JPH11260619A - 外装用複合組成物および外装用成型物 - Google Patents

外装用複合組成物および外装用成型物

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JPH11260619A
JPH11260619A JP5641198A JP5641198A JPH11260619A JP H11260619 A JPH11260619 A JP H11260619A JP 5641198 A JP5641198 A JP 5641198A JP 5641198 A JP5641198 A JP 5641198A JP H11260619 A JPH11260619 A JP H11260619A
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JP
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epoxy resin
iron powder
resin component
range
composite composition
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JP5641198A
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English (en)
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Fumio Uchikoba
文雄 内木場
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GHz波帯におけるノイズ抑制機能を有し、
耐熱性、被覆性に優れた外装用複合組成物及び外装用成
型品を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂成分と、鉄粉とを含む。鉄
粉は平均粒径が1〜5μmの範囲にあり、粒子表面に絶
縁皮膜が付着されている。鉄粉は少なくとも一種のエポ
キシ樹脂成分と混合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外装用複合組成物
および外装用成型物に関し、特に、GHz領域のノイズ
成分を抑制する技術に係る。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器においては、電子素子の
搭載密度が過密の一途をたどり、電子素子間の相互干
渉、また、ノイズの幅射の問題が顕在化してきた。ノイ
ズ抑制の先行技術を振り返ってみると、多くの場合、ノ
イズは使用する基本波の高調波であり、この高調波を抑
制することに注力されてきた。
【0003】たとえば、フェライト磁性材料を用いたビ
ーズは、フェライトの高周波における吸収作用を利用し
たもので、信号周波数(基本波)領城ではほとんど減衰
がなく、高調波領域でのみ吸収を起こすことによってノ
イズを抑制させる。また、回路のある領域を金属板で遮
蔽して、回路相互間の干渉を防ぐことも広く行われてい
る。これは、高調波などのノイズ成分が他の回路ブロッ
クに悪影響を与えないようにするために行う。
【0004】あるいは、LC共振回路によってローパス
フィルターを形成して、次段にノイズ成分を伝搬させな
いことも行われている。しかし、共振回路によって次段
に伝搬されないノイズ成分は、前段に反射されることに
なる。このため、ノイズは抑制されるわけではなく、場
合によっては、回路に発振などの思わぬ悪影響を与える
ことがある。
【0005】以上のようなノイズ抑制の方法が一般的で
あるが、この中では、フェライトビーズのように、不要
なノイズ成分を吸収によって熱に変えるものが望まし
い。従来の回路において、ノイズ対策部品としてフェラ
イトビーズが広く用いられているのはこの理由による。
【0006】ところで、各種の電子機器において、使用
周波数帯域の高周波化が急速な進展を見せている。例え
ば、コンピューターのCPUに顕著に見られるように、
ICのクロック周波数がここ数年で急に高くなり、現在
