JPH11256253A - 複合材用炭素繊維及び複合材料 - Google Patents
複合材用炭素繊維及び複合材料Info
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- JPH11256253A JPH11256253A JP8250698A JP8250698A JPH11256253A JP H11256253 A JPH11256253 A JP H11256253A JP 8250698 A JP8250698 A JP 8250698A JP 8250698 A JP8250698 A JP 8250698A JP H11256253 A JPH11256253 A JP H11256253A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱ストレスを与えても炭素繊維とマトリック
スとの界面で劣化を生じることがなく、熱膨張特性、熱
伝導特性が維持されるアルミニウム基複合材料、および
炭素繊維を提供する。 【解決手段】 炭素繊維との界面では炭化珪素であり、
表面側では酸化珪素であり、中間では炭化珪素と酸化珪
素が混合しているコーティング層を設けた複合材用炭素
繊維であり、このようなコーティング層を設けた複合材
用炭素繊維をアルミニウムまたはアルミニウム合金のマ
トリックスに分散させたアルミニウム基複合材料で、熱
ストレスを与えても炭素繊維とマトリックスとの界面で
劣化を生じることがなく、熱膨張特性、熱伝導特性が維
持される信頼性の高いものである。
スとの界面で劣化を生じることがなく、熱膨張特性、熱
伝導特性が維持されるアルミニウム基複合材料、および
炭素繊維を提供する。 【解決手段】 炭素繊維との界面では炭化珪素であり、
表面側では酸化珪素であり、中間では炭化珪素と酸化珪
素が混合しているコーティング層を設けた複合材用炭素
繊維であり、このようなコーティング層を設けた複合材
用炭素繊維をアルミニウムまたはアルミニウム合金のマ
トリックスに分散させたアルミニウム基複合材料で、熱
ストレスを与えても炭素繊維とマトリックスとの界面で
劣化を生じることがなく、熱膨張特性、熱伝導特性が維
持される信頼性の高いものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合材用炭素繊維、
複合材用炭素繊維の製造方法、及びアルミニウム基複合
材料に関する。
複合材用炭素繊維の製造方法、及びアルミニウム基複合
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電子機器その他の産業部材とし
て、熱歪みが発生しない低熱膨張で、放熱性を高めるた
めに熱伝導の優れた、信頼性の高い材料が要求されてい
る。従来、このような要求に適用する材料には、熱膨張
特性の良好な材料として、Fe−Co合金(コバー
ル)、42アロイ等のNi合金、Cu−W合金等が一般
的である。また、熱伝導率の高い材料としては、Cu、
Al等の高伝導性金属がある。近年では、これらに対し
て、熱膨張係数の小さい炭素繊維を分散材とし、マトリ
ックスに熱伝導特性の高いアルミニウム等で構成された
複合材料が提案されている(例えば、特開平1−319
639号公報、特開平4−147654号公報)。
て、熱歪みが発生しない低熱膨張で、放熱性を高めるた
めに熱伝導の優れた、信頼性の高い材料が要求されてい
る。従来、このような要求に適用する材料には、熱膨張
特性の良好な材料として、Fe−Co合金(コバー
ル)、42アロイ等のNi合金、Cu−W合金等が一般
的である。また、熱伝導率の高い材料としては、Cu、
Al等の高伝導性金属がある。近年では、これらに対し
て、熱膨張係数の小さい炭素繊維を分散材とし、マトリ
ックスに熱伝導特性の高いアルミニウム等で構成された
複合材料が提案されている(例えば、特開平1−319
639号公報、特開平4−147654号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術の分散材である炭素繊維は、マトリックスであ
るアルミニウム、アルミニウム合金との濡れ性が悪く、
複合時に十分な界面特性を得ることができないという問
題点があった。また、炭素繊維の熱膨張係数は−1×1
0−6/℃に対して、アルミニウムの熱膨張係数は24
×10−6/℃であるので、その差が大きく、熱ストレ
スを繰り返し与えると炭素繊維とアルミニウム、アルミ
ニウム合金マトリックスとの界面で大きなストレスが発
生し、界面剥離などを発生した。これにより熱膨張特性
および熱伝導特性が劣化する問題点があった。本発明の
