JPH11247845A5 - - Google Patents
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- JPH11247845A5 JPH11247845A5 JP1998046591A JP4659198A JPH11247845A5 JP H11247845 A5 JPH11247845 A5 JP H11247845A5 JP 1998046591 A JP1998046591 A JP 1998046591A JP 4659198 A JP4659198 A JP 4659198A JP H11247845 A5 JPH11247845 A5 JP H11247845A5
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ローラ支持用軸受装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持軸と、この支持軸の周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された内径側ローラと、この内径側ローラの周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された外径側ローラとを備え、この外径側ローラの外周面と他の部材の表面とを係合させる状態で使用されるローラ支持用軸受装置に於いて、上記内径側ローラと上記外径側ローラとのうちの少なくとも一方のローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、この一方のローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けた事を特徴とするローラ支持用軸受装置。
【請求項2】 内径側、外径側両ローラで、これら各ローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、これら各ローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けた、請求項1に記載したローラ支持用軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るローラ支持用軸受装置は、例えばタペットローラ軸受としてエンジンの動弁機構中に組み込み、動弁機構部分の摩擦を少なくして、エンジン運転時に於ける燃料消費率の低減を図る為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン内部での摩擦低減を図り、燃焼消費率を低減する事を目的として、クランクシャフトと同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁の往復運動に変換する部分に、タペットローラ軸受を組み込む事が一般的に行われている。図6〜7は、実開平3−108806号公報に記載されたタペットローラ軸受を示している。
【0003】
エンジンのクランクシャフトと同期して回転するカムシャフト1に固定したカム2に対向して、このカム2の動きを受けるロッカーアーム3を設けている。このロッカーアーム3の端部には1対の支持壁部4、4を、互いに間隔を開けて設けている。この1対の支持壁部4、4の間には、鋼製で中空又は中実の支持軸5を掛け渡している。この支持軸5の両端は焼き入れする事なく、生のままとしており、支持軸5を固定する際には、この未焼き入れ部分を、上記1対の支持壁部4、4に形成した通孔7、7の内周面に向けてかしめ付ける。上述の様にして、1対の支持壁部4、4の間に掛け渡した支持軸5の周囲にはローラ6を、回転自在に支承しており、このローラ6の外周面を、上記カム2の外周面に当接させている。
【0004】
上述の様に構成するタペットローラ軸受によれば、ロッカーアーム3とカム2との間に働く摩擦力を低減し、エンジン運転時に於ける燃料消費率の低減を図れる。この様なタペットローラ軸受の設置部分にはエンジン運転時に、エンジンオイルを供給する。そして、このエンジンオイルによって、カム2の外周面とローラ6の外周面との間、及び支持軸5の外周面とローラ6の内周面との間を潤滑する。
【0005】
尚、タペットローラ軸受の構成部品の材質としては、カム2を含むカムシャフト1は鋳鉄若しくは軸受鋼により、ローラ6及び支持軸5は高炭素クロム軸受鋼により、それぞれ造る事が、必要な強度を確保しつつ材料費、加工費を抑える面から、一般的に行われている。そして、各部材の周面同士の間の隙間寸法並びに表面粗さを工夫する事により、エンジン運転時に於ける各部材同士の摺接部の潤滑性を確保する様にしている。この様な潤滑性確保をより確実に行う為、支持軸5を燐青銅により、ローラ6を高炭素クロム軸受鋼により、それぞれ造る事も、一部で行われている。又、ロッカーアーム3及び支持軸5にエンジンオイル供給用の給油孔を開設する事も、例えば実開平4−32210号公報に記載されている様に、従来から提案されている。更に、ローラ6を窒化珪素等のセラミックにより造る事も、例えば特開平4−15296号公報、実開昭62−203911号公報、実開平3−108806号公報等に記載されている様に、従来から提案されている。
【0006】
又、ローラの内外両周面と相手面との間の潤滑が不十分な場合でも、これら転がり接触或は滑り接触する面に、著しい摩耗や焼き付き等の損傷が発生する事を防止する為の考慮も、従来から各種提案されている。例えば、特開昭59−183007号公報には、ローラの内外両周面に、軟窒化処理、酸化処理等の耐スカッフィング性表面処理を行なう事が記載されている。又、実開昭60−12604〜5号公報には、ローラを支持する支持軸の外周面とこのローラの内周面との間に、スリーブ或はリングを設ける事が記載されている。又、特開平8−74526号公報には、互いに対向するローラの内周面と支持軸の外周面とのうちの少なくとも一方に、摩擦低減用の表面処理層を形成する事が記載されている。
