JPH11275877A - 圧電発電装置及びこの圧電発電装置を備えた携帯型機器 - Google Patents

圧電発電装置及びこの圧電発電装置を備えた携帯型機器

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JPH11275877A
JPH11275877A JP10071034A JP7103498A JPH11275877A JP H11275877 A JPH11275877 A JP H11275877A JP 10071034 A JP10071034 A JP 10071034A JP 7103498 A JP7103498 A JP 7103498A JP H11275877 A JPH11275877 A JP H11275877A
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JP
Japan
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film
piezoelectric
piezoelectric body
generator according
vibration
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JP10071034A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Funasaka
司 舩坂
Taiji Hashimoto
泰治 橋本
Makoto Furuhata
誠 古畑
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加振手段が圧電体に加振した際の両者の接触
時間を調整することで、加振手段が圧電体に衝突した際
に圧電体に加えられる効率を向上させることで発電効率
の良い圧電発電装置を提供する。 【解決手段】 圧電効果を利用して発電するための圧電
体9と、前記圧電体9に振動を与えるための加振手段1
3と、振動可能なように前記圧電体9の一部を固定する
ための固定手段11と、を有し、前記加振手段13によ
り前記圧電体9に振動を与えた際の前記圧電体9の接触
部25には、接触時間を変化させるための膜31が設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電体の圧電効
果を利用して発電を行う圧電発電装置及びこの圧電発電
装置を備えた携帯型機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ページャ又は腕時計等の携帯型の機器は
2次電池を有し、この2次電池を発電装置により充電す
るものがある。従来の発電装置には、圧電体に変位を与
えることで圧電体の圧電効果によって発生した電力を利
用して発電するものがある(以下、圧電発電装置と呼
ぶ)。例えば、特開平09−205781の様にこの圧
電発電装置は、圧電体、この圧電体に振動を加えるため
の加振部及びこの加振部により振動させる際に圧電体の
一部を固定するための固定手段を有する。
【0003】使用者が、この腕時計を使用することで使
用者の操作に連動して振動する加振部が圧電体に対して
変位を与える。この圧電発電装置においては、梁あるい
は円盤型等の圧電体を使用する場合には、加振部により
圧電体に対して振動を起こすことで、エネルギーを取得
して発電する。加振部が固定手段により振動可能なよう
に一部を固定された圧電体に対して衝突する時には、加
振部及び圧電体の質量がほぼ1:1であると、加振部が
圧電部に効率よくエネルギーを伝えることができる。こ
のようにして、発電装置は効率よく発電を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
圧電発電装置においては、加振部が圧電体に接触する時
に圧電体が局部的に歪みを生ずる。このため、加振部と
圧電体がある程度の時間接触する。従って、加振部が圧
電体に衝突して圧電体から遠ざかる時に、加振部が、振
動して戻ってきた圧電体に触れて2度衝突してしまう場
合がある。このようなことが生ずると、圧電体の変位を
減少させてしまい、発電装置の発電効率が低下してしま
うおそれがある。
【0005】この発明の目的は、上記課題を解消して、
加振手段が圧電体に加振した際の両者の接触時間を調整
することで、加振手段が圧電体に衝突した際に圧電体に
加えられる効率を向上させることで発電効率の良い圧電
発電装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、圧電
効果を利用して発電するための圧電体と、前記圧電体に
