JPH11267843A - 片面溶接方法 - Google Patents
片面溶接方法Info
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- JPH11267843A JPH11267843A JP7471498A JP7471498A JPH11267843A JP H11267843 A JPH11267843 A JP H11267843A JP 7471498 A JP7471498 A JP 7471498A JP 7471498 A JP7471498 A JP 7471498A JP H11267843 A JPH11267843 A JP H11267843A
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- JP
- Japan
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- flux
- wire
- welding
- weight
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶融池の垂れ落ち及び融合不良を防止し、ま
た耐高温割れ性が高いと共に、溶接能率を向上させるこ
とができる片面溶接方法を提供する。 【解決手段】 フラックス中の成分のうち、Al及びM
gがワイヤ全重量に対してAl:2乃至3.5重量%、
Mg:0.1乃至0.9重量%であり、フラックス率が
10乃至20重量%であるフラックス入りワイヤを使用
する。そして、このフラックス入りワイヤを負極とする
直流正極性によりガスシールドアーク溶接するか、この
フラックス入りワイヤを負極とし、負極の時間比率が6
0%以上である交流電源によりガスシールドアーク溶接
するか、又はこのフラックス入りワイヤを負極とし、周
波数領域が100乃至360Hzである直流パルスによ
りガスシールドアーク溶接する。これによって、溶着金
属中の酸素含有量を200ppm以下とする。
た耐高温割れ性が高いと共に、溶接能率を向上させるこ
とができる片面溶接方法を提供する。 【解決手段】 フラックス中の成分のうち、Al及びM
gがワイヤ全重量に対してAl:2乃至3.5重量%、
Mg:0.1乃至0.9重量%であり、フラックス率が
10乃至20重量%であるフラックス入りワイヤを使用
する。そして、このフラックス入りワイヤを負極とする
直流正極性によりガスシールドアーク溶接するか、この
フラックス入りワイヤを負極とし、負極の時間比率が6
0%以上である交流電源によりガスシールドアーク溶接
するか、又はこのフラックス入りワイヤを負極とし、周
波数領域が100乃至360Hzである直流パルスによ
りガスシールドアーク溶接する。これによって、溶着金
属中の酸素含有量を200ppm以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラックス入りワイ
ヤを使用してガスシールドアーク溶接により溶接する片
面溶接方法に関し、特に、鋼材を上向、横向及び立向の
姿勢で片面溶接施工する場合に好適の片面溶接方法に関
する。
ヤを使用してガスシールドアーク溶接により溶接する片
面溶接方法に関し、特に、鋼材を上向、横向及び立向の
姿勢で片面溶接施工する場合に好適の片面溶接方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】造船等の分野においては、全姿勢の片面
溶接が使用されているが、この片面溶接においては、主
に、直径が1.2mm及び1.4mmのチタニヤ系フラ
ックス入りワイヤを使用し、半自動溶接又は台車と組み
合わせた自動溶接により溶接されている。
溶接が使用されているが、この片面溶接においては、主
に、直径が1.2mm及び1.4mmのチタニヤ系フラ
ックス入りワイヤを使用し、半自動溶接又は台車と組み
合わせた自動溶接により溶接されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上向溶
接においては、溶融池が垂れやすく、約250Aを超え
る高電流では溶接できない。溶融池が垂れると、ビード
が凹凸状になり、ビードとビードとの間に融合不良等の
欠陥が生じ、著しい場合には、溶融金属が垂れ落ちてし
まうという問題点がある。また、高電流で溶接しようと
