JPH11243233A - 超電導素子 - Google Patents
超電導素子Info
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- JPH11243233A JPH11243233A JP10042617A JP4261798A JPH11243233A JP H11243233 A JPH11243233 A JP H11243233A JP 10042617 A JP10042617 A JP 10042617A JP 4261798 A JP4261798 A JP 4261798A JP H11243233 A JPH11243233 A JP H11243233A
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Abstract
回路を作製するために、1つのジョセフソン接合を共有
し、かつインダクタンスの小さい超電導配線ループを実
現する。また、ジョセフソン接合の接合特性とその均質
性を高める。 【解決手段】 基板11上にREBa2 Cu3 O
7-δ(RE:Prを除く希土類元素、δ: 0〜 0.5)で
実質的に表される酸化物超電導体からなる下部超電導電
極層12、酸化物層間絶縁層13を積層する。この積層
膜を選択的にエッチングして、側面15bが基板面に対
して所定の角度をなし、底面15aが少なくとも下部超
電導電極層14の表面に達する凹部15を形成し、この
凹部15内にバリア層16および上部超電導電極層17
を積層してジョセフソン接合を作製する。バリア層には
RE′Ba2 Cu3 Ox (RE′は酸化物超電導体電極
の希土類元素REよりイオン半径の小さい希土類元素、
x: 6〜 8)組成を有し、かつ単純ペロブスカイト構造
類似の立方晶構造を有する酸化物を用いることができ
る。
Description
構成した超電導素子に係り、特に単一磁束量子を情報媒
体とした論理回路などを構成するためのジョセフソン接
合素子に好適な超電導素子に関する。
子として、PbやNbなどの金属超電導体を用いて、超
電導電子対がトンネルできる程度の薄い絶縁層を挟みこ
んだ積層構造のトンネル型ジョセフソン接合が知られて
いる。このような従来のトンネル型ジョセフソン素子
は、液体へリウム温度に近い極低温動作が必要とされて
いる。また、このようなトンネル型ジョセフソン素子
は、電流−電圧特性に固有のヒステリシスを持つため、
論理回路を作製する場合に回路構成が複雑になるなどの
問題を有し、広く実用に供されるまでには至っていな
い。
度以上の高温で超電導特性を示す酸化物材料が発見され
ている。酸化物超電導体は超電導ギャップの大きさが従
来の金属超電導体に比べて 1桁程度大きく、また金属的
伝導から絶緑体まで広範囲の特性を示す酸化物材料との
積層が可能である。このため、電流−電圧特性にヒステ
リシスを持たず、かつ出力電圧の高いSNS(超電導−
常伝導−超電導)型ジョセフソン接合が実現できる。こ
のようなジョセフソン接合を用いて、単一磁束量子を情
報媒体とした集積回路を構成することができれば、従来
の金属超電導体を用いた場合に比べて、少なくとも極低
温で動作させる必要がなくなり、また大きい出力電圧に
起因してはるかに高速の動作が可能となるため、広範囲
な応用が期待される。
の開発は、大きく分けて 2つの方向で進められている。
1つは酸化物超電導体薄膜内部に発生する結晶粒界がバ
リアの機能を果たすことを利用したものであり、もう 1
つは従来の金属超電導体の場合と同様に、 2つの超電導
電極間に常伝導体もしくは絶縁体の薄膜を人工的に挿入
してジョセフソン接合を形成するものである。前者はそ
の作製が比較的容易ではあるものの、不定形な結晶粒界
を用いるために接合特性の制御性が悪く、集積回路への
応用は難しい。このため、種々のバリア材料を用いた後
者の接合の開発が活発化している。
ョセフソン接合の 1つの構造例を図12に示す。この接
合は、まず基板1上に下部超電導電極2となる酸化物超
電導体薄膜と層間絶縁層3とを積層形成した後、その一
方の端面2aが基板面と所定の傾斜角αを持つようにエ
ッチングし、この傾斜端面2aを覆うように、バリア層
4と上部超電導電極5となる酸化物超電導体薄膜とを積
層形成したものである。この接合構造を以下では傾斜型
接合と呼ぶ。
電導電極2に用いた酸化物超電導体薄膜の厚さと、傾斜
端面(エッチング面)2aの傾斜角で決まるため、微細
化が容易であると共に、上部超電導電極5となる酸化物
超電導体薄膜をそのままエッチングで露出した基板面上
まで連続させることができるため、この酸化物超電導体
薄膜をそのまま配線として用いることできるなどの特徴
を有している。これらの特徴は集積回路を作製する上で
大きな利点となるものと期待されている。
に示したような傾斜型接合で実際に単一磁束量子論理回
路(SFQ論理回路)を作製しようとした場合、以下に
詳述するように、回路構成上の重要な因子である、ルー
プ状の超電導配線の形成に制約が生じ、ループインダク
タンスを十分に小さくすることができないという問題が
発生する。
接合と超電導配線で構成したループ内に、 1つの磁束量
子を出し入れする動作を基本としている。このため、 1
つのループのインダクタンスLとループ内に含まれるジ
ョセフソン接合の臨界電流Ic との積を、磁束量子の大
きさΦ0 (=2.07×1015Wb)の 0.5〜 1.5倍程度に設計す
る必要がある。最も厳しいL・Ic = 0.5Φ0 の条件を
考えると、LはIc= 100μA に対して10pH、 1mAに対
しては 1pHでなくてはならない。
さ当たりのインダクタンスLは、dを層間絶縁層の厚
さ、tg 、ts をグランドプレーン、超電導配線の厚
さ、λLをロンドン侵入距離として、 L=μ0 /Kw[d+λL coth(tg /λL )+λL co
th(ts /λL )] で計算できる。ここで、wは配線幅、Kはフリンジ係数
である。現実的な回路として、w= 1μm 、d= 0.2μ
m 、ts =tg = 0.2μm 、K= 1.5を想定すると、L
の値は 0.6pH/μm となる。
超電導ループの一例を示す平面図である。なお、図13
においてXはジョセフソン接合である。このような正方
形の超電導ループを想定すると、 1つのループを構成す
る配線の長さは配線幅の 6倍程度にならざるを得ない。
従って、インダクタンスの最小値は 3.6pHとなる。この
結果、SFQ回路を構成するためのジョセフソン接合の
Ic は0.28mA以下に設定する必要がある。
うとすると、熱雑音により回路が誤動作する確率を減ら
すために、Ic を増加させる必要がある。一例として、
104個の接合からなる回路を温度 10Kおよび 20Kにて100
GHzクロックで動作させた場合に、誤動作確率を 1年に
1回以下とするために必要な最小臨界電流値を見積もる
と、それぞれ約0.17mA、0.33mAという値が得られる。従
って、図13に示したような平面ループを用いた場合、
集積回路を安全に動作させることが可能な温度は 10K程
度までということになる。 10Kまで冷却を行える冷凍機
は大型、高価であるため、高温超電導体を用いる利点を
十分に生かすことはできない。
小さいループを形成するためには、図14にその断面構
造を示したような立体構成を採用することが考えられ
る。図14の構成では、ループのインダクタンスは単位
面積当たりのインダクタンスの2倍程度にまで縮小する
ことができる。すなわち、最小インダクタンスとして1.
