JPH11273615A - 大気圧イオン化質量分析方法および装置 - Google Patents

大気圧イオン化質量分析方法および装置

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Publication number
JPH11273615A
JPH11273615A JP10094085A JP9408598A JPH11273615A JP H11273615 A JPH11273615 A JP H11273615A JP 10094085 A JP10094085 A JP 10094085A JP 9408598 A JP9408598 A JP 9408598A JP H11273615 A JPH11273615 A JP H11273615A
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JP
Japan
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gas
ion generating
sample gas
atmospheric pressure
ionization mass
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Application number
JP10094085A
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English (en)
Inventor
Kazuo Nakano
和男 中野
Takeshi Tajima
武 但馬
Keiji Hasumi
啓二 蓮見
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Renesas Eastern Japan Semiconductor Inc
Original Assignee
Hitachi Tokyo Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気中のNOxを高感度に検出し定量する。 【解決手段】 イオン発生部15に一次イオン発生用A
rガス1が導入され、針電極19でイオン化されてNO
xを含まない一次イオンが生成される。一次イオンは一
次イオン発生用ガスと共に混合部30に導入され、試料
ガス2である乾燥空気と混合される。混合部30で乾燥
空気は一次イオンによるイオン−分子反応でイオン化さ
れる。イオン化された試料ガス2は質量分析部11に導
入され分析される。 【効果】 空気に含まれたNOxのイオン分析に際し、
空気成分中のO2 、N2のイオン化でNOxが生成され
てしまう場合でも、予め発生させた一次イオンを混合部
に供給して空気をイオン化させることでNOxの生成を
防止できるため、空気に含まれた微量のNOxを高感度
に分析できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧イオン化質
量分析技術、特に、一酸化窒素(NO)や二酸化窒素
(NO2 )等の窒素酸化物(以下、NOxという。)を
分析する技術に関し、例えば、大気や呼気等の構成物質
に酸素と窒素を含みイオン源内で一酸化窒素や二酸化窒
素等を生成し易い性質を持つ試料ガスに含まれる微量の
一酸化窒素や二酸化窒素等を高感度に検出し定量するの
に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大気圧イオン質量分析装置(At
mospheric Pressure Ioniza
tion Mass Spectrometer。以
下、APIMSという。)は、超微量分析が必要とされ
る分野、例えば、超高純度ガスを必要とする半導体プロ
セスにおいて不可欠な計測装置になっている。
【0003】従来のAPIMSとしては、特開平6−3
110091号公報に記載されているものがある。この
APIMSはイオン発生部と混合部と試料導入部とを備
えており、イオン発生部において一次イオン発生用ガス
の放電によって生成した一次イオンが混合部において試
料ガスと混合され、イオン−分子反応によって試料ガス
に含まれる目的物質がイオン化される。混合部において
生成したイオンは第1電極と第2電極において形成した
電界で細孔に輸送される。細孔を通過して質量分析部に
導入されたイオンは質量分離されて検出される。このA
PIMSによれば、固体シリコンの堆積によるイオン源
内の汚染を低下させることができるため、安定に長時間
のイオン化が可能になり、かつ、観測イオン量を増大さ
せることができるため、高感度の分析が可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たAPIMSにおいては、半導体装置の製造工場のクリ
