JPH11262840A - 急速暖機工作機械 - Google Patents

急速暖機工作機械

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JPH11262840A
JPH11262840A JP6885698A JP6885698A JPH11262840A JP H11262840 A JPH11262840 A JP H11262840A JP 6885698 A JP6885698 A JP 6885698A JP 6885698 A JP6885698 A JP 6885698A JP H11262840 A JPH11262840 A JP H11262840A
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喜晴 田口
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昭次 山口
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久 中村
Takeshi Ogura
武 小倉
Hideki Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術の工作機械よりも暖機運転に費やす
時間が短くて済む急速暖機工作機械を提供すること。 【解決手段】 本発明の急速暖機工作機械の一実施例
は、砥石1を保持し回転駆動する砥石軸2と、砥石軸2
を回転軸として回転駆動するビルトイン・モータ3とを
有する研削盤である。暖機運転中に研削液を砥石1に吹
き付けて砥石軸2に回転負荷を与える回転負荷ノズル6
が装置されており、ビルトイン・モータ3の負荷が増え
て昇温が促される。また、暖機運転中にはウォーター・
ジャケット5に冷却液が供給されず、ビルトイン・モー
タ3の昇温がいっそう促される。その結果、砥石軸2の
昇温が促され、短時間で暖機運転が完了する。砥石軸2
が所定の温度になって暖機運転が完了したことは、ビル
トイン・モータ3に付設された温度センサ7により検出
され、制御装置8により操作員に報知される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主軸に組み込まれ
たビルトイン・モータを有する工作機械の技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の一例として、研削盤を例に取
って説明する。砥石軸にビルトイン・モータを備えた研
削盤において、ワークを精密に研削するためには、暖機
運転を行って砥石軸が通常運転中の温度とほぼ同等に昇
温し、熱膨張による砥石軸の軸線方向の寸法を安定させ
ることが必要である。従来から行われている研削盤の暖
機運転では、作動油、潤滑油、冷却液および研削液など
のポンプを回しつつ、ワークを研削することなく砥石軸
を回転させて一定時間を暖機運転に費やしている。暖機
運転に費やす時間は経験的に定めてられており、特に暖
機運転に費やす時間を短縮する工夫はなされておらず、
また、暖機運転の完了を知る手段も用意されてはいな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来の研削盤の
暖機運転では、経験的に定められた一定時間以上を暖機
運転すれば、ビビリが発生したり研削精度が落ちるなど
の運転初期の不具合が回避されるという経験則にのみ基
づいて暖機運転が行われている。それゆえ、研削を始め
る当初の一個目のワークから正常な研削を行うために
は、余裕を持って暖機運転をすることが必要になり、暖
機運転に要する時間が長くなってしまうという不都合が
生じる。また、一旦停止した後に運転を再開した場合に
は、どの程度の時間を暖機運転に要するかが判定しがた
いので、始業時と同程度の時間をかけて暖機運転してい
る場合が多く、不要に長い時間が暖機運転に費やされる
という不都合も生じる。
【0004】これらの不都合は、上記例示の研削盤に限
定されるものではなく、主軸に組み込まれたビルトイン
・モータを有する工作機械一般について生じる。そこで
本発明は、従来技術の工作機械よりも暖機運転に費やす
時間が短くて済む急速暖機工作機械を提供することを解
決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明
した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の急速
