色LED、青色LED各一個
づつで実現する際には、緑色LEDが最も大きい光度を
有していなければならない。しかし、緑色LEDの光度
は未だ低く、青色LED、赤色LEDと全くバランスが
とれないのが実状である。
【0005】窒化物半導体はバンドギャップエネルギー
が1.95eV〜6.0eVまであるので、理論的には
赤色から紫外まで広帯域に発光する材料である。窒化物
半導体発光素子の長波長域の出力を向上させることがで
きれば、従来のGaAs、AlInGaP系の材料に代
わり、窒化物半導体で全ての可視領域の波長での発光が
実現できる可能性がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、高輝度、高出
力の発光窒化物半導体発光素子の製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、Inx
Ga1-x N(0≦x<1)よりなるn型窒化物半導体層
の上に、インジウムおよびガリウムを含む窒化物半導体
を包含し、量子井戸構造を有する活性層を形成し、該活
性層の上に、Aly Ga1-y N(0<y<1)よりなる
p型窒化物半導体層を形成することを特徴とする窒化物
半導体発光素子の製造方法が提供される。
【0008】本発明において、活性層とn型窒化物半導
体層とをそれらの総膜厚が300オングストローム以上
となるように形成することが好ましい。
【0009】本発明において、p型窒化物半導体層上
に、GaNよりなるp型コンタクト層をさらに形成する
こともできる。
【0010】さらに、本発明によれば、GaNよりなる
n型窒化物半導体層とGaNよりなるp型コンタクト層
との間にインジウムおよびガリウムを含む窒化物半導体
を包含する量子井戸構造の活性層を形成し、該p型コン
タクト層側で該活性層に接してAly Ga1-y N(0<
y<1)よりなるp型窒化物半導体を形成することを特
徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法が提供され
る。
【0011】また、本発明によれば、Inx Ga1-x
(0≦x<1)よりなるn型窒化物半導体層上にインジ
ウムおよびガリウムを含む窒化物半導体よりなる井戸層
を備える量子井戸構造の活性層を形成し、該活性層上に
Aly Ga1-y N(0<y<1)よりなるp型窒化物半
導体層を形成し、該p型窒化物半導体層側にGaNより
なるp型コンタクト層を形成する工程を備え、該n型窒
化物半導体は、該活性層を構成するインジウムおよびガ
リウムを含む窒化物半導体よりも大きなバンドギャップ
エネルギーを有することを特徴とする窒化物半導体発光
素子の製造方法が提供される。本発明において、Inx
Ga1-x Nよりなるn型窒化物半導体層に接してAla
Ga1-a N(0≦a≦1)よりなる第2のn型窒化物半
導体層をさらに形成することができる。
【0012】さらにまた、本発明によれば、Inx Ga
1-x N(0≦x<1)よりなるn型窒化物半導体層とA
y Ga1-y N(0<y<1)よりなるp型窒化物半導
体層との間にインジウムおよびガリウムを含む窒化物半
導体を包含する量子井戸構造の活性層を形成し、該p型
窒化物半導体層を該活性層と接するように形成すること
を特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法が提供さ
れる。
【0013】また、本発明において、活性層は、ノンド
ープのものであってもよいし、ドナー不純物および/ま
たはアクセプター不純物がドープされていてもよい。
【0014】さらに、本発明において、活性層は、厚さ
100オングストローム以下、より好ましくは厚さ70
オングストローム以下の井戸層を有することが好まし
い。
【0015】そして、活性層は、Inz Ga1-z N(0
<z<1)よりなる井戸層を有するものであり、または
活性層は、Inz Ga1-z N(0<x<1)よりなる井
戸層と、Inz'Ga1-z'N(0<z’<1、ただし、
z’はzと異なる)もしくはGaNよりなる障壁層との
組み合わせからなる多重量子井戸構造を有し得る。
【0016】なお、単一量子井戸構造とは、井戸層が一
層よりなる構造を指す。すなわち、単一量子井戸構造の
活性層は、単一の井戸層だけで構成される。また、多重
量子井戸構造とは、井戸層と障壁層を交互に積層した多
層膜構造を指す。
【0017】
【作用】本発明は理論により拘束されるものではない
が、量子井戸構造の活性層と、これに接するクラッド層
とに熱膨張係数の差を設けることにより、活性層とクラ
ッド層との界面に応力が作用すると考えられ、それによ
り活性層(井戸層)を構成する窒化物半導体(インジウ
ムとガリウムを含む窒化物半導体)本来のバンドギャッ
プエネルギーよりも低いエネルギーの光を発光させるよ
うにしたものであるということができる。すなわち、本
発明においては、各窒化物半導体LEDは、第1のn型
クラッド層および第1のp型クラッド層と異なる熱膨張
係数(例えばそれらの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係
数)を有する活性層を形成することによって、クラッド
層と活性層の界面に応力が発生していると考えられる。
しかも、活性層を単一量子井戸構造またはは多重量子井
戸構造とすることによって、活性層のバンドギャップエ
ネルギーを小さくし、活性層の発光波長をが長波長化す
る。また、活性層の井戸層、障壁層を臨界膜厚まで薄く
したことにより、In組成比が大きいInGaNでも結
晶性よく成長できる。
【0018】なお、InNのバンドギャップエネルギー
