JPH11251068A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH11251068A
JPH11251068A JP10048089A JP4808998A JPH11251068A JP H11251068 A JPH11251068 A JP H11251068A JP 10048089 A JP10048089 A JP 10048089A JP 4808998 A JP4808998 A JP 4808998A JP H11251068 A JPH11251068 A JP H11251068A
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organic
layer
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hole transporting
anode
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Akira Takahashi
亮 高橋
Goro Asari
悟郎 浅利
Macmeeking Graham
マクミーキング グラハム
Shinji Terasono
真二 寺園
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】輝度半減寿命が長く発光特性に優れる有機エレ
クトロルミンネッセンス素子を提供する。 【解決手段】陽極2と陰極6との間に、有機化合物から
なる発光層5を有し、陽極に接する第1正孔輸送層3に
60Hz時の誘電率が4.5以下のバインダー樹脂を5
〜95重量%含有し、さらに正孔輸送物質として一般式
(1)または(2)で示されるトリフェニルアミン化合
物を少なくとも1種類以上含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子や発光素
子等に利用される有機エレクトロルミネッセンス素子
(有機EL素子)に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、10V程度の低い電圧
で発光し、視認性が高い。また、発光層に用いる有機化
合物を変化させることにより、発光の色調や発光効率を
変化させることが容易にできる。このため、薄型平面フ
ルカラー表示素子、各種表示素子、平面光源等への利用
が試みられている。
【0003】しかし、従来の有機EL素子は、寿命が短
いという欠点を持っている。この原因の1つとして、有
機EL素子では駆動中の発熱が有機化合物の結晶化を誘
発し、輝度低下を招くことが指摘されている。例えば、
Polymer preprints,Japan vol.40,3765(1991) 等におい
て議論されている。また、大面積の素子においては、素
子の短絡による非発光化の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】有機EL素子では、陽
極から正孔が注入され、陰極から電子が注入され発光層
中で再結合し、励起子が生成する。その励起子のエネル
ギーが蛍光物質に移動し発光する。しかしながら、その
エネルギーの多くの部分は、非発光遷移として熱に変化
している。
【0005】また、有機EL素子では、通常の発光時、
1μm以下の膜厚に10V以上の電圧を印加するため、
平均で1.0×107 V/m以上の高電界がかかること
が多い。このため、短絡を発生しやすく、輝度半減寿命
が短いという欠点の原因となりやすい。
【0006】このうち、素子発光時の発熱については、
しばしば議論されており それが有機物の結晶化・凝集
を誘発し、結晶粒の成長により、薄膜の均一性を乱した
り、素子中にピンホールを生じさせる。この結果、素子
中の電流量が不均一になり、さらには電流のリークが起
こる。このメカニズムが素子短絡の発生や輝度低下の原
因の1つであるといわれている。
【0007】これに対して、対策として各有機層の耐熱
性向上をめざして、ガラス転移温度の高い正孔輸送物質
の開発が行われてきた。例えば、特開平4−30868
8や特開平8−259940等である。これにより素子
の耐熱性は向上したもののこれら正孔輸送物質の分子サ
イズはまだ小さく、ピンホールの発生を完全に防止する
ことはできなかった。