振動を与えるための加振手段と、振動可能なように前記
圧電体の一部を固定するための固定手段と、を備え、前
記加振手段により前記圧電体に振動を与えた際の前記圧
電体の接触部には、接触時間を変化させるための膜が設
けられていることを特徴とする。
【0007】この請求項1の構成によれば、固定手段に
より振動可能なように固定された圧電体には、加振手段
が接触する接触部に膜が設けられている。この膜は、加
振手段が圧電体の一表面上の膜に衝突する際に、加振手
段が膜に接触する時間を調整する。このため、加振手段
が圧電体に接触する時間を制御することで、加振手段に
残るエネルギーを減らすことができ、膜に振動を与えた
エネルギーを効率よく圧電体に伝えることができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記膜は、硬質膜である。
【0009】請求項3の発明は、請求項2の構成におい
て、前記膜は、硬質膜である。
【0010】請求項4の発明は、請求項2の構成におい
て、前記膜は、ダイヤモンドライクカーボンを材質とす
る。
【0011】請求項5の発明は、請求項2の構成におい
て、前記膜は、窒化チタンを材質とする。
【0012】請求項6の発明は、請求項2の構成におい
て、前記膜は、炭化チタンを材質とする。
【0013】請求項7の発明は、請求項2の構成におい
て、前記膜は、炭化シリコンを材質とする。
【0014】請求項8の発明は、請求項2の構成におい
て、前記膜は、鉄を材質とする。
【0015】請求項9の発明は、請求項2の構成におい
て、前記膜は、水晶を材質とする。請求項10の発明
は、請求項2の構成において、前記膜は、ニオブ酸リチ
ウムを材質とする。
【0016】請求項11の発明は、請求項2の構成にお
いて、前記膜は、焼き入れした鉄を材質とする。
【0017】この請求項2から11のいずれかの構成に
よれば、それぞれ加振手段が圧電体に対して加振した際
に、圧電体に設けられた膜により加振手段が圧電体に接
触する時間を短くすることができる。つまり、加振手段
により振動を与えられて変位した圧電体が戻ってきた際
に、加振手段が圧電体に衝突することを防止することが
できる。このため、加振手段が効率よく圧電体に対して
エネルギーを与えることができる。
【0018】請求項12の発明は、請求項1の構成にお
いて、前記膜は、軟質膜である。
【0019】請求項13の発明は、請求項12の構成に
おいて、前記膜は、テフロンを材質とする。
【0020】請求項14の発明は、請求項12の構成に
おいて、前記膜は、ポリイミドを材質とする。
【0021】請求項15の発明は、請求項12の構成に
おいて、前記膜は、軟鉄を材質とする。
【0022】請求項16の発明は、請求項12の構成に
おいて、前記膜は、りん青銅を材質とする。
【0023】この請求項12から16のいずれかの発明
によれば、それぞれ加振手段が圧電体に対して加振した
際に、加振手段が圧電体に接触する時間を長くすること
ができる。つまり、圧電体における変形の周期の時に加
振手段から脱出させる速度がほぼ0とし、加振手段が圧
電体から圧電体の振動に合わせて離れることで、加振手
段が圧電体に2度衝突することによるエネルギー損失を
防止することができる。
【0024】請求項17の発明は、請求項1から16の
いずれかの構成において、前記圧電部の平面方向におけ
る前記膜の面積は、前記圧電部の平面方向における前記
接触部の断面積の1から4倍である。
【0025】この請求項17の構成によれば、膜の弾性
が圧電体に影響を与えない範囲で、圧電体が振動するこ
とが可能となる。
【0026】請求項18の発明は、請求項1から17の
いずれかの構成において、前記膜の表面粗さは、1μm
以下である。
【0027】この請求項18の構成によれば、膜の表面
の粗さを1μm以下とすることによって、本来圧電体に
伝わるべきエネルギーの損失を防止する。このため、加
振手段が効率よく圧電体に対してエネルギーを与えるこ
とができる。
【0028】請求項19の発明は、請求項1から18の
いずれかの構成において、発電した電力を取り出すため
に前記圧電体の表面に設けられた複数の電極であって、
前記膜と前記圧電体との間に設けられた少なくとも1つ
の前記電極の一部又は全体が、硬質膜である。
【0029】この請求項19の構成によれば、電極は硬
質膜であるため、加振手段により膜に振動を与えたエネ
ルギーを効率よく圧電体に伝えることができる。
【0030】請求項20の発明は、請求項19の構成に
おいて、前記膜は、前記圧電体にて発電した電力を取り
出すために設けられた前記電極を兼ねている。
【0031】この請求項20の構成によれば、膜が電極
を兼ねているので、製造工程において工程数を減らすこ
とができる。
