JPH11255949A - 微孔性膜およびその製造方法 - Google Patents

微孔性膜およびその製造方法

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JPH11255949A
JPH11255949A JP5706698A JP5706698A JPH11255949A JP H11255949 A JPH11255949 A JP H11255949A JP 5706698 A JP5706698 A JP 5706698A JP 5706698 A JP5706698 A JP 5706698A JP H11255949 A JPH11255949 A JP H11255949A
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silica
liquid
particles
thv
aggregate
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JP5706698A
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Hajime Tsujihana
一 辻葩
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体として機能する非透過性膜に、シリカ
の一次粒子同士の隙間をユニットとしている厚さ10〜
300μm程度の微孔性膜を得ること。 【解決手段】 シリカの一次粒子が空隙を介して凝集さ
れた集合体が島状に分散し、この集合体の空隙が断面方
向に連通し透過性とした微孔性膜、およびシリカ凝集粒
子を分散しているテトラフロロエチレン-ヘキサフロロ
プロピレン-ビニリデンフロライドの三共重合体の溶液
をキャスティングして微孔性膜を得る方法であり、限定
された性質の液剤を、シリカの凝集粒子に含浸すること
より微孔性膜の空隙率を調整することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水質処理など液
中に存在する粒子の除去や、二次電池、酵素精製など膜
内部の空隙をなす微孔を介して化学的な反応を行う用途
に用いられる微孔性膜およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、液媒中の粒子を除去するには、
膜孔径より大きな粒子は膜を透過できないという、いわ
ゆる“ふるい効果”による機構が支配的な精密濾過膜
(孔径は10-6mから10-4m)、限外濾過膜(孔径は
10-7mから10-6m)などの分離膜(微孔性膜)や、
これら膜と同じ範囲の孔を有する多孔質フォームが用い
られている。そして、微孔性膜をフイルターとして用い
る場合は、液圧がかかるためにモジュールにするなどし
て強化して使用し、セパレータの場合は液圧がかからな
いために微孔性膜をそのままの状態で使用している。
【0003】微孔性膜の多くは、高分子系マトリックス
で与えられ、これを得るには、(1)高分子系マトリッ
クスを主成分とする粉体を部分融着させた状態で焼結し
て得る焼結法、(2)二種類以上の化合物からなる高分
子系マトリックスからシートを延伸して得る延伸法、
(3)シートに機械的あるいは物理的な処理をして得る
方法、(4)溶解あるいは分解する化合物を混合した高
分子系マトリックスを抽出処理して得る抽出法、などが
代表的である。これらの製造方法は基本構成であって、
マトリックスの素材によっては前処理または後処理を施
している。
【0004】上記に挙げたこれらの製造方法によってで
きる空隙の構造は、分離性能に影響を与えるので、目的
にあわせて微孔性膜の製造方法を選ぶ必要がある。例え
ば、微孔性膜上に付着したケークの抵抗が支配的となる
水質浄化等の用途に使用する場合は、微孔性膜自身の透
過抵抗が小さくなるように、空隙構造を単純にする。従
って、この場合は、延伸法や機械的・物理的方法が適し
ている。これに対して、微孔性膜を介した双方の液相の
間で化学的な反応がおこる二次電池や酵素精製などに使
用する場合は、微孔性膜内部の空隙が化学反応のユニッ
トとして機能させるので、空隙の構造が複雑である方が
よい。
【0005】したがって、この場合は、複雑な構造の空
隙を形成することができる焼結法と抽出法が適している
が、抽出法は焼結法より大量生産に適しており、抽出法
によるポリエチレン系の微孔性膜が工業的に広く使用さ
れている。たとえば、ポリエチレン系の微孔性膜は、ポ
リエチレン100重量部に対しパラフィンやDOP(ジ
オクチルフタレート)などの可塑剤のように、ポリエチ
レンと相溶する化合物から選択される液剤30〜500
重量部と、親水性を付与するためのシリカ20〜200
