JPH11245133A - スライダ製造用治具 - Google Patents

スライダ製造用治具

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JPH11245133A
JPH11245133A JP4752698A JP4752698A JPH11245133A JP H11245133 A JPH11245133 A JP H11245133A JP 4752698 A JP4752698 A JP 4752698A JP 4752698 A JP4752698 A JP 4752698A JP H11245133 A JPH11245133 A JP H11245133A
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JP
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jig
slider
layer
square
conductive
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JP4752698A
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English (en)
Inventor
Sadao Kawada
貞夫 川田
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来では、薄膜素子を有するスライダバーを
個々のスライダに切断する際に、前記スライダバーを保
持する治具は絶縁体で形成されていたため、薄膜素子内
の金属層に静電分極が発生し、金属層間の放電により、
特に磁気抵抗効果素子層が破壊されるといった問題があ
った。 【解決手段】 治具15を、例えば導電性のプラスチッ
クなどで形成し、前記治具15の表面抵抗を1×106
(Ω/square)以上1×1012(Ω/squar
e)未満となるように適性に調節する。これにより、薄
膜素子13を有するスライダバー14を前記治具15に
接合しても、前記薄膜素子13内の金属層に静電分極は
発生せず、従って従来のように金属層間で放電は起こら
ず、磁気抵抗効果素子層を電気的な破壊から保護するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録/再生用の薄
膜素子を有するスライダを所定形状に形成する際に、前
記スライダを保持する治具に係り、特に前記薄膜素子の
電気的な破壊を防止することができるスライダ製造用治
具に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置などに使用される磁
気ヘッドは、板ばね材料で形成された支持部材の先端
に、セラミック材料で形成されたスライダが設けられて
おり、このスライダのトレーリング側に薄膜素子が成膜
されている。この薄膜素子は、磁性材料のパーマロイ
(Ni―Fe系合金)や絶縁材料のアルミナなどが積層
されたものであり、磁気記録媒体に記録された磁気記録
信号を再生する磁気検出部、または磁気記録媒体に磁気
信号を記録する磁気記録部、あるいは磁気検出部と磁気
記録部の双方を含むものである。磁気検出部は例えば磁
気抵抗効果素子(MR素子)により構成されたMRヘッ
ドである。また磁気記録部は、コイルとコアがパターン
形成されたインダクティブヘッドにより構成される。
【0003】ところで、前記スライダの母材となるセラ
ミック材は、まず円板状に形成され、その後、前記セラ
ミック材上に、前記薄膜素子が並列に複数個パターン形
成される。そして前記セラミック材が角材状にスライダ
バーとして切断され、このスライダバーが図7に示す治
具30に固定される。
【0004】図7は、治具及びこの治具に固定されたス
ライダバーの斜視図、図8は図7の平面図である。図7
に示すように治具30には、その先端部に複数の溝部3
1が形成されている。なおこの治具30は、例えば絶縁
性のセラミックスなどで形成されている。
【0005】まず、前記治具30のスライダバー40と
の接合面にワックスなどを塗布し、図7に示すように、
前記スライダバー40を前記治具30に接合する。なお
符号41は、前述した薄膜素子である。その後、図8に
示すように、各溝部31に対して平行な矢印方向から、
冷却水を噴射しながら、回転砥石などにより、前記スラ
イダバー40を切断する。この切断工程によって、1つ
