JPH11279239A - 多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品 - Google Patents

多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品

Info

Publication number
JPH11279239A
JPH11279239A JP7873298A JP7873298A JPH11279239A JP H11279239 A JPH11279239 A JP H11279239A JP 7873298 A JP7873298 A JP 7873298A JP 7873298 A JP7873298 A JP 7873298A JP H11279239 A JPH11279239 A JP H11279239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
copolymer
styrene
meth
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7873298A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiko Yamashita
幸彦 山下
Hisashi Kawahara
久 川原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP7873298A priority Critical patent/JPH11279239A/ja
Publication of JPH11279239A publication Critical patent/JPH11279239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】流動性、耐衝撃性、耐候性、透明性、耐熱性、
機械的強度、光沢度等のバランスに優れた成形品が得ら
れるスチレン系共重合体の製法の提供。 【解決手段】(1)〜(5)を含むスチレン系共重合体
の製法、該共重合体及び該共重合体成形品。 (1)スチレン50重量%以上、多官能性単量体50重
量%以下を乳化重合、 (2)炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル9
4.5重量%以上、多官能性単量体5重量%以下、式
(I)の金属錯体0.5重量%以下を加え乳化重合、 (CH2COCH2COCH3n−M(I) [nは1〜4、Mは金属原子] (3)スチレン、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エ
ステル、シアン化ビニル化合物のうち少なくとも1種
と、多官能性単量体を加え乳化重合、 (4)スチレン50〜84.999重量%、シアン化ビ
ニル化合物15〜40重量%、多官能性単量体10重量
%以下を加え乳化重合。 (5)スチレン60〜90重量%、シアン化ビニル化合
物10〜40重量%を加え乳化重合。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層構造スチレン
系共重合体の製造方法およびその製造方法で得られる多
層構造スチレン系共重合体に関する。さらに詳しくは、
曲げ弾性率の値が改良されたスチレン系熱可塑性樹脂の
製造方法およびその製造方法によって得られる多層構造
スチレン系共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性樹脂として、ABS樹脂と呼ば
れる樹脂−ゴム系の熱可塑樹脂が知られている。このA
BS樹脂は、スチレン系樹脂にアクリロニトリルとブタ
ジエン系ゴムとをそれぞれ加えて構成した樹脂である。
しかしながら、耐衝撃性を付与するために添加するブタ
ジエン系ゴムは、化学的に不安定な二重結合を主鎖中に
多く有しており、紫外線等により劣化し易いため、結果
としてABS樹脂は耐候性に劣るという問題が見られ
た。
【0003】そこで、この問題を改良する方法として、
主鎖中に二重結合をほとんど有しない飽和ゴムを使用す
る方法が提案されている。すなわち、その代表的なもの
としてアクリル系ゴムをスチレン系樹脂に加えたAS樹
脂が知られている。しかしながら、この飽和ゴムを用い
たAS樹脂は、紫外線に対しては安定であり、優れた耐
候性を有するものの、反応活性点をほとんど有しないた
め、架橋密度が低く、グラフト構造を構成することが困
難である。そのため、AS樹脂中のアクリル系ゴムが成
形中に変形し、成形品表面にいわゆるウエルド二色性を
生じやすく、また、成形品表面での光線の乱反射を起し
やすいために、光沢が低下しやすい。その結果、ABS
樹脂と比較して、AS樹脂は成形品外観が劣るという問
題が見られた。
【0004】そこで、架橋剤を選定してAS樹脂を架橋
する方法や、過酸化物を用いて架橋する行う方法が提案
されている。これらの方法によれば、確かに、AS樹脂
におけるアクリル系ゴムの架橋密度を上げることが可能
であり、成形品外観は向上する。しかしながら、架橋密
度が増加するに伴い、アクリル系ゴムのガラス転移温度
も上昇し、その結果、AS樹脂の耐衝撃性が低下すると
いう問題が見られた。
【0005】そこで、ブタジエン系ゴムの優れた耐衝撃
性と、アクリル系ゴムの優れた耐候性とを両立するため
に、ブタジエン系重合体ゴムラテックスを核として、こ
れに、アクリル酸エステルおよび架橋剤としての多官能
性単量体を乳化グラフト共重合させた2層構造のグラフ
ト重合体ゴムが提案されている。そして、この2層構造
のグラフト重合体ゴムを製造する場合、多官能性単量体
の選定およびアクリル酸エステルとの共重合方法が非常
に重要な技術的要素であることが知られている。
【0006】そのため、特開昭58ー187411号公
報には、アクリル酸エステルの重合を完結させることな
く、重合途中で反応を停止する2層構造のグラフト重合
体ゴムの製造方法が開示されている。また、特開昭61
ー155416号公報には、ブタジエン系ゴムに、アク
リル酸エステルをグラフト共重合して得られたグラフト
ゴムの存在下に芳香族系単量体の重合を行うに際して、
多官能性単量体としてポリアリルを用いる2層構造のグ
ラフト重合体ゴム製造方法が開示されている。また、特
開昭62ー181312号公報には、アクリル酸エステ
ルの重合時にグラフト交叉剤および架橋剤として異なっ
た2種の多官能性単量体を併用する2層構造のグラフト
重合体ゴム製造方法が開示されている。これらの開示さ
れた製造方法により、耐衝撃性および耐候性が向上した
2層構造のグラフト重合体ゴムが得られるものの、成形
品のウエルド二色性と低光沢度との面では、必ずしも十
分に満足し得るものとはいえなかった。
【0007】一方、ABS樹脂やAS樹脂を含め、耐衝
撃性スチレン系樹脂は一般に不透明であるという問題が
あった。この原因は、ゴム成分であるブタジエン系ゴ
ム、またはアクリル酸エステル重合体の屈折率が、マト
リクス樹脂であるスチレンーアクリロニトリル系共重合
体の屈折率に比較して非常に小さいために、可視光線の
透過率が極めて低いことによる。この様な樹脂の不透明
さは、樹脂を任意の色に着色する際に、透明樹脂に比較
して、鮮映度および発色性が劣るという大きな問題とな
っていた。
【0008】そこで、この問題を改良する方法として、
ゴム成分とマトリクス樹脂との屈折率の差を小さくする
ことによって、樹脂の透明性を向上させる方法が知られ
ている。この場合、ブタジエン系重合体の存在下に高屈
折率成分をグラフト共重合することによって、ゴム成分
の屈折率を増加させ、また、マトリクス樹脂を合成する
際に、より低屈折率の成分を共重合することによってマ
トリクス樹脂の屈折率を低下させることが行なわれる。
この方法を用いると、確かに樹脂の透明度は顕著に向上
する。しかしながら、高屈折率成分は、一般にガラス転
移温度の高いものが多いため、ゴム成分のガラス転移温
度が上昇してしまい、耐衝撃性が低下するという問題点
が見られた。また、樹脂の透明度が向上することによっ
て、紫外線の透過率も増加してしまうために、耐候性が
悪化するという新たな問題点も見られた。
【0009】そこで、樹脂の耐候性、耐衝撃性及び樹脂
の透明度を改良し、さらに樹脂から得られる成形品の光
沢が優れるとともに、ウエルド二色性の発生を有効に防
止し得る方法について多くの検討がなされている。なか
でも、マトリクス樹脂としてアクリル系樹脂を用いるも
のについては非常に多くの検討がなされている。その多
くは、樹脂ーゴム系の熱可塑性樹脂を多層構造体とする
製造方法である。例えば、3層構造体の製造方法が特開
昭58ー167605号公報、特開昭60ー63248
号公報、特開平3ー52910号公報、および米国特許
4473679号公報等に開示されている。また、4層
構造体の製造方法が特開昭59ー202213号公報、
特公昭62ー41241号公報、および特公昭52ー3
0996号公報等に開示されている。また、5層構造体
の製造方法が特開昭63ー27516号公報等に開示さ
れている。また、3層構造体と4層構造体とをブレンド
するの製造方法が特公昭55ー27576号公報等に開
示されている。しかしながら、これらの公報に開示され
たいずれの製造方法も、アクリル系樹脂に関しては十分
に効果が得られるものの、芳香族系、すなわちスチレン
系樹脂に関しては十分な効果が得られていない。
【0010】そこで、スチレン系樹脂を多層構造体とす
る製造方法に関して、耐衝撃性の向上を目的として、特
開平5ー331334号公報には2層構造体とする方法
が開示されており、特開平5ー302009号公報に
は、耐候性の向上および靱性の温度依存性を小さくする
ことを目的として、4層構造とする製造方法が開示され
ている。これらの製造方法は、それぞれの目的に対応し
た特性に関しては有効であるが、樹脂の透明性、耐候
性、耐衝撃性の向上、および成形品における光沢性の改
良並びにウエルド二色性の防止等の特性をバランス良く
達成することについては、十分に満足し得るものではな
かった。
【0011】発明者らは、上述した問題を解決するため
鋭意検討を行った結果、主として芳香族ビニル化合物と
アクリル酸エステルと多官能性単量体とからなるスチレ
ン系多層構造体が、著しい改善効果のあることを見出し
既に提案している。(特開平8−113620号公
報)。また、主として芳香族ビニル化合物とアクリル酸
エステルと多官能性単量体と、アミン系安定剤とからな
るスチレン系多層構造体もまた、著しい改善効果のある
ことを見出し既に提案している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題に鑑みなされたものであり、さらには、弾性力がさら
に向上した、具体的に、曲げ弾性率の値が1900MP
a以上である多層構造スチレン系共重合体の効率的な製
造方法およびこの製造方法によって得られる多層構造ス
チレン系共重合体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の段階
(1)〜(5)を含む多層構造スチレン系共重合体の製
造方法に関する。 (1):スチレン50〜99.999重量%と、多官能
