JPH11265366A - 分散型実時間制御システムのモジュールにおける過負荷応答方法 - Google Patents

分散型実時間制御システムのモジュールにおける過負荷応答方法

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JPH11265366A
JPH11265366A JP10306866A JP30686698A JPH11265366A JP H11265366 A JPH11265366 A JP H11265366A JP 10306866 A JP10306866 A JP 10306866A JP 30686698 A JP30686698 A JP 30686698A JP H11265366 A JPH11265366 A JP H11265366A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散型実時間制御システムのモジュールでの
過負荷応答手法の改善。 【解決手段】 分散型実時間制御システム1のモジュー
ル10、20、30において、モジュールの短期型及び
長期型の過負荷に、それぞれ上下のしきい値を有する複
数の過負荷レベルを割り当て、これら複数の過負荷レベ
ルの各々に、複数の過負荷制御処置のうちの1つを割り
当て、過負荷の程度を示す計測された制御パラメータに
基づいてモジュールの状態に対応する過負荷レベルを実
時間で定める。自律型制御では、システムの各モジュー
ルがそれ自体の過負荷レベルを定め、そのレベルに対応
する過負荷制御処置を行う。システム統合型制御では、
集中プロセッサがシステムの各モジュールから受けた過
負荷情報に基づいてモジュールの過負荷状態に対応する
適切な過負荷制御処置を定め、そのモジュールに実行を
要求する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実時間システムに
おける過負荷状態に応答するための方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気通信システムのような実時間システ
ムは、その実時間システムからは制御できないユーザが
行う要求(例えば接続要求)に応答(対処)する必要が
ある。したがって、システムに対して著しく多数のユー
ザが同時に要求をなす場合には、実時間システムが過負
荷状態になる。
【0003】従来の技術では、このような過負荷に対す
るシステムの応答の仕方は概して、後回し可能なタスク
を後回しにすること、及び負荷を放棄、すなわちシステ
ムの1個以上のモジュールにおける接続についてのユー
ザ要求のうちのいくつかに関してその受諾を拒絶するこ
とである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような応答におけ
る従来の技術の問題点として、後回し可能なタスクが後
回しにされてから、再検討の結果再起動可能となり次第
なるべく早くこれらのタスクの動作を回復すること、及
び負荷の受諾が拒絶されてから、再検討の結果受諾再開
が可能になり次第なるべく迅速に受諾を再開すること、
が困難なことが判っている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は、本発明
を実施することにより顕著に改善され従来の技術に対し
て進歩が得られる。本発明によれば、過負荷が短期型過
負荷と長期型過負荷とに区別され、短期型過負荷及び長
期型過負荷の軽減に対して異なる手法が用いられ、長期
型過負荷軽減の手法は、短期型過負荷として宣言された
過負荷のレベルが或るしきい値を超えた場合にのみ起動
される。
【0006】上記の手法の利点として、過負荷を迅速に
検出してこれに迅速に対応することができ、又、過負荷
が軽減した際にも軽減の迅速な検出及び迅速な対応が可
能である。
【0007】本発明の具体的な一実施例では、電気通信
システムは交換システムであって、このシステムは少な
くとも2種類のモジュール、すなわち接続を設立するた
めの交換基本構造(switch fabric) モジュールと、刺
激(過負荷情報)を処理しその結果として交換基本構造
モジュールを制御するためのプロセッサモジュールとを
有する。
【0008】本質的に、各プロセッサモジュール及び各
交換基本構造モジュール(又は簡単に、基本構造モジュ
ール)は複数の短期型過負荷レベルを有する。モジュー
ルは、特定の過負荷レベルに留まって、そのレベルに連
関する過負荷軽減のための処置を行う。そして、現在の
過負荷状態が、現在の過負荷レベルの特性を示す過負荷
計測値帯域外にあることを、過負荷計測値が示すまでこ
の処置を継続する。
【0009】過負荷計測値帯域外にあることが示された
場合、過負荷レベルが1レベルだけ増値又は減値され
る。もし減値の結果として過負荷レベル「0」すなわち
過負荷のないことを表すレベルに到達した場合、過負荷
修正処置は終了する。もし過負荷計測値が短期型過負荷
最高レベルの上限を超えた場合には、長期型過負荷最低
レベルでの処置が開始される。長期型過負荷を軽減する
ために、長期型過負荷レベルにおいて別の過負荷制御処
置が行われる。
【0010】長期型過負荷レベルおいても、短期型過負
荷レベルにおいて過負荷レベルが増値又は減値される仕
方と次の相違点を除いては本質的に同じ仕方で、過負荷
計測値により過負荷レベルが増値又は減値される。この
場合の相違点とは、長期型過負荷レベルが最低レベルか
ら減値されると処置手順は短期型過負荷レベルの最高レ
ベルに移ること、長期型過負荷レベルの最高レベルから
の増値は許されないこと、及び長期型過負荷レベルにお
ける計測値は、短期型過負荷レベルの場合よりも長い時
間長さにわたって採取した負荷計測値、から求めること
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本明細書においては、相関関係に
ある2つの態様、すなわち短期型及び長期型の態様から
なる過負荷制御について説明する。多くの場合に、短期
型制御処置がシステムの動作に対する影響が比較的小さ
いのに対し、長期型制御処置はシステムの動作に対して
より厳しい結果を及ぼす。
【0012】したがって、短期型と長期型とを区別する
のが望ましい。特に、これら2種類の態様を区別しない
単一化された制御方法を、過負荷を受けているシステム
に適用しないことが重要である。用語「過負荷状態」を
用いる際、「ゼロ過負荷状態」すなわちモジュール内に
過負荷が存在しない「通常状態」を含める。
【0013】最初に述べた自律制御方法においては、個
別の交換構成要素(ノード又はモジュール)がその動作
を計測し、計測値に基づいて処置を行う。ノードは全
て、自律且つ独立していて、その処置は他のノードの状
態及び/又は処置とは関連がない。これと対照的に、本
発明の一実施例で用いられる「統合型」の過負荷対応手
法においては、1個以上のモジュールが長期型過負荷レ
ベルに入る場合には、制御中に取るべき処置を定める際
に全てのノードの状態が同時に考慮される。
【0014】短期型過負荷制御は、その名の示す通り、
短い時間長さにおけるシステム動作の計測値に反応して
行われる制御である。これは、長くは続かない過渡的及
び短期的な過負荷状況を捉えることを目的とするもので
あり、したがって、過重な不利点(例えば、高い呼阻止