のスライダバー40から、複数個のスライダを得ること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来では、
前述したように図7に示す治具30は、例えば絶縁性の
セラミックスなどで形成されている。しかし、前記治具
30が表面抵抗の高い絶縁体で形成されていると、スラ
イダバー40が前記治具30に接合されたとき、前記ス
ライダバー40の端面に形成されている薄膜素子41内
の金属層の電荷が分極(静電分極)を起こし、前記薄膜
素子41内部で放電が起こりやすく、この放電により、
磁気検出部の磁気抵抗効果素子層が熱で破壊されてしま
うといった問題が生じていた。
【0007】また前記治具30が、表面抵抗の低い導電
体で形成されていると、スライダバー40が前記治具3
0に接合されたとき、前記治具30から、磁気抵抗効果
素子層に過大な電流が流れ、これにより、前記磁気抵抗
効果素子層が破壊されてしまうといった問題があった。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、薄膜素子を有するスライダを保持するため
の治具を半導電性の材質で形成して、前記薄膜素子内の
磁気抵抗効果素子層の電気的な破壊を防止できるように
したスライダ製造用治具を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録/再生用
の薄膜素子を有するスライダを、所定形状に形成する際
に用いられる治具であって、前記治具の表面抵抗は、1
×106(Ω/square)以上1×1012(Ω/s
quare)未満の範囲内であることを特徴とするもの
である。
【0010】本発明では、前記治具は、半導電性のセラ
ミックス(イオン導電性セラミックなど)で形成されて
いてもよいし、あるいは半導電性のプラスチック(イオ
ン導電性高分子など)で形成されていてもよい。
【0011】あるいはカーボン粉末や導電性フィラーが
高分子材料中に混入された複合導電材料であってもよ
い。
【0012】また前記治具は、絶縁体の表面に界面活性
剤を付着して形成されていてもよいし、あるいは絶縁体
の表面に水分を付着して形成されていてもよい。
【0013】なお本発明では、前記治具は、スライダバ
ーを個々のスライダに切断する際に、前記スライダバー
を保持するためのものであったり、あるいはスライダ表
面に浮上面を形成する際に、前記スライダを保持するた
めのものである。
【0014】従来では、図7に示すスライダバー40を
個々のスライダに切断する際に用いられる治具30は、
例えばセラミックなどの絶縁体で形成されていた。
【0015】図7に示すようにスライダバー40の端面
(トレーリング側端面)には薄膜素子41が形成されて
いる。
【0016】この薄膜素子41は、磁気抵抗効果素子
層、SHUNT層、SAL層の3層から成るAMR膜、
あるいはフリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層、及
び反強磁性層から成るスピンバルブ膜などの磁気抵抗効
果素子層を有するMRヘッド(磁気検出部)と、コアと
コイルとから成るインダクティブヘッド(磁気記録部)
とからなり、前記MRヘッド及びインダクティブヘッド
は、例えばパーマロイなどで形成された金属層と、絶縁
層との積層構造となっている。
【0017】ところで従来では、図7に示すように、絶
縁性の治具30にスライダバー40が接合されると、薄
膜素子41のMRヘッドにおける磁気抵抗効果素子層が
熱破壊を起こすといった問題があった。
【0018】図5は、MRヘッドを構成する各金属層の
模式図であり、図5を参照して、磁気抵抗効果素子層2
の熱破壊のメカニズムを以下に説明する。
【0019】前述したように治具30は絶縁体であるの
で、図5に示すように、仮に、前記治具30がプラスの
電荷に帯電しているとすると、MRヘッドを構成する下
部シールド層1(例えばパーマロイなどで形成されてい
る)のマイナス電荷は、治具30側に引き寄せられ、プ
ラス電荷とマイナス電荷とが図5に示すように静電分極
した状態となる。
【0020】同様に、下部シールド層1の上に絶縁層
(図示しない)を介して形成されている磁気抵抗効果素
子層2のマイナス電荷も、下部シールド層1の上層部に
分極したプラス電荷に引き寄せられることにより、プラ
ス電荷とマイナス電荷が静電分極する。
【0021】また図5に示すように、前記磁気抵抗効果
素子層2の両側に形成されている符号3は、例えばCo
−Pt(コバルト−白金)合金などで形成されたハード
