JPH11254668A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11254668A
JPH11254668A JP6262398A JP6262398A JPH11254668A JP H11254668 A JPH11254668 A JP H11254668A JP 6262398 A JP6262398 A JP 6262398A JP 6262398 A JP6262398 A JP 6262398A JP H11254668 A JPH11254668 A JP H11254668A
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ultrasonic
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史郎 斉藤
Noriko Yamamoto
紀子 山本
Masashi Hiroki
正士 廣木
Takeo Miki
武郎 三木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】超音波の放射圧を利用してインク滴を飛翔させ
るインクジェット記録装置において、安定したインク滴
の飛翔が可能なインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 圧電素子の駆動信号であるバースト信号
の波数Nの最適範囲を決めるパラメータとして、主走査
と副走査の両方向のFナンバーと超音波の波長(λ)
と、駆動電圧の波高値(V)、インク液面と超音波放射
面間の超音波減衰量(a)を用い、これらを基にNの範
囲を規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体インクを液滴
化して被記録体上に飛翔させることにより画像を記録す
るインクジェット記録装置に係り、特には、圧電素子に
より放射される超音波ビームの音圧によりインク滴を吐
出させて被記録体上に飛翔させるインクジェット記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクを液滴と呼ばれる小さな粒状
にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形成し
て画像を記録する装置は、インクジェットプリンタとし
て実用化されている。このインクジェットプリンタは、
他の記録方法と比べて騒音が少なく、現像や定着などの
処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術と
して普及している。
【0003】現在までに数多くのインクジェットプリン
タの方式が考案されているが、特に発熱体の熱により発
生する蒸気の圧力でインク滴を飛翔させる方式(例えば
特公昭56−9429号公報や特公昭61−59911
号公報参照)、圧電体の変位による圧力パルスによりイ
ンク滴を飛翔させる方式(例えば特公昭53−1213
8号公報参照)が代表的なものである。
【0004】しかしながら、これらのインクジェットプ
リンタはノズルの先端からインクを飛翔させ方式である
ため、インク中の溶媒の蒸発や揮発によって局所的なイ
ンクの濃縮が生じ、ノズルでの目詰まりという問題があ
る。さらにこれらのインクジェットプリンタは、飛翔さ
せるインク滴の粒径を小さく(直径20μm以下)する
ことが困難であり、解像度を上げることが困難であっ
た。
【0005】これらの欠点を克服するため、薄膜圧電体
層として構成された圧電素子によって発生する超音波ビ
ームの音圧を用いてインク液面からインクを飛翔させる
方式が提案されている(例えば、IBM TDB,Vo
l.16,No.4,1168頁(1973−10)、
米国特許第4,308,547号、特開昭63−166
548号公報、特開昭63−166548号公報、特開
昭63−312157号公報、特開平2−184443
号公報等を参照)。しかしながら、これら従来の圧電素
子を用いたインクジェット記録装置は、画像記録速度を
向上させることができないという問題があった。
【0006】そこで、本発明者らは、特願平6−238
102号公報その他に、複数の個別電極により形成され
た圧電素子アレイの一部の複数素子群を順次電子的スイ
ッチの切り替えにより移動させることにより印字速度の
高速化を図ったリニア電子走査方式のインクジェット記
録装置を提案している。この方式の記録装置は、高い記
録速度を達成し得る。しかしながら、圧電素子を駆動す
るバースト信号の波数によってはインク滴が飛翔しない
場合があったり、予定とは異なり複数個のインク滴が同
時に飛翔してしまうという問題が本発明者らにより見出
された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように超音波
を用いたインクジェット記録装置は、ノズル目詰まりが