暖機工作機械である。本手段では、急速暖機工作機械の
暖機運転を始めると、主軸昇温手段により、ビルトイン
・モータが組み込まれた主軸の昇温が促進されるので、
短時間のうちに主軸温度が上昇する。そして、主軸の温
度が定常運転中の温度に近い所定の温度にまで上昇する
と、温度検出手段が主軸の温度を直接的または間接的に
検出して、主軸温度が所定温度にまで達したことを示す
信号を発する。すると、制御手段が、温度検出手段から
の信号に基づいて主軸昇温手段を制御しその作用を停止
させるので、主軸温度は、定常運転時の主軸温度を超え
ることなく定常運転時の主軸温度付近で安定する。
【0006】したがって本手段によれば、短時間のうち
に主軸温度が定常運転時の温度近くにまで昇温させられ
るので、従来技術の工作機械よりも暖機運転に費やす時
間が短くて済む急速暖機工作機械を提供することができ
るという効果がある。 (第2手段)本発明の第2手段は、請求項2記載の急速
暖機工作機械である。
【0007】本手段では、主軸昇温手段は、主軸に回転
負荷を付与する回転負荷付与手段であるので、ビルトイ
ン・モータに定常運転時以上の回転負荷がかかり、ビル
トイン・モータが定常運転時以上に発熱する。その結
果、ビルトイン・モータの回転軸を兼ねている主軸が加
熱されて、主軸温度は通常の暖機運転よりも急速に上昇
する。それゆえ、本手段では主軸昇温手段としては回転
負荷付与手段を備えるだけでよく、主軸を昇温するため
の加熱手段をビルトイン・モータ自体以外に別途必要と
しないので、比較的簡素な装置構成で急速暖機工作機械
を実施することができる。
【0008】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、装置構成が比較的簡素になるという
効果がある。 (第3手段)本発明の第3手段は、請求項3記載の急速
暖機工作機械、すなわち急速暖機研削盤である。
【0009】本手段では、工作機械は研削盤であり、主
軸は砥石を回転駆動する砥石軸であって、回転負荷付与
手段は、砥石に研削液を吹き付ける回転負荷ノズルを有
する。すなわち、本手段の急速暖機研削盤では、回転負
荷付与手段がブレーキ装置などを必要とせず、単に砥石
に研削液を吹き付ける回転負荷ノズルと、同ノズルへの
研削液の供給を制御する装置とを備えるだけで済む。そ
れゆえ、装置構成が簡素であるばかりではなく、ブレー
キ装置などと異なってブレーキシューなどの消耗部品が
ないので、保守も容易である。
【0010】したがって本手段によれば、前述の第2手
段の効果に加えて、装置構成がさらに簡素であるばかり
ではなく、保守が容易であるという効果がある。 (第4手段)本発明の第4手段は、請求項4記載の急速
暖機工作機械である。本手段の急速暖機工作機械は、ビ
ルトイン・モータの周囲に配設され冷却液が満たされた
ウォーター・ジャケットと、冷却液をウォーター・ジャ
ケットに供給する冷却液供給装置とを有する。そして本
手段では、制御手段は、温度検出手段からの信号に基づ
いて冷却液供給装置を制御し、暖機運転中には冷却液供
給装置の運転を行わなず、少なくともビルトイン・モー
タの温度が所定温度以下である間は、冷却液をウォータ
ー・ジャケットに供給しないでおく。すると、ビルトイ
ン・モータが冷却液により冷却されないので、ビルトイ
ン・モータの温度が上昇し、その結果、ビルトイン・モ
ータから主軸に伝達される熱流量が増大して主軸が速や
かに昇温される。
【0011】それゆえ本手段では、冷却液供給装置を制
御する制御手段が、主軸昇温手段と主軸昇温手段を制御
する制御手段とを兼ね、その他に主軸昇温手段や制御手
段を別途必要とはしないので、装置構成が非常に簡素に
なる。あるいは、主軸昇温手段を別途具備する場合に
は、相乗効果により主軸温度の上昇がより速やかになっ
て、暖機運転に要する時間がさらに短縮される。
【0012】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、装置構成が非常に簡素になるか暖機
運転時間がさらに短縮されるかのいずれかの効果を有す
る。 (第5手段)本発明の第5手段は、請求項5記載の急速
暖機工作機械である。本手段では、温度検出手段からの
信号に基づいて暖機運転の完了を報知する報知手段を有
するので、暖機運転の完了後、すぐに通常運転に移行す
ることができ、時間の無駄がない。