レート)をもたらすような処置を必要としない。
【0015】一般的な短期型過負荷制御の処置は、「決
定的に重大」(以下、決定的)でないタスクの処理を遅
らせる手法からなる。これらのタスクは過渡的な過負荷
の解消後に処理されることとなる。この場合の処置は激
しさとしては決定的なものではなく、過渡的である。
【0016】決定的でないタスクとは例えば、交換装置
保守及び管理に割り当てられたレジスタ及びメモリブロ
ックであって交換装置において進行中の呼の処理のよう
な主たるタスクには直接関与しないようなレジスタ及び
メモリブロック、のリセット要求に応答するタスクであ
る。ここで重要なのは、このような決定的でないタスク
は長期間遅らせることができないことである。その理由
は長期間遅らせた場合には交換装置又はその基となるネ
ットワークの運用が中断されるからである。
【0017】短期型過負荷制御の処置には又、過負荷状
態の厳しさからより決定的な処置が必要とされる場合の
みではあるが、交換装置によって行われる決定的なタス
クを遅らせる手法を含む。一般的な激しい(決定的な)
短期型過負荷処置は例えば、交換装置に到達してその交
換装置のノードから、阻止された呼がもたらすことにな
ったであろう処理のための負荷(処理負荷)を除去する
ような、より低い優先度の呼信号送信メッセ−ジ、を低
いレートに落とすことである。
【0018】長期型過負荷制御においては、タスク(例
えば決定的でない信号処理)を遅らせることはそれだけ
では役に立たない。決定的でないタスクを遅らすととも
に、システムへの入来信号を阻止するような、より激し
い処置をおこなうことが必要である。この場合の阻止レ
ートは短期型過負荷制御の場合に適用されるレートより
も高いレートである。
【0019】本明細書に述べる方法の目的は、これら2
つの場合を区別し、各々の場合における計測及び制御の
具体的な方法を発案提供することにある。
【0020】以下の説明においては、観察(監視)対象
となるノード動作の具体的な尺度を、プロセッサ利用度
としている。しかし、この尺度は、本発明の一推奨実施
例として考慮したものに過ぎず、他の尺度、例えば基本
構造モジュールの制御装置における待ち行列におけるエ
ントリの個数(待ち行列長さ)、バッファ使用度、使用
中の幹線の呼数、等々、を用いることも可能である。ど
れを選択するかは、具体的な実現形態、交換装置アーキ
テクチャに、又全体としての交換装置動作の尺度によ
る。本明細書において、用語「負荷」を計測された代表
的な制御パラメータとして用いるものとする。
【0021】ノードプロセッサ利用度は、ノード過負荷
状態の指標である代表的制御パラメータとして計測され
観察される。この指標は、適切な過負荷レベルにマッピ
ングされ、これに対応する制御処置が適用される。以
下、計測及び制御の全プロセス(短期型及び長期型)に
ついて述べる。先ず、計測がどのように行われるかにつ
いて説明する。
【0022】プロセッサ利用度は、交換装置内の或るノ
ードのプロセッサ(例えば中央演算処理装置(CP
U))が使用中である時間の割合に対応する。この割合
の計測値を得るには、プロセッサの使用中の時間長さを
累積し、累積値を計測時間長さの全長によって除する計
算が行われる。この割合をプロセッサ利用度と称する。
本発明の推奨実施例においては、いくつかの計測時間長
さについてフィルタ処理(例えば指数スムージング手法
を用いたスムージング処理)された計測尺度が用いられ
る。
【0023】もし計測された割合が受け入れ可能な適度
のレベル(普通40%〜50%前後)よりも低い場合、
そのノードは通常状態にあると称し、普通は、下で述べ
るように他のモジュールが過負荷状態にある場合でなけ
れば、過負荷対応処置は不要である。
【0024】割合が80%〜90%以上のレベルに達す
る場合には、モジュールは厳しい過負荷状態にある可能
性が高く、過負荷に対応する処置を適用する必要があ
る。50%レベルと90%レベルとの間では、90%レ
ベルにおける処置よりは激しさの少ない処置を取ること
になるが、全く処置を行わないのも適切ではない。
【0025】短期型と長期型との差を説明するために、
制御されていない場合の例えば10msの切換間時間長
さにおいて、観察対象である特定のノードプロセッサが
2回の別個の計測事例(事例A及びBとする)における
3個の連続する時間長さに対して次の計測結果(以下、
制御パラメータ、と称する)を示したと仮定する。 事例A:80%、40%、50%; 事例B:80%、75%、90%。
【0026】事例Aにおいては、このノードプロセッサ
(又は簡単に、ノード)は最初の100ms時間長さに
ついては80%の利用度であるが、次の2個の時間長さ
についてはそれほど高い利用度ではない。事例Bにおい
てはこれと異なり、最初の時間長さに対しては事例Aと
同じく高い利用度ではあるが、次の2個の時間長さに対
しても同様に高い利用度である。ここに事例Aは多分、
短期型過負荷制御の処置を要する事例であり、又事例B
では長期型過負荷制御の処置が必要である。
【0027】最初、事例A及びBの両方共、最初の10
0msの時間長さに対する処置は同一である。しかし、
次の時間長さに対しての計測値が判明すると、事例Aに
おいては短期型制御をリセットして通常の動作に戻り、
事例Bにおいては前の制御を維持する(又は制御処置の
激しさを増大させる)。
【0028】第3の時間長さの計測値が判明するまで
に、事例Aにおいてはモジュールが通常に動作している
ことが示され、一方事例Bにおいては、入来信号を、初
めに予想されたよりも高い阻止レートで阻止するよう
な、むしろより激しい処置の必要が暗示される。
【0029】取るべき処置の激しさ(例えば入来信号の
阻止レート)は、その特定モジュールの全体動作によっ
て決まる。例えば、事例Bの第3時間長さにおけるその
モジュールの全体動作計測値が、利用度目標値を65%
に下げなければならないほどに悪い場合には、利用度目
標値が75%の場合よりも高い阻止レートが必要とな
る。
【0030】本説明における符号及び概念は流れ図にお
けるものと同様である。時間長さには番号(n)を付け
る。上記例における時間長さは長さT=100msと仮
定した。T=100msの時間長さに対する利用度計測
結果の観察に加えて、サイズW(S)のウインドウに対
する計測値についても観察を行う。この計測値W(S)
は、短期型制御の決定に到達するのに用いられる連続す
る時間長さTの個数を表す。
【0031】同様に、W(L)は、長期型制御処置に到
達するのに用いられる互いに連続する時間長さTの個数
を表す。X(n)は、時間長さ(n)に対する計測された
利用度を表す。時間長さ(n)の間に短期型制御につい
て用いられる尺度計測値をS(n)で表す。
【0032】この尺度は、次式から得られるような、X
(n)をフィルタ処理して得られる値(フィルタ処理バ
ージョン)である。 S(n)=a(1)X(n)+a(2)X(n−1)
+...+a(W(S))X(n+1−W(S))
【0033】ここに、a(j) は時間的に最も後の
(最新の)計測値からj番目の時間長さについて計測さ
れた利用度に適用されるフィルタ処理係数(ファクタ)
(スムージング係数とも称する)、a(1) は最新の
計測時間長さに対するスムージング係数である。或る与
えられた時間長さ(n)において計測された場合のS
(n)は、過去W(S)個の連続する時間長さに対する