目的は、このような問題点に鑑み、熱ストレスを与えて
も炭素繊維とマトリックスとの界面で劣化を生じること
がなく、熱膨張特性、熱伝導特性が維持される信頼性の
高いアルミニウム基複合材料、およびこれに用いられる
炭素繊維を提供するものである。
従来技術の分散材である炭素繊維は、マトリックスであ
るアルミニウム、アルミニウム合金との濡れ性が悪く、
複合時に十分な界面特性を得ることができないという問
題点があった。また、炭素繊維の熱膨張係数は−1×1
0−6/℃に対して、アルミニウムの熱膨張係数は24
×10−6/℃であるので、その差が大きく、熱ストレ
スを繰り返し与えると炭素繊維とアルミニウム、アルミ
ニウム合金マトリックスとの界面で大きなストレスが発
生し、界面剥離などを発生した。これにより熱膨張特性
および熱伝導特性が劣化する問題点があった。本発明の
目的は、このような問題点に鑑み、熱ストレスを与えて
も炭素繊維とマトリックスとの界面で劣化を生じること
がなく、熱膨張特性、熱伝導特性が維持される信頼性の
高いアルミニウム基複合材料、およびこれに用いられる
炭素繊維を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、コーティング
層を設けた炭素繊維において、コーティング層は炭素繊
維との界面では炭化珪素であり、表面側では酸化珪素で
あり、中間では炭化珪素と酸化珪素が混合していること
を特徴とするコーティング層を設けた複合材料炭素繊維
である。上記コーティング層は、炭素繊維との界面から
離れて表面側になるにつれて酸化珪素の割合が多くなる
ように、組成が傾斜的に変化していることが好ましい。
また本発明は、炭素繊維にセラミックス前駆体ポリマー
を付着し、焼成することにより、炭素繊維との界面では
炭化珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪素と酸
化珪素が混合しているコーティング層を形成することを
特徴とする複合材用炭素繊維の製造方法であり、セラミ
ックス前駆体ポリマーとしては、例えばポリカルボシラ
ンを用いるものである。
層を設けた炭素繊維において、コーティング層は炭素繊
維との界面では炭化珪素であり、表面側では酸化珪素で
あり、中間では炭化珪素と酸化珪素が混合していること
を特徴とするコーティング層を設けた複合材料炭素繊維
である。上記コーティング層は、炭素繊維との界面から
離れて表面側になるにつれて酸化珪素の割合が多くなる
ように、組成が傾斜的に変化していることが好ましい。
また本発明は、炭素繊維にセラミックス前駆体ポリマー
を付着し、焼成することにより、炭素繊維との界面では
炭化珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪素と酸
化珪素が混合しているコーティング層を形成することを
特徴とする複合材用炭素繊維の製造方法であり、セラミ
ックス前駆体ポリマーとしては、例えばポリカルボシラ
ンを用いるものである。
【0005】また本発明は、上記のコーティング層を設
けた複合材用炭素繊維をアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金のマトリックスに分散させたことを特徴とするア
ルミニウム基複合材料であり、コーティグ層を設けた複
合材用炭素繊維のアスペクト比は8〜40であることが
好ましい。またマトリックスのアルミニウム合金は、S
iを12〜25重量%含むアルミニウム合金であること
が好ましい。さらに、コーティング層を設けた複合材用
炭素繊維は、複合材料の熱膨張を抑制しようとする方向
に配向していることが好ましい。
けた複合材用炭素繊維をアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金のマトリックスに分散させたことを特徴とするア
ルミニウム基複合材料であり、コーティグ層を設けた複
合材用炭素繊維のアスペクト比は8〜40であることが
好ましい。またマトリックスのアルミニウム合金は、S
iを12〜25重量%含むアルミニウム合金であること
が好ましい。さらに、コーティング層を設けた複合材用
炭素繊維は、複合材料の熱膨張を抑制しようとする方向
に配向していることが好ましい。
【0006】
【作用】本発明の複合材用炭素繊維は、炭素繊維との界
面では炭化珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪
素と酸化珪素が混合しているコーティング層を設けるこ
とにより、特に炭素繊維との界面では炭化珪素であり、
炭素繊維との界面から離れ表面側になるにつれて酸化珪
素に傾斜的に変化しているコーティング層を設けること