重量部を130〜250℃の温度範囲で混合と成形を
し、後に有機溶剤に浸漬して液剤を抽出して、空隙率が
20〜70%の微孔性膜を得ている。
【0006】現在、二次電池や酵素精製など微孔性膜を
介して化学的な反応を行う用途では、より複雑な内部構
造を持ち、化学反応のユニットとして機能させる内部の
空隙の大きさは、数十ナノメーター(以下nmと記載す
る)程度の微細化が求められている。しかし、現行のポ
リエチレン系微孔性膜は、混練及び成形時にポリエチ
レンと液剤が相溶して一つとなること、混合や成形時
に凝集してなるシリカの二次粒子あるいは三次粒子が一
次粒子のレベルにまで粉砕されること、が原因でユニッ
トの大きさが数百nm程度であり、数十nm程度に微細
化するには、全体の空隙率の犠牲をなしに実現できな
い。
【0007】そこで発明者は抽出法を応用して、高分子
と相溶性を示さない液剤をシリカの凝集粒子に含ませる
ことによって破砕防止処理を施し、これをバインダーで
ある高分子に分散して、押出やプレスなどの手段により
任意の形状に成形し、抽出によって該液剤を抽出して得
る多孔質なフォームを提案している。(特願平8−14
2633号、特願平9−108323号、特願平9−3
28458号)。このフォームは、空隙率を犠牲にする
ことなく、シリカの一次粒子同士の隙間が数十nmのユ
ニットを形成しており、電池、酵素精製などの分野で
は、従来のポリエチレン系微孔性膜よりも高い性能を発
揮している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来より、厚さが10
〜100μm程度で、孔径が数十nm程度である微孔性
膜が求められているが、上記に述べている発明者が考案
した多孔質なフォームは、その製法の特性上、300μ
mを下回る厚さで得ることが困難であり、上記のニーズ
に応えることができない。従って、本発明の解決すべき
課題は、支持体として機能する非透過性膜に、シリカの
一次粒子同士の隙間をユニットとしている厚さ10〜3
00μm程度の微孔性膜を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者は、シ
リカの一次粒子同士の隙間をユニットとしている10〜
300μm程度の微孔性膜を創出するために、マトリッ
クスを溶解して基材にコーティングして得る方法(キャ
スティング法)を採った。そして、粒子は凝集性に富ん
でいるシリカを選択し、上記の微孔性膜を得るための高
分子の選択条件は、可溶性であること、表面エネル
ギーがシリカのそれと差が大きいこと、であり、種々検
討したところ、テトラフロロエチレン-ヘキサフロロプ
ロピレン-ビニリデンフロライド系の三共重合体(以
下、THVと記載する)が適していることが見出され、
本発明に至った。
【0010】すなわち、請求項1記載の発明は、テトラ
フロロエチレン-ヘキサフロロプロピレン-ビニリデンフ
ロライドの三共重合体とシリカ粒子とからなる高分子膜
であって、該三共重合体は非透過性膜を形成し、シリカ
は粒子間に空隙を介して集合体をなし、該集合体が該非
透過性膜を支持体として表裏に突出した状態で分散して
配せられ、しかも、該集合体は粒子間の空隙を介して表
裏が連通した透過性となっていることを特徴とする微孔
性膜に関するものである。
【0011】請求項2記載の発明は、上記の微孔性膜の
製造方法に関するものであって、テトラフロロエチレン
-ヘキサフロロプロピレン-ビニリデンフロライドの三共
重合体の溶液に、シリカを二次粒子あるいは三次粒子の
凝集粒子の状態で分散した液状混合物を作製し、この液
状混合物を基材に塗布し、乾燥して該基材から剥離して
得ることを特徴とするものである。
【0012】上記の請求項2記載の処方では、予想外に
も、シリカの凝集を促進させる効果が高いのでシリカが
極端に島状に偏在し、結果として、図1に示すように、
THVからなる非透過性膜1が支持体として機能し、こ
の支持体中にシリカ粒子2が粒子間に空隙を介して集合
体3が該非透過性膜1を支持体として表裏から突出した
状態で多数の島状に分散して存在し、しかも、該集合体
は粒子間の空隙を介して表裏が連通した透過性となって
いる微孔性膜(請求項1の発明)が容易に得られるので
ある。そして、この微孔性膜はいわゆるキャスティング
法により製造されるので、厚さ10〜300μm程度の
微孔性膜を容易に提供することが可能となった。
【0013】請求項3記載の発明は、空隙率の調整と微
孔性膜としての吸水性を向上するための請求項2記載の
発明の好ましい態様であって、三共重合体を溶解するの
に使用する溶剤を液剤Aとし、液剤Aと非相溶で且つ沸
点が液剤Aよりも高い液剤Bをシリカの凝集粒子に含浸
させた状態で、該三共重合体が溶解している溶液に分散