【0007】
又、ローラの回転抵抗を小さくする為に、このローラを二重構造とする事も、例えば実公昭46−9606号公報に記載されている様に、従来から知られている。更には、特開平8−296412号公報には、この様に二重構造のローラを有する構造で、何れかのローラの周面を、軸方向中央部が膨らんだ断面円弧状に形成する事が記載されている。図8(A)及び図9(A)に、この特開平8−296412号公報に記載された構造を示している。この構造では、ローラ6aは、内径側ローラ8と外径側ローラ9とを組み合わせて成る。このうちの内径側ローラ8は、内周面10を円筒面とし、外周面11を球状凸面としている。この様な内径側ローラ8は、ロッカーアーム3に設けた1対の支持壁部4、4の間に掛け渡した支持軸5の周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。又、上記外径側ローラ9は、内外両周面とも円筒面とし、上記内径側ローラ8の周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。この様に、内径側ローラ8の外周面の断面形状を、軸方向中央部が膨らんだ断面円弧状にする事により、図9(A)に示す様に、この内径側ローラ8を含むローラ6aを支持した支持軸5と、このローラ6aを構成する外径側ローラ9の外周面が当接する相手部材である、カムシャフト1の中心軸とが非平行になる、所謂ミスアライメントが発生した場合にも、上記ローラ6aを構成する内径側、外径側両ローラ8、9の周面の縁部と相手面とが極く狭い面積で当接する、所謂エッヂ当たりの発生を防止するとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
実開平4−32210号公報、特開平4−15296号公報、実開昭62−203911号公報、実開平3−108806号公報、特開昭59−183007号公報、実開昭60−12604〜5号公報、特開平8−74526号公報に記載された発明は、ローラと相手面との潤滑を良好にする技術、或は潤滑が不良の場合にも損傷防止を図る技術で、ミスアライメントが発生した場合の損傷防止を図れるものではない。又、実公昭46−9606号公報に記載されている技術は、ローラの回転抵抗を小さくする為のもので、やはりミスアライメントが発生した場合の損傷防止を図れるものではない。特開平8−296412号公報に記載された技術は、ミスアライメントが発生した場合にも、エッヂ当たりを防止できるが、代わりに、内径側ローラ8の外周面11と、外径側ローラ9の内周面12との接触面積が狭くなり、接触部に加わる面圧が大きくなる。
【0009】
即ち、上記内径側ローラ8の外周面11が、断面円弧状の凸面である為、この外周面11と外径側ローラ9の内周面12とは、これら内径側、外径側両ローラ8、9の弾性変形を考慮しても、図8(B)及び図9(B)に斜線で示す様な、狭い面積でのみ当接する。そして、この斜線部分に於いて上記両周面11、12に、図8(C)及び図9(C)に示す様に大きな面圧が加わる。
上記両周面11、12にこの様に大きな面圧が加わると、これら両周面11、12に、かじりや異常摩耗等の損傷を発生し易くなる為、好ましくない。
本発明は、この様な事情に鑑みて、ミスアライメントの発生時にエッヂ当たりを防止できる構造で、しかもローラの周面と相手面との当接部の面圧上昇を抑えられる構造を実現すべく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のローラ支持用軸受装置は、前述した従来のローラ支持用軸受装置と同様に、支持軸と、この支持軸の周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された内径側ローラと、この内径側ローラの周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された外径側ローラとを備え、この外径側ローラの外周面と他の部材の表面とを係合させる状態で使用される。
特に、本発明のローラ支持用軸受装置に於いては、上記内径側ローラと上記外径側ローラとのうちの少なくとも一方のローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、この一方のローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けている。尚、本明細書で言う傾斜面部とは、後述する実施の形態からも明らかな様に、母線が直線である一般的なテーパ面だけでなく、母線が円弧状の曲面である先細面も含む。 又、請求項2に記載したローラ支持用軸受装置は、上記内径側、外径側両ローラで、これら各ローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、これら各ローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けている。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明のローラ支持用軸受装置によれば、ミスアライメントの発生時にエッヂ当たりを防止し、しかもローラの周面と相手面との当接部の面圧上昇を抑える事ができる。
先ず、内径側、外径側両ローラのうちの少なくとも一方のローラの周面の軸方向中央部に設けた円筒面部の存在に基づき、この周面と相手面との当接面積を確保し、これら両面同士の当接部の面圧の上昇を抑えて、この当接部にかじりや異常摩耗等の損傷が発生するのを防止できる。
