JPH11243847A - ピザ類用穀粉組成物 - Google Patents

ピザ類用穀粉組成物

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JPH11243847A
JPH11243847A JP10069303A JP6930398A JPH11243847A JP H11243847 A JPH11243847 A JP H11243847A JP 10069303 A JP10069303 A JP 10069303A JP 6930398 A JP6930398 A JP 6930398A JP H11243847 A JPH11243847 A JP H11243847A
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泰男 稲垣
Yoshiko Kawamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サクみがあって、軽く、歯切れの良い、食感
に優れるピザ類を、ピザ類用生地の製造時の作業性、生
地の取り扱い性および保形性を従来よりも向上させなが
ら円滑に得ることのできるピザ類用生地の製造方法、そ
れに用いるピザ類用穀粉組成物の提供。 【解決手段】 穀粉原料の全重量に基づいて、デュラム
小麦粉を10〜40重量%および熱処理小麦粉を5〜4
0重量%の割合で用いてピザ類用生地を製造する方法、
前記ピザ類用生地の製造に用いる穀粉原料の全重量に基
づいてデュラム小麦粉を10〜40重量%および熱処理
小麦粉を5〜40重量%の割合で含有するピザ類用穀粉
組成物により上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピザ類用穀粉組成
物、ピザ類用生地の製造方法、それにより得られるピザ
類用生地、および前記生地を用いて得られるピザ類に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活の洋風化、オーブンやオー
ブンレンジ等の普及によって、ピザパイが広く食される
ようになっており、さらにピザパイ以外に、グリッシー
ニ、フォカッチャ、ピアーダなどの他のピザ類も普及し
てきている。ピザ類は、従来パン類やケーキ類の製造に
用いられているのと同種の小麦粉を用いて製造されてお
り、特にサクサクとしていて且つある程度の噛みごたえ
のあるピザ類を得るためには、一般に強力小麦粉と薄力
小麦粉を併用するかまたは強力小麦粉を使用することが
行われている。
【0003】しかしながら、強力小麦粉と薄力小麦粉を
併用するかまたは強力小麦粉を用いて得られるピザ類
は、未だ粘りがあって硬く、サクみの点で十分に良好で
あるとはいえず、しかも風味の点でも十分に満足のゆく
ものではない。その上、これらの小麦粉を使用してピザ
類を製造する場合は、生地が硬すぎるかまたはベたつい
たものとなり易く、そのために生地の取り扱い性が十分
に良好であるとはいえず、生地のまとまり、延び、保形
性が不十分であり、ピザ類を製造する際の作業性の低
下、成形した生地の形崩れなどを生じ易いという欠点が
あった。
【0004】
【発明の内容】上記の状況下に、本発明者らは、食感お
よび風味に優れたピザ類を得ることを目的として、さら
には生地のまとまり、延び、保形性などに優れていて、
ピザ類用生地を製造する際の作業性や保形性を良好なも
のにすることのできるピザ類の製造技術を開発すること
を目的として研究を行ってきた。その結果、ピザ用の穀
粉原料として、デュラム小麦粉を30〜70重量%の割
合で含む小麦粉組成物を用いてピザを製造すると、強力
小麦粉と薄力小麦粉を併用するかまたは中力小麦粉を用
いて得られる上記した従来のピザに比べて、喫食したと
きに過度の粘りがなくて歯切れおよび口溶けがよく、適
度な硬さを有し、且つ風味の点においても優れるピザが
得られることを見出して先に出願した(特開平3−91
435号公報)。
【0005】そして、本発明者は、上記した特開平3−
91435号の発明に基づいてさらに検討を重ねてき
た。その結果、ピザ類を製造する際に、汎用の小麦粉に
対してデュラム小麦粉を単独で用いるのではなく、ピザ
類の製造に用いる穀粉原料の全重量に基づいて、デュラ
ム小麦粉を10〜40重量%および熱処理小麦粉を5〜
40重量%の割合で用いると、サクみに一層優れてい
て、軽く、食感のより良好なピザ類が得られること、し
かも生地のまとまりおよび延びが一層良くなって、ピザ
