JPH11250891A - ニッケル・水素二次電池 - Google Patents

ニッケル・水素二次電池

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JPH11250891A
JPH11250891A JP10051142A JP5114298A JPH11250891A JP H11250891 A JPH11250891 A JP H11250891A JP 10051142 A JP10051142 A JP 10051142A JP 5114298 A JP5114298 A JP 5114298A JP H11250891 A JPH11250891 A JP H11250891A
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JP
Japan
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current collector
negative electrode
battery
nickel
positive electrode
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JP10051142A
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English (en)
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Koji Taguchi
幸治 田口
Kazuhiko Harada
和彦 原田
Koichi Mukai
宏一 向井
Kazuhiro Takeno
和太 武野
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1時間率の5倍以上の大電流放電が可能なニ
ッケル・水素二次電池を提供する。 【解決手段】 集電体シートにニッケル化合物を主体と
する正極合剤が担持されている正極2と、集電体シート
に水素吸蔵合金を主体とする負極合剤が担持されている
負極1とをセパレータ3を介して交互に積層または巻回
して成る構造の電極群Aが電池缶5の中に電解液と一緒
に収容され、電池缶5の開口部は正極端子10を備えた
封口板8で密閉されているニッケル・水素二次電池にお
いて、少なくとも負極1の集電体シートの端部1Aは、
そこに溶接して配設された集電板6aを介して電池缶5
に導通しているニッケル・水素二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル・水素二次
電池に関し、更に詳しくは、電池の内部抵抗が低いの
で、従来のニッケル・水素二次電池に比べると大電流を
取り出すことができるニッケル・水素二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の電動工具や電動補助付き自転車、
また最近開発が進められている電気自動車などの駆動電
源としては、充放電が可能でかつ携帯可能という点で各
種の二次電池が使用されている。上記用途に適合する二
次電池には、大電流放電が可能であるという特性が必要
事項とされ、従来からは、ニッケル・カドミウム二次電
池を採用するケースが多い。これはつぎのような理由に
よる。
【0003】すなわち、ニッケル・カドミウム二次電池
は、その内部抵抗が低く、時間率当たりの放電電流(放
電率)は大きく、また過充・過放電した場合であっても
電池特性の劣化を起こしにくいという特性を備えている
からである。一方、ノート型パソコンや携帯電話などの
小型電子機器の駆動電源としては、前記したニッケル・
カドミウム二次電池よりもニッケル・水素二次電池が広
く使用されている。これはつぎの理由による。
【0004】すなわち、ニッケル・水素二次電池は、同
一サイズのニッケル・カドミウム二次電池に比べると、
その内部抵抗が高く、放電率も小さいとはいえ、その放
電容量は1.5〜2倍と大きいので、形状が小型であっ
ても、微小電流で駆動可能な電子機器を長時間に亘って
駆動せしめることができるからである。このニッケル・
水素二次電池には円筒形のものと角形のものがあるが、
円筒形のものについて、その概略を以下に説明する。
【0005】最初に、正極と負極の製造について説明す