では400MHzのものまで登場している。このような
高いクロック周波数においては、その高調波ノイズはG
Hz領域に対応する。あるいはまた携帯電話等に見られ
るように、GHz領域においても、信号としての使用が
ごく一般的になってきている。このため、GHzでのノ
イズ除去の重要性が一段と増してきてしいる。
【0007】ところが、フェライトを用いたノイズ吸収
手段の場合、フェライトには吸収周波数の上限があっ
て、2GHz以上ではノイズ抑制効果が十分に発揮され
ない。この領域においては、金属で遮蔽するか、また、
ローパスフィルターを使うのが一般的になっている。
【0008】鉄粉と樹脂を混合した複合素材は、ダスト
コアと呼ばれて、従来より、低周波において、コイルの
芯材として使われてきた。また、この素材はGHz帯域
で損失が高くなることに注目され、TV等のゴースト対
策として、高層ビル等に用いる電波吸収材としても使用
されてきた。
【0009】本発明者らも、この素材を用い、GHz領
城でノイズを効率よく抑制するフィルタ、コネクター、
基板、ビーズインダクターなどを提案してきた。しか
し、外装用部材までは開示していない。
【0010】電子回路部品において、外装部品として、
モールド部材(成型物)は広く用いられている。多くの
場合、外的な環境からの保護がその目的となっている。
そのため、モールド部材の要求項目として、被覆性が重
要な要素となる。また、電子部品を電気的に絶縁するた
めに、高い電気抵抗率、さらに、ハンダ付け等の熱処理
に対して安定なことが必須となっている。
【0011】実際の工程においては、ある程度の粘性を
持った樹脂を、何らかの方法で被覆対象部品に塗布し、
これを、化学的、熱的処理を経て硬化させる。または、
電子素子をモールドするパッケージをインジェクション
等で形成して、これにシリコンチップ等を搭載する。こ
れらの一連の工程処理に対しでも安定であることが重要
である。
【0012】一般的なモールド部材においては、種々の
材質の検討がなされてきて、エボキシ系、フェノール
系、ウレタン系等の樹脂が検討され実用に供されてい
る。しかしながら、モールド部材を用いてノイズ除去を
行うことは広く行われていない。特に、GHz領域での
ノイズ抑制はこれから重要性を増しつつあり、モールド
部材でGHzノイズを抑制できれぱ望ましいことであ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、GH
z領域でノイズ吸収作用のある外装用複合組成物及び外
装用成型物を提供することである。
【0014】本発明のもう一つの課題は、GHz領域
で、高効率のノイズ吸収作用を奏する外装用複合組成物
及び外装用成型物を提供することである。
【0015】本発明の更にもう一つの課題は、耐熱性が
あり、成形性がよく、被覆性のよい外装用複合組成物及
び外装用成型物を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る外装用複合組成物は、エポキシ樹脂成
分と、鉄粉とを含む。前記鉄粉は、平均粒径が1〜5μ
mの範囲にあり、粒子表面に絶縁皮膜が付着されてお
り、前記エポキシ樹脂成分と混合されている。
【0017】本発明に係る外装用複合組成物は、鉄粉
と、粒子化されたエポキシ樹脂成分とを混合した態様で
あってもよいし、塗料化されていてもよい。鉄粉と、粒
子化されたエポキシ樹脂成分とを混合した態様の複合組
成物の場合、例えばインジェクションモールド材料とし
て用いることができる。塗料化されている場合は、塗
布、印刷または吹き付け等の手段によって、高周波ノイ
ズ抑制の必要な箇所に付着させることができる。
【0018】本発明に係る外装用複合組成物は、何れの
用途においても、GHz領域で高い吸収損失を生じ、高
効率のノイズ吸収作用を発揮する。このような損失の機
構は、主に、鉄粉による。鉄の地金は、もともと、広い
周波数範囲で、高い透磁率及び磁気損失を示す。しかし
ながら、高い導電性を有するために、表皮効果によって
高周波電磁波が鉄の内部には浸透しない。このため、鉄
の地金そのものでは高周波において高い損失を得ること
ができない。
【0019】本発明においては、鉄粉を用い、その粒径
を、GHz領域の電磁波が、鉄粒子の内部に十分に浸透