【0008】そこで 耐熱性を向上させ ピンホールも
防止する他の方法として、成膜性に優れる、もしくは、
ガラス転移温度の高い高分子バインダー樹脂中に有機物
質を分散した構造の素子の開発も進行してきた。例え
ば、特開平4−85389、特開平5−179239、
WO95/25149等である。
【0009】しかしながら、これらも、ピンホールの発
生抑制に効果を示すものの、輝度半減寿命が短いという
問題の解決には、不十分であった。また、一方で、素子
半減寿命には、ガラス転移温度の高さは、あまり相関が
ないという議論も行われていた(Appl.Phys.Lett.66 ,2
679(1995))。
【0010】本発明の目的は、素子の短絡が発生しにく
く、輝度半減寿命が長い高輝度な有機EL素子を得るこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するためになされたものであり、少なくとも一方が透
明である2つの電極間に、有機化合物からなる発光層と
正孔輸送層とを設けた有機エレクトロルミネッセンス素
子において、陽極に接する正孔輸送層に、60Hz時の
誘電率が4.5以下のバインダー樹脂を5〜95重量%
含有し、正孔輸送物質として一般式(1)で示される化
合物及び一般式(2)で示される化合物なる群から選ば
れる少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴と
する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1 〜R6 及びR7 〜R12は、同
一または異なっていて、夫々、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ア
リール基、または、それらの炭素−炭素結合が多重結合
に置換されたもの、炭素−炭素結合間に酸素原子が結合
されたもの、水素原子がハロゲン原子やアルキル基に置
換されたものである。)
【0015】また、その正孔輸送層が少なくとも2層以
上あり、その発光層に接する層は、前記バインダー樹脂
を含有しない少なくとも1種類の正孔輸送物質のみから
構成される有機EL素子を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明では、陽極に接する正孔輸
送層が、60Hz時の誘電率が4.5以下のバインダー
樹脂を5〜95重量%含有し、正孔輸送物質として上記
の一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示
される化合物なる群から選ばれる少なくとも1種類の化
合物を含有するようにされる。
【0017】有機EL素子に印加される高電界高電界
は、素子内に誘電分極を発生させ、これが薄膜内の物質
の分子内移動・配向の原因となって、素子の結晶化・凝
集を促進すると思われる。また 陽極と正孔輸送層界面
では、キャリア注入のエネルギー障壁が大きい場合に
は、更に大きな電界がかかる。この高電界は、分極した
有機物質に大きな力を及ぼし、やはり結晶化・凝集を促
進すると思われる。
【0018】従って、正孔輸送層に誘電分極を起こしに
くくすること、すなわち誘電率の小さいバインダー樹脂
を適正量用いることが有効と思われる。さらに、正孔輸
送層の陽極界面には、導電性が大きく陽極からのキャリ
ア注入のエネルギー障壁が小さい正孔輸送層物質を併せ
て用いることが非常に有効であることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0019】正孔輸送物質として上記の一般式(1)で
示される化合物及び一般式(2)で示される化合物は、
正孔輸送能力に優れ陽極からキャリア注入のエネルギー
障壁も小さいという性質を持つ。このため、陽極と接す
る層に特定のバインダー樹脂とともに含有させること
で、陽極界面に生じる高電界をよりいっそう低減する効
果を持たせることができる。
【0020】バインダー樹脂の誘電率は小さいほど好ま
しいが、60Hz時の誘電率が4.5以下のものが十分
な能力を発揮する。ただし、バインダー樹脂の濃度は、
小さすぎると能力不十分であり、大きすぎると導電性が
下がり、素子の駆動電圧が上昇してしまうので、5〜9
5重量%含有するのが最適である。また、このバインダ
ー樹脂と一般式(1)もしくは一般式(2)の化合物を
