JPH11243843A - パン類の製造方法及びパン類製造用酵素製剤 - Google Patents
パン類の製造方法及びパン類製造用酵素製剤Info
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- JPH11243843A JPH11243843A JP10046912A JP4691298A JPH11243843A JP H11243843 A JPH11243843 A JP H11243843A JP 10046912 A JP10046912 A JP 10046912A JP 4691298 A JP4691298 A JP 4691298A JP H11243843 A JPH11243843 A JP H11243843A
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Abstract
ーゼの使用効果を改善する。 【解決手段】原料として、主原料である穀粉に、他の副
原料と共に、トランスグルタミナーゼ及び蛋白部分加水
分解物を添加混合して使用するパン類の製造方法。
Description
よびパン用酵素製剤、より詳しくは、トランスグルタミ
ナーゼ及び小麦蛋白部分加水分解物、乳蛋白部分加水分
解物、大豆蛋白部分加水分解物などの蛋白部分加水分解
物を併用する品質の改良されたパン類の製造方法、並び
にトランスグルタミナーゼ及び前記小麦蛋白部分加水分
解物のいずれか1種以上を併合するパン用酵素製剤に関
する。
品であり、また、食生活の欧米化に伴い、今や日本にお
いても主食として重要な地位を占めている。
麦粉またはその他の穀類の粉と水を主な原料として、イ
ースト、塩、バター、砂糖などを適宜加えてパン生地を
作り、発酵させ、焼成(または蒸し加熱)することで製
造される。
量流通、消費者の嗜好の多様化、冷凍生地の必要性、な
どに対応する為に、通常の食品素材以外にも様々な種類
の添加物が使用されている。市場に流通するほとんどの
パン製品は、多少にかかわらずこれらの添加物を使用し
たものがほとんどである。例えば、生地を安定化させた
り、冷凍耐性を付与する、などの目的で、臭素酸カリウ
ム、アスコルビン酸ナトリウム、乳化剤などが通常使用
される。
に関しては、表示した場合にイメージが悪いといったこ
とのみならず、実際にも人の健康上の問題も懸念される
ところから、使用が敬遠されることがある。例えば、生
地を安定化させるために古くから使用されてきた臭素酸
カリウムは、発ガン性が懸念されることから、最近では
使用を控える製造者が多い。
を改良するためにプロテアーゼやアミラーゼ、ヘミセル
ラーゼといった酵素類も広く利用されるようになってい
る。酵素類は、化学的合成品ではなく発酵によって生産
される天然素材であること、また、通常最後に加熱(焼
成)工程を有するパン類の製造においては酵素類は最終
製品中では失活し、生理作用を失って健康上の問題がな
くなってしまっているので表示が不要であること、など
から近年の健康志向、天然志向に適応した素材として評
価されている。
る酵素類としては、プロテアーゼやアミラーゼのよう
に、基質が低分子化される機能をもつ酵素が主である。
従って、先述の臭素酸カリウムやアスコルビン酸のよう
に、生地の架橋構造を強化し、生地を安定化するような
機能をもつパン用の酵素(製剤)は、すぐ後に説明する
トランスグルタミナーゼの例外を除き、これまで存在し
ていなかった。特に、冷凍パン生地の製造においては、
冷凍後解凍したときの生地のダレが大きな業界の問題に
なっており、これを改善するような素材、しかも天然物
由来の素材が強く望まれている。
に、タンパク質を架橋高分子化する機能をもつ酵素であ
る。これは、小麦タンパク質にも作用することができ、
特開平4−360641号公報には、酵素であるトラン
スグルタミナーゼ(以下、TGaseと略称する)を使
用して品質が優れたパン類を製造する方法が開示されて
いる。とはいうものの、この特開平4−360641号
公報には、TGaseを通常の原材料とともに使用して
パン類を製造する方法についてのみ開示してあるに過ぎ
ない。すなわち、この公報では、TGaseの反応を制
