JPH11269574A - ウィスカ強化合金製機械部材の製造方法およびウィスカ強化合金製機械部材 - Google Patents

ウィスカ強化合金製機械部材の製造方法およびウィスカ強化合金製機械部材

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JPH11269574A
JPH11269574A JP7038298A JP7038298A JPH11269574A JP H11269574 A JPH11269574 A JP H11269574A JP 7038298 A JP7038298 A JP 7038298A JP 7038298 A JP7038298 A JP 7038298A JP H11269574 A JPH11269574 A JP H11269574A
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JP
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alloy
whisker
preform
reinforcing material
whiskers
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JP7038298A
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English (en)
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Wataru Iida
亘 飯田
Hajime Fukami
肇 深見
Katsuhiko Takeuchi
勝彦 竹内
Kozo Imanishi
耕造 今西
Naohisa Nishino
直久 西野
Shinichi Towata
真一 砥綿
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Toyoda Koki KK
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的複雑な形状の機械部材を従来技術より
も安価に製造することができるウィスカ強化合金製機械
部材の製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明のウィスカ強化合金製機械部材の
製造方法は、以下の工程からなる。第1のプリフォーム
工程では、所望の機械部材の概略形状を分割した複数の
単純形状にウィスカを成形し、ウィスカからなる複数の
プリフォーム材を製造する。第2の強化材形成工程で
は、複数のプリフォーム材を上記概略形状に組み合わせ
て固定し、ウィスカからなる強化材1を形成する。第3
の鋳造工程では、強化材1が挿置された鋳型41内に母
材合金の溶湯2’を注湯し、加圧して溶湯2’を強化材
に含浸させたうえで冷却して固化させ、母材合金と強化
材1との複合材を鋳造する。製造する機械部材の概略形
状に複合材が形成されるので、削りだし工数とウィスカ
の材料費とが減り、コストダウンになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属基複合材の技
術分野に属し、特にウィスカ強化合金製機械部材の製造
方法の技術分野に属する。本発明はまた、機械部材の技
術分野に属し、特に上記製造方法によって製造されるウ
ィスカ強化合金製機械部材の技術分野にも属する。
【0002】
【従来の技術】工作機械を含む各種機械装置の高速化お
よび加速減速の急速化に伴い、同機械装置を構成してい
る部材のうち回転や並進運動などを行う移動部材には、
要求される特性を満たしながらより軽量であることが求
められている。ここで要求される特性には、高強度、高
剛性、低熱膨張率および良好な加工性などが含まれる。
【0003】これらの特性を満たす軽量部材のうちの一
つとして、ホウ酸アルミニウム・ウィスカ強化アルミニ
ウム合金複合材料があり、生産性に優れた加圧鋳造法に
よって製造される同複合材料が有望視されている。同複
合材料は、ホウ酸アルミニウム・ウィスカのプリフォー
ム中に母材のアルミニウム合金を加圧含浸した複合材料
であって、強度、剛性、熱膨張率、耐摩耗性などの特性
に優れているうえに、価格面でも比較的低コストであ
る。同複合材料に関する文献としては、たとえば「ほう
酸アルミニウムウィスカ強化AC8Aアルミニウム合金