利用度のスムージング処理値を反映する。
【0034】S(n)は、各時間長さにおいて更新さ
れ、この更新は、時間的に最も前の(最古の)計測値X
(n−W(S)))をそのサンプルから廃棄し、計測値
に適用されるスムージング係数を1つ移行させることに
よって行われる。それから新たな計測値サンプルがW
(S)個の計測値からなる計測値セットに追加される。
【0035】同様に、時間長さ(n)における長期型計
測値L(n)が定められる。L(n)のウインドウサイ
ズはW(L)、但しW(L)>W(S)である。
【0036】監視及び制御のプロセスは次のように作動
する。各時間長さ(n)についてS(n)及びL(n)
の値を計測し蓄積する。各時間長さの初めに、S(n)
が2個のしきい値X(min,i)及びX(max,i)と比
較される。ここに、(i)はその交換装置モジュールの
現在の短期型過負荷レベルを表す。例えば、通常の動作
において、モジュールが作動開始するとき、その過負荷
レベルは「ゼロ過負荷」すなわちi=0である。
【0037】しきい値は、その特定のレベル(i)に対
して受け入れ可能な交換装置挙動をそれらのしきい値が
反映するように選択される。もし計測された値S(n)
がこのレベルでしきい値X(max,i)を超過する(こ
れよりも高い)場合、レベルは、次に到来する時間長さ
においてレベル(i+1)に変更される。同様に、もし
計測された値S(n)がしきい値X(min,i)よりも
低い場合には、レベルは、次に到来する時間長さにおい
てレベル(i−1)に変更される。
【0038】S(n)が或る与えられたレベル(i)の
範囲内にある(すなわちS(n)がX(min,i)とX
(max,i)との間にある)ときには、長期型計測パラ
メータ(尺度)(L(n))の点検は不要である。この
場合、ノードの過負荷状態についての決定がなされたわ
けで、レベル(i)に対する適切な制御が適用される
(この制御は、レベル(i)用に考慮された短期型過負
荷制御処置から構成される)。
【0039】しかし、もし計測値(S(n))が、各レ
ベルにおいて、次により高いしきい値を段階的に超過し
た後に、最高のレベルを超過してしまった場合には、そ
のノードは短期型過負荷レベルを通過してしまって今や
長期型過負荷レベルにあることになる。この場合、長期
型計測パラメータの値L(n)が短期型の場合と同様な
長期型過負荷しきい値と比較され、適切な制御が適用さ
れる。
【0040】ここで注記したいのは、各段階においてノ
ードが、現存の状態のレベルから上方又は下方のレベル
に1レベルだけしか移動できないことである。或るノー
ドの状態が最低位の長期型過負荷レベルよりも下に降下
したときは、ノードは最高位の短期型過負荷レベルに入
ることになる。同様に、ノードの状態が最高位の短期型
過負荷レベルを超過したときには、ノードは最低位の長
期型過負荷レベルに入ることになる。
【0041】又、ノードの状態が最高位の長期型過負荷
レベルに達したときは状態はそのレベルにとどまり、ノ
ードの状態が最低位の短期型過負荷レベルよりも下に降
下したときは、ノードは全ての過負荷状態から脱却す
る。
【0042】図1は、交換装置1の構成部分に本発明を
一推奨実施例として実現した態様例を示す。交換装置
は、バスシステム15に相互接続された複数のメッセ−
ジプロセッサ(MP)10、...11からなる。メッ
セ−ジプロセッサは、相互に又外部の交換装置と通信
し、接続及び切断の要求を表すメッセ−ジを処理する。
メッセ−ジプロセッサは、バスシステム15を介して制
御プロセッサ20、...21と通信し、複数のネット
ワークモジュール30、...31を制御する。
【0043】制御プロセッサとネットワークモジュール
とはバスシステム25を介して相互に通信する。メッセ
−ジプロセッサ、制御プロセッサ及びネットワークモジ
ュールは各々、プログラム制御されたプロセッサを内蔵
し、これによってプロセッサに要求される機能を遂行
し、下に更に述べる過負荷制御プログラムを実行する。
【0044】図2は、図1のモジュールの1つにおける
過負荷状態を定めるプロセスを高レベルの場合について
説明する流れ図である。処置ブロック201において、
短期型過負荷の状況を計測するための短期型過負荷計測
用の時間長さT(S)が選択される。短期型計測用の時
間長さT(S)は、システムが初期化される際に選択さ
れる。推奨実施例においては、長期型過負荷計測用の時
間長さT(L)はT(S)と同じであるが、制御及びス
ムージング用により多くの時間長さが用いられる。
【0045】別の実施例では、時間長さは動的に選択さ
れる。処置ブロック203において、短期型過負荷を定
めるために、いくつもの互いに連続する計測処理を観察
するためのウインドウW(S)が選択される。このウイ
ンドウ選択も初期化時に行われる。処置ブロック205
において、長期型過負荷を定めるために、いくつもの互
いに連続する計測処理を観察するためのウインドウW
(L)が選択される。このウインドウW(L)選択も同
じく初期化時に行われる。
【0046】大容量モジュールを有する大容量交換装置
に対する一般的な値は、T(S)=0.1s、 W
(S)=3、W(L)=10である。これらの数値を用
いて、長期型及び短期型過負荷計測が0.1sごとに行
われ、計測値は、短期型過負荷状態を監視するために
0.3sの時間長さにわたってフィルタ処理され、長期
型過負荷状態を変更するために1sの時間長さにわたっ
てフィルタ処理される。
【0047】短期型及び長期型過負荷状態を検出するた
めには、異なるシステム動作尺度、又は刺激パラメー
タ、を対象として計測を行うことが可能である。この場
合、T(S)及びT(L)(それぞれ短期型及び長期型
計測用時間長さに対応)を、独立して、又異なる制御パ
ラメータごとに選択することができる。
【0048】処置ブロック207において、n番目の時
間長さに対する制御パラメータであるX(n)が各自間
長さについて計測され、過去のW(L)個の計測値が蓄
積される。これらの計測値を用いて処置ブロック209
において、フィルタ処理バージョンの計測値が定められ
る。処置ブロック209において定められた制御パラメ
ータの計測値に基づき過負荷の存在が検出される。もし
過負荷が前に検出されていた場合には、図3及び図4の
手法に基づいて過負荷レベルが調整される。
【0049】推奨実施例においては、短期型過負荷制御
の最高レベルは、もし負荷が増大した場合には長期型過
負荷の最低位レベルにつながり、長期型過負荷制御の最
低位レベルは、もし負荷が減少した場合には短期型過負
荷の最高位レベルにつながる。処置ブロック207、2
09及び211は、実用システムにおいて実時間に行わ
れる。制御パラメータは、本質的に時間(例えばシステ
ムが初期化されてからの時間)を表す時間長さ番号を有
する時間長さにわたって計測される。その時間長さの
間、負荷についての制御パラメータ計測値はX(n)で
ある。
【0050】制御パラメータの現在の値及び過去のいく
つかの値に基づいて、短期型のS(n)及び長期型のL
(n)がそれぞれ計算される。S(n)を計算する一般
的な式は次式で表される。 S(n)=a(1)X(n)+a(2)X(n−1)+
a(3)X(n−2) このフィルタ機能によって、負荷計測値のうちの最新の
3個の値が用いられる。この一般例においては、a
(1)は0.5、a(2)は0.4、a(3)は0.