御する方法については詳しく述べられておらず、ただ単
にTGaseをパン類の原材料の一つとして使用すると
いう方法についてのみ記載してあるに過ぎない。
よっては、TGaseが反応しすぎて生地が硬くなりす
ぎてしまう時がしばしば見られる。このようにTGas
eが反応しすぎてしまうと、発酵工程において生地はう
まく膨張することができず、出来上がりの製品の外観や
食感などの品質を損ねることがある。
背景から、タンパク質を架橋させるTGaseの機能を
パン類の生地の安定化に利用し、しかも過剰な酵素の作
用によって生地を硬くしすぎないような、延いては品質
の優れた出来上がり製品を与えることのできる、TGa
seのパン類製造における実用的に優れた使用方法が業
界にとって必要とされている。
的は、パン類製造におけるTGaseの優れた使用方法
を提供することにある。
の課題を解決すべく鋭意研究の結果、TGase並びに
小麦蛋白部分加水分解物、乳蛋白部分加水分解物、大豆
蛋白部分加水分解物などの蛋白部分加水分解物を併用
し、あるいはまた必要に応じてまたは所望により、原料
配合における加水を通常の従来法より多くすることによ
り、生地を硬くしすぎることがなく、品質の改良された
パン類を製造できることを新たに見いだし、このような
知見に基づいて本発明を完成した。
る穀粉に、他の副原料と共に、トランスグルタミナーゼ
及び蛋白部分加水分解物を添加混合して使用することを
特徴とするパン類の製造方法、及びそのようなパン類の
製造方法に使用されるトランスグルタミナーゼ及び蛋白
部分加水分解物を有効成分として含有することを特徴と
する酵素製剤に関する。更にまた、前記パン類の製造方
法であって、特に原料配合における加水を通常より多く
することにより、品質の改良されたパン類を製造する方
法にも関する。
る。
基づきパン類の品質を改良するに際し、生地を硬くしす
ぎるようなTGaseによる生地へのマイナスの影響を
最小限に抑える巧みな工夫を行った点にある。
について説明する。
して、これに水(牛乳を使用する場合もある)及びイー
スト、及び必要に応じて塩、油脂類、卵、脱脂粉乳、澱
粉類、糖類、各種の添加剤を適宜加え、混捏して生地を
生成し、発酵させた後に焼成(または蒸し加熱)されて
製造されるものを広くいうのである。これらの主副原料
の配合については、トランスグルタミナーゼ並びに小麦
部分加水分解物、乳蛋白部分加水分解物、大豆蛋白部分
加水分解物及びその他の蛋白部分加水分解物から選ばれ
る1種以上を使用することを除いては従来法に準ずるこ
とができ、特に限定されるものではない。時として、イ
ーストを添加せず、ベーキングパウダーなどで生地を膨
張させた多孔性食品をいわゆるパン類として喫食する場
合があるが、このようなものも広義のパン類として本発
明のパン類の範疇に含まれる。生地の膨張に自然発酵、
イースト使用、ベーキングパウダー使用またはイースト
とベーキングパウダーの併用による中華まんじゅうも、
本発明のパン類に含まれることはもちろんである。
言及したトランスグルタミナーゼと蛋白部分加水分解物
を併用添加すること、及びこれに伴って生ずることもあ
る若干の工程上の変更を除いては、主副原料を含めて全
て従来法に準ずることができる。
ライ麦粉、トウモロコシ粉、米粉、大豆粉等従来のもの
が挙げられ、いずれか1種または2種以上を組み合わせ
て主原料とすればよい。一般的には、小麦粉が主原料と
される。
合によってはベーキングパウダー、塩、植物性及び動物
性の油脂類、ショートニングなどの加工油脂、牛乳、全
脂粉乳、脱脂粉乳、カゼイン、チーズ、バターなどの乳
成分、液卵や粉末卵をなどの卵類、砂糖、果糖、ブドウ
糖や糖アルコールなどの糖類、天然由来の多糖類、デキ
ストリン類、各種澱粉類、ゼラチン、大豆たん白、小麦
たん白、グルテン、各種香料やスパイス、甘味料、調味
料、ココアやチョコレートなど、適宜従来法におけるも
のを用いることができる。
添加することが認められるものならば、従来法における
と同様に、特に限定はされない。例えば、イーストフー
ド、乳化剤、食用色素、酵素類などである。
