JPH11274929A - アナログ/ディジタル変換装置 - Google Patents

アナログ/ディジタル変換装置

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JPH11274929A
JPH11274929A JP7409698A JP7409698A JPH11274929A JP H11274929 A JPH11274929 A JP H11274929A JP 7409698 A JP7409698 A JP 7409698A JP 7409698 A JP7409698 A JP 7409698A JP H11274929 A JPH11274929 A JP H11274929A
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Hiroshi Hayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力ディジタル信号の精度を従来より高め
る。 【解決手段】 本発明は、入力アナログ信号を利得制御
信号が指示する利得で増幅する可変利得手段と、増幅さ
れたアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変
換手段とを備える。また、A/D変換手段からのディジ
タル信号における直流オフセットを測定して除去するD
Cオフセット補償手段と、A/D変換手段からのディジ
タル信号についての電力を測定する電力測定手段と、測
定された電力が基準レベルを保つような利得制御信号を
形成する利得制御手段とを備える。さらに、DCオフセ
ット補償手段が測定した直流オフセットに基づいて、基
準レベルを制御する基準レベル制御手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力されたアナロ
グ信号をディジタル信号へ変換して、所定のディジタル
処理を施すディジタル処理部に与えるアナログ/ディジ
タル変換装置に関し、例えば、変換されたディジタル信
号に対して復調・復号処理を行なう受信機に適用し得る
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ディジタル信号であるデータを
伝送する通信システムにおいては、送信側は、ディジタ
ル信号であるデータに対して符号化や変調などの処理を
行なった後に、アナログ信号に変換して送信する。一
方、受信側では、アナログ信号である受信信号をディジ
タル信号に変換(A/D変換)した後に、復調や復号な
どを行なって送信データを再生する。
【0003】受信側でA/D変換する際に、A/D変換
部へ入力されるアナログ信号(のレベル及び又はダイナ
ミックレンジ)が小さ過ぎる場合には、変換されたディ
ジタル信号は量子化雑音に埋もれ、再生データの誤り率
特性を劣化させる。一方、A/D変換部へ入力されるア
ナログ信号(のレベル及び又はダイナミックレンジ)が
大き過ぎる場合には、A/D変換の範囲が制限されてい
るため、変換後ディジタル信号は上限値又は下限値に張
り付くことも生じ、この張り付きによる非線形ひずみが
生じて、再生データの誤り率特性を劣化させる。
【0004】従って、再生データの誤り率特性の劣化を
防止するためには、A/D変換部への入力アナログ信号
を適正なレベル範囲に保持するよう利得制御を行なう必
要がある。
【0005】従来において、一般な利得制御方法は、以
下の通りである。A/D変換後のディジタル信号の電力
を測定し、その測定電力からある一定の値(基準となる
電力レベル;以下、単に基準レベルと呼ぶ)を減算し、
減算結果が0となるように、A/D変換部の前段に設け
られている可変利得増幅部の利得を自動的に制御する。
この基準レベルは、A/D変換後のディジタル信号につ
いての信号対雑音比(S/N比)が最大となるよう選ば
れる。
【0006】また、A/D変換時に加わるDC(直流)
オフセットも、再生データの誤り率特性を劣化させる。
【0007】DCオフセットを補償するためには、従
来、一般的には、A/D変換後のディジタル信号のDC
オフセットを測定し、A/D変換後のディジタル信号か
ら測定したDCオフセットを差し引く方法がとられてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
においては、A/D変換部へ入力されるアナログ信号の
レベル範囲を最適化させる利得制御方法と、変換後のデ
ィジタル信号におけるDCオフセットの補償方法とはそ
れぞれ、無関係な処理として独立に実行されるものであ
った。例えば、従来では、DCオフセットの大きさに関
わらず、利得制御方法での基準レベルを一定としてい
た。
【0009】しかしながら、利得制御方法において、電
力の算出に供するディジタル信号はDCオフセットが補
償されたものであり、また、ディジタル信号が上限値又
は下限値に張り付く確率はDCオフセットの大きさに依
存するものであり、両方法は完全には無関係とは言えな
い。従来においては、利得制御方法、及び、DCオフセ
ットの補償方法を無関係な処理として独立に実行させて
いたため、再生データの誤り率特性の劣化を防止する度
合は、両方法を適用しても必ずしも高いものではなかっ
た。
【0010】図2は、アナログ信号のレベル範囲を最適
化させる利得制御方法と、DCオフセットの補償方法と
が相互に関連していることの説明図である。上述したよ
うに、ディジタル信号が上限値又は下限値に張り付く確
率は、DCオフセットの大きさにも依存しており、その
ため、利得制御方法での最適な基準レベルも、DCオフ
セットの大きさに依存する。図2は、A/D変換後のデ
ィジタル信号が5ビットの場合における、A/D変換後
のディジタル信号のS/N比(SNR)と基準レベル
(Refer Level)の関係を、複数のDCオフ
セット(0、1、2、3、4及び5)について示したも
のである。
【0011】例えば、DCオフセットが0のときには、
基準レベルを28にすれば、最大のS/N比が得られ、
この値28が最適な基準レベルとなることが、図2から
分かる。また例えば、DCオフセットが5のときには、
基準レベルを17にすれば、最大のS/N比が得られ、
この値17が最適な基準レベルとなることが、図2から
分かる。すなわち、各DCオフセット毎に、最適な基準
レベルが異なっていることが分かる。
【0012】そのため、A/D変換時に混入されるDC
オフセットも考慮して、A/D変換に供するアナログ信
号のレベルをも制御できるアナログ/ディジタル変換装
置が望まれている。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明のアナログ/ディジタル変換装置は、
(1)入力アナログ信号を利得制御信号が指示する利得
で増幅する可変利得手段と、(2)この可変利得手段に
よって増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換
するA/D変換手段と、(3)このA/D変換手段から
のディジタル信号における直流オフセットを測定して除
去するDCオフセット補償手段と、(4)上記A/D変
換手段からのディジタル信号についての電力を測定する