1、にそれぞれ等しい。
【0051】長期型制御パラメータL(n)を計算する
場合には、一連の10個の計測値を用いて長期型負荷の
フィルタ処理値が生成され、一連の10個の係数を用い
てフィルタ処理機能が遂行される。一実施例における1
0個の係数b(1)、b(2)、...b(10)の値
は、0.23、0.17、0.11、0.1、0.0
9、0.08、0.07、0.06、0.05、及び
0.04、である。
【0052】上記の例においては、フィルタ処理は単
に、現在及び前の時間長さからの重みつき制御パラメー
タ値の線形加算であるが、指数スムージングのような他
のフィルタ処理方法も用いることができる。このような
データのフィルタ処理プロセスは、本技術分野の当業者
には周知である。
【0053】種々のプロセッサモジュール及び基本構造
モジュールの過負荷状態のレベルが定められた後に制御
が適用されるが、それには可能性として次の2つの手法
がある。
【0054】1.自律型手法(交換装置内の各ノードに
よって自律的に制御処置する):この場合、各プロセッ
サモジュール又は基本構造モジュールは独立した処置を
取る。これは1つの処置が各過負荷レベルに対応する手
法である。この種類の制御においては、結果として得ら
れる制御性能は概して最適状態にまでは到達しない。
【0055】しかし、中央制御装置が不要なので、それ
を要する他の手法よりはコストが掛からない。この場
合、中央制御装置の信頼性は議論の対象とはならない。
システム全体の負荷状況を定義するために必要な、多数
のモジュールの状態に関する情報の収集及び処理のコス
トも、発生が回避される。
【0056】2.統合型手法(状態をシステム全体とし
て統合的に捉えて制御処置する):交換装置のノードは
今日では従来より信頼性が高く、処理コストも急速に低
減しつつあるので、個別のノードの状態を中央プロセッ
サにおいて又は個別のプロセッサにおいて定めて組み合
せ、それによってシステム全体としての状態(システム
全体状態)を生成することができる、と想定することが
可能である。
【0057】この「統合型」手法における制御処置は、
個別のノードの状態よりもむしろシステム全体として観
察された状態に基づいてなされる。統合型制御機能を有
する分散型交換装置は自律型過負荷制御方式よりも過負
荷対応性能が優れている。
【0058】長期型過負荷より深刻な状況であるので、
1つの方法としては、長期型過負荷状態にあるモジュー
ルがない限り自律型の処置を用い、どれかのモジュール
が長期型過負荷状態になり次第、統合型の処置に切り換
える方法がある。このような処置の切り換えを、モジュ
ールの過負荷状態に基づく別の基準によっても行い得る
ことは明かである。
【0059】多くの場合に、分散型交換装置内の個別の
プロセッサモジュール又は基本構造モジュールは異種の
ものである。したがって、個々のプロセッサモジュール
及び基本構造モジュールに対して異なる計測時間長さを
選択するのが有利である。例えば、低速の方のプロセッ
サモジュール及び基本構造モジュールに対しては長めの
計測時間長さを選択し、高速の方のプロセッサモジュー
ル及び基本構造モジュールに対しては長めの計測時間長
さを選択する。
【0060】しかし、最終的には、これらの計測時間長
さによる計測値の全てを一連の状態にマッピング(写し
替え)したものを用いて過負荷制御処置を決定する必要
がある。
【0061】又、個々の場合によって、計測パラメータ
が異なる。例えば、交換装置内のメッセ−ジプロセッサ
(例:図1のメッセ−ジプロセッサ10)の過負荷状態
を定めるにはバッファのサイズは適切な尺度であるが、
一方バッファのない基本構造モジュール(例:ネットワ
ークモジュール31)の場合にはバッファサイズの計測
値は得られないので策度として適用できない。
【0062】後者の場合の計測及び制御には、別の尺
度、例えば現存呼の個数、又は未処理の呼要求の個数、
あるいはその他、個々の基本構造モジュールに特定の尺
度、を用いるほうがより適切である。
【0063】同様に、短期型計測値と長期型計測値とで
はそのウインドウについても、異なるサイズが選択され
る。
【0064】更に、過去の計測値に基づいて将来の計測
時間長さを調整することは適切な処理である。計測時間
長さの動的調整は、異なる基本構造モジュール及び/又
はプロセッサモジュールにおける制御パラメータの実際
の計測の結果としても行われる。
【0065】図3及び図4は、或る過負荷レベルに入る
こと、短期型又は長期型の過負荷制御システム内での過
負荷制御処置(レベル)を変更すること、及び短期型と
長期型との両過負荷制御システム間を移行することから
なるプロセスを説明する流れ図である。プロセスは処置
ブロック301において図3に入る。現在の過負荷制御
の許容レベルの1つ(i)は、過負荷のないこと(ゼロ
過負荷)を表すレベル「0」である。このレベルは、シ
ステムが初期化されるときに入る負荷状態である。
【0066】処置ブロック301において、短期型過負
荷の尺度であるS(n)が計算される。点検ブロック3
03において、この尺度S(n)すなわち短期型制御パ
ラメータが、短期型過負荷状態の現在のレベル(i)に
付随するしきい値である制御パラメータの最大値と比較
される。もし負荷がそのしきい値を超過しない場合、点
検ブロック305を用いて制御パラメータが今やレベル
(i)の最小値(最低値)の方のしきい値よりも低下す
る(低い)かどうかが定められる。
【0067】もし最小しきい値より低くない、すなわち
点検ブロック303及び305の結果が両方とも「N
O」の場合、これは制御パラメータが現過負荷のレベル
内にあることを示し、そのモジュールはそのレベルにと
どまる(処置ブロック307)。それからプロセスは処
置ブロック301に戻って、次の、フィルタ処理された
制御パラメータのサンプル値が計算される。
【0068】もし点検ブロック303の結果が「YE
S」、すなわち制御パラメータが現レベルに対する最大
値の方のしきい値を超える場合には、点検ブロック31
1を用いて制御パラメータが短期型過負荷の最高位レベ
ルを超過しているかどうか(すなわち長期型過負荷制御
レベルに入ろうとしているかどうか)が定められる。も
し超過していない場合、処置ブロック313において過
負荷制御レベルが、高い方の次のレベルへ1レベル増値
され、プロセスは処置ブロック301に戻って、次の、
フィルタ処理された過負荷制御パラメータの値を待つ。
