JPH11243965A - 高発現ベクタープラスミド用dna断片 - Google Patents

高発現ベクタープラスミド用dna断片

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JPH11243965A
JPH11243965A JP10066114A JP6611498A JPH11243965A JP H11243965 A JPH11243965 A JP H11243965A JP 10066114 A JP10066114 A JP 10066114A JP 6611498 A JP6611498 A JP 6611498A JP H11243965 A JPH11243965 A JP H11243965A
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英治 市川
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章嗣 川戸
Koji Suginami
孝二 杉並
Satoshi Imayasu
聰 今安
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 Aspergillus oryzaeのグルコアミラーゼ
B遺伝子(glaB)の5′側上流213bpより更に
上流350bpまで、あるいは、同じく254bpより
更に上流350bpまで、あるいは、同じく324bp
より更に上流350bpまでの非翻訳領域からなるDN
A断片。 【効果】 本DNA断片は、glaBプロモーターの中
心部分をなすものであって、同種及び/又は異種遺伝子
の効率的発現に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麹菌のグルコアミ
ラーゼ遺伝子B(glaB)のプロモーター領域及びこ
れを利用した同種又は異種遺伝子発現システムに関す
る。更に詳細には、本発明は、麹菌(Aspergillus oryz
ae)の固体培養で特に多量に発現しているglaB遺伝
子のプロモーター領域を利用し、同種又は異種遺伝子を
麹菌で効率的に発現させるシステムの構築に関するもの
であって、有用タンパク質の高生産を可能にするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の遺伝子組換え技術の発展ととも
に、ヒトの有用タンパク質が大腸菌や酵母を用いて生産
することが可能となってきた。しかし大腸菌を宿主とし
てヒトなどの真核生物由来の遺伝子を発現させた場合、
正常なプロセッシングが行われない、糖鎖が付着しない
などの問題点が指摘されている。また、酵母によって異
種タンパクの分泌生産を行う場合は、糖鎖結合はされる
ものの、その分泌量が非常に少ないという欠点を有す
る。そこで高いタンパク分泌能を持つ糸状菌が、真核生
物のタンパク発現の宿主として注目されてきた。なかで
も黄麹菌Aspergillusoryzaeは、清酒や味噌など醸造産
業上で長く使用された実績から、異種遺伝子発現への応
用に積極的に利用されている。既に、Mucor mieneiの酸
性プロテアーゼが麹菌(A. oryzae)を宿主として工業
生産されている。
【0003】異種タンパクを効率よく生産させるために
は、まず高い発現能力を有するプロモーターを検索する
必要がある。現在までにA. oryzaeから単離されたプロ
モーターでは、αアミラーゼ遺伝子、グルコアミラーゼ
遺伝子、αグルコシダーゼ遺伝子などが挙げられる。こ
れらのプロモーターを利用した異種タンパク生産につい
ても研究されているが、その培養方法は液体培養で行わ
れることがほとんどであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本来麹菌は、
液体培養に比べて固体培養の方がはるかに多量のタンパ
ク質を分泌するため、固体培養での物質生産を行った方
が高い生産性が期待できる。さらに固体培養で高発現す
るプロモーターが検索できれば、より一層生産量が上昇
すると考えられる。このような観点から、本発明は麹菌
における各種遺伝子の高発現システムを新たに開発する
目的でなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、固体培養
において特異的に大量発現する新しいグルコアミラーゼ
遺伝子glaBを発見し、そのプロモーター及び蛋白質
コード領域の塩基配列を決定するのに成功し、既に特許
出願を行った(特願平8−267701)。
【0006】このグルコアミラーゼB遺伝子glaB