電力測定手段と、(5)この電力測定手段が測定した電
力が基準レベルを保つような上記利得制御信号を形成す
る利得制御手段と、(6)上記DCオフセット補償手段
が測定した直流オフセットに基づいて、上記基準レベル
を制御する基準レベル制御手段とを備えることを特徴と
する。
【0014】また、第2の本発明は、M(Mは2以上の
整数)系統の入力アナログ信号をそれぞれ、ディジタル
信号へ変換して出力するアナログ/ディジタル変換装置
において、(1)第m(mは1〜M)の入力アナログ信
号を共通利得制御信号が指示する利得で増幅する第mの
可変利得手段と、(2)第mの可変利得手段によって増
幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換する第m
のA/D変換手段と、(3)第mのA/D変換手段から
のディジタル信号における直流オフセットを測定して除
去する第mのDCオフセット補償手段と、(4)上記第
mのA/D変換手段からのディジタル信号についての電
力を測定する第mの電力測定手段と、(5)第1〜第M
の電力測定手段が測定した電力の総和が基準レベルを保
つような上記共通利得制御信号を形成して第1〜第Mの
可変利得手段に与える利得制御手段と、(6)上記第1
〜第MのDCオフセット補償手段が測定した直流オフセ
ットに基づいて、上記基準レベルを制御する基準レベル
制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】さらに、第3の本発明は、M(Mは2以上
の整数)系統の入力アナログ信号をそれぞれ、ディジタ
ル信号へ変換して出力するアナログ/ディジタル変換装
置において、(1)第m(mは1〜M)の入力アナログ
信号を第mの利得制御信号が指示する利得で増幅する第
mの可変利得手段と、(2)第mの可変利得手段によっ
て増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換する
第mのA/D変換手段と、(3)第mのA/D変換手段
からのディジタル信号における直流オフセットを測定し
て除去する第mのDCオフセット補償手段と、(4)上
記第mのA/D変換手段からのディジタル信号について
の電力を測定する第mの電力測定手段と、(5)第mの
電力測定手段が測定した電力が基準レベルを保つような
上記第mの利得制御信号を形成して第mの可変利得手段
に与える第mの利得制御手段と、(6)上記第mのDC
オフセット補償手段が測定した直流オフセットに基づい
て、上記第mの利得制御手段に与える基準レベルを制御
する第mの基準レベル制御手段と、(7)第mのDCオ
フセット補償手段から出力された直流オフセットが除去
されたディジタル信号の利得を、第mの基準レベル制御
手段から出力される基準レベルの変化に応じて補正し
て、第mの系統の出力ディジタル信号とする第mの利得
補正手段とを備え、(8)入力アナログ信号に対する出
力ディジタル信号の総合利得が全ての系統で同じになる
ように、上記第1〜第Mの利得補正手段が利得補正処理
を行なうことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】(A)第1の実施形態 以下、本発明によるアナログ/ディジタル変換装置の第
1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0017】ここで、図1が、この第1の実施形態のア
ナログ/ディジタル変換装置の全体構成を示すブロック
図である。
【0018】図1において、第1の実施形態のアナログ
/ディジタル変換装置は、入力端子1、可変利得増幅部
2、A/D変換部3、減算部4及び9、出力端子5、D
Cオフセット測定部6、フィルタ7及び11、電力測定
部8、基準レベル制御部10、並びに、D/A変換部1
2から構成されている。
【0019】可変利得増幅部2は、入力端子1から入力
されたアナログ信号を、D/A変換部12から出力され
た利得制御信号が指示する利得で増幅してA/D変換部
3へ出力するものである。
【0020】A/D変換部3は、アナログ信号である入
力信号をディジタル信号に変換して減算部4へ出力する
ものである。例えば、アナログ入力信号が、PSK変調
信号やFSK変調信号などの基本的に振幅が一定のディ
ジタル変調信号であれば、5ビットのディジタル信号に
変換する。
【0021】減算部4は、A/D変換部3からのディジ
タル出力信号から、後述するフィルタ7から与えられた
DCオフセット値(DCオフセットの補正値)を減算
し、その減算後の信号を、DCオフセット測定部6、電
力測定部8及び出力端子5へ出力するものである。
【0022】DCオフセット測定部6は、A/D変換部
3によるA/D変換時に混入されたDCオフセットを測
定するものである。DCオフセット測定部6は、入力信
号の直流成分(DCオフセット)のレベルをディジタル
的に検出できる構成であれば、その内部構成は既存のい
ずれのものを適用しても良い。なお、当該アナログ/デ
ィジタル変換装置への入力信号が、PSK変調信号やF
SK変調信号やFM信号などの変調信号の場合には、そ
の信号の直流成分は0であるので、DCオフセット測定
部6によるDCオフセットの測定は容易である。
【0023】フィルタ7は、DCオフセット測定部6か
ら出力されたDCオフセットを平滑化して、DCオフセ
ットの補正値を形成して、減算部4に減算入力として与
えると共に、基準レベル制御部10にも与えるものであ
る。なお、フィルタ7は、減算部4、DCオフセット測
定部6及びフィルタ7でなる処理ループの応答時定数を
規定するものにもなっている。
【0024】基準レベル制御部10は、入力されたDC
オフセットの補正値に応じた最適な基準レベルを減算部
9へ被減算入力として出力するものである。
【0025】電力測定部8は、減算部4からの出力信号
の電力を測定して、減算部9へ減算入力として出力する
ものである。例えば、所定期間のサンプリング値の2乗
和や、その平方根や、サンプリング値の絶対値の和など
を電力として測定する。
【0026】減算部9は、基準レベル制御部10から出
力された基準レベルから、電力測定部8が測定した信号
電力を減算してフィルタ11に与えるものである。
【0027】フィルタ11は、減算部9からの出力信号
を平滑化してD/A変換部12へ出力するものである。
なお、フィルタ11は、可変利得増幅部2、A/D変換
部3、減算部4、電力測定部8、減算部9、フィルタ1
1及びD/A変換部12でなる処理ループの応答時定数
を規定するものにもなっている。
【0028】D/A変換部12は、ディジタル信号であ
る入力信号をアナログ信号へ変換し、利得制御信号とし
て可変利得増幅部2に与えるものである。
【0029】次に、この第1の実施形態のアナログ/デ
ィジタル変換装置の全体動作を説明する。
【0030】図1において、入力端子1から入力された
アナログ信号は、可変利得増幅部2によって増幅されて
A/D変換部3に入力され、ディジタル信号に変換され
る。この変換後のディジタル信号から、減算部4におい
て、DCオフセットの補正値が減算されてDCオフセッ
ト補償が実行される。
【0031】減算部4からのディジタル出力信号は、出