ーンルームのクリーンエアや大気、人間や動物の呼気、
触媒処理された自動車の排気ガス等に含まれる超微量の
一酸化窒素や二酸化窒素等のNOx(窒素酸化物)を分
析しようとした場合には、次のような理由によって分析
することができないという問題点があることが本発明者
によって明らかにされた。すなわち、大気や呼気等の構
成成分である酸素ガスおよび窒素ガスからコロナ放電等
の放電によるイオン化によって一酸化窒素や二酸化窒素
等のNOxが生成されてしまうため、大気や呼気等に元
々含まれている分析目的物質である一酸化窒素や二酸化
窒素等のNOxを分析することができない。
【0005】本発明の目的は、一次イオン化によって生
成される物質と同一の目的物質についても高感度に検出
し定量することができる大気圧イオン化質量分析技術を
提供することにある。
【0006】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、次の通り
である。
【0008】すなわち、大気圧イオン化質量分析装置
は、電極を有し一次イオン発生用ガスが供給されるイオ
ン発生部と、このイオン発生部に取込口によって連通さ
れ試料ガスが供給される混合部と、この混合部において
前記イオン発生部側に配置された第1電極および前記イ
オン発生部と反対側に配置された第2電極と、質量分析
手段を有し前記混合部に細孔によって連通された質量分
析部とを備えている。
【0009】前記した手段において、イオン発生部に一
次イオン発生用ガスが導入され、電極によってイオン化
されて一次イオンが生成される。この際、イオン化され
るガスは分析目的物質成分を含んでいないため、イオン
発生部において分析目的物質が発生することは無い。発
生された一次イオンは一次イオン発生用ガスとともに混
合部に導入され、試料ガスと混合される。混合部におい
て、試料ガスは一次イオンによるイオン−分子反応によ
ってイオン化される。イオン化された試料ガスは質量分
析部に導入され分析される。この際、混合部において試
料ガスと混合させて試料ガスをイオン化させることによ
り、分析に際しての分析目的物質の生成が防止されてい
るため、試料ガスに含まれた微量の分析目的物質を高感
度に分析することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態であ
るAPIMSを示す正面断面図である。図2および図3
はその作用を説明するための各拡大部分断面図である。
図4はその効果を説明するための各線図である。
【0011】本実施形態において、本発明に係る大気圧
イオン化質量分析方法は、図1に示されているAPIM
Sによって実施される。なお、以下の説明においては、
Aという分子または原子の正イオンを{A+}と表記
し、一次イオン発生用ガスとしてアルゴン(Ar)ガス
が使用され、試料ガスとして乾燥空気(N2 +O2 )が
使用され、試料ガスに含まれる分析目的物質が一酸化窒
素に設定された場合を例に取って説明する。
【0012】APIMS10は質量分析部11を形成す
るチャンバ12を備えており、チャンバ12には真空ポ
ンプ(図示せず)によって真空排気される排気口13が
開設されている。チャンバ12の一側壁の一部には肉厚
のシリンダ形状に形成された第1ホルダ14が挿入され
て固定されており、第1ホルダ14の中空部にはイオン
発生部15が形成されている。
【0013】第1ホルダ14の外側端面には円形リング
形状に形成された第2ホルダ16が当接されて固定され
ており、第2ホルダ16の内周には円筒形状に形成され
たガラス管17が同心に保持されている。第2ホルダ1
6の外側端面には円盤形状に形成された第3ホルダ18
が当接されて固定されており、第3ホルダ18の中心線
上には針電極用電源19Aに接続された針電極19がガ
ラス管17と同心に保持されている。第3ホルダ18に
は一次イオン発生用ガス導入口20がガラス管17の中
空部に連通するように開設されており、一次イオン発生
用ガス導入口20にはアルゴンガスからなる一次イオン
発生用ガス(以下、イオン発生用ガスという。)1が導
入されるようになっている。
【0014】第1ホルダ14の内側端面には絶縁材料が
使用されて円形リング形状に形成された第4ホルダ21
が当接されて固定されており、第4ホルダ21には第1
電極用電源22に接続された第1電極23が保持されて
いる。第1電極用電源22の中心線上には円形孔形状に
形成された取込口24が、針電極19に対向するように
開設されている。第4ホルダ21の反対側の端面には絶
縁材料が使用されて円形リング形状に形成された第5ホ
ルダ25が当接されて固定されており、第5ホルダ25
