JPH11255918A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH11255918A
JPH11255918A JP6273098A JP6273098A JPH11255918A JP H11255918 A JPH11255918 A JP H11255918A JP 6273098 A JP6273098 A JP 6273098A JP 6273098 A JP6273098 A JP 6273098A JP H11255918 A JPH11255918 A JP H11255918A
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JP
Japan
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film
particles
polyester
particle size
biaxially oriented
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JP6273098A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Sato
嘉記 佐藤
Yoshio Meguro
義男 目黒
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
Original Assignee
Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムの表面に均一な高さの突起を形成
し、走行性と耐摩耗性を同時に満足させると共に、高度
な電気特性、特に高温での良好な耐電圧特性を与え、例
えばコンデンサ誘電体用に適した二軸配向ポリエステル
フィルムを提供する。 【解決手段】 平均粒径(d50)が0.05〜5.0μ
mであって、粒径分布値(d25/d75)が5.0以下の
ヒドロキシアパタイト粒子を0.01〜10重量%含有
することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向ポリエス
テルフィルムに関する。詳しくは、フィルムの表面に均
一な高さの突起を形成し、走行性と耐摩耗性を同時に満
足させると共に、高度な電気特性、特に高温での良好な
耐電圧特性を与えることからコンデンサ誘電体用に適し
た二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、機械
的性質、耐熱性、電気的特性、耐薬品性等、各種の特性
を高度にバランス良く有し、コストパフォーマンスの点
で優れるため、磁気テープ用、包装用、製版用等の産業
用資材として広く用いられている。中でもコンデンサ用
に関しては、電気機器の小型化に伴い、小型化が可能な
ポリエステルフィルムから製造されたコンデンサの需要
が急増している。
【0003】近年は電子機器等の発達に伴い、かかるコ
ンデンサ用ポリエステルフィルムの高特性化が求められ
ている。例えば、コンデンサ用ポリエステルフィルムに
ついては、電気的特性が良好であることが求められてい
る。電気的特性の一つとして耐電圧特性が挙げられ、特
に常温から高温まで広い温度範囲で高度な耐電圧特性を
有することが必要である。フィルムの厚みが薄い場合
は、特に良好な耐電圧特性が要求される。
【0004】これに加え、誘電率や誘電損失等コンデン
サ誘電体としての基本的な特性も良好であることが要求
され、これらの特性も、常温から高温まで広い温度範囲
で良好でかつ変化が少ないことが必要である。電気的特
性に加え、フィルムを加工する際の取り扱い性を良好に
するため、すなわち、フィルムの滑り性および耐摩耗性
を良好にするため、通常、フィルム中に微粒子を含有さ
せる方法を採用する。それぞれの特性を同時に高度に満
足させることが必要であり、そのためにかかる微粒子を
選択しなければならない。
【0005】かかる高度な電気的特性を同時に満足すべ
く、フィルム自身の価格が低いことが要求され、高いコ
ストがかかる方法は現実的には採用できないばかりか、
さらなるコスト削減が可能となる方法が求められてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィルムの
表面に均一な高さの突起を形成し、走行性と耐摩耗性を
同時に満足させると共に、高度な電気特性、特に高温で
の良好な耐電圧特性を与え、例えばコンデンサ誘電体用
に適した二軸配向ポリエステルフィルムを提供すること
を解決課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意検討を行った結果、特定の粒子を含有するポリ
エステルからなるフィルムを用いれば、高度な電気的特
性、特に広温度範囲で良好な耐電圧特性が得られ、かか
るフィルムはコンデンサ誘電体として優れた特性を有す
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、平均粒径(d
50)が0.05〜5.0μmであって、粒径分布値(d
25/d75)が5.0以下のヒドロキシアパタイト粒子を
0.01〜10重量%含有することを特徴とする二軸配
向ポリエステルフィルムに存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、繰り返
し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位また
はエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエ
ステルを指す。かかるポリエステルは、通常(1)芳香