【0069】同様に、もし点検ブロック305の結果が
「YES」、すなわち負荷が現在の過負荷レベルの最小
値の方のしきい値より低い場合には、レベルが1レベル
減値され、プロセスは処置ブロック301に戻って、次
の、フィルタ処理された短期型制御パラメータ値が計算
される(過負荷の不在を表すi=0の場合に最小しきい
値がないことは明らかで、したがって、点検ブロック3
05の結果が「YES」ということは、より低いレベル
(おそらく(i=0)のレベル)が存在することを意味
する)。
【0070】もし点検ブロック311の結果が「YE
S」すなわち制御パラメータが短期型過負荷の最高位レ
ベルに対する最大値の方のしきい値を超過している場合
には、処置ブロック312においてプロセスは図4の処
置ブロック321に移行する。プロセスが図1の処置ブ
ロック311から図4の処置ブロック321に入ると
き、長期型過負荷制御のレベル(j)の初期値は1であ
【0071】図2及び図3の説明を分かりやすいように
単純化するため、(j=1)を長期型の過負荷状態の最
低位レベルと仮定する。実際には、jの最低位値は短期
型過負荷レベル(i)の最高位値よりも1レベル上であ
る可能性が高い。
【0072】処置ブロック321においては、負荷が長
期型過負荷の現在のレベル内にあるかどうかを点検する
ために、負荷の長期型フィルタ処理値(L(n))が計
算される。点検ブロック323を用いて、現在の過負荷
制御パラメータが現在の長期型過負荷制御のレベル
(j)に対する最大値の方のしきい値を超過するかどう
かが定められる。もし超過しない場合、点検ブロック3
25を用いて、制御パラメータが現在の長期型過負荷制
御のレベル(j)に対する最小値の方のしきい値よりも
低いかどうかが定められる。
【0073】もしより低くない、すなわち点検ブロック
323及び325の結果が両方とも「NO」の場合、処
置ブロック327が示すように、過負荷制御は現在のレ
ベルにとどまり、プロセスは処置ブロック321に戻
る。
【0074】もし点検ブロック323の結果が「YE
S」、すなわち制御パラメータが現レベルに対する最大
値の方のしきい値を超える場合には、処置ブロック32
9において過負荷制御レベルが、高い方の次のレベルへ
1レベル増値され、プロセスは処置ブロック321に戻
る。
【0075】もし点検ブロック325の結果が「YE
S」、すなわち現在の、フィルタ処理された負荷(制御
パラメータ)が現在の過負荷レベルの最小値の方のしき
い値より低い場合には、点検ブロック331を用いて、
過負荷制御レベルjが既に(j=1)かどうか(すなわ
ち短期型過負荷制御レベルに入ろうとしているかどう
か)が定められる。もし結果が「YES」の場合、
(j)が「0」に減値され、プロセスは図3の処置ブロ
ック301に戻り、短期型制御の最高位レベル(i)に
入る(処置ブロック332)。
【0076】もし点検ブロック331の結果が「N
O」、すなわち長期型過負荷レベルについて、まだ短期
型過負荷レベルに移行せずに減値が可能な場合には、処
置ブロック333において(j)が減値され、プロセス
は処置ブロック3221に戻り、次のL(n)の値が計
算される。
【0077】図3及び図4の流れ図によって示されるプ
ロセスを実行して得られる結果を流れに沿って説明する
と、負荷が過負荷状態の場合、制御は短期型過負荷制御
レベルに入り、もしフィルタ処理された短期型過負荷計
測値(制御パラメータ)が種々の短期型しきい値を超過
する場合には過負荷レベルが順次増値される。
【0078】もし制御パラメータが最高位のレベルに対
する最大しきい値を超過する場合には、制御は長期型過
負荷制御レベルに入り、もしフィルタ処理された長期型
過負荷計測値(制御パラメータ)が種々の長期型しきい
値を超過する場合には過負荷レベルが順次増値される。
【0079】同様に、過負荷値が減少すると、過負荷制
御レベルが減値され、更には制御が長期型過負荷レベル
から短期型過負荷レベルへ移行される。
【0080】上記の説明においては、制御処置(自律型
制御)は、短期型又は長期型過負荷を有するモジュール
に限定され、或る1個のモジュールに対する制御処置は
そのモジュールの過負荷レベルに対応する。しかし、時
には、過負荷制御をいくつもの又は全てのモジュールの
同時点における状態に基づいて変化させること(統合型
制御)が望ましい。例えば、1個のメッセ−ジプロセッ
サ10及び1個の制御プロセッサ20を有するシステム
について考える。
【0081】もしメッセ−ジプロセッサ及び制御プロセ
ッサの両方が通常状態又は短期型過負荷状態にある場
合、各モジュール内で通常の制御又は短期型過負荷の制
御が起動さされる。しかし、もしいずれかのモジュール
が2つの長期型過負荷レベルのうちの1つに該当する状
態にある場合には、次に述べる処置が行われ、これらの
処置の結果、自律型の場合よりも優れた過負荷対応性能
が得られる。
【0082】1.制御プロセッサは低位の長期型過負荷
状態にあり、メッセ−ジプロセッサは長期型過負荷状態
にはない:(処置)メッセ−ジプロセッサが新規入来呼
を確率P(1)で阻止する。制御プロセッサが外部交換
装置に通知してトラヒックを「絞りレベル1」に絞らせ
る。
【0083】2.制御プロセッサは高位の長期型過負荷
状態にあり、メッセ−ジプロセッサは長期型過負荷状態
にはない:(処置)メッセ−ジプロセッサが新規入来呼
をP(1)より高い確率P(2)で阻止する。制御プロ
セッサが外部交換装置に通知してトラヒックを「絞りレ
ベル2」まで更に絞らせる。
【0084】3.メッセ−ジプロセッサは長期型過負荷
状態にあり、制御プロセッサは長期型過負荷状態にはな
い:(処置)メッセ−ジプロセッサがオーバヘッドメッ
セ−ジ処理を後回しにし、新規入来呼をP(2)より高
い確率P(3)で阻止する。制御プロセッサがそのオー
バヘッドメッセ−ジ処理を削減する。
【0085】4.制御プロセッサは低位の方の長期型過
負荷状態にあり、メッセ−ジプロセッサは長期型過負荷
状態にある:(処置)メッセ−ジプロセッサがオーバヘ
ッドメッセ−ジ処理を後回しにし、新規入来呼をP
(3)より高い確率P(4)で阻止する。制御プロセッ
サがその入交換装置に通知してトラヒックを「絞りレベ
ル1」に絞らせる。
【0086】5.制御プロセッサは高位長期型過負荷状
態にあり、メッセ−ジプロセッサは長期型過負荷状態に
ある:(処置)メッセ−ジプロセッサがオーバヘッドメ