複合材料の強度と耐熱性評価」(菅沼克昭他、軽金属、
1991年、第41巻第4号、270〜275頁)など
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術としての前述の加圧鋳造によるホウ酸アルミニウム・
ウィスカ強化アルミニウム合金複合材料では、大型で複
雑な形状のホウ酸アルミニウム・ウィスカのプリフォー
ムの製造が非常に困難である。それゆえ、従来技術によ
り製造されているホウ酸アルミニウム・ウィスカのプリ
フォームは単純形状に限定されており、単純形状の素材
以外の製造は困難である。すなわち、従来技術によって
は、丸無垢材、中空円筒材、角材等の極めて単純な形状
の素材しか上記複合材料で製造されておらず、大型で比
較的複雑な形状の素材を製造することは困難である。
【0005】そのうえ、上記複合材料は比較的加工性が
良いとはいえ、通常の鋳鉄や鋼材と同様な高能率で切削
したり研削したりすることはできないので、工作機械の
主軸等の比較的複雑な形状の機械部材を切削または研削
で製造するには工数がかかる。また、単純形状の素材か
ら比較的複雑な機械部材を削り出すと、比較的高価なウ
ィスカの歩留まり率も低くなるので、ウィスカの歩留ま
り率の点からも不利である。すなわち、ウィスカを含む
単純形状の複合材素材から比較的複雑な機械部材を削り
出すと、加工工数の点でもウィスカの歩留まり率の点で
も、コストの上昇につながるという不都合がある。
【0006】そこで本発明は、比較的複雑な形状の大型
機械部材を従来技術よりも安価に製造することができる
ウィスカ強化合金製機械部材の製造方法を提供すること
を、解決すべき課題とする。また、同製造方法によって
より安価に製造されるウィスカ強化合金製機械部材を提
供することをも、解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明
した。 [製造方法の発明] (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載のウィ
スカ強化合金製機械部材の製造方法である。
【0008】本手段では、プリフォーム製造工程と強化
材プリフォーム形成工程と鋳造工程とが順次行われて、
ウィスカ強化合金製機械部材が製造される。すなわち先
ず、プリフォーム製造工程では、所望の機械部材の概略
形状を分割した複数の単純形状にウィスカが成形され、
ウィスカからなる複数のプリフォームが製造される。前
述のように、ウィスカからなるプリフォームを複雑な形
状に形成することは困難であるが、単純形状のプリフォ
ームを製造することは特に大きな困難を伴わないので、
本工程は容易かつ安価に実施される。
【0009】次に、強化材プリフォーム形成工程では、
複数のプリフォームを所望の機械部材の概略形状に組み
合わせて固定し、ウィスカからなる所望の機械部材の概
略形状をした強化材プリフォームが形成される。この
際、通常は複数のプリフォームが互いに圧着されて固定
されるので、互いに隣り合うプリフォームの互いに当接
する当接面では、両プリフォームのウィスカがある程度
互いに入り組み、絡まり合って一体的に強化材プリフォ
ームが形成される。それゆえ、鋳造後の複合材におい
て、各プリフォームの接合面での強度低下はあまり大き
くはなく、接合部以外での強度に近い強度が各プリフォ
ームの接合面でも得られる。
【0010】さらに鋳造工程では、所望の機械部材の概
略形状をした強化材プリフォームが鋳型内に挿置された
状態で、母材合金の溶湯が、強化材プリフォームを収容
している鋳型内に注湯される。そして、鋳型内の溶湯が
加圧され、母材合金の溶湯は強化材プリフォームの微細
空間にまで含浸させされる。そのうえで溶湯は冷却して
固化させられ、溶湯が固化した母材合金とウィスカから
なる強化材プリフォームとの複合材が、所望の機械部材
の概略形状に鋳造される。
【0011】本手段では、以上のように、単純形状のプ
リフォームを複数個成形してこれらを組み合わせること
によって、所望の機械部材の概略形状にウィスカからな
る強化材プリフォームが形成される。すなわち本手段で
は、所望の機械部材の概略形状に初めからウィスカから
なるプリフォームを成形することなしに、ウィスカから
なる単純形状のプリフォームを組み合わせることによっ
て、所望の機械部材の概略形状に強化材プリフォームが
形成される。それゆえ、鋳造工程の結果、ウィスカから
なる強化材と母材合金との複合材は、所望の機械部材の