ン類に添加できるものを用いることができ、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピ
レングリコール脂肪酸エステル、ステアリル有機酸エス
テルなどが挙げられる。
れている各種のα-アミラーゼ、β-アミラーゼ、イソア
ミラーゼ、グルコアミラーゼなどのアミラーゼ、及びヘ
ミセルラーゼ、並びに市販されている各種のプロテアー
ゼ、等を使用することができる。更には、パーオキシダ
ーゼ、グルコースオキシダーゼ、ポリフェノールオキシ
ダーゼ、リポキシゲナーゼ、などの酸化酵素も用いるこ
とができる。ここに挙げた酵素類以外にも目的に応じて
各種酵素を使用することができ、特に限定されるもので
はない。
おいても特別の制限はなく、従来法におけると同じく、
先ず、主副原料を混捏してパン類の生地を作成し、これ
を発酵させる。その方法としては、いわゆる中種法及び
直捏法(ストレート法)のいずれの方法をも用いること
ができることは従来法と異なるところはなく、生地の混
捏、発酵の方法については、特に限定されない。
は、通常のパン類と同様に、次に、発酵後の生地をオー
ブンなどで焼成して得られるが、焼成以外の加熱が用い
られる場合もある。例えば、蒸しパンなどが具体例とし
て挙げられる。これまた従来法におけると同様である。
な、TGase、並びに小麦蛋白部分加水分解物、乳蛋
白部分加水分解物、大豆蛋白部分加水分解物及びその他
の蛋白部分加水分解物について以下に述べる。
質又はペプチド鎖内のグルタミン残基のγ−カルボキシ
アミド基と一級アミンとのアシル転移反応を触媒し、一
級アミンがタンパク質のリジン残基である場合は、ε−
(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させる作用を有
する酵素である。
e活性を有する限り、その起源を特に問わず、例えばス
トレプトベルチシリウム属(Streptoverti
cillium属)などに属する微生物由来のもの(B
TGaseと略記する。特開昭64−27471号公報
参照)、モルモットなどの哺乳動物由来のもの(GTG
aseと略記する。特開昭58−14964号公報参
照)、タラなどの魚類由来のもの(関信夫ら、日本水産
学会誌56巻1号125頁(1990))、血液中に存
在するもの(Factor XIIIとも称される)、その他遺伝
子組換え法で生産されるもの(例えば、特開平1−30
0889号公報、特開平5−199883号公報、特開
平6−225775号公報、WO93/15234等参
照)などを用いることができる。
記のいずれのTGaseも用いることができるが、実用
的な食品の利用の見地からは大量生産が可能で、安価に
入手しやすい微生物由来のものを使用することが好まし
い。
せる濃度(使用量)は、通常、主原料の穀粉に含まれる
タンパク質1g当たり0.02〜20U(ユニット)、
好ましくは0.05〜10Uの範囲で用いるのが好まし
い。0.02Uより低い濃度では期待されるTGase
使用の効果が得られず、逆に20Uより高い濃度では生
地が硬くしまりすぎて発酵工程において十分に伸びまた
は膨張することができずに、出来上がりの外観や食感な
どの品質が著しく劣るパン類製品となってしまう。尚、
上記範囲は一応の目安であり、必要により適宜変更を加
えてもよい。パン類は、世界中で古くから食べられてい
る主食であり、配合や製造方法なども様々な種類のパン
類が存在しているが、当業者であれば、前記使用量範囲
を参考にして若干の事前トライアルを行えば、適当なT
Gase使用量を容易に見い出すことができる。
は、次のようなヒドロキサメート法で測定され、かつ、
定義される。すなわち、温度37℃、pH6.0のトリ
ス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系
で、TGaseを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸
をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体にし、次に、525n
mにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線