は、既にA. oryzaeからクローニングされているグルコ
アミラーゼ遺伝子(glaA)とは異なる新規遺伝子で
あって、レポーター遺伝子を用いたプロモーター解析の
結果から、この新規glaB遺伝子のプロモーターは既
知のglaA遺伝子のプロモーターに比べて、固体培養
において200倍も強い発現能力を有することも発見
し、この新知見についても、本発明者らは既に特許出願
を行った(平成10年2月20日付「麹菌の培養方法」
に関する特許出願)。
【0007】本発明者らは、このglaB遺伝子が固体
培養で高発現するためには、この遺伝子のプロモーター
領域に高発現に必要な領域が存在すると考え、この観点
から、上記した本発明の目的を達成するためには、上記
領域をつきとめる必要を認めた。そこで本発明者らは、
glaB遺伝子のプロモーター領域を種々の方法にて解
析した結果、固体培養での高発現に必要な領域を特定す
るのに成功し、更に研究の結果、本発明の完成に至った
ものである。
【0008】この領域は、固体培養において発現を誘導
する正の転写因子と考えられ、この領域を利用すれば以
下のことが可能となる。この領域を他の遺伝子のプロ
モーター領域に挿入することにより、プロモーター活性
(特に固体培養での)を上昇させることができる。こ
の領域を複数連結してglaBプロモーターに挿入する
ことにより、glaBプロモーターの発現量をさらに上
昇させることができる。以下、本発明について詳述す
る。
【0009】まず、プロモーター解析を行うについて
は、glaB遺伝子プロモーターの下流域にレポーター
遺伝子を連結し、そのレポーター遺伝子産物の活性をプ
ロモーター発現の指標とする方法を採用した。
【0010】具体的には、図1に示すような、形質転換
用マーカーであるA. oryzae(硝酸還元酵素欠損変異
株)のniaD遺伝子(S. Unklesら、Mol. Gen. Gene
t., 218,p.99-104, 1989)と、レポーター遺伝子である
大腸菌のβ−グルクロニダーゼ(GUS)をコードする
uidA遺伝子(R. A. Jeffersonら、Proc. Natl. Aca
d. Sci., p.8447-8451, 1986)を含むベクターpNGU
Sを作製した。そして、uidA遺伝子の上流域に、g
laB遺伝子のプロモーター領域あるいはその一部分を
挿入して、プロモーター解析用プラスミドを構築した。
【0011】このプラスミドによりA. oryzae(Aspergi
llus oryzae GLB-01 : 本菌株は、工業技術院生命工学
工業技術研究所にFERM P−15826として寄託
されている)のniaD変異株(亜硝酸を資化できない
変異株:Nitrate Reductase欠損株)を形質転換し、導
入プラスミドが宿主染色体のniaD lociでlコ
ピーだけ導入された形質転換体を選択した。
【0012】これらの形質転換体のGUS活性を測定す
ることにより、プロモーター活性の指標とした。まずプ
ロモーター領域の上流から順次欠失したDNA断片を調
製し、固体培養と液体培養でプロモーター活性を比較し
た。その結果、−356まで欠失しても、固体培養での
高いプロモーター活性は変化がないが、さらに−213
まで欠失させるとその活性は急激に低下した。したがっ
てこの−355から−213の間に、固体培養での高発
現に重要な領域が含まれていると考えられた。次にこの
領域をglaAプロモーターに挿入し固体培養でのプロ
モーター活性を検討した。その結果、本来固体培養では
ほとんど発現しないglaAプロモーターが、この領域
を挿入することにより固体培養でglaBとほとんど同
程度の発現量をしめすようになった。
【0013】そこで、さらにこの−355から−213
の領域の中で、高発現に必要な領域の限定を試みた。そ
の結果、−350から−324の27塩基対の欠失だけ
でも固体培養での発現が大きく低下することが明らかと
なった。また、この領域を含む−350から−254の
97塩基対及び−350から−213の138塩基対を
glaAプロモーター領域に挿入した場合、いずれにお
いても、固体培養での発現能力を飛躍的に上昇させるこ
とができた。したがって、上記27塩基対はglaBプ
ロモーターのコアサイトまたは少なくともコアサイト関
連領域と認められ、このコアサイト領域を含む97塩基
対も高発現に関与する重要な領域と認められた。
【0014】以上のとおり、本発明者らは、glaBプ
ロモーター領域の中で、固体培養での高発現に重要な領
域を限定することに成功した。この領域は麹菌での転写
誘導を活性する因子であると考えられ、この領域を用い
ることにより高発現プロモーター構築が可能である。例