性単量体0.001〜50重量%とを含んで乳化重合さ
せる。
【0014】(2):炭素数1〜8の(メタ)アクリル
酸エステル94.5〜99.998重量%と、多官能性
単量体0.001〜5重量%と、下記一般式(I)で表
される金属錯体0.001〜0.5重量%とを追加配合
して乳化重合させる。
【0015】
【化2】 (CH2COCH2COCH3n−M (I)
【0016】[nは1〜4の整数であり、Mは金属原子
を表す。]
【0017】(3):スチレン、炭素数1〜8の(メ
タ)アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の重合成分0〜9
9.999重量%(但し、0重量%は除く。)と、多官
能性単量体0.001〜100重量%(但し、100重
量%は除く。)とを追加配合して乳化重合させる。
【0018】(4):スチレン50〜84.999重量
%と、シアン化ビニル化合物15〜40重量%と、多官
能性単量体0.001〜10重量%とを追加配合して乳
化重合させる。
【0019】(5):スチレン60〜90重量%と、シ
アン化ビニル化合物10〜40重量%とを追加配合して
乳化重合させる。
【0020】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、一般式(I)で表さ
れる金属錯体における金属(M)が、Li、Na、K、
Be、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Y、Ti、Z
r、Cr、Zn、AlおよびInからなる群から選択さ
れる少なくとも一つの金属であることが好ましい。
【0021】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、一般式(I)で表さ
れる金属錯体を、段階(2)を含めて、段階(1)また
は段階(3)〜(5)のいずれか一つの工程において追
加配合するのが好ましい。
【0022】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、一般式(I)で表さ
れる金属錯体が、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エ
ステルおよび多官能性単量体またはいずれか一方に溶解
性であるのが好ましい。
【0023】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、多官能性単量体が、
アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、トリ
アリルイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレート
からなる群から選択される少なくとも一つであるのが好
ましい。
【0024】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、段階(1)の単量体
として、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステルお
よびシアン化ビニル化合物またはいずれか一方を配合す
ることが好ましい。その場合、段階(1)の単量体に対
して、これらの配合量を、0〜45重量%(但し、0重
量%は含まない。)の範囲内の値とするのが好ましい。
【0025】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、段階(4)および段
階(5)の単量体として、炭素数1〜8の(メタ)アク
リル酸エステルを追加配合することが好ましい。その場
合、段階(4)および段階(5)のそれぞれの単量体に
対して、(メタ)アクリル酸エステルの追加配合量を、
0〜30重量%(但し、0重量%は含まない。)の範囲
内の値とするのが好ましく、0〜15重量%(但し、0
重量%は含まない。)の範囲内の値とするのがより好ま
しい。
【0026】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、段階(1)で重合さ
れる共重合体のガラス転移温度を、0℃以上の値とする
のが好ましい。
【0027】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、段階(2)で重合さ
れる共重合体のガラス転移温度を、0℃以下の値とする
のが好ましい。
【0028】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、段階(3)で重合さ
れる共重合体のガラス転移温度を、0℃以上の値とし、
かつ屈折率を1.51〜1.60の範囲内の値とするの
が好ましい。
【0029】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、段階(1)〜(5)
で重合される単量体の総重量を100重量%としたとき
に、段階(1)において5〜55重量%の単量体を、段
階(2)において10〜60重量%の単量体を、段階
(3)において1〜20重量%の単量体を、段階(4)
において5〜35重量%の単量体を、および段階(5)
において10〜79重量%の単量体を重合してなる多層
構造スチレン系共重合体の製造方法。
【0030】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体の製造方法を実施するにあたり、段階(5)の重合終
了時における平均粒子径を、50〜500nmの範囲内
の値とするのが好ましい。
【0031】また、本発明の別な態様は、上述したいず
れかの多層構造スチレン系共重合体の製造方法によって
得られる多層構造スチレン系共重合体に関する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。 I.多層構造スチレン系共重合体の製造方法 本発明の多層構造スチレン系共重合体の製造方法は、段
階(1)〜段階(5)の重合に大別される。以下、各工
程ごとに詳細に説明する。
【0033】1.段階(1) 段階(1)は、重合成分として、スチレンと、多官能性
単量体とを配合して乳化重合させる工程である。また、
これらの重合成分に、炭素数1〜8の(メタ)アクリル
酸エステルおよびシアン化ビニル化合物またはいずれか
一方をさらに配合して乳化重合することも好ましい。
【0034】(1)重合成分およびその配合量 スチレン 段階(1)で配合されるスチレンの種類としては、特に
制限はなく、スチレン誘導体であってもよい。具体的
に、例えば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレ
ン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン等のアル
キルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等のハ
ロゲン化スチレン等を挙げることができる。これらのス
チレンは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて
使用してもよい。
【0035】次に、スチレンの配合量について説明す
る。スチレンの配合量を、段階(1)で重合される単量
体の総重量に対して、50〜99.999重量%の範囲
内の値とし、55〜99.499重量%の範囲内の値と
するのが好ましい。スチレンの配合量が、この範囲外と
なると、得られる多層構造スチレン系共重合体の成形品
の透明性が低下する傾向がある。なお、スチレン配合量
の上限値である99.999重量%とは、後述する多官
能性単量体の配合量を0.001重量%とし、かつ残り
の成分を全てスチレンとした場合の、計算上の上限値を
意味する。
【0036】 多官能性単量体 段階(1)で配合される多官能性単量体(架橋剤と称す
る場合もある。)の種類としては特に制限されるもので
はないが、例えばアリル(メタ)アクリレート、ジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の非
水溶性のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、1、6ーヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。なお、こ
れらの多官能性単量体は単独で使用してもよく、または
2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0037】また、これらの多官能性単量体の中で、非
水溶性のポリアルキレングリコールジアクリレート、ア
ルキルジジオールジアクリレートおよびジビニルベンゼ
ンが好ましく、ポリアルキレングリコールジアクリレー
ト、1、4ーブタンジオールジアクリレート、1、6ー
ヘキサンジオールジアクリレートがさらに好ましい。中
でも、1、4ーブタンジオールジアクリレート、1、6
ーヘキサンジオールジアクリレートが最も好ましい。
【0038】また、多官能性単量体の配合量を、単量体
の総重量に対して、0.001〜5重量%の範囲内の値
とされ、0.05〜2重量%の範囲内の値とするのが好
ましい。多官能性単量体の配合量が0.001重量%未
満の値となると、多層構造スチレン系共重合体から得ら
れる成形品の透明性が低下し、5重量%を超えると成形
品の耐衝撃性が低下する。
【0039】 (メタ)アクリル酸エステル 段階(1)で必要に応じて用いられる炭素数1〜8の
(メタ)アクリル酸エステルの種類は、特に制限される
ものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチ
ル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレー
ト、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、2ーメチルペンチル(メタ)ア
クリレート、3ーメチルペンチル(メタ)アクリレー
ト、4ーメチルペンチル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、フエニル(メタ)アク
リレート、2、3ーヂメチルブチル(メタ)アクリレー
ト、2、2ージメチルブチル(メタ)アクリレート、
3、3ージメチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘ
プチル(メタ)アクリレート、2ーメチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、3ーメチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、4ーメチルヘキシル(メタ)アクリレート、5
ーメチルヘキシル(メタ)アクリレート、2、2ージメ
チルペンチル(メタ)アクリレート、2、3ージメチル
ペンチル(メタ)アクリレート、4、4ージメチルペン
チル(メタ)アクリレート、3、4ージメチルペンチル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、2ーメチルヘプチル(メタ)アクリレート、3ー