る。正極の製造に際しては、活物質である水酸化ニッケ
ルのようなニッケル化合物の粉末を主体とし、これとP
TFEのような結着剤と例えばコバルト酸化物やコバル
ト水酸化物のようなコバルト化合物の導電材と水とを混
練して正極合剤のペーストを調製する。
【0006】ついで、このペーストの所定量を、例えば
3次元網状構造を有するスポンジ状の金属多孔体や金属
繊維マットなどの耐アルカリ性の金属多孔構造体(集電
体シート)に充填したのち、乾燥、必要に応じては加圧
成形,裁断などを行って、所定の厚みと所定の平面形状
を有するシート状の正極にする。したがって、得られた
正極は、集電体シートの内部空隙部と表面に、乾燥した
正極合剤が担持された状態になっている。そして、正極
の上端部には、小片形状をした例えばニッケル製のタブ
端子が取り付けられる。
【0007】一方、負極の製造に際しては、まず、水素
吸蔵合金の粉末を主体とし、更にはカルボキシメチルセ
ルロースのような増粘剤や炭素粉末のような導電材が配
合されている負極合剤のペーストを調製する。ついで、
このペーストの所定量を、所定の開口率を有する例えば
ニッケルパンチングシート(集電体シート)に塗着,乾
燥したのち、圧延処理,裁断などを行って、所定の厚み
と所定の平面形状を有するシート状の負極にする。した
がって、得られた負極は、集電体シートの開口部と表面
に乾燥した負極合剤が担持された状態になっている。
【0008】そして、この負極の場合、正極の場合と同
じように、端部にタブ端子を取り付けることもある。こ
のようにして製造された正極と負極を用いて、次に、電
極群が製造される。図9、および図9のX−X線に沿う
断面図である図10,図9のXI−XI線に沿う断面図であ
る図11で示したように、まず、集電体シート(ニッケ
ルパンチングシート)1aに負極合剤1bが担持されて
いる負極と、集電体シート(ニッケル発泡体シート)2
aに正極合剤が担持され、また一方の端部にタブ端子2
cが取り付けられている正極2の間に、保液性と電気絶
縁性を備えた例えばポリオレフィン不織布のようなセパ
レータ3を挟んでシート積層体にする。
【0009】そして、このシート積層体の正極2に巻き
芯を配置したのち、負極1が外側となるように巻回して
渦巻形状をした所定外径の電極群を製造する。したがっ
て、電極群の断面構造は、図12で示したように、負極
1と正極2がセパレータを介して交互に積層して成る積
層構造になっていて、その中心部に巻き芯を脱抜したの
ちに残る空孔4が形成されている。
【0010】そして、この電極群が所定内径の電池缶の
中に挿入され、かつ所定のアルカリ電解液が注液され、
正極端子を備えた封口板で電池缶の上部開口が密閉され
る。このとき、電極群の負極1は電池缶の内壁と接触す
るので電池缶は負極端子として機能する。そして、電極
群の電池缶への挿入時には正極2のタブ端子2cが封口
板に接続される。
【0011】なお、角形電池の電極群の場合は、負極と
正極をセパレータを介して複数枚交互に重ね合わせて所
定の厚みにしたものが用いられる。したがって、この場
合も電極群の断面構造は積層構造になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したニ
ッケル・カドミウム二次電池は、大電流を取り出すこと
ができるにもかかわらず、電極中のカドミウムが環境に
悪影響を及ぼす虞があるとのことから最近では前記した
電動工具などの駆動電源としては敬遠されはじめ、無公
害でかつニッケル・カドミウム二次電池よりも高容量な
ニッケル・水素二次電池と置換することが検討されてい
る。
【0013】しかしながら、従来から市販されているニ
ッケル・水素二次電池は、1時間率の1〜3倍程度の放
電時にはじめて公称容量に相当する容量を得ることがで
きるので、微小電流で駆動可能な前記小型電子機器の電
源としては有効であるとはいえ、大電流を必要とする電
動工具や電気自動車などの電源としては事実上使用でき
ないという問題があった。
【0014】例えば、従来のニッケル・水素二次電池の
場合、1時間率の5倍を超えるような大電流で放電させ
ると、作動電圧は大幅に低下してしまい、実用に耐え得
ないという現状にある。本発明は、従来のニッケル・水
素二次電池における上記した問題を解決し、高容量でか
つ大電流放電を行っても作動電圧の低下を抑制すること