バイアス層3であり、符号4は、Cr(クロム)などで
形成されている導電層4であるが、これらの層も、図5
に示すように、プラス電荷とマイナス電荷とが静電分極
した状態となる。
【0022】さらに、前記導電層4の上に絶縁層(図示
しない)を介して形成されているパーマロイなどで形成
された上部シールド層5のマイナス電荷も、磁気抵抗効
果素子層2及び導電層4の上層部に分極したプラス電荷
に引き寄せられ、プラス電荷とマイナス電荷とが静電分
極した状態となる。
【0023】このようにMRヘッドの各金属層が図5に
示すような静電分極した状態にあり、各金属層間の電位
差が層間の距離や材料で決定される絶縁破壊電圧を越え
ると、この間で放電が発生し、この放電の発生箇所で電
流が集中し、金属層が熱によって溶融してしまう。
【0024】特に、各金属層間の電位差が、500V以
上になると、この間で放電が起こると考えられ、この放
電により前記磁気抵抗効果素子層2が熱で破壊されてし
まう。
【0025】また治具30に用いられる材質を絶縁体に
代えて、表面抵抗の低い導電体で形成しても、絶縁体の
治具30を使用した場合と同様に、磁気抵抗効果素子2
が熱により破壊されてしまうことがある。この現象を図
6で説明する。
【0026】磁気抵抗硬化素子層2の上下に積層されて
いる下部ギャップ層6と上部ギャップ層7は絶縁材料で
形成されているため、成膜時の摩擦や外部電荷の影響に
より、各ギャップ層6,7に静電気による電荷が帯電す
ることがある。例えば、図6に示すように、上下のギャ
ップ層6,7にプラス電荷が帯電していると、前記下部
ギャップ層6の上に形成されている磁気抵抗効果素子層
2及びハードバイアス層3の下層側には、マイナス電荷
が引き寄せられる。
【0027】同様に磁気抵抗効果素子層2及び導電層4
の上層部にマイナス電荷が引き寄せられる。
【0028】このようにハードバイアス層3及び磁気抵
抗効果素子層2の下層側、及び導電層4及び磁気抵抗効
果素子層2の上層側に、マイナス電荷が引き寄せられる
ことにより、図6に示すように、ハードバイアス層3と
導電層4との間、及び磁気抵抗効果素子層2の中間は、
プラス電荷が支配的となって平衡状態となる。
【0029】このような静電分極が発生しているとき
に、導電性の治具がハードバイアス層4などに接触する
と、治具の電子が、導電層4のプラス電荷が支配的とな
っている部分から入り込んで、過大な電流が導電層4か
ら磁気抵抗効果素子層2に流れて、磁気抵抗効果素子層
2にジュール熱による発熱が生じ、層間のマイグレーシ
ョンが発生して劣化したり、あるいは熱による溶融破壊
を生じることがある。
【0030】本発明では、上述した静電分極のメカニズ
ムに基づいて、薄膜素子を有するスライダを保持する治
具は、絶縁体に比べて帯電しにくく、しかも磁気抵抗効
果素子層などの静電分極を徐々に解消して素子に過大な
電流が流れない、いわゆる半導電体の材質で形成されて
いる。
【0031】ここで、導電体、半導電体、絶縁体の定義
であるが、一般的には、導電体としての表面抵抗は、0
以上1×106(Ω/square)未満、半導電体と
しての表面抵抗は、1×106(Ω/square)以
上1×1012(Ω/square)未満、絶縁体として
の表面抵抗は、1×1012(Ω/square)以上で
ある。
【0032】そこで本発明では、薄膜素子を有するスラ
イダを保持する治具は、その表面抵抗が、1×10
6(Ω/square)以上1×1012(Ω/squa
re)未満の範囲内であることを必要条件としている。
【0033】本発明では、表面抵抗が1×106以上1
×1012(Ω/square)未満の範囲内であれば、
前記治具の材質はどのようなものであってもよい。
【0034】前記治具は、例えば導電性のセラミックス
で形成されている。導電性のセラミックスとしては、Z
rO2―Y23の組成式などで形成されるイオン導電体
を挙げることができる。
【0035】また導電性セラミックスに代えて、導電性
のプラスチックを用いることができる。導電性のプラス
チックとしては、ポリアセチレンなどの導電性高分子、
プラスチックに金属粉末などのフィラーを混合させた導
電性フィラー、あるいはイオン伝導性高分子を挙げるこ
とができる。
【0036】さらに本発明では、従来から治具として使
用されている絶縁性のセラミックス表面に界面活性剤や
水分を付着させて、前記治具の表面抵抗が、1×106
(Ω/square)以上1×1012(Ω/squar
e)未満の範囲内となるように、適性に調節してもよ
い。