えば、glaAプロモーターにこの領域を挿入すること
により、固体培養での発現能を100倍以上に増加する
ことができる。また、この領域をglaBプロモーター
に挿入することにより、固体培養での発現能がさらに上
昇する。したがって、このような改変プロモーターを利
用することにより、A. oryzaeにおいて異種遺伝子タン
パク(酵素、その他生理活性物質)を高生産させること
ができる。
【0015】このように、このglaBプロモーター内
の転写活性を誘導する領域は、麹菌での高発現プロモー
ターの構築に有用で、広く外来遺伝子の発現に活用され
うるものである。なお、本発明に係るコアサイト、この
領域を含む97塩基対及び138塩基対からなる重要領
域は、実際の製麹に使用される野生株であるAspergillu
s oryzaeが有するglaB遺伝子(特願平8−2677
01:その塩基配列を図5に示す)に含まれているの
で、そこから切り出して使用してもよいし(野生株の1
例としては、A. oryzae GLB-01(FERM P-15826)が例示
される)、常法にしたがって合成してもよい。また、該
コアサイト及び/又は重要領域は、そのDNA塩基配列
の一部について、塩基の置換、削除、挿入、転移等を行
ってもよく、このようにして得られた各種の高発現ベク
タープラスミド用DNA断片も本発明に広く包含される
ものである。
【0016】
【実施例1】glaB遺伝子の開始コドン(ATG)か
ら5′上流の非翻訳領域の1128塩基対を、プロモー
ター解析用プラスミドpNGUS(図1)のPstI、
Sa1Iサイトに挿入した。次に、この1128塩基対
の5′上流側から、順次欠失したDNA断片を調製し、
それぞれ同様にpNGUSに挿入した。得られたプラス
ミドにてA. oryzaeを形質転換後、導入したプラスミド
が宿主染色体上で単一コピーで相同組換えした形質転換
体を選択した。これらの形質転換体を、デンプンを炭素
源としたツァペック−ドックス培地による液体培養と7
0%精白米を用いた固体培養(米麹培養)を行い、生産
されるGUS活性を測定した(図2)。その結果、11
28塩基対すべてを含むものと比べて、5′側上流35
6塩基対まで欠失させても、固体培養でのGUS活性は
ほとんど低下しなかった。しかし、−272まで欠失し
たものでは、固体培養でのGUS活性が大きく減少し
た。したがって、この−355から−272の間に、固
体培養での高発現に関与する領域が存在すると考えられ
た。
【0017】
【実施例2】glaBプロモーターの中で−355〜2
72bp付近に、固体培養での高発現に必要な領域があ
ることを確認するため、さらに、部位特異的欠失プロモ
ーターでの解析を行った。glaBプロモーター領域
(1128塩基対)のなかから、ある一定の領域だけを
欠失した変異プロモーターを調製し、液体培養と固体培
養での発現能を検討した(図3)。glaBプロモータ
ーの中で、−934〜−705の領域、−704〜−5
72の領域、−571〜356の領域、いずれの領域を
欠失させても、固体培養での発現能は低下しなかった。
ところが−355〜213の領域を欠失させると、固体
培養での発現がほとんど確認することができなかった。
以上の結果より、この−355〜−213の領域に固体
培養での高発現に必要な領域が存在することが確認され
た。
【0018】
【実施例3】次に−350から−254の領域をgla
Aプロモーターに挿入し、その固体培養での発現能を検
討した(表1)。glaAのプロモーターの−205の
5′末端側に、PCR法にて調製したglaBプロモー
ター(−350〜−254)領域を挿入し、キメラプロ
モーターを調整後、glaAおよびglaBプロモータ
ーとその発現能を比較した。glaAプロモーターは固
体培養でほとんどプロモーター活性が検出されないが、
先のglaBプロモーター領域(−350−254)を
挿入することで、固体培養での活性が40倍に上昇し
た。このようにこのプロモーター領域(−350〜−2
54)は、プロモーターから欠失させると転写誘導活性
が低下させるだけでなく、この領域の付加により固体培
養での転写誘導活性を付与することも可能であることが
判明した。したがって、−350〜−254の領域(9
7bp)は重要領域ということができる。その配列を配
列番号2に示す。また、この領域を包含する−350〜
−213の領域(138bp)も重要領域であり、その
配列を配列番号3に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例4】glaBプロモーター中の固体培養での高