(1.96eV)をEg1 で、GaNのバンドギャップ
エネルギー(3.40eV)をEg2 で表わすと、窒化
物半導体Inx Ga1-x Nの本来のバンドギャップエネ
ルギーEgは、式 Eg=Eg1 ・x + Eg2 ・(1−x) − x
(1−x) により算出することができる。活性層の本来の発光波長
λは、λ=1240/Egに相当する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の窒化物半導体発光
素子について記述する。
【0020】図1は、本発明の一態様により製造される
窒化物半導体発光素子の構造の一例を示す概略断面図で
ある。
【0021】図1に示す窒化物半導体素子は、基板1上
に、バッファ層2、n型コンタクト層3、第2のn型ク
ラッド層4、第1のn型クラッド層5、活性層6、第1
のp型クラッド層7、第2のp型クラッド層8、および
p型コンタクト層9が順に積層されている。
【0022】活性層6は、Inを含む窒化物半導体で形
成され、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造のも
のである。Inを含む活性層6は、他のAlGaN、G
aN等の窒化物半導体に比べて柔らかく、例えば単一量
子井戸構造の井戸層の膜厚を薄くすることにより発光波
長を変化させることができる。量子井戸構造の活性層6
はn型、p型のいずれでもよいが、特にノンドープ(不
純物無添加)とすることによりバンド間発光により発光
波長の半値幅が狭くなり、色純度のよい発光が得られる
ため好ましい。特に活性層6の井戸層の組成をInz
1-z N(0<z<1)とすると、バンド間発光で波長
を紫外から赤色まで発光させることができるので一層好
ましい。一方、多重量子井戸構造の場合、障壁層は特に
InGaNで形成せずにGaNで形成してもよい。
【0023】第1のn型クラッド層5は、活性層6より
もバンドギャップエネルギーが大きい窒化物半導体で形
成されるが、特に好ましくはn型Inx Ga1-x N(0
≦x<1)により形成する。InGaN、またはGaN
よりなるn型の第1のクラッド層5は、Alを含む窒化
物半導体に比べて、結晶が柔らかいので、この第1のク
ラッド層5がバッファ層のような作用をする。つまりこ
の第1のクラッド層5がバッファ層として作用している
ために、活性層6を量子井戸構造としても活性層6にク
ラックが入らず、また第1のクラッド層5、7の外側に
形成される第2のn型クラッド層4、第2のp型クラッ
ド層8中にクラックが入るのを防止することができる。
【0024】第1のp型クラッド層7は、活性層6を構
成する窒化物半導体よりもバンドギャップエネルギーが
大きいp型窒化物半導体で形成されるが、好ましくはp
型Aly Ga1-y N(0≦y≦1)で形成する。その中
でも、p型AlGaN等のAlを含む窒化物半導体は、
多重量子井戸構造または単一量子井戸構造よりなる活性
層に接して形成することにより、発光出力を向上させ
る。
【0025】また、第1のn型クラッド層5、第1のp
型クラッド層7のいずれかを省略することもできる。第
1のn型クラッド層5を省略する場合は、第2のn型ク
ラッド層4が第1のn型クラッド層5となり、また第1
のp型クラッド層7を省略する場合は第2のp型クラッ
ド層が第1のp型クラッド層5となる。但し、活性層に
は、n型GaNもしくはn型InGaNよりなる第1の
n型クラッド層5が接して形成されていることが好まし
い。
【0026】本発明の素子は、前記第1のn型クラッド
層5に接して、n型の窒化物半導体よりなる第2のn型
クラッド層4を備えることができる。第2のn型クラッ
ド層4は、Ala Ga1-a N(0≦a≦1)で形成する
ことが望ましい。但し、第1のn型クラッド層5がIn
GaNで形成されている場合は、この第2のn型クラッ
ド層4をGaNまたはAlGaNで形成することができ
る。Alを含む窒化物半導体は熱膨張係数が小さく、ま
た結晶自体が硬いので、第2のn型クラッド層4を第1
のn型クラッド層5に接して形成すると、活性層にさら
に発光波長を長波長側にシフトさせることが可能であ
る。但し、活性層6に接してAlを含む第2のn型クラ
ッド層4を形成する場合には、活性層の反対側の主面に
は、バッファ層としても作用する第1のp型クラッド層
7をInGaN、GaN等で形成することが望ましい。
【0027】第2のn型クラッド層4は、n型Ala
1-a N(0≦a<1)により、50オングストローム
ないし1μmの膜厚で形成することが望ましい。また、
Ala Ga1-a Nにおけるa値は0.6以下、さらに好
ましくは0.4以下にすることが望ましい。なぜなら、
前記のように第1のn型クラッド層5により、この第2
のn型クラッド層4にはクラックが入りにくくなってい
るが、それでもAlGaNは結晶が硬く、a値が0.6
より大きいとAlGaN層にクラックが発生しやすいか
らである。また、一般にAlの混晶比(a値)が多くな
るに従って、活性層6の発光波長が長波長となる傾向に
ある。
【0028】また、本発明の素子では、第1のp型クラ
ッド層7に接して、p型の窒化物半導体よりなる第2の
p型クラッド層8を備えることもできる。第2のp型ク
ラッド層8は、Alb Ga1-b N(0≦b≦1)で形成
することが望ましい。但し、第1のp型クラッド層7が
AlGaNで形成されている場合は、この第2のp型ク
ラッド層8をコンタクト層としてGaNで形成すること
ができる。活性層6に接してAlを含む第2のp型クラ
ッド層8を形成する場合には、活性層6の反対側の主面