【0032】請求項21の発明は、請求項1から20の
構成としての圧電発電装置を備える携帯型機器である。
【0033】この請求項21の構成によれば、発電効率
の良い発電装置を搭載した携帯型機器を提供することが
できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形
態を図面に基づいて説明する。
【0035】以下の説明で、「節」とは物体が振動した
際に最も振動量が少ない部分をいい、「腹」とは物体が
振動した際に最も振動量が多い部分をいうものとする。
「衝突効率ηI」とは、物体が対象物に衝突した際の物
体が有するエネルギーの内、対象物に伝達した割合をい
うものとする。つまり、衝突効率ηI=対象物が物体よ
り得た歪みエネルギー/物体の運動エネルギーである。
【0036】実施形態1 図1は、この発明の第1の実施形態としての圧電発電装
置を搭載する携帯型機器の内部構成例を示す概要構成図
である。
【0037】携帯型機器2は、例えば懐中電灯、ラジ
オ、電話装置、卓上電算機又は腕時計等の使用者が携帯
可能な機器である。以下の説明では、携帯型機器の一例
として腕時計2を採用して説明する。腕時計2は、圧電
発電装置1、整流回路12、充電部14及び駆動部16
等を有する。
【0038】この腕時計2は、後述する圧電発電装置1
により発電された異なる位相を有する複数の電流を整流
回路12により整流する。整流回路12は、例えば全波
整流回路であっても良いし、半波整流回路等である。整
流回路12は、整流した電力を2次電池等の充電部14
に充電する。腕時計2は、充電部14の電力を電源とし
て、内蔵する電子回路及びモータ等の駆動部16が駆動
される。
【0039】図2は、図1の圧電発電装置を搭載する携
帯型機器の外観の一例を示す平面図である。
【0040】腕時計2は、圧電発電装置1が搭載されて
いるので、使用者が意図して発電を行うことができる。
腕時計2は、例えばアナログ表示式の針時計である。腕
時計2は、側胴であるケース15、ケース15に内蔵さ
れており、時刻が刻み込まれている文字板6、文字板6
に刻み込まれた所定の時刻を示す位置を指し示すことで
時間を表示する針5、ケース15の一表面に設けられて
おり、透過して針6の位置を視認することのできる上ガ
ラス3、ケース15に収納されており、針5を運針する
駆動系を有するムーブメント8、ムーブメント8の一部
であって、腕時計2の2次電池を充電するための圧電発
電装置1、及び腕時計2を使用者の腕等に取り付けるこ
とができるようにするためのベルト30等を有する。
【0041】図3は、図2の腕時計2のA−A’断面図
である。図4は、図3の腕時計2をI方向から見た場合
の平面図である。図5は、図4の腕時計2を示す斜視図
である。
【0042】腕時計2のムーブメント8の一部としての
圧電発電装置1は、りゅうず7、歯車19、増速歯車2
1、カム23、加振レバー13(加振手段)、固定部1
1(固定手段)、圧電体9等を有する。
【0043】りゅうず7は、ケース15の内部から外部
に跨って設けられている軸7aにおけるケース15の外
側の一端に設けられており、他端には歯車17が設けら
れている。りゅうず7は、発電する場合に使用者が摘ん
で回転させることにより、りゅうず7が一方に形成され
た軸7aを回転させることで、ケース15の内部の歯車
17を回転させる。歯車17は、ケース15の内部の歯
車19とかみ合っている。歯車17及び19は、それぞ
れかさば歯車である。
【0044】歯車19は、ケース15に固定された軸1
9bと同心状に歯車19aを有する。歯車19は、りゅ
うず7が軸7aを介して反対側に設けられている歯車1
7とかみ合わされている。使用者がりゅうず7を回転さ
せることにより歯車17が回転して、歯車19は軸19
bを中心として回転する。歯車19aは、歯車19に固
定されており、歯車19が回転することにより回転す
る。歯車19aには、増速歯車21がかみ合わされてい
る。
【0045】増速歯車21は、ケース15に固定された
軸21bを中心として、歯車19に連動した歯車19a
が回転することにより回転する。増速歯車21は、歯車
23a及び歯車19aとかみ合わされている。つまり、
増速歯車21は、歯車19の回転力を歯車23aに伝達
するための歯車である、カム23は、図4のように外周
に凸部23d及び凹部23cが交互に成形されている円
盤状の部材である。カム23は、ケース15に回転可能
に固定された回転軸23bに固定されており、同じく回
転軸23bに固定されている歯車23aに連動して回転
する。凸部23dは、図7(A)のようにカム23がX
2方向に回転することで加振レバー13のテーパ部13
eと接触して、加振レバー13をR1方向に持ち上げ