して液状混合物を作製することを特徴とするものであ
る。
【0014】この請求項3の場合、シリカの凝集粒子は
嵩比重が50〜300g/lであるから80〜98%の
空隙があるが、本発明においてTHV溶液中に分散する
と、液剤が進入して大部分の空隙が失われる。失われる
空隙を確保するためには、THV溶液中の液剤の進入を
阻止することであり、そのためには、予め該液剤と非相
溶な液剤を含浸させておけば良い。また、この処方を施
せば、凝集粒子に含浸させた液剤が表面を開孔させるの
で、微孔性膜としての吸水性の向上する。
【0015】そして、これを実現化するためには、TH
V溶液が溶剤を失って、支持体としての非透過性膜を形
成した後に、凝集粒子に含浸させた液剤を揮発させると
いったプロセスを要するので、THVを溶解するため
の液剤と凝集粒子に含浸させる液剤を非相溶とする。
凝集粒子に含浸させる液剤の沸点はTHVを溶解するた
めの液剤よりも高い、といった二点の性質が必須要件と
なる。
【0016】さらに上記請求項2又は請求項3記載の発
明の特に好ましい実施態様としては、下記要件などが挙
げられる。 (1)THV100重量部に対して、シリカの凝集粒子
10〜200重量部の割合で配合するのが好ましい。 (2)上記の液剤Aの沸点が90℃以下であり、一方液
剤Bの沸点が90℃以上であることが望ましい。特に液
剤Bとしては、抽出することなく乾燥により除去できる
点で水が最も好ましい。
【0017】(3)凝集粒子に含浸させる液剤を抽出し
て除去する処方としては、該液状混合物を基材に塗布
し、液剤Aを揮発させた後に、液剤Bを抽出又は乾燥す
ることが好ましい。 (4)液剤Aもしくは液剤B中には、適宜、界面活性剤
およびアルキル系シランを添加することによって、非相
溶に二種の液剤が存在する系を安定化することから好ま
しい。 (5)本発明による微孔性膜の改質のために、液状混合
物を基材に塗布した後に、電子線を照射することが好ま
しい。本処方による改質の効果は、THVの架橋によ
る耐熱性の向上、親水性の付与が挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】先ず、本発明で使用する材料につ
いて説明する。シリカとは、湿式シリカあるいは乾式シ
リカなど合成シリカと、珪砂などの天然シリカの微粉末
がある。シリカは、粒子の表面に存在するシラノール基
が多いと凝集性に富むが、本発明においては、よりシラ
ノール基が多くて凝集しやすい性質である合成シリカが
適している。シラノール基が多い合成シリカは、普通、
数nmから数十nm程度の一次粒子が凝集して、数十μ
mから数百μmの凝集粒子を形成している。この凝集粒
子は空隙を有し、本発明はこの空隙を液媒の流路や化学
反応のユニットとして利用するところに特徴がある。本
発明におけるシリカの一次粒子が空隙を介して凝集され
た集合構造部を得るには、凝集性の強い湿式シリカが望
ましい。また、一次粒子の粒径が1μmを上回ると空隙
の形成が複雑にならず好ましくない。一方粒径の下限に
ついては特に限定はなく小さい方がより望ましいが、市
販のシリカの一次粒子は平均粒径が数nmから100n
mであり、これを使用するとよい。
【0019】本発明で使用するTHVは、テトラフロロ
エチレン-ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロラ
イド系の三共重合体であり、この三共重合体はフッ素系
高分子に属し、耐薬品性に優れているので、ポリエチレ
ンなどオレフィン系高分子と同様に広い範囲の用途に使
用出来る。THVは三種類のモノマーの構成比によって
特性が変わり、その構成比により、各種のグレードがあ
るが、全てのものが有機溶剤による可溶性を示すわけで
はない。本発明において、可溶性を示すTHVであれ
ば、モノマーの構成比に関して限定はない。
【0020】現在、可溶性を示すTHVとして、テトラ
フロロエチレンが40%程度、ヘキサフロロプロピレン
が20%程度、ビニリデンフロライドが40%程度の組
成のものが商品化(住友スリーエム(株)製商品名:T
HV200G, THV200P)されている。上記の可
溶性を示すTHVは、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶剤に溶解するの
で、これらの溶剤を本発明においてTHVを溶解するた
めの液剤Aとして使用すると良い。また本発明において
THVを溶解するための液剤Aを乾燥する工程を経る
が、この工程での合理性を考慮すると、沸点が90℃を
上回らない方が望ましいが、沸点が低すぎると安全上の
問題がある。従って、沸点は70〜85℃が最適であ
り、本発明におけるTHVを溶解するための液剤Aは、
メチルエチルケトン(沸点は79℃)、酢酸エチル(沸