しうる1〜5μmの範囲に定めてある。このような粒径
であれば、表皮効果によるGHz領域での損失を、十分
に得ることができる。1μmより小さい粒径の場合、1
GHz領域の損失が十分でなく、5μmより大きい場合
には、被覆性に難点があり、かつ、5GHz以上の領域
で、十分な損失を得ることができない。
【0020】上述したように、本発明においては、平均
粒径が1〜5μmの範囲の鉄粉を利用して、表皮効果に
よるノイズ吸収作用を生じさせるものであるから、鉄粒
子は互いに電気的に絶縁されていることが必要である。
また、使用状態を考慮すると、塗布物または成型物とし
て、耐熱性、被覆性に優れていることも必要である。本
発明に係る複合組成物は、このような要求に応えるた
め、エポキシ樹脂成分を含む。エポキシ樹脂成分によ
り、鉄粒子を電気的に絶縁し、鉄粒子の個々の表皮効果
を最大限利用する。
【0021】本発明に係る複合組成物は、電子素子のた
めの塗料またはモールド材料として用いられるものであ
り、塗布物または成型物として、電子機器等に組み込ま
れた場合、周辺電子機器よりの発熱と、加工時の半田槽
ディップ等による加熱が問題になるので、耐熱性を考慮
する必要がある。また成形性、流動性、被覆性等の特性
にも優れていることが望ましい。このような要求を満た
す手段として、前記エポキシ樹脂成分は、特殊骨格を持
つエポキシ樹脂と、多官能性エポキシ樹脂と、ビスフェ
ノールA型高分子エポキシ樹脂とを含む。
【0022】エポキシ樹脂成分の調製にあたっては、特
殊骨格を持つエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂成分の総量
を100wt%として、10〜30wt%程度含有させ
る。この特殊骨格を持つエポキシ樹脂は、完成樹脂の軟
化温度(Tg)を上昇させる作用がある。例えばビフェ
ニル型、ビスフェノールS型、ナフタレン型、シクロペ
ンタジエン型、アラルキル型、ハイドロキノン型、ノボ
ラック型、テトラフェニロールエタン型(4官能型)、
トリスヒドロキシフェニルメタン型(3官能型)、ジシ
クロペンタジエンフェノール型等を用いる。エポキシ基
を2個もしくはそれ以上持つ化合物である限り、分子構
造や分子量によって制限されることはない。
【0023】多官能性エポキシ樹脂として、エピビス型
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート10
01:エポキシ当量470およぴエピコート1007:
エポキシ当量1950)、ビスフェノールA型高分子エ
ポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製:エピコート12
25:エポキシ当量2000)および特殊骨格を持つエ
ポキシ樹脂として、テトラフェニロールエタン型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製}エピコート1031
S:エポキシ等量196)を主成分とし、硬化剤とし
て、ビスフェノールA型ノボラック樹脂(油化シェルエ
ポキシ社製YLH129B65:水酸基当量118g/
eq、効果促進剤としてイミダゾール化合物(四国化成
工秦(株)製2E4MZ)を使用し得る。これらの溶解
に当たっては、トルエンおよぴメチルエチルケトンの混
合溶剤を用いることができる。
【0024】エピピス型エポキシ樹脂を用いた場合、そ
の特性を劣化させることなく、高いTgを得るために
は、上記した特殊骨格を持つエポキシ樹脂では、テトラ
フェニロールエタン型エポキン樹脂が適している。
【0025】鉄粒子を確実に分離する手段として、鉄粒
子の表面に絶縁皮膜を付着させる。絶縁皮膜としては、
燐酸皮膜が特に適している。鉄粒子とエポキシ樹脂成分
とを混合した場合、鉄粒子がお互いに凝集し合う可能性
がある。このような場合、鉄粒子の微粒子効果が得られ
ず、高周波ノイズ抑制作用が低下する。また、本発明に
係る複合組成物を用いて、電子部品成型物を得た場合、
電子部品成型物として必要な絶縁抵抗も得られないこと
になる。
【0026】鉄粒子の表面に燐酸を付着させた場合、燐
酸により、鉄粒子の凝集を確実に防ぎ、鉄粒子間の電気