メチルヘプチル(メタ)アクリレート、4ーメチルヘプ
チル(メタ)アクリレート、5ーメチルヘプチル(メ
タ)アクリレート、3ーエチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、4ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、5
ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げること
ができる。この場合、(メタ)アクリル酸エステルの異
性体を用いることもできる。なお、これらの(メタ)ア
クリル酸エステルは単独で用いてもよく、または2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】また、これらの(メタ)アクリル酸エステ
ルの中で、n−ブチル(メタ)アクリレートおよび2ー
エチルヘキシル(メタ)アクリレートが他の単量体との
共重合性が良好であること、および乳化安定性が良好で
あることから好ましく、n−ブチルアクリレート、2ー
エチルヘキシルアクリレートがより好ましく、n−ブチ
ルアクリレートがさらに好ましい。
【0041】また、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸
エステルの配合量についても特に制限されるものではな
いが、単量体の総重量に対して、この配合量を0〜45
重量%(但し、0重量%は含まない。)の範囲内の値と
するのが好ましく、0〜15重量%(但し、0重量%は
含まない。)の範囲内の値とするのがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルの配合量が45重量%を超
えると、多層構造スチレン系共重合体から得られる成形
品の耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0042】 シアン化ビニル化合物 段階(1)で必要に応じて用いられるシアン化ビニル化
合物の種類としては特に制限されるものではないが、好
適例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
を挙げることができる。中でもアクリロニトリルは、他
の単量体との共重合性が良好であることから好ましい。
なお、これらのシアン化ビニル化合物は、単独で用いて
も良いし、または2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0043】また、シアン化ビニル化合物の配合量につ
いても特に制限されるものではないが、この配合量を、
単量体の総重量に対して0〜45重量%(但し、0重量
%は含まない。)の範囲内の値とするのが好ましく、0
〜15重量%(但し、0重量%は含まない。)の範囲内
の値とするのがより好ましい。シアン化ビニル化合物の
配合量が45重量%を超えると、多層構造スチレン系共
重合体から得られる成形品の耐衝撃性が低下する傾向が
ある。
【0044】 その他の添加成分 また、段階(1)において、アミン系安定剤を配合する
ことも好ましい。アミン系安定剤を配合することによ
り、得られる樹脂粒子の熱安定性を向上させることがで
きる。アミン系安定剤として、例えば、1、2、2、
6、6−ペンタメチルピペリジル−(メタ)アクリレー
ト、2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル−
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0045】また、アミン系安定剤の配合量も特に制限
されるものではないが、単量体の合計量に対して、0.
05〜2.0重量%の範囲内の値とするのが好ましく、
0.1〜1.5重量%の範囲内の値とするのがより好ま
しく、0.15〜1.0重量%の範囲内の値とするのが
さらに好ましい。アミン系安定剤の配合量が、0.05
重量%未満であると、得られる成形品の熱安定性が向上
しない傾向があり、一方、2.0重量%を超えると得ら
れる成形品の色相変化が増大する傾向がある。
【0046】なお、段階(1)で説明したアミン系安定
剤と同種類のものを、同様の条件で、段階(2)〜
(5)の少なくとも一つの工程において配合することも
好ましい。
【0047】 単量体の配合量の調製 また、段階(1)における、上述した単量体の配合量
を、生成する共重合体のガラス転移温度が0℃以上にな
るように調製することが好ましく、25℃以上の値にな
るように調製することがより好ましく、60℃以上の値
になるように調製することがさらに好ましい。段階
(1)において生成する共重合体のガラス転移温度が0
℃未満となると、得られる樹脂粒子の透明性、耐衝撃性
等が低下する傾向がある。なお、生成する共重合体のガ
ラス転移温度は、後述する方法で算出することができ
る。
【0048】また、単量体の配合量を、具体的に次のよ
うに調製することができる。例えばビーカー等の一つの
秤量器に所定量の各単量体を順次精秤し、単量体混合物
を調製する。次いで、それを均一に溶解するまでよく攪
拌する。その後、窒素を単量体混合物中に通すことによ
り、溶解している酸素を1ppm未満の値にし、配合量
の調製をすることができる。このガラス転移温度に基づ
いた配合量の調製時期については、重合前であれば特に
制限はない。
【0049】(2)重合方法 本発明の段階(1)における多層構造スチレン系共重合
体の製造には、乳化重合法を用いるが、そのときの重合
温度は、段階(2)〜(5)の工程と異ならせても良
く、または段階(2)〜段階(5)の各工程と一致させ
るのも良い。例えば、各工程の温度を一致させた場合に
おいて、段階(1)における重合温度を40℃〜100
℃の範囲内の温度とするのが好ましく、50℃〜80℃
の範囲内の温度とするのがより好ましい。各工程の重合
温度が40℃未満であると重合反応の速度が低下する傾
向があり、一方、100℃を超えると乳化安定性が低下
する傾向がある。
【0050】また、乳化重合に用いられる界面活性剤に
ついては特に制限はなく、通常用いられているものを用
いることができる。例えば、長鎖アルキルカルボン酸
塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩等が挙げられる。これらの界面活性剤の配合
量は、段階(5)の重合終了時点における、樹脂粒子の
平均粒子径を考慮して決定するのが好ましい。具体的に
は、樹脂粒子の平均粒子径が50〜500nmの範囲内
の値となるように界面活性剤の量を決定して配合するの
が好ましく、50〜350nmの範囲内の値となるよう
に配合するのがより好ましく、100〜250nmの範
囲内の値となるように配合するのがさらに好ましい。
【0051】また、段階(1)の乳化重合に用いられる
重合開始剤の種類については、特に制限はなく、通常の
開始剤を用いることができる。例えば、過硫酸鉛、過ホ
ウ酸塩等を単独で使用することが好ましく、または、こ
れらと亜硫酸塩、チオ硫酸鉛等と併用したレドックス開
始剤系とするのも好ましい。さらに、有機過酸化物と第
一鉄塩、有機過酸化物とナトリウムホルムアルデヒドス
ルホキシレートを併用し、レドックス開始剤系とするの
も好ましい。
【0052】また、段階(1)における、単量体の重合
率は80%以上の値とすることが好ましく、90%以上
の値とすることがより好ましく、95%以上の値とする
ことががさらに好ましい。単量体の重合率が80%未満
であると、多層構造スチレン系共重合体から得られる成
形品の耐衝撃性および透明性が低下する傾向がある。
【0053】2.段階(2) 段階(2)においては、重合成分として、少なくとも一
種の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステルと、
多官能性単量体(架橋剤と称する場合もある。)と、下
記一般式(I)で表される金属錯体とを追加配合して乳
化重合させる。
【0054】
【化3】 (CH2COCH2COCH3n−M (I)
【0055】[nは1〜4の整数であり、Mは金属原子
を表す。]
【0056】(1)重合成分およびその追加配合量 (メタ)アクリル酸エステル 段階(2)で追加配合される炭素数1〜8の(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、段階(1)で用いたものと
同じものを挙げることができる。例えば、n-ブチル(メ
タ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリ
レートが好ましく、n-ブチルアクリレート、2ーエチル
ヘキシルアクリレートがより好ましく、n-ブチルアクリ
レートがさらに好ましい。これらの単量体は単独で用い
てもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】また、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸
エステルの追加配合量を、段階(2)で追加配合される
単量体の合計量に対して、94.95〜99.998重
量%の範囲内の値とされ、97.5〜98.999重量
%の範囲内の値とするのが好ましい。炭素数1〜8の
(メタ)アクリル酸エステルの追加配合量が99.99
8重量%を超えると、得られる多層構造スチレン系共重
合体の成形品の透明性が低下し、94.95重量%未満
であると耐衝撃性が低下する。
【0058】 多官能性単量体 段階(2)で追加配合される多官能性単量体としては、
段階(1)で用いたものと同じものを挙げることができ
る。例えば、非水溶性のポリアルキレングリコールジア
クリレート、アルキルジジオールジアクリレート、ジビ
ニルベンゼンが好ましく、ポリアルキレングリコールジ
アクリレート、1、4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1、6−ヘキサンジオールジアクリレートがより好
ましく、1、4−ブタンジオールジアクリレート、1、
6−ヘキサンジオールジアクリレートがさらに好まし
い。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0059】また、多官能性単量体の追加配合量は、段
階(2)で追加配合される単量体の合計量に対して、
0.001〜5重量%の範囲内の値とされ、0.02〜
1.5重量%の範囲内の値とするのが好ましい。多官能
性単量体の追加配合量が0.001重量%未満である
と、多層構造スチレン系共重合体から得られる成形品の
透明性が低下し、5重量%を超えると耐衝撃性が低下す
る。
【0060】 金属錯体 金属錯体の追加配合量を、段階(2)で追加配合される
単量体の合計量に対して、0.001〜0.5重量%の
範囲内の値とする必要がある。金属錯体の追加配合量が
0.001重量%未満であると、多層構造スチレン系共
重合体から得られる成形品の曲げ弾性率の値が1900
MPa未満となったり、成形品の透明性が低下する傾向
があり、一方、5重量%を超えると成形品の耐衝撃性が
低下する。したがって、金属錯体の追加配合量を、段階
(2)で追加配合される単量体の合計量に対して、0.