概略形状に形成されている。
【0012】その結果、初めからウィスカからなるプリ
フォームを所望の機械部材の概略形状に成形する必要が
ないので、プリフォームを製造する工程に困難がなく、
プリフォームの形成工程における製造コストが低減され
る。しかも、鋳造工程の結果得られる強化材プリフォー
ムと母材合金との複合材は、所望の機械部材の概略形状
に形成されているので、切削が比較的困難な複合材部分
を切削する工程は、最低限に抑制され、工数低減にな
る。また、プリフォームの部分の切削が少なくなるの
で、高価なプリフォームの歩留まり率が向上し、高価な
ウィスカ材料の材料費の節減になる。すなわち、工数の
低減効果と材料費の節減効果とにより、コストダウンが
可能になる。
【0013】したがって本手段によれば、比較的複雑な
形状の大型機械部材を、従来技術よりも安価に製造する
ことができるウィスカ強化合金製機械部材の製造方法を
提供することができるという効果がある。 (第2手段)本発明の第2手段は、請求項2記載のウィ
スカ強化合金製機械部材の製造方法である。
【0014】本手段では、ウィスカは、ホウ酸アルミニ
ウム・ウィスカであるか、あるいは少なくともアルミナ
短繊維を含むホウ酸アルミニウム・ウィスカであり、母
材合金は、アルミニウム合金である。それゆえ、強化材
プリフォームを形成するウィスカと母材合金との濡れ性
が高く、鋳造工程で互いに良くなじむので、より強固な
複合材が形成される。また、アルミニウム合金の比重は
鋼材の三分の一程度であり、ホウ酸アルミニウム・ウィ
スカの比重もアルミニウム合金と同程度なので、製造さ
れるウィスカ強化合金製機械部材の比重は鉄鋼の三分の
一程度になり、高い軽量化効果が得られる。
【0015】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、よりいっそう高強度低比重のウィス
カ強化合金製機械部材を製造することができるという効
果がある。 (第3手段)本発明の第3手段は、請求項3記載のウィ
スカ強化合金製機械部材の製造方法である。
【0016】本手段では、強化材プリフォーム形成工程
では、鋳型内に固定される中子に中子に嵌合する孔が形
成された複数のプリフォームが順次はめ込まれて固定さ
れ、プリフォームが積み重ねられて固定された強化材プ
リフォームが形成されるに至る。すなわち、中子にプリ
フォームをはめ込んで積層することにより、たとえば回
転対称形の大型機械部材を製造する場合、中子が複数の
プリフォームの軸心を合わせて同軸に固定する作用を果
たす。その結果、プリフォームが積層された強化材プリ
フォームは精度良く同軸に形成されるうえに、鋳造工程
の結果できあがる複合材が中子の形状に中空部が形成さ
れた中空部材として形成されるので、仕上げ工程で中ぐ
り加工が少なくて済むようになる。
【0017】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、中空部材が寸法精度良く、かつ安価
に製造することができるようになるという効果がある。 (第4手段)本発明の第4手段は、請求項4記載のウィ
スカ強化合金製機械部材の製造方法である。
【0018】本手段では、鋳造工程の後に、鋳造された
複合材を切削して荒加工したのち、複合材を熱処理して
から精密な切削または研削による仕上げ加工を行う仕上
げ工程をさらに有する。すなわち、鋳造されたままの状
態では、鋳造部材の中には、母材合金だけからなる部分
と複合材からなる部分とが併存している。それゆえ、鋳
造部材をこのままの状態にして熱処理を加えると、母材
合金だけからなる部分と複合材からなる部分との間で互
いに異なる熱膨張率に起因して、鋳造部材が割れること
がある。そこで、荒加工により母材合金だけからなる部
分を削り落としてしまい、複合材からなる部分だけで仕
上がり寸法よりもやや余裕がある外形寸法に部材外形を
整えるようにする。この荒加工により、複合材の周りに
付いている母材合金だけからなる部分を削り落としてあ
るので、熱処理を施した際にも、熱膨張率の差違に起因
して鋳造部材が割れることが防止される。
【0019】しかる後、熱処理を施せば、母材合金が鋼
材であれば焼き入れおよび焼き鈍しなどが可能である
し、母材合金がアルミニウム合金である場合には、時効
硬化の促進が可能である。いずれの材料の場合でも、熱
処理により内部応力が緩和され、製品の強度を向上させ
る効果が期待できる。内部応力が緩和されていれば、以