により、炭素繊維のコーティング層の表面が複合材料の
マトリックスであるアルミニウム、アルミニウム合金と
濡れ性がよく、マトリックスの界面で密着性を上げるこ
とができる。本発明のコーティング層を設けた複合材用
炭素繊維をアルミニウムまたはアルミニウム合金のマト
リックスに分散させたアルミニウム基複合材料は熱膨張
特性等の劣化を抑えることができるものである。
面では炭化珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪
素と酸化珪素が混合しているコーティング層を設けるこ
とにより、特に炭素繊維との界面では炭化珪素であり、
炭素繊維との界面から離れ表面側になるにつれて酸化珪
素に傾斜的に変化しているコーティング層を設けること
により、炭素繊維のコーティング層の表面が複合材料の
マトリックスであるアルミニウム、アルミニウム合金と
濡れ性がよく、マトリックスの界面で密着性を上げるこ
とができる。本発明のコーティング層を設けた複合材用
炭素繊維をアルミニウムまたはアルミニウム合金のマト
リックスに分散させたアルミニウム基複合材料は熱膨張
特性等の劣化を抑えることができるものである。
【0007】すなわち、従来の複合材料は、炭素繊維と
アルミニウム、アルミニウム合金の濡れ性が悪く良好な
界面を得ることができなかったが、炭素繊維との界面で
は炭化珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪素と
酸化珪素が混合しているコーティング層を設けること
で、特に界面に組成が傾斜的に変化したセラミックスコ
ーティング層を設けることで炭素繊維とマトリックスの
界面を原因とする熱膨張劣化などを抑えることができ
る。つまり、炭素繊維との界面が炭化珪素、マトリック
ス側が酸化珪素のコーティング層を設けることにより界
面での密着性を上げることができ、かつコーティング層
の組成が傾斜的に変化していることにより界面での熱膨
張差によるストレスを軽減することができるものであ
る。
アルミニウム、アルミニウム合金の濡れ性が悪く良好な
界面を得ることができなかったが、炭素繊維との界面で
は炭化珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪素と
酸化珪素が混合しているコーティング層を設けること
で、特に界面に組成が傾斜的に変化したセラミックスコ
ーティング層を設けることで炭素繊維とマトリックスの
界面を原因とする熱膨張劣化などを抑えることができ
る。つまり、炭素繊維との界面が炭化珪素、マトリック
ス側が酸化珪素のコーティング層を設けることにより界
面での密着性を上げることができ、かつコーティング層
の組成が傾斜的に変化していることにより界面での熱膨
張差によるストレスを軽減することができるものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のコーティング層を設けた
炭素繊維は、表面にセラミックス前駆体ポリマーを付着
させ、これを焼成することでコーティング層は、炭素繊
維側で炭化珪素であり、炭素繊維から離れ表面側(マト
リックス側)になるにしたがって傾斜的に組成が変化
し、表面では酸化珪素になっているものである。炭素繊
維の表面へのセラミックス前駆体ポリマーの付着は、前
記ポリマーを溶解したコーティング溶液に炭素繊維を浸
漬して付着させる。例えば、コーティング溶液は、溶媒
としてヘキサンを用いた3%のポリカルボシラン溶液で
ある。また、焼成は、窒素+酸素の雰囲気中で1150
〜1250℃、特に1200℃で行うことが好ましい。
コーティング層の形成は、炭素繊維の成形体に、セラミ
ックス前駆体ポリマーを付着させ焼成する、または炭素
繊維にセラミックス前駆体ポリマーを付着させ焼成して
コーティング層の形成し、その後炭素繊維の成形体にす
るものである。コーティング層の厚さは、1μm〜5μ
mであることが好ましい。
炭素繊維は、表面にセラミックス前駆体ポリマーを付着
させ、これを焼成することでコーティング層は、炭素繊
維側で炭化珪素であり、炭素繊維から離れ表面側(マト
リックス側)になるにしたがって傾斜的に組成が変化
し、表面では酸化珪素になっているものである。炭素繊
維の表面へのセラミックス前駆体ポリマーの付着は、前
記ポリマーを溶解したコーティング溶液に炭素繊維を浸
漬して付着させる。例えば、コーティング溶液は、溶媒
としてヘキサンを用いた3%のポリカルボシラン溶液で
ある。また、焼成は、窒素+酸素の雰囲気中で1150
〜1250℃、特に1200℃で行うことが好ましい。
コーティング層の形成は、炭素繊維の成形体に、セラミ