2pHが実現可能である。この場合、接合のIc は0.84mA
程度にまで増加でき、集積回路の動作温度も 50Kにまで
上げられるものと期待できる。
独立したループではなく、互いに連結されたループであ
るため、図14の構成では全体の回路を構成することは
できない。最も簡単な例として、図15に等価回路を示
す磁束量子の転送回路を考える。なお、図15において
X1 、X2 、X3 、X4 、X5 はジョセフソン接合、L
は超電導配線のインダクタンスである。この回路では 2
つのジョセフソン接合を含む超電導ループが 1つの接合
を共有する形で連結されている。図14に示したループ
を、 1つの接合を共有する形で連結することは不可能で
あり、図15の回路を構成することはできない。
斜型接合を用いてSFQ論理回路を作製するには、少な
くとも一部に平面型のループ構造を採用せざるを得ず、
この結果としてジョセフソン接合の臨界電流値の上限が
規定されるために、十分な高温動作を達成することは不
可能であった。換言すれば、酸化物超電導体で構成した
傾斜型ジョセフソン接合を用いた集積回路は、原理的に
は高い性能を発揮できると期待されるものの、現実の応
用が期待されるSFQ集積回路に適用するためには、配
線ループのインダクタンスを小さくすることが可能な接
合構造が必要となる。
する超電導素子においては、ジョセフソン接合の臨界電
流値に対する制約を取り除いて高温動作を可能とするた
めに、配線ループのインダクタンスを小さくすることが
できる接合構造およびその製造技術を開発することが課
題とされている。
図るためには、接合特性そのものを向上させる必要があ
る。ジョセフソン接合の接合特性並びにその制御性を向
上させる上で、ジョセフソン接合の臨界電流Ic は重要
な要因となる。
高める手法の一つとして、YBa2Cu3 O7-δ組成の
酸化物超電導薄膜を真空に近い状態で 400℃ないし 500
℃の温度に加熱すると、その結晶構造が変化して超電導
特性を示さない立方晶系の単純ペロプスカイト構造を持
つ相が形成されることが見出され、この立方晶相をバリ
ア層として利用したジョセフソン接合が報告されてい
る。この結晶構造の変化は、YBa2 Cu3 O7-δにプ
ラズマ損傷を与えることで容易に生じるため、表面に損
傷を与えたYBa2 Cu3 O7-δ膜を熱処理して表面層
のみを立方晶相に変化させ、これをバリア層として利用
したものである(B.H.Moecklyand K.Char,Extended Abst
racts of 6th International Superconductive Electro
nics Conference(Berlin, June 1997), vol.1, p.8-p.1
0)。
セフソン接合の新しい作製方法として興味深いものであ
るが、本発明者が行った追試の結果では、プラズマ損傷
領域が表面から深さ方向に連続的に形成されてしまうた
め、熱処理後の立方晶相と超電導相の境界がはっきりと
は形成されないことが判明した。このような構造では超
電導特性が表面に向かって徐々に劣化するため、ジョセ
フソン接合としての臨界電流は低いものとなってしま
う。
なされたもので、基本的にはジョセフソン接合の特性向
上を図ることを目的としており、具体的にはまず第1
に、立体構成の超電導ループを実現し、かつこのような
ループをジョセフソン接合を共有しながら連結させるこ
とによって、ジョセフソン接合の高温動作を可能にした
超電導素子を提供することを目的としている。また第2
に、ジョセフソン接合の臨界電流Ic を高めることによ
って、ジョセフソン接合の特性向上を図った超電導素子
を提供することを目的としている。
子は、請求項1に記載したように、基板と、前記基板上
に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成され、REBa
2 Cu3 O7-δ(ただし、REはPrを除く希土類元素
から選ばれる少なくとも 1種の元素を、δは 0〜 0.5の
数を示す。以下同じ)で実質的に表される組成を有する
酸化物超電導体からなる下部超電導電極層と、前記下部
超電導電極層上に形成された層間絶縁層と、前記下部超
電導電極層と層間絶縁層との積層膜に設けられ、かつ側
面が前記基板面に対して所定の傾斜角をなすと共に、底
面が前記基板表面もしくは前記酸化物薄膜表面に達する
凹部と、前記凹部の側面および底面を覆うように形成さ
れたバリア層と、前記バリア層上に設けられ、REBa
2 Cu3 O7-δで実質的に表される組成を有する酸化物
超電導体からなる上部超電導電極層とを具備することを
特徴としている。
電極層と層間絶縁層との積層膜に設けた凹部内に、バリ
ア層と上部超電導電極層とを形成している。このような
凹部内ではその周囲を一周する形で接合が連続して形成
されており、全体として 1つのジョセフソン接合を構成
している。従って、複数の凹部を直線状に配置して形成
することによって、立体構造の超電導ループが 1つの接
合を共有して連結した回路を実現することができる。そ
して、立体構造の超電導ループによれば、 1つのループ
のインダクタンスを十分に小さくすることができるた
め、液体ヘリウム温度に比べて十分に高温で動作させ得
る超電導回路を実現することが可能となる。 本発明の
第2の超電導素子は、請求項2に記載したように、基板
と、前記基板上に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成
され、REBa2 Cu3 O7-δで実質的に表される組成
を有する酸化物超電導体からなる下部超電導電極層と、
前記下部超電導電極層上に形成された層間絶縁層と、前
記下部超電導電極層と層間絶縁層との積層膜に設けら
れ、かつ側面が前記基板面に対して所定の傾斜角をなす
と共に、底面が前記下部超電導電極層に達する凹部と、
前記凹部の側面および底面を覆うように形成されたバリ