類を製造する際の作業性、生地の取り扱い性、保形性が
一層良好になることを見出して本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、穀粉原料の全重量に
基づいて、デュラム小麦粉を10〜40重量%および熱
処理小麦粉を5〜40重量%の割合で含有することを特
徴とするピザ類用穀粉組成物である。
【0007】そして、本発明は、上記のピザ類用穀粉組
成物を用いて常法に従ってピザ類用生地を製造する方法
である。さらに、本発明は、生地の製造に用いる穀粉原
料の全重量に基づいて、デュラム小麦粉を10〜40重
量%、熱処理小麦粉を5〜40重量%および他の穀粉類
を20〜85重量%の割合で使用して、それらを同時に
または任意の順序で混合し、常法に従ってピザ類用生地
を製造する方法である。
【0008】そして、本発明の上記の方法により得られ
るピザ類用生地、および該ピザ類用生地を用いて得られ
るピザ類を包含する。
【0009】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明は、ピザ類用穀粉組成物、ピザ類用生地およびその
製造方法、並びにそれにより得られるピザ類に関するも
のであり、本発明でいう「ピザ類」とは、ピザパイ、グ
リッシーニ、フォカッチャなどのような、サクサクとし
た(サクみのある)軽い食感を有する、イタリアを起源
とする、比較的厚さの薄い、穀粉類を主体とする焼成食
品をいう。
【0010】本発明で用いるデュラム小麦粉は、デュラ
ム小麦を製粉して得られる小麦粉である。デュラム小麦
は、植物学的に分類した場合に「二粒系小麦」に属し4
組のゲノムを有しており、強力小麦粉、準強力小麦粉、
中力小麦粉、薄力小麦粉などの汎用の小麦粉の原料であ
る普通系小麦と植物学的に異なる品種である。本発明で
用いるデュラム小麦粉は、デュラム小麦から得られた小
麦粉であればいずれでもよく、その原産地や製粉方法な
どは特に制限されない。また、本発明で用いるデュラム
小麦粉の粒度なども特に制限されない。
【0011】本発明で用いる熱処理小麦粉は、普通系小
麦を製粉して得られる上記した汎用小麦粉、またはそれ
らの2種以上の混合粉を熱処理して得られた小麦粉であ
る。本発明で用いる熱処理小麦粉は、前記した汎用の小
麦粉の熱処理粉のいずれであってもよいが、薄力小麦粉
を熱処理したものが、生地の取り扱い易さから好ましく
用いられる。
【0012】本発明では、熱処理小麦粉として、小麦粉
中に含まれる澱粉が実質的にα化されておらず且つその
グルテンバイタリティが未処理小麦粉のグルテンバイタ
リティを100としたときに70〜95である熱処理小
麦粉(特に熱処理薄力小麦粉)を用いることが好まし
く、特に、グルテンバイタリティが前記した70〜95
であり、且つグルテン膨潤度が未処理小麦粉のグルテン
膨潤度を100としたときに105〜160である熱処
理小麦粉(特に熱処理薄力小麦粉)を用いることがより
好ましい。グルテンバイタリティおよびグルテン膨潤度
の値が前記した範囲内にある熱処理小麦粉を用いると、
生地のまとまり、延びが一層良好になって、ピザ類用生
地の調製時の作業性、生地の取り扱い性および保形性が
良好になり、しかもサクみに優れ、軽く、良好な食感を
有するピザ類が円滑に得られる。グルテンバイタリティ
が上記した70〜95で且つグルテン膨潤度が上記した
105〜160である、本発明で好ましく用いられる上
記した熱処理デュラム小麦粉は、熱処理が施されてはい
ても、小麦粉中に含まれている澱粉が実質的にα化され
ておらず、かかる点で小麦粉中に含まれる澱粉をα化す
るための汎用の熱処理とその内容が大きく異なってい
る。
【0013】なお、本発明でいう小麦粉の「グルテンバ
イタリティ」および「グルテン膨潤度」は下記のように
して測定される。
【0014】[グルテンバイタリティの測定法] (1)小麦粉の可溶性粗蛋白含量の測定: (a) 100mlのビーカーに試料を2g精秤して入
れる。 (b) 上記のビーカーに0.05規定酢酸40mlを
加えて、室温で60分間撹拌して懸濁液を調製する。 (c) 上記(b)で得た懸濁液を遠沈管に移して、5
000rpmで5分間遠心分離を行った後、濾紙を用い
て濾過し、濾液を回収する。 (d) 上記で用いたビーカーを0.05規定酢酸40
mlで洗って洗液を遠沈管に移して、5000rpmで
5分間遠心分離を行った後、濾紙を用いて濾過し、濾液
を回収する。 (e) 上記(c)および(d)で回収した濾液を一緒