により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成
せしめた酵素量をTGaseの活性単位、即ち1ユニッ
ト(1U)と定義する(前掲特開昭64−27471号
公報参照)。
る。蛋白部分加水分解物の原料となる蛋白源としては、
小麦蛋白、乳蛋白、大豆蛋白、ゼラチン、コラーゲン、
トウモロコシ蛋白などを挙げることができるが、小麦蛋
白及び乳蛋白由来の部分加水分解物が好ましい。
明する。本発明に用いる小麦蛋白部分加水分解物として
は、小麦グルテンを酵素、酸、アルカリなどにより部分
加水分解されたものを用いることができる。特に制限は
ないが、通常は脱アミド化率が5〜70%の範囲のもの
を小麦蛋白部分加水分解物として用いればよい。脱アミ
ド化率とは、通常、タンパク質を酸、アルカリ、又は酵
素の触媒作用によって加水分解して生成するα-アミノ
酸の生成の度合を表す指標である。あるいは、平均分子
量約500〜80,000の小麦蛋白部分加水分解物を
用いることができる。なお、このような脱アミド化率及
び平均分子量の範囲は、あくまで一応の目安であって、
厳密にこれらに限定されるわけではない。なおまた、市
販されている、例えば、DMV International社製の「グ
ルタミンペプチド」や(株)片山化学工業研究所製の
「グレバール」も、小麦蛋白部分加水分解物であるの
で、本発明でいう小麦蛋白部分加水分解物に含まれる。
する。ここに、乳蛋白とは、カゼイン及びその塩類、全
脂粉乳、脱脂粉乳などの乳成分組成物をいう。加水分解
物を得るためにはいずれを原料としても良いが、一般的
には、カゼインナトリウム等の塩類が作業性等から適当
である。本発明に用いる乳蛋白部分加水分解物として
は、乳蛋白を酵素、酸、アルカリ等により加水分解した
ものを用いることができる。特に制限はないが、通常は
脱アミド化率が10〜40%の範囲のものあるいは平均
分子量約500〜20,000の範囲のものを乳蛋白部
分加水分解物として用いればよい。これらの範囲はあく
まで一応の目安であって、厳密にこれらに限定されるわ
けではない。なおまた、市販の乳蛋白部分加水分解物
「ユニフィックス」(日本新薬(株)製)も、もちろん
使用することができる。
る。大豆蛋白としては、分離大豆蛋白、抽出大豆蛋白、
大豆ホエー蛋白などを挙げることができる。これらの蛋
白の加水分解方法や加水分解度には特別の制限はなく、
先に説明した小麦蛋白部分加水分解物や乳蛋白部分加水
分解物の場合に準ずることができる。
したような天然の蛋白質の蛋白部分加水分解物以外にも
市販されているリジンペプチドなどのペプチドもこれら
の同効物として使用することができる。そこで、本発明
にいう蛋白部分加水分解物には、便宜上、その他の蛋白
部分加水分解物として、単一のアミノ酸からなるこれら
のリジンペプチドなどのペプチドも含めることにする。
部分加水分解物、大豆蛋白部分加水分解物及びその他の
蛋白部分加水分解物は、それぞれ、単独で用いることも
できるし、2種以上を併用することもできる。それらの
使用量(添加量)は、4種類の蛋白部分加水分解物の合
計量として、通常、主原料の穀粉中のタンパク質1g当
たり0.01mg〜1gであり、好ましくは0.05m
g〜0.1gである。添加量が前記範囲より少ない場合
には、TGaseがタンパク質を架橋して生地を硬くし
める効果が大きく出すぎて、生地が発酵工程で十分に膨
張することができなかったり、最終製品の食感も硬すぎ
て口当たりが悪く、内相(できあがった製品内部の外
観)もキメが不均一で良くない、などの不都合が生じ、
一方、多い場合には、異風味が生じたりするなどの不都
合が生じ、いずれも、本発明の目的を十分に達成するこ
とはできない。
たっては、必須の有効成分であるTGase並びに小麦
蛋白部分加水分解物、乳蛋白部分加水分解物、大豆蛋白
部分加水分解物及びその他の蛋白部分加水分解物の1種
以上を、それぞれ、適当な量を計量し、その他の主副原
材料と共に混合し、混捏して、通常のパン類製造方法に
従って製造できる。TGase及び蛋白部分加水分解物
の添加混合の具体的方法としては、1)主たる原材料で