後の変形が未然に防止されるので、寸法精度が向上す
る。
【0020】そして最後に精密な切削または研削による
仕上げ加工を行えば、寸法精度を向上させることができ
るだけではなく、経年変化による変形をも熱処理によっ
て抑制することができ、長期間に渡っての寸法精度の維
持が期待できる。したがって本手段によれば、前述の第
1手段の効果に加えて、熱処理時の割れを防止しながら
熱処理による材質の改善ができ、長期間に渡る製品の寸
法精度も向上するという効果がある。
【0021】[物の発明] (第5手段)本発明の第5手段は、請求項5記載のウィ
スカ強化合金製機械部材である。本手段は、ウィスカか
らなる単純な形状の複数の部分が一体に接合されて成形
されている強化材プリフォームと、各部分を互いに接合
するとともに強化材プリフォームのウィスカの間の微細
な空間を満たす母材合金とからなる。それゆえ本手段
は、前述の実施例1と同様な理由で安価に製造される。
【0022】したがって本手段によれば、より安価に製
造されるウィスカ強化合金製機械部材を提供することが
できるという効果がある。
【0023】
【発明の実施の形態および実施例】本発明のウィスカ強
化合金製機械部材の製造方法およびウィスカ強化合金製
機械部材の実施の形態については、当業者に実施可能な
理解が得られるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説
明する。 [実施例1] (実施例1の製造方法)本発明の実施例1としてのウィ
スカ強化合金製機械部材の製造方法は、図1に示すよう
な完成形状をもつウィスカ強化合金製の工作機械の主軸
ハウジング部材100を製造する方法である。
【0024】本発明のウィスカ強化合金製機械部材であ
る主軸ハウジング部材100を従来技術によって製造し
ようとすると、破線100’で示す外形の中空円筒体の
ウィスカ強化合金製の複合材を素材として主軸ハウジン
グ部材100を削り出すことになる。すると、合金材に
比べて切削性が劣る複合材を多量に削り出すのに工数が
かかるとともに、ウィスカ強化複合材部分を多量に削り
出すので高価なウィスカ材の歩留まり率が悪くなる。そ
の結果、従来技術の製造方法によっては、製造コストお
よび材料コストともに高くなるので、このような形状の
主軸ハウジング部材100は高価な製品にならざるを得
ない。
【0025】そこで、本発明のウィスカ強化合金製機械
部材の製造方法では、プリフォーム製造工程と強化材プ
リフォーム形成工程と鋳造工程と仕上げ工程とが順次行
われて、ウィスカ強化合金製機械部材(回転部材)であ
る主軸ハウジング部材100が製造される。すなわち先
ず、プリフォーム製造工程では、図2に示すように、主
軸ハウジング部材100の概略形状を分割した複数の単
純形状にホウ酸アルミニウム・ウィスカが成形され、同
ウィスカからなる複数のプリフォーム11〜16が製造
される。前述のように、ウィスカからなるプリフォーム
を複雑な形状に形成することは困難であるが、単純な略
中空円筒状のプリフォーム11〜16を製造することは
特に大きな困難を伴わないので、本工程は容易かつ安価
に実施される。
【0026】ここで、繊維状のホウ酸アルミニウム・ウ
ィスカの材料から固形のプリフォーム11〜16を成形
するには、図3(a)〜(b)に示すように、容器状の
成形治具3を使用する。この成形治具3を使用してプリ
フォーム11〜16の成形を行う手順は、一例としてプ
リフォーム14を取り上げ、図4を参照して説明する
と、次の通りである。
【0027】すなわち先ず、に示すように、フランジ
部311と中子部312とからなる中子31にリング状
のドーナツ型32をはめ込んで一体化し、に示すよう
に、蝶番で開閉できるようになっている側面型33を開
き、中子32の周囲を覆う。そして、に示すように、
側面型33を閉じて止め金具34で固定した後、側面型
33の中の中子部312の周囲に、原料としてのホウ酸
アルミニウム・ウィスカ等を投入する。ウィスカの投入
後、ウィスカの表面を平均的にならして振動を加え、ウ
ィスカを互いに入り組ませてウィスカの占める容積をあ
る程度減らしておく。
【0028】ここで、上記原材料は、ホウ酸アルミニウ
ム・ウィスカが78%、アルミナ繊維が22%の混合物
から構成されており、さらに上記原材料には、微量のシ
リカバインダが加えられている。ホウ酸アルミニウム・
ウィスカにアルミナ短繊維を混入する目的は、プリフォ