族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールと
を主な出発原料としてエステル交換反応を経由して、重
縮合反応を行う、あるいは(2)芳香族ジカルボン酸と
グリコールとを主な出発原料として、エステル化反応を
経由して、重縮合反応を行うことにより得られる。これ
らの反応を行うため、通常、触媒として金属化合物を添
加する方法が用いられる。例えば、エステル交換反応触
媒として、Ca、Mg、Mn、Li等の化合物、重縮合
反応触媒としてSb、Ti、Ge、Sn、Co等の化合
物が一般的に用いられている。しかしながら、かかる金
属化合物の含有量が多いと、フィルムをコンデンサの誘
電体として使用した場合、電気特性が低下してしまう。
この事実に鑑み、本発明においては、金属化合物含有量
を少なくすることができる、上記(2)のエステル化反
応方法を採用することが好ましい。しかも、ポリエステ
ル中に存在する金属成分が、金属元素換算で、粒子を除
いて、アンチモンを10〜300ppmの範囲、さらに
は10〜200ppmの範囲、特に10〜150ppm
の範囲で含有する以外は実質的に金属成分を含有しない
ことが好ましい。ここで実質的に含有しないとは、粒子
およびアンチモン以外の金属成分量が、合計100pp
m以下、好ましくは50ppm以下であることを意味す
る。金属成分量が100ppmを超えたり、アンチモン
の含有量が300ppmを超えると、耐電圧特性が不十
分となる傾向がある。一方、アンチモンの含有量が10
ppm未満では、ポリエステル製造時の生産性が低下す
る。アンチモン以外の金属をポリエステル製造時の触媒
として使用する方法もあるが、その場合は、ポリエステ
ルの熱安定性が低下する傾向があるため、特に再生原料
として使用した場合、耐電圧特性を低下させる問題が発
生することがある。
【0010】なお、本発明においては、必要に応じポリ
エステル中にリン(P)化合物を含有させてもよい。リ
ン化合物は一般に金属化合物を不活性化させ、ポリエス
テルの熱安定性を向上させ、かつ電気的特性をも良好と
する効果を有するので、例えばP元素として5〜200
ppm程度存在させると好都合な場合がある。また、上
記の範囲を逸脱しない条件下であれば、本発明のポリエ
ステルは他の第三成分を含有していてもよい。
【0011】芳香族ジカルボン酸成分としては、例え
ば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン
酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキ
シエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリ
コール成分としては、エチレングリコール以外に、例え
ば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上を用い
ることができる。
【0012】かかるポリエステルの極限粘度は、通常
0.45以上、好ましくは0.50〜1.0、さらに好
ましくは0.52〜0.80の範囲である。極限粘度が
0.45未満では、フィルム製造時の生産性が低下した
り、フィルムの機械的強度が低下するという問題が生ず
ることがある。一方、ポリマーの溶融押出安定性の点か
ら、極限粘度は1.0を超えないことが好ましい。
【0013】本発明のポリエステルフィルムは、フィル
ム製造時のキズの発生防止や、フィルムに滑り性を与え
て取扱い性を向上させる目的で、ポリエステルに粒子を
含有させ、フィルム表面に適度な突起を形成させるが、
本発明のもう一つの特徴は、かかる粒子として特定の粒
子を用いることにある。すなわち、本発明者らの知ると
ころによると、ヒドロキシアパタイト粒子を含有させた
フィルムは、電気特性の中で特に高温度、例えば80℃
以上での絶縁抵抗特性が良好であり、かつ誘電損失特性
も良好である。
【0014】ヒドロキシアパタイトは、通常、リン酸カ
ルシウム等の粉末原料を高温で固相反応させて合成する
乾式法、溶液反応による湿式法、高温高圧下で合成する
水熱合成法、あるいはメカノケミカル法等により得られ
る。中でも、本発明で目的とする粒径を有する微粒子を
製造しやすく、かつ不純物の混入が少ないという点で湿
式法あるいは水熱法が有利に採用される。
【0015】本発明で用いるヒドロキシアパタイト粒子
の平均粒径(d50)は、0.05〜5.0μmであるこ
とが必要であり、好ましくは0.1〜3.0μm、さら
に好ましくは0.05〜2.0μmである。平均粒径が
0.05μm未満では、フィルム表面に適度な突起を形
成することができず、フィルム取り扱い性向上の効果が
得られないことや、かえって粒子が凝集しやすくなり、
粗大突起形成の問題が発生するようになる。一方、d50
が5.0μmを超えると表面の突起が大きくなりすぎて
フィルムの耐摩耗性が低下したり、コンデンサとした時
の耐電圧特性が低下する問題が発生するようになる。
【0016】また、ヒドロキシアパタイト粒子の粒径分
布値(d25/d75)は5.0以下、好ましくは1.2〜
3.0、さらに好ましくは1.2〜2.0である。粒径
分布値が5.0を超えると、フィルム表面に粗大な突起
が形成されて耐電圧特性の低下を招くようになる。ヒド
ロキシアパタイト粒子のフィルム中の含有量は0.01
〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
0.01重量%未満では、本発明のフィルム取り扱い性
向上、電気的特性向上の効果が不十分となる。一方10
重量%を超えると耐電圧特性が低下するようになるため
好ましくない。
【0017】また、平均粒径の異なる2種類以上のヒド