02〜1.5重量%の範囲内の値とするのがより好まし
く、0.05〜0.5重量%の範囲内の値とするのがよ
り好ましい。
【0061】また、段階(2)で追加配合される金属錯
体の種類としては、一般式(I)で表される金属錯体で
あれば特に制限されるものでないが、具体的に、アセチ
ルアセトナートカルシウム、アセチルアセトナートジル
コニウム、アセチルアセトナートリチウム、アセチルア
セトナートカリウム、アセチルアセトナートナトリウ
ム、アセチルアセトナートベリリウム、アセチルアセト
ナートマグネシウム、アセチルアセトナートストロンチ
ウム、アセチルアセトナートバリウム、アセチルアセト
ナートランタン、アセチルアセトナートイットリウム、
アセチルアセトナートチタニウム、アセチルアセトナー
トクロニウム、アセチルアセトナートアルミニウム、ア
セチルアセトナートインヂウム等が挙げられる。これら
の金属錯体は、単独で、または2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0062】また、本発明に使用する金属錯体は、スチ
レン、多官能性単量体または炭素数1〜8の(メタ)ア
クリル酸エステルに溶解するものが好ましい。これらの
単量体に溶解可能であれば、多層構造スチレン系共重合
体の曲げ弾性率を均一に向上させることができる。
【0063】また、本発明に使用する金属錯体は、少な
くとも段階(2)で追加配合して、乳化重合すれば良い
が、段階(2)を含めて、段階(1)または段階(3)
〜(5)のいずれかの工程で追加配合し、乳化重合して
もよい。
【0064】 単量体の追加配合量の調製 段階(2)における、単量体の追加配合量は、生成する
共重合体のガラス転移温度が0℃以下になるように、好
ましくは−20℃以下になるように、さらに好ましく
は、−30℃以下になるように調製するのが良い。段階
(2)で生成する共重合体のガラス転移温度が0℃を超
えると、耐衝撃度が低下する傾向がる。なお、生成する
共重合体におけるガラス転移温度は、段階(1)と同様
に測定することが可能である。
【0065】(2)重合方法 本発明の多層構造スチレン系共重合体の製造において、
段階(2)〜段階(5)では、その前の工程で形成され
た重合体または共重合体の存在下に次の段階の単量体ま
たは単量体混合物を逐次添加重合して重合反応を行う。
したがって、段階(2)以降では、シード重合方法を適
用していると言って良い。
【0066】ここでシード重合方法とは、乳化重合によ
って作成した粒子をシード(種)とし、このシード存在
下に単量体を追加配合して、さらに重合反応を行なう重
合方法をいう。このシード重合方法実施するにあたり、
界面活性剤の配合量などの重合条件を設定して、新しい
ポリマー粒子が発生しないように乳化重合を行なうこと
が肝要である。また、このシード重合方法を多段階に用
いることにより、各段階における単量体の重合物が各々
単独で存在することなく、各段階において新たに配合さ
れた単量体の重合物がシード粒子上にそれぞれ形成さ
れ、多層構造の樹脂粒子を形成することができる。その
結果、耐衝撃性、樹脂の透明性、耐候性、曲げ弾性率等
の物性をバランス良く、同時に向上させることができ
る。
【0067】この段階(2)以降の重合を行う場合に、
新たな粒子の生成を起こさせない重合条件を選択するこ
とが重要である。これには用いる界面活性剤の量を臨界
ミセル濃度未満にすることが重要である。したがって、
段階(2)の重合条件および重合率は、基本的に段階
(1)と同様にするのが好ましい。なお、段階(2)の
重合率は、段階(1)終了時の未反応単量体を含んだ状
態で算出する。
【0068】3.段階(3) 段階(3)では、重合成分として、スチレン、炭素数が
1〜8の(メタ)アクリル酸エステルおよびシアン化ビ
ニル化合物からなる群から選ばれる一以上の化合物と、
少なくとも一種の多官能性単量体とを所定量追加して乳
化重合させる。
【0069】(1)重合成分およびその追加配合量 スチレン、(メタ)アクリル酸およびシアン化ビニ
ル化合物 段階(3)で追加配合されるスチレン、炭素数が1〜8
の(メタ)アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化
合物からなる群から選ばれる一以上の化合物としては、
段階(1)または段階(2)で(追加)配合されたもの
と同じものをそれぞれ挙げることができる。
【0070】また、段階(3)では、スチレン、炭素数
が1〜8の(メタ)アクリル酸エステル、およびシアン
化ビニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種
以上の化合物の追加配合量を、段階(3)で追加配合さ
れる単量体の総重量に対して、0〜99.999重量%
(但し、0重量%は含まない。)の範囲内の値とし、6
5〜99.949重量%の範囲内の値とするのが好まし
く、75〜98.1重量%の範囲内の値とするのがより
好ましい。段階(3)で追加配合されるスチレン、炭素
数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステル、およびシア
ン化ビニル化合物からなる群から選ばれる一以上の化合
物を添加しないと、多層構造スチレン系共重合体から得
られる成形品の耐衝撃性が低下し、99.999重量%
を超えると多層構造スチレン系共重合体から得られる成
形品の透明性および耐衝撃性が低下する。
【0071】また、これらの化合物の総重量を100重
量%としたときに、スチレンを40〜99.5重量%の
範囲内の値、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステ
ルを10〜27重量%の範囲内の値、およびシアン化ビ
ニル化合物を0〜15重量%(但し、0重量%は含まな
い。)の範囲内の値で追加配合することが好ましい。ス
チレンが99.5重量%を超えるか、または(メタ)ア
クリル酸エステルが10重量%未満であると、多層構造
スチレン樹脂から得られる成形品の耐衝撃性が低下する
傾向があり、スチレンが40重量%未満であるか、また
は(メタ)アクリル酸エステルが27重量%を超える
と、成形品の透明性が小さくなる傾向があり、さらに、
シアン化ビニル化合物が15重量%を超えると、成形品
の耐衝撃性が低下する傾向がある。このような観点か
ら、スチレンが40〜98.5重量%の範囲内の値、炭
素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステルが10〜20
重量%の範囲内の値、およびシアン化ビニル化合物が0
〜5重量%(但し、0重量%は含まない。)の範囲内の
値で追加配合することがさらに好ましい。
【0072】 多官能性単量体 段階(3)で追加配合される多官能性単量体としては、
段階(1)または段階(2)で(追加)配合されたもの
と同じものを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わ
せて用いても良い。また、多官能性単量体の追加配合量
を、0.001〜100重量%の範囲内の値とし、0.