ームの成形性および強度を高め、後工程でのプリフォー
ムのハンドリング性を向上させることである。
【0029】しかる後、に示すように、中子31およ
び側面型33に上蓋型35を被せ、上蓋型35でウィス
カを所定の形状および容積になるように、圧縮してウィ
スカを固定する。この状態は、前述の図3(b)に示す
状態であって、ウィスカは圧力によって、中子部31
2、側面型33、ドーナツ型32および上蓋型35によ
って形成されている略中空円筒状の空間内で、プリフォ
ーム14に押し固められる。なお、ウィスカによって形
成されるプリフォーム14の略中空円筒体は、内周面が
少しテーパした円錐面によって形成されている。
【0030】所定時間後、ウィスカがプリフォーム14
に押し固められた段階で、に示すように、上蓋型35
と側面型33とを順に外し、さらにに示すように、突
起361が付いた皿型36を下に置いて、中子31のフ
ランジ部311の貫通孔310に嵌合させる。そして、
に示すように、プリフォーム14とドーナツ型32と
を、中子31から取り外し、に示すように、プリフォ
ーム14とドーナツ型32とを裏返した後、ドーナツ型
32を取り外せば、プリフォーム14が完成する。
【0031】全てのプリフォーム11〜16は、以上の
ようにして形成されるが、プリフォーム11〜16のう
ち主軸ハウジング部材100の中間フランジ部102
(図1参照)を形成するプリフォーム13だけには内径
がより大きな側面型が使用される。他のプリフォーム1
1,12,14〜16には、同じ側面型33が使用され
るが、中子の中子部の外径が異なっている。その結果、
再び図2に示すように、同一のテーパー角をもち互いに
隣り合うプリフォーム11〜16と内径が等しいプリフ
ォーム11〜16が形成される。以上をもって、プリフ
ォーム製造工程は完了である。
【0032】次に、強化材プリフォーム形成工程では、
複数のプリフォーム11〜16を主軸ハウジング部材1
00の概略形状に組み合わせて固定し、ウィスカからな
る主軸ハウジング部材100の概略形状をした強化材プ
リフォーム1が形成される。すなわち、図5に示すよう
に、鋳型(モールド)41が300℃に予熱され、中子
42が350℃に、各プリフォーム11〜16が800
℃に、パンチ44が300℃に、それぞれ予熱される。
しかる後、図6に示すように、台座に水平に置かれた鋳
型41に中子42が挿置され、鋳型41内に固定された
中子42に対し、中子42に嵌合する孔が形成された六
個のプリフォーム11〜16が順次はめ込まれて固定さ
れる。すなわち、中子42に全てのプリフォーム11〜
16が嵌装された後、ボルト止めの押さえ金具43によ
ってプリフォーム11〜16は軸線方向に所定の寸法に
まで圧縮され、プリフォーム11〜16が積み重ねられ
て固定された強化材プリフォーム1が形成されるに至
る。この際、中子42にプリフォーム11〜16をはめ
込んで積層することにより、中子42が各プリフォーム
11〜16の軸心を合わせて同軸に固定する作用を果た
す。その結果、プリフォーム11〜16が積層された強
化材プリフォーム1は、精度良く同軸に形成される。そ
れゆえ、その後の鋳造工程の結果できあがる複合材は、
回転対称形の主軸ハウジング部材100の素材として好
適である。そのうえ、中子の形状に中空部が形成された
中空部材として形成されるので、仕上げ工程で中ぐり加
工が少なくて済むようになる。
【0033】また、各プリフォーム11〜16が互いに
圧着されて固定されるので、それぞれの当接面では、互
いに当接するプリフォームのウィスカがある程度互いに
入り組み、絡まり合って一体的に強化材プリフォーム1
が形成される。それゆえ、鋳造後の複合材200(図1
0参照)において、各プリフォーム11〜16の接合面
での強度低下はあまり大きくはなく、接合部以外での強
度に近い強度が各プリフォーム11〜16の接合面でも
得られる。
【0034】さらに鋳造工程では、図7に示すように、
主軸ハウジング部材100の概略形状をした強化材プリ
フォーム1が鋳型41内に挿置された状態で、アルミニ
ウム合金からなる母材合金2の溶湯2’が、強化材プリ
フォーム1を収容している鋳型41内に注湯される。こ
こで、母材合金2であるアルミニウム合金の主要成分
は、アルミニウム87%、ケイ素11%、銅2%であ
り、溶湯2’の温度は850℃である。
【0035】そして、図8に示すように、パンチ44に
より鋳型41内の溶湯2’が約100MPaに加圧さ
れ、母材合金2の溶湯2’は強化材プリフォーム1の微