にして100mlにメスアップする。 (f) ティケーター社(スウェーデン)のケルテック
オートシステムのケルダールチューブに上記(e)で得
られた液体の25mlをホールピペットで入れて、分解
促進剤(日本ゼネラル株式会社製「ケルタブC」;硫酸
カリウム:硫酸銅=9:1(重量比)]1錠および濃硫
酸15mlを加える。 (g) 上記したケルテックオートシステムに組み込ま
れているケルテック分解炉(DIGESTION SYSTEM 20 1015
型)を用いて、ダイヤル4で1時間分解処理を行い、
さらにダイヤル9または10で1時間分解処理を自動的
に行った後、この分解処理に続いて連続的に且つ自動的
に、同じケルテックオートシステムに組み込まれている
ケルテック蒸留滴定システム(KJELTEC AUTO 1030 型)
を用いて、その分解処理を行った液体を蒸留および滴定
して(滴定には0.1規定硫酸を使用)、下記の式によ
り試料の可溶性粗蛋白含量を求める。
【0015】
【数1】可溶性粗蛋白含量(%)=0.14×(T−B)×
F×N×(100/S)×(1/25) 式中、 T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(ml) B=ブランクの滴定に要した0.1規定硫酸の量(m
l) F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定す
るかまたは力価の表示のある市販品を用いる) N=窒素蛋白質換算係数(5.70) S=試料の秤取量(g)
【0016】(2)小麦粉の全粗蛋白含量の測定: (a) 上記(1)で用いたのと同じティケーター社の
ケルテックオートシステムのケルダールチューブに、試
料を0.5g精秤して入れ、これに上記(1)の(f)
で用いたのと同じ分解促進剤1錠および濃硫酸5mlを
加える。 (b) 上記(1)で用いたのと同じケルテックオート
システムのケルテック分解炉を用いて、ダイヤル9また
は10で1時間分解処理を行った後、この分解処理に続
いて連続的に且つ自動的に、同じケルテックオートシス
テムに組み込まれている上記(1)で用いたのと同じケ
ルテック蒸留滴定システムを用いて、前記で分解処理を
行った液体を蒸留および滴定して(滴定には0.1規定
硫酸を使用)、下記の式により試料の全粗蛋白含量を求
める。
【0017】
【数2】 全粗蛋白含量(%)=(0.14×T×F×N)/S) 式中、 T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(ml) F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定) N=窒素蛋白質換算係数(5.70) S=試料の秤取量(g)
【0018】(3)グルテンバイタリティの算出:上記
(1)で求めた試料の可溶性粗蛋白含量および上記
(2)で求めた試料の全粗蛋白含量から、下記の式によ
り試料のグルテンバイタリティを求める。
【0019】
【数3】グルテンバイタリティ(%)=(可溶性粗蛋白
含量/全粗蛋白含量)×100
【0020】[グルテン膨潤度の測定法] (a) 300mlのビーカーに試料を10g精秤して
入れる。 (b) 上記のビーカーに0.02規定乳酸200ml
を加えて、撹拌した後1夜放置する。 (c) 上記(b)で得た懸濁液を遠心分離機にかけて
3000rpmで3分間遠心分離を行った後、デカンテ
ーションで上澄み液を捨て、倒立させて1分間静置し上
澄み液を十分に除去した後、反転させて下に沈殿した固
形分の重量(g)を測定し、下記の式によりグルテン膨
潤度を求める。
【0021】
【数4】グルテン膨潤度(倍)=W1/W0 式中、W0=試料の重量(g) W1=上記(c)で回収した固形分の重量(g)
【0022】本発明では熱処理小麦粉の粒度は特に制限
されないが、平均粒度が35〜60μのものが生地の扱
い易さの点から好ましく用いられる。
【0023】また、本発明で用いる熱処理小麦粉は、上
記した特性を有する熱処理小麦粉でありさえすればその
調製方法や熱処理方法などは何ら制限されず、例えば湿
式熱処理、乾式熱処理、乾湿式熱処理などのいずれの方
法で熱処理されたものであってもよい。本発明で用いる
熱処理小麦粉は、例えば、特開平8−84568号公報
に記載されている方法に準じて調製することができ、具
体的には小麦粉を飽和水蒸気を導入した加圧状態の密閉
系高速撹拌機中に導入し、65〜80℃の温度で短時間
熱処理することによって調製することができる。