力端子5を介して、次段の処理回路(図示せず)に与え
られ、所定の処理(例えば、ディジタル変調信号に対す
る復調や復号)が施される。
【0032】また、減算部4からのディジタル出力信号
は、DCオフセット測定部6にも与えられ、このDCオ
フセット測定部6において、A/D変換で生じたDCオ
フセットが測定され、この測定されたDCオフセット
が、フィルタ7によって平滑化されて、DCオフセット
値として減算部4に減算入力として与えられる。すなわ
ち、減算部4、DCオフセット測定部6及びフィルタ7
でなる処理ループの処理によって、A/D変換後のディ
ジタル信号におけるDCオフセット成分が除去される。
【0033】フィルタ7の出力信号(DCオフセットの
補正値)は、基準レベル制御部10にも与えられ、これ
により、基準レベル制御部10からは、DCオフセット
の補正値に応じた最適な基準レベルが減算部9へ被減算
入力として与えられる。
【0034】上述したDCオフセット補償された減算部
4からのディジタル出力信号は、電力測定部8にも与え
られ、この電力測定部8によってその信号電力が測定さ
れて減算部9へ減算入力として与えられる。これによ
り、減算部9からは、基準レベルからの測定電力レベル
の差分信号が出力され、この差分信号がフィルタ11に
よって平滑化された後、D/A変換部12によってアナ
ログ信号に変換されて、利得制御信号として可変利得増
幅部2に与えられる。
【0035】すなわち、可変利得増幅部2、A/D変換
部3、減算部4、電力測定部8、減算部9、フィルタ1
1及びD/A変換部12でなる処理ループの処理によ
り、その時点で基準レベル制御部10から出力されてい
る基準レベルと、変換後のディジタル信号の測定電力と
の差が0になるように、可変利得増幅部2の利得が制御
される。その結果、A/D変換部3へのアナログ入力信
号が過度に小さかったり過度に大きかったりすることを
防止できる。しかも、かかる動作の基準となる基準レベ
ルは、DCオフセットに応じた最適なものとなってい
る。
【0036】次に、基準レベル制御部10の内部構成及
び動作について詳述する。上述したように、最適な基準
レベルは、DCオフセットの大きさに依存する。また、
上述したように、基準レベル制御部10は、DCオフセ
ットの大きさに応じて、最適な基準レベルを形成して減
算部9へ出力する。
【0037】例えば、DCオフセットの大きさと最適な
基準レベルとに、図3に示すような関係がある場合に
は、基準レベル制御部10は、図3に示すような最適な
基準レベルを記憶したROMで構成することができる。
この場合、図3のDCオフセットの値をROMの格納エ
リアを特定するアドレスとし、フィルタ8からの出力信
号をROMのアドレス入力とすれば、DCオフセットの
大きさに応じた最適な基準レベルを減算部9へ供給する
ことができる。上述したように、図3は、基準レベル制
御部10の詳細構成を表しているとみることもでき、ま
た、DCオフセット値と最適な基準レベルとの関係例を
表しているとみることもできる。
【0038】以上のように、第1の実施形態によれば、
ディジタル信号の目標電力を規定する基準レベルを、測
定したDCオフセットの大きさに応じて、最適なものに
調整できるため、A/D変換部へのアナログ入力信号の
レベルを最適化でき、当該装置から精度良くA/D変換
されたディジタル信号を出力させることができる。
【0039】その結果、このアナログ/ディジタル変換
装置からのディジタル信号を処理する処理回路での精度
も向上させることができる。例えば、ディジタル信号に
対してディジタル復調処理や復号処理を行うものであれ
ば、再生データの誤り率特性を従来より向上させること
ができる。
【0040】(B)第2の実施形態 次に、本発明によるアナログ/ディジタル変換装置の第
2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0041】この第2の実施形態のアナログ/ディジタ
ル変換装置も、全体構成は、第1の実施形態に係る図1
で表すことができ、基準レベル制御部10の詳細構成が
第1の実施形態と異なっているものである。そこで、以
下では、基準レベル制御部10の詳細構成及び動作につ
いて説明する。
【0042】図4は、第2の実施形態の基準レベル制御
部10の詳細構成を示すブロック図である。
【0043】図4において、第2の実施形態の基準レベ
ル制御部10は、入力端子21、定数記憶部(線形係数
記憶部)22、定数記憶部(定数項記憶部)23、乗算
部24、加算部25及び出力端子26から構成されてお
り、線形演算部となっている。なお、入力端子21は、
フィルタ7(図1参照)の出力端子と接続されるもので
あり、出力端子26は、減算部9(図1参照)の被減算
入力端子と接続されるものである。
【0044】図4において、入力端子21を介して入力
されたフィルタ7からのDCオフセット(の補正値)に
は、乗算部24において、定数記憶部22に記憶されて
いる定数(線形係数)が乗算され、得られた乗算出力
に、加算部25において、定数記憶部23に記憶されて
いる定数(定数項)が加算され、得られた加算出力が出
力端子26を介して減算部9(図1参照)の被減算入力
(最適基準レベル)として与えられる。
【0045】この第2の実施形態の基準レベル制御部1
0は、DCオフセットの大きさと最適な基準レベルとの
間に線形関係(1次関数)がある場合の構成である。上
述した図3に示すDCオフセットの大きさと最適な基準
レベルとの関係は、この場合に該当する。すなわち、最
適な基準レベルをRとおき、DCオフセットの大きさを
Dとおくと、図3に示すDCオフセットの大きさと最適
な基準レベルとの関係は、次の(1)式で表すことがで
きる。
【0046】 R=a・D+b =−2・D+28 …(1) 従って、この例の場合には、定数記憶部(線形係数記憶
部)22に「−2」を、定数記憶部(定数項記憶部)2
3に「28」を記憶しておけば、DCオフセットの大き
さDに応じた最適な基準レベルRを求めて出力すること
ができる。
【0047】なお、図4では、定数記憶部22と乗算部
24とで、(1)式におけるa・Dの演算を行うものを
示したが、この構成部分は、一定値を乗算できるもので
あれば他の構成でも良い。例えば、線形係数aが2のべ
き乗であれば、乗算構成部分を、シフタで構成すること
もできる。また、加算部25は、減算するものであって
も良い。
【0048】上述した図2から明らかなように、DCオ
フセットの大きさと最適な基準レベルとの関係を、実際
上、1次関数(線形関係)で近似できるので、上述した
第2の実施形態の基準レベル制御部10の詳細構成を採
用できる。なお、2次関数で近似させても良く、その場
合には、それに応じた複数の演算素子や定数記憶部を配
置すれば良い。
【0049】この第2の実施形態によっても、ディジタ
ル信号の目標電力を規定する基準レベルを、測定したD
Cオフセットの大きさに応じて、最適なものに調整でき
るため、A/D変換部へのアナログ入力信号のレベルを
最適化でき、当該装置から精度良くA/D変換されたデ
ィジタル信号を出力させることができる。
【0050】また、この第2の実施形態によれば、基準
レベル制御部10部分の回路規模の縮小化を期待でき