細空間にまで含浸させされる。そのうえで溶湯2’が冷
却して固化したのち、図9に示すように、パンチ44が
取り除かれ、ノックアウトピストン45により鋳造物2
00が鋳型41から取り出される。なお、この取り出し
を容易にする目的で、鋳型41の内周面は、わずかに末
広がりのテーパー面に形成されている。
【0036】しかる後、押さえ金具43部分を削り落と
して中子42を取り外せば、図10に示すように、溶湯
27が固化した母材合金2とウィスカからなる強化材プ
リフォーム1との複合材21が、主軸ハウジング部材1
00の概略形状に鋳造される。なお、鋳造物200のう
ち、複合材部分21の外周には、アルミニウム合金だけ
からなる合金部分22が形成されている。
【0037】最後に、仕上げ工程では、鋳造物200を
切削して荒加工したのち、複合材21を熱処理してから
精密な研削を行う仕上げ加工が行われる。すなわち、鋳
造されたままの状態では、再び図10に示すように、鋳
造物200は、母材合金だけからなる部分22と複合材
からなる部分21とが併存している。それゆえ、鋳造物
200をこのままの状態にして熱処理を加えると、母材
合金だけからなる部分22と複合材からなる部分21と
の間で互いに異なる熱膨張率に起因して、鋳造物200
に割れが発生することがある。そこで、荒加工によって
母材合金だけからなる部分22を削り落としてしまい、
複合材21からなる部分だけで仕上がり寸法よりも2〜
3mm程度の余裕がある外形寸法に部材外形を整えるよ
うにする。この荒加工により、複合材21の周りに付い
ている母材合金だけからなる部分22は削り落とされて
いるので、熱処理が施された際にも、熱膨張率の差違に
起因して鋳造物200の複合材21が割れることは、防
止されている。
【0038】しかる後、熱処理を施せば、アルミニウム
合金の母材合金2に、時効硬化の促進と内部応力の緩和
とが行われ、製品である主軸ハウジング部材100の強
度を向上させる効果が期待できる。熱処理では、T6熱
処理が施され、溶体化処理(525℃×8h)後、時効
処理(160℃×10h)が行われる。また、熱処理に
より主軸ハウジング部材100の内部応力が緩和されて
いれば、以後の変形が未然に防止されるので、寸法精度
が向上するうえ、強度も向上する。さらに、熱処理によ
り熱膨張のヒステリシスが低減されるという効果もあ
る。
【0039】そして最後に精密な研削による仕上げ加工
を施して主軸ハウジング部材100を完成させれば、寸
法精度を向上させることができるだけではなく、経年変
化による変形をも熱処理によって抑制することができ、
長期間に渡っての寸法精度の維持が期待できる。なお、
以上の製造方法のうち、鋳造工程の型バラシまでにかか
る時間は約8時間であり、工数は5〜6マンアワー程度
である。
【0040】(実施例1の作用効果)本実施例のウィス
カ強化合金製機械部材の製造方法は、以上のように実施
されるので、以下のような作用効果を発揮する。すなわ
ち、本実施例のウィスカ強化合金製機械部材の製造方法
では、以上のように、単純形状のプリフォーム11〜1
6を成形してこれらを組み合わせることによって、主軸
ハウジング部材100の概略形状にウィスカ等からなる
強化材プリフォーム1が形成される。すなわち、主軸ハ
ウジング部材100の比較的複雑な概略形状に初めから
ウィスカ等からなるプリフォームを成形することなし
に、単純形状のプリフォーム11〜16を組み合わせる
ことによって、主軸ハウジング部材100の概略形状に
強化材プリフォーム1が形成される。それゆえ、鋳造工
程の結果得られる鋳造物200のうち、ウィスカ等から
なる強化材プリフォーム1と母材合金2との複合材21
は、主軸ハウジング部材100の概略形状に形成されて
いる。
【0041】その結果、初めからウィスカからなるプリ
フォームを主軸ハウジング部材100の概略形状に成形
する必要がないので、プリフォームを製造する工程に困
難がなく、プリフォーム11〜16の形成工程における
製造コストが低減される。しかも、鋳造工程の結果得ら
れる強化材プリフォーム1と母材合金2との複合材21
は、主軸ハウジング部材100の概略形状に形成されて
いるので、切削が比較的困難な複合材部分21を切削す
る工程は、最低限に抑制され、工数低減になる。また、
複合材部分21の部分の切削が少なくなるので、ウィス
カの歩留まり率が向上し、高価なウィスカ材料の材料費
の節減になる。すなわち、工数の低減効果と材料費の節