的導通を防ぎ、高周波ノイズを効率良く減衰させること
ができる。
【0027】燐酸処理に当たっては、燐酸濃度が1〜5
wt%の燐酸溶液に鉄粉を浸す。これにより、鉄粒子と
燐酸が反応し、表面に耐食性に優れた皮膜が形成され
る。燐酸濃度は1〜5wt%の範囲に設定する。これよ
りも、少ない場合には、絶縁抵抗の劣化が起こり、ま
た、これ以上高い濃度では、鉄粉の溶失が見られた。ま
た、同様に複合材料にした際の流動性に乏しくなり安定
して被覆ができなくなる。
【0028】全体における鉄粉の含有量は、損失の大き
さに係わる大きな要素となる。もちろん、含有量が多い
ほど、損失が大きくなり、好ましいわけであるが、ピン
ホールの発生等が起こり、気密封止性に問題を呈する。
絶縁抵抗の劣化の傾向も見られる。また、鉄粉の含有量
は他の要素にも影響を与える。総合的に各要素を検討し
て、鉄粉の含有量は、鉄粉とエポキシ樹脂成分との総和
を100wt%としたとき、20〜30wt%が適当で
ある。
【0029】以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明の
内容を更に詳しく説明する。
【0030】
【発明の実施の形態】<実施例1>まず、1〜5μmの
鉄粒子を得るために、カーボーニル鉄粉を用いた。この
鉄粉は、有機金属間化合物であるカーボニル化鉄を熱分
解したもので、形状はほぼ球形である。
【0031】次に、鉄粒子の表面に絶縁処理を施すため
に、燐酸をエタノールで希釈した溶液を3リットル用意
し、この溶液に、上述のカーポニル鉄粉500gを、攪
拌しながら投入し、1時間静置した。燐酸濃度は5wt
%とした。その後、カーボニル鉄粉だけをむし取り、自
然乾燥した。得られた鉄粉を粒径3μmとなるように分
級した。
【0032】次に、テトラフェニロールエタン型エポキ
シ樹脂(特殊骨格を持つエポキシ樹脂)30wt%と、
鉄粉含有量25wt%とを、溶剤と共に、室温で混合攪
拌し、塗料とした。テトラフェニロールエタン型エポキ
シ樹脂の含有量30wt%は、エポキシ樹脂総量を10
0wt%としたときの値である。エポキシ樹脂成分とし
て、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂のほか、
多官能性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型高分子エポ
キシ樹脂を加えた。鉄粉含有量25wt%は、エポシシ
樹脂成分の総量と鉄粉との総和を100wt%としたと
きの値である。
【0033】図1は実施例1の塗料を用いて得られたト
ロイダル状成型物の複素透磁率μ〃を測定した結果を示
すグラフである。μ′は実効透磁率である。ここで、複
素透磁率μ〃は損失の大きさを示す。図1から、特に、
GHz領域において損失が著しく大きくなることがわか
る。
【0034】<実施例2>燐酸濃度を3wt%とした以
外は、実施例1と同様にして、塗料を得た。
【0035】<実施例3>鉄粉を、平均粒径が5μmと
なるように分級し、燐酸濃度を3wt%とした以外は、
実施例1と同様にして、塗料を得た。
【0036】<実施例4>鉄粉を、平均粒径が1μmと
なるように分級し、燐酸濃度を1wt%とした以外は、
実施例1と同様にして、塗料を得た。
【0037】<実施例5>鉄粉の平均粒径が5μmとな
るように分級し、テトラフェニロールエタン型エポキシ
樹脂を10wt%とした以外は、実施例1と同様にし
て、塗料を得た。
【0038】<実施例6>鉄粉を平均粒径が5μmとな
るように分級し、燐酸濃度を3wt%とし、テトラフェ
ニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量を15wt%と
し、鉄粉含有量を20wt%とした。それ以外は、実施
例1と同様にして、塗料を得た。
【0039】<実施例7>鉄粉を平均粒径が3μmとな
るように分級し、燐酸濃度を5wt%とし、テトラフェ
ニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量を20wt%と
した以外は、実施例1と同様にして、塗料を得た。
【0040】<実施例8>燐酸濃度を3wt%とし、テ
トラフェニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量を25
wt%とした以外は、実施例1と同様にして、塗料を得
た。
【0041】<実施例9>燐酸濃度を3wt%とし、テ
トラフェニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量を15
wt%とした以外は、実施例1と同様にして、塗料を得
た。
【0042】<比較例1>燐酸濃度を0.5wt%とし
た以外は、実施例1と同様にして、塗料を得た。燐酸濃
度0.5wt%が、本発明の好ましい範囲から外れてい
る。
【0043】<比較例2>燐酸濃度を15wt%とした
以外は、実施例1と同様にして、塗料を得た。燐酸濃度
15wt%は、本発明の好ましい範囲(1〜5wt%)
から外れている。
【0044】<比較例3>鉄粉を、平均粒径が8μmと
なるように分級した以外は、実施例1と同様にして、塗
料を得た。鉄粉の平均粒径8μmは本発明の範囲(1〜
5μm)から外れている。
【0045】<比較例4>鉄粉を平均粒径が0.5μm
となるように分級し、燐酸濃度を3wt%とした以外
は、実施例1と同様にして、塗料を得た。鉄粉の平均粒
径0.5μmは本発明の範囲(1〜5μm)から外れて
いる。
【0046】<比較例5>テトラフェニロールエタン型
エポキシ樹脂を35wt%とした以外は、実施例1と同
様にして、塗料を得た。テトラフェニロールエタン型エ
ポキシ樹脂の含有量35wt%は、本発明の好ましい範
囲(10〜30wt%)から外れている。
【0047】<比較例6>燐酸濃度を3wt%とし、テ
トラフェニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量を8w
t%とした以外は、実施例1と同様にして、塗料を得
た。テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量
8wt%は、本発明の好ましい範囲(10〜30wt
%)から外れている。
【0048】<比較例7>燐酸濃度を3wt%とし、テ
トラフェニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量を20
wt%とし、鉄粉含有量を15wt%とした以外は、実
施例1と同様にして、塗料を得た。鉄粉含有量15wt
%は本発明の好ましい範囲(20〜30wt%)から外
れている。
【0049】<比較例8>燐酸濃度を3wt%とし、テ
トラフェニロールエタン型エポキシ樹脂の含有量を25
wt%とし、鉄粉含有量を35wt%とした以外は、実
施例1と同様にして、塗料を得た。鉄粉含有量35wt
%は本発明の好ましい範囲(20〜30wt%)から外
れている。
【0050】実施例1〜9及び比較例1〜8によって得
られた塗料を用いて、各試料を作成し、減衰量、比抵
抗、被覆性及び耐熱性を測定評価した。減衰量は、1.
2GHz及び6.0GHzのときを値である。結果を表
1〜表4に示す。
【0051】特性評価は、400MHzの矩形波を発生
するユニットを用いて行った。このユニットは、1cm
×1.5cmの矩形のもので、このユニットに、実施例
1〜9、及び、比較例1〜8で得られた塗料を塗布し、
その後、60℃、2時間の乾燥を行い、試料とした。矩
形波発生ユニットを動作させ、被覆前後のGHz高周波
成分をスペクトラムアナライザーで測定し、この減衰量
を評価した。
【0052】また、比抵抗の測定のために、実施例1〜
8、及び、比較例1〜9によって得られた塗料を用い
て、厚さ1mmの試料を作成し、試料の両対向面に円形
の銅箔を接着した。そして、銅箔間の絶縁抵抗を、絶縁
抵抗計によって測定した。
【0053】被覆性については、実施例1〜9、及び、
比較例1〜8の塗料を用いて、厚さが3mm程度の試料
を作成し、これにピンホールが発生するかどうかを目視
で検査した。
【0054】耐熱性については、試料を、260℃に加
熱した半田槽に10秒間浸し、変形等の異常がないかを
調べた。
【0055】<鉄粉の平均粒径>表から理解されるよう
に、鉄粉の平均粒径が1〜5μmの範囲にある実施例1
〜9は、1.2GHzでは6〜12(dB)以上、6.