る。アナログ/ディジタル変換装置は、1チップ上に他
の回路と共に搭載されることが多くなると考えられる
が、チップ上にROMを形成させた場合、一般的に、そ
の部分の回路規模が大きくなり、他の要素の占有面積な
どを圧迫する。第2の実施形態の場合、ROMを適用し
ていないので、このような不都合の発生を回避できると
思われる。
【0051】(C)第3の実施形態 次に、本発明によるアナログ/ディジタル変換装置の第
3の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0052】この第3の実施形態のアナログ/ディジタ
ル変換装置は、関連する2系統のアナログ入力信号をそ
れぞれ、ディジタル信号に変換するものである。例え
ば、PSK変調方式やFSK変調方式などのディジタル
変調方式においては、通常、受信機側で中間周波数帯
(IF帯)やベースバンド周波数帯にダウンコンバート
する際に、同相成分及び直交成分の信号を得て、これら
同相成分及び直交成分の信号を別々にA/D変換して復
調処理することが多く、第3の実施形態のアナログ/デ
ィジタル変換装置は、このようなディジタル信号受信機
に適用できるものである。
【0053】図5は、第3の実施形態のアナログ/ディ
ジタル変換装置の全体構成を示すブロック図であり、上
述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分に
は、同一、対応符号を付して示している。
【0054】図5において、第3の実施形態のアナログ
/ディジタル変換装置は、第1の系統(ここでは同相成
分の処理系とする)に係る構成として、入力端子1I、
可変利得増幅部2I、A/D変換部3I、減算部4I、
出力端子5I、DCオフセット測定部6I、フィルタ7
I及び電力測定部8Iを備え、また、第2の系統(ここ
では直交成分の処理系とする)に係る構成として、入力
端子1Q、可変利得増幅部2Q、A/D変換部3Q、減
算部4Q、出力端子5Q、DCオフセット測定部6Q、
フィルタ7Q及び電力測定部8Qを備え、第1及び第2
の系統に共通する構成として、減算部9、基準レベル制
御部10、フィルタ11及びD/A変換部12を備えて
いる。
【0055】各系統に固有の構成要素である入力端子1
I、可変利得増幅部2I、A/D変換部3I、減算部4
I、出力端子5I、DCオフセット測定部6I、フィル
タ7I、電力測定部8I、入力端子1Q、可変利得増幅
部2Q、A/D変換部3Q、減算部4Q、出力端子5
Q、DCオフセット測定部6Q、フィルタ7Q及び電力
測定部8Qの機能は、第1の実施形態の対応要素と同様
であるので、その説明は省略する。
【0056】これに対して、両系統に共通する減算部
9、基準レベル制御部10、フィルタ11及びD/A変
換部12の機能は、第1の実施形態の対応要素と基本的
には同様であるが、細かく見た場合には若干異なってい
る。
【0057】第3の実施形態の基準レベル制御部10に
は、両系統のフィルタ7I及び7QからDCオフセット
の補正値が与えられ、基準レベル制御部10は、これら
2系統のDCオフセットの補正値から基準レベルを形成
して減算部9に被減算入力として与えるものである。
【0058】第3の実施形態の減算部9は、基準レベル
制御部10からの基準レベルから、2系統の電力測定部
8I及び8Qから出力された測定電力をそれぞれ減算
し、減算結果をフィルタ11に与えるものである。
【0059】フィルタ11は、減算部9からの出力信号
を平滑化してD/A変換部12に与えるものである。
【0060】第3の実施形態のD/A変換部12は、減
算部9からの出力信号(ディジタル信号)をアナログ信
号に変換して、2系統の可変利得増幅部2I及び2Qに
対し、利得制御信号として与えるものである。
【0061】次に、この第3の実施形態のアナログ/デ
ィジタル変換装置の全体動作を説明する。
【0062】図5において、入力端子1Iから入力され
た同相成分に係るアナログ信号は、可変利得増幅部2I
によって増幅されてA/D変換部3Iに入力され、ディ
ジタル信号に変換される。この変換後のディジタル信号
から、減算部4Iにおいて、DCオフセットの補正値が
減算されて、第1の系統についてのDCオフセット補償
が実行される。
【0063】減算部4Iからのディジタル出力信号は、
出力端子5Iを介して、次段の処理回路(図示せず)に
与えられ、所定の処理(例えば、ディジタル変調信号に
対する復調や復号)が施される。
【0064】また、減算部4Iからのディジタル出力信
号は、DCオフセット測定部6Iにも与えられ、このD
Cオフセット測定部6Iにおいて、第1の系統のA/D
変換で生じたDCオフセットが測定され、この測定され
たDCオフセットが、フィルタ7Iによって平滑化され
て、DCオフセット値として減算部4Iに減算入力とし
て与えられる。すなわち、減算部4I、DCオフセット
測定部6I及びフィルタ7Iでなる処理ループの処理に
よって、第1の系統についてのA/D変換後のディジタ
ル信号におけるDCオフセット成分が除去される。
【0065】一方、入力端子1Qから入力された直交成
分に係るアナログ信号は、可変利得増幅部2Qによって
増幅されてA/D変換部3Qに入力され、ディジタル信
号に変換される。この変換後のディジタル信号から、減
算部4Qにおいて、DCオフセットの補正値が減算され
て、第2の系統についてのDCオフセット補償が実行さ
れる。
【0066】減算部4Qからのディジタル出力信号は、
出力端子5Qを介して、次段の処理回路(図示せず)に
与えられ、所定の処理(例えば、ディジタル変調信号に
対する復調や復号)が施される。
【0067】また、減算部4Qからのディジタル出力信
号は、DCオフセット測定部6Qにも与えられ、このD
Cオフセット測定部6Qにおいて、第2の系統のA/D
変換で生じたDCオフセットが測定され、この測定され
たDCオフセットが、フィルタ7Qによって平滑化され
て、DCオフセット値として減算部4Qに減算入力とし
て与えられる。すなわち、減算部4Q、DCオフセット
測定部6Q及びフィルタ7Qでなる処理ループの処理に
よって、第2の系統についてのA/D変換後のディジタ
ル信号におけるDCオフセット成分が除去される。
【0068】上述したフィルタ7Iの出力信号(DCオ
フセットの補正値)は、基準レベル制御部10にも与え
られる。また、フィルタ7Qの出力信号(DCオフセッ
トの補正値)も、基準レベル制御部10にも与えられ
る。これにより、基準レベル制御部10からは、2系統
のDCオフセットの補正値に応じた最適な基準レベルが
減算部9へ被減算入力として与えられる。
【0069】上述した第1の系統についてDCオフセッ
ト補償された減算部4Iからのディジタル出力信号は、
電力測定部8Iにも与えられ、この電力測定部8Iによ
ってその信号電力が測定されて減算部9へ減算入力とし
て与えられる。同様に、第2の系統についてDCオフセ
ット補償された減算部4Qからのディジタル出力信号
は、電力測定部8Qにも与えられ、この電力測定部8Q
によってその信号電力が測定されて減算部9へ減算入力
として与えられる。
【0070】これにより、減算部9からは、基準レベル
から、2系統の測定電力レベルの和を減じた差分信号が
出力され、この差分信号がフィルタ11によって平滑化