【0013】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、暖機運転の完了後、速やかに通常運
転に移行することができるという効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態および実施例】本発明の急速暖機工
作機械の実施の形態については、当業者に実施可能な理
解が得られるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明
する。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての急速暖機
工作機械は、図1に示すように、砥石1を一端に保持す
る主軸としての砥石軸2と、砥石軸2を回転軸とし砥石
軸2を回転駆動するビルトイン・モータ3と、砥石軸2
を軸受け21,22で回転自在に軸支しビルトイン・モ
ータ3を保持するハウジング4とを有する研削盤であ
る。
【0015】ビルトイン・モータ3の周囲には、冷却液
が満たされたウォーター・ジャケット5が配設されてお
り、ハウジング4の付近には、吸入ポート51および排
出ポート52を介してウォーター・ジャケット5に冷却
液を循環させて供給する冷却液供給装置が装置されてい
る。冷却液供給装置は、冷却液を圧送するポンプ54、
冷却液ポンプ54を駆動するモータ53、冷却液タンク
55および冷却装置56からなる。
【0016】本実施例の研削盤はさらに、暖機運転中に
主軸としての砥石軸2の昇温を促進する主軸昇温手段
と、砥石軸2の温度を間接的に検出する温度検出手段
と、温度検出手段からの信号に基づき主軸昇温手段を制
御する制御手段とを備えた、急速暖機研削盤である。上
記主軸昇温手段としては、砥石軸2に回転負荷を付与す
る回転負荷付与手段としての回転負荷ノズル6と、回転
負荷ノズル6に研削液を供給する電磁弁61、研削液ポ
ンプ64、モータ63および研削液タンク65とが装置
されている。回転負荷ノズル6は、砥石1に研削液を吹
き付けて砥石1の回転負荷を増大させる作用を有する。
砥石1に吹き付けられた研削液は、砥石1の下に形成さ
れた研削液溜まり66から、研削液タンク65へ回収さ
れる。
【0017】回転負荷ノズル6は、図2に示すように、
砥石1の外周面に近接して二つが装置されており、砥石
1の外周面に略垂直に大量の研削液を吹きかけるように
なっている。高速で回転している砥石1は、外周面に大
量の研削液による流体抵抗を受け、その結果、回転を妨
げる方向に負荷トルクを受ける。ここで、本実施例の急
速暖機研削盤は、回転負荷ノズル6とは別に、ワークW
の被研削面に研削液を吹き付ける通常の研削盤と同様の
研削液ノズル9をも有する。研削液ノズル9には、図面
の簡素化のために前述の図1には記載されていないが、
図示しない電磁弁を介して研削液ポンプ64(図1参
照)から研削液が供給される。研削液ノズル9から砥石
1およびワークWに吹き付けられた研削液も、砥石1の
下に形成された研削液溜まり66から、研削液タンク6
5へ回収される。なお、暖機運転中には、ワークWと砥
石1とは互いに離れており、研削液ノズル9に研削液は
供給されない。
【0018】上記温度検出手段としては、再び図1に示
すように、ビルトイン・モータ3のステータに組み込ま
れたサーミスタである温度センサ7と、温度センサ7の
出力信号をA/D変換して制御装置8に伝達するA/D
アダプタ71とが装置されている。温度センサ7は、砥
石軸2の温度を直接計測するものではないが、ビルトイ
ン・モータ3のステータの温度を計測することによっ
て、砥石軸2の温度を間接的に計測する。
【0019】上記制御手段としては、プログラマブル・
シーケンスコントローラである制御装置8が装備されて
いる。制御装置8は、温度検出手段としての温度センサ
7からの信号に基づいて、上記主軸昇温手段を制御する
とともに、上記冷却液供給装置をも制御する。また、制
御装置8には、温度センサ7からの信号に基づいて暖機
運転の完了を操作員に報知する報知手段として、暖機完
了ランプ(図3参照)が装置されている。
【0020】なお、制御装置8は、暖機運転が完了した
ら暖機完了ランプでその旨を操作員に報知するととも
に、自動的にワークWの研削作業を開始するように構成
されていても良い。 (実施例1の作用効果)本実施例の急速暖機研削盤は、
以上のように構成されているので、以下のような作用効
果を発揮する。
【0021】制御装置8は、図3のラダー回路図に示す
ようなロジックで、研削盤の暖機運転制御を行う。すな