又、ミスアライメントの発生時には、1対の傾斜面部の存在に基づき、上記一方のローラの中心軸と相手部材の中心軸とを不一致にしつつ、この一方のローラの周面と相手面との当接状態を確保する。上記円筒面部に対する上記傾斜面部の傾斜角度は僅かであるから、これら円筒面部と傾斜面部との境界部での面圧上昇は僅かであり、かじりや異常摩耗等の損傷には結び付きにくい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。ロッカーアーム3の端部に設けた1対の支持壁部4、4の間に掛け渡した支持軸5の周囲にローラ6bを、回転自在に支承しており、このローラ6bの外周面を、カムシャフト1の中間部に固定したカム2の外周面に当接させている。本例の場合にはこのローラ6bを、内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとを組み合わせて成る。
【0013】
このうちの内径側ローラ8aは、内周面10を円筒面とし、外周面11aの断面形状を山形としている。即ち、上記内径側ローラ8aの外周面11aの軸方向(図1〜2の左右方向)中央部に、この内径側ローラ8aの中心軸と平行な円筒面部13を設けている。又、上記外周面11aの残部で、この円筒面部13を挟む軸方向両側部分に、1対の傾斜面部14、14を設けている。これら各傾斜面部14、14は、クラウニング加工により形成するもので、それぞれが上記円筒面部13から離れるに従って外径が小さくなる方向に僅かに傾斜した、円すい状凸面である。又、これら各傾斜面部14、14の大径側端部と上記円筒面部13の両端部との連続部には、超仕上加工やバレル加工等の後加工を施す事により、これら端部同士を断面円弧状の曲面により、滑らかに連続させている。この様な内径側ローラ8aは、上記支持軸5の周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。 【0014】
又、上記外径側ローラ9aは、内周面12を円筒面とし、外周面15を、上記内径側ローラ8aの外周面11aと同様に、断面山形としている。即ち、上記外径側ローラ9aの外周面15の軸方向中央部に、この外径側ローラ9aの中心軸と平行な円筒面部13aを設けると共に、この円筒面部13aを挟む軸方向両側部分に1対の傾斜面部14a、14aを、やはりクラウニング加工により設けている。又、これら各傾斜面部14a、14aの大径側端部と上記円筒面部13aの両端部とも、断面円弧状の曲面により、滑らかに連続させている。この様な外径側ローラ9aは、上記内径側ローラ8aの周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。
【0015】
上述の様な内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとから成るローラ6bを組み込んで構成する、本例のローラ支持用軸受装置によれば、ミスアライメントの発生時にエッヂ当たりを防止し、しかも上記ローラ6bを構成する内径側ローラ8aの内外両周面10、11a及び外径側ローラ9aの内外両周面12、15と相手面との当接部の面圧上昇を抑える事ができる。
【0016】
先ず、上記ミスアライメントが発生していない状態で考える。上記内径側ローラ8aの内周面10と支持軸5の外周面とは、この内径側ローラ8aの内周面10のほぼ全長に亙って均一に当接する為、これら両周面同士の当接面積は十分に広くなり、当接部の面圧は限られたものとなる。又、上記内径側ローラ8aの外周面11aと上記外径側ローラ9aの内周面12との当接部、並びに、この外径側ローラ9aの外周面15と前記カム2の外周面とは、これら内径側、外径側各ローラ8a、9aの外周面の軸方向中央部に設けた円筒面部13、13aの存在に基づき、上記外径側ローラ9aの内周面12及びカム2の外周面との当接面積を確保する。即ち、この様にミスアライメントが発生していない状態では、上記各面12、13同士の当接部は、図1(B)に斜線で示す様に広くなる。そして、この斜線部分に於いて上記各面に、図1(C)に示す様な面圧が作用する。これら図1(B)(C)から明らかな通り、本例の構造によれば、上記各面同士の当接部の面積を広くしてこれら各当接部の面圧の上昇を抑え、これら各当接部にかじりや異常摩耗等の損傷が発生するのを防止できる。
【0017】
又、ミスアライメントの発生時には、図2(A)に示す様に、上記1対ずつの傾斜面部14、14aの存在に基づき、上記ローラ6bを構成する内径側、外径側両ローラ8a、9aの中心軸と他の部材であるカムシャフト1の中心軸とを不一致にしつつ、これら内径側、外径側両ローラ8a、9aの内外両周面と相手面との当接状態を確保する。この際、上記内径側、外径側両ローラ8a、9aは、僅かに弾性変形する。上記各円筒面部13、13aに対する上記各傾斜面部14、14aの傾斜角度は僅かであるから、これら各円筒面部13、13aと各傾斜面部14、14aとの境界部での面圧上昇は僅かである。即ち、これら各円筒面部13、13a及び傾斜面部14、14aと相手面とは、上記内径側、外径側両ローラ8a、9aの弾性変形を考慮すれば、図2(B)に斜線で示す様に、前述の図9〜10に示した従来構造に比べて広い面積で当接する。そして、この斜線部分に於いて上記各円筒面部13、13a及び傾斜面部14、14aと相手面とに、図2(C)に示す様な面圧が加わる。この図2(C)から明らかな通り、これら各面同士の当接部に加わる面圧の最大値は低く、これら各当接部に、かじりや異常摩耗等の損傷を生じにくい。 【0018】