ある穀粉、例えば小麦粉とあらかじめ混合しておく、
2)使用する水にあらかじめ溶解しておく、などを例示
することができる。この場合、TGase及び蛋白部分
加水分解物は、後に述べる本発明のパン類製造用酵素製
剤の形態であってもよいことは、もちろんである。
部分加水分解物の効果は、TGaseの酵素反応が生地
混捏中及び発酵中に進行することで発揮される。酵素作
用の発現には、一般に、酵素と基質の混合物を酵素作用
の発現に適する温度、時間などの条件下に保持する必要
がある。パン類は製品の種類によって、様々な混捏条
件、発酵条件をとるが、通常実施されているパン類の製
造法であれば、TGaseの酵素作用の発現の条件、延
いては本発明の効果が十分得られるだけの温度条件、反
応時間などが、特別にそのような条件やそのための独立
の工程を考えなくても、そのような製造法において自然
に満足されまたは確保できるので、あらゆるパン類に本
発明の方法は容易に適用できる。
る場合、上に述べたように、TGase及び蛋白部分加
水分解物を必須の有効成分とし、必要に応じてまたは所
望によりその他の素材とあらかじめ適当量で配合された
酵素製剤を調製し、それを原材料の一つとして用いるこ
とによって製造することができる。
素製剤について説明する。
部分加水分解物を必須の有効成分とするが、それ以外
に、従来この分野の酵素製剤の調製に使用されているあ
るいはパン類製造の副原料として使用されている下記の
ような種々の任意成分を使用することができる。
糖、蔗糖、マルチトール、ソルビトール、デキストリ
ン、分岐デキストリン、サイクロデキストリン、澱粉
類、多糖類、ガム類、ペクチン等を含有させることがで
きる。澱粉類の例としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱
粉、タピオカ澱粉などの天然物の澱粉や、各種化工澱粉
が挙げられる。多糖類、ガム類の例としては、カラギー
ナン、グアガム、アラビアガム、キサンタンガム、など
が挙げられる。
材、例えば、乳タンパク質、小麦タンパク質(グルテ
ン)、大豆タンパク質、ゼラチン、卵白などを含有させ
ることができる。特に、乳タンパク質及びまたは小麦タ
ンパク質(グルテン)を配合することは、本発明の酵素
製剤の効果をより大きく発揮させる為に有効である。
ン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの
塩類なども本酵素製剤に配合してもよい。酵素活性を安
定化させることが期待できる。
ラーゼ、β-アミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミ
ラーゼ、ヘミセルラーゼ、並びに市販されている各種の
プロテアーゼ、等の酵素類を配合してもよい。更には、
パーオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ポリフェ
ノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、などの酸化酵
素も配合することができる。ここに挙げた酵素類以外に
も目的に応じて各種酵素を使用することができ、特に限
定されるものではない。TGaseを除くこれらの酵素
類は、既にパン類の品質改良効果が認められているもの
もある。これら酵素類を本発明の酵素製剤に配合すれ
ば、そうした既知の酵素の品質改良効果と、本発明で新
たに見いだされたTGaseの品質改良効果の、両方の
効果(相加効果あるいは相乗効果)なども期待できる。
アスコルビン酸及びその塩類、乳化剤、油脂なども本発
明の酵素製剤に適宜に配合しても差し支えない。
としては、先に言及したように、一般にパン類に添加で
きるものを用いることができ、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、ステアリル有機酸エステルなどが挙
げられる。
Gase及び蛋白部分加水分解物の配合量については、
特に制限はなく、TGase並びに小麦蛋白部分加水分
解物、乳蛋白部分加水分解物、大豆蛋白部分加水分解物
及びその他の蛋白部分加水分解物、それぞれの配合量や