(n層側)には、バッファ層としても作用し得るGa
N、InGaN等の第1のn型クラッド層5が接して形
成されていることが望ましい。
【0029】この第2のp型クラッド層8の作用も前記
第2のn型クラッド層4の作用と同じであり、第2のp
型クラッド層8は50オングストロームないし1μmの
膜厚で形成することが望ましい。また、第2のp型クラ
ッド層8を構成するAlb Ga1-b Nにおけるb値は
0.6以下、さらに好ましくは0.4以下にすることが
望ましく、一般にAlの混晶比(b値)が多くなるに従
って活性層の発光波長が長波長となる傾向にある。
【0030】このようにAlを含む窒化物半導体層また
はGaN層を前記第2のn型クラッド層4、前記第2の
p型クラッド層8とすることにより、Inを含む活性層
6、第1のn型、p型クラッド層5、7とのバンドオフ
セットを大きくできるので発光効率を上げることがで
き、また、活性層の発光波長を長波長に移行させること
が可能となる。
【0031】ここで、活性層とクラッド層の好ましい組
み合わせを述べる。まず、活性層6と第1のクラッド層
5、7の組み合わせは、第1のn型クラッド層をInx
Ga1-x N(0≦x<1)で形成し、活性層をInz
1-z N(0<z<1)を含む量子井戸構造とし、第1
のp型クラッド層をAly Ga1-y N(0<y<1)で
形成することである。但し、これらの組み合わせにおい
て、バンドギャップエネルギーの関係からx<zの条件
を満たしていることはいうまでもない。活性層6は、単
一量子井戸構造の場合では井戸層を100オングストロ
ーム以下の厚さに形成し、多重量子井戸構造では井戸層
を100オングストローム以下の厚さに、および障壁層
を150オングストローム以下の厚さに形成する。いず
れの量子井戸構造の活性層でも、n型またはノンドープ
とするとバンド間発光による半値幅の狭い発光が得られ
るので最も好ましい。
【0032】次に、最も好ましい組み合わせは、第2の
n型クラッド層4をAla Ga1-aN(0≦a≦1)で
形成し、第1のn型クラッド層5をInx Ga1-x N
(0≦x<1)で形成し、活性層6をInz Ga1-z
(0<z<1)を含む量子井戸構造とし、第1のp型ク
ラッド層7をAly Ga1-y N(0≦y<1)で形成
し、第2のp型クラッド層8をAlb Ga1-b N(0≦
b≦1)で形成することである。この組み合わせの場合
は、第1のn型クラッド層5、第1のp型クラッド層7
のいずれか一方または両方を省略してもよい。省略した
場合、前記のように、第2のn型クラッド層4または第
2のp型クラッド層8が、それぞれ第1のクラッド層と
して作用する。この組み合わせによると、第1のクラッ
ド層5、7と活性層6だけでは、活性層6に十分な応力
が得られない場合に、第1のクラッド層5、7の外側に
さらにAlを含む第2のクラッド層を形成して、第2の
クラッド層4、8の熱膨張係数と活性層6の熱膨張係数
の差を大きくすることができると考えられる。従って、
活性層6を膜厚の薄い井戸層と障壁層との多重量子井戸
構造、または井戸層のみの単一量子井戸構造とすること
により、界面に作用する応力により、活性層のバンドギ
ャップが小さくなり、発光波長が長波長側にシフトされ
得る。
【0033】さらに、本発明の素子の好ましい態様おい
て、インジウムを含むn型窒化物半導体またはn型Ga
Nにより第1のn型クラッド層5を形成する場合に、前
記第1のn型クラッド層と前記活性層6との総膜厚を3
00オングストローム以上に調整する。この総膜厚を3
00オングストローム以上とすることにより、GaN、
InGaNがバッファ層の作用をして、活性層を好まし
い量子井戸構造とすることができ、さらに第1のp型ク
ラッド層7、第2のp型クラッド層8にクラックが入る
のを防止できる。
【0034】なお、本発明において、前記Inx Ga
1-x N、Iny Ga1-y N、InzGa1-z Nとは、そ
の式中においてInGaNの効果を変化させない範囲で
GaまたはInの一部を極微量のAlで置換したInA
lGaNも前記式中に含まれるものとする。同様にAl
a Ga1-a N、Alb Ga1-b Nにおいても、その式中
においてAlGaNの効果を変化させない範囲でGaま
たはAlの一部を極微量のInで置換したInAlGa
Nも前記式中に含まれるものとする。
【0035】さらにまた、活性層6にドナー不純物およ
び/またはアクセプター不純物をドープしてもよい。不
純物をドープした活性層の結晶性がノンドープと同じで
あれば、ドナー不純物をドープすると、ノンドープのも
のに比べてバンド間発光強度をさらに強くすることがで
きる。アクセプター不純物をドープするとバンド間発光
のピーク波長よりも約0.5eV低エネルギー側にピー
ク波長をシフトさせることができるが、半値幅は広くな
る。アクセプター不純物とドナー不純物との両者をドー
プすると、アクセプター不純物のみをドープした活性層
の発光強度に比べその発光強度をさらに大きくすること
ができる。特に、アクセプター不純物をドープした活性
層を形成する場合、活性層の導電型はSi等のドナー不
純物をもドープしてn型とすることが好ましい。しか
し、本発明では活性層はバンド間発光で強力に発光する
のが理想であるので、活性層をノンドープのInGaN
で形成することが最も好ましい。活性層に不純物をドー
プするとノンドープのものよりも結晶性が悪くなる傾向
にある。また、ノンドープのInGaNを活性層とした
発光素子は、不純物をドープした発光素子よりもVf
(順方向電圧)を低くすることができる。
【0036】多重量子井戸構造の活性層は、例えばIn