001〜35重量%の範囲内の値とするのが好ましく、
1.5〜25重量%の範囲内の値とするのがさらに好ま
しい。多官能性単量体の追加配合量が0.001重量%
未満であると、樹脂の透明性が低下する傾向があり、1
00重量%を超えると耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0073】 単量体の追加配合量の調製 段階(3)における単量体の追加配合量は、生成する共
重合体のガラス転移温度が0〜100℃の範囲内の値で
あり、かつその屈折率が1.51〜1.60の範囲内に
なるように調製するのが好ましい。また、生成する共重
合体のガラス転移温度を40〜100℃の範囲内の値と
し、かつ屈折率を1.55以上の値とするのがより好ま
しく、ガラス転移温度を60〜100℃の範囲内の値と
し、かつ屈折率を1.56以上の値とするのがさらに好
ましい。ガラス転移温度が0℃未満となるか、または屈
折率が1.51未満となると、多層構造スチレン系共重
合体の成形品の透明度が低下する傾向がある。また、ガ
ラス転移温度が100℃を超え、または屈折率が1.6
0を超えると多層構造スチレン系共重合体の透明性およ
び耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0074】(3)重合方法 段階(3)における重合条件は、段階(2)における重
合条件と基本的に同一とするのが好ましい。したがっ
て、単量体の重合率を70%以上の値とすることが好ま
しく、80%以上の値とするのがさらに好ましく、90
%以上の値とするがさらに好ましい。単量体の重合率が
70%未満であると多層構造スチレン系共重合体の成形
品の耐衝撃性および透明性が低下する傾向がある。な
お、段階(3)における重合率は段階(2)終了時の未
反応単量体を含んだ状態で算出する。
【0075】4.段階(4) 段階(4)においては、重合成分として、スチレンと、
シアン化ビニル化合物と、少なくとも一種の多官能性単
量体と、必要に応じて用いられる炭素数1〜8の(メ
タ)アクリル酸エステルとを所定量追加配合して乳化重
合させる。
【0076】(1)重合成分およびその追加配合量 スチレン、シアン化ビニル化合物、多官能性単量体
および(メタ)アクリル酸エステル 段階(4)で追加配合されるスチレン、シアン化ビニル
化合物、多官能性単量体および炭素数1〜8の(メタ)
アクリル酸エステルとしては、段階(3)で用いたもの
と同じものが好ましい。
【0077】例えば、多官能性単量体のうち、非水溶性
のポリアルキレングリコールジアクリレート、アルキレ
ングリコールジアクリレート、アリル(メタ)アクリレ
ート、1、6ーヘキサンジオールジアクリレート、1、
4ブタンジオールジアクリレートが好ましく、スチレ
ン、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステ
ル混合物との共重合性が良好であることから、アリル
(メタ)アクリレートを使用することがさらに好まし
い。これらの多官能性単量体はそれぞれ単独で用いても
良く、2種以上組み合わせて用いても良い。また、炭素
数1〜8の(メタ)アクリル酸エステルのうち、n−ブ
チルメタクリレート、2ーエチルヘキシルメタクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2ーエチルヘキシルアク
リレートを使用するのが好ましく、n−ブチルアクリレ
ートを使用するのがさらに好ましい。これらの単量体は
単独で用いても良く、2種以上組み合わせて用いても良
い。
【0078】段階(4)においては、スチレンの追加配
合量は50〜84.999重量%とされ、60〜85重
量%の範囲内の値とするのが好ましく、73〜80重量
%の範囲内の値とするのがより好ましい。スチレンの追
加配合量が85重量%を超えると、多層構造スチレン系
共重合体の成形品の耐衝撃性、耐薬品性が低下する傾向
があり、60重量%未満であると透明性が低下する傾向
がある。
【0079】また、シアン化ビニル化合物の追加配合量
は、15〜40重量%の範囲内の値とされ、22〜35
重量%の範囲内の値とするのが好ましい。シアン化ビニ
ル化合物が40重量%を超えると透明性が低下し、15
重量%未満であると耐衝撃性が低下するとともに重合ラ
テックスの安定性が低下する。
【0080】また、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸
エステルの追加配合量を、0〜15重量%(但し、0重
量%は含まない。)の範囲内の値とするのが好ましく、
0〜5重量%(但し、0重量%は含まない。)の範囲内
の値とするのがより好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの追加配合量が15重量%を超えると、多層構造ス
チレン系共重合体から得られる成形品の耐衝撃性、耐薬
品性が低下する傾向がある。
【0081】また、多官能性単量体の追加配合量を、
0.001〜10重量%の範囲内の値とするのが好まし
く、0.1〜5重量%の範囲内の値とするのがより好ま
しい。多官能性単量体の追加配合量が10重量%を超え
ると、多層構造スチレン系共重合体の成形品の耐衝撃性
が低下する傾向があり、0.001重量%未満であると
透明性が低下する傾向がある。
【0082】 単量体の追加配合量の調製 段階(4)における単量体の追加配合量は、生成する共
重合体のガラス転移温度が60℃以上となるように調製
するのが好ましく、75℃以上の値となるように調製す
るのがより好ましく、95℃以上の値となるように調製
するのがさらに好ましい。生成する共重合体のガラス転
移温度が60℃未満であると、多層構造スチレン系共重
合体から得られる成形品の耐衝撃性が低下する傾向があ
る。
【0083】(2)重合方法 段階(4)における重合条件は、基本的に段階(2)お
よび段階(3)における重合条件と同一とするのが好ま
しい。段階(4)における、単量体の重合率を70%以
上の値とすることが好ましく、85%以上の値とするの
がより好ましく、90%以上の値とするがさらに好まし
い。単量体の重合率が70%未満であると多層構造スチ
レン系共重合体から得られる成形品の耐衝撃性および透
明性が低下する傾向がある。なお、段階(4)の重合率
は、段階(3)終了時の未反応単量体を含んだ状態で算
出した。
【0084】5.段階(5) 段階(5)では、重合成分として、スチレンと、少なく
とも一種のシアン化ビニル化合物と、必要に応じて用い
られる少なくとも一種の炭素数1〜8の(メタ)アクリ
ル酸エステルとを追加配合して乳化重合させる。
【0085】(1)重合成分およびその追加配合量 スチレン、シアン化ビニル化合物、アクリル酸エステ
ル 段階(5)で追加配合される、スチレン、シアン化ビニ
ル化合物および炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エス
テルとしては、段階(4)で用いたものと同じものをそ
れぞれ挙げることができる。中でも、炭素数1〜8の
(メタ)アクリル酸エステルとしては、n−ブチルメタ
クリレート、2ーエチルヘキシルメタクリレートが好ま
しく、n−ブチルアクリレート、2ーエチルヘキシルア
クリレートがさらに好ましく、n−ブチルアクリレート
が最も好ましい。これらの単量体はそれぞれ単独で用い
ても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0086】段階(5)においては、スチレンの追加配
合量を60〜90重量%の範囲内の値とされ、65〜8
0重量%の範囲内の値とするのが好ましい。スチレンが
60重量%未満であると多層構造スチレン系共重合体の
成形品の透明性が低下し、90重量%を超えると成形品
の耐衝撃性が低下する。また、シアン化ビニル化合物の
追加配合量は、10〜40重量%の範囲内の値とされ、
20〜35重量%の範囲内の値とするのが好ましい。シ
アン化ビニル化合物が10重量%未満であると多層構造
スチレン系共重合体の成形品の耐薬品性が低下し、40
重量%を超えると成形品の透明性が低下する。また、炭
素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステルの追加配合量
を0〜30重量%(但し、0重量%は含まない。)の範
囲内の値とされ、0〜15重量%(但し、0重量%は含
まない。)の範囲内の値とするのが好ましい。(メタ)
アクリル酸エステルの追加配合量が30重量%を超える
と多層構造スチレン系共重合体の成形品の耐衝撃性、耐
薬品性が低下する。
【0087】 単量体の追加配合量の調製 段階(5)における単量体の追加配合量は、生成する共
重合体のガラス転移温度が、70℃以上の値となるよう
に調製するのが好ましく、80℃以上の値となるように
調製するのがより好ましく、95℃以上の値となるよう
に調製するのがさらに好ましい。生成する共重合体のガ