なく高画質を達成でき、さらにリニア電子走査方式によ
れば記録速度の高速化を達成できるものの、圧電素子駆
動信号によってはインク滴が飛翔しない場合や所定以上
の数のインク滴が同時に飛翔してしまう場合があるとい
う問題がある。
【0008】本発明はこのような問題を解決しようとす
るものであり、圧電素子を駆動するバースト信号の波数
を所定の範囲に設定することにより安定にインクを1滴
飛翔させることができるインクジェット記録装置を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明によ
れば、インク液を保持するためのインク液保持室と、前
記インク液と音響的に接続され、波数Nで波高値V[V
pp]のバースト信号電圧を印加することにより駆動さ
れる圧電素子を含む超音波発生手段と、前記超音波発生
手段から発生される超音波を前記インク液の液面近傍に
集束させるための超音波集束手段とを具備し、前記超音
波発生手段の主走査方向の口径をDsとし、その副走査
方向の口径をDfとし、焦点距離をFpとし、インク液
中の超音波の波長をλ[μm]、超音波放射面とインク
液面までの超音波減衰量をa[dB]とし、{(Fp/
Ds)×(Fp/Df)}1/2 をFrとしたとき、前記
波数Nが、次の2式:4Fr・λ<N<200Fr・λ
と2×104 /(10-a/10 ・V2 )<N<1×106
/(10-a/10 ・V2 )とを同時に満たすことを特徴と
するインクジェット記録装置により解決されることがわ
かった。
【0010】本発明において、主走査方向は、超音波発
生手段がアレイ状に配列された複数の圧電素子を含む場
合には、その複数の圧電素子の配列方向をいい、超音波
発生手段が単一の圧電素子からなる場合には、記録紙の
紙送り方向と直交する方向に相当する。また、副走査方
向は、主走査方向に直交する方向に相当する。
【0011】本発明において、超音波発生手段の主走査
方向の口径とは、超音波発生手段がアレイ状に配列され
た複数の圧電素子を含む場合には、その一部として同時
駆動される圧電素子群の主走査方向の口径をいい、超音
波発生手段が単一の圧電素子からなる場合には、その主
走査方向の口径をいう。また、本発明において、超音波
発生手段の副走査方向の口径とは、超音波発生手段がア
レイ状に配列された複数の圧電素子を含む場合には、圧
電素子の副走査方向の長さをいい、通常超音波集束手段
の口径に相当し、超音波発生手段が単一の圧電素子から
なる場合には、その副走査方向の口径をいい、通常主走
査方向の口径と一致する。また、焦点距離とは、超音波
放射面からの距離をいい、例えば具体的には、超音波収
束レンズの表面からの距離に相当する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照してよ
り詳しく説明する。図1は本発明の一実施形態に係るイ
ンクジェット記録装置を示す斜視図である。
【0013】図1に示す記録装置において、超音波発生
手段を構成する長尺の平板状圧電体12が、支持基板
(バッキング部材)11上に設けられている。圧電体1
2は、これに印加された所定のバースト波電圧駆動信号
により超音波を発生し得る材料で形成されるが、実際に
は、例えば超音波の周波数や圧電素子の大きさ等に応じ
て、誘電率、周波数定数、加工性、製造方法(成長方法
等)等を考慮して決定される。具体的には、圧電体12
は、ジルコン・チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(P
T)等のセラミック圧電材料、フッ化ビニリデンと三フ
ッ化エチレンとの共重合体等の高分子圧電材料、ニオブ
酸リチウムなどの単結晶圧電材料、酸化亜鉛などの圧電
性半導体材料で形成することができる。
【0014】圧電体12の下面には、複数のストライプ
状個別電極13が、圧電体12の長さ方向に相互に離間
して配列されている。圧電体12は、これら個別電極1
3により、機能的に複数の圧電素子に区分される。他
方、圧電体12の上面には、全体にわたって一体の共通
電極が14が形成されている。これら電極13および1
4は、通常、Ti、Ni、Al、Cu、Au等の金属材
料を蒸着やスパッタ法により、薄膜として形成される。
あるいは、これら電極13および14は、ガラスフリッ
トを銀ペースト等に混合したものをスクリーン印刷法に
より所定形状に印刷し、これを焼き付けることによって
も形成することができる。
【0015】支持基板11の一端部側には、圧電体12
の下面に形成された個別電極13と同じ間隔で複数のア
レイ電極21が形成されており、この支持基板11上の
各アレイ電極21と圧電体12の下面に形成された各個
別電極13とは、導電性接着剤(図示せず)を介して整
合して圧着され、電気的に接続されている。また、支持
基板11上のアレイ電極21は、支持基板11の端部領
域に配置された各駆動回路22にボンディングワイヤ
(図示せず)によって接続され、他方、圧電体12の上