すると、パスとパスとの間、及び溶着金属の中に、スラ
グが残存するという所謂スラグ巻き欠陥が発生しやす
い。
接においては、溶融池が垂れやすく、約250Aを超え
る高電流では溶接できない。溶融池が垂れると、ビード
が凹凸状になり、ビードとビードとの間に融合不良等の
欠陥が生じ、著しい場合には、溶融金属が垂れ落ちてし
まうという問題点がある。また、高電流で溶接しようと
すると、パスとパスとの間、及び溶着金属の中に、スラ
グが残存するという所謂スラグ巻き欠陥が発生しやす
い。
【0004】大電流で溶接できないために、初層で裏波
ビードを形成するためには、開先に適当なギャップを設
ける必要がある。この開先ギャップは、開先角度が40
乃至50゜のV開先の場合には、5乃至10mmと極め
て大きなものであり、溶接能率が低下するという難点が
ある。
ビードを形成するためには、開先に適当なギャップを設
ける必要がある。この開先ギャップは、開先角度が40
乃至50゜のV開先の場合には、5乃至10mmと極め
て大きなものであり、溶接能率が低下するという難点が
ある。
【0005】一方、横向溶接及び立向溶接においては、
ビードが垂れやすく、オーバーラップになって融合不良
等の欠陥が生じやすい。また、各溶接姿勢に共通して、
片面溶接の初層溶接においては、耐高温割れ性が品質の
最重要ポイントであるが、チタニヤ系フラックス入りワ
イヤは溶融池内の酸化物がビード中央の最終凝固域に集
中し、ソリッドワイヤに比較して耐割れ性が低いという
欠点がある。
ビードが垂れやすく、オーバーラップになって融合不良
等の欠陥が生じやすい。また、各溶接姿勢に共通して、
片面溶接の初層溶接においては、耐高温割れ性が品質の
最重要ポイントであるが、チタニヤ系フラックス入りワ
イヤは溶融池内の酸化物がビード中央の最終凝固域に集
中し、ソリッドワイヤに比較して耐割れ性が低いという
欠点がある。
【0006】この耐割れ性と溶融池の垂れを改善するた
めに、例えば、固定管の全姿勢溶接では、ソリッドワイ
ヤによる溶接が適用されている。しかし、この場合は、
溶接電流を120乃至180Aというように低電流にす
る必要があり、溶接能率が低いという難点がある。ま
た、ソリッドワイヤによる溶接においては、スパッタの
影響を少なくするために、アルゴン混合ガスを使用する
必要があり、溶接コストが高くなる。
めに、例えば、固定管の全姿勢溶接では、ソリッドワイ
ヤによる溶接が適用されている。しかし、この場合は、
溶接電流を120乃至180Aというように低電流にす
る必要があり、溶接能率が低いという難点がある。ま
た、ソリッドワイヤによる溶接においては、スパッタの
影響を少なくするために、アルゴン混合ガスを使用する
必要があり、溶接コストが高くなる。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶融池の垂れ落ち及び融合不良を防止し、
また耐高温割れ性が高いと共に、溶接能率を向上させる
ことができる片面溶接方法を提供することを目的とす
る。
のであって、溶融池の垂れ落ち及び融合不良を防止し、
また耐高温割れ性が高いと共に、溶接能率を向上させる
ことができる片面溶接方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る片面溶接方
法は、フラックス中の成分のうち、Al及びMgがワイ
ヤ全重量に対してAl:2乃至3.5重量%、Mg:
0.1乃至0.9重量%であり、フラックス率が10乃
至20重量%であるフラックス入りワイヤを使用する。
そして、本願第1発明においては、溶接電源の出力とし
て、このフラックス入りワイヤを負極とする直流正極性
によりガスシールドアーク溶接することによって溶着金
属中の酸素含有量を200ppm以下とする。また、本
願第2発明においては、フラックス入りワイヤを負極と
し、負極の時間比率が60%以上である交流電源により
ガスシールドアーク溶接することによって溶着金属中の
酸素含有量を200ppm以下とする。本願第3発明に
おいては、フラックス入りワイヤを負極とし、周波数領
域が100乃至360Hzである直流パルスによりガス
シールドアーク溶接することによって溶着金属中の酸素
含有量を200ppm以下とする。
法は、フラックス中の成分のうち、Al及びMgがワイ
ヤ全重量に対してAl:2乃至3.5重量%、Mg:
0.1乃至0.9重量%であり、フラックス率が10乃
至20重量%であるフラックス入りワイヤを使用する。
そして、本願第1発明においては、溶接電源の出力とし
て、このフラックス入りワイヤを負極とする直流正極性
によりガスシールドアーク溶接することによって溶着金
属中の酸素含有量を200ppm以下とする。また、本
願第2発明においては、フラックス入りワイヤを負極と
し、負極の時間比率が60%以上である交流電源により
ガスシールドアーク溶接することによって溶着金属中の
酸素含有量を200ppm以下とする。本願第3発明に
おいては、フラックス入りワイヤを負極とし、周波数領
域が100乃至360Hzである直流パルスによりガス
シールドアーク溶接することによって溶着金属中の酸素
含有量を200ppm以下とする。
【0009】この場合に、溶接すべき継手のギャップ範
囲が0乃至3mm、ワイヤの直径が1.4乃至1.8m
mであり、セラミックス系裏当材を使用することが好ま
しい。
囲が0乃至3mm、ワイヤの直径が1.4乃至1.8m
mであり、セラミックス系裏当材を使用することが好ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明方法にて使用する溶接ワイヤは、フラ
ックス中の成分のうち、Al及びMgがワイヤ全重量に
対してAl:2乃至3.5重量%、Mg:0.1乃至
0.9重量%であり、フラックス率が10乃至20重量
%であるフラックス入りワイヤである。以下、このフラ
ックス入りワイヤの組成限定理由について説明する。
説明する。本発明方法にて使用する溶接ワイヤは、フラ
ックス中の成分のうち、Al及びMgがワイヤ全重量に
対してAl:2乃至3.5重量%、Mg:0.1乃至
0.9重量%であり、フラックス率が10乃至20重量
%であるフラックス入りワイヤである。以下、このフラ
ックス入りワイヤの組成限定理由について説明する。
【0011】(1)Al含有量:2乃至3.5重量% フラックス中のAlはアークを安定させ、強脱酸剤とし
て作用する。而して、溶融金属中の酸素は溶融金属の粘
度を低下させる作用を有する。そして、アルミニウムが
脱酸剤として作用するので、この強脱酸剤の添加によ
り、溶融金属の酸素が低下し、粘度が高まる。これによ
り、溶融金属の垂れ落ちが防止され、Alは安定した全
姿勢溶接を可能とするために重要な成分である。
て作用する。而して、溶融金属中の酸素は溶融金属の粘
度を低下させる作用を有する。そして、アルミニウムが
脱酸剤として作用するので、この強脱酸剤の添加によ
り、溶融金属の酸素が低下し、粘度が高まる。これによ
り、溶融金属の垂れ落ちが防止され、Alは安定した全
姿勢溶接を可能とするために重要な成分である。
【0012】フラックス中のAl含有量が2%以下にな
るとアークの安定性が悪くなり、スパッタが多発して溶
接作業性も悪くなる。一方、フラックス中のAl含有量
が3.5重量%を超えると、溶接金属の衝撃靱性が低く
なる。このため、フラックス中のAl含有量はワイヤ全
重量に対して、2乃至3.5重量%とする。
るとアークの安定性が悪くなり、スパッタが多発して溶
接作業性も悪くなる。一方、フラックス中のAl含有量
が3.5重量%を超えると、溶接金属の衝撃靱性が低く
なる。このため、フラックス中のAl含有量はワイヤ全
重量に対して、2乃至3.5重量%とする。
【0013】(2)Mg含有量:0.1乃至0.9重量
% フラックス中のMgも強力な脱酸剤であり、Mgの添加
により、溶融金属の粘度を高める。また、フラックス中
のMgはDCEN(直流正極性)でのアーク安定を高め
ることができる。
% フラックス中のMgも強力な脱酸剤であり、Mgの添加
により、溶融金属の粘度を高める。また、フラックス中
のMgはDCEN(直流正極性)でのアーク安定を高め
ることができる。
【0014】フラックス中のMg含有量が0.1%より
少ないと、アークの安定性が悪くなり、スパッタが増大
する。一方、フラックス中のMg含有量が0.9%を超
えると、アークの集中性が悪くなり、溶込みが少なくな
って溶込み不良などの欠陥が発生しやすくなり、スパッ
タが多く発生するようになる。このため、フラックス中
のMgはワイヤ全重量に対して、0.1乃至0.9重量
%とする。
少ないと、アークの安定性が悪くなり、スパッタが増大
する。一方、フラックス中のMg含有量が0.9%を超