ができる新規構造のニッケル・水素二次電池の提供を目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するための研究を進めるに当たり、以下のような
考察を行った。 (1)ニッケル・水素二次電池はニッケル・カドミウム
二次電池に比べてその容積エネルギー密度が大きいの
で、同一サイズの電池を同じ時間率で放電させた場合、
ニッケル・水素二次電池の放電電流の方が大きくなる。
【0016】したがって、ニッケル・水素二次電池を高
い放電率で作動させても電池の作動電圧が低下しないよ
うにするためには、その内部抵抗をできるだけ低くする
ことが必要になる。従来のニッケル・水素二次電池の場
合には、負極と電池缶の内壁との接触界面が一方の導通
経路であった。そして微小電流の取り出し時には、その
接触抵抗は大きな電圧低下を引き起こすことはないが、
放電電流が大きくなると、上記接触抵抗は作動電圧の低
下に大きく影響を与えることになる。
【0017】したがって、ニッケル・水素二次電池で大
電流放電を実現するためには、別の低抵抗な導通経路を
組み込むことが必要になってくる。 (2)また、電極群において、正極と負極との対向面積
を大きくすると、両極間を流れる電流の電流密度を小さ
くし、作動電圧の低下を抑制することができる。
【0018】したがって、正極と負極との対向面積、基
本的には正極活物質を担持している部分の面積を大きく
することは、大電流放電の実現にとって有効であると考
えられる。以上の観点に立って、本発明者らは鋭意研究
を進め、本発明のニッケル・水素二次電池を開発するに
至った。
【0019】すなわち、本発明のニッケル・水素二次電
池は、集電体シートにニッケル化合物を主体とする正極
合剤が担持されている正極と、集電体シートに水素吸蔵
合金を主体とする負極合剤が担持されている負極とをセ
パレータを介して交互に積層または巻回して成る構造の
電極群が電池缶の中に電解液と一緒に収容され、前記電
池缶の開口部は正極端子を備えた封口板で密閉されてい
るニッケル・水素二次電池において、少なくとも前記負
極の集電体シートの端部は、そこに溶接して配設された
集電板を介して前記封口板と前記電池缶にそれぞれ導通
していることを特徴とする。とくに、本発明において
は、正極の集電体シートの端部にも集電板が配設され、
また、前記電池群における前記正極の正極合剤が担持さ
れている部部の面積が、電池の理論容量(単位:Ah)当
たり30cm2以上であるニッケル・水素二次電池が提供
される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に則して本発明のニッ
ケル・水素二次電池を詳細に説明する。図1は、電極群
の下端部と上端部の双方に集電板を配設した本発明の円
筒形ニッケル・水素二次電池の好適な1例を示す断面図
である。図1において、電池缶5の中には、負極1とセ
パレータ3と正極2のシート積層体を渦巻状に巻回して
成る電極群Aが図示しないアルカリ電解液と一緒に収容
されている。
【0021】そして、電池缶5の缶底には、所定の直径
を有する円板形状の集電板6aが溶接して配設され、そ
の上に前記電極群Aが配設され、そして電極群Aの上に
は、正極端子10を備えた封口板8に溶接されたリード
7に接続して所定の直径を有する集電板6bが配置さ
れ、封口板8はガスケット9を介して電池缶5の上部開
口に嵌め込まれ、そこに加締め加工を施すことにより全
体が密閉された構造になっている。
【0022】ここで、上記した集電板6a,6bはいず
れも電池の内部抵抗を下げるための手段であり、これら
を電極群Aの下端面と上端面にそれぞれ配設しているこ
とが本発明の電池における特徴になっている。なお、本
発明の電池においては、電極群Aの下端面に集電板6a
を配設することが必須要件であり、上端面への集電板6
bの配設は必ずしも必要としない。そして、電極群Aの
上端面に集電板6bを配設することに代えて、例えば正
極の製造時に、その上端に複数個のタブ端子を取り付け
た態様になっていてもよい。しかしながら、複数個のタ
ブ端子の取付の場合に比べると、図1で示したように、
電極群Aの上端面にも集電板6bを配設した場合は、電
池の内部抵抗が下がるという点で有利であるとともに、
電池の組立作業も容易になるので好適である。
【0023】まず、上記した電極群Aにおける負極1と
正極2は次のような構造になっている。まず、負極1の
場合、図2および図2のIII−III線に沿う断面図である