尚、本発明を実施する場合に、支持軸5と内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとの材質は、特に限定しない。但し、耐久性とコストとを勘案した場合には、上記支持軸5は鋼製とし、(特に内径側ローラ8aの内周面10と対向する)中間部を焼き入れ硬化したものが好ましい。又、外径側ローラ9aも、焼き入れ硬化した鋼製とする事が望ましい。これに対して、内径側ローラ8aは、焼き入れ硬化した鋼製でも良いが、自己潤滑性を有する銅又は銅合金も、好ましく使用できる。又、上記内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとの一方又は双方に、潤滑性を向上させたり、耐摩耗性を向上させる為の表面処理を施す事も、耐久性向上の面から好ましい。
【0019】
又、上記各傾斜面部14、14aの傾斜角度は、使用条件に応じて決定するが、自動車用のタペットローラ軸受として使用する場合で、10度以下にする。例えば、上記内径側、外径側各ローラ8a、9aの軸方向端面から1mmだけ軸方向中央部に寄った位置で、上記各傾斜面部14、14aの落ち量(円筒面部13、13aを延長したと仮定した場合の仮想円筒面と各傾斜面部14、14aとの直径方向に亙る距離)が1〜20μm程度になる様に、上記傾斜角度を規制する。又、上記各傾斜面部14、14aを、母線形状の曲率半径が500〜10000mm程度で、上記円筒面部13、13aの端部から滑らかに連続する曲面とする事もできる。この場合も、上記落ち量を上記範囲に規制する。又、上記内径側、外径側両ローラ8a、9aの全長に対する上記各円筒面部13、13aの割合は、40〜70%の範囲で設計的に定める。
【0020】
次に、図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ローラ6cを構成する内径側ローラ8bの内周面10aの軸方向中間部に円筒面部13bを形成し、この内周面10aの残部でこの円筒面部13bを挟む位置に1対の傾斜面部14b、14bを形成している。又、外径側ローラ9bは、外周面15に円筒面部13a及び傾斜面部14a、14aを形成するだけでなく、内周面12aにも円筒面部13c及び傾斜面部14c、14cを形成している。これら各傾斜面部14a、14b、14cは、内周面10a、12aに形成する傾斜面部14b、14cを、それぞれ円筒面部13b、13cから離れるに従って内径が大きくなる方向に傾斜させ、外周面15に形成する傾斜面部14a、14aは、円筒面部13aから離れるに従って外径が小さくなる方向に傾斜させている。この様な傾斜面部14a、14b、14cのうち、内周面10a、12aに形成する傾斜面部14b、14cは、だらし加工と呼ばれる塑性加工により形成できる。この様な構造を有する本例の場合も、上述した第1例の場合と同様に、各面同士の当接部の面積を広くしてこれら各当接部の面圧の上昇を抑え、これら各当接部にかじりや異常摩耗等の損傷が発生するのを防止できる。
【0021】
次に、図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ローラ6dを構成する内径側ローラ8cに、内周面10aだけでなく外周面11aにも、傾斜面部14、14を形成している。その他の構成及び作用は、上述した第2例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】
次に、図5は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、ローラ6eを構成する内径側ローラ8cとして上述した第3例と同様のものを、外径側ローラ9aとして前述した第1例と同様のものを、それぞれ使用している。更に、本例の場合には、上記内径側ローラ8cと外径側ローラ9aとの間に、中間ローラ16を設けて、上記ローラ6eを3相構造としている。この中間ローラ16は、上記外径側ローラ9aと同様に、内周面17を円筒面とし、外周面18の軸方向中間部に円筒面部13dを、軸方向両端部に傾斜面部14d、14dを、それぞれ設けている。この様な本例の場合には、上記ローラ6eの内部に設ける滑り面の数を増やし、これら各滑り面毎の滑り量を少なくし、潤滑条件を改良して、摩耗の低減を図れる。その他の構成及び作用は、上述した各例の場合と同様である。
【0023】
【0024】
【発明の効果】
本発明のローラ支持用軸受装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、特に組み付け精度を高くする事なく、安価に製作でき、しかも優れた耐久性を有するカムフォロア装置の実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態の第1例を、ミスアライメントが発生していない状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【図2】
本発明の実施の形態の第1例を、ミスアライメントが発生した状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【図3】
本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図4】
同第3例を示す断面図。
【図5】
同第4例を示す断面図。
【図6】
タペットローラ軸受の部分切断平面図。
【図7】
図6のX−X断面図。
【図8】
従来構造の1例を、ミスアライメントが発生していない状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【図9】
従来構造の1例を、ミスアライメントが発生した状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【符号の説明】
1 カムシャフト
2 カム