点は77℃)が最適である。
【0021】本発明では、空隙率や親水性を調整するた
めに、予めシリカの凝集粒子に液剤を含浸させるのが好
ましい(請求項3)が、この場合THVを溶解するた
めの液剤Aと凝集粒子に含浸させる液剤Bとは非相溶と
する。凝集粒子に含浸させる液剤Bの沸点はTHVを
溶解するための液剤Aよりも高いものとする。といった
二点の性質が必須要件であることは、前記したとおりで
ある。また、シリカとの親和性に富んでいるという点
も重要である。こういった選択基準に従うと、液剤Bと
しては水や極性の高い化合物が該当する。なお極性の高
い化合物として高級アルコール、エチレングリコール、
酢酸カルビトール、ポリエチレングリコールなど、沸点
がTHVの融点(125℃)を上回る場合は、これを除
去するのに溶剤などに浸漬して抽出する方法が合理的で
ある。一方沸点がTHVの融点よりも低い水は沸点がT
HVの融点を下回るので、抽出を経ることなく、自然乾
燥といった簡単な方法で除去ができ、より合理化でき
る。
【0022】次に、液剤Aもしくは液剤B中には、適
宜、界面活性剤やアルキル系シランを添加することが非
相溶な二種の液剤が存在する系を安定化するために好ま
しい。例えば、THVを溶解するための液剤Aとして酢
酸エチル、凝集粒子に含浸させる液剤Bとして水を選択
した場合、発明者が検討した結果、脂肪酸石鹸、アルキ
ルベンゼンスルホン酸の金属塩などの陰イオン界面活性
剤、エーテル型、アルキルフェノール型などの非イオン
界面活性剤、メチル型、ベンジル型などの陽イオン界面
活性剤や、アルキル系シランなどを添加すれば、混合が
容易になることがわかり、設計した空隙率を実現化する
ためには、界面活性剤およびアルキル系シランを添加す
ることは必須の手段である。
【0023】次に本発明で使用する材料などの配合量に
ついて説明する。本発明による微孔性膜は、基本的に、
THVとシリカの集合体とからなる。その構成として
は、THV100重量部に対してシリカが10重量部を
下回ると微孔性膜として機能せず、150重量部以上で
は脆くなる。従って、望ましくはTHV100重量部に
対してシリカが30〜120重量部である。一方、TH
Vを溶解するための液剤Aの量については、特に限定が
なくキャスティング時の条件によって任意に選ぶことが
できるが、THV100重量部に対して100重量部を
下回ると取り扱いが困難であるのでこれ以上が望まし
い。
【0024】またシリカの凝集粒子に含浸するための液
剤Bの量は、シリカ100重量部に対して0重量部であ
っても本発明による微孔性膜が得ることができるので下
限はなく、500重量部を越えると加工が困難になるの
で、望ましくは300重量部以下の範囲で空隙率や吸水
性の調整をするために添加する。更に、界面活性剤およ
びアルキル系シランの添加量は、液剤の総量100重量
部に対して0.1重量部以下では効果がなく、10重量
部を上回ると過剰でコストが必要以上に上がってしまう
ことから、1〜5重量部が最適である。
【0025】本発明は本質的に、THVの溶液にシリカ
の凝集粒子を分散して液状混合物を作製し、これをキャ
スティングして乾燥した後、剥離して微孔性膜を製造す
るものである。この製造方法は以下に述べる工程からな
る。第一の工程は、THVの溶液の作製であり、パウダ
ー状またはペレット状のTHVを、メチルエチルケト
ン、酢酸エチルなどの可溶性溶剤Aに溶解させる。本発
明において、この工程における製法には特に限定はなく
任意である。また、使用する溶剤Aは前記に挙げた化合
物の単体に限定されず、混合物であってもよい。
【0026】第二の工程は、シリカの凝集粒子をTHV
の溶液中に分散して液状混合物を得る工程である。先
ず、所定量のTHV溶液およびシリカをそれぞれ計量し
て、デイスパー、ニーダーなどによって混合分散する
が、本発明に於いては、使用機器または条件などについ
ては特に限定はない。もし、条件などの都合で分散が困
難である場合には、予めTHVの溶液に使用している液
剤Aなどでシリカを濡らしておくとよい。また、前記に
述べたように、空隙率や親水性を調整するために、シリ
カの凝集粒子に第二の液剤Bを含浸させる場合は、TH
Vの溶液中に分散する前に、液剤Bの含浸処理をする。
この含浸処理は、上記と同様に、デイスパー、ニーダー
などによって混合分散すると良い。そして、含浸処理を
したシリカ凝集粒子は、THVの溶液との混合分散が困
難であるから、界面活性剤またはアルキル系シランおよ
びTHVの溶液に使用している液剤Aを同時に投入し
て、混合分散性を高めた状態で、THVの溶液中に分散
すると良い。
【0027】第三の工程は、得られた液剤混合物を基材
上にキャスティングする工程である。本発明において使
用する基材は任意であり、材質または形態について特に