えると、アークの集中性が悪くなり、溶込みが少なくな
って溶込み不良などの欠陥が発生しやすくなり、スパッ
タが多く発生するようになる。このため、フラックス中
のMgはワイヤ全重量に対して、0.1乃至0.9重量
%とする。
【0015】(3)フラックス率(ワイヤ全重量に対す
るフラックス重量%):10乃至20重量% フラックスは溶接アークを安定させる作用がある。ワイ
ヤ全重量に対するフラックスの重量%(フラックス率)
が10%未満になるとアークが不安定になる。また、フ
ラックス率が少ないということは脱酸剤の量も少なくな
るので、脱酸不足による気孔欠陥が生じる場合がある。
一方、ワイヤ全重量に対するフラックスの重量%が20
%を超えると、発生するスラグの量が多くなり、アーク
が不安定になる。
るフラックス重量%):10乃至20重量% フラックスは溶接アークを安定させる作用がある。ワイ
ヤ全重量に対するフラックスの重量%(フラックス率)
が10%未満になるとアークが不安定になる。また、フ
ラックス率が少ないということは脱酸剤の量も少なくな
るので、脱酸不足による気孔欠陥が生じる場合がある。
一方、ワイヤ全重量に対するフラックスの重量%が20
%を超えると、発生するスラグの量が多くなり、アーク
が不安定になる。
【0016】上述の組成のフラックス入りワイヤを使用
し、ガスシールドアーク溶接により、溶着金属中の酸素
含有量を200ppm以下とする。
し、ガスシールドアーク溶接により、溶着金属中の酸素
含有量を200ppm以下とする。
【0017】(4)酸素含有量:200ppm以下 溶着金属中の酸素含有量は、溶融金属の物性、特に粘度
及び表面張力に影響する。溶着金属中の酸素量が200
ppmを超えると、溶融金属の粘度及び表面張力が低下
し、ビードが垂れやすくなる。
及び表面張力に影響する。溶着金属中の酸素量が200
ppmを超えると、溶融金属の粘度及び表面張力が低下
し、ビードが垂れやすくなる。
【0018】その結果、上向溶接ではビードの垂れ落ち
が発生しやすくなり、横向溶接及び立向溶接ではビード
の垂れによる融合不良等が発生しやすくなる。また、酸
素含有量が200ppmを超えると、溶融金属中の酸化
物の量が多く、初層の耐高温割れ性が劣化する。よっ
て、溶着金属中の酸素含有量は200ppm以下とす
る。
が発生しやすくなり、横向溶接及び立向溶接ではビード
の垂れによる融合不良等が発生しやすくなる。また、酸
素含有量が200ppmを超えると、溶融金属中の酸化
物の量が多く、初層の耐高温割れ性が劣化する。よっ
て、溶着金属中の酸素含有量は200ppm以下とす
る。
【0019】次に、溶接電源の出力について説明する。
図1はこの溶接電源の種類を示す電源の波形図である。
図1(a)はフラックス入りワイヤを負極とする直流正
極性を示す。図1(b)はフラックス入りワイヤを負極
とする交流である。この場合に、ワイヤが正極の期間
と、負極の期間は、負極の時間比率が60%以上となる
ようにする。図1(b)は交流波形がパルス状のもので
ある。しかし、この交流波形は正弦波形でもよい。ま
た、図1(c)はフラックス入りワイヤを負極とする直
流パルスである。この直流パルスの周波数は100乃至
360Hzである。以下、これらの極性限定理由及び数
値限定理由について説明する。
図1はこの溶接電源の種類を示す電源の波形図である。
図1(a)はフラックス入りワイヤを負極とする直流正
極性を示す。図1(b)はフラックス入りワイヤを負極
とする交流である。この場合に、ワイヤが正極の期間
と、負極の期間は、負極の時間比率が60%以上となる
ようにする。図1(b)は交流波形がパルス状のもので
ある。しかし、この交流波形は正弦波形でもよい。ま
た、図1(c)はフラックス入りワイヤを負極とする直
流パルスである。この直流パルスの周波数は100乃至
360Hzである。以下、これらの極性限定理由及び数
値限定理由について説明する。
【0020】(5)フラックス入りワイヤを負極とする 溶接ワイヤの極性はアークの安定性及びスパッタ発生量
に大きな影響を及ぼす。溶接ワイヤを正極とする極性で
は、アークが不安定で、大粒のスパッタが発生する。こ
れに対し、溶接ワイヤを負極とする極性では、アークは
安定しており、スパッタの発生量も少ない。このため、
図1(a)のように、フラックス入りワイヤを負極とす