GaN/GaN、InGaN/InGaN(組成が異な
る)等の組み合わせで、それぞれの井戸層+障壁層を積
層した薄膜積層構造である。活性層を多重量子井戸構造
とすると、単一量子井戸構造の活性層よりも発光出力が
向上する。多重量子井戸構造の活性層において、井戸層
の厚さは、数オングストローム〜数十オングストローム
にし、障壁層も同様に数オングストローム〜数十オング
ストロームの厚さとし、井戸層と障壁層とを積層して、
多重量子井戸構造とする。その場合、井戸層は100オ
ングストローム以下、さらに好ましくは70オングスト
ローム以下の膜厚が望ましい。この井戸層の膜厚の範囲
は単一量子井戸構造の活性層(単一の井戸層により構成
される)についても同様である。一方、多重量子井戸構
造における障壁層は、150オングストローム以下、さ
らに好ましくは100オングストローム以下の厚さが望
ましい。また、井戸層、障壁層にドナー、アクセプター
不純物をドープして多重量子井戸構造を形成してもよ
い。このように膜厚の薄い層を多層に積層することによ
り、結晶内の歪みを活性層で弾性的に吸収することがで
きる。
【0037】また、図1に示すように、第1のn型クラ
ッド層5または第2のn型クラッド層4に接して電極を
形成する層としてn型GaNよりなるn型コンタクト層
3を形成することが好ましく、前記第1のp型クラッド
層7または第2のp型クラッド層8に接して電極を形成
する層としてp型GaNよりなるp型コンタクト層9を
形成することが好ましい。但し、このコンタクト層3、
9は、第2のn型クラッド層4、第2のp型クラッド層
8がGaNで形成されていれば、特に形成する必要はな
く、第2のクラッド層4、8をコンタクト層とすること
も可能である。GaNよりなるコンタクト層3、9を形
成するのは、第1のクラッド層、第2のクラッド層のよ
うな3元以上の混晶は電極とオーミックコンタクトが得
られにくいからである。特に第2のクラッド層のように
Alを含む窒化物半導体は電極とオーミックコンタクト
を得るのが困難である。従って最もオーミックコンタク
トの得られやすいGaNを電極とのコンタクト層に形成
することによって、Vfが低く発光効率がよい発光素子
を実現できる。
【0038】図2は単一量子井戸構造の活性層の厚さ、
つまり井戸層の厚さと、発光素子の発光ピーク波長との
関係を示す図である。なお、図2において線αは活性層
がノンドープIn0.05Ga0.95Nよりなる発光素子を示
し、線βは活性層がノンドープIn0.3 Ga0.7 Nより
なる発光素子を示している。両方とも発光素子の構造は
第2のクラッド層と、第1のn型クラッド層と、活性層
と、第1のp型クラッド層と、第2のp型クラッド層と
を順に積層したダブルへテロ構造である。第2のn型ク
ラッド層は0.1μmのSiドープn型Al0.3 Ga
0.7Nよりなり、第1のn型クラッド層は500オング
ストロームのIn0.01Ga0. 99Nよりなり、第1のp型
クラッド層は20オングストロームのMgドープp型I
0.01Ga0.99Nよりなり、第2のp型クラッド層は
0.1μmのMgドープp型Al0.3 Ga0.7 Nよりな
るダブルへテロ構造である。図2では前記活性層の膜厚
を変えた際に発光波長が変化することを示している。
【0039】線αで示すIn0.05Ga0.95N活性層は、
本来のバンドギャップエネルギーでは380nm付近の
紫外発光を示すが、膜厚を薄くすることにより420n
m近くまで波長を長して青紫色の発光にできる。また線
βで示すIn0.3 Ga0. 7 N活性層は本来のバンドギャ
ップエネルギーでは480nm付近の青緑色発光である
が、同じく膜厚を薄くすることにより、520nm近く
の純緑色発光が得られる。このように第1のn型クラッ
ド層と第1のp型クラッド層で挟まれた活性層の膜厚を
薄くすることにより、発光波長を長波長にすることがで
きる。つまり、通常の膜厚の厚い活性層ではその活性層
のバンドギャップエネルギーに相当する発光しか示さな
いが、本発明の単一量子井戸構造の活性層では、井戸層
の膜厚を薄くすることによって、バンドギャップエネル
ギーが小さくなり、元の井戸層のバンドギャップエネル
ギーよりも低エネルギーの光、即ち長波長を発光させる
ことが可能となる。しかもノンドープであるので、不純
物をドープしたものよりも結晶性がよいので出力が高く
なり、さらにバンド間発光で半値幅の狭い色純度に優れ
た発光が得られる。
【0040】また、従来の膜厚が厚いInGaNで活性
層を形成すると、活性層の結晶性が悪く、例えばIn組
成比が0.3〜0.5では結晶性が悪くなって発光出力
が非常に低かったが、薄膜にすることにより、大きなI
n組成比でも結晶性良く成長できるようになるという作
用もある。
【0041】従って、本発明において、井戸層の膜厚は
100オングストローム以下、さらに好ましくは70オ
ングストローム以下となるように形成することが望まし
い。図2は本発明の素子による発光素子の一例を示した
ものであるが、発光波長が長波長側に移行する波長範囲
は、熱膨張係数差により活性層に応力を与える第2のク
ラッド層、第1のクラッド層の組成によっても異なり、
またそれらの組成によって活性層の好ましい膜厚も多少
変化する。
【0042】窒化物半導体において、AlNの熱膨張係
数は4.2×10-6/Kであり、GaNの膨張係数は
5.59×10-6/Kであることが知られている。In
Nに関しては、完全な結晶が得られていないため熱膨張
係数は不明であるが、仮にInNの熱膨張係数がいちば
ん大きいと仮定すると、熱膨張係数の順序はInN>G
aN>AlNとなる。一方、窒化物半導体の成長温度を