面に形成された共通電極14も、図示しない配線によ
り、駆動回路22に接続されている。
【0016】共通電極14を介して圧電体12の上に
は、音響レンズとしての一次元フレネルレンズ15が設
けられている。フレネルレンズ15は、フレネルの輪帯
理論に基づいて所定のピッチで溝を形成することにより
形成される。これら溝は、それぞれ個別電極13により
区分された圧電素子の配列方向(主走査方向)に延び、
互いに平行に形成されている。
【0017】ところで、圧電素子とインク液17との音
響マッチングを取るために、音響マッチング層を形成す
ることが望ましい。音響マッチング層の音響インピーダ
ンスは、圧電素子の音響インピーダンスZpとインクZ
iとの積の平方根に近いものを用いる。そのようなマッ
チング材料として、エポキシ樹脂やポリイミド、それら
に音響インピーダンスを変化させるために繊維などを混
入したもの、もしくはアルミナ粉末やタングステンなど
の粉末との混合物などが用いられる。さらに二酸化ケイ
素膜等をスパッタ法やCVD法などで形成してもよい。
図1に示す例では、フレネルレンズ15が音響マッチン
グ層をも兼ねているので、フレネルレンズ15は、その
ような音響マッチング材料で形成される。また音響マッ
チング層の厚さtm は、式:tm =(2n+1)λm
4(ここでnは0以上の整数、λm は超音波周波数で決
まる音響マッチング層内の超音波の波長)を満足するこ
とが好ましい。実際上、この計算値の±20%以内の厚
さは許容される。
【0018】なお、図1に示すように、フレネルレンズ
15が音響マッチング層を兼ねる場合は、その厚さは、
式:1/(1/λink −1/λm )=(2n+1)λm
/2(ここで、λink はインク液中での超音波の波長)
をも満足することが好ましい。
【0019】再び図1を参照すると、支持基板11上に
は、フレネルレンズ15に接してインク液17を収容・
保持するインク液保持室16が設けられている。このイ
ンク液保持室16は、その上面にスリット16aが形成
されている。インク滴は、インク液17から、このスリ
ット16aを通じて飛翔する。
【0020】図1に関して説明したインクジェット記録
装置を動作させるには、個別電極13によってアレイ状
に区分された複数の圧電素子のうちの一部の複数素子を
同時に駆動させ(このとき、同時駆動する複数素子を同
時駆動素子群という)、この同時駆動素子群を主走査方
向に例えば1素子毎ずらして走査しながら、超音波を発
生させる。同時駆動素子群から発生された超音波は、主
走査方向にインク液面近傍に集束する。そして、副走査
方向における超音波の集束をフレネルレンズ15により
行い、かくして1滴ずつインク液滴をスリット16aを
通して飛翔させる。なお、同時駆動素子群は一箇所では
なく複数箇所設けてもよい。
【0021】本発明者らは試作したインクジェット記録
装置を用いて、印字品質や印字スピードを始めとする様
々な評価を行ってきた。その結果、圧電素子に印加され
る駆動電圧は消費電力や実用的な価格を考慮すると該記
録装置の耐電圧等の制限からあまり高くすることはでき
ず、インク滴の飛翔にはバースト信号の波数Nとその駆
動電圧の波高値が大きく影響することが分かった。また
同時駆動素子数はそれほど広範囲に設定できるわけでは
なく、駆動周波数と駆動電圧が決まれば数通りの組合せ
が存在する程度であった。圧電素子を駆動するために印
加されるバースト信号は、図2に示すように正弦波(図
2(a))や短形波(図2(b))を始め、のこぎり波
等を用いることができる。さらに極性は、図2(a)に
示すように正極側と負極側の両方に振ってもよいし、図
2(b)に示すように正極側だけでもよい。
【0022】本発明者等は、最適なバースト信号の波数
Nの範囲は、特に圧電素子の正副両走査方向のFナンバ
ー(すなわち、主走査方向の口径に対する焦点距離の比
(Fs)と副走査方向の口径に対する焦点距離の比(F
f)と、インク液中の超音波の波長(λ[μm])と、
圧電素子の駆動電圧の波高値(V(Vpp))と、イン
ク液面と超音波放射面間での超音波減衰量(a[d
B])に影響されることを見出した。さらに、これらの
パラメータについて検討した結果、バースト信号の波数
Nが、次の2式: 4Fr・λ<N<200Fr・λ…(1)、および 2×104 /(10-a/10 ・V2 )<N<1×106 /(10-a/10 ・V2 ) …(2) (ここで、Frは、FfとFsとの積の平方根)を同時
に満足する時に、安定にインク滴が飛翔することがわか
った。
【0023】上式でNが4Fr・λよりも小さいとき
は、インク液面でのメニスカスの成長が不十分となって
インク滴が飛翔しない場合がある。一方Nが200Fr
・λよりも大きい場合は、メニスカスが異常に高くなっ
たり、インク液滴が2滴以上同時に飛翔してしまう場合
がある。またNが2×104 /(10-a/10 ・V2 )よ
りも小さいときは、インク液滴が飛翔しない場合があ