0GHzでは22〜35(dB)の減衰量を示す。特
に、6.0GHzでの減衰量が極めて大きくなる。鉄粉
の平均粒径が1〜5μmの範囲にある比較例1、2、
5、6、8においても、同様の傾向が見える。
【0056】これに対して、鉄粉の平均粒径が8μmで
ある比較例3は、6.0GHzでの減衰量が10(d
B)と低い値を示している。鉄粉の平均粒径が0.5μ
mであある比較例4は、6.0GHzでの減衰量が20
(dB)と比較的高いものの、1.0GHzでの減衰量
が3(dB)と著しく低くなる。
【0057】従って、GHz領域で、ノイズ吸収作用の
ある複合組成物及び成型物を得るには、鉄粉の平均粒径
を1〜5μmの範囲に選ぶことが重要である。
【0058】<鉄粉含有量>次に、鉄粉の含有量が20
〜30wt%である実施例1〜9は、1.2GHzでは
6〜12(dB)以上の減衰量、6.0GHzでは22
〜35(dB)の減衰量が得られる。特に、6.0GH
zでの減衰量が極めて大きくなる。鉄粉の含有量が20
〜30wt%である比較例1、2、5、6においても、
同様の傾向が見える。
【0059】これに対して、鉄粉の含有量が15wt%
である比較例7は、6.0GHzでの減衰量が12(d
B)と低い値を示している。しかも、耐熱性測定結果が
変形ありとなっている。
【0060】鉄粉の含有量が35wt%である比較例8
は、減衰量は高い値を示すものの、比抵抗が1×108
(Ωcm)となり、実施例1〜9よりも、4桁も低くな
る。しかも、被覆性及び耐熱性に関する測定結果が、ピ
ンホールあり及び変形ありとなった。
【0061】従って、GHz領域でノイズ吸収作用があ
り、電気絶縁性が高く、しかも、被覆性及び耐熱性に優
れた複合組成物及び成型物を得るのに適した鉄粉の含有
量は、20〜30wt%の範囲であると推測することが
できる。
【0062】<燐酸濃度>燐酸濃度が1〜5wt%の範
囲にある実施例1〜9は2〜8×1012(Ωcm)の高
い比抵抗値を示す。これに対して、燐酸濃度が0.5w
t%で、本発明の好ましい範囲(1〜5wt%)から外
れている比較例1では、比抵抗が1×109(Ωcm)
であり、実施例1〜9よりも3桁程度低い。
【0063】一方、燐酸濃度が15wt%で、本発明の
好ましい範囲から外れている比較例2では、5×1013
(Ωcm)であり、実施例1〜9よりも高い値を示して
いる。しかし、ピンホールが発生しており、被覆性が悪
くなっている。
【0064】このことは、燐酸濃度が高くなるにつれ
て、電気絶縁性が高くなるが、被覆性が悪化することを
意味する。実施例1〜9及び比較例1、2から、1012
(Ωcm)以上の電気絶縁性及び被覆性を確保するのに好
ましい燐酸濃度は1〜5wt%の範囲と推測することが
できる。
【0065】<テトラフェニロールエタン型エポキシ樹
脂の含有量>テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂
の含有量が35wt%で、本発明の好ましい範囲(10
〜30wt%)から外れている比較例5では、比抵抗が
1×109(Ωcm)であり、実施例1〜9よりも3桁程
度低い。しかも、被覆性に関する結果は、被覆不可であ
った。
【0066】テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂
の含有量が8wt%で、本発明の好ましい範囲(10〜
30wt%)から外れている比較例6では、耐熱性に関
する結果は、変形ありとなった。
【0067】実施例1〜9及び比較例5、6を考慮する
と、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂の好まし
い含有量は10〜30wt%の範囲であると推測され
る。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)GHz領域でノイズ吸収作用のある外装用複合組
成物及び外装用成型物を提供することができる。 (b)GHz領域で、高効率のノイズ吸収作用を奏する
外装用複合組成物及び外装用成型物を提供することがで
きる。 (c)耐熱性があり、成形性がよく、被覆性のよい外装
用複合組成物及び外装用成型物を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の塗料を用いて得られたト
ロイダル状成型物の複素透磁率μ〃を測定した結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
μ 透磁率 μ′ 実効透磁率 μ″ 複素透磁率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 C C09D 163/00 C09D 163/00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂成分と、鉄粉とを含む外装
    用複合組成物であって、 前記鉄粉は、平均粒径が1〜5μmの範囲にあり、粒子
    表面に絶縁皮膜が付着され、少なくとも一種の前記エポ
    キシ樹脂成分と混合されている。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された複合組成物であっ