【0024】本発明では、ピザ類用生地の製造に用いる
穀粉原料の全重量に基づいて、デュラム小麦粉を10〜
40重量%および熱処理小麦粉を5〜40重量%の割合
で使用することが必要であり、デュラム小麦粉を20〜
30重量%および熱処理小麦粉を10〜30重量%の割
合で用いることが好ましい。
【0025】デュラム小麦粉の使用割合が穀粉原料の全
重量に基づいて10重量%未満であると、デュラム小麦
粉無添加の生地と変わらない生地になって、生地のまと
まりおよび延びが十分に良好にはならず、しかもサクみ
に優れる、軽い食感のピザ類が得られにくくなる。一
方、デュラム小麦粉の使用割合が穀粉原料の全重量に基
づいて方40重量%を超えると硬い生地となり、やはり
生地のまとまりおよび延びが十分ではなくなり、しかも
その食感もサクみおよび軽さが不足したものとなる。
【0026】また、熱処理小麦粉の使用割合が穀粉原料
の全重量に基づいて5重量%未満であると、生地が熱処
理小麦粉無添加の生地と変わらない生地になって、生地
のまとまりおよび延びの向上効果が得られにくくなり、
しかもサクみのある軽い食感のピザ類が得られにくくな
る。一方、熱処理小麦粉の使用割合が穀粉原料の全重量
に基づいて40重量%を超えると、乾いた生地となり、
やはり生地のまとまりおよび延びの向上効果が得られに
くくなり、しかもサクみのある軽い食感のピザ類が得ら
れにくくなる。
【0027】また、本発明では、ピザ類の食感をサクみ
のある、軽い良好な食感にし、且つ生地製造時の取り扱
い性を良好なものとするために、デュラム小麦粉と熱処
理小麦粉の合計使用量が、穀粉原料の全重量に基づいて
15〜80重量%であることが必要であり、30〜60
重量%であることが好ましく、35〜55重量%である
ことがより好ましい。
【0028】本発明ではデュラム小麦粉および熱処理小
麦粉と共に、ピザ類の製造に通常用いられている他の穀
粉類を、穀粉原料の全重量に基づいて、20〜85重量
%の割合で使用する。他の穀粉類としては、小麦粉、大
麦粉、ライ麦粉、ソバ粉、コメ粉、小豆粉、大豆粉など
を挙げることができ、それらのうちでも小麦粉が好まし
く用いられる。小麦粉としては、強力小麦粉、薄力小麦
粉、準強力小麦粉、中力小麦粉などの汎用の小麦粉を挙
げることができ、これらの小麦粉は単独で用いても、ま
たは2種以上を併用してもよい。そのうち、強力小麦粉
と薄力小麦粉の併用、準強力小麦粉または中力小麦粉の
単独使用、準強力小麦粉と中力小麦粉の併用、準強力小
麦粉と薄力小麦粉の併用などが好ましく、強力小麦粉と
薄力小麦粉の併用がより好ましい。強力小麦粉と薄力小
麦粉を併用する場合は、強力小麦粉:薄力小麦粉の使用
割合が、重量比で、50:50〜85:15であること
が、得られるピザ類の食感が良好になり且つ生地のまと
まりや延びが良くなる点から特に好ましい。
【0029】さらに、本発明では、上記した穀粉類と共
に、必要に応じてピザ類用生地の製造に従来から用いら
れている他の成分を用いることができ、他の成分として
は、例えば、食塩、イースト、イーストフード、ベーキ
ングパウダー、オリーブオイルやその他の油脂類、砂糖
やその他の糖類、脱脂粉乳やその他の乳製品、卵製品、
香料、ガム類などの保水剤、乳化剤、活性グルテンなど
の蛋白強化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄
養強化剤、保存剤、酵素剤などを挙げることができ、こ
れらの成分の1種または2種以上を用いることができ
る。
【0030】上記した穀粉類および必要に応じて他の成
分を用いてピザ類用生地を調製する。生地の調製に当た
っては、(i)デュラム小麦粉を10〜40重量%、熱
処理小麦粉を5〜40重量%、汎用小麦粉などの他の穀
粉類を20〜85重量%、および必要に応じて乾燥状態
にある他の成分を混合して、ピザ類用穀粉組成物を予め
調製しておき、それを用いてピザ類用の生地を調製して
も、または(ii)生地の調製時に、生地の製造に用いる
穀粉原料の全重量に基づいて、デュラム小麦粉を10〜
40重量%、熱処理小麦粉を5〜40重量%、他の穀粉
類を20〜85重量%の割合で必要に応じて他の成分と
共に用いて、それらを同時にまたは任意の順序で混合し
てピザ類用生地を製造してもよい。
【0031】上記した(i)で得られるピザ類用穀粉組
成物は、そのままの状態で長期間安定して高い品質を保
つことができるので、ピザ類用ミックス粉として保存、
流通、販売することができる。このピザ類用穀粉組成物
を用いる場合は、ピザ類の製造時に個々の穀粉原料やそ