ア層と、前記バリア層上に設けられ、REBa2Cu3
O7-δで実質的に表される組成を有する酸化物超電導体
からなる上部超電導電極層とを具備することを特徴とし
ている。
内には全体として 1つのジョセフソン接合が形成される
ため、複数の凹部を直線状に配置することによって、第
1の超電導素子と同様に、立体構造の超電導ループが 1
つの接合を共有して連結した回路を実現することができ
る。
部超電導電極層に一部食い込むように凹部を形成するこ
とによって、凹部の底面に形成されたサンドイッチ型の
接合部と側面に形成された傾斜型と類似の接合部とを共
存させることができる。この場合、ジョセフソン電流は
主として傾斜側面の接合部で担われ、常伝導コンダクタ
ンスにはサンドイッチ型接合部の寄与が加わった特性を
実現することができる。従って、電流−電圧特性にヒス
テリシスが発生することを抑制することが可能となる。
一方、底面が下部超電導電極層の表面と一致するよう
に、精密に制御して凹部を形成した場合には、側面の接
合は形成されず、底面のサンドイッチ型接合部のみとす
ることができる。すなわち、実質的にサンドイッチ型の
積層型接合とすることができる。
記基板上に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成され、
REBa2 Cu3 O7-δで実質的に表される組成を有す
る酸化物超電導体からなる下部超電導電極層と、前記下
部超電導電極層の少なくとも一部を覆うように形成さ
れ、前記酸化物超電導体に用いた希土類元素REよりイ
オン半径の小さい希土類元素RE′を含む、RE′Ba
2 Cu3 Ox (ただし、RE′は希土類元素から選ばれ
る少なくとも 1種の元素であって、前記希土類元素RE
よりイオン半径の小さい希土類元素を表し、xは 6〜 8
の数を示す)で実質的に表される組成を有する酸化物か
らなり、かつ単純ペロブスカイト構造類似の立方晶構造
を有するバリア層と、前記バリア層上に設けられ、RE
Ba2 Cu3 O7-δまたはRE′Ba2 Cu3 O7-δで
実質的に表される組成を有する酸化物超電導体からなる
上部超電導電極層とを具備することを特徴としている。
体は、希土類元素のイオン半径が大きくなるほど、低酸
素濃度雰囲気下での安定性が増す性質を有する。超電導
性を示す層状ペロブスカイト構造から超電導性を示さな
い立方晶構造への結晶構造の変換は、一定範囲の温度領
域において、層状ペロプスカイト構造が不安定となる低
酸素濃度雰囲気下に材料を放置したときに生じるもので
ある。従って、温度と酸素濃度を適宜設定することによ
って、イオン半径の小さい希土類元素RE′を構成要素
とする酸化物層のみを選択的に単純ペロブスカイト構造
類似の立方晶構造とすることができる。そして、立方晶
層のバリア層と下部超電導電極層との間には、希土類元
素のイオン半径の差に基づいて明確な境界を存在させる
ことができるため、高性能なジョセフソン接合を再現性
よく得ることが可能となる。
態について説明する。
形態の構造を示す図であり、図1(a)は超電導素子の
平面図、図1(b)はそのA−A線に沿った断面図であ
る。同図において、11は基板であり、この基板11上
には下部超電導電極層12として酸化物超電導体層が形
成されている。なお、基板11上にはまずグランドプレ
ーンとしての酸化物超電導体層および酸化物絶縁体から
なる薄膜を順に設け、この絶縁層としての酸化物薄膜上
に下部超電導電極層12を形成してもよい。
層12上には、酸化物絶縁体などからなる層間絶縁層1
3が形成されている。そして、この下部超電導電極層1
2と層間絶縁層13との積層膜14には、底面15aが
基板11の表面(もしくは酸化物薄膜の表面)に達する
凹部15が設けられている。凹部15の各側面15b
は、基板11の表面に対して所定の角度、例えば15〜30
°程度の角度で傾斜されている。言い換えると、下部超
電導電極層12の凹部15に露出した各端面はそれぞれ
傾斜端面とされている。
トのような適当なマスクを用いたイオンミリングなどに
より形成することができる。すなわち、下部超電導電極
層12と層間絶縁層13との積層膜14に、基板面に対
して適当な角度で傾けたイオンを照射してエッチングを
行う。この際、基板11を回転させることによって、凹
部15は各側面15bを傾斜面とすることができる。凹
部15の切頭角錐状であってもよいし、また切頭円錐状
であってもよい。
は、それぞれバリア層16で覆われている。言い換える
と、下部超電導電極層12と層間絶縁層13との積層膜
14上には、凹部15内を含めてバリア層16が形成さ
れており、このバリア層16上には酸化物超電導体から
なる上部超電導電極層17が形成されている。これらに
よって、凹部15の周囲に形成されたジョセフソン接合
を有する超電導素子18が構成されている。
極層17は、 一般式:REBa2 Cu3 O7-δ (式中、REはY、La、Nd、Eu、Gd、Tb、Y
b、LuなどのPrを除く希土類元素から選ばれる少な
くとも 1種の元素を、δは 0〜 0.5の数を示す)で実質
的に表される組成を有する酸化物超電導体により構成さ
れたものである。ここで、希土類元素のうちPrを除く
理由は、REが全てPrで占められている物質は超電導
特性を示さないためである。
導体のいずれで構成してもよい。バリア層16の構成材
料には、下部超電導電極層12から上部超電導電極層1
7までをエピタキシャル的に成長させ、良好な特性を持
つジョセフソン接合を得る上で、酸化物材料を使用する
ことが好ましい。
カイト酸化物であるPrBa2 Cu3 O7-δや、Coな
どの不純物元素をドーピングすることで超電導特性を弱
めたREBa2 Cu3 O7-δ、さらには下部超電導電極
層2と擬似的に格子整合するSrTiΟ3 のような絶縁
性酸化物やCaRuO3 のような導電性酸化物などの非