3 ロッカーアーム
4 支持壁部
5 支持軸
6、6a、6b、6c、6d、6e ローラ
7 通孔
8、8a、8b、8c 内径側ローラ
9、9a、9b 外径側ローラ
10、10a 内周面
11、11a 外周面
12、12a 内周面
13、13a、13b、13c、13d 円筒面部
14、14a、14b、14c、14d 傾斜面部
15 外周面
16 中間ローラ
17 内周面
18 外周面
【発明の名称】 ローラ支持用軸受装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持軸と、この支持軸の周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された内径側ローラと、この内径側ローラの周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された外径側ローラとを備え、この外径側ローラの外周面と他の部材の表面とを係合させる状態で使用されるローラ支持用軸受装置に於いて、上記内径側ローラと上記外径側ローラとのうちの少なくとも一方のローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、この一方のローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けた事を特徴とするローラ支持用軸受装置。
【請求項2】 内径側、外径側両ローラで、これら各ローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、これら各ローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けた、請求項1に記載したローラ支持用軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るローラ支持用軸受装置は、例えばタペットローラ軸受としてエンジンの動弁機構中に組み込み、動弁機構部分の摩擦を少なくして、エンジン運転時に於ける燃料消費率の低減を図る為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン内部での摩擦低減を図り、燃焼消費率を低減する事を目的として、クランクシャフトと同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁の往復運動に変換する部分に、タペットローラ軸受を組み込む事が一般的に行われている。図6〜7は、実開平3−108806号公報に記載されたタペットローラ軸受を示している。
【0003】
エンジンのクランクシャフトと同期して回転するカムシャフト1に固定したカム2に対向して、このカム2の動きを受けるロッカーアーム3を設けている。このロッカーアーム3の端部には1対の支持壁部4、4を、互いに間隔を開けて設けている。この1対の支持壁部4、4の間には、鋼製で中空又は中実の支持軸5を掛け渡している。この支持軸5の両端は焼き入れする事なく、生のままとしており、支持軸5を固定する際には、この未焼き入れ部分を、上記1対の支持壁部4、4に形成した通孔7、7の内周面に向けてかしめ付ける。上述の様にして、1対の支持壁部4、4の間に掛け渡した支持軸5の周囲にはローラ6を、回転自在に支承しており、このローラ6の外周面を、上記カム2の外周面に当接させている。
【0004】
上述の様に構成するタペットローラ軸受によれば、ロッカーアーム3とカム2との間に働く摩擦力を低減し、エンジン運転時に於ける燃料消費率の低減を図れる。この様なタペットローラ軸受の設置部分にはエンジン運転時に、エンジンオイルを供給する。そして、このエンジンオイルによって、カム2の外周面とローラ6の外周面との間、及び支持軸5の外周面とローラ6の内周面との間を潤滑する。
【0005】
尚、タペットローラ軸受の構成部品の材質としては、カム2を含むカムシャフト1は鋳鉄若しくは軸受鋼により、ローラ6及び支持軸5は高炭素クロム軸受鋼により、それぞれ造る事が、必要な強度を確保しつつ材料費、加工費を抑える面から、一般的に行われている。そして、各部材の周面同士の間の隙間寸法並びに表面粗さを工夫する事により、エンジン運転時に於ける各部材同士の摺接部の潤滑性を確保する様にしている。この様な潤滑性確保をより確実に行う為、支持軸5を燐青銅により、ローラ6を高炭素クロム軸受鋼により、それぞれ造る事も、一部で行われている。又、ロッカーアーム3及び支持軸5にエンジンオイル供給用の給油孔を開設する事も、例えば実開平4−32210号公報に記載されている様に、従来から提案されている。更に、ローラ6を窒化珪素等のセラミックにより造る事も、例えば特開平4−15296号公報、実開昭62−203911号公報、実開平3−108806号公報等に記載されている様に、従来から提案されている。
【0006】
又、ローラの内外両周面と相手面との間の潤滑が不十分な場合でも、これら転がり接触或は滑り接触する面に、著しい摩耗や焼き付き等の損傷が発生する事を防止する為の考慮も、従来から各種提案されている。例えば、特開昭59−183007号公報には、ローラの内外両周面に、軟窒化処理、酸化処理等の耐スカッフィング性表面処理を行なう事が記載されている。又、実開昭60−12604〜5号公報には、ローラを支持する支持軸の外周面とこのローラの内周面との間に、スリーブ或はリングを設ける事が記載されている。又、特開平8−74526号公報には、互いに対向するローラの内周面と支持軸の外周面とのうちの少なくとも一方に、摩擦低減用の表面処理層を形成する事が記載されている。
【0007】