見てみると、通常MBE法では500℃、MOVPE法
では時に900℃以上の高温で成長させる。例えばMO
VPE法によるとInGaNで700℃以上、AlGa
Nであると900℃以上で成長させる。本発明は、理論
により拘束されるものではないが、所定の活性層を、所
定のクラッド層で挟んだ素子を高温で形成した後、室温
にまで温度を下げると、熱膨張係数差により応力が活性
層に作用し、このため、活性層のバンドギャップエネル
ギーが小さくなり、発光波長が長波長になると考えられ
る。
【0043】本発明の素子において好ましい態様は、イ
ンジウムを含むn型窒化物半導体、またはn型GaNを
第1のn型クラッド層として備え、その第1のn型クラ
ッド層に接して、インジウムを含む窒化物半導体よりな
る活性層を備え、この活性層を単一量子井戸若しくは多
重量子井戸構造とすることによって、本来の活性層のバ
ンドギャップエネルギーよりも低エネルギーの光が発光
される素子であり、この素子において、前記第1のn型
クラッド層と前記活性層との総膜厚が300オングスト
ローム以上あることがさらに好ましい。また他の態様と
して、インジウムを含む窒化物半導体よりなる単一量子
井戸構造若しくは多重量子井戸構造の活性層を備え、そ
の活性層に接して、アルミニウムを含むp型窒化物半導
体を第1のp型クラッド層として備え、この活性層を単
一量子井戸構造若しくは多重量子井戸構造とすることに
よって、本来の活性層のバンドギャップエネルギーより
も低エネルギーの光が発光される素子である。
【0044】従来の窒化物半導体発光素子は、上にも説
明したように、InGaNを主とする活性層をAlGa
Nを主とする2つのクラッド層で挟んだ構造を有してい
る。InGaN活性層をAlGaNクラッド層を挟んだ
従来の構造では、活性層の厚さを薄くするに従って、I
nGaN活性層、AlGaNクラッド層にクラックが生
じる傾向にある。例えば、活性層の厚さを200オング
ストローム未満にするとクラックが多数入ってしまうた
めに素子作製が困難となる。これはAlを含むクラッド
層が結晶の性質上、非常に硬い性質を有しており、薄い
膜厚のInGaN活性層のみではAlGaNクラッド層
との界面から生じる格子不整合と、熱膨張係数差から生
じる歪をInGaN活性層で弾性的に緩和できないこと
を示している。このため、従来ではクラッド層、活性層
中にクラックが入るために、活性層を薄くしようとして
もできなかったのが実状であった。
【0045】一方、本発明では図1に示すように、In
とGaとを含む活性層6に接する層として、新たに第1
のn型クラッド層5を形成している。この第1のn型ク
ラッド層5は、活性層とAlを含む第2のn型クラッド
層4の間のバッファ層として作用する。つまり第1のn
型クラッド層5であるInを含む窒化物半導体またはG
aNは結晶の性質として柔らかい性質を有しているの
で、Alを含む第2のクラッド層4と活性層6の格子定
数不整と熱膨張係数差によって生じる歪を吸収する働き
がある。従って活性層を薄くしても活性層6、第2のn
型クラッド層4にクラックが入りにくいと推察される。
第1のクラッド層5によって歪が吸収されるので、活性
層は特に膜厚が200オングストローム以下になると応
力が作用して弾性的に変形してバンドギャップエネルギ
ーが小さくなり発光波長が長くなる傾向にある。しかも
活性層の結晶欠陥が少なくなる。従って、活性層の膜厚
が薄い状態においても、活性層の結晶性が良くなるので
発光出力が増大する。このように第1のn型クラッド層
5をバッファ層として作用させるためには、結晶が柔ら
かい層である活性層6と第1のn型クラッド層5との膜
厚の合計が300オングストローム以上あることが好ま
しい。
【0046】また、第1のp型クラッド層はアルミニウ
ムを含む窒化物半導体で形成すると、出力が向上する。
これはAlGaNが他の窒化物半導体に比べて、p型化
しやすいか、あるいはInGaNよりなる活性層の分解
を、第1のp型クラッド層成長時に抑える作用があるた
めと推察されるが、詳しいことは不明である。
【0047】窒化物半導体よりなる本発明の発光素子を
製造するには、例えばMOVPE(有機金属気相成長
法)、MBE(分子線気相成長法)、HDVPE(ハイ
ドライド気相成長法)等の気相成長法を用いて、基板上
にIna Alb Ga1-a-bN(0≦a、0≦b、a+b
≦1)をn型、p型等の導電型でダブルへテロ構造にな
るように積層することによって得られる。基板には例え
ばサファイア(C面、A面、R面を含む)、SiC(6
H−SiC、4H−SiCも含む)、スピネル(MgA
2 4 、特にその(111)面)、ZnO、Si、G
aAs、あるいは他の酸化物単結晶基板(NGO等)が
使用できる。また、n型の窒化物半導体はノンドープの
状態でも得られるが、Si、Ge、S等のドナー不純物
を結晶成長中に半導体層中に導入することによって得ら
れる。またp型の窒化物半導体層はMg、Zn、Cd、
Ca、Be、C等のアクセプター不純物を同じく結晶成
長中に半導体層中に導入するか、または導入後400℃
以上でアニーリングを行うことにより得られる。
【0048】本発明の発光ダイオード表示装置は、青色
発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび赤色発光ダ
イオードを備えるものであって、少なくとも青色発光ダ
イオードおよび緑色発光ダイオードがそれぞれ本発明の
窒化物半導体発光素子から構成されるものである。
【0049】
【実施例】以下本発明を具体的な実施例に基づいて説明
する。以下の実施例は、MOVPE法による窒化物半導