る。凹部23cは、カム23がX2方向に回転すること
で、凸部23dに接触していたテーパ部13eが落ちて
はまりこむ。加振レバー13は、図7(B)のようにR
2方向に回動して圧電体9に接触し、圧電体9にかろう
じて振れない程度離れた位置まで戻る。
【0046】加振レバー13は、圧電体9に対して振動
を与えるための部材である。加振レバー13は、ケース
15に固定された軸固定部4に設けられた軸4aが貫通
する軸穴13aを軸として図5のR方向に回動する。加
振レバー13には、圧電体9から離れた位置に配置する
ように予め設定された力(例えばバネ等により)を加え
られている。
【0047】加振レバー13は、図6のように胴部13
g、ハンマー部13f及び首部13b等を有する。加振
レバー13は、胴部13g、ハンマー部13f及び首部
13bが一体となるように一体成形されている。
【0048】胴部13gの側面には開口部13cが形成
されており、開口部13cの内周面13dにはテーパ部
13eが形成されている。テーパ部13eは、ハンマー
部13fから穴部13a方向にかけて厚みを増すように
形成されており、最も厚みを有する地点で内周面13d
に対して略垂直となるように切り込まれた形状となって
いる。テーパ部13eがこのような構成であるため、使
用者がりゅうず7を一定方向にのみ回転させるようにす
ることができる。テーパ面13eは、図5のようにカム
23の凸部23dと接触する。胴部13gには、加振レ
バー13が振動して回動するための軸4aを貫通させる
ための穴13aが形成されている。
【0049】ハンマー部13fは、加振レバー13の胴
部13gに設けられている軸穴13aを中心にして回動
することで、ハンマー部13fが圧電体9に衝突して圧
電体9に変位を与えるためのものである。
【0050】加振レバー13は、図7(A)のようにテ
ーパ部13eのテーパ面が、カム23がX2方向に回動
することによりカム23の凸部23dに接触する。加振
レバー13は、穴13aを貫通する図4の軸4aを軸と
してR1方向に回動することで、ハンマー部13fがR
1方向に持ち上げられる。さらに、使用者がさらにりゅ
うず7を所定の方向に回転させることにより、カム23
がX2方向に回動する。加振レバー13のテーパ部13
eは、カム23の凸部23dに接触していた状態から、
図7(B)のように凹部23cに落ち込むことによりハ
ンマー部13fがR2方向に回動して、圧電体9に対し
て振動を加える。
【0051】圧電体9は、加振レバー13のハンマー部
13fが接触して振動等が加えられることにより変位し
て、圧電体9の圧電効果により電圧を発生する圧電素子
である。圧電体9は、例えば円盤(略円筒)形状であ
り、固定部11により一部が固定されている。圧電体9
には、図7(A)の電極20e、20f(20)が設け
られており、例えば圧電体9の変位する方向に1つずつ
電極20が設けられている。電極20は、例えば金(下
地はCr、Ni又はTi等を材質としている)、銀又は
アルミニウム等の金属を材質とする。圧電体9付近につ
いての詳細は、後述する。
【0052】固定部11は、ケース15の一部分であ
り、突起部11a及び基礎部11b等を有する。突起部
11aは、ケース15の底部分である基礎部11bから
圧電体9を固定するために断面が、図3のような三角形
状の先の尖った突起状の形状をしている。突起部11a
の先端には、例えば接着剤により圧電体9が接着されて
いる。突起部11aは、圧電体9が振動した際の節の位
置を固定する。
【0053】圧電発電装置1の構成の概略は以上であ
り、その動作について簡単に説明する。
【0054】使用者が、りゅうず7を回転させること
で、軸7aを介して回転する歯車17が回転する。歯車
17は、前述したように歯車19、歯車19a、増速歯
車21及び歯車23aを介してカム23を図7(A)の
X2方向に回転させる。カム23がX2方向に回転する
ことで、カム23に成形されたテーパ部13eが、カム
23の凸部23dに当接する。カム23がさらにX2方
向に回転することで、凸部23dは、テーパ部13eを
図7(A)の押し上げることで、加振レバー13のハン
マー部13fをR1方向に押し上げる。使用者がさらに
りゅうず7を回転させることで、カム23はX2方向に
回転し、テーパ部13eは図7(B)のようにカム23
の凹部23cに落ちる。ハンマー部13fが図7(B)
のR2方向に回動して、圧電体9の腹をたたく。このよ
うにして、圧電体9は振動が加えられる。圧電体9は、
圧電効果により振動による機械的エネルギーを電気的エ
ネルギーに変換する。変換された電気エネルギーは、圧
電体9の表面に設けられた電極20等によりその出力が
取り出される。その出力は、図1の整流回路12にて整