ラス転移温度が70℃未満であると、多層構造スチレン
系共重合体から得られる成形品の耐衝撃性および耐熱性
が低下する傾向がある。
【0088】(2)重合方法 段階(5)の重合条件は、段階(1)〜段階(4)にお
ける重合条件と基本的に同一とするのが好ましい。した
がって、段階(5)における単量体の重合率は85%以
上の値であることが好ましく、90%以上の値であるこ
とがより好ましく、95%以上の値であることがさらに
好ましい。単量体の重合率が85重量%未満であると、
多層構造スチレン系共重合体から得られる成形品の耐衝
撃性および透明性が低下する傾向がある。なお、段階
(5)における重合率は、段階(4)終了時の未反応単
量体を含んだ値として算出する。
【0089】また、本発明の多層構造スチレン系共重合
体は、段階(5)終了時(直後)の平均粒子径が50〜
500nmの範囲内の値であることが好ましく、50〜
350nmの範囲内の値がより好ましく、100〜25
0nmの範囲内の値がさらに好ましい。段階(5)終了
時(直後)の平均粒子径が50nm未満であると、この
多層構造スチレン系共重合体から得られる成形品の耐衝
撃性が低下する傾向があり、500nmを越えると成形
品の透明度が低下する傾向がある。
【0090】6.各工程における単量体の(追加)配合
量の調製 段階(1)〜段階(5)までの各工程における単量体の
配合量または追加配合量は、それぞれ次に示す割合にな
るように調製することが望ましい。 (1)段階(1) 段階(1)で配合する単量体の合計量を、段階(1)〜
段階(5)で配合する単量体の合計量に対して、5〜5
5重量%の範囲内の値とするのが好ましく、10〜45
重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、10〜3
0重量%の範囲内の値とするのがさらに好ましい。段階
(1)〜段階(5)で配合する単量体の合計量に対し
て、段階(1)で配合する単量体の合計量が5重量%未
満であると、多層構造スチレン系共重合体から得られる
成形品の透明性が損なわれる傾向があり、一方、55重
量%を超えると成形品の耐衝撃性が低下する傾向があ
る。
【0091】(2)段階(2) 段階(2)で追加配合する単量体の合計量を、段階
(1)〜段階(5)で配合する単量体の合計量に対し
て、10〜60重量%の範囲内の値とするのが好まし
く、15〜50重量%の範囲内の値とするのがより好ま
しく、20〜40重量%の範囲内の値とするのがさらに
好ましい。段階(1)〜段階(5)で配合する単量体の
合計量に対して、段階(2)で追加配合する単量体の合
計量が10重量%未満であると、多層構造スチレン系共
重合体の成形品の耐衝撃性が低下する傾向があり、一
方、60重量%を超えると成形品の透明度が低下する傾
向がある。
【0092】(3)段階(3) 段階(3)で追加配合する単量体の合計量を、段階
(1)〜段階(5)で配合する単量体の合計量に対し
て、1〜20重量%の範囲内の値とするのが好ましく、
2〜15重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、
4〜10重量%の範囲内の値とするのがさらに好まし
い。段階(1)〜段階(5)で配合する単量体の合計量
に対して、段階(3)で追加配合する単量体が1重量%
未満であると、多層構造スチレン系共重合体の成形品の
耐衝撃性が低下する傾向があり、一方、20重量%を超
えると成形品の耐衝撃性および耐熱性が低下する傾向が
ある。
【0093】(4)段階(4) 段階(4)で追加配合する単量体の合計量を、段階
(1)〜(5)で配合する単量体の合計量に対して、5
〜35重量%の範囲内の値とするのが好ましく、7〜2
0重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、10〜
15重量%の範囲内の値とするのがさらに好ましい。段
階(1)〜(5)で配合する単量体の合計量に対して、
段階(4)で追加配合する単量体の合計量が5重量%未
満であると、多層構造スチレン系共重合体の成形品の耐
薬品性が低下する傾向があり、一方、35重量%を超え
ると成形品の耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0094】(5)段階(5) 段階(5)で追加配合する単量体の合計量を、段階
(1)〜(5)で配合する単量体の合計量に対して、1
0〜79重量%の範囲内の値とするのが好ましく、30
〜65重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、3
5〜55重量%の範囲内の値とするのがさらに好まし
い。段階(1)〜(5)で配合する単量体の合計量に対
して、段階(5)で追加配合する単量体の合計量が10
重量%未満であると、重合後の塩析や多層構造スチレン
系共重合体の乾燥に関する作業性が低下する傾向があ
り、また、成形品の透明性および耐薬品性並びに耐熱性
が低下する傾向がある。一方、段階(5)で配合する単
量体の合計量が79重量%を超えると成形品の耐衝撃性
が低下する傾向がある。
【0095】II.多層構造スチレン系共重合体 本発明によって得られる多層構造スチレン系共重合体
は、各段階において重合された共重合体が、多層的構造
を形成するものであり、各段階の単量体混合物の各々を
単に混合したものとは著しく異なる特長を有する。すな
わち、多層構造スチレン系共重合体は、耐候性、耐熱
性、耐衝撃性、機械的強度のバランスに優れるととも
に、弾性率や熱安定性の点でも優れているという特長を
有する。
【0096】また、この多層構造スチレン系共重合体
は、単独で、またはスチレンーアクリロニトリル共重合
体、スチレンーアクリロニトリルーメタクリル酸メチル
共重合体、スチレンーアクリロニトリルーαーメチルス
チレン共重合体、スチレンーアクリロニトリルーフエニ
ルマレイミド共重合体等と溶融混練し、熱可塑性成形材
料として用いることができる。なお、共重合体等と溶融
混練して熱可塑性成形材料とする場合には、共重合体等
と多層構造スチレン系共重合体との総重量に対して、多
層構造スチレン系共重合体の配合量を、15重量%以上
の値とすることが好ましい。多層構造スチレン系共重合
体の配合量が15重量%未満であると、熱可塑性成形材
料から得られる成形品の耐衝撃性が低下する傾向があ
る。また、多層構造スチレン系共重合体に添加する共重
合体は、公知の方法を用いて製造することができ、塊状
重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の重合法が用い
られる。その他、この多層構造スチレン系共重合体に
は、着色剤、安定剤等の添加剤を混合添加することも好
ましい。
【0097】次に、多層構造スチレン系共重合体におけ
る、各工程で生成する共重合体のガラス転移温度(T
g)の測定方法について説明する。このガラス転移温度
(Tg)は、下記数式(1)によって算出した。
【0098】
【数1】
【0099】数式(1)において、miは共重合体中の
i成分のモル分率、Tgiはi成分のガラス転移温度を
それぞれ示し、iは共重合体を構成する単量体に便宜的
に付けた通し番号であり、1から最大数k(単量体の種
類の総数)まで変化する。多官能性単量体以外のi成分
のガラス転移温度はそれぞれの成分を単独で塊状重合し
て得られる重合体のガラス転移温度を表す。
【0100】このときのガラス転移温度の測定は周波数
5Hz、昇温速度1℃/分の条件で動的粘弾性測定を行
い、tanδがピークになるときの温度と定義する。一
方、多官能性単量体のガラス転移温度は、多官能性単量
体を単独で塊状重合して得られる重合体につき、昇温速
度1℃/分の条件で行った熱膨張測定において線膨張係
数が不連続に変化する温度と定義する。
【0101】また、段階(1)以降の段階、例えば段階
(2)で生成した共重合体のガラス転移温度の算出に当
たっては、段階(1)終了時の未反応単量体と、段階
(2)で追加配合した単量体を合わせた単量体とが合わ
さって、段階(2)において共重合体を生成するものと
して算出した。したがって、段階(3)以降のガラス転
移温度の算出もこれと同様に行った。また、各工程のみ
の反応単量体の組成決定および定量はガスクロマトグラ
フイ測定を使用して行った。実施例においてはこの方法
によりガラス転移温度を算出した。
【0102】次に、多層構造スチレン系共重合体におけ
る、各工程で生成する共重合体の屈折率の測定方法につ
いて説明する。この屈折率は、下記数式(2)によって
算出した。
【0103】
【数2】
【0104】数式(2)において、miは共重合体中の
i成分のモル分率、niはi成分の屈折率をそれぞれ示
し、iは共重合体を構成する単量体に便宜的に付けた通
し番号であり、1から最大数k(単量体の種類の総数)
まで変化する。i成分の単量体の屈折率は25±0.0
5℃の条件で測定した。