減効果とにより、コストダウンが可能になる。
【0042】したがって、本実施例のウィスカ強化合金
製機械部材の製造方法によれば、主軸ハウジング部材1
00などのように比較的複雑な形状の大型機械部材を、
従来技術よりも安価に製造することができるという効果
がある。次に、本実施例のウィスカ強化合金製機械部材
の製造方法では、ウィスカ1はアルミナ短繊維を含むホ
ウ酸アルミニウム・ウィスカ(ホウ酸アルミニウム・ウ
ィスカだけでも良い)であり、母材合金2はアルミニウ
ム合金であり、いずれもアルミニウム系の材料である。
それゆえ、強化材プリフォーム1を形成するウィスカと
母材合金2との濡れ性が高く、鋳造工程で互いに良くな
じむので、より強固な複合材21が形成される。また、
アルミニウム合金の比重は鋼材の約三分の一と低く、ホ
ウ酸アルミニウム・ウィスカの比重もアルミニウム合金
程度であるので、製造されるウィスカ強化合金製機械部
材の比重は鉄鋼の三分の一程度になり、高い軽量化効果
が得られるという効果がある。
【0043】具体的には、複合材21から形成された主
軸ハウジング部材100の比重は、2.7〜2.8程度
にしか過ぎず、鉄鋼の比重の約三分の一である。また、
ヤング率は120〜130MPa程度、引っ張り強度は
400MPa程度と見積もられており、高強度高剛性が
達成される。さらに、熱膨張率は10×10-6/℃程度
であると見積もられている。すなわち、主軸ハウジング
部材100を形成する複合材においては、比重は鉄鋼の
三分の一であり、強度および熱膨張率は鋳鉄並みである
うえ、振動の減衰効果は鉄鋼材料よりも良好である。
【0044】(実施例1の製品)本発明の実施例1とし
てのウィスカ強化合金製機械部材は、前述の製造方法に
より製造された主軸ハウジング部材100である。主軸
ハウジング部材100は、再び図1に示すように、ウィ
スカ等からなる単純な形状の複数の部分11〜16が一
体に接合されて成形されている強化材プリフォームと、
各部分11〜16を互いに接合するとともに強化材プリ
フォームの間の微細な空間を満たす母材合金とからなる
複合材で形成されている。
【0045】各部分11〜16の接合面は、前述のよう
に、母材合金で接合されているばかりではなく、ウィス
カ等の強化材プリフォームも互いに入り組んでいるの
で、実用上問題がない引っ張り強度を有している。ま
た、図1中の複合材部分13が示すように、部分12と
の接合面および部分14との接合面は、中間フランジ部
102が形成する隅部(応力が集中する)から外れてい
るので、これらの隅部から割れが発生することは防止さ
れている。
【0046】したがって、本実施例のウィスカ強化合金
製機械部材によれば、従来技術よりも安価でありながら
従来技術と同程度の力学的特性を有する回転部材を提供
することができるという効果がある。 (実施例1の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、再び図1に示すように、小径部101と中間フラン
ジ部102と大径部103とに対応する三つのプリフォ
ームだけを使用して、ウィスカ強化合金製の主軸ハウジ
ング部材100を製造することが可能である。すなわ
ち、図2において、プリフォーム11,12を接合した
一体形状のプリフォームと、プリフォーム13と、プリ
フォーム14〜16を接合した一体形状のプリフォーム
とを形成する。このようにプリフォーム製造工程におけ
るプリフォームの数を低減し、前述の実施例1と同様の
強化材プリフォーム形成工程、鋳造工程および仕上げ工
程を施すことにより、接合部が少なくより強度が高い主
軸ハウジング部材100を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の主軸ハウジング部材の完成形状を
示す断面図
【図2】 実施例1の各プリフォームの形状を示す断面
図
【図3】 実施例1のプリフォームを形成する治具の構
成を示す組図 (a)平面図 (b)側断面図
【図4】 実施例1のプリフォーム製造工程の手順を示
す説明図
【図5】 実施例1の鋳造工程での各部の予熱温度を示
す断面図
【図6】 実施例1の強化材プリフォーム形成工程を示
す断面図
【図7】 実施例1の鋳造工程での注湯を示す模式図
【図8】 実施例1の鋳造工程での加圧鋳造を示す断面
図
【図9】 実施例1の鋳造工程での型出しを示す断面図
【図10】実施例1の鋳造工程後の鋳造物の構成を示す
断面図
【符号の説明】