ロキシアパタイト粒子を含有させることもできる。この
場合は、それぞれのヒドロキシアパタイト粒子の平均粒
径が本発明の範囲内、かつすべてのヒドロキシアパタイ
ト粒子の合計量が本発明の範囲内であることが好まし
い。さらに、かかるヒドロキシアパタイト粒子に加え、
他の粒子を1種または2種以上同時に含有させることも
できる。かかる粒子の例として、炭酸カルシウム、シリ
カ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸
バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオラ
イト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、
シュウ酸カルシウム等の有機粒子、およびポリエステル
重合時に生成させる析出粒子を挙げることができる。た
だし、ヒドロキシアパタイト以外の粒子の合計含有量は
1重量%以下であることが好ましい。ヒドロキシアパタ
イト以外の粒子の含有量が多くなると、フィルム製造時
に発生するボイド等の影響で絶縁性が低下したり、粒子
がフィルム表面から脱落して絶縁欠陥の原因となる等の
問題が生ずることがある。
【0018】粒子を含むポリエステルの製造に際して、
粒子はポリエステルの合成反応中に添加してもポリエス
テルに直接添加してもよい。合成反応中に添加する場合
は、粒子をエチレングリコール等に分散させたスラリー
として、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法
が好ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合
は、乾燥した粒子として、または、水あるいは沸点が2
00℃以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、2
軸混練押出機を用いてポリエステルに添加混合する方法
が好ましい。なお、添加する粒子は、必要に応じ、事前
に解砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよ
い。
【0019】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記した方法で高濃度に粒子を含有するマスター原料を作
っておき、それを製膜時に、実質的に粒子を含有しない
原料で希釈して粒子含有量を調節する方法が有効であ
る。また、上記の突起形成剤以外の添加剤として、必要
に応じて、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロ
ッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、光線遮断剤、紫
外線吸収剤などを、コンデンサ特性を悪化させない範囲
内で含有していてもよい。
【0020】本発明のポリエステルフィルムをコンデン
サ誘電体として使用する場合は、フィルムの溶融時の比
抵抗が2×108 Ωcm以上、さらには5×108 Ωc
m以上であることが好ましい。かかる比抵抗が2×10
8 Ωcm未満の場合、耐電圧特性や、誘電損失、絶縁抵
抗等コンデンサ用として必要な電気的特性に劣るように
なる。ポリエステルの溶融時の比抵抗を上記した範囲と
するには、ポリエステル中に含有する、触媒として添加
した金属あるいはその他の原因で混入する金属の量を少
なくする方法や、かかる金属に対しモル比で0.5倍以
上のリン化合物を添加する方法が採用できる。溶融時比
抵抗の上限は、ポリエステル製造上触媒添加の必要性等
から1×1010Ωcm程度である。これ以上の比抵抗を
有しても、それによる電気的特性改良の効果はもはや期
待できないし、かかる比抵抗とするための製造上の困難
さが大きくなる。
【0021】本発明のフィルムの表面の中心線平均粗さ
(Ra)は、好ましくは0.005〜0.5μmの範囲
であり、さらに好ましくは0.01〜0.3μmの範囲
であり、特に好ましくは0.02〜0.1μmの範囲で
ある。Raが0.005μm未満では、フィルムの滑り
性が不十分となることがある。一方、Raが0.5μm
を超えると、表面が粗れすぎて耐電圧特性や耐湿熱特性
が悪化する傾向がある。
【0022】本発明のポリエステルフィルムは、最終的
に得られる特性が本発明の構成を満足する限り、多層構
造となっていても構わない。本発明のフィルムは、使用
時にフィルムを接する層との接着性を高めるため、表面
に塗布層を設けることができる。例えばコンデンサ用と
して使用する場合は、塗布層により蒸着金属との接着性
を高めることができる。塗布層を構成する樹脂の例とし
ては、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ
アクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアルコール、ポリウレタンなどの樹脂
およびこれらの樹脂の共重合体または混合物などを挙げ
ることができる。これらの中でもポリエステルまたはポ
リウレタンを含有する塗布層を用いた場合、高度な接着
性を与えることができ、コンデンサ用として耐熱、耐湿
熱性高度に満足させることができる。
【0023】また、本発明における塗布液には、塗布層
の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械
的強度の改良のために架橋剤としてメチロール化あるい
はアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン
系、アクリルアミド系、ポリアミド系等の化合物、エポ