超電導酸化物を用いることが好ましい。さらには、後述
する本発明の第3の超電導素子による、RE′Ba2 C
u3 Ox で実質的に表される組成を有し、かつ単純ペロ
ブスカイト構造類似の立方晶構造を有する酸化物をバリ
ア層16に適用することができる。
1(b)からは 2つの傾斜型接合が相対して形成された
だけに見えるが、従来の傾斜型接合との根本的な相違
は、バリア層16を介した接合構造が凹部15の周囲を
一周する形で連続して形成されている点である。この凹
部15の周囲を一周する形で連続して形成された接合
は、全体として 1つのジョセフソン接合を構成してい
る。従来の傾斜型接合とは異なる第2の点は、上部超電
導電極層17が基板面もしくはグランドプレーン上の層
間絶縁層表面に自動的には延長されておらず、下部超電
導電極層12上の層間絶縁層13上だけで終端させるこ
とができることにある。
いることによって、ループインダクタンスの小さい回路
を容易に形成することができる。図2は図1に構造を示
したジョセフソン接合を直線状に配置して形成した磁束
量子転送回路の構造を模式的に示す断面図である。
12と層間絶縁層13との積層膜14に複数の凹部15
(15-1、15-2、15-3…)を直線状に配置して形成
し、これら各凹部15-1、15-2、15-3…内を含めて
積層膜14上に、共通のバリア層16と上部超電導電極
層17を順に形成したものである。
凹部15-1、15-2、15-3の各側面(下部超電導電極
層12の凹部に露出した傾斜端面)にはジョセフソン接
合が形成され、隣り合う凹部(15-1と15-2、および
15-2と15-3)の間にはそれぞれ 2つのジョセフソン
接合を含む超電導ループZ1 、Z2 …が形成される。こ
こで、各凹部15に形成される接合は、上述したように
凹部全体として 1つのジョセフソン接合を構成している
ため、各超電導ループZ1 、Z2 は図3の等価回路に示
すように、 1つのジョセフソン接合を共有する形で連結
している。
電導配線のインダクタンス、X1 、X2 、X3 …はジョ
セフソン接合であり、接合X1 は凹部15-1に対応し、
接合X2 は凹部15-2、接合X3 は凹部15-3に対応す
る。
層間絶縁層13との積層膜14に複数の凹部15-1、1
5-2、15-3…を直線状に配置して形成すると共に、各
凹部15-1、15-2、15-3…内を含めて共通の上部超
電導電極層17を形成するだけで、立体構造の超電導ル
ープZ1 、Z2 …が 1つの接合を共有して連結した回路
を実現することができる。そして、立体構造の超電導ル
ープZ1 、Z2 によれば、 1つのループのインダクタン
スを十分に小さくすることができるため、液体ヘリウム
温度に比べ十分に高温で動作させることが可能な超電導
回路、例えば単一磁束量子を情報媒体とした超高速の論
理回路(SFQ論理回路)などを実現することが可能と
なる。
態について、図4および図5を参照して説明する。
た超電導素子18と同様に、基板11上に下部超電導電
極層12および層間絶縁層13が順に積層形成され、こ
れらの積層膜14に凹部20が形成されている。ここ
で、この実施形態における凹部20は、各側面20bが
基板面に対して所定の角度(例えば15〜30°程度)で傾
斜されている点は図1に示した凹部15と同様であるも
のの、底面20aは図1に示した凹部15と異なり、下
部超電導電極層12に達するように設けられている。
すように、下部超電導電極層12に一部食い込むように
形成されていてもよいし、また図5に示すように、下部
超電導電極層12と一致するように形成されていてもよ
い。なお、凹部20の形状以外の構成、例えば各層の形
状や構成材料などについては、図1に示した超電導素子
18と同様とされている。
下部超電導電極層12に一部食い込むように形成された
凹部20を有する超電導素子19においては、図6に示
すように、凹部20の底面20aに形成されたサンドイ
ッチ型の接合部XA と、側面20bに形成された傾斜型
と類似の接合部XB とが共存している。すなわち、図1
に示した構造とは異なり、ジョセフソン接合が凹部20
の側面20bに沿ってのみならず、底面20aにも形成
されている。
のロンドン侵入深さを小さくするために、c軸配向(結
晶軸のc軸が基板面に直立した結晶配向)の酸化物超電
導体層を用いる必要がある。このような超電導層上にサ
ンドイッチ型の接合を作製した場合、伝導の異方性のた
めに、バリア層を十分に薄くしないとジョセフソン接合
として大きい臨界電流密度は得られない。一方、サンド
イッチ型の接合の場合、常伝導コンダクタンスは比較的
大きい。
側面20bの傾斜型類似の接合部XB とを共存させたジ
ョセフソン接合では、ジョセフソン電流は主として傾斜
側面20bの接合部XB で担われ、常伝導コンダクタン
スにはサンドイッチ型接合部XA の寄与が加わった特性
を実現することができる。このような接合ではマッカン
バー係数が小さくなるため、電流−電圧特性にヒステリ
シスが発生することはない。これはSFQ論理回路の作
製を容易にする。
bの接合部XB とを共存させたジョセフソン接合につい
ても、図1に示した接合と同様に、凹部全体として 1つ
のジョセフソン接合を構成しているため、立体構造の超
電導ループが 1つの接合を共有して連結した回路を実現
することできる。従って、液体ヘリウム温度に比べ十分
に高温で動作させ得るSFQ論理回路などを実現するこ
とが可能となる。
下部超電導電極層12の表面と一致するように、精密に
制御して凹部20を形成した超電導素子19′では、図
7に示すように側面20bの接合は形成されず、底面2
0aのサンドイッチ型接合部XA のみとすることができ
る。すなわち、実質的にサンドイッチ型の積層型接合と
することができる。
bなどの従来の金属超電導体を用いた場合には一般的に
作製されているが、その場合には下部超電導電極層、バ
リア層および上部超電導電極層を積層した後に、接合と