1:強化材プリフォーム 11〜16:プリフォーム(ホウ酸アルミニウム・ウィ
スカ製) 2:アルミニウム合金(母材合金として) 2’:溶
湯 3:プリフォーム形成用治具 31:中子 310:貫通孔 311:フランジ部 312:中
子部 32:ドーナツ型 33:側面型 34:止め金具 35:上蓋型 36:皿形 361:突起部 40:キャビティー 41:鋳型(モールド) 4
2:中子 43:押さえ金具 44:パンチ 45:ノックア
ウトピストン 100:主軸ハウジング部材(ホウ酸アルミニウム・ウ
ィスカ強化アルミニウム合金製) 101:小径部 102:中間フランジ部 10
3:大径部 100’:従来技術による中空円筒状の素材形状 200:鋳造物 20:中空部 21:複合材部分 22:合金部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深見 肇 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 竹内 勝彦 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 今西 耕造 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 西野 直久 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 砥綿 真一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望の機械部材の概略形状を分割した複数
    の単純形状にウィスカを成形し、該ウィスカからなる複
    数のプリフォームを製造するプリフォーム製造工程と、 該複数のプリフォームを該概略形状に組み合わせて固定
    し、該ウィスカからなる該概略形状の強化材プリフォー
    ムを形成する強化材プリフォーム形成工程と、 該強化材プリフォームが挿置された鋳型内に母材合金の
    溶湯を注湯し、該鋳型内の該溶湯を加圧して該母材合金
    の溶湯を該強化材プリフォーム中に含浸させたうえで該
    溶湯を冷却して固化させ、該母材合金と該ウィスカとの
    複合材を鋳造する鋳造工程と、を有することを特徴とす
    るウィスカ強化合金製機械部材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ウィスカは、ホウ酸アルミニウム・ウ
    ィスカであるか、あるいは少なくともアルミナ短繊維を
    含むホウ酸アルミニウム・ウィスカであり、 前記母材合金は、アルミニウム合金である、 請求項1記載のウィスカ強化合金製機械部材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記強化材プリフォーム形成工程は、前記
    鋳型内に固定される中子に該中子に嵌合する孔が形成さ
    れた前記複数のプリフォームを順次はめ込んで固定し、
    該プリフォームが積み重ねられて固定された前記強化材
    プリフォームを形成する工程である、 請求項1または2に記載のウィスカ強化合金製機械部材
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記鋳造工程の後に、鋳造された前記複合
    材を切削して荒加工したのち、該複合材を熱処理してか
    ら精密な切削または研削による仕上げ加工を行う仕上げ
    工程をさらに有する、 請求項1ないし3に記載のウィスカ強化合金製機械部材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】ウィスカからなる単純な形状の複数の部分
    が一体に接合されて成形されている強化材プリフォーム
    と、各該部分を互いに接合するとともに該ウィスカの間
    の微細な空間を満たす母材合金とからなることを特徴と
    するウィスカ強化合金製機械部材。
JP7038298A 1998-03-19 1998-03-19 ウィスカ強化合金製機械部材の製造方法およびウィスカ強化合金製機械部材 Pending JPH11269574A (ja)

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Cited By (5)

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