わち、操作員が起動スイッチを押して暖機運転の始動を
命じると、通電されてソレノイドコイルSOL1のリレ
ーが閉じ、砥石軸モータであるビルトイン・モータ3に
通電されて砥石軸2が回転駆動される。それとともに、
砥石軸モータのリレーが閉じた状態で、温度センサ7か
らの所定温度に達したことを示すセンサ信号がまだ届い
ていないので、研削液ポンプ64を駆動するモータ63
と電磁弁61と(図1参照)に通電され、研削液(クー
ラント)が回転負荷ノズル6に圧送される。また、砥石
軸モータのリレーが閉じてはいても、温度センサ7から
の所定温度に達したことを示すセンサ信号がまだ届いて
いないので、冷却液をウォーター・ジャケット5に循環
させる冷却液ポンプ54を駆動するモータ53はまだ駆
動されない。その結果、ビルトイン・モータ3の負荷ト
ルクが増大するうえに、冷却液によるビルトイン・モー
タ3の冷却が行われないので、ビルトイン・モータ3の
温度は急速に上昇する。すると、昇温したビルトイン・
モータ3から砥石軸2への熱伝達が盛んになって、暖機
運転の間、砥石軸2が急速に昇温する。
【0022】暖機運転が十分に行われ、温度センサ7か
ら所定温度に達したことを示すセンサ信号が制御装置8
に送られると、暖機完了ランプに通電されて暖機完了ラ
ンプが点灯し、操作員に暖機運転が完了したことが報知
される。それとともに、冷却液をウォーター・ジャケッ
ト5に循環させる冷却液ポンプ54を駆動するモータ5
3に通電されて、冷却液によるビルトイン・モータ3の
冷却が開始される。また、研削液ポンプ64を駆動する
モータ63と電磁弁61とへの通電が断たれ、回転負荷
ノズル6への冷却液の供給は停止する。そして、論理の
簡素化のために図3には明示されていないが、研削液は
研削液ノズル9に供給されるようになる。これをもって
ビルトイン・モータ3は通常の運転状態に入り、砥石軸
2もすでに十分に昇温されているので、精密なワークW
の研削が可能になる。
【0023】なお、暖機運転中でも通常運転中でも、停
止スイッチが押されれば速やかに全てのモータ2,5
3,63が停止し、本実施例の急速暖機研削盤の運転は
停止する。以上の作用を、図4に示すように、フローチ
ャートをもって説明することもできる。
【0024】すなわち、起動スイッチが投入されると、
ステップS1で砥石軸モータであるビルトイン・モータ
3が起動され、暖機運転が開始される。次にステップS
2で、制御装置8に温度センサ7からの温度信号の取り
込みが行われ、続いて判定ステップS3で、同温度信号
が暖機運転の完了を判定する基準となる所定の温度以上
であるか否かがが判定される。上記温度信号が所定値以
上でないと判定されると、ステップS4に進み、ソレノ
イドコイルSOL1が投入され、回転負荷ノズル6に冷
却液を圧送する研削液ポンプ64が駆動される。
【0025】この時点では、冷却液をウォーター・ジャ
ケット5に循環させる冷却液ポンプ54は始動されてい
ないので、ウォーター・ジャケット5によるビルトイン
・モータ3の強制冷却は行われていない。それゆえ、回
転負荷ノズル6によりビルトイン・モータ3の負荷トル
クが増大するうえに、冷却液によるビルトイン・モータ
3の強制冷却が行われないので、ビルトイン・モータ3
の温度は急速に上昇し、砥石軸2が急速に昇温する。温
度センサ7からの温度信号が所定値以上でない限りは、
ステップS2〜S4のルーチンが繰り返され、暖機運転
が続けられる。(ただし、論理の説明の簡素化のために
図4には明示されていないが、暖機運転中でも停止スイ
ッチが押されれば、ビルトイン・モータ3および研削液
ポンプ64を停止させるステップが用意されており、当
然のことながら暖機運転中でも停止が可能である。)し
かし、温度センサ7からの温度信号が所定値以上に達
し、ステップS3で暖機運転が完了したものと判断され
れば、制御装置8の制御はステップS5〜S8へと進
む。すなわち、ステップS5で暖機運転の完了を操作員
に報知する暖機完了ランプが点灯し、ステップS6でウ
ォーター・ジャケット5に冷却液を圧送する冷却液ポン
プ54を駆動するモータ53が起動される。さらにステ
ップS7でソレノイドコイルSOL1のリレーが開き、
回転負荷ノズル6への研削液の供給が停止され、研削液
は研削液ノズル9に供給されるようになる。さらにステ
ップS8では、停止スイッチが押されているか否かが判
定され、停止スイッチが押されない限りはステップS2
〜S3,S5〜S8のルーチンが繰り返されて、通常運
転が続けられる。