キシ系化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシ
アネート、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、ジルコーアルミネート系カップリング剤、過酸化
物、熱および光反応性のビニル化合物や感光性樹脂など
を含有してもよい。
【0024】また、固着性や滑り性改良のために、塗布
層中に無機系微粒子としてシリカ、シリカゾル、アルミ
ナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タル
ク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、
硫酸バリウム、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、酸
化アンチモンゾルなどを、有機系微粒子としてポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、
フッ素樹脂などを含有していてもよい。
【0025】さらに、必要に応じて消泡剤、塗布性改良
剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していて
もよい。上述の塗布液をポリエステルフィルムに塗布す
る方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年発行、
「コーティング方式」に示されるリバースロールコータ
ー、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクター
コーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いることが
できる。塗布層は、フィルム製造工程内で設けてもよい
し、フィルム製造後に塗布してもよい。特に塗布厚みの
均一性や、生産効率の点で、フィルム製造工程内で塗布
する方法が好ましい。
【0026】フィルム製造工程内で塗布する方法として
は、ポリエステル未延伸フィルムに塗布液を塗布し、逐
次あるいは、同時に二軸延伸する方法、一軸延伸された
ポリエステルフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方
向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸ポリ
エステルフィルムに塗布し、さらに横および/または縦
方向に延伸する方法などがある。
【0027】塗布層の厚さは、通常0.005〜1.0
μmの範囲であり、好ましくは0.01〜0.5μmの
範囲である。塗布層厚みが1.0μmを超えると、電気
的特性を悪化させることがある。一方、塗布層の厚みが
0.005μm未満の場合には、塗布ムラや塗布ヌケが
生じやすくなる傾向がある。次に、本発明のフィルムの
製造法を具体的に説明する。
【0028】まず、ポリエステル原料を、押出装置に供
給し、ポリエステルの融点以上の温度で溶融押出してス
リット状のダイから溶融シートとして押し出す。次に、
溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下
の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未
配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上さ
せるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める
必要があり、本発明においては静電印加密着法および/
または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0029】静電印加密着法とは、通常、シートの上面
側にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該
電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することにより
シートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる
方法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラ
ム表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触す
る部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラ
ムとシートとの密着性を向上させる方法である。本発明
においては必要に応じ両者を併用してもよい。
【0030】本発明においてはこのようにして得られた
シートを二軸方向に延伸してフィルム化する。二軸延伸
条件について具体的に述べると、前記未延伸シートをま
ず第一軸方向に延伸する。延伸温度範囲は70〜150
℃、延伸倍率は2.5〜6倍の範囲とし、延伸は一段階
または二段階以上で行うことができる。次に第二軸方
向、すなわち第一軸方向と直交する方向に一軸配向フィ
ルムを一旦ガラス転移点以下に冷却するか、または冷却
することなく、例えば80〜150℃の温度範囲に予熱
して、さらにほぼ同温度の下で2.5〜5倍、好ましく
は3.0〜4.5倍に延伸を行い、二軸に配向したフィ
ルムを得る。
【0031】なお、第一軸方向の延伸を2段階以上で行
うことは、良好な厚さ均一性を達成できるので好まし
い。また、横延伸した後さらに長手方向に再延伸する方
法も可能であるが、いずれにしても長手方向の総合延伸