する部分のみを残して、バリア層ないしは下部超電導電
極層が露出するまでエッチングを行い、露出した部分を
層間絶縁層で被覆した後に、接合の上部超電導電極層に
接触する配線層を形成していた。同様な工程を酸化物超
電導体に対して適用する試みは行われているが、全ての
層をエピタキシャル成長させることが必要な酸化物超電
導体では、接合部周囲で層間絶緑層が異常成長し、十分
な被覆が行えないなどの問題が発生していた。
12の表面に一致させ、底面20aのサンドイッチ型接
合部XA のみとした超電導素子19′は、層間絶縁層の
被覆に関する問題を確実に解決することを可能としたも
のである。そして、図1に示した接合と同様に、凹部全
体として 1つのジョセフソン接合が構成されるため、立
体構造の超電導ループが 1つの接合を共有して連結した
回路を実現することできる。従って、液体ヘリウム温度
に比べ十分に高温で動作させ得るSFQ論理回路などを
実現することが可能となる。
態について、図8の製造工程図を参照して説明する。
上もしくはグランドプレーン22としての酸化物超電導
体層上に形成された層間絶縁層23としての酸化物薄膜
上に、下部超電導電極層24を形成する。下部超電導電
極層24は、前述した実施形態と同様に、 一般式:REBa2 Cu3 O7-δ (式中、REはY、La、Nd、Eu、Gd、Tb、Y
b、LuなどのPrを除く希土類元素から選ばれる少な
くとも 1種の元素を、δは 0〜 0.5の数を示す)で実質
的に表される組成を有する酸化物超電導体により構成さ
れる。
一部を覆うように、熱処理後にバリア層となる酸化物層
25を形成する。ここで、酸化物層25は下部超電導電
極層24として用いた酸化物超電導体中の希土類元素R
Eよりイオン半径の小さい希土類元素RE′を含む、 一般式:RE′Ba2 Cu3 O7-δ (式中、RE′はYを含む希土類元素から選ばれる少な
くとも 1種の元素であって、希土類元素REよりイオン
半径の小さい希土類元素である)で実質的に表される組
成を有する酸化物からなるものである。
2 Cu3 O7-δを用いた場合、Ndよりイオン半径が小
さいYを希土類元素RE′として含むYBa2 Cu3 O
7-δにより酸化物層25を形成する。このような積層構
造に対して、酸化物層25の結晶構造を層状ペロブスカ
イト構造から立方晶を有する単純ペロブスカイト構造類
似の構造に変換するための熱処理を施す。
つ超電導体は、希土類元素REのイオン半径が大きくな
るほど、低酸素濃度雰囲気下での安定性が増す性質を有
する。超電導性を示す層状ペロブスカイト構造から立方
晶構造への結晶構造の変換は、一定範囲の温度領域にお
いて、層状ペロプスカイト構造が不安定となる低酸素濃
度雰囲気下に材料を放置したときに生じるものである。
従って、温度と酸素濃度を適宜設定することによって、
イオン半径の小さい希土類元素RE′を構成要素とする
酸化物層25、すなわちRE′Ba2 Cu3 O7-δ層は
不安定となるものの、下部超電導電極層24としてのR
EBa2 Cu3 O7-δは安定に保つことができる。
を利用したものであり、上記したような温度と酸素濃度
を制御した熱処理工程を実施することによって、図8
(b)に示すように、RE′Ba2 Cu3 O7-δ層のみ
を超電導特性を示さない単純ペロブスカイト構造類似の
立方晶構造を有するバリア層26、すなわち 一般式:RE′Ba2 Cu3 Ox (式中、xは 6〜 8の数を示す)で実質的に表される組
成を有し、立方晶構造の酸化物からなるバリア層26と
することができる。なお、バリア層26を構成する酸化
物は、層状ペロブスカイト構造から立方晶に相転移する
際に酸素量が変動する場合があり、xの値は 6〜8の範
囲となる。またこの場合、立方晶構造に変換する領域の
厚さは元の酸化物層25の厚さ、すなわちRE′Ba2
Cu3 O7-δ層の厚さで決定され、立方晶層とその下の
REBa2 Cu3 O7-δ層からなる下部超電導電極層2
4との間には明確な境界が存在することになる。
上に、図8(c)に示すように、REBa2 Cu3 O
7-δまたはRE′Ba2 Cu3 O7-δで実質的に表され
る組成を有する酸化物超電導体からなる上部超電導電極
層27を形成することによって、サンドイッチ型のジョ
セフソン接合を有する超電導素子28が得られる。接合
構造は単純な積層構造に限らず、当然ながら傾斜型接合
に対しても適用することが可能である。
ラズマ損傷を与えた後に熱処理を施して、表面層のみを
立方晶相に変化させてバリア層を形成したジョセフソン
接合では、前述したように、プラズマ損傷領域が表面か
ら深さ方向に連続的に形成されてしまうため、熱処理後
の立方晶相と超電導相の境界がはっきりとは形成され
ず、超電導特性が表面に向かって徐々に劣化するため、
ジョセフソン接合としての臨界電流は低いものとなって
しまう。
2 Cu3 O7-δ組成の酸化物超電導体中の希土類元素の
イオン半径に基づく低酸素濃度雰囲気下での安定性の差
に基づいて、RE′Ba2 Cu3 O7-δ層のみを超電導
特性を示さない単純ペロブスカイト構造類似の立方晶構
造に変換しているため、バリア層26と下部超電導電極
層(立方晶構造のRE′Ba2 Cu3 Ox 層)24との
間に明確な境界を存在させることができる。従って、良
好な臨界電流を有するジョセフソン接合を得ることが可
能となる。
めて安定であり、その上に超電導特性を示すREBa2
Cu3 O7-δ膜を堆積する工程を経ても、構造が破壊さ
れることはない。このため、上部超電導電極層27とな
る超電導体には、下部超電導電極層24に用いたREB
a2 Cu3 O7-δと同じ材料を用いてもよいし、また下
部超電導電極層24とは構成する希土類元素が異なる材
料、例えばRE′Ba2 Cu3 O7-δを採用してもよ
い。
集積回路の要部構造を一部断面で示す斜視図である。同