又、ローラの回転抵抗を小さくする為に、このローラを二重構造とする事も、例えば実公昭46−9606号公報に記載されている様に、従来から知られている。更には、特開平8−296412号公報には、この様に二重構造のローラを有する構造で、何れかのローラの周面を、軸方向中央部が膨らんだ断面円弧状に形成する事が記載されている。図8(A)及び図9(A)に、この特開平8−296412号公報に記載された構造を示している。この構造では、ローラ6aは、内径側ローラ8と外径側ローラ9とを組み合わせて成る。このうちの内径側ローラ8は、内周面10を円筒面とし、外周面11を球状凸面としている。この様な内径側ローラ8は、ロッカーアーム3に設けた1対の支持壁部4、4の間に掛け渡した支持軸5の周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。又、上記外径側ローラ9は、内外両周面とも円筒面とし、上記内径側ローラ8の周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。この様に、内径側ローラ8の外周面の断面形状を、軸方向中央部が膨らんだ断面円弧状にする事により、図9(A)に示す様に、この内径側ローラ8を含むローラ6aを支持した支持軸5と、このローラ6aを構成する外径側ローラ9の外周面が当接する相手部材である、カムシャフト1の中心軸とが非平行になる、所謂ミスアライメントが発生した場合にも、上記ローラ6aを構成する内径側、外径側両ローラ8、9の周面の縁部と相手面とが極く狭い面積で当接する、所謂エッヂ当たりの発生を防止するとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
実開平4−32210号公報、特開平4−15296号公報、実開昭62−203911号公報、実開平3−108806号公報、特開昭59−183007号公報、実開昭60−12604〜5号公報、特開平8−74526号公報に記載された発明は、ローラと相手面との潤滑を良好にする技術、或は潤滑が不良の場合にも損傷防止を図る技術で、ミスアライメントが発生した場合の損傷防止を図れるものではない。又、実公昭46−9606号公報に記載されている技術は、ローラの回転抵抗を小さくする為のもので、やはりミスアライメントが発生した場合の損傷防止を図れるものではない。特開平8−296412号公報に記載された技術は、ミスアライメントが発生した場合にも、エッヂ当たりを防止できるが、代わりに、内径側ローラ8の外周面11と、外径側ローラ9の内周面12との接触面積が狭くなり、接触部に加わる面圧が大きくなる。
【0009】
即ち、上記内径側ローラ8の外周面11が、断面円弧状の凸面である為、この外周面11と外径側ローラ9の内周面12とは、これら内径側、外径側両ローラ8、9の弾性変形を考慮しても、図8(B)及び図9(B)に斜線で示す様な、狭い面積でのみ当接する。そして、この斜線部分に於いて上記両周面11、12に、図8(C)及び図9(C)に示す様に大きな面圧が加わる。
上記両周面11、12にこの様に大きな面圧が加わると、これら両周面11、12に、かじりや異常摩耗等の損傷を発生し易くなる為、好ましくない。
本発明は、この様な事情に鑑みて、ミスアライメントの発生時にエッヂ当たりを防止できる構造で、しかもローラの周面と相手面との当接部の面圧上昇を抑えられる構造を実現すべく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のローラ支持用軸受装置は、前述した従来のローラ支持用軸受装置と同様に、支持軸と、この支持軸の周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された内径側ローラと、この内径側ローラの周囲に外嵌した状態で回転自在に支持された外径側ローラとを備え、この外径側ローラの外周面と他の部材の表面とを係合させる状態で使用される。
特に、本発明のローラ支持用軸受装置に於いては、上記内径側ローラと上記外径側ローラとのうちの少なくとも一方のローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、この一方のローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けている。尚、本明細書で言う傾斜面部とは、後述する実施の形態からも明らかな様に、母線が直線である一般的なテーパ面だけでなく、母線が円弧状の曲面である先細面も含む。 又、請求項2に記載したローラ支持用軸受装置は、上記内径側、外径側両ローラで、これら各ローラの内外両周面のうちの少なくとも一方の周面の軸方向中央部に、これら各ローラの中心軸と平行な円筒面部を設けると共に、この円筒面部を挟む軸方向両側部分に、それぞれがこの円筒面部から離れるに従って、この円筒面部を形成した周面が対向する相手面から離れる方向に僅かに傾斜した、1対の傾斜面部を設けている。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明のローラ支持用軸受装置によれば、ミスアライメントの発生時にエッヂ当たりを防止し、しかもローラの周面と相手面との当接部の面圧上昇を抑える事ができる。
先ず、内径側、外径側両ローラのうちの少なくとも一方のローラの周面の軸方向中央部に設けた円筒面部の存在に基づき、この周面と相手面との当接面積を確保し、これら両面同士の当接部の面圧の上昇を抑えて、この当接部にかじりや異常摩耗等の損傷が発生するのを防止できる。