図3で示したように、集電体シート1aの一方の端部1
A(図では下端部)には負極合剤1bは担持されておら
ず、端部1Aは集電体シート1aが帯状に表出した状態
になっている。また、正極2の場合には、図4および図
4のV−V線に沿う断面図である図5で示したように、
集電体シート2aの一方の端部2A(図では上端部)は
厚み方向に圧縮されて緻密化した状態になっていて、そ
の端部2Aは、そこに正極合剤2bが担持されない状態
で帯状に表出している。
【0024】この電極群Aの製造時にあっては、上記し
た端部1Aと端部2Aが互いに反対方向を向くようにし
て負極1と正極2を重ね合わせたのち負極1を外側にし
て巻回する。したがって、得られた電極群Aは、その一
方の端面(下端面)に負極集電体シート1aの端部1A
が渦巻形状をなして突出しており、また他方の端面(上
端面)には、正極集電体シート2aの端部2Aが同じく
渦巻形状をなして突出している。
【0025】そして、得られた電極群Aを電池缶5に挿
入するに際しては、まず、渦巻状に突出している負極集
電体シート1aの端部1Aの上に後述する集電板6aを
配置して当該集電板と前記端部1Aの端面1Bを接触さ
せたのち、その接触部の複数箇所を溶接して電極群Aと
集電板6aを一体化する。ついで、溶接されている集電
板6a側を下にして電極群Aを電池缶5の中に挿入して
前記集電板6aと電池缶5の缶底を接触させる。そし
て、電極群Aの空孔4から上部溶接電極(図示しない)
を挿入して集電板6aを加圧し、また電池缶5の外側に
は下部溶接電極(図示しない)を配置して前記電池缶5
の缶底を上方に加圧し、両電極間に溶接電流を通電する
ことにより、集電板6aを電池缶5の缶底に溶接する。
なお、集電板6aの下面の中心部に小さな突起などを形
成しておくと、上記した溶接の信頼性が高まるので好適
である。
【0026】そして、正極集電体シート2aの端部2A
の上に集電板6bを配置して当該集電板と前記端部2A
の端面を接触させたのち、その接触部の複数箇所を溶接
して電極群Aと集電板6bを一体化する。このようにし
て組み立てられた図1で示した電池においては、正極端
子10⇔封口板8⇔リード7⇔上部集電板6b⇔正極集
電体シートの端部2A⇔正極2,負極1⇔負極集電体シ
ートの端部1A⇔下部集電板6a⇔電池缶5の導通経路
が形成され、ここを充・放電電流が流れることになる。
【0027】これら集電板6a,6bの直径は、電池缶
1の内径よりも小さく、その表面が確実に端部1A,端
部2Aと接触可能な状態になっている。なお、集電板6
a,6bの表面のうち、負極集電体シートの端部1A,
正極集電体シートの端部2Aと接触する方の表面に微小
突起を形成しておくと、上記した各端部との接触や点溶
接を行ったときに、当該微小突起が各集電体シートの端
部の端面に食い込むような状態になるため、溶接電流を
流すときの接触抵抗が小さくなり、溶接後における溶接
点の強度が高くなって好適である。
【0028】そして、これら集電板6a,6bを構成す
る材料としては、アルカリ電解液で侵食されず、比抵抗
が小さく、しかも比較的低コストで入手可能なものが選
定される。例えば、純Niやステンレス鋼,Niめっき
を施した金属などの板を好適とする。また、電池缶5の
内径が一定であるとすれば、集電板6a,6bの厚みが
厚いほど全体としての導体抵抗は低くなって大電流が流
れやすくなる。しかし、あまり厚くするとコスト高や電
池の容量低下を招くことになるので、その厚みは0.1
5〜2.0mm程度に設定することが好ましい。
【0029】集電板と各集電体シートの端部とを例えば
点溶接した場合、その点溶接箇所の個数、すなわち溶接
点の数は、電池の内部抵抗を低めるという点で重要な因
子となる。例えば、電極群Aにおいて、負極集電体シー
トの端部1Aに下部集電板6aが4箇所で溶接されてい
る場合、この負極1を展開したとすると、図6で示した
ように、負極1の端部1Aには4箇所の溶接点B1,B
2,B3,B4が存在することになる。そして、負極1
の全面で生起する電池反応に基づく電子の授受反応は、
これら溶接点B1,B2,B3,B4を経由して実現す
る。すなわち、図6で示した負極1は溶接点B1,B
2,B3,B4にそれぞれ4個のタブ端子が取り付けら
れた状態と同じになっている。したがって、この溶接点
の数が多くなればなるほど、負極1に取り付けられてい