【0026】ここで、停止スイッチが押され、ステップ
S8でその旨の判定がなされると、制御装置8の制御は
ステップS9,S10に進み、本実施例の急速暖機研削
盤はその運転を停止する。すなわち、砥石軸モータであ
るビルトイン・モータ3と、冷却液ポンプ54を駆動す
るモータ53と、研削液ノズル9に研削液を圧送してい
るポンプとが停止されて、運転が停止される。
【0027】本実施例の急速暖機研削盤の効果を確認す
る目的で、発明者らは比較評価試験を実施し、その結
果、図5に示すように、本実施例には暖機運転時間の短
縮に極めて高い効果があることが確認された。すなわ
ち、本実施例のように回転負荷ノズル6とウォーター・
ジャケット5の冷却液制御とがある場合(▲)には、わ
ずか8分間で暖機運転が完了したと判定される65℃の
温度に達した。その後、回転負荷ノズル6への研削液の
供給が停止されるとともに、ウォーター・ジャケット5
に冷却液が供給されて通常運転に入っているので、10
分間以降では65℃付近で温度は安定している。
【0028】一方、別の実施例として回転負荷ノズル6
の運転だけを行い、ウォーター・ジャケット5への冷却
液の循環が暖機運転中にも行われていた場合(■)に
は、判定温度である65℃に達するには13分間がかか
っている。なお、65℃に達しても回転負荷ノズル6の
運転を続けていると、暖機運転を20分間近く行った時
点において、70℃をやや超えた温度で温度センサ7の
温度信号は安定した。
【0029】最後に、暖機運転中もウォーター・ジャケ
ット5への冷却液の循環を行い、そのうえ回転負荷ノズ
ル6を運転しない従来と同じ暖機運転を行った場合
(◆)、65℃に達して安定するまでに30分間を要し
た。発明者らはまた、本実施例の急速暖機研削盤を一時
停止した後に再始動した場合に、暖機運転を完了するま
でにどれだけの時間がかかるか調べることを目的に、一
時停止時間を3分間、5分間、10分間、30分間、1
時間、12時間と変えて試験を実施した。その結果、回
転負荷ノズル6とウォーター・ジャケット5の冷却液制
御とがある本実施例の場合には、5〜8分間で暖機運転
が完了した。一方、別の実施例として回転負荷ノズル6
の運転だけを行い、ウォーター・ジャケット5への冷却
液の循環が暖機運転中にも行われていた場合には、7〜
13分間で暖機運転が完了した。いずれの場合も、暖機
運転に30分間をかけていた従来の研削盤に比べ、暖機
運転時間の大幅に短縮されるという効果があることが確
認された。
【0030】以上詳述したように、本実施例の急速暖機
工作機械としての急速暖機研削盤には、次の(1)〜
(3)の三つの効果がある。 (1)暖機運転中に、回転負荷ノズル6によってビルト
イン・モータ3にかかる負荷トルクが増大するので、ビ
ルトイン・モータ3の発熱が増大して急速に昇温し、砥
石軸2の昇温も促進され、暖機運転に要する時間が短縮
される。 (2)暖機運転中には、ウォーター・ジャケット5によ
る強制冷却が行われないので、ビルトイン・モータ3の
昇温がさらに急速になり、砥石軸2の昇温も促進され
て、暖機運転に要する時間がよりいっそう短縮される。 (3)暖機運転の完了が暖機完了ランプにより作業員に
報知され、自動的に暖機運転から通常運転に切り替わる
ので、暖機運転に必要以上の余分な時間をかけることな
く、速やかに研削作業を開始することが可能になる。
【0031】(実施例1の各種変形態様)本実施例の変
形態様として、回転負荷ノズル6の代わりに、砥石軸2
に適正な回転負荷を与えるディスクブレーキまたはパウ
ダブレーキなどのブレーキ装置を装備しても良い。ある
いは、砥石軸2の加速減速を繰り返したり、砥石軸2を
安全限度内で通常運転での回転速度よりも速い回転速度
で回すなどして、ビルトイン・モータ3の消費電力を増
大させ、ビルトイン・モータ3の昇温を促進しても良
い。また、ビルトイン・モータ3の駆動回路のスイッチ
ング周波数を変えるなど、ビルトイン・モータ3の動力
変換率を落として消費電力を増大させ、ビルトイン・モ
ータ3の昇温を促進しても良い。このようにビルトイン
・モータ3の運転状態を変えてビルトイン・モータ3の
発熱を促す主軸昇温手段を用いれば、回転負荷ノズル6
のように比較的大がかりな装置を必要とせず、ビルトイ
ン・モータ3のコントローラを改造するだけで済む。そ
れゆえ、コスト上昇が低減されるという付帯効果があ
る。
【0032】別の変形態様として、冷却液を加熱昇温す
るヒータを備えてウォーター・ジャケット5に送り込む