体層の成長方法を例示している。
【0050】実施例1 本実施例を図1を参照して記述する。
【0051】TMG(トリメチルガリウム)とNH3
を用い、反応容器にセットしたサファイア基板1のC面
に500℃でGaNよりなるバッファ層2を500オン
グストロームの膜厚で成長させた。
【0052】次に温度を1050℃まで上げ、TMG、
NH3 に加えSiH4 ガスを用い、Siドープn型Ga
Nよりなるn型コンタクト層3を4μmの膜厚で成長さ
せた。
【0053】続いて原料ガスにTMA(トリメチルアル
ミニウム)を加え、同じく1050℃でSiドープn型
Al0.3 Ga0.7 N層よりなる第2のクラッド層4を
0.1μmの膜厚で成長させた。
【0054】次に、温度を800℃に下げ、TMG、T
MI(トリメチルインジウム)、NH3 およびSiH4
を用い、Siドープn型In0.01Ga0.99Nよりなる第
1のn型クラッド層5を500オングストロームの膜厚
で成長させた。
【0055】続いてTMG、TMIおよびNH3 を用
い、800℃でノンドープIn0.05Ga0.95Nよりなる
活性層6(単一量子井戸構造)を30オングストローム
の膜厚で成長させた。
【0056】さらに、TMG、TMI、NH3 に加え新
たにCp2 Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)
を用い800℃でMgドープp型In0.01Ga0.99Nよ
りなる第1のp型クラッド層7を500オングストロー
ムの膜厚で成長させた。
【0057】次に温度を1050℃に上げ、TMG、T
MA、NH3 、Cp2 Mgを用い、Mgドープp型Al
0.3 Ga0.7 Nよりなる第2のp型クラッド層8を0.
1μmの膜厚で成長させた。
【0058】続いて、1050℃でTMG、NH3 およ
びCp2 Mgを用い、Mgドープp型GaNよりなるp
型コンタクト層9を0.5μmの膜厚で成長させた。
【0059】以上の操作終了後、温度を室温まで下げて
ウェーハを反応容器から取り出し、700℃でウェーハ
のアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化した。
次に、最上層のp型コンタクト層9の表面に所定の形状
のマスクを形成し、n型コンタクト層3の表面が露出す
るまでエッチングした。エッチング後、n型コンタクト
層3の表面にTiとAlよりなる負電極、p型コンタク
ト層9の表面にNiとAuよりなる正電極を形成した。
電極形成後、ウェーハを350μm角のチップに分離し
た後、常法に従い半値角15度の指向特性を持つLED
素子とした。このLED素子はIf(順方向電流)20
mAでVf3.5V、発光ピーク波長410nmの青色
発光を示し、発光出力は5mWであった。さらに、発光
スペクトルの半値幅は20nmであり、非常に色純度の
よい発光を示した。
【0060】実施例2 活性層をIn0.05Ga0.95Nで形成し、その膜厚を10
オングストロームとした以外は実施例1と同様にしてL
ED素子を作製した。このLED素子は、If20mA
において、発光ピーク波長425nmの青紫色発光を示
し、発光出力が5mWと非常に優れた特性を示し、発光
スペクトルの半値幅も20nmと色純度のよい青色発光
を示した。
【0061】実施例3 活性層6をノンドープIn0.2 Ga0.8 Nで形成した以
外は実施例1と同様にしてLED素子を作製した。この
LED素子は、If20mAにおいて、発光ピーク波長
465nmの青色発光を示し、発光出力が5mWと非常
に優れた特性を示し、発光スペクトルの半値幅も25n
mと色純度のよい青色発光を示した。
【0062】実施例4 第1のp型クラッド層7を形成しない以外は、実施例1
と同様にしてLED素子を作製した。このLED素子
は、If20mAでVf3.5V、発光ピーク波長42
5nmの青色発光を示し、同じく発光出力は7mWであ
った。さらに、発光スペクトルの半値幅は20nmであ
った。この発光素子は、ピーク波長が長波長になると共
に、発光出力が増大した。
【0063】実施例5 第1のn型クラッド層5としてSiドープn型In0.01
Ga0.99Nを300オングストロームの膜厚で成長さ
せ、次に活性層6としてノンドープIn0.3Ga0.7
を10オングストロームの膜厚で成長させ、次に第1の
p型クラッド層7としてMgドープIn0.01Ga0.99
層を300オングストロームの膜厚で成長させた以外は
実施例1と同様にしてLED素子を作製した。このLE
D素子は、If20mAにおいて、Vf3.5V、発光
ピーク波長500nm、半値幅40nmの緑色発光を示
し、発光出力3mWと非常に優れた特性を示した。
【0064】実施例6 実施例1の手法において、n型コンタクト層3を成長さ
せた後、次に直接膜厚70オングストロームのIn0.4
Ga0.6 Nからなる単一量子井戸構造の活性層6を成長
させた。なお、本素子において、n型コンタクト層3が
第1のn型クラッド層として作用している。次に活性層
6の上に、第2のp型クラッド層8を成長させ、最後に
p型コンタクト層9を成長させた。これ以降は実施例1
と同様にして発光素子を作製した。このLED素子は、
If20mAにおいて、Vf3.5V、発光ピーク波長
525nm、半値幅40nmの緑色発光を示し、発光出
力4mWと非常に優れた特性を示した。 実施例7 第1のn型クラッド層5としてSiドープn型GaNを
300オングストロームの膜厚で成長させ、次に活性層
6としてノンドープIn0.3 Ga0.7 Nを20オングス
トロームの膜厚で成長させ、次に第1のp型クラッド層