【0037】例えば図7に示す治具30にスライダバー
40をワックスを介して接合した状態で、前記スライダ
バー40を個々のスライダに切断した後、界面活性剤を
用いて前記スライダを治具30から取り外す。
【0038】本発明では、界面活性剤が付着したままの
状態で、治具を保存し、あるいは、治具に水分や界面活
性剤を付着させて、前記治具の表面抵抗が、1×106
(Ω/square)以上1×1012(Ω/squar
e)未満の範囲内となるようにしている。
【0039】なお本発明は、薄膜素子を有するスライダ
を所定形状に形成する際に、前記スライダを保持する全
ての治具に適用される。
【0040】例えば前記治具は、スライダを所定形状に
切断する際に、前記スライダを保持するためのものであ
ったり、あるいはスライダ表面に浮上面を形成する際
に、前記スライダを保持するためのものである。
【0041】
【発明の実施の形態】図1は、ハードディスクなどに搭
載される本発明のスライダを記録媒体との対向面(AB
S面;浮上面)を上向きにして示した斜視図である。図
1に示したスライダ8は、アルミナ・チタンカーバイ
ト、またはSi(シリコン)などのセラミック材料によ
り形成されており、記録媒体であるハードディスクとの
対向部にエアーグルーブ9が形成され、その両側にレー
ル部10,10が形成されている。
【0042】図1に示すように、前記レール部10,1
0は所定のクラウン形状で形成されており、前記レール
部10,10の表面は、記録媒体との対向面(ABS
面;浮上面)11,11となっている。また、前記レー
ル部10,10のリーディング側A端部には傾斜部1
2,12が形成されている。スライダ8のトレーリング
側Aの端面(端部)には、薄膜素子13が設けられてい
る。前記薄膜素子13は、AMR素子やスピンバルブ型
薄膜素子などの磁気抵抗効果素子層を有する再生用のM
Rヘッドと、磁性材料のコアとコイルとで形成される記
録用のインダクティブヘッドとが積層されたものであ
る。
【0043】図2は、記録用のMRヘッドの構造を示す
断面図ある。図2に示す符号1は、センダストやNi―
Fe系合金(パーマロイ)などにより形成された下部シ
ールド層である。なおこの下部シールド層1は、図1に
示すスライダ8のトレーリングB側の端面上に設けられ
ている。この下部シールド層1の上に、Al23(アル
ミナ)などの非磁性材料による下部ギャップ層6が形成
され、さらにその上に磁気抵抗効果素子層2が成膜され
る。
【0044】前記磁気抵抗効果素子層2は、AMR(am
isotropic magnetoresistive)素子やスピンバルブ膜に
代表されるGMR(giant magnetoresistive)素子から
成り、記録媒体からの漏れ磁界を抵抗変化としてとら
え、電圧変化として出力可能とする。前記磁気抵抗効果
素子2の両側には、縦バイアス層としてハードバイアス
層3が形成され、さらに前記ハードバイアス層3の上に
Cu(銅)、W(タングステン)などの電気抵抗の小さ
い非磁性導電性材料の導電層4が形成される。
【0045】そして、図2に示すように前記導電層4の
上には、アルミナなどの非磁性材料による上部ギャップ
層7が形成され、さらに前記上部ギャップ層7の上に
は、センダストやパーマロイなどによる上部シールド層
5が形成される。図1に示すスライダ8には、その下面
側、すなわち記録媒体との対向面(ABS面;浮上面)
の逆面側に、板ばね材料で形成されたフレキシャやロー
ドビームによる支持部材が取付けられ、磁気ヘッド装置
が完成する。前記磁気ヘッド装置は、CSS方式などに
よって作動するものであり、図1に示すスライダ8が記
録媒体から一定量浮上した状態で、薄膜素子13による
記録・再生が行われる。
【0046】ところで、図1に示すスライダ8は、その
母材となるセラミック材が、最初、円板状に形成され
る。その後、前記セラミック材の上に、薄膜素子13
が、並列に複数個パターン形成され、さらに前記セラミ
ック材が、スライス状に切断されると、図3に示すよう
なスライダバー14が、1つの円板状のセラミック材か
ら複数個形成される。なおこのとき、図3に示すよう
に、スライダバー14の端面には、複数個の薄膜素子1
3が成膜されている。
【0047】図3に示す符号15は、前記スライダバー
14を個々のスライダ8に切断する際に、前記スライダ
バー14を保持するための治具である。この治具15に
は、その先端に段差部16が形成されている。図3に示
すように、前記段差部16には、複数個の溝部17が形
成されており、この溝部17が前記スライダバー14