又、ミスアライメントの発生時には、1対の傾斜面部の存在に基づき、上記一方のローラの中心軸と相手部材の中心軸とを不一致にしつつ、この一方のローラの周面と相手面との当接状態を確保する。上記円筒面部に対する上記傾斜面部の傾斜角度は僅かであるから、これら円筒面部と傾斜面部との境界部での面圧上昇は僅かであり、かじりや異常摩耗等の損傷には結び付きにくい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。ロッカーアーム3の端部に設けた1対の支持壁部4、4の間に掛け渡した支持軸5の周囲にローラ6bを、回転自在に支承しており、このローラ6bの外周面を、カムシャフト1の中間部に固定したカム2の外周面に当接させている。本例の場合にはこのローラ6bを、内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとを組み合わせて成る。
【0013】
このうちの内径側ローラ8aは、内周面10を円筒面とし、外周面11aの断面形状を山形としている。即ち、上記内径側ローラ8aの外周面11aの軸方向(図1〜2の左右方向)中央部に、この内径側ローラ8aの中心軸と平行な円筒面部13を設けている。又、上記外周面11aの残部で、この円筒面部13を挟む軸方向両側部分に、1対の傾斜面部14、14を設けている。これら各傾斜面部14、14は、クラウニング加工により形成するもので、それぞれが上記円筒面部13から離れるに従って外径が小さくなる方向に僅かに傾斜した、円すい状凸面である。又、これら各傾斜面部14、14の大径側端部と上記円筒面部13の両端部との連続部には、超仕上加工やバレル加工等の後加工を施す事により、これら端部同士を断面円弧状の曲面により、滑らかに連続させている。この様な内径側ローラ8aは、上記支持軸5の周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。 【0014】
又、上記外径側ローラ9aは、内周面12を円筒面とし、外周面15を、上記内径側ローラ8aの外周面11aと同様に、断面山形としている。即ち、上記外径側ローラ9aの外周面15の軸方向中央部に、この外径側ローラ9aの中心軸と平行な円筒面部13aを設けると共に、この円筒面部13aを挟む軸方向両側部分に1対の傾斜面部14a、14aを、やはりクラウニング加工により設けている。又、これら各傾斜面部14a、14aの大径側端部と上記円筒面部13aの両端部とも、断面円弧状の曲面により、滑らかに連続させている。この様な外径側ローラ9aは、上記内径側ローラ8aの周囲に、外嵌した状態で回転自在に支持している。
【0015】
上述の様な内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとから成るローラ6bを組み込んで構成する、本例のローラ支持用軸受装置によれば、ミスアライメントの発生時にエッヂ当たりを防止し、しかも上記ローラ6bを構成する内径側ローラ8aの内外両周面10、11a及び外径側ローラ9aの内外両周面12、15と相手面との当接部の面圧上昇を抑える事ができる。
【0016】
先ず、上記ミスアライメントが発生していない状態で考える。上記内径側ローラ8aの内周面10と支持軸5の外周面とは、この内径側ローラ8aの内周面10のほぼ全長に亙って均一に当接する為、これら両周面同士の当接面積は十分に広くなり、当接部の面圧は限られたものとなる。又、上記内径側ローラ8aの外周面11aと上記外径側ローラ9aの内周面12との当接部、並びに、この外径側ローラ9aの外周面15と前記カム2の外周面とは、これら内径側、外径側各ローラ8a、9aの外周面の軸方向中央部に設けた円筒面部13、13aの存在に基づき、上記外径側ローラ9aの内周面12及びカム2の外周面との当接面積を確保する。即ち、この様にミスアライメントが発生していない状態では、上記各面12、13同士の当接部は、図1(B)に斜線で示す様に広くなる。そして、この斜線部分に於いて上記各面に、図1(C)に示す様な面圧が作用する。これら図1(B)(C)から明らかな通り、本例の構造によれば、上記各面同士の当接部の面積を広くしてこれら各当接部の面圧の上昇を抑え、これら各当接部にかじりや異常摩耗等の損傷が発生するのを防止できる。
【0017】
又、ミスアライメントの発生時には、図2(A)に示す様に、上記1対ずつの傾斜面部14、14aの存在に基づき、上記ローラ6bを構成する内径側、外径側両ローラ8a、9aの中心軸と他の部材であるカムシャフト1の中心軸とを不一致にしつつ、これら内径側、外径側両ローラ8a、9aの内外両周面と相手面との当接状態を確保する。この際、上記内径側、外径側両ローラ8a、9aは、僅かに弾性変形する。上記各円筒面部13、13aに対する上記各傾斜面部14、14aの傾斜角度は僅かであるから、これら各円筒面部13、13aと各傾斜面部14、14aとの境界部での面圧上昇は僅かである。即ち、これら各円筒面部13、13a及び傾斜面部14、14aと相手面とは、上記内径側、外径側両ローラ8a、9aの弾性変形を考慮すれば、図2(B)に斜線で示す様に、前述の図9〜10に示した従来構造に比べて広い面積で当接する。そして、この斜線部分に於いて上記各円筒面部13、13a及び傾斜面部14、14aと相手面とに、図2(C)に示す様な面圧が加わる。この図2(C)から明らかな通り、これら各面同士の当接部に加わる面圧の最大値は低く、これら各当接部に、かじりや異常摩耗等の損傷を生じにくい。 【0018】
尚、本発明を実施する場合に、支持軸5と内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとの材質は、特に限定しない。但し、耐久性とコストとを勘案した場合には、上記支持軸5は鋼製とし、(特に内径側ローラ8aの内周面10と対向する)中間部を焼き入れ硬化したものが好ましい。又、外径側ローラ9aも、焼き入れ硬化した鋼製とする事が望ましい。これに対して、内径側ローラ8aは、焼き入れ硬化した鋼製でも良いが、自己潤滑性を有する銅又は銅合金も、好ましく使用できる。又、上記内径側ローラ8aと外径側ローラ9aとの一方又は双方に、潤滑性を向上させたり、耐摩耗性を向上させる為の表面処理を施す事も、耐久性向上の面から好ましい。