には第2電源26に接続された第2電極27が保持され
ている。第2電極27の中心線上には細孔28が開設さ
れており、第2電極27の反対側の端面には細孔28を
質量分析手段に連通させるための連通管29が接続され
ている。第1電極23と第2電極27との間には混合部
30が形成されている。
【0015】第1ホルダ14、第4ホルダ21および第
1電極23には試料ガス導入路31が混合部30の内部
とチャンバ12の外部とを連絡するように開設されてお
り、試料ガス導入路31には試料ガスとしての乾燥空気
(以下、試料ガスという。)2が供給されるようになっ
ている。試料ガス導入路31に供給された試料ガス2は
混合部30に導入されるようになっている。
【0016】第1ホルダ14にはイオン発生部用排気路
32がイオン発生部15とチャンバ12の外部とを連絡
するように開設されており、この排気路32はイオン発
生部15の内部の余剰ガス3を排気するようになってい
る。また、第1ホルダ14、第4ホルダ21および第1
電極23には混合部用排気路33が混合部30の内部と
チャンバ12の外部とを連絡するように開設されてお
り、この排気路33は混合部30の内部の余剰ガス4を
排出するようになっている。
【0017】次に、本発明の一実施の形態である大気圧
イオン化質量分析方法を前記構成に係るAPIMS10
が使用される場合について説明する。
【0018】一次イオン発生用ガス導入口20に供給さ
れたアルゴンガスからなるイオン発生用ガス1は、ガラ
ス管17を流通してイオン発生部15に導入され、針電
極19の先端で発生するコロナ放電によってイオン化さ
れる。これにより、図2に示されているように、イオン
発生部15には一次イオン{Ar+}(以下、一次イオ
ンという。)5が生成される。
【0019】イオン発生部15に導入されたイオン発生
用ガス1の一部は第1電極23の取込口24から混合部
30に図2に示されているように流れ込む。一次イオン
5はこのガスの流れ、および、針電極19と第1電極2
3との電位差によって混合部30に取り込まれる。針電
極19と第1電極23の電位差は、針電極19が接続さ
れた針電極用電源19Aと第1電極23が接続された第
1電極用電源22とによって与えられる。
【0020】イオン発生部15に導入されたイオン発生
用ガス1の残りの余剰ガス3は、図1に示されているよ
うにイオン発生部用排気路32を通じてチャンバ12の
外部へ排出される。この余剰ガス3の排気流量をイオン
発生用ガス1の供給流量よりも小さく制御することによ
り、混合部30からイオン発生部15への試料ガス2の
逆流を低減させることができる。
【0021】分析目的物質である一酸化窒素6を含んだ
試料ガス2は試料ガス導入路31に供給され、混合部3
0に導入される。混合部30に導入された試料ガス2が
一次イオン5と混合すると、窒素原子、酸素原子および
一酸化窒素分子のイオン化ポテンシャルはアルゴン原子
のそれよりも低いため、イオン−分子反応によって図3
に示されているように、窒素原子陽イオン{N2 +}
8、酸素原子陽イオン{O2 +}9、一酸化窒素陽イオ
ン{NO+}7としてイオン化される。この際、分析目
的物質である一酸化窒素分子のイオン化ポテンシャルは
酸素原子および窒素原子のそれよりも低いため、一酸化
窒素陽イオン{NO+}7が高効率をもって生成され
る。
【0022】他面、混合部30におけるイオン−分子反
応はきわめて穏やかなイオン化反応であることによって
分子の励起や解離などが抑制されるため、試料ガス2で
ある乾燥空気自体の窒素原子と酸素原子とのイオン化反
応によって、乾燥空気自体から分析目的物質である一酸
化窒素分子およびそれの陽イオンが生成されてしまう現
象は発生しない。したがって、試料ガス2に元来含まれ
た分析目的物質である一酸化窒素6の分子以外に、試料
ガス2の乾燥空気から新たに一酸化窒素分子が生成され
ることはないし、この一酸化窒素分子がイオン化されて
一酸化窒素分子イオンが生成されることもない。
【0023】以上のようにして混合部30においてイオ
ン化された本来の分析目的物質である一酸化窒素陽イオ
ン{NO+}7は、窒素原子陽イオン{N2 +}、酸素
原子陽イオン{O2 +}と共に、図3に示されているよ
うに、細孔28から連通管29に吸引されて質量分析部
11の質量分析手段に送給される。
【0024】すなわち、混合部30内の一酸化窒素陽イ
オン7、窒素原子陽イオン8、酸素原子陽イオン9は、
第1電極23と第2電極27との間の電位差によって第
2電極27の細孔28を通されて高真空の質量分析部1
1の連通管29に吸引される。第1電極23と第2電極
27の電位差は第1電極23が接続された第1電極用電
源22と、第2電極27が接続された第2電極用電源2
6とによって与えられる。