比率を適宜調節することで、目的とする品質改良効果を
得ることができる。TGaseとしては、例えば1,0
00U/gの比活性のTGase標品であれば、通常、
酵素製剤に重量比で0.5%〜20%、好ましくは1%
〜10%の割合で配合することができる。また、蛋白部
分加水分解物は、通常、0.1〜50%、好ましくは
0.5〜20%の割合で配合することができる。
を改良する各種の添加剤をブレンドした製剤が、いわゆ
る「イーストフード」として市販され利用されている。
パン製造に使用される各種添加剤は添加濃度も微量であ
り、製造現場での計量の手間を省くためにも、これらを
ブレンドした各種イーストフードが利用されている。こ
のイーストフードの構成成分として、本発明の酵素製剤
の有効成分であるTGase及び小麦蛋白部分加水分解
物、乳蛋白部分加水分解物などの蛋白部分加水分解物を
配合したものも、本発明のパン類製造用酵素製剤の範疇
に入る。このようなものとしては、例えば、現在パン業
界で使用されイーストフードの成分としても広く知られ
ている、硫酸カルシウム、塩化アンモニウム、食塩、澱
粉、アミラーゼ、プロテアーゼ、などに加えて、TGa
se及び小麦蛋白部分加水分解物、乳蛋白部分加水分解
物などの蛋白部分加水分解物を配合した酵素製剤を挙げ
ることができる。
特別の制限はなく、全て従来のこの分野の酵素製剤の調
製法に準ずることができる。
の酵素製剤を適当量計量し、その他の原材料と共に混合
し、混捏して、通常のパン類製造方法に従って製造でき
る。この酵素製剤の添加の具体的方法としては、TGa
se並びに小麦蛋白部分加水分解物、乳蛋白部分加水分
解物、大豆蛋白加水分解物及び/又はその他の蛋白部分
加水分解物を特別に酵素製剤の形態とすることなく使用
する場合と同じく、1)主たる原材料である穀粉、例え
ば小麦粉とあらかじめ混合しておく、2)使用する水に
あらかじめ溶解しておく、などを例示することができ
る。
ase及び蛋白部分加水分解物の効果は、先に説明した
ように、TGaseの酵素反応が生地混捏中及び発酵中
に進行することで発揮される。パン類は製品の種類によ
って、様々な混捏条件、発酵条件をとるが、通常実施さ
れているパン類の製造法であれば、本発明の効果が十分
得られるだけの温度条件、反応時間を確保できるので、
あらゆるパン類に本発明の方法が容易に適用できること
は、これまた先に説明したところと同様である。
造法は、トランスグルタミナーゼと蛋白部分加水分解物
の使用により従来法に若干の変更の伴うことがあるが、
その例として加水量を変更することのできることがあ
る。そこで、第三に、これについて説明する。
るためにより有効な工夫として、本発明によらないで通
常のパン類を製造する場合(以下、これを常法と記載す
る)に比べて、使用する水の量を増加させた上で、TG
ase並びに小麦蛋白部分加水分解物、乳蛋白部分加水
分解物、大豆蛋白部分加水分解物及び/又はその他の蛋
白部分加水分解物を使用してパン類を製造すると、さら
に良い効果が得られることを見いだした。
る主原料穀粉の種類、グレード、配合原材料、最終製品
の種類、などによって、混捏工程終了時に最適の生地物
性を示すように加える水の量、即ち加水量を決定する。
こうして決定される最適の加水量が本発明でいう「常法
の加水量」である。この加水量は、パン類製造の当業者
であれば、経験的に、または、数回の試験生産により決
定することができる。製造する日の温度、湿度、などに
よっても加水量の増減が行われる場合がある。最適の加
水量よりも少ない場合には、生地の伸びは悪く硬すぎる
出来上がりになるし、最適の加水量よりも多すぎる場合
には、生地が柔らかすぎて成型がうまくできなかったり
ガスの保持力が低下して膨らみが悪かったりしてしま
う。
類を製造する場合には、常法の加水量よりも、小麦粉な
どの主原料当たりの加水量として10%程度まで多くす
ることができることを見いだした。つまり、常法で例え
ば対小麦粉62%の加水で製造するべきパンの場合に
は、本発明の技術によって製造するときは最大で対小麦
粉約72%の加水を加えることができる。このことは、
より少ない小麦粉などの原料粉の使用量で、より多い生