図において、31はSrTiO3 単結晶からなる基板で
あり、その表面は (100)面に一致している。このSrT
iO3 単結晶基板31上には、YBa2 Cu3 O7-δで
組成が実質的に表される酸化物超電導体からなる厚さ 2
50nmのグランドプレーン32が、その結晶構造のc軸が
基板表面に直立するような配向(c軸配向)で形成され
ている。
のSrTiO3 薄膜からなる酸化物絶縁体層33を形成
した。これらの層を形成するにあたっては、多元スパッ
タ法を用い、YBa2 Cu3 O7-δ膜はAr/O2 混合
ガス 20mTorrの雰囲気下で基板温度 800℃で作製し、S
rTiO3 膜はAr/O2 混合ガス 10mTorrの雰囲気下
で基板温度 680℃の条件で作製した。
いて、下部超電導電極層34となる厚さ 200nmのYBa
2 Cu3 O7-δ膜とその上の層間絶縁層35となるSr
TiO3 膜を順に積層形成した。層間絶縁層35となる
SrTiO3 膜の厚さは 250nmとした。
ら取り出し、通常の光学露光法でポジ型レジストのパタ
ーンを所定位置に形成し、このレジストをマスクとして
イオンミリング法で、層間絶縁層35と下部超電導電極
層34を、グランドプレーン32上の絶縁体層33の表
面が露出するまで連続的にエッチングして、側面が基板
面に対して25度の角度をなす、一辺が 1μm の正方形の
形状を持った微小な穴(凹部)36を形成した。
ンを50度の角度で入射し、エッチング中には基板を一定
速度で回転させた。このエッチング工程により形成され
る凹部36の側面が基板面に対して比較的緩い角度をな
すのは、ミリング時にレジストマスクもエッチングされ
て後退するためであり、傾斜角はArイオンの入射角を
変えることで制御することができる。
マスクとしたレジストを除去し、次いでArイオンを 1
00eV程度の加速電圧で10分間照射し、エッチング端面の
清浄化を行った。この後、再び多元スパッタ装置に試料
を装着し、バリア層37となるPrBa2 Cu3 O7-δ
膜と、上部超電導電極層38となるYBa2 Cu3 O
7-δ膜を連続して積層した。バリア層37の厚さは10n
m、上部超電導電極層38の厚さは 300nmである。
光法でポジ型レジストのパターンを所定位置に形成し、
このレジストをマスクとしてイオンミリング法で、上部
超電導電極層38とバリア層37を、層間絶縁層35の
表面が露出するまでエッチングして、図9の素子構造を
完成させた。
気特性を評価した結果、いずれの接合も温度4.2Kと 60K
の間で明確なジョセフソン接合の特性を示し、接合の性
能を表す指標であるIc ・Rn 積は、4.2Kでは 1.5mV程
度、 50Kにおいても 0.3mV程度に達した。また、同一ウ
ェハー上に作製した48個の接合はIc およびRn 共に分
布は小さく、標準偏差として 10%程度に収まることが確
認された。
た集積回路の要部構造を一部断面で示す斜視図である。
実施例2に用いたジョセフソン接合は、前述した実施例
1とは異なり、下部超電導電極層34、バリア層37お
よび上部超電導電極層38が垂直方向に積層されたサン
ドイッチ型の接合を含むものである。
と同様に、多元スパッタ法による製膜とArイオンによ
るエッチングを用いた。まず、SrTiO3 単結晶基板
31上に、YBa2 Cu3 O7-δで組成が実質的に表さ
れる酸化物超電導体からなる厚さ 250nmのグランドプレ
ーン32、厚さ 250nmのSrTiO3 膜からなる酸化物
絶縁体層33、および下部超電導電極層34となる厚さ
200nmのYBa2 Cu3 O7-δ膜を同一のスパッタ装置
を用いて連続的に積層した。
ことになるSrTiO3 薄膜を50nmだけ堆積し、試料を
真空装置から取り出した。これら各層の形成条件は、前
述した実施例1と同一とした。薄いSrTiO3 膜は、
この後のウェハー上の下部超電導電極層をいくつかの島
状領域に分離する工程において、下部超電導電極層34
が劣化するのを防止するために用いるものである。
光法でポジ型レジストのパターンを所定位置に形成し、
このレジストをマスクとしてイオンミリング法で、薄い
SrTiO3 膜と下部超電導電極層34を、グランドプ
レーン32上の絶縁体層33の表面が露出するまでエッ
チングして、下部超電導電極層34をいくつかの島状の
領域に分離した。この後、厚さ 250nmのSrTiO3 膜
をウエハー全面に堆積して、層間絶縁層35を形成し
た。
ポジ型レジストのパターンを形成し、このレジス卜をマ
スクとしてイオンミリング法で、側面が基板面に対して
約25度の角度をなす、一辺が 2μm の正方形の形状を持
った微小な穴(凹部)39を層間絶縁層35の中に形成
した。このエッチング工程においても、Arイオンは基
板面に対して50度の角度を成すように入射し、エッチン
グ中には基板を一定速度で回転させた。このエッチング
工程は下部超電導電極層34の表面が露出するまで行
い、エッチング後のレジストマスクは有機溶媒によって
除去した。
間照射して、エッチング端面の清浄化を行い、この後多
元スパッタ装置を用いて、バリア層37となるPrBa
2 Cu3 O7-δ膜と上部超電導電極層38となるYBa
2 Cu3 O7-δ膜を連続して積層した。バリア層37の
厚さは10nm、上部超電導電極層38の厚さは 300nmとし
た。
グによって、上部超電導電極層38を所定パターンに加
工して、図10に示す超電導回路を完成させた。図10
において、異なった島状領域の下部超電導電極層34上
に形成された一部の接合構造は、上部超電導電極層38
を共通とすることで連結されている。
は、温度4.2Kで約 1mVのIc ・Rn積を示した。この値
は前述した実施例1の素子と比較するとやや低いもので
あったが、一方ウェハー内の48個の接合の特性分布は、
標準偏差として8%と小さく、極めて均質なジョセフソン
接合を得ることができることが確認された。