【0025】質量分析手段において分析が実行されるに
際して、混合部30から質量分析手段に供給されて来る
一酸化窒素陽イオン7は試料ガス2に元来含まれた分析
目的物質である一酸化窒素6がイオン化されたものだけ
であり、しかも、試料ガス2に元来含まれた分析目的物
質である一酸化窒素6は混合部30において高効率をも
ってイオン化されたものであるため、質量分析手段は試
料ガス(乾燥空気)2に元来含まれた分析対象物質であ
る一酸化窒素6についての分離分析を高感度に実行する
ことになる。
【0026】図4は試料ガスが一酸化窒素や二酸化窒素
等のNOxを含まない乾燥空気である場合の分析結果を
示す質量スペクトルの線図であり、(a)は比較例を示
しており、(b)は本実施の形態を示している。
【0027】図4において、縦軸にはイオン強度(A)
が、横軸には質量数がそれぞれ取られている。(a)の
比較例は従来例に相当し、イオン発生用ガス1と試料ガ
ス2とがイオン発生部15に共に導入されて、試料ガス
2がイオン化された場合である。(b)は前記実施形態
の通り、混合部30において一次イオン5と試料ガス2
とが混合されてイオン化される場合である。但し、試料
ガス2としては一酸化窒素や二酸化窒素等のNOxを含
まないように予め調製された乾燥空気である標準ガスが
使用されている。
【0028】図4(a)のスペクトルによれば、質量数
〔30〕の一酸化窒素イオン{NO+}および質量数
〔46〕の二酸化窒素イオン{NO2 +}が検出されて
いることが分かる。試料ガスとして前記した標準ガスが
使用されているため、これらのイオンは検出されない筈
である。したがって、これは、イオン発生部15のコロ
ナ放電によってイオン発生部15に導入された試料ガス
である乾燥空気の窒素および酸素から質量数〔30〕の
一酸化窒素イオン{NO+}および質量数〔46〕の二
酸化窒素イオン{NO2 +}が生成されてしまったこと
を、示している。
【0029】図4(b)のスペクトルによれば、質量数
〔30〕、〔46〕のピークは検出されていない。試料
ガスとして前記した標準ガスが使用されているため、質
量数〔30〕の一酸化窒素イオン{NO+}および質量
数〔46〕の二酸化窒素イオン{NO2 +}が検出され
ないのが本来である。これは、前記実施形態においては
試料ガスである乾燥空気の窒素および酸素から質量数
〔30〕の一酸化窒素イオン{NO+}および質量数
〔46〕の二酸化窒素イオン{NO2 +}が生成されな
いことを実証していることを意味している。
【0030】図4により、本実施形態によれば、乾燥空
気の窒素および酸素からイオン化によって一酸化窒素や
二酸化窒素等のNOxが生成されるのを防止することが
できることが実証される。その結果、本実施形態によれ
ば、一酸化窒素や二酸化窒素等のNOxを含む乾燥空気
が試料ガスに指定され、分析目的物質が一酸化窒素や二
酸化窒素等のNOxと指定された場合であっても、分析
目的物質を正確かつ高感度に分析する可能であることが
証明されたことになる。
【0031】図5は本発明の他の実施形態であるAPI
MSを示す回路図を含む模式図である。
【0032】本実施形態において、一次イオン発生用ガ
ス導入口20には一次イオン発生用ガス供給路40が接
続されている。一次イオン発生用ガス供給路40には上
流側から順に、一次イオン発生用ガスであるアルゴンガ
スの供給源41、絞り弁42、圧力調整器43、流量調
整器44および純化装置45が介設されている。純化装
置45にはモレキュラシーブが使用されており、一次イ
オン発生用ガス供給路40を流通するアルゴンガス中の
不純物を吸着して純化するようになっている。
【0033】試料ガス導入路31には試料ガス供給路4
9が接続されている。試料ガス供給路49には上流側か
ら順に、イオン発生用ガスの標準ガス供給源51、絞り
弁52、圧力調整器53、流量調整器54、コック55
および純化装置56が介設されている。純化装置56に
はキャリアガス供給路57が接続されており、キャリア
ガス供給路57には上流側から順に、キャリアガス58
の供給源59、絞り弁60、圧力調整器61および流量
調整器62が介設されている。また、純化装置56には
サンプルバック63がコック64を介して接続されてい
る。
【0034】次に、本発明の他の実施の形態である大気
圧イオン化質量分析方法を図5に示されているAPIM
S10が使用される場合について説明する。
【0035】イオン発生用ガス1であるアルゴンガスは
圧力調整器43によって一定圧力に保たれ、流量調整器
44によって一定流量に調整されながら、純化装置45
を通って一次イオン発生用ガス導入口20に供給され
る。純化装置45を通過する際に、イオン発生用ガス1
であるアルゴンガス中の不純物はモレキュラシーブに吸
着されて除去される。