の他の成分をそれぞれ調達して所定の量で混合するとい
う手間を要することなく、サクみがあって軽い食感を有
する高品質のピザ類を簡単な工程で作業性良く直接製造
することができる。
【0032】前記した穀粉類および必要に応じて他の成
分をピザ類の製造時に混合してピザ類を製造するか、ま
たはそれらを予め混合した前記したピザ類用穀粉組成物
を用いてピザ類を製造する場合に、生地の調製法、その
後の調理工程などは特に制限されず、ピザ類の種類など
に応じて、従来から採用されているのと同様の方法によ
って行うことができる。
【0033】ピザパイの製造に当たっては、例えば、
(1)デュラム小麦粉、熱処理小麦粉および小麦粉から
なる穀粉原料に、砂糖、塩、オリーブオイルなどの油
脂、イースト、水などを混合し生地がまとまるまで混練
し、(2)まとまった生地を表面が滑らかになるまで捏
ね、(3)それを丸めて表面が乾燥しないようにしてラ
ップなどをかけて20〜40℃程度の温度に所定時間お
いて発酵させ、(4)軽くガス抜きをした後にふきんな
どをかけて所定時間ねかし(ベンチタイム)、(5)生
地を円形や方形などの任意の形状で且つ厚さが通常2〜
10mm程度である成形生地に延ばして成形し、次いで
(6)その生地にピザソースを塗り、チーズやその他の
トッピング材料を載せた後、(7)所定の温度で焼成す
るという一連の工程を採用してピザパイを製造すること
ができる。
【0034】また、フォカッチャの場合は、例えば、ピ
ザパイにおける上記(1)〜(3)と同様の工程を行っ
た後、それにより得られる生地を円形や方形などの任意
の形状で且つ厚さが通常10〜25mm程度である成形
生地に延ばして成形し、その上に厚手のふきんなどをか
けて所定時間発酵させ、次いで必要に応じて表面に数箇
所窪みなどをつけてからオリーブオイルを塗り、場合に
より塩やローズマリーを振りかけた後に所定の温度で焼
成するという一連の工程を採用してフォカッチャを製造
することができる。
【0035】さらに、グリッシーニの場合は、例えば、
ピザパイにおける上記(1)〜(3)と同様の工程を行
った後、それにより得られる生地を分割して長さが約1
0〜30cm、直径が約0.5〜1cm程度の棒状生地
に伸ばし、それに厚手のふきんなどをかけて所定時間発
酵させ、次いで必要に応じて表面に水を塗って、所定の
温度で焼成することによって製造することができる。
【0036】本発明では、上記により得られる、焼成前
の成形したピザ類用生地を、必要に応じてピザソースや
オリーブオイルを塗ったり、トッピング材料を載せた状
態で、常温、冷蔵温度または冷凍して保存、流通、販売
してもよい。また、本発明では、焼成工程を経て最終的
に得られたピザ類を常温、冷蔵温度、または冷凍して保
存、流通、販売してもよい。
【0037】
【実施例】以下に例を挙げて本発明について具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。
【0038】《参考例1》[熱処理小麦粉の調製] (1) 飽和水蒸気を吹き込んで加圧状態(1.2kg
・重/cm2)になっている特開平3−83567号公
報に記載されている密閉系高速撹拌機(日清エンジニア
リング株式会社製)中に、薄力小麦粉[日清製粉株式会
社製「フラワー」;上記方法で測定したグルテンバイタ
リティ=62.6%およびグルテン膨潤度=1.8
(倍)]を3000kg/時間の割合で供給し、棒状羽
根の先端部の周速度11m/秒、密閉系高速撹拌機中で
の薄力小麦粉の滞留時間6秒の条件下に湿熱処理して、
熱処理小麦粉を調製した(密閉系高速撹拌機の排出口に
おける熱処理小麦粉の品温75℃)。 (2) 上記(1)で得られた熱処理小麦粉のグルテン
バイタリティおよびグルテン膨潤度を上記した方法で測
定したところ、それぞれ58%および2.4(倍)であ
り、熱処理前の薄力小麦粉のグルテンバイタリティを1
00とした場合にそのグルテンバイタリティは92.7
であり、熱処理前のグルテン膨潤度を100とした場合
にそのグルテンバイタリティは133であった。
【0039】《実施例1》[ピザパイの製造] (1) デュラム小麦粉(日清製粉株式会社製「レオー
ネ」)、上記の参考例1で得られた熱処理小麦粉、強力
小麦粉(日清製粉株式会社製「カメリヤ」)および薄力
小麦粉(日清製粉株式会社製「フラワー」)を下記の表
2に示す割合で用いて、ピザ用穀粉組成物(ピザ用ミッ
クス粉)を調製した。 (2) 上記(1)で得られたピザ用穀粉組成物300