ッセ−ジ処理を後回しにし、新規入来呼をP(4)より
高い確率P(5)で阻止する。制御プロセッサがその入
交換装置に通知してトラヒックを「絞りレベル2」に絞
らせる。
【0087】この例においては、類似のプロセッサの間
でより公平になるように負荷を平衡させる処置は考慮さ
れていない。ここでは、従来の技術において周知の手法
を用いることにより、概して、類似プロセッサの全てが
同じ又はほぼ同じ過負荷レベルにあるように制御される
ものと想定する。
【0088】類似プロセッサの位置するレベルが同じで
ない範囲では、システムの応答を修正することによっ
て、もし或る1つの種類のプロセッサのいくつかが、最
も過負荷の大きい或る特定の種類のプロセッサが位置す
る長期型過負荷レベルにある場合にのみ低レベルの方の
システム過負荷制御が起動されるように構成できる。
【0089】例えば、もしこの例でメッセ−ジプロセッ
サの個数が2個であったとしてそのうちの1個のみが長
期型過負荷レベルにあったとすると、システム過負荷へ
の応答としては、上記の4番目の過負荷分類に付随する
応答(「絞りレベル1」とし、新規入来呼は確率P
(4)で阻止)が望ましい。
【0090】図5は、状態をシステム全体として捉える
統合型手法の一実施例の流れ図を示す。初期化時に割り
当て可能でありトラブルの場合に再割当される集中プロ
セッサが、システムの各モジュールの過負荷状態を収集
する。それから、このプロセッサが、半マルコフ決定過
程又は他の発見的手法を適用して、若しくは予め蓄積さ
れたベクトルを介して、各モジュールについて適切な応
答処置を定めるベクトルを導出する。
【0091】先ず、処置ブロック501において集中プ
ロセッサがシステムの各モジュールの過負荷状態を収集
する。それから、処置ブロック503においてこの集中
プロセッサが、システムの各モジュールにおいて実行す
べき処置の状態(内容)を定める処置ベクトルAを計算
する。そして、各モジュールは、次の時間長さに対する
処置の状態を通知される。このプロセスが、定期的な時
間長さで反復される。
【0092】交換システムが3個のモジュールM
(1)、M(2)及びC(1)からなるものとする。各
モジュールはそれぞれの状態を定めるのに用いられるい
くつものしきい値を有する。前に述べたように、これら
のしきい値は、過負荷尺度に対して決定的であると考え
られる、バッファサイズ、待ち行列長さ、プロセッサ初
期化等のレベルである。
【0093】ここで、S=(S(1),S(2),S
(3))が或る観察時間長さにおけるシステム状態を表
すものとする。但し、S(1)はM(1)についての状
態(例えば、占有バッファサイズ、占有待ち行列長さ、
プロセッサ利用度レベル)、S(2)はM(2)の状
態、そしてS(3)はC(1)の状態である。同様に、
A=(A(1),A(2),A(3))はシステムの処
置、A(1)、A(2)、及びA(3)はそれぞれ各モ
ジュールにおける処置を表す。
【0094】発見的状態/処置の例を次の表に示す。 第1表 ----------------------------------------------------------------------- S(1) S(2) S(3) A(1) A(2) A(3) ----------------------------------------------------------------------- 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 1 1 1 1 1 0 2 0 0 2 1 0 2 1 1 2 2 1
【0095】システム状態Sが、どのモジュールにも過
負荷がないことに対応するS=(0,0,0)であると
き、A=(0,0,0)であり、これはどのモジュール
においても処置がないことに対応する。S=(1,0,
0)であるとき、これはM(1)が過負荷レベル1にあ
るがM(2)及びC(1)は過負荷状態にないことに対
応し、この場合A=(0,0,0)であり、これはどの
モジュールにおいても処置がないことに対応する。
【0096】発見的には、これは、1個のモジュールの
状態にわずかな変化が生じても、それが、より本格的に
なりさえしなければ処置を要しない「摂動」であるとみ
なされるためである。そして、より本格的な場合である
S=(1,1,0)においては、モジュールM(1)の
みが処置「1」の値を取る。この処置は、例えば運用、
管理及び保守の動作を後回しにすることに対応する。
【0097】統合型手法に用いられる計測方法は、自律
型/独立型の場合と同一である。自律型/独立型の場合
のように、計測用に短期型及び長期型の時間長さが存在
し、短期型の最高位の過負荷レベルを離れると、その特
定のモジュールは長期型の最低位の過負荷レベルに入
り、以下同様である。統合型の場合の差異は、或る特定
のモジュールに対する処置をそのモジュール自体の状態
のみに基づいて決定するのではなく、処置の決定が、全
てのモジュールの状態の集合体に基づいてなされる点で
ある。
【0098】したがって、前記の表の例において、状態
「2」はM(1)について長期型過負荷状態の最下位の
レベルを意味する。同表で、システム状態がS=(2,
0,0)であるとき、これはM(1)が長期型過負荷状
態の最下位のレベルにある一方、M(2)及びC(1)
が過負荷状態にないことを意味し、その場合、これに対
応する処置はA=(2,1,0)と表示される。
【0099】この処置は、例えばモジュールM(1)に
おいて、与えられたレート(例えば5%)で呼を阻止
し、同時にモジュールM(2)において運用、管理及び
保守の処理を後回しにし(これを処理「1」と表示)、
そしてモジュールC(1)では何も処置を行わないこと
に対応する。
【0100】この処置A=(2,1,0)は、表中の、
状態がS=(2,1,1)の場合の処置とは対照的であ
る。この後者の場合には、M(1)は長期型の最低位レ
ベルの状態にあるが、M(2)及びC(1)は状態
「1」にあり、これはこれらのモジュールが短期型のレ
ベルの状態にあることを意味する。この場合の処置A=
(2,2,1)は、M(1)において5%で呼を阻止
し、M(2)において5%で呼を阻止し、そしてC
(1)において運用、管理及び保守の処理を後回しにす
ることを意味する。
【0101】ここで注記したいのは、モジュールが異種
であるときには、状態「1」、「2」、等の表示が、異
なる過負荷状態を意味し、処置「1」、「2」、等も異