【0036】一次イオン発生用ガス導入口20に供給さ
れたアルゴンガスからなるイオン発生用ガス1は、ガラ
ス管17を流通してイオン発生部15に導入され、針電
極19の先端で発生するコロナ放電によってイオン化さ
れる。これにより、イオン発生部15には一次イオン5
が生成される(図3参照)。
【0037】イオン発生部15に導入されたイオン発生
用ガス1の一部は第1電極23の取込口24から混合部
30に流れ込む。一次イオン5はこのガスの流れ、およ
び、針電極19と第1電極23との電位差によって混合
部30に取り込まれる(図3参照)。
【0038】一方、試料ガス導入路31に接続された試
料ガス供給路49において、純化装置56の温度は、試
料ガス2の中の目的分析物質である一酸化窒素分子を高
速で透過させるための温度である80℃〜110℃に保
たれている。キャリアガス供給路57からはキャリアガ
ス58としてクリーンエアが、圧力調整器61によって
一定圧力に保たれ、流量調整器62によって一定流量に
調整された状態で純化装置56に供給され、純化装置5
6を通じて混合部30に導入されている。
【0039】この状態で、窒素ガス中に一酸化窒素が
0.1ppmだけ含有された標準ガスが試料ガス供給路
49の標準ガス供給源51から試料ガス供給路49に供
給される。標準ガス供給源51から供給された標準ガス
50は圧力調整器53によって一定圧力に保たれ、流量
調整器54によって一定流量に調整された状態で、数分
間だけ純化装置56に供給される。この標準ガス50の
供給によって、試料ガス供給路49の純化装置56のモ
レキュラシーブが一酸化窒素の飽和吸着量になるのを待
つ。純化装置56のモレキュラシーブが飽和吸着量に達
すると、標準ガス50の純化装置56に対する供給は停
止される。
【0040】次いで、コック64が開かれることによ
り、サンプルバック63に貯留された試料ガスとしての
大気や呼気が試料ガス供給路49の純化装置56に供給
される。この際、純化装置56のモレキュラシーブは一
酸化窒素については飽和吸着量に達しているため、純化
装置56に供給された標準ガス50のうち一酸化窒素ガ
スだけを含有した窒素ガスが純化装置56を透過するこ
とができる。すなわち、水分や有機物等の分析の妨害物
質は純化装置56のモレキュラシーブによって吸着され
る。
【0041】この結果、試料ガス供給路49からはクリ
ーンエアであるキャリアガス58と、試料ガスとして分
析目的物質である一酸化窒素を含んだ窒素ガスが供給さ
れることになる。すなわち、純粋な試料ガス2がキャリ
アガス58によって試料ガス導入路31から混合部30
に導入される。
【0042】以上のようにして混合部30に導入された
試料ガス2が一次イオン5と混合すると、窒素原子、酸
素原子および一酸化窒素分子のイオン化ポテンシャルは
アルゴン原子のそれよりも低いため、イオン−分子反応
によって窒素原子陽イオン{N2 +}8、酸素原子陽イ
オン{O2 +}9、一酸化窒素陽イオン{NO+}7と
してイオン化される(図4参照)。この際、分析目的物
質である一酸化窒素分子のイオン化ポテンシャルは酸素
原子および窒素原子のそれよりも低いため、一酸化窒素
陽イオン{NO+}7が高効率をもって生成される。
【0043】他面、混合部30におけるイオン−分子反
応はきわめて穏やかなイオン化反応であることによって
分子の励起や解離などが抑制されるため、試料ガス2で
ある乾燥空気自体の窒素原子と酸素原子とのイオン化反
応によって、乾燥空気自体から分析目的物質である一酸
化窒素分子およびそれの陽イオンが生成されてしまう現
象は発生しない。したがって、試料ガス2に元来含まれ
た分析目的物質である一酸化窒素5の分子以外に、試料
ガス2の乾燥空気から新たに一酸化窒素分子が生成され
ることはないし、この一酸化窒素分子がイオン化されて
一酸化窒素分子イオンが生成されることもない。
【0044】以上のようにして混合部30においてイオ
ン化された本来の分析目的物質である一酸化窒素陽イオ
ン{NO+}7は、前記実施形態と同様に、窒素原子陽
イオン{N2 +}、酸素原子陽イオン{O2 +}と共に
細孔28から連通管29に吸引されて質量分析部11の
質量分析手段に送給される。
【0045】質量分析手段において分析が実行されるに
際して、混合部30から質量分析手段に供給されて来る
一酸化窒素陽イオン7は試料ガス2に元来含まれた分析
目的物質である一酸化窒素6がイオン化されたものだけ
であり、しかも、試料ガス2に元来含まれた分析目的物
質である一酸化窒素6は混合部30において高効率をも
ってイオン化されたものであるため、質量分析手段は試
料ガス(乾燥空気)2に元来含まれた分析対象物質であ
る一酸化窒素6についての分離分析を高感度に実行する
ことになる。