ックス前駆体ポリマーを付着させ焼成する、または炭素
繊維にセラミックス前駆体ポリマーを付着させ焼成して
コーティング層の形成し、その後炭素繊維の成形体にす
るものである。コーティング層の厚さは、1μm〜5μ
mであることが好ましい。
【0009】炭素繊維のコーティング層は、複合材料に
分散させる炭素繊維との密着性及び複合材料のマトリッ
クスのアルミニウム、アルミニウム合金との密着性が得
られるようにするものであり、炭素繊維の界面では炭化
珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪素と酸化珪
素が混合しているコーティング層を形成することによ
り、特に炭化珪素から酸化珪素へと、傾斜的に組成が変
化することで、熱膨張差によるストレスの緩和ができる
ものである。炭素繊維は、炭化珪素と密着性が良好で熱
膨張差が小さい。またマトリックス側の酸化珪素はマト
リックスのアルミニウム、アルミニウム合金との濡れ性
が良好であり、また炭化珪素との熱膨張差が小さい。従
って、コーティング層は、焼成により炭素繊維側は炭化
珪素になっおり、マトリックス側は酸化珪素になってい
ることが重要である。
分散させる炭素繊維との密着性及び複合材料のマトリッ
クスのアルミニウム、アルミニウム合金との密着性が得
られるようにするものであり、炭素繊維の界面では炭化
珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪素と酸化珪
素が混合しているコーティング層を形成することによ
り、特に炭化珪素から酸化珪素へと、傾斜的に組成が変
化することで、熱膨張差によるストレスの緩和ができる
ものである。炭素繊維は、炭化珪素と密着性が良好で熱
膨張差が小さい。またマトリックス側の酸化珪素はマト
リックスのアルミニウム、アルミニウム合金との濡れ性
が良好であり、また炭化珪素との熱膨張差が小さい。従
って、コーティング層は、焼成により炭素繊維側は炭化
珪素になっおり、マトリックス側は酸化珪素になってい
ることが重要である。
【0010】本発明のアルミニウム基複合材料は、上述
したようにコーティング層を設けた複合材用炭素繊維を
アルミニウム、アルミニウム合金に分散させたもので、
高熱伝導性金属マトリックスとしてのアルミニウム、ア
ルミニウム合金に、低熱膨張の炭素繊維を分散させたも
ので構成されている。本発明のコーティング層を設けた
炭素繊維を分散させたアルミニウム基複合材料は、例え
ば半導体デバイスを搭載する基板として用いるものであ
る。マトリックスに分散させる炭素繊維のアスペクト比
は、8〜40のものが好ましい。それはこの範囲ではア
ルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックスとコ
ーティング層を設た炭素繊維の間でアンカー効果が生じ
て熱ストレスによる界面剥離などが生じず、より信頼性
の高い複合材料を得ることができる。アスペクト比が8
よりも小さい場合は、炭素繊維が細かすぎ所定の体積充
填率を得ることができない。40より大きいと炭素繊維
成形体作製時に繊維の折損が著しい上に所定の体積充填
率を得ることができない。さらに適当なアスペクト比は
10〜30である。
したようにコーティング層を設けた複合材用炭素繊維を
アルミニウム、アルミニウム合金に分散させたもので、
高熱伝導性金属マトリックスとしてのアルミニウム、ア
ルミニウム合金に、低熱膨張の炭素繊維を分散させたも
ので構成されている。本発明のコーティング層を設けた
炭素繊維を分散させたアルミニウム基複合材料は、例え
ば半導体デバイスを搭載する基板として用いるものであ
る。マトリックスに分散させる炭素繊維のアスペクト比
は、8〜40のものが好ましい。それはこの範囲ではア
ルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックスとコ
ーティング層を設た炭素繊維の間でアンカー効果が生じ
て熱ストレスによる界面剥離などが生じず、より信頼性
の高い複合材料を得ることができる。アスペクト比が8
よりも小さい場合は、炭素繊維が細かすぎ所定の体積充
填率を得ることができない。40より大きいと炭素繊維
成形体作製時に繊維の折損が著しい上に所定の体積充填
率を得ることができない。さらに適当なアスペクト比は
10〜30である。
【0011】本発明のアルミニウム基複合材料は、マト
リックスとして高熱伝導性であるアルミニウムまたはア
ルミニウム合金を用いるものであるが、特に、Siを1
2〜25重量%含むアルミニウム合金が炭素繊維との熱
膨張係数の差、加工性、含浸性の点で適当である。これ
は、Si量が12重量%より少なければ、マトリックス