【0019】
又、上記各傾斜面部14、14aの傾斜角度は、使用条件に応じて決定するが、自動車用のタペットローラ軸受として使用する場合で、10度以下にする。例えば、上記内径側、外径側各ローラ8a、9aの軸方向端面から1mmだけ軸方向中央部に寄った位置で、上記各傾斜面部14、14aの落ち量(円筒面部13、13aを延長したと仮定した場合の仮想円筒面と各傾斜面部14、14aとの直径方向に亙る距離)が1〜20μm程度になる様に、上記傾斜角度を規制する。又、上記各傾斜面部14、14aを、母線形状の曲率半径が500〜10000mm程度で、上記円筒面部13、13aの端部から滑らかに連続する曲面とする事もできる。この場合も、上記落ち量を上記範囲に規制する。又、上記内径側、外径側両ローラ8a、9aの全長に対する上記各円筒面部13、13aの割合は、40〜70%の範囲で設計的に定める。
【0020】
次に、図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ローラ6cを構成する内径側ローラ8bの内周面10aの軸方向中間部に円筒面部13bを形成し、この内周面10aの残部でこの円筒面部13bを挟む位置に1対の傾斜面部14b、14bを形成している。又、外径側ローラ9bは、外周面15に円筒面部13a及び傾斜面部14a、14aを形成するだけでなく、内周面12aにも円筒面部13c及び傾斜面部14c、14cを形成している。これら各傾斜面部14a、14b、14cは、内周面10a、12aに形成する傾斜面部14b、14cを、それぞれ円筒面部13b、13cから離れるに従って内径が大きくなる方向に傾斜させ、外周面15に形成する傾斜面部14a、14aは、円筒面部13aから離れるに従って外径が小さくなる方向に傾斜させている。この様な傾斜面部14a、14b、14cのうち、内周面10a、12aに形成する傾斜面部14b、14cは、だらし加工と呼ばれる塑性加工により形成できる。この様な構造を有する本例の場合も、上述した第1例の場合と同様に、各面同士の当接部の面積を広くしてこれら各当接部の面圧の上昇を抑え、これら各当接部にかじりや異常摩耗等の損傷が発生するのを防止できる。
【0021】
次に、図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ローラ6dを構成する内径側ローラ8cに、内周面10aだけでなく外周面11aにも、傾斜面部14、14を形成している。その他の構成及び作用は、上述した第2例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】
次に、図5は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、ローラ6eを構成する内径側ローラ8cとして上述した第3例と同様のものを、外径側ローラ9aとして前述した第1例と同様のものを、それぞれ使用している。更に、本例の場合には、上記内径側ローラ8cと外径側ローラ9aとの間に、中間ローラ16を設けて、上記ローラ6eを3相構造としている。この中間ローラ16は、上記外径側ローラ9aと同様に、内周面17を円筒面とし、外周面18の軸方向中間部に円筒面部13dを、軸方向両端部に傾斜面部14d、14dを、それぞれ設けている。この様な本例の場合には、上記ローラ6eの内部に設ける滑り面の数を増やし、これら各滑り面毎の滑り量を少なくし、潤滑条件を改良して、摩耗の低減を図れる。その他の構成及び作用は、上述した各例の場合と同様である。
【0023】
【0024】
【発明の効果】
本発明のローラ支持用軸受装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、特に組み付け精度を高くする事なく、安価に製作でき、しかも優れた耐久性を有するカムフォロア装置の実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態の第1例を、ミスアライメントが発生していない状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【図2】
本発明の実施の形態の第1例を、ミスアライメントが発生した状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【図3】
本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図4】
同第3例を示す断面図。
【図5】
同第4例を示す断面図。
【図6】
タペットローラ軸受の部分切断平面図。
【図7】
図6のX−X断面図。
【図8】
従来構造の1例を、ミスアライメントが発生していない状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【図9】
従来構造の1例を、ミスアライメントが発生した状態で示しており、(A)は断面図、(B)は当接面積を表す為、当接部を(A)の下方から見た図、(C)は当接部の面圧分布を示す線図。
【符号の説明】
1 カムシャフト
2 カム
3 ロッカーアーム
4 支持壁部
5 支持軸
6、6a、6b、6c、6d、6e ローラ
7 通孔
8、8a、8b、8c 内径側ローラ
9、9a、9b 外径側ローラ
10、10a 内周面
11、11a 外周面
12、12a 内周面
13、13a、13b、13c、13d 円筒面部
14、14a、14b、14c、14d 傾斜面部
15 外周面
16 中間ローラ
17 内周面
18 外周面
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