るタブ端子の数が多くなることと同義になり、それは、
負極1の全ての箇所における電子の授受反応にとって、
負極1が全体として低抵抗になっていることを意味す
る。
【0030】このように溶接点の数が増加することは、
負極1(正極2の場合も同様である)の見掛け上の抵抗
を下げ、ひいては電池全体の内部抵抗を下げるという点
で有効である。しかし、溶接点の数があまり多くなるこ
とは、実際の製造工程においては、集電板との点溶接作
業を多く行うことになるため、製造コストの上昇を招
く。
【0031】なお、放電容量が小さい電池の場合には、
上記した溶接点の数が少なくてもよいが、放電容量が大
きくなると負極1における電子の授受反応も増加するの
で、上記した溶接点の数もそれに対応するために増加さ
せることが必要になってくる。このようなことから、本
発明の電池構造においては、溶接点の数が製造目的の電
池容量との関係で選択されることになる。具体的には、
電池の理論容量(単位:Ah)当たり、4点以上にするこ
とが好ましい。
【0032】なお、集電板は全体として集電体シートよ
りも低抵抗であることが必要であるが、集電板と各集電
体シートの端部との点溶接を良好に行うためには、溶接
すべき箇所における集電板の抵抗値の方が集電体シート
の端部の抵抗値よりも高くなっていることが必要であ
る。その逆の場合には、溶接電流が両者の接触界面を横
断して流れないので、当該接触界面におけるナゲットの
形成は起こりづらくなる、すなわち良好な溶接状態が実
現しなくなるからである。このことは、用いる集電板に
スリットや穴などを形成することによって達成すること
ができる。
【0033】また、電池の内部抵抗を低めるためには、
電極群Aにおける正極2と負極1の対向面積を大きくす
ることが有効である。具体的には、活物質を担持してい
る正極2の面積を大きくする。これは、高い放電率に基
づく大電流に対しても電流密度が小さくなり、更に前記
した集電板の配置による内部抵抗の低下効果とも相俟っ
て、大電流放電が許容されるようになるからである。
【0034】具体的には、電極群Aに巻回されている正
極2の面積を、製造目的の電池の理論容量(CT:Ah)
当たり30cm2以上、すなわち、30cm2/Ah以上にする
ことが好適である。より好ましくは、38cm2/Ah以上
にする。正極2の面積を大きくするためには、例えば電
極群Aの外径や高さが一定であれば、正極2の厚みを薄
くすればよい。電極群Aに巻回される正極2の長さは長
くなり、その結果、巻回後の正極の層数も多くなり、電
極群Aにおける正極の面積が広くなるからである。しか
し、あまり薄くすると、正極の強度が低下して巻回時に
ワレや亀裂などが発生し電極群Aの不良本数が増加して
しまうので、厚みの上限は100cm2/Ahに設定するこ
とが好ましい。
【0035】なお、正極2としては、焼結式,ペースト
式の何れであってもよいが、ペースト式の方が正極合剤
の担持量を多くすることができ、電池の高容量化に対し
ては有効である。ペースト式の正極に担持される正極合
剤は、活物質である水酸化ニッケルの単体粉末や、亜
鉛,コバルト,ビスマス,銅などとニッケルを共沈させ
て製造した粉末を主体とし、これに、導電材と結着剤を
配合して調製される。このときの活物質の配合量は、製
造する電池の理論容量との関係で決められ、それに対応
して導電材や結着剤の配合量が調整される。
【0036】活物質が後者のものである場合は、組み立
てた電池の高温状態における充電効率を高くすることが
できるので好適である。また、活物質として用いる水酸
化ニッケルは、それをX線粉末回折法で測定したときの
(101)面のピーク半価幅が0.8°/2θ(Cu−
Kα)以上、とくに、0.9〜1.0°/2θ(Cu−K
α)になっているものが、利用率,寿命を向上させるこ
とができるので好適である。
【0037】導電材としては、コバルト化合物や金属コ
バルトから選ばれる1種以上の粉末が用いられる。コバ
ルト化合物としては、例えば水酸化コバルト,一酸化コ
バルトなどをあげることができる。とくに、水酸化コバ
ルトもしくは一酸化コバルトまたは両者の混合物は正極
の利用率を高めることができるので好適である。また結
着剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース,メ
チルセルロース,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリビニ
ルアルコール,ビニルアルコールとアクリル酸ナトリウ
ムの共重合体,ポリテトラフルオロエチレンなどを用い
ることができる。
【0038】そして、上記した組成の正極合剤を担持せ
しめる集電体シートとしては、ニッケルやステンレス
鋼、またはニッケルめっきが施された金属から成り、網
状,スポンジ状,繊維状、またはフェルト状の多孔構造
体を用いることができる。また、ニッケル・水素二次電
池の負極としても、前記した正極の場合と同様に、焼結
式,ペースト式のものが知られている。これらのうち、
焼結式の負極は、電池の高容量化にとっては不利であ
り、また製造工程も複雑でありコスト高を招くという問
題がある。ペースト式の負極は、電池の高容量化を可能
とし、また製造しやすく製造コストも低くなるという点
で有利である。
【0039】本発明の電池に組み込む負極1としては、
焼結式,ペースト式の何れのタイプのものを用いること
ができるが、以下に説明するようにして調製された負極
合剤を担持するペースト式の負極を用いると高容量化を
達成することができるので好適である。すなわち、上記
した負極合剤は、水素吸蔵合金の粉末に、結着剤として
のポリテトラフルオロエチレンまたはスチレン・ブタジ
エンゴムや変性スチレン・ブタジエンゴムと、導電材と
しての炭素粉末または/およびニッケル粉末を配合して
配合されたペーストである。
【0040】負極合剤を担持せしめる集電体シートとし
ては、ニッケルやステンレス鋼、またはニッケルめっき
が施された金属から成り、網状,スポンジ状,繊維状、
またはフェルト状の多孔構造のものや箔、所望する開口
率のパンチングメタルなどをあげることができる。これ
らのうち、パンチングメタルは、強度,価格の点や、負
極合剤ペーストの塗着性が良好である点で好適である。
【0041】ここで、用いる集電体シートがパンチング
メタルである場合には、次のような態様にすることが好
ましい。すなわち、図2と図3で示した負極1におい
て、集電体シート(パンチングメタル)1aとしては、
その端部1Aが無開口部になっているものを用いること
が好ましい。集電板6aとの溶接点間における抵抗を低
くすることができるからである。
【0042】また、端部1Aに開口部が存在していたと
しても、端部1Aにおける開口率は負極合剤が担持され
ている他の箇所における開口率よりも小さくなっていれ
ばよい。その場合も、負極合剤が担持されている他の箇
所に比べて相対的には、溶接点間の抵抗が低くなるから
である。なお、図7で示したように、集電体シート1a
として端部1Aが無開口部になっているものを用い、そ
して、この端部1Aの箇所にも負極合剤1bを担持せし
めたのち、端部1Aの端面1Bに付着している負極合剤
を例えば研削除去して当該端面1Bのみを表出せしめ、
ここに集電板6aを溶接することが好ましい。
【0043】この場合の負極は、図2で示した負極の場
合に比べて、無開口部である端部1Aの箇所にも負極合
剤1bが担持されているので負極としての容量は大きく
なるからである。また、無開口部も含めて集電体シート
の全面に負極合剤を担持させたのち、前記無開口部の一
部を裁断除去すると、簡便に、集電体シートの端面を表
出させることができるので製造上好適である。
【0044】
【実施例】実施例1〜5,比較例1〜3 図1で示した4/5Aサイズの円筒形ニッケル・水素二
次電池を次のようにして製造した。この電池缶の内径は
16.1mmである。 (1)正極の製造 Ni発泡体シートを集電体シート2aとして用意し、そ
の上端を幅2mmに亘って長さ方向に加圧して緻密化する
ことにより図4と図5で示した端部2Aを設けた。この
端部2Aの厚みは前記Ni発泡体シートの全体の厚みの
1/5になっている。
【0045】ついで、上記端部2Aを除いた部分のNi
発泡体シートに、水酸化ニッケル粉末を主体とする正極
合剤ペースト2bを充填し、温度100℃で1時間乾燥
したのち、圧延して図4で示した正極2を製造した。こ
のとき、正極合剤の充填量や厚みを変化させることによ
り正極合剤の量は一定量のまま、電極群Aを組み立てた
ときの面積が表1となるような正極にした。
【0046】
【表1】
【0047】(2)負極の製造 水素吸蔵合金粉末100重量部に対し、アクリル酸ナト
リウムとビニルアルコールの共重合体0.3重量部,カ
ルボキシル化スチレン・ブタジエンゴム(トルエン不溶