限定はないが、シリコーン系またはフッ素系剥離剤がコ
ートされたフイルム、平滑なエンドレスベルト、回転ド
ラム等が望ましい。また、キャスティングの際に使用す
る加工機についても特に限定がなく任意である。また、
キャスティング後に、液剤の除去と基材からの剥離を行
うが、これについても任意の方法で行うことができる。
【0028】最後に、本発明による微孔性膜の改質のた
めに、液状混合物を基材に塗布した後に、電子線を照射
することが好ましい。電子線の照射はキャスティングの
後に行う。この処理は、加圧電圧、ビーム電流、線量な
どの照射条件があるが、本発明において、条件設定は任
意である。本処方による改質の効果は、THVの架橋
による耐熱性の向上、親水性の付与、があるが、照射
後に無酸素状態で暴露すれば架橋が優先的に進行し、照
射後に空気中に暴露すれば親水性の付与が優先的に進行
する。
【0029】
【実施例】次に具体的に実施例を挙げるが、本発明はこ
の実施例の記載に限定されるものではない。なお下記の
実施例で行った各種の評価試験は、下記のようにして行
ったものである。
【0030】(1)孔径評価試験の評価方法 各サンプルを直径49μmの円盤状に切り取ってこれを
試験片5とし、図2に示す装置に組み込んで評価した。
これについて詳細は次の通りである。試験片5をホルダ
ー4に濾紙6と共に組み込んだ。一方、平均粒径0.5
μmのシリコーンボール(商品名:トスパール105
東芝シリコン株式会社製)の10%分散水を上方から注
ぎ、シリコーンボールと水の通過状況を観察し、下記の
基準で評価した。 ・水だけがフラスコ7に留まった。 判定A 合格 ・水とシリコーンボールとがフラスコ7に留まった。 判定B 不合格 ・水もシリコーンボールもフラスコ7に留まらない。 判定C 不合格
【0031】(2)耐熱性試験の方法 各サンプルを10×50mmにカットし、これを150
℃に温度調節したオーブンに入れ、5分後に取り出して
試験片の観察を行った。 (3)吸水性試験の評価方法 各サンプルを直径49mmの円盤状に切り取って、水滴
を滴下して、完全に吸収するまでの時間をはかった。
【0032】実施例1 室温にてデイスパーで、THV(スリーエム(株)製商
品名:THV-200P)100重量部と、酢酸エチル400重
量部とを混合して、THVの25%溶液を得た。次い
で、上記溶液500g中に、一次粒子の平均粒径が16
nm、凝集粒子の平均粒径9μmのシリカ粉末(日本シ
リカ工業株式会社製商品名:ニップシールLP)を、表
1に示す重量割合(THV100重量部に対して)で混
合分散して液状混合物1−1,1−2,1−3,1−
4,1−5,1−6,1−7,1−8を得た。上記液状
混合物を得るのにデイスパーを使用したが、完全に分散
するのに一昼夜を要した(全て液状混合物)。
【0033】次に、基材として厚さが25μmのシリコ
ーン離型処理されたPETフイルムを選択し、この上
に、得られた8点の液状混合物を、アップリケーターを
用いてキャストした。そして、自然乾燥させた後で、1
−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6は基材
から剥離が可能で、厚さ約30μmの白色の膜を得た。
1−7,1−8は剥離が不可能であった。剥離して得ら
れた6点の膜について、重量と厚さなどから空隙率を算
出し、さらに、シリコーンボールによる孔径評価試験を
行った。その結果は表1の通りであった。そして、試験
結果の良かった1−2,1−3,1−4,1−5,1−
6を電子顕微鏡で観察したところ、図1に示す構造をし
ていた。この結果、本発明の処方により、微孔性膜が得
られることが確認できた。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 デイスパーにより、実施例1で使用したと同じシリカか
らなり表2に示す配合組成からなる3点のシリカ配合物
を得た。配合物2−1は液剤Bなしであり、配合物2−
2は、液剤Bとしてポリエチレングリコール(日本油脂
(株)製商品名:PEG300)をシリカに含浸させ、
配合物 2−3は、液剤Bとして水をシリカに含浸させ
たものである。尚、全ての配合物には、次工程でのTH
V溶液との分散時間を短縮する目的で、THVの溶液に
使用した液剤Aとしての酢酸エチルを添加した。そし
て、シリカがTHVと等量になる様に、これらの配合物
を、実施例1で得たTHVの溶液に、デイスパーにて5
分程度混合分散したところ、3点の液状混合物を得た。
【0036】次に、基材として厚さ25μmのシリコー
ン離型処理されたPETフイルムを選択し、この上に、
得られた3点の液状混合物を、アップリケーターを用い
てキャストした。配合物2−1および2−3から得た液