    て、 前記絶縁皮膜は、燐酸皮膜である。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の何れかに記載された
    複合組成物であって、 前記エポキシ樹脂成分は、特殊骨格を持つエポキシ樹脂
    と、多官能性エポキシ樹脂と、ビスフェノールA型高分
    子エポキシ樹脂とを含む。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された複合組成物であっ
    て、 前記特殊骨格を持つエポキシ樹脂は、前記エポキシ樹脂
    成分の総量を100wt%として、10〜30wt%の
    範囲で含まれる。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4の何れかに記
    載された複合組成物であって、 前記鉄粉は、前記鉄粉と前記エポキシ樹脂成分との総和
    を100wt%として、20〜30wt%の範囲で含ま
    れる。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5の何れか
    に記載された複合組成物であって、 溶剤を含み、塗料化されている。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂成分と、鉄粉とを含む外装
    用成型物であって、 前記鉄粉は、平均粒径が1〜5μmの範囲にあり、粒子
    表面に絶縁皮膜が付着され、少なくとも一種の前記エポ
    キシ樹脂成分と混じり合っている。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された成型物であって、 前記絶縁皮膜は、燐酸皮膜である。
  9. 【請求項9】 請求項7または8の何れかに記載された
    成型物であって、 前記エポキシ樹脂成分は、特殊骨格を持つエポキシ樹脂
    と、多官能性エポキシ樹脂と、ビスフェノールA型高分
    子エポキシ樹脂とを含む。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載された成型物であっ
    て、 前記特殊骨格を持つ前記エポキシ樹脂は、前記エポキシ
    樹脂成分の総量を100wt%として、10〜30wt
    %の範囲で含まれる。
  11. 【請求項11】 請求項7、8、9または10の何れか
    に記載された成型物であって、 前記鉄粉は、前記鉄粉と前記エポキシ樹脂成分との総和
    を100wt%として、20〜30wt%の範囲で含ま
    れる。
  12. 【請求項12】 外装用複合組成物の製造方法であっ
    て、 平均粒径が1〜5μmの範囲にある鉄粉を製造し、 前記鉄粉の粒子表面に、絶縁皮膜を付着させ、 粒子表面に絶縁皮膜を付着させた前記鉄粉を、エポキシ
    樹脂成分と混ぜ合わせる工程を含む。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載された製造方法であ
    って、 前記鉄粉の粒子表面に絶縁皮膜を付着させる工程は、燐
    酸濃度が1〜5wt%の燐酸溶液に、前記鉄粉を浸す工
    程を含む。
  14. 【請求項14】 請求項12または13の何れかに記載
    された製造方法であって、 前記エポキシ樹脂成分は、特殊骨格を持つエポキシ樹脂
    と、多官能性エポキシ樹脂と、ビスフェノールA型高分
    子エポキシ樹脂とを含む。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載された製造方法であ
    って、 前記特殊骨格を持つ前記エポキシ樹脂は、前記エポキシ
    樹脂成分の総量を100wt%として、10〜30wt
    %の範囲で含まれる。
  16. 【請求項16】 請求項12、13、14または15の
    何れかに記載された製造方法であって、 前記鉄粉は、前記鉄粉と前記エポキシ樹脂成分との総和
    を100wt%として、20〜30wt%の範囲で含ま
    れる。
  17. 【請求項17】 請求項12、13、14、15または
    16の何れかに記載された製造方法であって、 溶剤を加えて塗料化する工程を含む。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002265762A (ja) * 2001-03-08 2002-09-18 Nippon Kayaku Co Ltd ベンゾシクロブテン樹脂組成物、樹脂結合型金属成型部品
JP2008147404A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 軟磁性複合材料
JP2011061231A (ja) * 2010-11-15 2011-03-24 Sumitomo Electric Ind Ltd 軟磁性複合材料、及びリアクトル用コア

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