分60重量%)1重量部,カーボンブラック1重量部,
ニッケル粉末1重量部の割合で混合し、ここに水50重
量部を添加して撹拌し、負極合剤ペーストを調製した。
【0048】一方、厚みが0.06mmで、直径1mmの開
口が開口率45%で形成されているニッケルパンチング
シートを集電体シート1aとして用意した。このニッケ
ルパンチングシートに上記の負極合剤ペーストを塗着
し、温度80℃で1時間乾燥したのち圧延して表2で示
したような負極1〜3を製造した。そして各負極の端部
に付着している乾燥合剤を除去し、図2で示したよう
に、幅2mmの端部1Aを表出させた。
【0049】また、端部に幅2mmの無開口部を有するニ
ッケルパンチングシートを用いて表2における負極3の
場合と同様にして負極を製造し、これを負極4とした。
【0050】
【表2】
【0051】(3)電極群Aの製造 表1の各正極と表2の各負極とを表3で示したように組
み合わせ、互いの間に厚み0.12mmのポリオレフィン
不織布をセパレータとして挟んでシート積層体とした。
このとき、正極2の端部2Aと負極1の端部1Aは互い
に逆向きとなるように配置されている。
【0052】このシート積層体を直径4mmの巻き芯を用
いて負極が外側となるように巻回して、外径が16mm,
中心部に直径4mmの空孔4が形成されている表3で示し
たような4種類の電極群Aを製造した。
【0053】
【表3】
【0054】(4)電池の組み立て 電池の組み立てに際し、表4で示したような導通経路を
設計した。
【0055】
【表4】
【0056】表4における負極からの集電手段のうち負
極への集電板の配設は、次のようにして行った。すなわ
ち、直径15.5mmのニッケル製の集電板6aを各電極
群における端部1Aの端面1Bに接触させたのち、20
箇所を点溶接して両者を一体化させ、ついで集電板6a
を下にして電極群Aを電池缶5の中に挿入して集電板に
集電板6aを接触させたのち溶接した。
【0057】また、正極からの集電手段のうち正極への
集電板の配設は次のようにして行った。すなわち、電極
群Aの上に直径15.5mmのニッケル製集電板6bを配
置して20箇所を点溶接し、更に集電板6bにニッケル
製のリード7を溶接したのち封口板8にも当該リード7
を溶接した。
【0058】表4における導通経路2,3,4は次のよ
うにして形成した。まず、表中で正極にタブ端子を配設
とあるものは、正極として表1で示した正極1(導通経
路2の場合)または正極2(導通経路4の場合)を用
い、その端部2Aに幅2mm,厚み0.2mm,長さ15mm
のニッケル製タブ端子を1個(導通経路2の場合)また
は4個(導通経路4の場合)取り付けてそれを封口板8
に接続した。また表中で負極に電池缶の内壁と接触とあ
るものは、表2で示した負極1(導通経路2の場合)ま
たは負極2(導通経路4の場合)であって、かつその端
部1Aにも負極合剤が担持されているものを用いて電極
群を製造し、電池缶の缶底には絶縁板を配置し、その上
に電極群を配設した。
【0059】すなわち、この場合に得られる電池のうち
導通経路1,4の場合は負極に集電板を配設していない
ので、負極と電池缶の接触界面で導通経路が形成されて
いるものになる。以上の方法で組み立てた電池を一括し
て表5に示す。
【0060】
【表5】
【0061】(5)電池の特性 以上の各電池につき、1時間率で1.2時間の放電を行
い、30分の休止ののち、1時間率の10倍の電流で放
電し、そのときの電池の作動電圧を測定した。その結果
を、放電容量/公称容量と作動電圧の関係として図6に
示した。図6から次のことが明らかである。
【0062】1.各実施例電池は、いずれも、上記した
高い放電率においても安定した放電が実現している。し
かし、比較例電池は急激に作動電圧が低下している。実
施例電池では、集電板6a,6bを配置することにより
電池の内部抵抗が低下しているからである。 2.また、同じ実施例電池でも、電極群における正極の
面積が増加するほど大電流放電しても作動電圧の低下が
少なくなっている。
【0063】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ニッケル・水素二次電池は、高容量であり、しかも、従
来のニッケル・水素二次電池では実現できなかったよう
な大電流放電、すなわち1時間率の5倍を超えるような
放電も可能になっている。したがって、この電池は、電