冷却液を加熱し、通常とは逆に冷却液でもってビルトイ
ン・モータ3を加熱昇温する構成を取ることもできる。
本変形態様によれば、暖機運転に要する時間をよりいっ
そう短縮することが可能になる。なお、温度センサ7を
より簡素で安価なバイメタルに置換する変形態様も実施
可能で、本変形態様によれば、前述の実施例1よりもい
くらかコストダウンが可能になる。
【0033】逆に、砥石軸2自体に温度センサ7を付設
し、砥石軸2の温度を直接的に検出するようにすれば、
暖機運転の完了の判定がより正確に行われるようにな
る。また、冷却液、研削液、潤滑油などの温度を検出す
る温度センサを装備し、急速暖機研削盤のより詳細な温
度情報を制御装置8に与えて、ファジー制御などのより
高度な制御則により急速暖機研削盤の温度制御をするよ
うにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての急速暖機研削盤の構成を示
す模式図
【図2】 実施例1の砥石および回転負荷ノズル等を示
す模式図
【図3】 実施例1の制御装置の制御ロジックを示すラ
ダー回路図
【図4】 実施例1の制御装置の制御ロジックを示すフ
ローチャート
【図5】 実施例1の比較評価試験の結果を示すグラフ
【符号の説明】 1:砥石 2:砥石軸(主軸として) 21,2
2:軸受け 3:ビルトイン・モータ 4:ハウジング 5:ウォーター・ジャケット 51:吸入ポート 52:排出ポート 53:モータ 54:冷却液ポンプ 55:冷却液タンク 56:冷却装置 6:回転負荷ノズル 61:電磁弁 63:モータ 64:研削液ポンプ 65:研削液タンク 66:研削液溜まり 7:温度センサ(サーミスタ) 71:A/Dアダプ
タ 8:制御装置(プログラマブル・シーケンスコントロー
ラ) 9:研削液ノズル W:ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 武 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 渡辺 秀樹 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具またはワークを一端に保持し回転駆動
    する主軸と、該主軸を回転軸として回転駆動するビルト
    イン・モータと、該主軸を回転自在に軸支し該ビルトイ
    ン・モータを保持するハウジングとを有する工作機械に
    おいて、 前記工作機械の暖機運転中に前記主軸の昇温を促進する
    主軸昇温手段と、 該主軸の温度を検出する温度検出手段と、 該温度検出手段からの信号に基づき該主軸昇温手段を制
    御する制御手段と、を有することを特徴とする急速暖機
    工作機械。
  2. 【請求項2】前記主軸昇温手段は、前記主軸に回転負荷
    を付与する回転負荷付与手段である請求項1記載の急速
    暖機工作機械。
  3. 【請求項3】前記工作機械は、研削盤であり、 前記主軸は、砥石を回転駆動する砥石軸であって、 前記回転負荷付与手段は、該砥石に研削液を吹き付ける
    回転負荷ノズルを有する請求項2記載の急速暖機工作機
    械。
  4. 【請求項4】前記ビルトイン・モータの周囲に配設され
    冷却液が満たされたウォーター・ジャケットと、該冷却
    液を該ウォーター・ジャケットに供給する冷却液供給装
    置とを有し、 前記制御手段は、前記温度検出手段からの信号に基づい
    て該冷却液供給装置を制御する請求項1記載の急速暖機
    工作機械。
  5. 【請求項5】前記温度検出手段からの信号に基づいて前
    記暖機運転の完了を報知する報知手段を有する請求項1
    記載の急速暖機工作機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105171520A (zh) * 2015-09-10 2015-12-23 苏州华冲精密机械有限公司 一种专用于机加工的感应式冷却水系统
JP2016112682A (ja) * 2016-02-01 2016-06-23 住友化学株式会社 切削加工方法及び切削加工装置、光学部材の製造方法
CN112799350A (zh) * 2019-11-14 2021-05-14 北京福田康明斯发动机有限公司 一种机床热机状态监测反馈系统、方法及机床

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