組み合わせることが耐電界性にとって重要な点である。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】(式中、R1 〜R6 及びR7 〜R12は、同
一または異なっていて、夫々、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ア
リール基、または、それらの炭素−炭素結合が多重結合
に置換されたもの、炭素−炭素結合間に酸素原子が結合
されたもの、水素原子がハロゲン原子やアルキル基に置
換されたものである。)
【0024】これらの代表的な化合物としては、R1
6 またはR7 〜R12の内、複数箇所にメチル基、エチ
ル基等のアルキル基、または、フェニル基等のアリール
基が置換した化合物がある。
【0025】この60Hz時の誘電率が4.5以下のバ
インダー樹脂は、たとえば、ポリカーボネート、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエチレンテレフタラート、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリイミド、ポリスチレン、ポリテトラフロロエ
チレン等から適宜選択して用いることができるが、これ
に限定されるものではない。
【0026】本発明の正孔輸送物質は、上記の一般式
(1)、(2)で示される化合物なる群から選ばれる少
なくとも1種類の化合物が用いられるが、その他の正孔
輸送物質も併用することができる。その他の正孔輸送物
質としては、正孔輸送能を有していれば 有機物も無機
物も使用できる。
【0027】その他の正孔輸送物質としては、例えば、
有機物としては、特開昭59−194393に解説され
るN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチル
フェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン(TPD)等の芳香族アミン系化合物、特開平2−3
11591に示されるヒドラゾン化合物、金属フタロシ
アニン類、ポルフィリン類、スチリルアミン化合物、ポ
リビニルカルバゾールやポリシラン(Appl.Phys.Lett.5
9,2760(1991))等が好ましく用いられる。
【0028】また、無機物としては、p型−Si、p型
−SiC、p型金属酸化物、p型硫化亜鉛、p型セレン
化亜鉛等が用いられる。これらの化合物は、単独で用い
てもよいし、混合して用いてもよい。
【0029】また、本発明では正孔輸送層が2層以上か
ら構成され、その発光層に接する層が、前記の陽極と接
する層とは異なり、バインダー樹脂を含有しなく、少な
くとも1種類の正孔輸送物質のみからなる層とすること
が好ましい。
【0030】正孔輸送層が2層以上にした場合、発光層
に接する正孔輸送層は、高電界による劣化に対しては
陽極に接する層ほど敏感でない。このため、バインダー
樹脂を使用しなく、高導電性を追求することにより、輝
度半減寿命の長い素子を得ることができる。
【0031】発光層に接する正孔輸送層での正孔輸送物
質とは、正孔輸送能を有する化合物であればよく、有機
物も無機物も使用できる。例えば、有機物としては、T
PD等の芳香族アミン系化合物、ヒドラゾン化合物、金
属フタロシアニン類、ポルフィリン類、スチリルアミン
化合物等が好ましく用いられる。また 無機物としてp
型−Si、p型−SiC、p型金属酸化物、p型硫化亜
鉛、p型セレン化亜鉛等が用いられる。単独で用いても
よいし、混合して用いてもよい。
【0032】本発明における有機EL素子は、基本構造
として、陽極、正孔輸送層、発光層及び陰極が順次積層
された構造を有している。ただし、発光層と陰極との間
に電子輸送層を設けたり、正孔輸送層等の各層を複数層
にしたり、発光層が正孔輸送層または電子輸送層を兼ね
る構成にしたりすることも可能である。
【0033】以下、本発明の有機EL素子の構造につい
て添付図面に従って説明する。図1は、本発明の有機E
L素子の好ましい構成を示す側面図である。図1におい
て、1は基板、2は陽極、3は第1正孔輸送層、4は第
2正孔輸送層、5は電子輸送機能と発光機能とを兼用し
た発光層、6は陰極を示す。
【0034】基板1は、有機EL素子の支持体で、例え