る直流正極性で溶接するか、図1(b)のように、フラ
ックス入りワイヤが正極となる期間が存在しても、その
期間は40%未満、即ち、フラックス入りワイヤが負極
となる正極性の期間が全体の60%以上であるようにす
る。なお、全期間、フラックス入りワイヤが正極性であ
っても、図1(c)に示すように、電源の波形はパルス
であってもよい。
に大きな影響を及ぼす。溶接ワイヤを正極とする極性で
は、アークが不安定で、大粒のスパッタが発生する。こ
れに対し、溶接ワイヤを負極とする極性では、アークは
安定しており、スパッタの発生量も少ない。このため、
図1(a)のように、フラックス入りワイヤを負極とす
る直流正極性で溶接するか、図1(b)のように、フラ
ックス入りワイヤが正極となる期間が存在しても、その
期間は40%未満、即ち、フラックス入りワイヤが負極
となる正極性の期間が全体の60%以上であるようにす
る。なお、全期間、フラックス入りワイヤが正極性であ
っても、図1(c)に示すように、電源の波形はパルス
であってもよい。
【0021】(6)正極性比率:ワイヤを負極とする時
間比率が60%以上 溶接ワイヤを負極とする時間比率が60%以上の交流で
はアークは安定しており、スパッタが少ないが、60未
満ではスパッタの発生が多く、溶接の作業性は悪化す
る。
間比率が60%以上 溶接ワイヤを負極とする時間比率が60%以上の交流で
はアークは安定しており、スパッタが少ないが、60未
満ではスパッタの発生が多く、溶接の作業性は悪化す
る。
【0022】(7)パルス周波数:100乃至360H
z パルス周波数が100Hz未満の場合は特に開先壁面で
のアーク不安定(大粒スパッタ)が起こり、360Hz
を超えるとワイヤが溶融池に突っ込み、溶融プールの吹
き飛び等により作業性が極めて悪くなる。このため、パ
ルス周波数は、100乃至360Hzとする。
z パルス周波数が100Hz未満の場合は特に開先壁面で
のアーク不安定(大粒スパッタ)が起こり、360Hz
を超えるとワイヤが溶融池に突っ込み、溶融プールの吹
き飛び等により作業性が極めて悪くなる。このため、パ
ルス周波数は、100乃至360Hzとする。
【0023】(8)ギャップ範囲:0乃至3mm 開先ギャップが3mm以上の大きな値になると、溶接時
間が長くなり、作業能率が低下する。このため、開先ギ
ャップは3mm以下とすることが好ましい。
間が長くなり、作業能率が低下する。このため、開先ギ
ャップは3mm以下とすることが好ましい。
【0024】(9)ワイヤ径:1.4乃至1.8mm ワイヤ径が1.8mmを超える太径になると、溶接電流
が高いため、溶融池が大きくなり、上向姿勢等では溶融
金属の垂れ落ちが発生する。
が高いため、溶融池が大きくなり、上向姿勢等では溶融
金属の垂れ落ちが発生する。
【0025】一方、ワイヤ径が1.4mm未満の細径ワ
イヤでは、溶接電流が低いため、開先ギャップが0乃至
3mmでは裏波ヒ゛ート゛を形成することができない。ま
た、溶接電流を増加させると、ワイヤ溶融量も増加し、
溶融池も増加し、溶融池が過大になってビードの垂れ落
ちが発生する。このため、ワイヤ径は1.4乃至1.8
mmとすることが好ましい。
イヤでは、溶接電流が低いため、開先ギャップが0乃至
3mmでは裏波ヒ゛ート゛を形成することができない。ま
た、溶接電流を増加させると、ワイヤ溶融量も増加し、
溶融池も増加し、溶融池が過大になってビードの垂れ落
ちが発生する。このため、ワイヤ径は1.4乃至1.8
mmとすることが好ましい。
【0026】(10)セラミックス製の裏当材 セラミックス製の裏当材は裏波ビードを安定化する作用
を有する。このため、本発明においても、セラミックス
製の裏当材を使用することができる。
を有する。このため、本発明においても、セラミックス
製の裏当材を使用することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について本発明の範囲
から外れる比較例と比較してその特性の評価結果につい
て説明する。下記表1はワイヤ成分、フラックス率、酸
素含有量、ビード垂れ、割れ試験、溶接作業性、アーク
の集中性、衝撃値を示す。但し、ワイヤ径は1.6mm
である。また、割れ試験は上向溶接により280A−2
2V−25cpmで溶接した場合に、板厚が20mmで
の中央部での割れの発生の有無であり、始端部は除くも