を、例えば回転砥石で切断したときの、前記回転砥石の
逃げ溝となっている。前記スライダバー14を個々のス
ライダ8に切断する際には、前記治具15の段差部16
の接合面18に、例えばワックスなどを塗布し、前記ス
ライダバー14を、前記ワックスを介して治具15の接
合面18に接合する。
【0048】図4は、スライダバー14が治具15に接
合された状態を示す平面図である。図4に示すように、
スライダバー14が治具15に接合されると、溝部17
に対して平行な矢印方向から、例えば回転砥石などによ
り、前記スライダバー14を個々のスライダ8に切断す
る。
【0049】ところで本発明では、前記治具15の表面
抵抗は、1×106以上1012未満(Ω/squar
e)の範囲内となっている。この範囲内であると、前記
治具15は、いわゆる半導電性の性質を有し、図4に示
すように、前記治具15にスライダバー14を接合した
とき、前記スライダバー14の端面に形成されている薄
膜素子13内の磁気抵抗効果素子層2(図2参照)を電
気的な破壊から防止することが可能である。
【0050】すなわち本発明では、前記治具15を、絶
縁体のように高い表面抵抗を有する材質で形成せず、前
記治具15の帯電を極力抑えることができるため、図2
に示す下部シールド層1、磁気抵抗効果素子層2、ハー
ドバイアス層3、導電層4、及び上部シールド層5に、
図5に示すような静電分極は発生しにくい。従って磁気
抵抗効果素子層2と、下部シールド層1との間、及び磁
気抵抗効果素子層2と上部シールド層5との間で、静電
分極による放電は起こらず、前記磁気抵抗効果素子層2
を保護することができる。
【0051】また本発明では、前記治具15を、導電体
のように低い表面抵抗を有する材質で形成しないため、
図6に示すように帯電している絶縁層6,7に挟まれた
磁気抵抗効果素子層2、ハードバイアス層3、及び導電
層4に治具15が接触しても、従来のように磁気抵抗効
果素子層2に過大な電流が流れにくく、前記磁気抵抗効
果素子層2を保護することができる。
【0052】本発明では、1×106(Ω/squar
e)以上1×1012(Ω/square)未満の範囲内
の表面抵抗を有する半導電性の材料として、まず導電性
のセラミックスを提示することができる。導電性のセラ
ミックスとしては、例えばZrO2−Y23、Bi23
−Y23、PbCl2、Li14Mg(GeO44、PbF
2、Li3N(単結晶)、Na−β−アルミナ(多結
晶)、7CuBr・C6124CH3Br、H3PW12
40・29H2O、Na−β−アルミナ(単結晶)、Rb
Ag45などに代表されるイオン導電体を例示できる。
【0053】また本発明では、前記導電性のセラミック
スの他に、導電性のプラスチックを使用してもよい。導
電性のプラスチックとしては、例えばポリアセチレン、
ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリ−2.5−チュニ
レンビニレン、ポリ−p−フェニレン、ポリピロール、
ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリイソチアナフテ
ン、ポリベリナフタレンなどに代表される導電性高分
子、プラスチックマトリクスにカーボンブラック、金属
粉末、あるいは金属メッキ無機物などの金属系フィラー
を複合した導電性フィラー、ポリエチレンオキサイド+
LiClO4(12:1)、γ線照射によるポリエチレ
ンオキサイド架橋体+LiClO4(1:8)、ポリプ
ロピレン+LiCF3SO3(9:1)、ポリエチレン・
アジペイ酸誘導体+LiCF3SO3(4:1)、ポリエ
チレン・コハク酸誘導体+LiB¢4(6:1)、ポリ
フォスファゼン(ME7P)+LiCF2SO3(16:
1)、ポリフォスゼン架橋体(1XMP)+LiCF3
SO3(32:1)、直錯状ポリシロキサン(PMM5
7)+LiClO4(25:1)、不飽和ウレタンを架
橋させたトリオール型ポリエチレンオキサイド+LiC
lO4(50:1)、3つの官能基を持つウレタンを架
橋させたPEO―PPO―PEOブロックコポリマー+
LiClO4(20:1)などのイオン伝導性高分子を
例示できる。
【0054】また本発明では、治具15を従来と同様に
絶縁体で形成した場合であっても、前記治具15の表面
に、界面活性剤や水分を付着させておくことで、前記治
具15の表面抵抗を1×106(Ω/square)以
上1×1012(Ω/square)未満の範囲内とする
ことができる。