された後、D/A変換部12によってアナログ信号に変
換されて、利得制御信号として可変利得増幅部2I及び
2Qに与えられる。
【0071】すなわち、可変利得増幅部2I、A/D変
換部3I、減算部4I、電力測定部8I、減算部9、フ
ィルタ11及びD/A変換部12でなる処理ループの処
理と、可変利得増幅部2Q、A/D変換部3Q、減算部
4Q、電力測定部8Q、減算部9、フィルタ11及びD
/A変換部12でなる処理ループの処理とにより、その
時点で基準レベル制御部10から出力されている基準レ
ベルと、変換後の2種類のディジタル信号の測定電力の
和との差が0になるように、可変利得増幅部2I及び2
Qの利得が制御される。その結果、A/D変換部3I及
び3Qへのアナログ入力信号が過度に小さかったり過度
に大きかったりすることを防止できる。しかも、かかる
動作の基準となる基準レベルは、DCオフセットに応じ
た最適なものとなっている。
【0072】次に、この第3の実施形態の基準レベル制
御部10の内部構成及び動作について詳述する。上述し
たように、最適な基準レベルは、DCオフセットの大き
さに依存する。この場合、2種類のDCオフセットの双
方を考慮している。また、上述したように、基準レベル
制御部10は、2種類のDCオフセットの大きさに応じ
て、最適な基準レベルを形成して減算部9へ出力する。
【0073】例えば、2種類のDCオフセットの大きさ
(DCオフセットの補正値)と最適な基準レベルとに、
図6に示すような関係がある場合には、基準レベル制御
部10は、図6に示すような最適な基準レベルを記憶し
たROMで構成することができる。この図6に示すよう
に、同相成分のDCオフセット補正値と直交成分のDC
オフセット補正値とは、互いに独立であるため、同相成
分及び直交成分のDCオフセット補正値の全ての組み合
わせを考慮しなければならない。
【0074】ROMで構成する場合、ROMの格納エリ
アを特定するアドレスを、同相成分のDCオフセット補
正値を上位側、直交成分のDCオフセット補正値を下位
側とするような組み合わせとしておけば、2種類のDC
オフセットの補正値に応じた最適な基準レベルを減算部
9へ供給することができる。
【0075】以上のように、第3の実施形態によれば、
例えば同相及び直交成分のような2系統の信号をA/D
変換を行なうにつき、ディジタル信号の目標電力を規定
する基準レベルを、測定したDCオフセットの大きさに
応じて、最適なものに調整できるため、A/D変換部へ
のアナログ入力信号のレベルを最適化でき、当該装置か
ら精度良くA/D変換された2系統のディジタル信号を
出力させることができる。その結果、このアナログ/デ
ィジタル変換装置からのディジタル信号を処理する処理
回路での精度も向上させることができる。例えば、2系
統のディジタル信号に対してディジタル復調処理や復号
処理を行うものであれば、再生データの誤り率特性を従
来より向上させることができる。
【0076】また、この第3の実施形態によれば、D/
A変換部12の出力信号を、2系統の可変利得増幅部2
I及び2Qに対する共通の利得制御信号として、これら
可変利得増幅部2I及び2Qが同一の利得で増幅するよ
うにしているので、当該装置から、レベルのバランスが
とれた2系統のディジタル信号を出力させることができ
る。その結果、この面からも、当該アナログ/ディジタ
ル変換装置からの2系統のディジタル信号を処理する処
理回路での精度も向上させることができる。例えば、2
系統(同相成分及び直交成分)のディジタル信号に対し
てディジタル復調処理や復号処理を行うものであれば、
I−Q平面で円周上に2系統のディジタル信号の合成点
が位置することが好ましく、2系統のディジタル信号の
レベルのバランスがとれていれば、このことを満足でき
る。
【0077】(D)第4の実施形態 次に、本発明によるアナログ/ディジタル変換装置の第
4の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0078】この第4の実施形態のアナログ/ディジタ
ル変換装置も、全体構成は、第3の実施形態に係る図5
で表すことができ、基準レベル制御部10の詳細構成が
第3の実施形態と異なっているものである。そこで、以
下では、基準レベル制御部10の詳細構成及び動作につ
いて説明する。
【0079】図7は、第4の実施形態の基準レベル制御
部10の詳細構成を示すブロック図である。
【0080】図7において、第4の実施形態の基準レベ
ル制御部10は、2個の入力端子31I及び31Q、2
個の加算部32及び36、定数記憶部(線形係数記憶
部)33、定数記憶部(定数項記憶部)34、乗算部3
5並びに出力端子37から構成されている。なお、入力
端子31Iは、フィルタ7I(図5参照)の出力端子と
接続されるものであり、入力端子31Qは、フィルタ7
Q(図5参照)の出力端子と接続されるものであり、出
力端子37は、減算部9(図5参照)の被減算入力端子
と接続されるものである。
【0081】図7において、入力端子31Iを介して入
力されたフィルタ7IからのDCオフセット(の補正
値)と、入力端子31Qを介して入力されたフィルタ7
QからのDCオフセット(の補正値)とは、加算部32
において加算され、得られた加算値には、乗算部35に
おいて、定数記憶部33に記憶されている定数(線形係
数)が乗算され、得られた乗算出力には、加算部36に
おいて、定数記憶部34に記憶されている定数(定数
項)が加算され、得られた加算出力が出力端子37を介
して減算部9(図5参照)の被減算入力(最適な基準レ
ベル)として与えられる。
【0082】この第4の実施形態の基準レベル制御部1
0は、2種類のDCオフセットの補正値の和と、最適な
基準レベルとの間に線形関係(1次関数)があると近似
し得る場合の構成である。
【0083】上述した図6に示す2種類のDCオフセッ
トの大きさと最適な基準レベルとの関係は、この近似が
成立する場合に該当する。すなわち、最適な基準レベル
をR、同相成分のDCオフセット補正値をDi、直交成
分のDCオフセット補正値をDqとおくと、図6に示す
2種類のDCオフセットの大きさと最適な基準レベルと
の関係には、(2)式に示す近似式が成立する。
【0084】 Rc・(Di+Dq)+d =−2・(Di+Dq)+56 …(2) 従って、この例の場合には、定数記憶部(線形係数記憶
部)33に「−2」を、定数記憶部(定数項記憶部)3
4に「56」を記憶しておけば、2種類のDCオフセッ
トの大きさDi、Dqに応じた最適な基準レベルRを求
めて出力することができる。
【0085】なお、図7では、定数記憶部33と乗算部
35とで、(2)式におけるc・(Di+Dq)の演算
を行うものを示したが、この構成部分は、一定値を乗算
できるものであれば他の構成でも良い。例えば、線形係
数aが2のべき乗であれば、乗算構成部分を、シフタで
構成することもできる。また、加算部36は、減算する
ものであっても良い。
【0086】近似関数としては、2次関数や、DCオフ
セットの大きさDi、Dqをそれぞれ変数とした線形関
数で近似させても良く、その場合には、それに応じた複
数の演算素子や定数記憶部を配置すれば良い。
【0087】この第4の実施形態によっても、第3の実