流されて、充電部14に充電される。充電部14の電力
は、駆動部16等により消費される。このようにして、
加振レバー13が繰り返し圧電体9に対して加振するこ
とで、圧電発電装置1は発電を行う。
【0055】図8(A)は、図3の圧電体9付近の拡大
断面図である。
【0056】圧電体9の一表面であって加振レバー13
が接触する面には、膜31が設けられている。膜31
は、図8(B)のように例えば円盤形状をしている薄膜
である。膜31は、圧電体9の腹であって、例えば中心
付近に設けられている。膜31は、加振レバー13が圧
電体9に衝突する際の衝突時間(接触時間)を調整する
ためのものである。膜31は、表面粗さ31aが例えば
1.0μm以下である方が圧電発電装置1の発電効率が
良い。これは、図10のように表面粗さ31aが1.0
μmより大きくなると、加振レバー13が圧電体9に加
振した場合の損失が極端に大きくなることによるもので
ある。
【0057】また、圧電体9の平面方向の膜31の面積
は、加振レバー13が圧電体9衝突した際に圧電体9の
未衝突時の平面で加振レバー13を切断したときの接触
部25の断面積の1〜4倍程度が好ましい。これは、図
14のように膜31の面積がこのような比率であると圧
電体9の振動に与える影響が少なくなるためである。膜
31は硬質膜であって、その材質としては、例えばダイ
ヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、窒素チタン、
炭化チタン、炭化シリコン、鉄、水晶、ニオブ酸リチウ
ム又は焼き入れした鉄等を採用することができる。膜3
1の材質として、これらの材質を使用するのは、図9の
ようにこれらの材質がPZT等と比較して、発電時の損
失が小さいことによるものである。
【0058】図12は、硬質膜を材質とする圧電体9を
加振レバー13によって加振した場合の圧電体等の振動
変位を示す図である。
【0059】図12では、圧電体9に膜31が設けられ
ていない時の加振レバー13の変位32、圧電体9に硬
質の膜31が設けられている時のレバーの変位33、及
び圧電体9の変位34を示している。
【0060】膜31が圧電体9の一表面に設けられてい
る状態で、加振レバー13によって圧電体9の膜31を
加振して変位を与えると、圧電体9は、加振レバー13
の加振方向Rに振動する。
【0061】圧電体9を振動させて発電を行う際に効率
を落とす原因の1つは、衝突後に加振レバー13にエネ
ルギー量が残るためである。また、圧電体9に衝突した
後の加振レバー13の戻る際の脱出速度が遅いために、
加振レバー13が圧電体9に2度衝突する場合もある。
図12を参照すると、圧電体9に硬質の膜31が設けら
れている時の加振レバー13の変位33は、圧電体9に
硬質の膜31が設けられていない時の加振レバー13の
変位32と比較して、衝突した直後のマイナス変位(加
振レバー13の衝突する方向の変位)が少ない。つま
り、加振レバー13において、圧電体9に衝突した後の
脱出速度(脱出時間)が遅いことがわかる。このような
圧電発電装置1の構成により、加振加振レバー13が圧
電体9と衝突して加振した後に、加振レバー13に残存
するエネルギー量を少なくすることができる。従って、
衝突効率ηIを向上させ、圧電発電装置1の発電効率を
向上させることができる。
【0062】実施形態2 この発明の第2の実施形態としての圧電発電装置1で
は、膜31の材質として軟質膜を採用している。この圧
電発電装置1では、膜31の材質を除いて実施形態2の
構成と略同様である。膜31の材質は、例えばテフロ
ン、ポリイミド、軟鉄、りん青銅等を採用している。
【0063】図13は、軟質膜を材質とする圧電体9を
加振レバー13によって加振した場合の圧電体9及び加
振加振レバー13の振動変位を示す図である。
【0064】膜31が圧電体9の一表面に設けられてい
る状態で、加振レバー13によって圧電体9の膜31を
たたいて加振すると、圧電体9は、中心部が振動の腹と
なる。
【0065】図13を参照すると、圧電体9に軟質の膜
31が設けられている時の加振レバー13の変位36
は、加振レバー13が圧電体9に衝突した直後は同一波
形で大きく変位するが、加振レバー13の変位が加振す
る方向とは逆方向に振れた所で振幅が一定となり、加振
レバー13と圧電体9の変位が略半周期分同じとなり、
加振レバー13の変位が圧電体9の変位から離れる。つ
まり、加振レバー13と圧電体9との速度差が略半周期
の間0となることで、加振レバー13と圧電体9は2度
衝突する事がないので、衝突効率ηIが向上する。これ
により、圧電発電装置1の発電効率を向上させることが
できる。
【0066】実施形態3 図15(A)は、この発明の第3の実施形態としての圧