【0046】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0047】一次イオン発生用ガスとしては、アルゴン
ガスを使用するに限らない。例えば、水分(H2 O)の
多い空気を試料ガス2とし、分析目的物質である一酸化
窒素を分析する場合には、キセノン(Xe)ガス等の水
分と一酸化窒素との間にイオン化ポテンシャルのあるガ
スをイオン発生用ガス1として用いることにより、空気
中の一酸化窒素を水分の影響を受けずに高感度に分析す
ることができる。
【0048】また、一次イオン発生用ガスとしては、ア
ルゴンガスおよびキセノンガス等の試料ガス中の分析目
的物質の分子よりもイオン化ポテンシャルが高い原子ま
たは分子のガスを使用するに限らず、試料ガス中の分析
目的物質の分子よりもプロトン親和力が小さい原子また
は分子のガス、および、試料ガス中の分析目的物質の分
子よりもエレクトロン親和力が小さい原子または分子の
ガスを使用してもよい。
【0049】次の表1は代表的な原子および分子のイオ
ン化ポテンシャル(Ionization Poten
tial)、プロトン親和力(陽子親和力。Proto
nAffinity)、エレクトロン親和力(Elec
tron Affinity)を示している。イオン化
ポテンシャルの値が大きい分子ほどイオン化し難くく、
また、プロトン親和力およびエレクトロン親和力の値が
大きい分子ほどイオン化し易い。例えば、Arをイオン
生成ガスとし、NO、NO2 を分析目的物質とすれば、
プラスイオンモードで分析が可能となり、また、O2
イオン生成ガスとしNO2 を分析目的物質とすればマイ
ナスモードで分析が可能になる。
【0050】
【0051】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である半導体
装置の製造工場のクリーンルームのクリーンエアに含ま
れるNOxの分析に適用した場合について説明したが、
それに限定されるものではなく、大気や人間の呼気、触
媒処理された自動車の排気ガス等に含まれる超微量の一
酸化窒素や二酸化窒素等のNOxを分析しようとする場
合、さらには、廃棄物焼却処理施設から排気される排気
ガス中に含まれるダイオキシン等の極微量の汚染物質の
分析する場合等の大気圧イオン化質量分析技術全般に適
用することができる。
【0052】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次
の通りである。
【0053】試料ガスに含まれた分析目的物質の大気圧
イオン分析に際して、試料ガスに対する放電による試料
ガス成分の原子または分子の分離再結合によって分析目
的物質が生成されてしまう場合であっても、イオン発生
部において予め発生させた一次イオンを混合部に供給
し、混合部において試料ガスと混合させて試料ガスをイ
オン化させることにより、大気圧イオン分析に際しての
分析目的物質の生成を防止することができるため、試料
ガスに含まれた微量の分析目的物質を高感度に分析する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるAPIMSを示す
正面断面図である。
【図2】その作用を説明するための一次イオン発生の過
程を示す各拡大部分断面図である。
【図3】同じく混合の過程を示す拡大部分断面図であ
る。
【図4】その効果を説明するための各線図であり、
(a)は比較例の場合を示しており、(b)は本実施形
態の場合を示している。
【図5】本発明の他の実施の形態であるAPIMSを示
す回路図を含む模式図である。
【符号の説明】
1…一次イオン発生用ガス、2…試料ガス、3…余剰ガ
ス、4…余剰ガス、5…一次イオン、6…一酸化窒素、
7…一酸化窒素陽イオン、8…窒素原子陽イオン、9…
酸素原子陽イオン、10…APIMS(大気圧イオン化
質量分析装置)、11…質量分析部、12…チャンバ、
13…排気口、14…第1ホルダ、15…イオン発生
部、16…第2ホルダ、17…ガラス管、18…第3ホ
ルダ、19…針電極、19A…針電極用電源、20…一
次イオン発生用ガス導入口、21…第4ホルダ、22…
第1電極用電源、23…第1電極、24…取込口、25
…第5ホルダ、26…第2電極用電源、27…第2電
極、28…細孔、29…連通管、30…混合部、31…
試料ガス導入路、32…イオン発生部用排気路、33…
混合部用排気路、40…一次イオン発生用ガス供給路、
41…アルゴンガスの供給源、42…絞り弁、43…圧
力調整器、44…流量調整器、45…純化装置、49…
試料ガス供給路、50…標準ガス、51…標準ガス供給
源、52…絞り弁、53…圧力調整器、54…流量調整
器、55…コック、56…純化装置、57…キャリアガ