ば石英やガラス、金属、プラスティック等の板状体が使
用できるが、ガラス板やポリカーボネート等の合成樹脂
基板、可撓性のある樹脂フィルム等が好ましく用いられ
る。
【0035】陽極2の材料としては、金属、金属酸化
物、導電性高分子等の電極を用いる。具体的には、A
u、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、3B族元素ド
ープ酸化亜鉛、アンチモンまたは、フッ素ドープ酸化
錫、ポリアニリン等の導電物質が、好ましく用いられ
る。この陽極は、異なる物質で積層して構成することも
可能である。
【0036】陽極2の膜厚は、通常2〜1000nm程
度である。用途により透明性を必要とされる場合は、可
視光の透過率が50%以上であることが望ましい。ま
た、陽極2の形成方法としては、スパッタリング法、真
空蒸着法等により行われることが多いが、湿式コーティ
ング法や前駆体を成膜した後に反応させ目的の膜を得る
方法も可能である。さらに陽極の特性を向上させるため
に、陽極を成膜後、後処理として、加熱やUV照射、試
薬を使用し、表面の結晶粒径や仕事関数を変化させる処
理をすることもできる。
【0037】第1正孔輸送層3は、陽極に接する正孔輸
送層であり、60Hz時の誘電率が4.5以下のバイン
ダー樹脂5〜95重量%と、一般式(1)及び一般式
(2)で示される化合物群から選ばれる少なくとも1種
類の正孔輸送物質とを有する。この正孔輸送層の形成方
法としては、ポリマーと正孔輸送物質の混合溶液を湿式
コーティングする方法、ポリマーと正孔輸送物質とを共
蒸着する方法、目的ポリマーの前駆体と正孔輸送物質と
を前記の方法で成膜した後、後処理によって目的の混合
膜を得る方法等が用いられるが、これらに限定されるも
のではない。この陽極に接する正孔輸送層の膜厚は、通
常2〜1000nm程度である。
【0038】第2正孔輸送層4は、本発明に必須の層で
はないが、設けることにより輝度半減寿命を長くするこ
とができるので、設けることが好ましい。この第2正孔
輸送層4は、発光層に接する層であって正孔移動度が高
く、第1正孔輸送層3aからの正孔注入障壁の小さい物
質が使用できる。形成方法としては、真空蒸着法や湿式
コーティング法、スパッタリング法等が用いられる。膜
厚は、通常2〜1000nm程度である。
【0039】なお、正孔輸送層を3層以上にすることも
できる。この場合には、上記の第1正孔輸送層3と第2
正孔輸送層4との間に、3層目以上の正孔輸送層を挟み
込んで形成すればよい。
【0040】発光層5としては、通常の有機EL素子で
用いられている発光物質など蛍光性を持つ物質を少なく
とも1種類以上含有する発光層が使用できる。この発光
層に電子輸送性を持たせることにより、発光効率が向上
する。この電子輸送性を有する発光層として使用可能な
物質としては、電子の移動度が高く、蛍光量子収率の大
きい物質が使用できる。
【0041】具体的には、ベンゾチアゾール系、ベンゾ
オキサゾール系、ベンゾイミダゾール系の蛍光増白剤、
金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン
系化合物等を挙げることができる。形成方法としては、
真空蒸着法や湿式コーティング法、スパッタリング法が
通常用いられる。膜厚は、通常2〜1000nm程度で
ある。
【0042】素子の発光効率を向上させると同時に多色
化を可能とする方法として、発光層中に他の蛍光量子収
率の高い物質をドープすることもできる。このようなド
ープ色素材料としては、スチリルベンゼン系色素、オキ
サゾール系色素、ペリレン系色素、クマリン系色素、ア
クリジン系色素等のレーザー用色素やアントラセン誘導
体、ナフタセン誘導体、ペンタセン誘導体、ルブレン誘
導体等の多芳香族炭化水素系物質、キナクリドン誘導
体、テトラフェニル、ブタジエン、4−ジシアノメチレ
ン−2−メチル−6−p−ジメチルアミノスチリル−4
H−ピラン(DCM)等がある。
【0043】なお、この発光層に電子輸送性を持たせる
のでなく、発光層と陰極との間に電子輸送層を設けても
よい。その場合には、電子輸送層としては、高い電子輸
送性を有することと、陰極からの電子注入のエネルギー
障壁が小さいこととが好ましく、蛍光性は有していても
有していなくてもよい。
【0044】陰極6としては、低仕事関数の金属、合