電発電装置1の一部を示す断面図である。
【0067】この発明の第3の実施形態としての圧電発
電装置1では、この発明の実施形態1又は実施形態2と
しての圧電発電装置1の構成と同様であるが、電極の形
状が異なる。圧電体9には、膜31、電極20e、20
fが設けられている。膜31は、実施形態1又は実施形
態2にて説明したような構成と略同様である。電極20
e及び20fは、図8の整流回路12に接続されてい
る。電極20eは、例えばその中心付近に電極膜38、
それ以外の外周部分に電極膜39を有する。電極膜38
及び39は、一体成形されている。電極膜38は、例え
ば加振レバー13が衝突する接触部25に形成されてい
る電極膜である。電極膜38は、例えば硬質膜であり、
銅又は鉄等を材質とする。電極膜39は、例えば導電性
のよい薄膜であり、例えば金(下地はCr、Ni又はT
i等)、銀又はアルミニウム等を材質としている。
【0068】このような圧電発電装置1の構成によれ
ば、加振レバー13にて膜31に振動が与えられると、
膜31と圧電体9との間には硬質の電極膜38が存在す
るため、膜31に加えられた変位がほぼそのまま圧電体
9に伝えることができる。従って、衝突効率ηIを向上
させて、圧電発電装置1の発電効率を向上させることが
できる。
【0069】また、膜31は、図15(B)のように電
極20eと一体成形しても、圧電発電装置1において同
様の効果に加えて製造する段階で製造工程を減らすこと
ができる。
【0070】この発明は、上記実施の形態に限定され
ず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行
うことができる。
【0071】例えば、上記の説明では、圧電体9に振動
を加えるための加振レバー13を回動するのに使用者が
りゅうず7を回転させることによるエネルギーを使用し
ているが、例えば回転錘等による回動エネルギーを利用
しても良い。
【0072】また、圧電体9に膜31が設けられている
としているが、加振レバー13側に膜31が設けられて
いても良いし、圧電体9及び加振レバー13にそれぞれ
に膜31が設けられているような構成であってよい。
【0073】
【発明の効果】この請求項1の発明によれば、加振手段
が圧電体に接触する時間を自由に調整することができ
る。このため、加振手段が圧電体に接触する時間を制御
することで、効率の良い発電装置を提供することができ
る。
【0074】この請求項2から11の発明によれば、そ
れぞれ加振手段が圧電体に対して加振した際に、加振手
段が圧電体に接触する時間を短くすることができる。つ
まり、圧電体は加振手段に2度衝突することなく、加振
手段が圧電体に衝突した後に残るエネルギーを少なくす
ることができる。
【0075】この請求項12から16のいずれかの発明
によれば、それぞれ加振手段が圧電体に対して加振した
際に、加振手段が圧電体に接触する時間を長くすること
ができる。従って、圧電体における変形の周期の時に加
振手段から脱出させる速度がほぼ0となり、圧電体は加
振手段に2度衝突することがない。また、加振手段に残
るエネルギーを少なくすることができるので、発電効率
が向上する。
【0076】この請求項17の発明によれば、加振手段
により膜に加えられた振動に基づいて、膜は圧電体に対
して効率よく変位を与えて発電効率を向上させることが
できる。
【0077】この請求項18の発明によれば、膜に加え
られた振動を効率よく圧電体に伝えることができる。こ
のため、発電効率を向上させることができる。
【0078】この請求項19の発明によれば、加振手段
により膜に振動を与えたエネルギーを電極に吸収される
ことなく効率的に圧電体に伝えることにより、発電効率
を向上させることができる。
【0079】この請求項20の発明によれば、製造工程
において工程数を減らすことができる。
【0080】この請求項21の発明によれば、発電効率
の良い発電装置を搭載した携帯型機器を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態としての圧電発電装
置を搭載する携帯型機器の内部構成例を示す概要構成
図。
【図2】図1の圧電発電装置を搭載する携帯型機器の外
観の一例を示す平面図。
【図3】図2の腕時計のA−A’断面図。
【図4】図3の腕時計をI方向から見た場合の平面図。
【図5】図5は、図4の腕時計の斜視図。
【図6】図1の加振レバーの拡大平面図。
【図7】図1の加振レバーの動作例を示す図。
【図8】図3の圧電体付近の拡大断面図。
【図9】図8の圧電体をレバーによって加振した場合の
圧電体等の振動変位例を示す図。
【図10】図8の圧電体の表面粗さを示す断面図。