ス供給路、58…キャリアガス、59…キャリア供給
源、60…絞り弁、61…圧力調整器、62…流量調整
器、63…サンプルバック、64…コック。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン発生部に一次イオン発生用ガスを
    供給して一次イオンを予め発生させ、この一次イオンを
    イオン発生部から混合部に供給し、混合部においてこの
    一次イオンと混合部に供給された試料ガスとを混合させ
    て試料ガスをイオン化させ、イオン化された試料ガスの
    うちの分析目的物質を分析することを特徴とする大気圧
    イオン化質量分析方法。
  2. 【請求項2】 前記イオン発生用ガスの原子または分子
    のイオン化ポテンシャルは、前記分析目的物質の原子ま
    たは分子のイオン化ポテンシャルよりも高いことを特徴
    とする請求項1に記載の大気圧イオン化質量分析方法。
  3. 【請求項3】 前記イオン発生用ガスの原子または分子
    のプロトン親和力は、前記分析目的物質の原子または分
    子のプロトン親和力よりも小さいことを特徴とする請求
    項1に記載の大気圧イオン化質量分析方法。
  4. 【請求項4】 前記イオン発生用ガスの原子または分子
    の電子親和力は、前記分析目的物質の原子または分子の
    電子親和力よりも小さいことを特徴とする請求項1に記
    載の大気圧イオン化質量分析方法。
  5. 【請求項5】 前記試料ガスが空気であり、前記分析目
    的物質が窒素酸化物であり、前記イオン発生用ガスの原
    子がアルゴンであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の大気圧イオン化質量分析方法。
  6. 【請求項6】 前記試料ガスが空気であり、前記分析目
    的物質が窒素酸化物であり、前記イオン発生用ガスの原
    子がキセノンであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の大気圧イオン化質量分析方法。
  7. 【請求項7】 イオン発生部に一次イオン発生用ガスを
    供給して一次イオンを予め発生させ、この一次イオンを
    イオン発生部から混合部に供給し、混合部においてこの
    一次イオンと混合部に供給された試料ガスとを混合させ
    て試料ガスをイオン化させ、イオン化された試料ガスの
    うちの分析目的物質を分析することを特徴とする大気圧
    イオン化質量分析装置。
  8. 【請求項8】 電極を有し一次イオン発生用ガスが供給
    されるイオン発生部と、このイオン発生部に取込口によ
    って連通され試料ガスが供給される混合部と、この混合
    部において前記イオン発生部側に配置された第1電極お
    よび前記イオン発生部と反対側に配置された第2電極
    と、質量分析手段を有し前記混合部に細孔によって連通
    された質量分析部とを備えていることを特徴とする請求
    項7に記載の大気圧イオン化質量分析装置。
  9. 【請求項9】 前記試料ガスの供給路には、水分、有機
    物、その他の不純物を除去する純化装置が介設されてい
    ることを特徴とする請求項7または8に記載の大気圧イ
    オン化質量分析装置。
  10. 【請求項10】 前記純化装置はモレキュラシーブを備
    えており、モレキュラシーブの温度を80〜110℃に
    保った状態で前記試料ガスが所定の時間流されることに
    より、前記水分、有機物、その他の不純物を除去するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項9に記載の
    大気圧イオン化質量分析装置。
  11. 【請求項11】 前記一次イオン発生用ガスの供給路に
    は、水分、有機物、その他の不純物を除去する純化装置
    が介設されていることを特徴とする請求項7、8、9ま
    たは10に記載の大気圧イオン化質量分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1418422A1 (en) * 2002-11-08 2004-05-12 Hitachi, Ltd. Mass spectrometer
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JP2006523367A (ja) * 2003-04-04 2006-10-12 ジェー・イー・オー・エル・ユー・エス・エー,インコーポレーテッド 大気圧イオン源

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