の熱膨張係数と炭素繊維の熱膨張係数の差が大きくなり
界面でのストレスが大きくなり十分なアンカー効果を得
ることができない。25重量%以上では初晶Siが増大
し加工性が悪くなり、また複合時においてもマトリック
スの融点を上げ含浸性が劣化し複合体の割れ、潰れなど
の複合欠陥が生じることがある。
リックスとして高熱伝導性であるアルミニウムまたはア
ルミニウム合金を用いるものであるが、特に、Siを1
2〜25重量%含むアルミニウム合金が炭素繊維との熱
膨張係数の差、加工性、含浸性の点で適当である。これ
は、Si量が12重量%より少なければ、マトリックス
の熱膨張係数と炭素繊維の熱膨張係数の差が大きくなり
界面でのストレスが大きくなり十分なアンカー効果を得
ることができない。25重量%以上では初晶Siが増大
し加工性が悪くなり、また複合時においてもマトリック
スの融点を上げ含浸性が劣化し複合体の割れ、潰れなど
の複合欠陥が生じることがある。
【0012】マトリックスに分散しているコーティング
層を設た炭素繊維は、複合材料の熱膨張を抑制しようと
する方向に配向していることが好ましい。アスペクト比
を8〜40とし、かつ炭素繊維が複合材料の熱膨張を抑
制しようとする方向に配向することにより、アンカー効
果をより有効に発現することができる。
層を設た炭素繊維は、複合材料の熱膨張を抑制しようと
する方向に配向していることが好ましい。アスペクト比
を8〜40とし、かつ炭素繊維が複合材料の熱膨張を抑
制しようとする方向に配向することにより、アンカー効
果をより有効に発現することができる。
【0013】
【実施例1】本発明の第1の実施例を表1に示し説明す
る。複合材に分散する炭素繊維は繊維径10μmのもの
を用い、この炭素繊維のアスペクト比は成形後に10と
なるように炭素繊維成形体を作製した。この作製は炭素
繊維を無機バインダーを主成分とする水溶液に撹拌し
て、次いでこのスラリーを金型に入れて金型底部より真
空脱水を行い、寸法100mm×100mm×20mm
の炭素繊維成形体を得た。炭素繊維はその長手方向が面
方向に配向している。即ち、炭素繊維が吸引脱水される
ために脱水の抵抗から炭素繊維長手が面方向に配向した
ものが得られた。また、種々の体積充填率の炭素繊維成
形体を作製した。
る。複合材に分散する炭素繊維は繊維径10μmのもの
を用い、この炭素繊維のアスペクト比は成形後に10と
なるように炭素繊維成形体を作製した。この作製は炭素
繊維を無機バインダーを主成分とする水溶液に撹拌し
て、次いでこのスラリーを金型に入れて金型底部より真
空脱水を行い、寸法100mm×100mm×20mm
の炭素繊維成形体を得た。炭素繊維はその長手方向が面
方向に配向している。即ち、炭素繊維が吸引脱水される
ために脱水の抵抗から炭素繊維長手が面方向に配向した
ものが得られた。また、種々の体積充填率の炭素繊維成
形体を作製した。
【0014】次に、この炭素繊維成形体に、本発明の実
施例のものはコーティング層を形成する処理を行い、比
較例は処理を行わないものである。本発明の実施例のコ
ーティング層を形成する処理は、炭素繊維成形体を乾燥
し、コーティング溶液に浸漬して付着させる。コーティ
ング溶液は3%のポリカルボシラン溶液(溶媒はヘキサ
ン)である。炭素繊維成形体にコーティング溶液を付着
させるには、このコーティング溶液である3%のポリカ
ルボシラン溶液に浸漬後減圧度30cmHgで30mi
n真空脱泡する。これを3回繰り返した。減圧浸漬後、
炭素繊維成形体を大気中で24hr乾燥させ、さらに6
0℃で減圧乾燥させる。乾燥後、窒素+酸素(2%)ガ
ス中で1200℃で2hr焼成した。焼成後の炭素繊維
表面には、繊維側で炭化珪素、表層で酸化珪素がオージ
ェ分析で確認された。
施例のものはコーティング層を形成する処理を行い、比
較例は処理を行わないものである。本発明の実施例のコ
ーティング層を形成する処理は、炭素繊維成形体を乾燥
し、コーティング溶液に浸漬して付着させる。コーティ
ング溶液は3%のポリカルボシラン溶液(溶媒はヘキサ
ン)である。炭素繊維成形体にコーティング溶液を付着
させるには、このコーティング溶液である3%のポリカ
ルボシラン溶液に浸漬後減圧度30cmHgで30mi
n真空脱泡する。これを3回繰り返した。減圧浸漬後、
炭素繊維成形体を大気中で24hr乾燥させ、さらに6
0℃で減圧乾燥させる。乾燥後、窒素+酸素(2%)ガ
ス中で1200℃で2hr焼成した。焼成後の炭素繊維
表面には、繊維側で炭化珪素、表層で酸化珪素がオージ
ェ分析で確認された。
【0015】本発明実施例のコーティング層処理を行っ
た炭素繊維成形体、及び比較例の処理を行わない炭素繊