【図11】図8の圧電体の表面粗さに対する損失の特性
の一例を示す図。
【図12】硬質膜が設けられている図8の圧電体をレバ
ーによって加振した場合の圧電体等の振動変位例を示す
図。
【図13】軟質膜が設けられている図8の圧電体をレバ
ーによって加振した場合の圧電体等の振動変位例を示す
図。
【図14】膜の面積に対する圧電体の平面方向における
接触部の断面積の比率による振動への影響例を示す図。
【図15】この発明の第3の実施形態としての圧電発電
装置の一部を示す断面図。
【符号の説明】
1 圧電発電装置 2 腕時計(携帯型機器) 9 圧電体 11 固定部 13 レバー(加振手段) 20 電極 20a 電極 20b 電極 20c 電極 20d 電極 20e 電極 20f 電極 25 接触部 31 膜 38 電極膜 39 電極膜

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電効果を利用して発電するための圧電
    体と、 前記圧電体に振動を与えるための加振手段と、 振動可能なように前記圧電体の一部を固定するための固
    定手段と、を備え、 前記加振手段により前記圧電体に振動を与えた際の前記
    圧電体の接触部には、接触時間を変化させるための膜が
    設けられていることを特徴とする圧電発電装置。
  2. 【請求項2】 前記膜は、硬質膜である請求項1に記載
    の圧電発電装置。
  3. 【請求項3】 前記膜は、ダイヤモンドを材質とする請
    求項2に記載の圧電発電装置。
  4. 【請求項4】 前記膜は、ダイヤモンドライクカーボン
    を材質とする請求項2に記載の圧電発電装置。
  5. 【請求項5】 前記膜は、窒化チタンを材質とする請求
    項2に記載の圧電発電装置。
  6. 【請求項6】 前記膜は、炭化チタンを材質とする請求
    項2に記載の圧電発電装置。
  7. 【請求項7】 前記膜は、炭化シリコンを材質とする請
    求項2に記載の圧電発電装置。
  8. 【請求項8】 前記膜は、鉄を材質とする請求項2に記
    載の圧電発電装置。
  9. 【請求項9】 前記膜は、水晶を材質とする請求項2に
    記載の圧電発電装置。
  10. 【請求項10】 前記膜は、ニオブ酸リチウムを材質と
    する請求項2に記載の圧電発電装置。
  11. 【請求項11】 前記膜は、焼き入れした鉄を材質とす
    る請求項2に記載の圧電発電装置。
  12. 【請求項12】 前記膜は、軟質膜である請求項1に記
    載の圧電発電装置。
  13. 【請求項13】 前記膜は、テフロンを材質とする請求
    項12に記載の圧電発電装置。
  14. 【請求項14】 前記膜は、ポリイミドを材質とする請
    求項12に記載の圧電発電装置。
  15. 【請求項15】 前記膜は、軟鉄を材質とする請求項1
    2に記載の圧電発電装置。
  16. 【請求項16】 前記膜は、りん青銅を材質とする請求
    項12に記載の圧電発電装置。
  17. 【請求項17】 前記圧電部の平面方向における前記膜
    の面積は、前記圧電部の平面方向における前記接触部の
    断面積の1〜4倍である請求項1から16のいずれかに
    記載の圧電発電装置。
  18. 【請求項18】 前記膜の表面粗さは、1μm以下であ
    る請求項1から17のいずれかに記載の圧電発電装置。
  19. 【請求項19】 発電した電力を取り出すために前記圧
    電体の表面に設けられた複数の電極であって、前記膜と
    前記圧電体の間に設けられた少なくとも1つの前記電極
    の一部又は全体が、硬質膜である請求項1から18のい
    ずれかに記載の圧電発電装置。
  20. 【請求項20】 前記膜は、前記圧電体にて発電した電
    力を取り出すために設けられた前記電極を兼ねる請求項
    19に記載の圧電発電装置。
  21. 【請求項21】 請求項1から20のいずれかに記載の
    圧電発電装置を備える携帯型機器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008033658A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Yazaki Corp 発電機能を備えた圧力調整器
JP2022064837A (ja) * 2020-10-14 2022-04-26 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 計時器のための断続的な表示メカニズム

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