gに、砂糖6g、塩5g、オリーブオイル13g、ドラ
イイースト(日清製粉株式会社製「カメリヤドライイー
スト」)6gおよび水190gを加えて、軽く混ぜた
後、生地がまとまるまで捏ねた。 (3) 次に、上記(2)で得られた生地を、表面が滑
らかになるまで叩いたり、手で押しながら捏ねた。 (4) 上記得られた生地を丸めてボールに入れ、表面
が乾燥しないようにラップをかけて30℃の温度で40
分間発酵させた。 (5) 次いで、上記(4)で得られた生地を軽くガス
抜きをした後、ふきんをかけて25℃で20分間ねかし
た(ベンチタイム)。 (6) 上記(5)で得られた生地を2分割(260g
/個)して、直径約23cmの円形に手で伸ばして成形
した。
【0040】(7) 上記(6)で得られた円形生地の
表面にピザソースを50g/1枚の割合で塗った後、チ
ーズを50g/1枚の割合で載せて、250℃のガスオ
ーブンで7分間焼成してピザパイを製造した。 (8) 上記(7)で得られたピザパイの食感を下記の
表1に示す評価基準に従って5名のパネラーに点数評価
してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に
示すとおりであった。 (9) また、上記の工程(2)〜(7)は、熟練した
作業員5名のそれぞれが下記の表2に示す実験番号1〜
12の配合に関してすべて行い、ピザパイ製造時の生地
のまとまり易さおよび生地の伸ばし易さを下記の表1に
示す評価基準にしたがって評価してもらい、その平均値
を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0041】
【表1】 [生地の取り扱い性およびピザパイの食感の評価基準] 生地のまとまり易さ: 5点:生地の状態が極めて適切で極めてまとまり易い。 4点:生地の状態が適切でまとまり易い。 3点:標準的なまとまり易さである。 2点:生地が硬いかまたはべたついてまとめるのに手間がかかる。 1点:生地が極めて硬いかまたはべたつきが大きくてまとまらない。 生地の延ばし易さ: 5点:生地の状態が極めて適切で極めて延ばし易い。 4点:生地の状態が適切で延ばし易い。 3点:標準的な延ばし易さである。 2点:生地が硬いかまたはべたついて延ばすのがかなり困難である。 1点:生地が極めて硬いかまたはべたつきが大きくて延ばせない。 ピザパイの食感: 5点:サクみに優れ、軽く、極めて良好な食感である。 4点:ややサクみがあり、軽めの良好な食感である。 3点:標準的なサクみ、歯切れの食感である。 2点:やや硬く、歯切れのやや悪い、やや不良な食感である。 1点:硬く、歯切れの悪い、不良な食感である。
【0042】
【表2】
【0043】上記の表2の結果から、小麦粉(強力小麦
粉と薄力小麦粉)と共にデュラム小麦粉を10〜40重
量%および熱処理小麦粉を5〜40重量%の範囲で用い
てピザパイを製造している実験番号1〜3では、デュラ
ム小麦粉および熱処理小麦粉の両方を用いていない実験
番号4〜6、小麦粉(強力小麦粉と薄力小麦粉)と共に
デュラム小麦粉のみを用いている実験番号7〜9、およ
び小麦粉(強力小麦粉と薄力小麦粉)と共に熱処理小麦
粉のみを用いている実験番号10〜12に比べて、ピザ
パイのパイ台を製造する際に生地がまとまり易く且つ延
ばし易く、生地の取り扱い性に優れていること、しかも
得られるピザパイの食感がサクみがあって軽く、良好で
あることがわかる。
【0044】《実施例2》[ピザパイの製造] (1) 生地の製造に用いるピザパイ用穀粉組成物の組
成を下記の表3に示す内容に変えた以外は実施例1と同
様にしてピザパイを製造した。 (2) 上記(1)で得られたピザパイの食感を上記の
表1に示す評価基準に従って5名のパネラーに点数評価
してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に
示すとおりであった。 (3) 生地の取り扱い性の評価を上記の表1に示す評
価基準に従って実施例1と同様にして評価したところ、
下記の表3に示すとおりであった。
【0045】
【表3】
【0046】上記の表3の結果から、穀粉原料として小
麦粉、デュラム小麦粉および熱処理小麦粉を用いてピザ
パイを製造するに当たって、穀粉組成物の全重量に基づ
いて、デュラム小麦粉を10〜40重量%および熱処理
小麦粉を5〜40重量%の割合で用いている実験番号1
4〜17および実験番号20〜23の場合には、生地の
取り扱い性が良好であり、且つ得られるピザパイの食感
がサクみがあって軽く良好であること、特にデュラム小