維成形体のいずれも、予熱炉にて700℃に加熱し、炉
内雰囲気はアルゴン雰囲気で予熱を行った。次に、炭素
繊維成形体と同形状のキャビティを有する250℃に予
熱した鋳造金型に、予熱炉から取り出した繊維成形体を
設置した。そして、溶湯鍛造法による加圧鋳造装置で型
締め後、750℃のAl−Si20%合金溶湯を射出速
度10cm/secで鋳込み、鋳込み後1000atm
の圧力で1min加圧保持後、凝固させた。これによ
り、面方向において金属マトリックス中に炭素繊維が配
向、分散したアルミニウム基複合材料を作製した。これ
ら複合材料に熱ストレスを与える熱衝撃試験を行った。
試験条件は200℃の加熱雰囲気と−30℃の冷却雰囲
気を用意して、交互に投げ込み、1000回数で熱特性
の評価を行った。
た炭素繊維成形体、及び比較例の処理を行わない炭素繊
維成形体のいずれも、予熱炉にて700℃に加熱し、炉
内雰囲気はアルゴン雰囲気で予熱を行った。次に、炭素
繊維成形体と同形状のキャビティを有する250℃に予
熱した鋳造金型に、予熱炉から取り出した繊維成形体を
設置した。そして、溶湯鍛造法による加圧鋳造装置で型
締め後、750℃のAl−Si20%合金溶湯を射出速
度10cm/secで鋳込み、鋳込み後1000atm
の圧力で1min加圧保持後、凝固させた。これによ
り、面方向において金属マトリックス中に炭素繊維が配
向、分散したアルミニウム基複合材料を作製した。これ
ら複合材料に熱ストレスを与える熱衝撃試験を行った。
試験条件は200℃の加熱雰囲気と−30℃の冷却雰囲
気を用意して、交互に投げ込み、1000回数で熱特性
の評価を行った。
【0016】表1から明らかなように、本発明の実施例
のコーティング層を設けた炭素繊維を分散させたもの
は、体積充填率が15%〜40%のいずれも熱膨張係数
(/℃)、熱伝導率(W/mK)で、比較例のものよ
り、試験前の特性が向上しており、また熱履歴を加えて
も(熱衝撃試験後)安定した熱特性が得られている。
のコーティング層を設けた炭素繊維を分散させたもの
は、体積充填率が15%〜40%のいずれも熱膨張係数
(/℃)、熱伝導率(W/mK)で、比較例のものよ
り、試験前の特性が向上しており、また熱履歴を加えて
も(熱衝撃試験後)安定した熱特性が得られている。
【表1】
【0017】
【実施例2】本発明の第2の実施例を表2に示し説明す
る。第2の実施例は、炭素繊維のアスペクト比を変えて
炭素繊維成形体を作製したものである。分散材として炭
素繊維(繊維径10μm)を用い、種々のアスペクト比
の炭素繊維で炭素繊維成形体を作製した。作製は無機バ
インダーを主成分とする水溶液に撹拌して、次いでこの
スラリーを金型に入れて金型底部より真空脱水を行い、
体積充填率35%として、寸法100mm×100mm
×20mmの炭素繊維成形体を得た。炭素繊維は吸引脱
水のために脱水の抵抗から繊維長手が面方向に配向して
いる。次いで上記実施例1と同様の条件で炭素繊維成形
体に、コーティング層を形成する処理、及び上記実施例
1と同様の条件でアルミニウム基複合材料を作製した。
る。第2の実施例は、炭素繊維のアスペクト比を変えて
炭素繊維成形体を作製したものである。分散材として炭
素繊維(繊維径10μm)を用い、種々のアスペクト比
の炭素繊維で炭素繊維成形体を作製した。作製は無機バ
インダーを主成分とする水溶液に撹拌して、次いでこの
スラリーを金型に入れて金型底部より真空脱水を行い、
体積充填率35%として、寸法100mm×100mm
×20mmの炭素繊維成形体を得た。炭素繊維は吸引脱
水のために脱水の抵抗から繊維長手が面方向に配向して
いる。次いで上記実施例1と同様の条件で炭素繊維成形
体に、コーティング層を形成する処理、及び上記実施例
1と同様の条件でアルミニウム基複合材料を作製した。
【0018】これら複合材料に熱ストレスを与える熱衝
撃試験を行った。試験条件は200℃の加熱雰囲気と−
30℃の冷却雰囲気を用意して、交互に投げ込み、10
00回数で熱特性の評価を行った。表2から明らかなよ
うに、本発明の実施例のコーティング層を設けた炭素繊
維を分散させたものは、いずれのアスペクト比のもの
も、熱膨張係数(/℃)、熱伝導率(W/mK)で、試
験前の特性が向上し、また熱履歴を加えても(熱衝撃試
験後)安定した熱特性が得られている。
撃試験を行った。試験条件は200℃の加熱雰囲気と−
30℃の冷却雰囲気を用意して、交互に投げ込み、10
00回数で熱特性の評価を行った。表2から明らかなよ
うに、本発明の実施例のコーティング層を設けた炭素繊
維を分散させたものは、いずれのアスペクト比のもの
も、熱膨張係数(/℃)、熱伝導率(W/mK)で、試