金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質と
するものが好ましく用いられる。このような電極物質の
具体例としては、ナトリウム、リチウム、カルシウム、
マグネシウム、アルミニウム、イットリウム、インジウ
ムやそれらを含む合金、例えばマグネシウム銀合金、ア
ルミニウムリチウム合金、マグネシウムインジウム合金
等が特に好ましい。
【0045】この陰極の形成方法としては、真空蒸着法
やスパッタリング法が通常用いられる。合金の場合は、
真空蒸着法で多数のボートから別々に各金属を昇華さ
せ、成膜と同時に合金を形成させる方法や、合金を単一
ボートから昇華させる方法等も可能である。膜厚は、通
常2〜1000nm程度である。
【0046】本発明の有機EL素子は、必要に応じて保
護膜を形成し、さらに素子全体を封止することができ
る。保護膜の材料としてはアルミニウム、ニッケル、
金、銀等の金属や合金、金属酸化物、金属フッ化物、金
属硫化物、金属窒化物、高分子材料、ガラス等が挙げら
れる。封止方法としては、素子を不活性液体やオイル中
に入れる方法、光硬化樹脂、熱硬化樹脂を使用する方法
等が挙げられる。
【0047】このようにして製造された有機EL素子
は、表示素子や照明として用いることができる。さら
に、蛍光性カラーフィルタや薄膜トランジスタと組合せ
たりすることもできる。
【0048】
【実施例】例1(実施例) 膜厚200nmのITO(錫ドープ酸化インジウム)の
透明導電膜(シート抵抗7Ω/□)付きガラス基板を、
アルカリ洗剤、超純水、次いで2−プロパノールで超音
波洗浄した。
【0049】このガラス基板の透明導電膜(陽極)上
に、正孔輸送層として、ポリビニルカルバゾール(60
Hz時の誘電率3.0)、一般式(1)で、R2 =R4
=R6=CH3 、R1 =R3 =R5 =Hで表される4,
4’,4”−トリス{N−(3−メチルフェニル)−N
−フェニルアミノ}トリフェニルアミン(MTDAT
A)及びTPDを夫々4重量部、4重量部、2重量部の
割合で含有する塩化メチレン溶液をスピンコート法によ
り60nmの層を成膜した。
【0050】次に、発光層として、トリス(8ーキノリ
ノラト)アルミニウム(Alq)を真空蒸着法により
0.3nm/秒の速度で膜厚60nmに蒸着した。最後
に陰極としてMgAg合金(マグネシウム10重量部に
対して銀1重量部を含む)を真空蒸着法により1nm/
秒の速度で200nmの膜厚に成膜した。なお、真空蒸
着時の真空度は、8.0×10-6torrであった。
【0051】例2(比較例) 例1の正孔輸送層を形成するためのスピンコートする溶
液に、ポリビニルカルバゾールの代わりにポリビニルア
ルコール(60Hz時の誘電率5.9)を用い、MTD
ATA及びTPDを夫々4重量部、4重量部、2重量部
の割合で含有する塩化メチレン溶液を用いた以外は、例
1と同様にして、有機EL素子を作製した。
【0052】例3(比較例) 例1の正孔輸送層を形成するためのスピンコートする溶
液に、ポリビニルカルバゾール(60Hz時の誘電率
3.0)及びTPDを夫々5重量部、5重量部の割合で
含有する塩化メチレン溶液を用いた以外は、例1と同様
にして、有機EL素子を作製した。
【0053】例4(比較例) 例1の正孔輸送層として、MTDATAのみを真空蒸着
法で60nm形成して用いた以外は、例1と同様にし
て、有機EL素子を作製した。
【0054】例5(比較例) 例1の正孔輸送層を形成するためのスピンコートする溶
液に、ポリビニルカルバゾール(60Hz時の誘電率
3.0)、MTDATA及びTPDを夫々96重量部、
2重量部、2重量部の割合で含有する溶液を用いた以外
は、例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
【0055】例6(比較例) 例1の正孔輸送層を形成するためのスピンコートする溶
液に、ポリビニルカルバゾール(60Hz時の誘電率
3.0)、MTDATA及びTPDを夫々4重量部、4
8重量部、48重量部の割合で含有する溶液を用いた以
外は、例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
【0056】例7(実施例) 例1の正孔輸送層を形成するためのスピンコートする溶
液に、ポリアクリル酸メチル(60Hz時の誘電率4.