なる処置を意味することである。例えば、上記の例にお
いて、もしM(2)がM(1)の2倍高速の場合には、
S(2)=1はS(1)=1よりも大きいバッファサイ
ズを意味することが有り得る。同様に、A(2)=2は
例えば2%での阻止を、又A(1)=2が5%での阻止
を、それぞれ意味することが有り得る。
【0102】より概略的にいえば、過負荷制御のための
最適手法は、1個のプロセッサがシステムの各モジュー
ルの負荷状態を連続的に監視し、これらモジュール全て
の状態に基づいてこれらモジュールのうちのの適切なモ
ジュールに過負荷制御を選択的に適用する手法である。
このような手法は、各モジュールにおける最適な応答を
定めるのに複雑な計算を必要とする。その場合、この手
法の理想的なモデルに対する妥協点を見出すには種々の
方法が可能である。
【0103】負荷の連続計測の代わりに、上に述べた自
律型過負荷制御の場合に対する計測用時間長さのような
不連続の時間長さで負荷計測を行ってもよい。更に、正
確な負荷値そのものを用いる代わりに、上に述べたよう
に過負荷レベルを用いて各モジュールの負荷特性を表し
てもよい。又更に、或るシステムについては、少なくと
も1個のモジュールが長期型過負荷状態にある場合にの
みシステム制御が起動されるような妥協手段を取っても
よい。
【0104】又更には、制御プロセッサが個々のモジュ
ールに課すことのできる全体的な負荷制御応答として、
選択された過負荷制御レベルのみを用いる妥協手段も可
能である。
【0105】図5の流れ図は、過負荷制御にシステム統
合型手法を用いる場合の一般的な方法に関するものであ
る。システムの一例は、図1に示すシステムで、3種類
のプロセッサグループ(メッセ−ジプロセッサ10〜1
1、制御プロセッサ20〜21、及びネットワークモジ
ュール30〜31)を有する。
【0106】メッセ−ジプロセッサ10〜11及び制御
プロセッサ20〜21が同種のプロセッサグループであ
るものと仮定し、したがって、どのプロセッサも入力メ
ッセ−ジを取り扱うことができ、どの制御プロセッサも
出力メッセ−ジを取り扱うことができるものと仮定す
る。
【0107】自律型の場合には、各プロセッサは単にそ
れ自体の負荷を計算し、その負荷に基づいて過負荷レベ
ルを導出する。この過負荷レベルによって、対応する過
負荷制御処置のグループが定まる。これと対照的に、統
合型の場合には、各プロセッサは、やはりそれ自体の負
荷の計算はするが、更に、この過負荷レベルを過負荷番
号によって又は過負荷レベルとして集中プロセッサに伝
送する。
【0108】集中プロセッサは、そのタスクとして、ど
のような過負荷制御レベルを、この場合にはシステム内
のプロセッサの各々に、適用すべきかを定める。一実施
例においては、集中プロセッサは、長期型過負荷レベル
に対応する負荷状態にあるプロセッサが少なくとも1個
なければ、どのプロセッサの過負荷制御レベルも調整し
ない。この場合、図5について上に述べた処置は、1個
以上のプロセッサが長期型過負荷状態にあるときにのみ
実行される。
【0109】代わりに、図5について述べた処置が、シ
ステム内で長期型過負荷状態にあるプロセッサが1個も
ないときでも実行されるようにもできる。
【0110】図6の流れ図に示す方法は、図5よりは一
般性が少ないが、集中プロセッサにおいて要求される計
算量がはるかに少ないという利点がある。図6の方法の
基本原理は、他のプロセッサの過負荷の影響を、プロセ
ッサの部分的グループの各々(すなわちメッセ−ジプロ
セッサ、制御プロセッサ、及びネットワークモジュール
のそれぞれのグループ)についての「平均」過負荷のみ
を考慮することによって単純化できるということであ
る。
【0111】この手法は基本的には、処置レベルを、或
る1個の特定のプロセッサの過負荷レベルに関して調整
する2種類の方法を用いる。第1は、もしそのプロセッ
サの過負荷レベルがそのグループ内の他のプロセッサか
らはるかに離れている場合、処置レベルを、そのグルー
プのそれら他のグループの過負荷に合わせる方向で上下
させて調整する方法である。
【0112】第2は、もしそのグループの「平均」過負
荷レベルが、隣接するグループの過負荷レベルと相当に
異なる場合には、そのグループを構成するプロセッサの
処置レベルを、その隣接グループの過負荷レベルに合わ
せる方向で調整する方法である。実際上、これらの調整
方法は両方共、処置レベルを水平方向(同一グループ
内)及び垂直方向(グループからグループへ)の両方向
に平坦化するように作用する。
【0113】これを図6で説明する。集中プロセッサが
個々のプロセッサの過負荷状態のレベルについて報告を
受ける(処置ブロック601)。この報告は状態に変化
が生じたプロセッサからのみ送られることが望ましい。
集中プロセッサが、そのグループに対する「平均」の過
負荷レベルを導出する(処置ブロック603)。
【0114】この「平均」を求めるには、そのグループ
内の高い方の過負荷状態に重み付けしてもよい。その理
由は、過負荷の間隙が全ての過負荷状態遷移に関して必
ずしも等しくないからである。「平均」過負荷レベルは
整数である必要はなく、整数未満を含んでもよい。
【0115】それから、これら2種類の調整が、各プロ
セッサの過負荷レベルに対してなされ、そのプロセッサ
に対する処置レベルが導出される。もし相当な差異、す
なわち、高い方の過負荷状態の方に適切に重み付けされ
同一システム内で実験的に調整された、予め定められた
量を超える差異、がある場合、1つのプロセッサグルー
プの平均の処置レベルは、隣接のプロセッサグループの
過負荷レベルのうちの高い方のレベルに合わせて調整さ
れる(処置ブロック605)。
【0116】次に、もしそのプロセッサの過負荷レベル
と、そのプロセッサの平均の過負荷状態との間に、第2
の適切に重み付けされた、予め定められた量を超える差
異がある場合には、そのプロセッサの処置レベルはその
平均に合わせて調整される(処置ブロック607)。調
整量は整数未満でも累積でもよく、その数値を丸めて、
過負荷レベルに対して総合的な処置レベル調整量が得ら
れる。概して、調整後の新たな処置レベルと前のレベル
との間の調整量が1レベルよりも大きいことは、ありそ
うにない。
【0117】それから、この新たな制御処置レベルが、
処置状態のレベルが変わったプロセッサの各々に伝送さ
れる(処置ブロック609)。ここで注記したいのは、
統合形制御の場合には、制御処置のレベルの個数が各モ