状混合物は、自然乾燥させた基材から剥離が可能で、こ
れにより2点の厚さ約30μmの白色の膜を得た。一
方、配合物2−2から得た液状混合物すべては、自然乾
燥した後に60℃の湯に浸漬して液剤Bを除去した後で
再度自然乾燥し、基材から剥離して厚さ30μmの白色
の膜を得た。得られた3点の膜について、重量と厚さな
どから空隙率を算出し、さらに、実施例1と同様の孔径
評価試験を行った。結果は、表2に示す通りであった。
そして、得られた3点の膜を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、図1に示す構造をしていた。結果、本発明の処方に
より、微孔性膜が得られることが確認できた。
【0037】
【表2】
【0038】実施例3 実施例1の液状混合物1−4より得た微孔性膜に、加速
電圧250[kV]、ビーム電圧15[mA]、線量3
0[M read]の条件で電子線を照射した。照射前
後の物性および下記に述べる耐熱性試験および吸水性試
験を行ったところ、表3に示す通りであった。この結果
より、電子線の照射により物性と耐熱性試験および吸水
性が向上することが確認できた。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、支持体として機能する
非透過性膜中に、シリカの一次粒子が空隙を介して凝集
されてなる集合体が島状に分散して存在し、この集合体
の空隙が断面方向に連通した透過性となっている微孔性
膜を提供することができる。そして集合体に存在する空
隙(シリカ同士の隙間)が数十nm程度のユニットとし
て機能し、しかも、その厚みが10〜300μmの極め
て薄い微孔性膜であることから、従来から所望されてい
た水質処理など液中に存在する粒子の除去や、二次電
池、酵素精製など多孔質を介して化学的な反応を行う用
途等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微孔性膜を示す一部拡大断面図であ
る。
【図2】孔径評価試験に使用した装置の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 非透過性膜 2 シリカ 3 シリカの集合体 4 ホルダー 5 試験片 6 濾紙 7 フラスコ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:04 B29L 7:00 C08K 3:36 C08L 27:18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフロロエチレン-ヘキサフロロプ
    ロピレン-ビニリデンフロライドの三共重合体とシリカ
    粒子とからなる高分子膜であって、該三共重合体は非透
    過性膜を形成し、シリカは粒子間に空隙を介して集合体
    をなし、該集合体が該非透過性膜を支持体として表裏に
    突出した状態で分散して配せられ、しかも、該集合体は
    粒子間の空隙を介して表裏が連通した透過性となってい
    ることを特徴とする微孔性膜。
  2. 【請求項2】 テトラフロロエチレン-ヘキサフロロプ
    ロピレン-ビニリデンフロライドの三共重合体の溶液
    に、シリカを二次粒子あるいは三次粒子の凝集粒子の状
    態で分散した液状混合物を作製し、この液状混合物を基
    材に塗布し、乾燥後に該基材から剥離して得ることを特
    徴とした微孔性膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 三共重合体を溶解するのに使用する溶剤
    を液剤Aとし、液剤Aと非相溶で且つ沸点が液剤Aより
    も高い液剤Bをシリカの凝集粒子に含浸させた状態で、
    該三共重合体が溶解している溶液に分散して液状混合物
    を作製する請求項2記載の微孔性膜の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003099915A1 (en) * 2002-05-29 2003-12-04 Asahi Glass Company, Limited Porous nanocomposite thin film and method of forming the same
JP2005270707A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Toray Ind Inc 分離膜
CN113071176A (zh) * 2021-04-23 2021-07-06 刘显志 一种适用于有机固体废弃物堆肥发酵的ePTFE除臭膜

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