造工程および構造を示す断面図である。なお、図11は
本発明の第3の超電導素子を第1の超電導素子と組み合
わせた素子構造の製造工程を順に示したものである。こ
の実施例3における超電導素子の製造の手順は以下の通
りである。
iO3 単結晶基板41上に多元スパッタ法によって、N
dBa2 Cu3 O7-δで組成が実質的に表される酸化物
超電導体からなる厚さ 250nmのグランドプレーン層42
を形成し、次いで厚さ50nmのSrTiO3 層、厚さ 200
nmのPrBa2 Co0.2 Cu2.8 O7-δ層、厚さ50nmの
SrTiO3 層の 3層積層構造からなる層間絶縁層43
を積層した。
a2 Co0.2 Cu2.8 O7-δ層は、通常のPrBa2 C
u3 O7-δのCuの一部をCoで置換したものであり、
PrBa2 Cu3 O7-δに比べて抵抗率の高い絶縁体で
ある。PrBa2 Co0.2 Cu2.8 O7-δは低温で30程
度の比較的小さい比誘電率を持つ材料であるため、信号
伝播速度の大きい伝送線路を作製するためには都合が良
い。この実施例3において、層間絶縁層43を 3層積層
構造としたのは、PrBa2 Co0.2 Cu2.8O7-δの
小さい誘電率を利用した上で、直流的なリーク電流を十
分に小さい値に保つためである。
を用いて、下部超電導電極層44となる厚さ 200nmのN
dBa2 Cu3 O7-δ膜と層間絶縁層45となるSrT
iO3 膜を順に積層した。後述する工程を考慮して、こ
の実施例3においてはSrTiO3 絶縁層45の厚さは
500nmとした。
ッタ装置の真空容器から取り出し、図11(b)に示す
ように、接合を形成する場所に窓を開けたポジレジスト
46のパターンを通常の光学露光法により作製した。こ
の実施例3においては、窓は一辺が 1.5μm の正方形の
形状とした。
Arイオンを基板面に対して50度の角度で照射し、層間
絶縁層45をエッチングした。このエッチングの際に基
板は回転させ、エッチング後の側面の基板面に対して成
す角度が25度となるようにした。このエッチングは窓部
の層間絶縁層45が完全になくなるまでは行わず、約50
nmの厚さのSrTiO3 層が残るところで終了させ、残
ったレジストを溶剤で除去して、図11(c)に示すよ
うな構造を作製した。
40度の角度でArイオンを照射し、図11(c)の表面
形状をほぼ保った形で全面にエッチングを施した。最初
のエッチング工程によって、予めSrTiO3 絶縁層4
5が薄くされた領域では、その下の下部超電導電極層4
4までエッチングが進み、図11(d)に示すような構
造が形成できる。この実施例3でエッチング工程を 2段
階に分けたのは、エッチングによって露出した下部超電
導電極層44の側面が、レジスト除去のための有機溶剤
によって汚染されることを防ぐためである。
し、バリア層を作るための厚さ10nmのYBa2 Cu3 O
7-δ層47をウェハー全面に堆積した(図11
(e))。この後、同じスパッタ装置内で試料を酸素分
圧 1×10-5Torr、基板温度 480℃の条件下で45分間熱処
理し、YBa2 Cu3 O7-δ層47を立方晶構造のバリ
ア層48に変換した(図11(f))。この熱処理条件
においては、下部超電導電極層44およびグランドプレ
ーン42としてのNdBa2 Cu3 O7-δ層は安定であ
るために、結晶構造の変化は生じない。
7-δ薄膜を作製する条件に変更し、図11(g)に示す
ように、YBa2 Cu3 O7-δで組成が実質的に表され
る上部超電導電極層49をウェハー全面に形成した後、
上部超電導電極層49を光学露光法とイオンミリングに
より加工することで、図11(h)に示した素子構造を
完成させた。
は、温度4.2KにおけるIc ・Rn 積が1.8mVと大きく、
また同一ウェハー内の48個の接合において、Ic の分布
は標準偏差が5%程度と極めて小さいことが確認された。
路を実現するためには十分なものであるが、温度 20K以
下では電流−電圧特性に若干のヒステリシス特性が認め
られ、SFQ回路に適用するためには、接合の常伝導コ
ンダクタンスを増加させる必要があることが示唆され
た。このような接合コンダクタンスは、この実施例で記
載したバリア層の製造方法を用いて、本発明の第2の超
電導素子を作製することで調整することができる。
よび第2の超電導素子によれば、インダクタンス値の小
さい立体構成の超電導配線ループを、 1つのジョセフソ
ン接合を共有する形で連結して作製することができる。
従って、液体へリウム温度に比べて十分に高温で動作す
る、例えば単一磁束量子を情報媒体とした超高速の論理
回路を実現することが可能となる。また、本発明の第3
の超電導素子によれば、Ic ・Rn 値が高く、またウェ
ハー内での特性分布が極めて少ないジョセフソン接合を
作製することができ、集積度の高い論理回路の実現も可
能となる。
部構造を示す図であって、(a)はその平面図、(b)
は(a)のA−A線に沿った断面図である。
一構成例を示す断面図である。
部構造を示す図であって、(a)はその平面図、(b)
は(a)のA−A線に沿った断面図である。
要部構造を示す断面図である。
態を説明するための図である。
態を説明するための図である。
造工程および要部構造を示す断面図である。
造を模式的に示す一部断面斜視図である。
構造を模式的に示す一部断面斜視図である。
工程を模式的に示す断面図である。
式的に示す断面図である。
ープの一構造例を模式的に示す平面図である。
ープの他の構造例を模式的に示す断面図である。
転送のために用いられる回路の等価回路図である。
子は、請求項1に記載したように、基板と、前記基板上
に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成され、REBa
2Cu3O7−δ(ただし、REはPrを除く希土類元
素から選ばれる少なくとも1種の元素を、δは0〜0.