り、他方Nが1×106 /(10-a/10 ・V2 )よりも
大きいときは、インク液滴が2滴以上飛翔してしまう場
合がある。
【0024】なお、(2)式は、 {2×104 /(10-a/10 ・N)}1/2 <V<{1×106 /(10-a/10 ・ N)}1/2 …(3) と変形させることができ、この(3)式は、Nを一定と
したときのVの範囲を規定するものとなる。
【0025】副走査方向の超音波集束手段は、図1では
フレネル輪帯理論に基づく所定のピッチで所定の幅の溝
を形成するフレネルレンズの他に、図3および図4に示
すように凹面レンズを形成してもよい。
【0026】すなわち、図3は、共通電極14の上に、
音響レンズとしてフレネルレンズの代りに通常の凹面音
響レンズ31を設け、その上にフレネルレンズ15に関
して説明した音響マッチング材料で形成されたを音響マ
ッチング層32を設けたものである。
【0027】図5は、支持基板11自体を凹面形状に形
成し、これに沿って個別電極13、圧電体12、共通電
極14、音響マッチング層32を設けた構造を示す。こ
の場合、凹面を形成する音響マッチング層32が音響レ
ンズとしても作用する。
【0028】
【実施例】実施例1 本実施例では、図1 に示す構造を有するインクジェット
記録装置を作製した。圧電体12としては比誘電率20
0のチタン酸鉛系セラミックを用い、周波数は50MH
z(厚さ50μm)とした。この圧電体12の両面にT
i/Au積層電極をスパッタ法によりTiとAuの厚さ
がそれぞれ0.05μmおよび0.5μmになるように
形成し、2kV/mmの電界を印加して分極処理を行っ
た。その後一方のTi/Au積層電極をエッチング処理
して個別電極13を形成し、1素子の幅65μm、電極
間隔20μm(個別電極の配列ピッチ85μm)とし
た。この圧電素子アレイを、アレイ電極21および駆動
回路22を設けたガラスからなる支持基板11にエポキ
シ樹脂で接着した。その後厚さが50μmになるように
圧電体12を研磨した後、副走査方向の有効口径Dfが
2mmとなるようにTi/Auの共通電極14をスパッ
タ法によりTiとAuの厚さをそれぞれ0.05μmお
よび0.5μmに形成した。共通電極14のリード引き
出しは、主走査方向の両端で支持基板に形成してある配
線パターンと接続して導通をとった。
【0029】音響マッチング層兼音響レンズの材料とし
て、エポキシ樹脂とアルミナ粉末の混合物を用いた。ま
ず音速が3×103 m/s(秒)近傍になるように混合
比を調整し、密度2.20×103 kg/m3 、 音速
2.95×103 m/sを得た。これを共通電極14の
表面上に塗布して硬化させ、厚さが45μmになるよう
に研磨した。その後、焦点距離が2.7mmになるよう
に深さ1/2波長(約30μm。この場合、1波長は約
60μm。)の複数の溝を主走査方向に互いに平行に形
成してフレネルレンズ15を形成した。ついで、図1に
示すように超音波放射面とインク液面との距離がほぼ
2.7mmとなるようにインク液保持室16を設け、イ
ンク液17を充填し、さらに駆動回路を構成して、イン
クジェット記録装置を完成した。
【0030】このインクジェット記録装置を用いて、印
字実験を行った。まず同時駆動素子数を16とし、これ
ら同時駆動素子に与える信号の位相を0とπ(0とπと
は逆位相である)で表せば、「π0π0ππ0000π
π0π0π」となる。この場合、主走査方向の口径Ds
は85μm×16=1.36mmとなる。バースト信号
は図2(a )に示すサインバーストであり、駆動電圧は
30Vpp以下の範囲で制御できるものである。上に述
べたように、超音波放射面とインク液面との距離がほぼ
2.7mmであり、周波数50MHzにおけるインク液
17中の超音波減衰量は2.3dBであった。
【0031】まず(1)式を満たすようにNを1000
とした。これによりVの範囲は5.8〜40Vppであ
る((3)式から)。30Vppで繰返し周期500μ
sにて1秒間印字(2000ドット)したところ、10
0% 1滴ずつ飛翔することが確認できた。しかし5Vp
pで駆動したところ、約1800ドットの飛翔しか確認
できなかった。なお前述のように30Vppを超える駆
動電圧は印加できなかった。
【0032】次に(1)式を満たすようにNを4000
とした。Vの範囲は2.9〜20Vppである((3)
式から)。10Vppを印加した場合は、100% 1滴
ずつ飛翔したが、2Vppでは約1700ドットしか飛
翔しなかった。また30Vppを印加した場合は2滴以
上の飛翔が起こる場合があり、しかも再現性がなく不安
定であった。
【0033】次に(1)式を満たさないようにNを10
000とした。この場合で(2)式を満足するVの範囲
は1.8〜13Vppとなる((3)式から)。しかし
この範囲の電圧においても安定に1滴飛翔する電圧は存
在しなかった。高速度カメラでメニスカスを観察したと
ころ、メニスカスの高さが先の100% 1滴飛翔した実