地、従ってより大量のパン類を製造できることを意味
し、経済的な効果及び資源の有効活用の点からも明らか
に優れている。また、このようにして製造されるパン
は、ダイエットなどの健康志向にも適う。
を多くした方がより大きい品質改良効果を得ることがで
きた。例えば、冷凍パン生地や、種々の添加剤、特に乳
化剤を使用しない食パン製品などである。冷凍パン生地
では、加水量を多くして本発明の方法で生地を製造する
と、冷凍後に解凍焼成した時に常法よりも容積が大きく
外観が優れた製品が得られた。また、通常、乳化剤を添
加しない食パンはしっとり感が少なく、スライスした後
に表面がぱさつきやすいという欠点があるが、加水量を
多くして本発明の技術によって製造された食パンは、し
っとりとした好ましい食感をより長く保持することがで
きた。
て得られるより大きい品質改良効果は、加水量を多くす
る他は先に述べたところと全く同じである。TGase
及び蛋白部分加水分解物を、それぞれ、適当な量を計量
し、その他の原材料と共に混合し、混捏して、通常のパ
ン類製造方法に従って製造する方法、及び、TGase
及び蛋白部分加水分解物を成分として必要に応じてその
他の素材とあらかじめ適当量で配合された酵素製剤を、
原材料の一つとして用いることによって製造する方法、
のどちらにでも適用することができる。
いては、冷凍耐性に優れるので(後掲実施例1参照)製
造工程における適当な段階で冷凍保存しまたは冷凍品と
して流通に置くこともできる。具体的には、例えば、捏
ねあげ後の生地の状態、分割し成型した生地の状態、二
次発酵(いわゆるホイロ)後の状態、一部あるいは完全
に焼成した製品の状態、で冷凍して流通に置かれる。
は、もちろん、パン加工品としての利用もできる。具体
的には、パン類を粉砕してフライなどの衣として利用で
きるパン粉、細断して必要に応じて油ちょう及び/また
は乾燥したクルトン、などである。
る。もちろん、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
地の調製) 強力粉600g、イースト4.2gおよび水350gを
混捏し、18℃で20時間発酵室で発酵させて中種を調
製した。これに、強力粉400g、食塩18g、砂糖5
0g、ショートニング80g、脱脂粉乳20g、イース
トフード「オリエンタルC」1.5g、イースト50
g、TGase12.5ユニット、小麦蛋白部分加水分
解物(DMV International製「グルタミンペプチド」)
0.00625gおよび水330gを加え、ミキサーで
混捏して、生地を調製した。なお、この場合、小麦粉中
の蛋白1g当たり、TGaseの添加量及び小麦蛋白部
分加水分解物の添加量は、それぞれ、0.1U及び0.
0525mgであった。
となる。あらかじめ、TGase及び小麦蛋白部分加水
分解物を添加しない配合(従来法)で事前テストを行っ
たところ、成型に適した生地の状態にする為には、加水
量は対小麦粉62%が最適であった。この62%がこの
場合の常法での加水量である。本実施例では全体の加水
量は対小麦粉で68%であり、通常に比べ6%もの加水
アップである。
割してベンチタイム15分をとり、ロールに成型した。
その後すばやく急速冷凍を行って冷凍ロールパン生地と
した。
麦蛋白部分加水分解物を添加しない以外は、実施例1と
まったく同様にしてロールパン生地を調製し、急速冷凍
して冷凍ロールパン生地とした。
外は、実施例1とまったく同様にして(即ち、加水は6
8%)、ロールパン生地を調製し、急速冷凍して冷凍ロ
ールパン生地とした。
℃で2時間解凍処理した後に、35℃で45分間のホイ
ロ発酵を行い、次いで200℃で13分間焼成した。焼
成後、冷却してから体積を測定し、また、内相の様子や
食感も官能評価した。
水を多くしただけの比較例1の生地の場合(比較品)
は、生地が柔らかくなりすぎて成型が難しく、また、冷
凍期間が10日までであれば対照例1の生地の場合(対
照品)よりも容積の大きい製品となるが、冷凍期間が2
0日間になると生地の膨らみが悪くなり、冷凍による品
質低下が顕著であった。これに対して、実施例1の生地
の場合(本発明品)は、冷凍20日たっても、対照例1