のである。更に、酸素含有量及び衝撃値はいずれも下向
き溶接により270A−24V−20cpmで6層12
パスで溶接した場合に、試験板(厚さ20mm)の中央
から採取した試験片より分析・試験した結果である。こ
れらのいずれの場合も、ワイヤを負極とする正極性で溶
接した。
から外れる比較例と比較してその特性の評価結果につい
て説明する。下記表1はワイヤ成分、フラックス率、酸
素含有量、ビード垂れ、割れ試験、溶接作業性、アーク
の集中性、衝撃値を示す。但し、ワイヤ径は1.6mm
である。また、割れ試験は上向溶接により280A−2
2V−25cpmで溶接した場合に、板厚が20mmで
の中央部での割れの発生の有無であり、始端部は除くも
のである。更に、酸素含有量及び衝撃値はいずれも下向
き溶接により270A−24V−20cpmで6層12
パスで溶接した場合に、試験板(厚さ20mm)の中央
から採取した試験片より分析・試験した結果である。こ
れらのいずれの場合も、ワイヤを負極とする正極性で溶
接した。
【0028】
【表1】 この表1に示すように、本発明の実施例は、ビードの垂
れ、割れ、溶接作業性、アークの集中性が優れており、
衝撃値も高い。これに対し、本発明の請求項1から外れ
る比較例のワイヤは上述のいずれかの特性が悪い。
れ、割れ、溶接作業性、アークの集中性が優れており、
衝撃値も高い。これに対し、本発明の請求項1から外れ
る比較例のワイヤは上述のいずれかの特性が悪い。
【0029】次に、極性が溶接作業性に及ぼす影響につ
いて説明する。下記表2はこの極性及び極性比率と、溶
接作業性との関係を示す。使用したワイヤは、表1のN
o.1のワイヤである。また、溶接姿勢は下向きであ
る。溶接条件は、溶接電流:270〜300A、溶接電
圧:25〜27V、溶接速度:30cm/分、シールド
ガス:CO2100%・20リットル/分、ワイヤ突出
長:20mmである。
いて説明する。下記表2はこの極性及び極性比率と、溶
接作業性との関係を示す。使用したワイヤは、表1のN
o.1のワイヤである。また、溶接姿勢は下向きであ
る。溶接条件は、溶接電流:270〜300A、溶接電
圧:25〜27V、溶接速度:30cm/分、シールド
ガス:CO2100%・20リットル/分、ワイヤ突出
長:20mmである。
【0030】
【表2】 この表2に示すように、フラックス入りワイヤを負極と
する時間比率(正極性比率)が60%以上の場合及び直
流正極性の場合(実施例24乃至26)にスパッタが少
なく、溶接作業性が優れている。
する時間比率(正極性比率)が60%以上の場合及び直
流正極性の場合(実施例24乃至26)にスパッタが少
なく、溶接作業性が優れている。
【0031】次に、パルス周波数が溶接作業性に及ぼす
影響について説明する。下記表3はパルス周波数と、初
層の作業性及び2層目以降の作業性との関係を示す。溶
接条件は、上向溶接(ピーク電流500A、ベース電流
70A)である。溶接条件は、溶接電流:300A、溶
接電圧:22V、溶接速度:28cm/分、シールドガ
ス:CO2100%・25リットル/分、ワイヤ突出
長:15mmである。パルス周波数はピーク時間を変更
することにより調整した。また、ワイヤを負極とする正
極性で溶接した。この表3に示すように、周波数が本発
明請求項3の範囲に入る実施例31乃至33の場合は溶
接作業性が優れているのに対し、比較例34,35の場
合は溶接作業性が悪い。
影響について説明する。下記表3はパルス周波数と、初
層の作業性及び2層目以降の作業性との関係を示す。溶
接条件は、上向溶接(ピーク電流500A、ベース電流
70A)である。溶接条件は、溶接電流:300A、溶
接電圧:22V、溶接速度:28cm/分、シールドガ
ス:CO2100%・25リットル/分、ワイヤ突出
長:15mmである。パルス周波数はピーク時間を変更
することにより調整した。また、ワイヤを負極とする正
極性で溶接した。この表3に示すように、周波数が本発
明請求項3の範囲に入る実施例31乃至33の場合は溶
接作業性が優れているのに対し、比較例34,35の場
合は溶接作業性が悪い。
【0032】次に、開先形状と裏ビード形状との関係を
説明する。下記表4及び5は開先形状及びギャップと欠
陥及び裏ビード形状との関係を示す。溶接条件として
は、溶接姿勢は表4の場合は上向姿勢、表5の場合は立
向上進姿勢であり、板厚16mm、板の長さは500m