麦粉を20〜30重量%および熱処理小麦粉を10〜3
0重量%の割合で用いている実験番号15〜16および
実験番号21〜22の場合には生地の取り扱い性が一層
良好になり且つ得られるピザパイの食感が一層良好にな
ることがわかる。
【0047】《実施例3》[フォカッチャの製造] (1) 実施例1で使用したのと同じデュラム小麦粉3
0重量部、上記の参考例1で得られた熱処理小麦粉10
重量部、実施例1で使用したのと同じ強力小麦粉40重
量部、および実施例1で使用したのと同じ薄力小麦粉2
0重量部を混合してピザ用穀粉組成物(ピザ用ミックス
粉)を調製した。 (2) 上記(1)で得られたピザ用穀粉組成物300
gに、砂糖6g、塩5g、オリーブオイル13g、ドラ
イイースト6gおよび水190gを加えて、軽く混ぜた
後、生地がまとまるまで捏ねた。 (3) 次に、上記(2)で得られた生地を、表面が滑
らかになるまで叩いたり、手で押しながら捏ねた。 (4) 上記得られた生地を丸めてボールに入れ、表面
が乾燥しないようにラップをかけて30℃の温度で40
分間発酵させた。 (5) 次いで、上記(4)で得られた生地を2等分し
て天板の上に載せ、厚さ約10mmの円形に延ばし、厚
手のふきんをかけて25℃で20分間ねかして発酵させ
た(ベンチタイム)。
【0048】(6) 上記(5)で得られた円形生地の
表面に指で数箇所窪みをつけた後、オリーブオイルを塗
り、200℃のオーブンで17分間焼成してフォカッチ
ャを製造した。 (7) 上記(6)で得られたフォカッチャの食感を上
記の表1に示す評価基準に従って5名のパネラーに点数
評価してもらい、その平均値を採ったところ、4.8点
であり、サクみがあって、軽い、良好な食感であった。 (8) また、フォカッチャの製造時における生地の取
り扱い性を上記の表1に示す評価基準に従って実施例1
と同様にして評価したところ、まとまり易さの平均点は
5.0点および延び易さの平均点は4.8点であり、生
地はまとまり易く且つ延びが良好で、取り扱い性に優れ
ていた。
【0049】《実施例4》[グリッシーニの製造] (1) 実施例1で使用したのと同じデュラム小麦粉2
0重量部、上記の参考例1で得られた熱処理小麦粉20
重量部、実施例1で使用したのと同じ強力小麦粉50重
量部、および実施例1で使用したのと同じ薄力小麦粉1
0重量部を混合してピザ用穀粉組成物(ピザ用ミックス
粉)を調製した。 (2) 上記(1)で得られたピザ用穀粉組成物300
gに、砂糖6g、塩5g、オリーブオイル13g、ドラ
イイースト6gおよび水190gを加えて、軽く混ぜた
後、生地がまとまるまで捏ねた。 (3) 次に、上記(2)で得られた生地を、表面が滑
らかになるまで叩いたり、手で押しながら捏ねた。 (4) 上記得られた生地を丸めてボールに入れ、表面
が乾燥しないようにラップをかけて30℃の温度で40
分間発酵させた。 (5) 次いで、上記(4)で得られた生地を60等分
して、長さが約20cmの棒状に伸ばし、それを天板の
上に間隔をおいて並べ、厚手のふきんをかけて℃で20
分間ねかして発酵させた(ベンチタイム)。
【0050】(6) 上記(5)で得られた棒状生地の
表面に水を塗り、180℃のオーブンで20分間焼成し
てグリッシーニを製造した。 (7) 上記(6)で得られたグリッシーニの食感を上
記の表1に示す評価基準に従って5名のパネラーに点数
評価してもらい、その平均値を採ったところ、4.6点
であり、サクみがあって、軽い、良好な食感であった。 (8) また、グリッシーニの製造時における生地の取
り扱い性を上記の表1に示す評価基準に従って実施例1
と同様にして評価したところ、まとまり易さの平均点は
5.0点および延び易さの平均点は4.6点であり、生
地はまとまり易く且つ良く延び、取り扱い性に優れてい
た。
【0051】
【発明の効果】本発明による場合は、サクみがあって、
軽く、歯切れの良い、食感に優れる、高品質のピザ類を
円滑に得ることができる。さらに、本発明による場合
は、生地のまとまり、延びが極めて良好であり、そのた
めに、ピザ類用生地の製造時の作業性、生地の取り扱い
性および保形性を従来よりも向上したものとすることが
できる。また、穀粉原料の全重量に基づいて、デュラム
小麦粉を10〜40重量%および熱処理小麦粉を5〜4
0重量%の割合で含有する本発明のピザ類用穀粉組成物
を用いる場合は、ピザ類の製造時にそれぞれの原料を別
途調達したり、所定の割合で混合する手間を要すること
なく、上記した食感に優れる高品質のピザ類を、良好な