倍率を3.5倍以上とすることが好適である。かくして
得られたフィルムを、30%以内の伸長、制限収縮、ま
たは定長下で1秒〜5分間熱処理する。この際、熱処理
工程内または熱処理後に長手方向または横方向、あるい
は両方向に再延伸を行ってもよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比
較例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。 (1)ポリマーの極限粘度 [η] (dl/g) ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100mlに溶解し、30
℃で測定した。
【0033】(2)粒子の平均粒径(d50)(μm)お
よび粒度分布値(d25/d75) 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布において大粒子側から積
算した積算体積分率50%の粒径を平均粒径(d50)と
した。また、積算体積分率25%、および75%の値を
それぞれd25、d75とし、その比の値(d25/d75)を
粒径分布値とした。粒径分布値が小さいほど粒子の粒径
分布がシャープであることを示す。 (3)ポリマー溶融時の比抵抗(Ω・cm) ポリマーを285℃で溶融し、内部に含まれる気泡を取
り除いた後、ステンレス製の電極2本を挿入した。10
分間保持した後、電極間に1kVの直流電圧を印可し、
印可直後の電流値を読みとり、次式に従って比抵抗を算
出した。
【0034】
【数1】 (上記式中、Iは電流値(A)、Sは電極の面積(cm
2 )、tは電極間の距離(cm)である)
【0035】(4)中心線平均粗さ(Ra)(μm) (株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用
いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲
線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の
部分を抜きとり、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦
倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表した
とき、次式で与えられた値を中心線平均粗さ(Ra)と
し、〔μm〕で表した。なお、測定に当たっては、試料
フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断
面曲線から求めた抜き取り部分のそれぞれの値の平均値
で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30
mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
【0036】
【数2】
【0037】(5)電気的特性評価 (i)耐電圧特性 JIS C−2318に準じて測定を行った。すなわ
ち、100kV直流耐電圧試験機を用い、23℃、50
%RHの雰囲気下にて、1000V/秒の昇圧速度で上
昇させ、フィルムが破壊し短絡した時の電圧を読み取っ
た。
【0038】(ii)絶縁抵抗特性 (コンデンサの製造)以下のようにしてコンデンサを製
造して評価した。すなわち、フィルムを幅15mmにス
リットし、得られたスリット状フィルムとアルミ箔とを
重ねて巻回し、巻回体を得た。この巻回体を温度120
℃、圧力15kg/cm2 、で5分間プレスした。プレ
ス後の巻回体の両端面にメタリコンを溶射して、静電容
量約100nFのフィルムコンデンサとした。
【0039】(静電容量の測定)横河・ヒューレット・
パッカード社製のLCRメータ4284A(商品名)を
用い、得られたコンデンサの静電容量C[F]を測定し
た。 (絶縁抵抗の測定)横河・ヒューレット・パッカード社
製の高抵抗計4329A(商品名)を用い、得られたコ
ンデンサの電極間に100Vの直流電圧を印加し、コン
デンサの抵抗値を測定した。電圧印加は1分間行い、そ
の間電流値をレコーダーに記録した。電流値は印加直後
に最大値を示した後に低下するが、その最大値を測定値
R[Ω]とした。測定温度は、23℃および110℃と
した。絶縁抵抗の評価は、C×R[Ω・F]の値で行っ
た。C×Rが大きいほど絶縁抵抗が高く、コンデンサと
しての特性が良好である。
【0040】(6)コンデンサ総合評価 (5)における電気的特性、およびコンデンサ作成時の
取り扱い性、生産性等から、フィルムのコンデンサ用と
しての好適さを、以下の基準で判断した。
【0041】
【表1】 ───────────────────────────────── A:すべての特性で良好であり、高度な特性のコンデンサが得られる B:やや劣る特性もあるが、実用上ほぼ問題ない C:やや劣る特性があるため、適用できる範囲が制限される D:特性が劣るため、実用できない ─────────────────────────────────
【0042】実施例1 テレフタル酸86部、エチレングリコール70部を反応
器にとり、約250℃で0.5kg/mm2 の加圧下、
4時間エステル化反応を行った。次いで、三酸化アンチ
モン0.015部、平均粒径1.5μm、粒径分布値
1.50のヒドロキシアパタイト粒子0.3部およびリ
ン酸0.01部を添加した。温度を250℃から285
℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を常圧から徐々に
減じ0.5mmHgとした。4時間後重縮合反応を停止