施形態と同様な効果を奏することができる。
【0088】また、この第4の実施形態によれば、基準
レベル制御部10部分の回路規模の縮小化を期待でき
る。アナログ/ディジタル変換装置は、1チップ上に他
の回路と共に搭載されることが多くなると考えられる
が、チップ上にROMを形成させた場合、一般的に、そ
の部分の回路規模が大きくなり、他の要素の占有面積な
どを圧迫する。第4の実施形態の場合、ROMを適用し
ていないので、このような不都合の発生を回避できると
思われる。
【0089】(E)第5の実施形態 次に、本発明によるアナログ/ディジタル変換装置の第
5の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0090】この第5の実施形態のアナログ/ディジタ
ル変換装置は、第3及び第4の実施形態と同様に、関連
する2系統のアナログ入力信号をそれぞれ、ディジタル
信号に変換するものである。
【0091】図8は、第5の実施形態のアナログ/ディ
ジタル変換装置の全体構成を示すブロック図であり、上
述した第1の実施形態に係る図1との対応部分には、対
応符号を付して示している。
【0092】関連する2系統のアナログ入力信号をそれ
ぞれディジタル信号に変換する、上述した第3及び第4
の実施形態は、2系統に共通する減算部9、基準レベル
制御部10、フィルタ11及びD/A変換部12が設け
られていた。
【0093】しかし、この第5の実施形態の場合には、
これらの構成要素も各系統毎に設けられている。すなわ
ち、第1の系統には、減算部9I、基準レベル制御部1
0I、フィルタ11I及びD/A変換部12Iが設けら
れており、また、第2の系統には、減算部9Q、基準レ
ベル制御部10Q、フィルタ11Q及びD/A変換部1
2Qが設けられている。
【0094】従って、この第5の実施形態の場合、第1
の系統(同相成分の処理系)のA/D変換構成と、第2
の系統(同相成分の処理系)のA/D変換構成とは独立
の存在であって、信号を授受する構成とはなっておら
ず、各系統の構成はそれぞれ、第1の実施形態の構成と
ほぼ同様になっている。
【0095】各系統の構成が、第1の実施形態の構成と
異なる点は、減算部4I、4Qから出力端子5I、5Q
への経路上に利得補正部13I、13Qを備えている点
である。その他の構成要素は、第1の実施形態と同様で
あるので、その機能説明は省略する。
【0096】各利得補正部13I、13Qには、対応す
るフィルタ7I、7Qから出力されたDCオフセットの
補正値が与えられる。各利得補正部13I、13Qはそ
れぞれ、対応する減算部4I、4Q出力されたディジタ
ル信号に対し、対応するフィルタ7I、7Qから出力さ
れたDCオフセットの補正値によって定まる利得補正値
を乗算して対応する出力端子5I、5Qに与えるもので
ある。
【0097】これら利得補正部13I及び13Qは、第
1の系統の(同相成分の)出力ディジタル信号と、第2
の系統の(直交成分の)出力ディジタル信号の重みを同
一にするように、言い換えると、両系統のディジタル信
号のレベルバランスを良好にするために設けられたもの
である。
【0098】上述した第3及び第4の実施形態の場合、
同一の利得制御信号によって、2系統の可変利得増幅部
2I及び2Qの利得を制御しているので、両系統のディ
ジタル信号のレベルバランスが良好になっていることが
期待できる。しかしながら、その信号を形成するために
利用されるDCオフセットの補正値は、2系統の独立し
たループによって形成されているため、利得制御信号自
体の精度が悪い恐れもある。すなわち、2系統の構成が
同一の半導体チップ上に形成されるような2系統の対応
構成要素の対応性が高い場合には、第3及び第4の実施
形態は非常に有用なものであるが、2系統のDCオフセ
ットの補償構成の対応が悪いような場合には、共通化さ
れた利得制御信号の精度は低くなることもある。
【0099】このような場合には、この第5の実施形態
のように、2系統の構成に、共通構成を設けないことが
好ましい。しかし、この場合には、当該アナログ/ディ
ジタル変換装置からの2系統のディジタル信号のレベル
バランスが良好でないことも生じる。そのため、各系統
に利得補正部13I、13Qを設けて、2系統のディジ
タル信号のレベルバランスを良好なものとするようにし
ている。
【0100】ここで、各系統の利得補正部13I、13
Qは、両系統間での信号授受がないものであるので、基
準利得のディジタル信号を出力させるように補正させる
ものとなっている。
【0101】上述したように、各利得補正部13I、1
3Qは、同相成分及び直交成分の重みを同一とするよう
な補正利得を乗算する。例えば、同相成分の基準レベル
をRi、直交成分の基準レベルをRq、同相成分の補正
利得をGi、直交成分の補正利得をGqとおくと、
(3)式の関係を満足するような補正利得を得て、利得
補正を行う。なお、(3)式は、基準レベルRi、Rq
を用いて表現しているが、第1の実施形態について説明
したように、一般的には、基準レベルRi、Rqと、D
Cオフセット(の補正値)とは線形関係があるので、D
Cオフセットから容易に補正利得をGi、Gqを定める
ことができる。
【0102】 Ri×Gi2 =Rq×Gq2 …(3) この(3)式は、以下のような定性的な意味合いを有し
ている。当該アナログ/ディジタル変換装置へのアナロ
グ入力信号から見た、当該装置からのディジタル出力信
号の利得は、可変利得増幅部2I、2Qでの利得と、利
得補正部13I、13Qでの利得の積と考えられる。可
変利得増幅部2I、2Qでの利得を間接的に定めるもの
として、基準レベル制御部10I、10Qからの基準レ
ベルがあるが、これは測定電力の目標値になっているの
で、次数的には、信号利得の2乗のパラメータである。
当該装置からのディジタル出力信号における同相成分及
び直交成分の重みを同一とするためには、可変利得増幅
部2I、2Qについて利得パラメータと、利得補正部1
3I、13Qでの利得パラメータ(両パラメータの次数
が揃っていることを要する)との積が同じであれば良
い。すなわち、(3)式を満足させることができれば、
当該装置からのディジタル出力信号における同相成分及
び直交成分の重みを同一にできる。
【0103】図9は、DCオフセット(の補正値)と基
準レベルとが上述した図3に示す関係がある場合であっ
て、補正利得の決定式が(3)式である場合における、
DCオフセット(の補正値)と補正利得との関係を示す
ものである。なお、図9におけるsqrt(X)は、X
の平方根を表している。例えば、図9に示す関係をRO
Mテーブルで構成しておき、各利得補正部13I、13
Qはそれぞれ、、DCオフセット(の補正値)が与えら
れると、テーブルから補正利得を取り出し、この補正利
得を減算部4I、4Qからの出力信号(ディジタル信
号)に乗算してその利得を補正する。
【0104】この第5の実施形態によっても、第3及び
第4の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0105】さらに、この第5の実施形態によれば、利
得補正部を設けたことにより、同相成分及び直交成分に
ついてそれぞれ独立に最適な基準レベルの設定、アナロ