【0055】また本発明では、スライダ8の製造工程で
使用される前記スライダ8を保持するための治具とし
て、図3に示すようなスライダバー14を個々のスライ
ダ8に切断する際に使用される治具15を挙げたが、本
発明は、薄膜素子13を有するスライダ8を保持するた
めの全ての治具に適用されるものである。
【0056】図3に示す治具15以外としては、例えば
図1に示すように、スライダ8表面にエアグルーブ9が
形成され、前記エアグルーブ9よりも一段高い位置に記
録媒体との対向面(ABS面;浮上面)11が形成され
ているが、このABS面11を形成する際に、前記スラ
イダ8の両側面を保持するための治具も、その表面抵抗
が1×106(Ω/square)以上1×1012(Ω
/square)未満の範囲内にしておく必要がある。
【0057】以上のように本発明では、スライダ8を保
持する際に用いられる治具の表面抵抗を1×106(Ω
/square)以上1×1012(Ω/square)
未満の範囲内となるようにしているので、前記スライダ
の端面に形成された薄膜素子13内の金属層に、静電分
極が発生しにくく、従って静電分極によって起こる放電
や、過大な電流による磁気抵抗効果素子層2の破壊を防
止することができる。
【0058】
【実施例】本発明では、導電性ジルコニア、絶縁性ジル
コニア、及びアルミナによって、スライダを保持するた
めの治具を作製し、各治具の表面抵抗、接地漏洩抵抗、
及び摩擦帯電圧を測定した。なお表面抵抗は、各治具の
表面に2つの導電性ゴムを有する測定電極を接触させた
状態で、前記測定電極間の抵抗を測定して行われた。
【0059】また接地漏洩抵抗は、各治具の表面に導電
性ゴムを有する測定電極を接触させ、接地極をアースに
落した状態で、前記測定電極と接地極との間の抵抗を測
定して行われた。なお接地漏洩抵抗とは、物体自体の抵
抗、電極等の接地抵抗、接地抵抗等をすべて総合した、
物体と大地間の抵抗のことである。なお前記表面抵抗、
及び接地漏洩抵抗の測定は、測定電圧を15Vとして行
われた。
【0060】また摩擦帯電圧は、布などによって、各治
具の表面をこすり、その後、非接触表面電位計によって
測定した。実験では、まず導電性ジルコニア、絶縁性ジ
ルコニア、及びアルミナによって形成された治具の表面
に、界面活性剤を塗布した状態(以下、IPA洗浄前と
いう)で、各治具における表面抵抗、接地漏洩抵抗、及
び摩擦帯電圧を測定した。次に、IPAによって、各治
具の表面から前記界面活性剤を洗い流し(以下、IPA
洗浄後という)、その後、各治具における表面抵抗、接
地漏洩抵抗、及び摩擦帯電圧を測定した。その実験結果
を表1ないし表3に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1に示すように、導電性ジルコニアで形
成された治具の場合、IPA洗浄前(界面活性剤が付着
した状態)、及びIPA洗浄後(界面活性剤が付着して
いない状態)のどちらの場合であっても、前記治具の表
面抵抗及び接地漏洩抵抗は1×106(Ω/squar
e)以上1×1012(Ω/square)未満の範囲内
となっている。また摩擦帯電圧は、IPA洗浄前、及び
IPA洗浄後のどちらの場合であっても0(V)となっ
ている。このため、例えば図3に示す治具15を、導電
性ジルコニアで形成すれば、界面活性剤を付着させても
付着させなくてもよい。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】次に表2及び表3に示すように、絶縁性ジ
ルコニア及びアルミナで形成された治具の場合、界面活
性剤が付着している状態での前記治具の表面抵抗及び接
地漏洩抵抗は、1×106(Ω/square)以上1
×1012(Ω/square)未満の範囲内となってい
る。また摩擦帯電圧も比較的低い値となっていることが
わかる。
【0066】これに対し、IPAで界面活性剤を除去し
た後の前記治具の表面抵抗及び接地漏洩抵抗は、1×1
12(Ω/square)よりも大きくなっており、摩
擦帯電圧も、IPA洗浄前に比べて高い値となっている
ことがわかる。すなわち、絶縁性ジルコニア及びアルミ
ナなどの絶縁体で、例えば図3に示す治具15を形成し
た場合、前記治具15に界面活性剤を付着させて使用す
れば、、前記治具15の表面抵抗を1×106(Ω/s
quare)以上1×1012(Ω/square)未満
の範囲内に収めることができる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、薄膜素