作業性および生地の取り扱い性を保ちながら、極めて簡
単に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 美子 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社食品研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粉原料の全重量に基づいて、デュラム
    小麦粉を10〜40重量%および熱処理小麦粉を5〜4
    0重量%の割合で含有することを特徴とするピザ類用穀
    粉組成物。
  2. 【請求項2】 穀粉原料の全重量に基づいて、デュラム
    小麦粉を20〜30重量%および熱処理小麦粉を10〜
    30重量%の割合で含有する請求項1に記載のピザ類用
    穀粉組成物。
  3. 【請求項3】 前記熱処理小麦粉が、小麦粉中に含まれ
    る澱粉が実質的にα化されておらず、且つそのグルテン
    バイタリティが未処理小麦粉のグルテンバイタリティを
    100としたときに70〜95である熱処理小麦粉であ
    る請求項1または2に記載のピザ類用穀粉組成物。
  4. 【請求項4】 前記熱処理小麦粉のグルテン膨潤度が、
    未処理小麦粉のグルテン膨潤度を100としたときに1
    05〜160である請求項3に記載のピザ類用穀粉組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項のピザ類用
    穀粉組成物を用いて常法に従ってピザ類用生地を製造す
    る方法。
  6. 【請求項6】 生地の製造に用いる穀粉原料の全重量に
    基づいて、デュラム小麦粉を10〜40重量%、熱処理
    小麦粉を5〜40重量%および他の穀粉類を20〜85
    重量%の割合で使用して、それらを同時にまたは任意の
    順序で混合し、常法にしたがってピザ類用生地を製造す
    る方法。
  7. 【請求項7】 生地の製造に用いる穀粉原料の全重量に
    基づいて、デュラム小麦粉を20〜30重量%、熱処理
    小麦粉を10〜30重量%および他の穀粉類を40〜7
    0重量%の割合で使用する、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記熱処理小麦粉が、小麦粉中に含まれ
    る澱粉が実質的にα化されておらず、且つそのグルテン
    バイタリティが未処理小麦粉のグルテンバイタリティを
    100としたときに70〜95である熱処理小麦粉であ
    る請求項6または7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記熱処理小麦粉のグルテン膨潤度が、
    未処理小麦粉のグルテン膨潤度を100としたときに1
    05〜160である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項5〜9のいずれか1項に記載の
    方法により得られるピザ類用生地。
  11. 【請求項11】 請求項10のピザ類用生地を用いて得
    られるピザ類。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITPR20080046A1 (it) * 2008-08-01 2010-02-02 Alberto Colla Procedimento per fare la pizza a pasta alta o focacce e composizione alimentare per realizzare detto impasto.
JP2017517276A (ja) * 2014-05-08 2017-06-29 バリラ ジー. イー アール. フラテッリ エス.ピー.エー. 常温保存可能な包装されたそのまま食べられるフォカッチャの製造方法
WO2020110914A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 株式会社J-オイルミルズ ベーカリー食品の製造方法
JP2022099934A (ja) * 2020-12-23 2022-07-05 昭和産業株式会社 パン類用小麦粉、パン類用ミックス、パン類、及びパン類用小麦粉の製造方法

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