及び比較例1の生地の場合よりも容積の大きい製品とな
り、生地の冷凍耐性が向上した優れた品質であった。ま
た、内相や食感についても、本発明品は対照品に劣らな
いばかりか、歯切れがよく、内相もキメが細かく好まし
かった。このことは、一定量の原料から、食感および外
観(大きさ)の点で同等以上のロールパンがより多い個
数、即ち対照品よりも6%多い個数製造できることにな
る。
(a)〜(d)で配合することにより調製した。なお、
トランスグルタミナーゼとしてはストレプトベルチシリ
ウム属(Streptoverticillium属)
に属する微生物起源のトランスグルタミナーゼの、1g
中に1,000ユニットのTGase活性が検出される
標品を用いた。また、小麦蛋白部分加水分解物としては
「グルタミンペプチド」(DMV International製)を使
用し、そして乳蛋白部分加水分解物としては「ユニフィ
ックス」(日本新薬(株)製)を使用した。
製造(ストレート法)) 強力粉1,000g、バター61g、砂糖46g、脱脂
粉乳16g、食塩18g、イースト11g、実施例2で
調製した本発明のパン用酵素製剤(a)または(b)ま
たは(c)または(d)を0.7g、および水670g
を混合してパン生地を調製した。次いで、これを28℃
で一次発酵を行い、その後分割して一定重量ずつプルマ
ン型(角食パン型)に入れてベンチタイムを15分と
り、ホイロ発酵を38℃で40分行った。これを、20
0℃で30分間オーブンで焼成した。
事前テストを行ったところ、成型に適した生地の状態に
する為には、加水量は対小麦粉62.5%が最適であっ
た。なお、本実施例では、この常法の加水量である6
2.5%(実施例3の1〜4)と、4.5%の加水アッ
プを行った67%の加水量(実施例3の5〜8)の両方
で食パンを調製した。
場合の、小麦粉の蛋白1g当たりのTGase及び蛋白
部分加水分解物の量は、下記第3表の通りであった。
素製剤を添加しない以外は、実施例3とまったく同様に
して食パンを調製した。
たく同様にして(即ち、加水は68%)食パンを調製し
た。
た。スライスしてから2日間放置し、内相の様子や食感
も官能評価した。結果を下記第4表に示した。
品グループで加水量が常法の62.5%のもの(実施例
3の1〜4)は、いずれも焼き上がりの体積は対照例2
(対照品)よりも若干増加した。また、本発明の酵素製
剤を使用せずに加水を多くした比較例2(比較品)は、
生地のガス保持力が低下し焼き上がりの体積は対照品よ
り著しく減少してしまった。一方、加水を多くした実施
例3の本発明品グループ(実施例3の5〜8)では、焼
き上がりの体積は対照品及び比較品よりも大きく、対照
品に対して8〜10%増加していた。このことは、少な
い原材料で多くの食パンが製造できることを示す。
(実施例3の5〜8)では乳化剤を添加しない配合であ
るにもかかわらず、スライスして放置した後もしっとり
としてかつ弾力に富み、好ましい食感を保っていた。対
照品と比較品は、スライスして放置すると、表面がぱさ
つきやすく、食感全体としても劣っていた。本実施例で
のパン類製造条件においては、本発明の効果は常法の加
水量でも発揮されるが、加水量を増加した時にはより大
きな本発明の効果が得られていた。
TGaseの使用効果が顕著に改善され、延いては品質
に優れるパン類を容易に製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】原料として、主原料である穀粉に、他の副
原料と共に、トランスグルタミナーゼ及び蛋白部分加水
分解物を添加混合して使用することを特徴とするパン類
の製造方法。 - 【請求項2】常法の加水量よりも多い水を使用すること
を特徴とする請求項1記載のパン類の製造方法。 - 【請求項3】トランスグルタミナーゼ及び蛋白部分加水
分解物を有効成分として含有することを特徴とする酵素
製剤。 - 【請求項4】請求項1または2に記載の製造方法におけ
る生地以後の中間製品あるいは焼成した後の最終製品の
冷凍品であることを特徴とするパン類。
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