7としてMgドープp型GaN層を300オングストロ
ームの膜厚で成長させた以外は実施例1と同様にしてL
ED素子を作製した。このLED素子は、If20mA
において、Vf3.5V、発光ピーク波長515nm、
半値幅40nmの緑色発光を示し、発光出力3mWであ
った。
【0065】実施例8 アクセプター不純物源としてDEZ(ジエチルジン
ク)、ドナー不純物源としてSiH4 を用い、活性層6
としてSiとZnをドープしたn型In0.05Ga0.95
層を50オングストロームの膜厚で形成した以外は実施
例1と同様にしてLED素子を作製した。このLED素
子は、このLED素子はIf20mAにおいて、Vf
3.5V、発光ピーク波長480nm、半値幅80nm
の緑色発光を示し、発光出力2mWであった。
【0066】実施例9 活性層をノンドープIn0.8 Ga0.2 Nで形成した以外
は実施例1と同様にしてLED素子を作製した。このL
EDは、If20mAでVf3.5V、発光ピーク波長
650nmの赤色発光を示し、発光出力は0.7mWで
あった。
【0067】実施例10 第1のn型クラッド層5としてSiドープn型In0.01
Ga0.99Nを500オングストロームの膜厚で形成し
た。次に活性層6を形成するために、井戸層としてノン
ドープIn0.15Ga0.85Nを10オングストロームの厚
さに形成し、その上に障壁層としてノンドープIn0.05
Ga0.95Nを10オングストロームの厚さに形成し、こ
れを交互に4回づつ繰り返し、最後にノンドープのIn
0. 15Ga0.85N井戸層を10オングストローム形成し
て、総厚90オングストロームの多重量子井戸構造の活
性層を形成した。次に、活性層の上に第1のp型クラッ
ド層として、Mgドープp型In0.01Ga0.99Nを50
0オングストロームの膜厚で形成する。その他は実施例
1と同様にしてサファイアの上に所定の窒化物半導体を
積層したウェーハを作製した。
【0068】しかる後、実施例1と同様にして窒化物半
導体層をエッチングした後、最上層であるp型コンタク
ト層9の表面に所定の形状のマスクを形成し、n型コン
タクト層3に20μmの幅で負電極、p型コンタクト層
9に2μmの幅で正電極をそれぞれ形成した。
【0069】ついで、窒化物半導体層を形成していない
方のサファイア基板面を研磨して基板の厚さを90μm
にし、サファイア基板表面のM面(六方晶系において六
角柱の側面に相当する面)をスクライブする。スクライ
ブ後、ウェーハを700μm角のチップに分割し、図3
に示すようなストライプ型のレーザを作製した。なお、
図3は本実施例によるレーザ素子の斜視図を示してお
り、ストライプ状の正電極と直交した窒化物半導体層面
を光共振面としている。次に、このチップをヒートシン
クに設置し、それぞれの電極をワイヤーボンドした後、
レーザ発振を試みたところ、常温において、しきい値電
流密度1.5kA/cm2で発振波長415nmのレー
ザ発振が確認された。
【0070】実施例11 第1のn型クラッド層5としてSiドープn型In0.01
Ga0.09Nを500オングストロームの厚さに形成した
後、活性層6を形成するために井戸層としてノンドープ
In0.15Ga0.85Nを25オングストロームの厚さに形
成し、その上に障壁層としてノンドープIn0.05Ga
0.95Nを50オングストロームの厚さに形成する操作を
交互に13回づつ繰り返し、最後にノンドープIn0.15
Ga0.85Nを25オングストロームの厚さに形成して合
計膜厚1000オングストロームの多重量子井戸構造の
活性層を形成した。これ以外は実施例10と同様にして
レーザー素子を作製した。このレーザー素子は、常温
で、しきい値電流密度1.0kA/cm2 で415nm
の発振波長のレーザー発振が確認された。
【0071】実施例12 活性層6を形成するために井戸層としてノンドープIn
0.15Ga0.85Nを25オングストロームの厚さに形成
し、その上に障壁層としてノンドープIn0.05Ga0.95
Nを50オングストロームの厚さに形成する操作を交互
に26回づつ繰り返し、最後にノンドープIn0.15Ga
0.85Nを25オングストロームの厚さに形成して合計膜
厚1975オングストロームの多重量子井戸構造の活性
層を形成した以外は実施例11と同様にしてレーザー素
子を作製した。このレーザー素子は、常温で、しきい値
電流密度1.0kA/cm2 で415nmの発振波長の
レーザー発振が確認された。
【0072】実施例13 実施例3で得られた450nmの青色LEDと、実施例
5で得られた515nmの緑色LEDと、従来のGaA
s系材料またはAlInGaP系の材料よりなる発光出
力3mW、660nmの赤色LED一個づつを1ドット
とし、このドットを16×16で組み合わせてLEDパ
ネルにし、そのLEDパネルを並べて320×240画
素のフルカラーLEDディスプレイを作製したところ、
白色の発光輝度で一万ニットの面発光を達成した。
【0073】
【発明の効果】本発明においては、従来では達成し得な
かった高発光出力、高輝度を有し、発光の半値幅が従来
の半分以下という高い色純度を有する窒化物半導体発光
素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の窒化物半導体発光素子の構造を示す
概略断面図。
【図2】 活性層の厚さと発光素子の発光ピーク波長と
の関係を示すグラフ図。
【図3】 本発明の他の窒化物半導体レーザ素子の構造
を示す斜視図。
【図4】 従来のLED素子のピーク発光波長と発光出
力の関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