し、極限粘度0.65のポリエステル(a)を得た。
【0043】ポリエステル(a)を常法により乾燥して
押出機に供給し、290℃で溶融してシート状に押出
し、静電印加密着法を用いて冷却ロール上で急冷し、無
定形シートとした。得られたシートを、ロール延伸法を
用いて縦方向に84℃で2.9倍延伸した後、さらに7
0℃で1.3倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムを
テンターに導いて、横方向に110℃で4.0倍延伸
し、230℃で熱処理を行い、フィルムの厚さ6.0μ
mの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0044】実施例2 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸カルシウム1水塩0.09部を反応器
にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去してエ
ステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して2
30℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。
【0045】次いで、平均粒径0.6μm、粒径分布値
1.55のヒドロキシアパタイト粒子1.0部をエチレ
ングリコールスラリーとして添加した。スラリー添加
後、さらにリン酸0.06部、三酸化アンチモン0.0
4部を加え、徐々に反応系を減圧とし、温度を高めて重
縮合反応を4時間行い、極限粘度0.66のポリエステ
ル(b)を得た。粒子を添加しないこと以外は同様にし
て、極限粘度0.67のポリエステル(c)を得た。
【0046】ポリエステル(b)とポリエステル(c)
とを混合した原料を用い、製膜条件は実施例1と同様に
して、ヒドロキシアパタイト粒子を0.5重量%含有す
る厚み1.9μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。
【0047】実施例3 実施例2と同様にして、平均粒径1.5μm、粒径分布
値が1.50のヒドロキシアパタイト粒子を0.1重量
%、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.4重量%含
有する厚み2.0μmの二軸配向ポリエステルフィルム
を得た。
【0048】実施例4 実施例2と同様にして、平均粒径0.5μm、粒径分布
値1.55のヒドロキシアパタイト粒子を0.5重量
%、平均粒径0.9μmの炭酸カルシウム粒子を0.0
5重量%含有する厚み15μmの二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。得られたフィルムは、優れた滑り性と
耐摩耗性を有し、磁気記録媒体用として使用できるフィ
ルムであった。したがって、本フィルムは、コンデンサ
用としての電気特性評価は行わなかった。
【0049】実施例5 実施例2において、ポリエステル製造時のリン化合物添
加量を変更して、溶融時の比抵抗の異なるポリエステル
とし、二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの取
り扱い性等は実施例2のフィルムと同等であったが、コ
ンデンサとしての電気特性に劣るものであった。
【0050】比較例1 実施例1において、粒子を平均粒径1.1μm、粒径分
布値1.80の炭酸カルシウム粒子としたこと以外は実
施例1と同様にして、厚み6μmの二軸配向ポリエステ
ルフィルムを得た。得られたフィルムは、本発明の要件
を満たしていないため、コンデンサ用として用いた場合
の絶縁特性が劣るものであった。
【0051】比較例2、3 ヒドロキシアパタイトの製造、粉砕、分級条件を選択し
て、平均粒径、粒径分布値を、下記表1に示した粒子を
得た。得られた粒子を、実施例1で用いた粒子に替えて
使用したこと以外は実施例1と同様にして、それぞれ厚
み6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得ら
れたフィルムは、粗大粒子を含有するため、耐電圧特性
が劣るものであった。
【0052】比較例4 実施例1におけるヒドロキシアパタイト粒子添加量を、
12重量%とした原料を用い、フィルムを作成しようと
したが、粒子量が多すぎるため粒子の凝集が発生し、ま
た延伸工程での破断トラブルが頻発し、著しく生産性が
劣ることが判明した。以上、得られた結果をまとめて下
記表1および2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明のフィルムは、優れた表面特性を
有するため取り扱い性に優れ、特にコンデンサ誘電体と
して用いたときに電気的特性、特に広温度範囲で良好な
耐電圧特性が得られるため、高度な耐熱性を有するコン
デンサとすることができ、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径(d50)が0.05〜5.0μ
    mであって、粒径分布値(d25/d75)が5.0以下の
    ヒドロキシアパタイト粒子を0.01〜10重量%含有
    することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 溶融時の比抵抗が2×108 Ωcm以上
    であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ誘
    電体用二軸配向ポリエステルフィルム。
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