験前の特性が向上し、また熱履歴を加えても(熱衝撃試
験後)安定した熱特性が得られている。
【表2】
【0019】
【実施例3】本発明の第3の実施例を表3に示し説明す
る。第3の実施例は、マトリックスのAl−Si合金の
Si量を変えて含浸複合化を行ったものである。分散材
として炭素繊維(繊維径10μm)を用い、炭素繊維の
アスペクト比が35のものを使用し、上記実施例1と同
様の条件で炭素繊維成形体を作製し、次いで上記実施例
1と同様の条件で炭素繊維成形体に、コーティング層を
形成する処理を行った。次に繊維成形体と同形状のキャ
ビティを有する250℃に予熱した鋳造金型に、予熱炉
から取り出した繊維成形体を設置し、溶湯鍛造法による
加圧鋳造装置で型締め後、750℃のAl−Si合金溶
湯を射出速度10cm/secで鋳込み、鋳込み後10
00atmの圧力で1min加圧保持後、凝固させた。
体積充填率は25%である。
る。第3の実施例は、マトリックスのAl−Si合金の
Si量を変えて含浸複合化を行ったものである。分散材
として炭素繊維(繊維径10μm)を用い、炭素繊維の
アスペクト比が35のものを使用し、上記実施例1と同
様の条件で炭素繊維成形体を作製し、次いで上記実施例
1と同様の条件で炭素繊維成形体に、コーティング層を
形成する処理を行った。次に繊維成形体と同形状のキャ
ビティを有する250℃に予熱した鋳造金型に、予熱炉
から取り出した繊維成形体を設置し、溶湯鍛造法による
加圧鋳造装置で型締め後、750℃のAl−Si合金溶
湯を射出速度10cm/secで鋳込み、鋳込み後10
00atmの圧力で1min加圧保持後、凝固させた。
体積充填率は25%である。
【0020】このアルミニウム基複合材料に熱ストレス
を与える熱衝撃試験を行った。試験条件は200℃の加
熱雰囲気と−30℃の冷却雰囲気を用意して、交互に投
げ込み、1000回数で熱特性の評価を行った。表3か
ら明らかなように、本発明の実施例のコーティング層を
設けた炭素繊維を分散させたアルミニウム基複合材料
は、熱膨張係数(/℃)、熱伝導率(W/mK)とも
に、試験前の特性が向上し、また熱履歴を加えても(熱
衝撃試験後)安定した熱特性が得られている。
を与える熱衝撃試験を行った。試験条件は200℃の加
熱雰囲気と−30℃の冷却雰囲気を用意して、交互に投
げ込み、1000回数で熱特性の評価を行った。表3か
ら明らかなように、本発明の実施例のコーティング層を
設けた炭素繊維を分散させたアルミニウム基複合材料
は、熱膨張係数(/℃)、熱伝導率(W/mK)とも
に、試験前の特性が向上し、また熱履歴を加えても(熱
衝撃試験後)安定した熱特性が得られている。
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明の複合材用炭素繊維によれば、マ
トリックスのアルミニウム、アルミニウム合金と濡れ性
がよく、マトリックスの界面で良好な密着性が得られる
という効果を有し、また本発明のアルミニウム基複合材
料によれば、熱ストレスを与えても炭素繊維とマトリッ
クスの界面での劣化が生じることなく熱膨張特性、熱伝
導特性を維持した信頼性の高い複合材料を提供すること
ができるという効果を奏するものである。
トリックスのアルミニウム、アルミニウム合金と濡れ性
がよく、マトリックスの界面で良好な密着性が得られる
という効果を有し、また本発明のアルミニウム基複合材
料によれば、熱ストレスを与えても炭素繊維とマトリッ
クスの界面での劣化が生じることなく熱膨張特性、熱伝
導特性を維持した信頼性の高い複合材料を提供すること
ができるという効果を奏するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 コーティング層を設けた炭素繊維におい
て、コーティング層は炭素繊維との界面では炭化珪素で
あり、表面側では酸化珪素であり、中間では炭化珪素と
酸化珪素が混合していることを特徴とするコーティング
層を設けた複合材用炭素繊維。 - 【請求項2】 炭素繊維にセラミックス前駆体ポリマー
を付着し、焼成することにより、炭素繊維との界面では
炭化珪素、表面側では酸化珪素、中間では炭化珪素と酸
化珪素が混合しているコーティング層を形成することを
特徴とする請求項1に記載のコーティング層を設けた複
合材用炭素繊維の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のコーティング層を設け
た複合材用炭素繊維をアルミニウムまたはアルミニウム
合金のマトリックスに分散させたことを特徴とするアル