子を有するスライダを所定形状に形成する際に、前記ス
ライダを保持するための治具の表面抵抗を、1×106
(Ω/square)以上1×1012(Ω/squar
e)未満の範囲内にしているので、前記薄膜素子内の金
属層に静電分極は発生しにくく、従って従来のように、
金属層間での放電や、過大な電流による磁気抵抗効果素
子層の破壊を防止することができる。
【0068】本発明では前記治具を、例えば導電性のセ
ラミックスで形成し、あるいは導電性のプラスチックで
形成する。
【0069】さらに本発明では、従来から治具として使
用されている絶縁体の表面に、界面活性剤や水分を付着
させて、治具の表面抵抗を1×106(Ω/squar
e)以上1×1012(Ω/square)未満の範囲内
にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードディスクなどに搭載される本発明のスラ
イダを記録媒体との対向面(ABS面;浮上面)を上向
きにして示した斜視図、
【図2】記録用のMRヘッドの構造を示す断面図、
【図3】1実施例として、スライダバーを保持するため
の治具の構造を示す斜視図、
【図4】図3に示す治具とスライダバーとの接合状態を
示す平面図、
【図5】薄膜素子を有するスライダと絶縁体の治具とが
接合された場合における、前記薄膜素子内の金属層の電
荷の分布を示す模式図、
【図6】薄膜素子を有するスライダと導電体の治具とが
接合された場合における、前記薄膜素子内の金属層と絶
縁層との電荷の分布を示す模式図、
【図7】従来の治具に、スライダバーが接合された状態
を示す斜視図、
【図8】図7の平面図、
【符号の説明】
1 下部シールド層 2 磁気抵抗効果素子層 3 ハードバイアス層 4 導電層 5 上部シールド層 6 下部ギャップ層 7 上部ギャップ層 8 スライダ 9 エアグルーブ 10 レール部 11 対向面(ABS面;浮上面) 12 傾斜面 13 薄膜素子 14 スライダバー 15 治具 16 段差部 17 溝部 18 接合面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録/再生用の薄膜素子を有するスライ
    ダを、所定形状に形成する際に用いられる治具であっ
    て、前記治具の表面抵抗は、1×106(Ω/squa
    re)以上1×1012(Ω/square)未満の範囲
    内であることを特徴とするスライダ製造用治具。
  2. 【請求項2】 前記治具は、半導電性のセラミックスで
    形成されている請求項1記載のスライダ製造用治具。
  3. 【請求項3】 前記治具は、半導電性のプラスチックで
    形成されている請求項1記載のスライダ製造用治具。
  4. 【請求項4】 前記治具は、絶縁体の表面に界面活性剤
    を付着して形成される請求項1記載のスライダ製造用治
    具。
  5. 【請求項5】 前記治具は、絶縁体の表面に水分を付着
    して形成される請求項1記載のスライダ製造用治具。
  6. 【請求項6】 前記治具は、スライダバーを個々のスラ
    イダに切断する際に、前記スライダバーを保持するため
    のものである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    のスライダ製造用治具。
  7. 【請求項7】 前記治具は、スライダ表面に浮上面を形
    成する際に、前記スライダを保持するためのものである
    請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスライダ製
    造用治具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7091146B2 (en) 2002-09-12 2006-08-15 Sodick Co., Ltd. Enhanced ceramic material for precision alignment mechanism

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US7091146B2 (en) 2002-09-12 2006-08-15 Sodick Co., Ltd. Enhanced ceramic material for precision alignment mechanism

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