グ段階での利得制御を行なうことができ、当該装置の精
度向上を期待できる。
【0106】(F)第6の実施形態 次に、本発明によるアナログ/ディジタル変換装置の第
6の実施形態を簡単に説明する。
【0107】図10は、この第6の実施形態のアナログ
/ディジタル変換装置の全体構成を示すブロック図であ
り、上述した第5の実施形態に係る図8との同一、対応
部分には、同一、対応符号を付して示している。
【0108】この第6の実施形態のアナログ/ディジタ
ル変換装置は、第5の実施形態と同様な技術思想に則っ
てなされたものであり、相違点は、図10及び図8の比
較から明らかなように、補正利得を決定させるために利
得補正部13I、13Qに入力させる信号が、DCオフ
セット(の補正値)ではなく、対応する基準レベル制御
部10I、10Qから出力された基準レベルとなってい
る点である。
【0109】従って、この第6の実施形態の場合、上述
した(3)式の関係そのものから補正利得を定めること
ができる。
【0110】図11は、この第6の実施形態での利得補
正部13(13I又は13Q;以下では、13Iとして
図11の構成を説明する)の詳細構成例を示すものであ
り、上述した(3)式における右辺及び左辺の具体的な
値(定数)が「1」の場合に対応しているものである。
【0111】図11において、利得補正部13は、2個
の入力端子41及び42、平方根演算部43、逆数演算
部44、乗算部45並びに出力端子46からなる。第1
の入力端子41は、基準レベル制御部10Iの出力端子
に接続されており、第2の入力端子42は、減算部4I
の出力端子に接続されており、出力端子46は、当該ア
ナログ/ディジタル変換装置全体の出力端子5Iに接続
されている。
【0112】入力端子41から入力された基準レベルの
平方根が、平方根演算部43において求められ、その逆
数が逆数演算部44において求められ、補正利得として
乗算部45に入力される。この乗算部45には、第2の
入力端子42を介して減算部4Iからの出力信号も入力
されており、乗算部45において、この出力信号に補正
利得が乗算されてその利得が他の系統のレベルとバラン
スがとれるように補正され、出力端子46から出力され
る。
【0113】この第6の実施形態においても、基本的技
術思想は第5の実施形態と同様であるので、第5の実施
形態と同様な効果を奏することができる。
【0114】これに加えて、第6の実施形態によれば、
ROMテーブルを用いることなく、利得補正部13I及
び13Qを構成でき、その結果、当該装置の小規模化が
期待できる。
【0115】(G)第7の実施形態 次に、本発明によるアナログ/ディジタル変換装置の第
7の実施形態を簡単に説明する。
【0116】図12は、この第7の実施形態のアナログ
/ディジタル変換装置の全体構成を示すブロック図であ
り、上述した第6の実施形態に係る図10との同一、対
応部分には、同一、対応符号を付して示している。
【0117】この第7の実施形態のアナログ/ディジタ
ル変換装置は、第6の実施形態と同様な技術思想に則っ
てなされたものであり、相違点は、図12及び図10の
比較から明らかなように、補正利得を決定させるために
利得補正部13I、13Qに入力させる信号が、自系統
の基準レベル制御部10I、10Qから出力された基準
レベルではなく、他系統の基準レベル制御部10Q、1
0Iから出力された基準レベルとなっている点である。
【0118】上述した(3)式を変形すると、次の
(4)式が得られる。この(4)式における右辺及び左
辺の値を定数Aとおくと(両系統の重みを同じにするの
で定数として扱って良い)、さらに、(5)式を得られ
る。この(5)式から明らかなように、補正利得を、他
系統の基準レベル制御部10から出力された基準レベル
から定められることが分かる。
【0119】 Gi2 /Rq=Gq2 /Ri …(4) Gi2 =A・Rq Gq2 =A・Ri …(5) 図13は、この第7の実施形態での利得補正部13(1
3I又は13Q;以下では、13Iとして図13の構成
を説明する)の詳細構成例を示すものであり、上述した
(5)式における定数Aが「1」の場合に対応している
ものである。
【0120】図13において、利得補正部13は、2個
の入力端子51及び52、平方根演算部53、乗算部5
4並びに出力端子55からなる。第1の入力端子51
は、他系統の基準レベル制御部10Qの出力端子に接続
されており、第2の入力端子52は、減算部4Iの出力
端子に接続されており、出力端子55は、当該アナログ
/ディジタル変換装置全体の出力端子5Iに接続されて
いる。
【0121】第1の入力端子51から入力された他系統
の基準レベルの平方根が、平方根演算部52において求
められ、補正利得として乗算部54に入力される。この
乗算部54には、第2の入力端子52を介して減算部4
Iからの出力信号も入力されており、乗算部54におい
て、この出力信号に補正利得が乗算されてその利得が他
系統のレベルとバランスがとれるように補正され、出力
端子55から出力される。
【0122】この第7の実施形態においても、基本的技
術思想は第6の実施形態と同様であるので、第6の実施
形態と同様な効果を奏することができる。これに加え
て、第7の実施形態によれば、逆数演算部を不要とした
分、利得補正部13I及び13Qを簡単なものとするこ
とができる。
【0123】(H)他の実施形態 本発明のアナログ/ディジタル変換装置はディジタル信
号受信機に搭載されることが意図されてなされたもので
あるが、他の装置におけるアナログ/ディジタル変換装
置に本発明を適用しても良いことは勿論である。
【0124】また、上記第3〜第6の実施形態では、2
系統の信号をA/D変換する場合を示したが、3種類以
上の信号をA/D変換する装置に対しても、本発明を適
用することができる。なお、利得補正部を設ける技術思
想は、1種類の信号をA/D変換する装置に対しても適
用可能である。
【0125】さらに、上記の説明では、装置構成がハー
ドウェア構成で実現されているようにして説明したが、
DSPやCPUなどを用いて、一部をソフトウェア構成
で実現するようにしても良い。
【0126】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、変換前
のアナログ信号の利得を可変する目標電力としての基準
レベルを、直流オフセットに応じて可変するようにした
ので、従来に比較して、高精度にA/D変換されたディ
ジタル信号を出力することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図2】従来の課題の説明に供する特性曲線図である。
【図3】第1の実施形態の基準レベル制御部の構成説明
図である。
【図4】第2の実施形態の基準レベル制御部の詳細構成
を示すブロック図である。
【図5】第3の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図6】第3の実施形態の基準レベル制御部の構成説明
図である。
【図7】第4の実施形態の基準レベル制御部の詳細構成
を示すブロック図である。
【図8】第5の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図9】第5の実施形態のDCオフセットと補正利得と