1…サファイア基板 2…バッファ層 3…n型コンタクト層 4…第2のn型クラッド層 5…第1のn型クラッド層 6…活性層 7…第1のp型クラッド層 8…第2のp型クラッド層 9…p型コンタクト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−305259 (32)優先日 平6(1994)12月9日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−57050 (32)優先日 平7(1995)3月16日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−57051 (32)優先日 平7(1995)3月16日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Inx Ga1-x N(0≦x<1)よりな
    るn型窒化物半導体層の上に、インジウムおよびガリウ
    ムを含む窒化物半導体を包含し、量子井戸構造を有する
    活性層を形成し、該活性層の上に、Aly Ga1-y
    (0<y<1)よりなるp型窒化物半導体層を形成する
    ことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 活性層とn型窒化物半導体層とをそれら
    の総膜厚が300オングストローム以上となるように形
    成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 p型窒化物半導体層上に、GaNよりな
    るp型コンタクト層をさらに形成することを特徴とする
    請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 GaNよりなるn型窒化物半導体層とG
    aNよりなるp型コンタクト層との間にインジウムおよ
    びガリウムを含む窒化物半導体を包含する量子井戸構造
    の活性層を形成し、該p型コンタクト層側で該活性層に
    接してAly Ga1-y N(0<y<1)よりなるp型窒
    化物半導体を形成することを特徴とする窒化物半導体発
    光素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 Inx Ga1-x N(0≦x<1)よりな
    るn型窒化物半導体層上にインジウムおよびガリウムを
    含む窒化物半導体よりなる井戸層を備える量子井戸構造
    の活性層を形成し、該活性層上にAly Ga1-y N(0
    <y<1)よりなるp型窒化物半導体層を形成し、該p
    型窒化物半導体層側にGaNよりなるp型コンタクト層
    を形成する工程を備え、該n型窒化物半導体は、該活性
    層を構成するインジウムおよびガリウムを含む窒化物半
    導体よりも大きなバンドギャップエネルギーを有するこ
    とを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 Inx Ga1-x Nよりなるn型窒化物半
    導体層に接してAla Ga1-a N(0≦a≦1)よりな
    る第2のn型窒化物半導体層をさらに形成することを特
    徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 活性層が、ノンドープのものであること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 活性層にドナー不純物および/またはア
    クセプター不純物がドープすることをさらに含む特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 活性層が、厚さ100オングストローム
    以下の井戸層を有することを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 活性層が、厚さ70オングストローム
    以下の井戸層を有することを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 活性層が、Inz Ga1-z N(0<z
    <1)よりなる井戸層を有することを特徴とする請求項
    1ないし10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 活性層が、Inz Ga1-z N(0<x
    <1)よりなる井戸層と、Inz'Ga1-z'N(0<z’
    <1、ただし、z’はzと異なる)もしくはGaNより
    なる障壁層との組み合わせからなる多重量子井戸構造を
    有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか
    1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 Inx Ga1-x N(0≦x<1)より
    なるn型窒化物半導体層とAly Ga1-y N(0<y<
    1)よりなるp型窒化物半導体層との間にインジウムお
    よびガリウムを含む窒化物半導体を包含する量子井戸構
    造の活性層を形成し、該p型窒化物半導体層を該活性層
    と接するように形成することを特徴とする窒化物半導体
    発光素子の製造方法。
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