5の数を示す。以下同じ)で実質的に表される組成を有
する酸化物超電導体からなる下部超電導電極層と、前記
下部超電導電極層上に形成された層間絶縁層と、前記下
部超電導電極層と層間絶縁層との積層膜に設けられ、か
つ側面が前記基板面に対して所定の傾斜角をなすと共
に、底面が前記基板表面もしくは前期酸化物薄膜表面に
達する凹部と、前記凹部の側面および底面を覆うように
形成され、前記凹部の周囲を一周する形で連続する1つ
の接合を構成するバリア層と、前記バリア層上に設けら
れ、REBa2Cu3O7−δで実質的に表される組成
を有する酸化物超電導体からなる上部超電導電極層とを
具備することを特徴としている。
電極層と層間絶縁層との積層膜に設けた凹部内に、バリ
ア層と上部超電導電極層とを形成している。このような
凹部内ではその周囲を一周する形で接合が連続して形成
されており、全体として1つのジョセフソン接合を構成
している。従って、複数の凹部を直線状に配置して形成
することによって、立体構造の超電導ループが1つの接
合を共有して連結した回路を実現することができる。そ
して、立体構造の超電導ループによれば、1つのループ
のインダクタンスを十分に小さくすることができるた
め、液体ヘリウム温度に比べて十分に高温で動作させ得
る超電導回路を実現することが可能となる。 本発明の
第2の超電導素子は、請求項2に記載したように、基板
と、前記基板上に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成
され、REBa2Cu3O7−δで実質的に表される組
成を有する酸化物超電導体からなる下部超電導電極層
と、前記下部超電導電極層上に形成された層間絶縁層
と、前記下部超電導電極層と層間絶縁層との積層膜に設
けられ、かつ側面が前記基板面に対して所定の傾斜角を
なすと共に、底面が前記下部超電導電極層に食い込むよ
うに形成された凹部と、前記凹部の側面および底面を覆
うように形成され、前記凹部の周囲を一周する形で連続
する1つの接合を構成するバリア層と、前記バリア層上
に設けられ、REBa2Cu3O7−δで実質的に表さ
れる組成を有する酸化物超電導体からなる上部超電導電
極層とを具備することを特徴としている。
部超電導電極層に一部食い込むように凹部が形成されて
いるため、凹部の底面に形成されたサンドイッチ型の接
合部と側面に形成された傾斜型と類似の接合部とを共存
させることができる。この場合、ジョセフソン電流は主
として傾斜側面の接合部で担われ、常伝導コンダクタン
スにはサンドイッチ型接合部の寄与が加わった特性を実
現することができる。従って、電流−電圧特性にヒステ
リシスが発生することを抑制することが可能となる。
た超電導素子18と同様に、基板11上に下部超電導電
極層12および層間絶縁層13が順に積層形成され、こ
れらの積層膜14に凹部20が形成されている。ここ
で、この実施形態における凹部20は、各側面20bが
基板面に対して所定の角度(例えば15〜30°程度)
で傾斜されている点は図1に示した凹部15と異なり、
下部超電導電極層12に食い込むように設けられてい
る。
各層の形状や構成材料などについては、図1に示した超
電導素子18と同様とされている。
下部超電導電極層12の表面と一致するように、精密に
制御して凹部20を形成した超電導素子19′では、図
7に示すように側面20bの接合は形成されず、底面2
0aのサンドイッチ型接合部XA のみとなる。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板と、 前記基板上に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成さ
れ、REBa2 Cu3 O7-δ(ただし、REはPrを除
く希土類元素から選ばれる少なくとも 1種の元素を、δ
は 0〜 0.5の数を示す)で実質的に表される組成を有す
る酸化物超電導体からなる下部超電導電極層と、 前記下部超電導電極層上に形成された層間絶縁層と、 前記下部超電導電極層と層間絶縁層との積層膜に設けら
れ、かつ側面が前記基板面に対して所定の傾斜角をなす
と共に、底面が前記基板表面もしくは前記酸化物薄膜表
面に達する凹部と、 前記凹部の側面および底面を覆うように形成されたバリ
ア層と、 前記バリア層上に設けられ、REBa2 Cu3 O7-δで
実質的に表される組成を有する酸化物超電導体からなる
上部超電導電極層とを具備することを特徴とする超電導
素子。 - 【請求項2】 基板と、 前記基板上に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成さ
れ、REBa2 Cu3 O7-δ(ただし、REはPrを除
く希土類元素から選ばれる少なくとも 1種の元素を、δ
は 0〜 0.5の数を示す)で実質的に表される組成を有す
る酸化物超電導体からなる下部超電導電極層と、 前記下部超電導電極層上に形成された層間絶縁層と、 前記下部超電導電極層と層間絶縁層との積層膜に設けら
れ、かつ側面が前記基板面に対して所定の傾斜角をなす
と共に、底面が前記下部超電導電極層に達する凹部と、 前記凹部の側面および底面を覆うように形成されたバリ
ア層と、 前記バリア層上に設けられ、REBa2 Cu3 O7-δで
実質的に表される組成を有する酸化物超電導体からなる
上部超電導電極層とを具備することを特徴とする超電導
素子。 - 【請求項3】 基板と、 前記基板上に直接もしくは酸化物薄膜を介して形成さ
れ、REBa2 Cu3 O7-δ(ただし、REはPrを除
く希土類元素から選ばれる少なくとも 1種の元素を、δ
は 0〜 0.5の数を示す)で実質的に表される組成を有す
る酸化物超電導体からなる下部超電導電極層と、 前記下部超電導電極層の少なくとも一部を覆うように形
成され、前記酸化物超電導体に用いた希土類元素REよ
りイオン半径の小さい希土類元素RE′を含む、RE′
Ba2 Cu3 Ox (ただし、RE′は希土類元素から選
ばれる少なくとも 1種の元素であって、前記希土類元素
REよりイオン半径の小さい希土類元素を表し、xは 6
〜 8の数を示す)で実質的に表される組成を有する酸化
物からなり、かつ単純ペロブスカイト構造類似の立方晶
構造を有するバリア層と、 前記バリア層上に設けられ、REBa2 Cu3 O7-δま
たはRE′Ba2 Cu3 O7-δで実質的に表される組成
を有する酸化物超電導体からなる上部超電導電極層とを
具備することを特徴とする超電導素子。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP10042617A JP2909455B1 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 超電導素子 |
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|---|---|---|---|
| JP10042617A JP2909455B1 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 超電導素子 |
Publications (2)
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|---|---|
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10042617A Expired - Lifetime JP2909455B1 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 超電導素子 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008078639A (ja) * | 2006-08-23 | 2008-04-03 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ジョセフソン接合素子、その形成方法、および超電導接合回路 |
-
1998
- 1998-02-24 JP JP10042617A patent/JP2909455B1/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008078639A (ja) * | 2006-08-23 | 2008-04-03 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ジョセフソン接合素子、その形成方法、および超電導接合回路 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2909455B1 (ja) | 1999-06-23 |
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