の関係を示す説明図である。
【図10】第6の実施形態の全体構成を示すブロック図
である。
【図11】第6の実施形態の利得補正部の詳細構成例を
示すブロック図である。
【図12】第7の実施形態の全体構成を示すブロック図
である。
【図13】第7の実施形態の利得補正部の詳細構成例を
示すブロック図である。
【符号の説明】
2、2I、2Q…可変利得増幅部、 3、3I、3Q…A/D変換部、 4、4I、4Q、9…減算部、 6、6I、6Q…DCオフセット測定部、 7、7I、7Q、11…フィルタ、 8、8I、8Q…電力測定部、 10、10I、10Q…基準レベル制御部、 12、12I、12Q…D/A変換部、 13I、13Q…利得補正部、 22、23、33、34…定数記憶部、 24、35、45、54…乗算部、 25、32、36…加算部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力アナログ信号を利得制御信号が指示
    する利得で増幅する可変利得手段と、 この可変利得手段によって増幅されたアナログ信号をデ
    ィジタル信号に変換するA/D変換手段と、 このA/D変換手段からのディジタル信号における直流
    オフセットを測定して除去するDCオフセット補償手段
    と、 上記A/D変換手段からのディジタル信号についての電
    力を測定する電力測定手段と、 この電力測定手段が測定した電力が基準レベルを保つよ
    うな上記利得制御信号を形成する利得制御手段と、 上記DCオフセット補償手段が測定した直流オフセット
    に基づいて、上記基準レベルを制御する基準レベル制御
    手段とを備えることを特徴とするアナログ/ディジタル
    変換装置。
  2. 【請求項2】 上記基準レベル制御手段は、入力された
    直流オフセットをアドレスとするメモリエリアに格納さ
    れている基準レベルを出力するメモリテーブルでなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアナログ/ディジタル
    変換装置。
  3. 【請求項3】 上記基準レベル制御手段は、入力された
    直流オフセットに所定の定数を乗算する乗算部と、その
    乗算出力に所定の定数を加算する加算部とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載のアナログ/ディジタル変
    換装置。
  4. 【請求項4】 M(Mは2以上の整数)系統の入力アナ
    ログ信号をそれぞれ、ディジタル信号へ変換して出力す
    るアナログ/ディジタル変換装置において、 第m(mは1〜M)の入力アナログ信号を共通利得制御
    信号が指示する利得で増幅する第mの可変利得手段と、 第mの可変利得手段によって増幅されたアナログ信号を
    ディジタル信号に変換する第mのA/D変換手段と、 第mのA/D変換手段からのディジタル信号における直
    流オフセットを測定して除去する第mのDCオフセット
    補償手段と、 上記第mのA/D変換手段からのディジタル信号につい
    ての電力を測定する第mの電力測定手段と、 第1〜第Mの電力測定手段が測定した電力の総和が基準
    レベルを保つような上記共通利得制御信号を形成して第
    1〜第Mの可変利得手段に与える利得制御手段と、 上記第1〜第MのDCオフセット補償手段が測定した直
    流オフセットに基づいて、上記基準レベルを制御する基
    準レベル制御手段とを備えることを特徴とするアナログ
    /ディジタル変換装置。
  5. 【請求項5】 上記基準レベル制御手段は、入力された
    M個の直流オフセットを所定位置に配置したデータをア
    ドレスとするメモリエリアに格納されている基準レベル
    を出力するメモリテーブルでなることを特徴とする請求
    項4に記載のアナログ/ディジタル変換装置。
  6. 【請求項6】 上記基準レベル制御手段は、入力された
    M個の直流オフセットの総和を求める総和演算部と、そ
    の総和に所定の定数を乗算する乗算部と、その乗算出力
    に所定の定数を加算する加算部とを備えることを特徴と
    する請求項4に記載のアナログ/ディジタル変換装置。
  7. 【請求項7】 M(Mは2以上の整数)系統の入力アナ
    ログ信号をそれぞれ、ディジタル信号へ変換して出力す
    るアナログ/ディジタル変換装置において、 第m(mは1〜M)の入力アナログ信号を第mの利得制
    御信号が指示する利得で増幅する第mの可変利得手段
    と、 第mの可変利得手段によって増幅されたアナログ信号を
    ディジタル信号に変換する第mのA/D変換手段と、 第mのA/D変換手段からのディジタル信号における直
    流オフセットを測定して除去する第mのDCオフセット
    補償手段と、 上記第mのA/D変換手段からのディジタル信号につい
    ての電力を測定する第mの電力測定手段と、 第mの電力測定手段が測定した電力が基準レベルを保つ
    ような上記第mの利得制御信号を形成して第mの可変利
    得手段に与える第mの利得制御手段と、 上記第mのDCオフセット補償手段が測定した直流オフ
    セットに基づいて、上記第mの利得制御手段に与える基
    準レベルを制御する第mの基準レベル制御手段と、 第mのDCオフセット補償手段から出力された直流オフ
    セットが除去されたディジタル信号の利得を、第mの基
    準レベル制御手段から出力される基準レベルの変化に応
    じて補正して、第mの系統の出力ディジタル信号とする
    第mの利得補正手段とを備え、 入力アナログ信号に対する出力ディジタル信号の総合利
    得が全ての系統で同じになるように、上記第1〜第Mの
    利得補正手段が利得補正処理を行なうことを特徴とする
    アナログ/ディジタル変換装置。
  8. 【請求項8】 上記第mの利得補正手段は、上記第mの
    DCオフセット補償手段が測定した直流オフセットに基
    づき、基準レベルの変化に応じた利得補正処理を行なう
    ことを特徴とする請求項7に記載のアナログ/ディジタ
    ル変換装置。
  9. 【請求項9】 上記第mの利得補正手段は、上記第mの
    基準レベル制御手段が求めた基準レベルに基づき、基準
    レベルの変化に応じた利得補正処理を行なうことを特徴
    とする請求項7に記載のアナログ/ディジタル変換装
    置。
  10. 【請求項10】 Mが2である請求項7に記載のアナロ
    グ/ディジタル変換装置において、 上記第1の利得補正手段は、上記第2の基準レベル制御
    手段が求めた基準レベルに基づき、基準レベルの変化に
    応じた利得補正処理を行なうと共に、 上記第2の利得補正手段は、上記第1の基準レベル制御
    手段が求めた基準レベルに基づき、基準レベルの変化に
    応じた利得補正処理を行なうことを特徴とするアナログ
    /ディジタル変換装置。
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