mであり、4層4パスで溶接した。シールドガスはCO
2、25リットル/分、ワイヤ突出し長は15mmであ
る。これらの表4及び表5に示すように、開先ギャップ
が本発明の請求項4から外れる比較例44及び53の場
合は、アークタイムが長い。
説明する。下記表4及び5は開先形状及びギャップと欠
陥及び裏ビード形状との関係を示す。溶接条件として
は、溶接姿勢は表4の場合は上向姿勢、表5の場合は立
向上進姿勢であり、板厚16mm、板の長さは500m
mであり、4層4パスで溶接した。シールドガスはCO
2、25リットル/分、ワイヤ突出し長は15mmであ
る。これらの表4及び表5に示すように、開先ギャップ
が本発明の請求項4から外れる比較例44及び53の場
合は、アークタイムが長い。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】 次に、ワイヤ径と裏ビード形状との関係について説明す
る。下記表6はワイヤ径と、上向及び横向溶接時の裏ビ
ード形状を示す。溶接条件は上向は表4のNo.41の
初層条件と同じであり、立向は表5のNo.51の初層
条件と同じである。この表6に示すように、ワイヤ径が
本発明の請求項4から外れる比較例61,65の場合
は、裏ビード形状が劣るのに対し、本発明の実施例62
乃至64の場合は、裏ビード形状が良好であった。
る。下記表6はワイヤ径と、上向及び横向溶接時の裏ビ
ード形状を示す。溶接条件は上向は表4のNo.41の
初層条件と同じであり、立向は表5のNo.51の初層
条件と同じである。この表6に示すように、ワイヤ径が
本発明の請求項4から外れる比較例61,65の場合
は、裏ビード形状が劣るのに対し、本発明の実施例62
乃至64の場合は、裏ビード形状が良好であった。
【0036】
【表6】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フラックス入りワイヤのAl、Mg量及びフラックス率
を調整し、フラックス入りワイヤを負極とする正極性に
よる溶接を行うから、上向及び立向姿勢での溶接におい
て欠陥の発生を防止でき、上向及び立向姿勢においてギ
ャップ=0mm(溶接面積の減少)での施工が可能であ
り、溶接時間を短縮することができ、溶接能率を向上さ
せることができる。また、パルス電源を使用すれば、溶
接時間を更に一層短縮することができる。更に、安価な
CO2溶接が可能である。そして、本発明のワイヤにお
いては、溶着金属の粘性を高めることができるので、溶
着金属が垂れ落ちにくく、高電流での溶接が可能であ
り、酸素含有量が低いため、耐割れ性が優れている。
フラックス入りワイヤのAl、Mg量及びフラックス率
を調整し、フラックス入りワイヤを負極とする正極性に
よる溶接を行うから、上向及び立向姿勢での溶接におい
て欠陥の発生を防止でき、上向及び立向姿勢においてギ
ャップ=0mm(溶接面積の減少)での施工が可能であ
り、溶接時間を短縮することができ、溶接能率を向上さ
せることができる。また、パルス電源を使用すれば、溶
接時間を更に一層短縮することができる。更に、安価な
CO2溶接が可能である。そして、本発明のワイヤにお
いては、溶着金属の粘性を高めることができるので、溶
着金属が垂れ落ちにくく、高電流での溶接が可能であ
り、酸素含有量が低いため、耐割れ性が優れている。
【図1】本発明の電源波形を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/095 501 B23K 9/095 501G 33/00 33/00 Z 35/02 35/02 D 35/368 35/368 B 37/06 37/06 F
Claims (5)
- 【請求項1】 フラックス中の成分のうち、Al及びM
gがワイヤ全重量に対してAl:2乃至3.5重量%、
Mg:0.1乃至0.9重量%であり、フラックス率が
10乃至20重量%であるフラックス入りワイヤを使用
し、このフラックス入りワイヤを負極とする直流正極性
によりガスシールドアーク溶接することによって溶着金
属中の酸素含有量を200ppm以下とすることを特徴
とする片面溶接方法。 - 【請求項2】 フラックス中の成分のうち、Al及びM
gがワイヤ全重量に対してAl:2乃至3.5重量%、
Mg:0.1乃至0.9重量%であり、フラックス率が