0)、MTDATA及びTPDを夫々5重量部、4重量
部、1重量部の割合で含有する溶液を用いた以外は、例
1と同様にして、有機EL素子を作製した。
【0057】例8(実施例) 例1の正孔輸送層を形成するためのスピンコートする溶
液に、以下の式(3)で示されるポリエーテルスルホン
(60Hz時の誘電率3.5)、MTDATA及びTP
Dを夫々5重量部、4重量部、1重量部の割合で含有す
る溶液を用いた以外は、例1と同様にして、有機EL素
子を作製した。
【0058】
【化7】
【0059】例9(実施例) 例1の正孔輸送層を形成するためのスピンコートする溶
液に、ポリスルホン(60Hz時の誘電率3.15)、
一般式(2)でR7 =R8 =R9 =R10=R11=R12
Hで表される化合物であるN,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]−
1,4−フェニレンジアミン及びフタロシアニンを夫々
50重量部、48重量部、2重量部の割合で含有する溶
液を用いた以外は、例1と同様にして、有機EL素子を
作製した。
【0060】例10(実施例) 例1の正孔輸送層の上に第2正孔輸送層としてTPDを
10nm蒸着した層を設けた以外は、例1と同様にし
て、有機EL素子を作製した。
【0061】例11(実施例) 例8の正孔輸送層の上に第2正孔輸送層としてTPDを
10nm蒸着した層を設けた以外は、例8と同様にし
て、有機EL素子を作製した。
【0062】例12(実施例) 例1の正孔輸送層の上に第2正孔輸送層としてTPDと
銅フタロシアニンをモル比4:1で10nm共蒸着した
層を設けた以外は、例1と同様にして、有機EL素子を
作製した。
【0063】例13(実施例) 例10の発光層として、AlqとともにルブレンをAl
q100重量部に対し、1重量部ドープ色素として共蒸
着した以外は、例10と同様にして、有機EL素子を作
製した。
【0064】上記例1〜13(実施例及び比較例)で作
製した有機EL素子の発光効率(電流密度20mA/c
2 時の値(lm/W))、駆動安定性(窒素中、10
mA/cm2 の一定電流で駆動したときに輝度が半分に
低下するのに要した時間(時間)に関する測定結果を表
1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、陽極に接する正孔輸送
層に、誘電率の小さいバインダー樹脂と特定の正孔輸送
物質とを適正な比率で併用することで、この層に印加さ
れる高電界による誘電分極を抑制し、耐電界性に優れた
素子が得られ、長期にわたり発光特性に優れる有機EL
素子が作製できる。本発明は、本発明の効果を損しない
範囲で種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の代表的な例の側面図。
【符号の説明】
1:基板 2:陽極 3:第1正孔輸送層 4:第2正孔輸送層 5:発光層 6:陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺園 真二 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明である2つの電極間
    に、有機化合物からなる発光層と正孔輸送層とを設けた
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、陽極に接
    する正孔輸送層に、60Hz時の誘電率が4.5以下の
    バインダー樹脂を5〜95重量%含有し、正孔輸送物質
    として一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)
    で示される化合物なる群から選ばれる少なくとも1種類
    の化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。 【化1】 【化2】 (式中、R1 〜R6 及びR7 〜R12は、同一または異な
    っていて、夫々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、ま
    たは、それらの炭素−炭素結合が多重結合に置換された
    もの、炭素−炭素結合間に酸素原子が結合されたもの、
    水素原子がハロゲン原子やアルキル基に置換されたもの
    である。)
  2. 【請求項2】正孔輸送層が少なくとも2層以上あり、そ
    の発光層に接する層は、前記バインダー樹脂を含有しな
    い少なくとも1種類の正孔輸送物質のみから構成される
    請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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