【0105】また、屈折率の測定に当たっても、ガラス
転移温度の算出と同様に、例えば段階(2)で生成した
共重合体の屈折率は、段階(1)終了時の未反応単量体
と段階(2)で新たに配合した単量体を合わせた単量体
からなる共重合体が、段階(2)で生成するものとして
計算した。
【0106】その他、多層構造スチレン系共重合体にお
ける詳細な構造は、電子顕微鏡観察によって決定するこ
とができる。
【0107】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。なお、本実施例、または比較例で用いた化
合物(略称)は、以下のとおりである。 St: スチレン(電気化学社製工業用) BuA:アクリル酸ブチル(日本触媒社製工業用) AN: アクリロニトリル(日東化学社製工業用) MMA:メタクリル酸メチル(旭化成工業社製工業用) HDA:1、6−ヘキサンジオールジアクリレート(大
阪有機社製工業用) AMA:アリルメタクリレート(三菱レイヨン社製工業
用) (AA)Ca:アセチルアセトナートカルシウム (AA)Zr:アセチルアセトナートジルコニウム TDM:t−ドデシルメルカプタン(アトケム社製工業
用) KPS:過硫酸カリウム(小宋化学社製工業用) ASK:アルケニルコハク酸カリウム(花王社製工業
用)
【0108】[実施例1] (多層構造スチレン系共重合体の作製) 段階(1) 4リットルの環流冷却器付きフラスコに、蒸留水150
0g、ASK 4.03gを採取し、320rpmの回
転数で攪拌しながら40℃まで昇温した。40℃に到達
した時点で、その温度を保ったまま、窒素ガスを水中に
吹き込み、約1時間かけて、水中に溶解している酸素を
置換した。その後、窒素ガス気流下に70℃に昇温し、
濃度1.19重量%のKPS水溶液25.3gを添加し
た後、St 344.80g(99.84重量%)、H
DA 0.566g(0.16重量%)、(AA)Ca
0.035g(0.01重量%)からなる混合物を
9.3g/minの割合で滴下した。この全量を滴下し
た後、同温度で2.5時間保持した。この時点で、得ら
れた共重合体の重合率、ガラス転移温度および屈折率を
測定または算出した。表1に示すように、このときの重
合率は96.5%であり、ガラス転移温度は100.1
℃であり、屈折率は1.59であり、それぞれ好ましい
値であった。
【0109】なお、共重合体の重合率は、以下のように
算出した。結果を表1に示す。まず、サンプリングした
重合反応液を、赤外線水分計を用いて乾燥した後、不揮
発分の重量を測定した。次いで、この不揮発分の重量と
仕込み割合とから下記数式(3)を用いて重合率を算出
した。 n層の重合率=((α×β÷γ−δ)/ε)×100%・・・(3) n:1〜5の整数 α:第n段階の重合終了時に重合系に存在する反応混合
物全重量 β:第n段階の重合終了時に採取した反応混合物の不揮
発分重量 γ:第n段階の重合終了時に採取した反応混合物の重量 δ:第(nー1)段階までの重合終了時に重合系に存在
する不揮発分の合計重量 ε:第n段階で追加配合した単量体および多官能性単量
体と第(n−1)段階の重合終了時に重合系に存在する
未反応単量体混合物の合計重量 なお、上記においてn−1が0の場合におけるδの値は
0であり、εは段階(1)で配合した単量体の合計量で
ある。
【0110】段階(2) 次いで、濃度1.1重量%のKPS水溶液25.3gお
よびASK 6.04gを添加した後、BuA 34
4.80g(99.87重量%)、HDA 0.426
g(0.12重量%)、(AA)Ca 0.035g
(0.01重量%)からなる混合物を、9.3g/mi
nの割合で滴下した。この全量を滴下した後、同温度を
2.5時間保持した。この時点で、得られた共重合体の
重合率、ガラス転移温度および屈折率を測定または算出
した。表1に示すように、このときの重合率は97.7
%であり、ガラス転移温度は−53.4℃であり、屈折
率は1.47であり、それぞれ好ましい値であった。な
お、共重合体の重合率は、段階(2)の単量体混合物お
よび段階(1)における単量体混合物中の未反応分を合
せたものの重合率(これを段階(2)の重合率とい
う。)である。また、段階(1)および段階(2)で使
用した単量体の総重量に対する、段階(1)および段階
(2)で使用した単量体の重合率は98.2%であっ
た。
【0111】段階(3) 次いで、濃度2.9重量%のKPS水溶液25.8gを
添加した後、St 63.8g(81.57重量%)、
BuA 12.8g(16.26重量%)、HDA
1.613g(2.06重量%)、(AA)Ca 0.
008g(0.01重量%)からなる混合物を、9.3
g/minの割合で滴下した。この全量を滴下した後、
4時間、同温度に保持した。この時点で、得られた共重
合体の重合率、ガラス転移温度および屈折率を測定また
は算出した。表1に示すように、このときの重合率は9
8.2%であり、ガラス転移温度は78.5℃であり、
屈折率は1.567であり、それぞれ好ましい値であっ
た。なお、共重合体の重合率は、段階(2)終了時にお
ける未反応単量体と段階(3)で新たに配合した単量体
をあわせたものの重合率(これを段階(3)の重合率と
いう。)である。また、段階(1)〜(3)で使用した
単量体の総重量に対する、段階(1)〜(3)で使用し
た単量体の重合率は99.0%であった。
【0112】段階(4) 次いで、濃度1.4重量%のKPS水溶液25.4gを
添加した後、St 104.1g(73.78重量
%)、AN 32.9g(23.32重量%)、AMA
4.088g(2.90重量%)、(AA)Ca
0.008g(0.006重量%)からなる混合物を、
9.3g/minの割合で滴下した。この全量を滴下し
た後、1.5時間、同温度に保持した。この時点で、得
られた共重合体の重合率、ガラス転移温度および屈折率
を測定または算出した。表1に示すように、このときの
重合率は98.3%であり、ガラス転移温度は98.3
℃であり、屈折率は1.562であり、それぞれ好まし
い値であった。なお、共重合体の重合率は、段階(3)
終了時における未反応単量体と段階(4)で新たに配合
した単量体をあわせたものの重合率(これを段階(4)
の重合率という。)である。また、段階(1)〜(4)
で使用した単量体の総重量に対する、段階(1)〜
(4)で使用した単量体の重合率は99.2%であっ
た。
【0113】段階(5) 次いで、濃度1.3重量%のKPS水溶液25.3gを
添加した後、St 153.34g(56.98重量
%)、MMA 40.46g(15.04重量%)、A
N 75.31g(27.98重量%)、(AA)Ca
0.027g(0.01重量%)からなる混合物を1
3g/minの割合で滴下し、全量を滴下した後、2時
間同温度に保持した。この時点で、得られた共重合体の
重合率、ガラス転移温度および屈折率を測定または算出
した。表1に示すように、このときの重合率は97.9
%であり、ガラス転移温度は99.3℃であり、屈折率
は1.547であり、それぞれ好ましい値であった。な
お、共重合体の重合率は、段階(4)終了時における未
反応単量体と段階(5)で新たに配合した単量体をあわ
せたものの重合率(これを段階(5)の重合率とい
う。)である。また、段階(1)〜(5)で使用した単
量体の総重量に対する、段階(1)〜(5)で使用した
単量体の重合率は95.5%であった。
【0114】次いで、この様にして得られた樹脂(ラテ
ックス)の全量を、濃度1.3重量%の硫酸アルミ水溶
液3000g中に80℃で、激しく攪拌しながら約30
分で滴下し、析出物を析出させた。その後、析出物を脱
水乾燥させ、粒子状の多層構造スチレン系共重合体(多
段重合体粉体)を得た。これらの結果および、共重合体
のガラス転移温度並びに屈折率の値を表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】(多層構造スチレン系共重合体の評価)得
られた多層構造スチレン系共重合体430gと、別途に
懸濁重合で製造したスチレンーアクリロニトリルーメタ
クリル酸メチル樹脂(57/28/15質量比)570
gおよび所定の熱安定剤を混合し、押し出し機を用いて
ペレット化した。このペレットを射出成形し、以下の性
能評価に供した。なお、測定した結果をそれぞれ表9に
示す。
【0117】(1)平均粒子径の測定 得られた多層構造スチレン系共重合体(ラテックス)の
平均粒子径を、レーザ散乱法を用いて測定した。測定機
器としては、BIC社製BI−90型を用いた。
【0118】(2)流動性の測定 多層構造スチレン系共重合体の流動性(成形性と称する
場合もある。)を、MFR測定装置L203(宝工業社
製)用いて測定した。すなわち、多層構造スチレン系共
重合体から得られたペレットを溶融させ、温度220
℃、時間10分の条件で、シリンダーから流出してくる
溶融樹脂の重量を測定した。なお、溶融樹脂の重量が、
20(g/10分)以上の値であれば、射出成形時の流