動工具や電気自動車などの駆動源としてその工業的価値
は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニッケル・水素二次電池の1例を示す
断面図である。
【図2】負極の1例を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】正極の1例を示す平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】集電板が点溶接された負極の展開図である。
【図7】好適な負極への集電板の配置状態を示す断面図
である。
【図8】放電容量/公称容量と作動電圧との関係を示す
グラフである。
【図9】負極とセパレータと正極を重ね合わせた状態を
示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図9のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】従来の電極群の断面構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 負極 1a 集電体シート 1A 集電体シート1aの端部 1b 負極合剤 1B 端部1Aの端面 2 正極 2a 集電体シート 2A 集電体シート2aの端部 2b 正極合剤 2c タブ端子 3 セパレータ 4 空孔 5 電池缶 6a,6b 集電板 7 リード 8 封口板 9 ガスケット 10 正極端子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】(5)電池の特性 以上の各電池につき、1時間率で1.2時間の充電を行
い、30分の休止ののち、1時間率の10倍の電流で放
電し、そのときの電池の作動電圧を測定した。その結果
を、放電容量/公称容量と作動電圧の関係として図6に
示した。図6から次のことが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武野 和太 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体シートにニッケル化合物を主体と
    する正極合剤が担持されている正極と、集電体シートに
    水素吸蔵合金を主体とする負極合剤が担持されている負
    極とをセパレータを介して交互に積層または巻回して成
    る構造の電極群が電池缶の中に電解液と一緒に収容さ
    れ、前記電池缶の開口部は正極端子を備えた封口板で密
    閉されているニッケル・水素二次電池において、 少なくとも前記負極の集電体シートの端部が、そこに溶
    接して配設された集電板を介して前記電池缶に導通して
    いることを特徴とするニッケル・水素二次電池。
  2. 【請求項2】 前記正極の集電体シートが、そこに溶接
    して配設された集電板を介して前記封口板に導通してい
    る請求項1のニッケル・水素二次電池。
  3. 【請求項3】 前記電池群における前記正極の正極合剤
    が担持されている部分の面積が、電池の理論容量(単
    位:Ah)当たり30cm2以上である請求項1または2の
    ニッケル・水素二次電池。
  4. 【請求項4】 前記集電板には、前記集電体シートの端
    部と対面する側の面に複数個の微小突起が形成されてお
    り、前記集電板と前記集電板シートの端部が点溶接され
    ている請求項1〜3のいずれかのニッケル・水素二次電
    池。
  5. 【請求項5】 前記負極の集電体シートがパンチングメ
    タルである請求項1〜4のいずれかのニッケル・水素二
    次電池。
  6. 【請求項6】 前記負極の集電体シートが、端部に無開
    口部を有するパンチングメタルであり、前記無開口部に
    前記集電板が溶接されている請求項5のニッケル・水素
    二次電池。
  7. 【請求項7】 前記負極にはパンチングメタルの全面に
    負極合剤が担持され、前記パンチングメタルにおける前
    記集電板と対面する端面のみが表出しており、かつ前記
    端面に前記集電板が溶接されている請求項5または6の
    ニッケル・水素二次電池。
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