10乃至20重量%であるフラックス入りワイヤを使用
し、このフラックス入りワイヤを負極とし、負極の時間
比率が60%以上である交流電源によりガスシールドア
ーク溶接することによって溶着金属中の酸素含有量を2
00ppm以下とすることを特徴とする片面溶接方法。 - 【請求項3】 フラックス中の成分のうち、Al及びM
gがワイヤ全重量に対してAl:2乃至3.5重量%、
Mg:0.1乃至0.9重量%であり、フラックス率が
10乃至20重量%であるフラックス入りワイヤを使用
し、このフラックス入りワイヤを負極とし、周波数領域
が100乃至360Hzである直流パルスによりガスシ
ールドアーク溶接することによって溶着金属中の酸素含
有量を200ppm以下とすることを特徴とする片面溶
接方法。 - 【請求項4】 溶接すべき継手のギャップ範囲が0乃至
3mm、ワイヤの直径が1.4乃至1.8mmであるこ
とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
片面溶接方法。 - 【請求項5】 セラミックス系裏当材を使用することを
特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の片面
溶接方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7471498A JPH11267843A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 片面溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7471498A JPH11267843A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 片面溶接方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11267843A true JPH11267843A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13555177
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7471498A Pending JPH11267843A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 片面溶接方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11267843A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1459830B1 (en) * | 2003-03-19 | 2008-03-19 | Taiyo Nippon Sanso Corporation | Tig welding method and welded object |
| WO2015186544A1 (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-10 | Jfeスチール株式会社 | 立向き狭開先ガスシールドアーク溶接方法 |
-
1998
- 1998-03-23 JP JP7471498A patent/JPH11267843A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1459830B1 (en) * | 2003-03-19 | 2008-03-19 | Taiyo Nippon Sanso Corporation | Tig welding method and welded object |
| WO2015186544A1 (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-10 | Jfeスチール株式会社 | 立向き狭開先ガスシールドアーク溶接方法 |
| JP5884209B1 (ja) * | 2014-06-02 | 2016-03-15 | Jfeスチール株式会社 | 立向き狭開先ガスシールドアーク溶接方法 |
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