発現に関与する領域をさらに限定させるため、(−35
0〜−213)に対してさらに詳細な欠失変異プロモー
ターを作成した。その結果、−350から−324のわ
ずか27塩基対の欠失で、固体培養での発現が大きく低
下することが明らかとなった(図4)。したがって、こ
の27塩基対の配列およびその近傍に、転写活性因子が
存在すると考えられた。
【0021】このglaBプロモーターのコアサイトと
認められる27bpの塩基配列は、配列番号1に示さ
れ、次のとおりである。 GAGAACTAAGAGAATGGCGGCACGG
GC
【0022】
【実施例5】上記−350〜−324の領域(27b
p)をglaBプロモーターに挿入し、この領域のコピ
ー数が増加した変異プロモーターを作成した。glaB
プロモーターの−350の5′側に、この27塩基対の
DNA断片を挿入した変異プロモーターの、プロモータ
ー活性を比較した(表2)。挿入しないプロモーターに
対して、27塩基対を挿入した変異プロモーターは固体
培養での発現能が1.5倍に上昇した。このようにこの
27塩基対の領域を利用することにより、強力なプロモ
ーターを構築できることが確認された。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明により、麹菌のglaBプロモー
ター由来のDNAを利用することにより、同種遺伝子は
もとより異種遺伝子のきわめて効率的な発現システムが
構築された。
【0025】
【配列表】アスペルギルス・オリゼー由来の新規グルコ
アミラーゼ遺伝子(glaB)のglaBプロモーター
由来の27塩基対の塩基配列を配列番号1に示し、それ
を包含する97塩基対及び138塩基対の塩基配列を配
列番号2及び3に示す。下記表3〜5に、配列番号1〜
3で示される各配列を示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpNGUSの制限酵素地図を示す。
【図2】実施例1におけるGUS活性測定結果を示す。
【図3】実施例2におけるGUS活性測定結果を示す。
【図4】実施例4におけるGUS活性測定結果を示す。
【図5】アスペルギルス・オリゼーの新規グルコアミラ
ーゼ遺伝子(glaB)の塩基配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:69) (C12N 1/00 C12R 1:69) (C12N 1/00 C12R 1:69) (72)発明者 杉並 孝二 京都府城陽市寺田宮の谷5−52 (72)発明者 今安 聰 京都市伏見区桃山筑前台町6

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に示すDNA。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号2に示すDNA。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号3に示すDNA。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のD
    NAの塩基配列の一部を塩基の置換、削除、挿入、転移
    等を行うことにより得られるDNA。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のD
    NAを含んでなること、を特徴とする麹菌(Aspergillu
    s oryzae)発現プラスミド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のプラスミドを麹菌に移
    入してなる形質転換体。
  7. 【請求項7】 Aspergillus oryzae GLB-01(FERM P-158
    26)。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載する
    DNAを少なくとも含むDNAをプロモーターとして利
    用し、麹菌において同種又は異種遺伝子を発現せしめる
    方法。
  9. 【請求項9】 麹菌を固体培養すること、を特徴とする
    請求項8に記載の発現方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009254349A (ja) * 2008-03-19 2009-11-05 Gekkeikan Sake Co Ltd 糸状菌由来プロモーターのエンハンサーおよびその利用

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