ジュールの過負荷レベルの個数よりも多いことである。
【0118】或る機能グループ内に異種のプロセッサが
ある場合には、そのグループの平均を導出する際に個々
のプロセッサの状態に重み付けをしてもよい。例えば、
もしメッセ−ジプロセッサのグループ内の或る1個のプ
ロセッサが他のプロセッサよりも速度が低い場合には、
そのグループの過負荷状態を導出する際にそのプロセッ
サの過負荷状態への重み付けを他のプロセッサよりも軽
くすべきである。
【0119】以上の説明は、本発明の一実施例に関する
もので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々
の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術
的範囲に包含される。尚、特許請求の範囲に記載した参
照番号は発明の容易な理解のためで、その技術的範囲を
制限するよう解釈されるべきではない。
【0120】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、分
散型実時間システムにおいて、過負荷に対するシステム
の応答の際に、過負荷を短期型過負荷と長期型過負荷と
に区別してそれぞれ異なる軽減手法を用い、長期型型過
負荷軽減の手法が、短期型過負荷のレベルが或るしきい
値を超えた場合にのみ起動されるようにしたので、過負
荷を迅速に検出してこれに迅速に対応することができ、
又、過負荷が軽減した際にも軽減の迅速な検出及び迅速
な対応が可能である。
【0121】したがって、従来の技術において発生した
過負荷軽減後のシステム機能の回復遅れの問題点も改善
され、通常の動作に迅速に復帰が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示の交換システムにおける複数のモジュール
を示すブロック図である。
【図2】過負荷レベルを定め、モジュール内でその過負
荷に自律的に応答するプロセスを示す全体流れ図であ
る。
【図3】過負荷レベルの変更及び長期型及び短期型過負
荷レベル間の切り換えを行う過負荷応答処置を自律的に
開始するプロセスを図4と共に示す流れ図である。
【図4】過負荷レベルの変更及び長期型及び短期型過負
荷レベル間の切り換えを行う過負荷応答処置を自律的に
開始するプロセスを図3と共に示す流れ図である。
【図5】モジュールがそのモジュール自体の過負荷及び
他のモジュールにおける過負荷の表示に対してどのよう
に応答するかを図6と共に示す流れ図である。
【図6】モジュールがそのモジュール自体の過負荷及び
他のモジュールにおける過負荷の表示に対してどのよう
に応答するかを図5と共に示す流れ図である。
【符号の説明】
1 交換装置 10、11 メッセ−ジプロセッサ(MP) 15、25 バスシステム 20、21 制御プロセッサ(CP) 30 31 ネットワークモジュール(N)
フロントページの続き (71)出願人 596077259 600 Mountain Avenue, Murray Hill, New Je rsey 07974−0636U.S.A. (72)発明者 シェン リング リン アメリカ合衆国,イリノイ,デュペイジ, リスル,アスペン ロード 6758 (72)発明者 カゼム アナラキー ソーラビー アメリカ合衆国,ニュージャージー,モン マウス,リンクロフト,ユニヴァーシティ ー ドライブ 116

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散型実時間制御システムのモジュール
    における過負荷に応答する方法であって、 (a)前記モジュールの短期型過負荷及び長期型過負荷
    に、複数の負荷レベルを割り当てるステップと; (b)複数の短期型過負荷レベルの各々に、複数の短期
    型過負荷制御処置のうちの対応する1つの処置を割り当
    てるステップと; (c)複数の長期型過負荷レベルの各々に、複数の長期
    型過負荷制御処置のうちの対応する1つの処置を割り当
    てるステップと; (d)計測された制御パラメータが短期型過負荷につい
    ての最下位レベルの低い方のしきい値を超過するとの初
    期決定に応答して、前記短期型過負荷最下位レベルに入
    るステップと; (e)もし前記制御パラメータが、現在宣言された短期
    型過負荷レベルの高い方のしきい値を超過する場合に、
    前記モジュールの前記短期型過負荷レベルを増値するス
    テップと; (f)もし前記制御パラメータが、現在宣言された短期
    型過負荷レベルの低い方のしきい値よりも低い場合に、
    前記モジュールの前記短期型過負荷レベルを減値するス
    テップと; (g)もし前記システムが最高位の前記短期型過負荷レ
    ベルにあり、前記制御パラメータが前記短期型過負荷レ
    ベルのしきい値を超過する場合に、長期型過負荷レベル
    に入るステップと; (h)もし負荷が、現在の長期型過負荷レベルの高い方
    のしきい値を超過し又は低い方のしきい値よりも低い場
    合に、前記モジュールの前記長期型過負荷レベルを、そ
    れぞれ増値又は減値するステップと; (i)もし前記制御パラメータが前記長期型過負荷の前
    記最下位レベルの低い方のしきい値より低い場合に、長
    期型過負荷の最下位レベルから下方へ出て短期過負荷レ
    ベルに入るステップと; (j)もし前記システムが最低位の前記短期型過負荷レ
    ベルにあり、前記制御パラメータが前記短期型過負荷レ
    ベルのしきい値よりも低い場合に、現在宣言された短期
    型過負荷レベルから出てゼロ過負荷レベルに入るステッ
    プと;からなることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記計測された制御パラメータが、前記
    モジュールの制御プロセッサの利用度であることを特徴
    とする請求項1の方法。ことを特徴とする請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記計測された制御パラメータが、前記
    モジュールの待ち行列におけるエントリの個数であるこ
    とを特徴とする請求項1の方法。
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