ミニウム基複合材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8250698A JPH11256253A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 複合材用炭素繊維及び複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8250698A JPH11256253A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 複合材用炭素繊維及び複合材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11256253A true JPH11256253A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13776403
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8250698A Pending JPH11256253A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 複合材用炭素繊維及び複合材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11256253A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002059257A (ja) * | 2000-08-11 | 2002-02-26 | Yazaki Corp | 複合材料 |
| KR101221060B1 (ko) * | 2010-12-30 | 2013-01-10 | 어드밴스드 머티리얼 테크놀로지스 코., 엘티디 | 탄소성형체 또는 탄소소성체와 알루미늄의 계면에 탄화규소가 형성된 탄소기반 알루미늄 복합재료 및 그 제조방법 |
| CN103266470A (zh) * | 2013-05-17 | 2013-08-28 | 东南大学 | 一种碳纤维抗氧化涂层及其制备方法 |
| KR101431592B1 (ko) * | 2012-12-07 | 2014-08-20 | 한국기계연구원 | 기계적 특성이 우수한 금속-탄소 복합재 제조 방법 |
| CN110318011A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-10-11 | 梅花(晋江)伞业有限公司 | 一种伞及其碳纤维复合材料伞骨的制备方法 |
| CN115704184A (zh) * | 2021-08-12 | 2023-02-17 | 湖南碳导新材料科技有限公司 | 一种热界面材料用绝缘导热碳纤维的制备方法 |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP8250698A patent/JPH11256253A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002059257A (ja) * | 2000-08-11 | 2002-02-26 | Yazaki Corp | 複合材料 |
| KR101221060B1 (ko) * | 2010-12-30 | 2013-01-10 | 어드밴스드 머티리얼 테크놀로지스 코., 엘티디 | 탄소성형체 또는 탄소소성체와 알루미늄의 계면에 탄화규소가 형성된 탄소기반 알루미늄 복합재료 및 그 제조방법 |
| KR101431592B1 (ko) * | 2012-12-07 | 2014-08-20 | 한국기계연구원 | 기계적 특성이 우수한 금속-탄소 복합재 제조 방법 |
| CN103266470A (zh) * | 2013-05-17 | 2013-08-28 | 东南大学 | 一种碳纤维抗氧化涂层及其制备方法 |
| CN103266470B (zh) * | 2013-05-17 | 2015-03-18 | 东南大学 | 一种碳纤维抗氧化涂层及其制备方法 |
| CN110318011A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-10-11 | 梅花(晋江)伞业有限公司 | 一种伞及其碳纤维复合材料伞骨的制备方法 |
| CN115704184A (zh) * | 2021-08-12 | 2023-02-17 | 湖南碳导新材料科技有限公司 | 一种热界面材料用绝缘导热碳纤维的制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040525 |