施例に比べて高くなり、飛翔時のメニスカスの高さと飛
翔直後のインク滴の形状と速度の再現性がなかった。そ
の結果、安定に記録ドットが得られなかった。
【0034】実施例2 本実施例では、実施例1と同様の構造であるが、異なる
仕様のインクジェット記録装置を作製して飛翔実験を行
った。圧電素子と駆動周波数は実施例1と同じにした。
ただし、本実施例では、1素子の幅を30μm、電極間
隔13μm(個別電極の配列ピッチ43μm)と実施例
1の約1/2になるようにした。この圧電素子アレイを
実施例1と同様のガラスからなる支持基板11にエポキ
シ樹脂で接着した。有効口径が1.8mmになるように
し、共通電極と音響レンズ兼音響マッチング層は実施例
1と同一材料、同一プロセスで形成した。その後、焦点
距離が0.8mmになるように深さ約30μmの溝を主
走査方向に形成してフレネルレンズを作製し、以下実施
例1と同様にしてインクジェット記録装置を完成した。
インク液中の50MHzにおける距離0.8mmでの超
音波減衰量は0.7dBであった。
【0035】駆動条件として(1)式を満たすようにN
を500とした。これによりVの範囲は6.9〜49V
ppになる((3)式から)。25Vppで繰返し周期
500μsにて1秒間印字(2000ドット)したとこ
ろ、100% 1滴ずつ飛翔することが確認できた。しか
し5Vppで駆動したところ、約1700ドットの飛翔
しか確認できなかった。
【0036】次の駆動条件として(1)式を満たすよう
にNを2000とした。Vの範囲は3.4〜24Vpp
である((3)式から)。20Vppを印加した場合
は、100% 1滴ずつ飛翔したが、3Vppでは約18
00ドットした飛翔しなかった。
【0037】次に(1)式を満たさないようにNを50
00とした。この場合で(2)式を満足するVの範囲は
2.2〜15Vppとなる((3)式から)。しかしこ
の範囲の電圧においても安定に1滴飛翔する電圧は存在
しなかった。高速度カメラでメニスカスを観察したとこ
ろ、メニスカスの高さが先の100% 1滴飛翔した実施
例に比べて、不安定に高くなっており、実施例1の場合
と同様であった。その結果、安定な記録ドットが得られ
なかったといえる。なお、以上と同様の結果は、図3ま
たは図4に示す凹面レンズを用いた場合にも確認され
た。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては最
適なバースト信号の波数Nの範囲を決定するパラメータ
としての、主走査と副走査の両方向のFナンバーと、イ
ンク液中の超音波の波長(λ)と、駆動電圧の波高値
(V)と、インク液面と超音波放射面間の超音波減衰量
(a)との間に、(1)式と(2)式を同時に満足する
関係を持たせることにより、安定にインク1滴が飛翔す
るインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の一例を
示す斜視図。
【図2】本発明のインクジェット記録装置を駆動させる
ための駆動信号の波形図。
【図3】本発明に係るインクジェット記録装置の他の例
を説明するための断面図。
【図4】本発明に係るインクジェット記録装置のさらに
他の例を説明するための断面図。
【符号の説明】
11…支持基板 12…圧電体 13…個別電極 14…共通電極 15…超音波集束手段(フレネルレンズ) 16…インク液保持室 16a…スリット 17…インク液 21…アレイ電極 22…駆動回路 31…凹面音響レンズ 32…音響マッチング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 武郎 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液を保持するためのインク液保持
    室と、前記インク液と音響的に接続され、波数Nで波高
    値V[Vpp]のバースト信号電圧を印加することによ
    り駆動される圧電素子を含む超音波発生手段と、前記超
    音波発生手段から発生される超音波を前記インク液の液
    面近傍に集束させるための超音波集束手段とを具備し、
    前記超音波発生手段の主走査方向の口径をDsとし、そ
    の副走査方向の口径をDfとし、焦点距離をFpとし、
    インク液中の超音波の波長をλ[μm]、超音波放射面
    とインク液面までの超音波減衰量をa[dB]とし、
    {(Fp/Ds)×(Fp/Df)}1/2 をFrとした
    とき、前記波数Nが、次の2式:4Fr・λ<N<20
    0Fr・λと2×104 /(10-a/10 ・V2 )<N<
    1×106 /(10-a/10 ・V2 )とを同時に満たすこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
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