動性の点で実用上問題ないことが判明しており、21
(g/10分)以上の値であればより好ましい。
【0119】(3)アイゾット衝撃強度の測定 ASTM−D256に準拠して、多層構造スチレン系共
重合体のアイゾット衝撃強度を測定した。試験片の厚さ
は1/8インチ、ノッチ付きとした。また、測定温度は
23℃±2℃で測定し、アイゾット衝撃試験機としては
東洋精機社製のものを用いた。なお、アイゾット衝撃強
度の値が、95(J/m)以上の値であれば、成形品の
耐衝撃性の点で実用上問題ないことが判明しており、9
6(J/m)以上の値であればより好ましい。
【0120】(4)耐候性の測定 JIS A1415に準拠して、サンシャインウエザー
メータ(スガ試験機社製WEL−SUN−HCH型)を
用い、紫外線を1000時間照射し、多層構造スチレン
系共重合体の色相変化から耐候性を測定した。なお、色
相変化は、分光色差計(マクベス社製)を用いて測定し
た。なお、耐候性の指標である色相変化の値が、3.0
(−)以下の値であれば、実用上問題ないことが判明し
ており、1.0(−)以下の値であれば好ましい。
【0121】(5)可視光透過率の測定 波長領域400〜800nmにおける多層構造スチレン
系共重合体の透過率を調べ、測定された透過率曲線とベ
ースラインで囲まれる面積を、多段重合体を全く含有し
ないマトリックス樹脂の場合の測定面積で除し、得られ
た値を透過率とした。試験片の厚みは2mm、分光光度
計(日立製作所製、228A型)を用い、23℃±2℃
の温度で測定した。なお、可視光透過率の値が、60
(%)以上の値であれば、成形品の透明性の点で実用上
問題ないことが判明しており、70(%)以上の値であ
れば好ましい。
【0122】(6)熱変形温度の測定 ASTM D−648−56に準拠して、多層構造スチ
レン系共重合体の熱変形温度を測定した。試験片は1/
2インチのものを用いて、荷重18.4kgf、昇温速
度2.0±2℃の条件で測定を行い、試験片の変形が
0.26mmに達したときの温度を熱変形温度とした。
なお、熱変形温度の値が、85(℃)以上の値であれ
ば、成形品の耐熱性の点で実用上問題ないことが判明し
ており、90(℃)以上の値であれば好ましい。
【0123】(7)引張り強度の測定 JIS K6319に準拠し、引張り試験機(オリエン
テック社製UTM−III−500型)を用いて、以下
の測定条件で多層構造スチレン系共重合体の引張り強度
を測定した。 試験条件:チャック間距離 112mm±0.05mm 標線間距離 50mm±0.05mm フルスケール 200kg チャートスピード 100mm/分 テストスピード 19mm/分 測定温度 23±2℃ なお、引張り強度の値が、45(MPa)以上の値であ
れば、成形品の機械的強度の点で実用上問題ないことが
判明しており、46(MPa)以上の値であれば好まし
い。
【0124】(8)曲げ弾性率の測定 JIS K7203に準拠して、曲げ試験機(オリエン
テック社製UTM−III−500型)を用いて、以下
の測定条件で多層構造スチレン系共重合体の弾性率を測
定した。 試験条件:スパン間距離 102mm±0.05mm フルスケール 50kg チャートスピード 2.5mm/分 テストスピード 50mm/分 測定温度 23±2℃ なお、曲げ弾性率の値が、1900(MPa)以上の値
であれば、成形品の機械的強度の点で実用上問題ないこ
とが判明しており、2000(MPa)以上の値であれ
ば好ましく、2200(MPa)以上の値であればより
好ましい。
【0125】(9)光沢度の測定 JIS Z 8741に準拠して、入射角60度におけ
る多層構造スチレン系共重合体からなる試験片の平面光
沢度を測定した。光度計としては日本電色工業株式会社
製VG−IB型を用いた。なお、光沢度の値が、95
(%)以上の値であれば、実用上問題ないことが判明し
ており、97(%)以上の値であれば好ましい。
【0126】[実施例2] (多層構造スチレン系共重合体の作製)実施例1におい
て、段階(1)〜(5)のそれぞれ工程で金属錯体とし
て(AA)Caを用いた代わりに、実施例2では、段階
(2)において、(AA)Caを0.173g用いた以
外は、実施例1と全く同様に多層構造スチレン系共重合
体を製造した。なお、段階(1)での重合率は96.8
重量%、段階(2)での重合率は97.9重量%、段階
(3)での重合率は98.7重量%、段階(4)での重
合率は98.0重量%および段階(5)での重合率は9
8.2重量%であった。これらの結果および、共重合体
のガラス転移温度並びに屈折率の値を表2に示す。
【0127】
【表2】
【0128】(多層構造スチレン系共重合体の評価)次
いで、得られた多層構造スチレン系共重合体から、実施
例1と同様にペレットを射出成形して、性能評価に供し
た。なお、測定した結果を表9に示す。
【0129】[実施例3] (多層構造スチレン系共重合体の作製)実施例1におい
て、段階(1)〜(5)のそれぞれ工程で金属錯体とし
て(AA)Caを用いた代わりに、実施例3では、段階
(2)において、(AA)Caを0.690g用いた以
外は、実施例1と全く同様に多層構造スチレン系共重合
体を製造した。なお、段階(1)での重合率は97.1
重量%、段階(2)での重合率は96.9重量%、段階
(3)での重合率は98.1重量%、段階(4)での重
合率は98.3重量%および段階(5)での重合率は9
8.2重量%であった。これらの結果および、共重合体
のガラス転移温度並びに屈折率の値を表3に示す。
【0130】
【表3】
【0131】(多層構造スチレン系共重合体の評価)次
いで、得られた多層構造スチレン系共重合体から、実施
例1と同様にペレットを射出成形して、性能評価に供し
た。なお、測定した結果を表9に示す。
【0132】[実施例4] (多層構造スチレン系共重合体の作製)実施例1におい
て、段階(1)〜(5)のそれぞれ工程で金属錯体とし
て(AA)Caを用いた代わりに、実施例3では、段階
(2)において、(AA)Zrを用いた以外は、実施例
1と全く同様に多層構造スチレン系共重合体を製造し
た。なお、段階(1)での重合率は95.8重量%、段
階(2)での重合率は96.9重量%、段階(3)での
重合率は97.9重量%、段階(4)での重合率は9
8.9重量%および段階(5)での重合率は98.9重
量%であった。これらの結果および、共重合体のガラス
転移温度並びに屈折率の値を表4に示す。
【0133】
【表4】
【0134】(多層構造スチレン系共重合体の評価)次
いで、得られた多層構造スチレン系共重合体から、実施
例1と同様にペレットを射出成形して、性能評価に供し
た。なお、測定した結果を表9に示す。
【0135】[実施例5] (多層構造スチレン系共重合体の作製)実施例4におい
て、段階(1)〜(5)のそれぞれ工程で金属錯体とし
て(AA)Zrを用いた代わりに、実施例5では、段階
(2)において、(AA)Zr0.173gを用いた以
外は、実施例4と全く同様に多層構造スチレン系共重合
体を製造した。なお、段階(1)での重合率は96.1
重量%、段階(2)での重合率は97.9重量%、段階
(3)での重合率は97.1重量%、段階(4)での重
合率は97.9重量%および段階(5)での重合率は9
7.6重量%であった。これらの結果および、共重合体
のガラス転移温度並びに屈折率の値を表5に示す。
【0136】
【表5】
【0137】(多層構造スチレン系共重合体の作製)次
いで、得られた多層構造スチレン系共重合体から、実施
例1と同様にペレットを射出成形して、性能評価に供し
た。なお、測定した結果を表2に示す。
【0138】[比較例1] (多層構造スチレン系共重合体の作製)実施例1におい
て用いた金属錯体である(AA)Caを、段階(1)〜
段階(5)の全ての段階において用いなかったこと以外
は実施例1と全く同様に多層構造スチレン系共重合体を
製造した。なお、段階(1)での重合率は96.8重量
%、段階(2)での重合率は96.2重量%、段階
(3)での重合率は97.3重量%、段階(4)での重
合率は97.9重量%および段階(5)での重合率は9
7.6重量%であった。これらの結果および、共重合体
のガラス転移温度並びに屈折率の値を表6に示す。
【0139】
【表6】
【0140】(多層構造スチレン系共重合体の評価)次
いで、得られた多層構造スチレン系共重合体から、実施
例1と同様にペレットを射出成形して、性能評価に供し
た。なお、測定した結果を表2に示す。
【0141】[比較例2] (多層構造スチレン系共重合体の作製)金属錯体である
(AA)Ca2.072g(0.6重量%)を、段階
(2)において使用したこと以外は実施例1と全く同様
に多層構造スチレン系共重合体を製造した。なお、段階
(1)での重合率は97.4重量%、段階(2)での重
合率は96.8重量%、段階(3)での重合率は98.
7重量%、段階(4)での重合率は98.9重量%およ
び段階(5)での重合率は99.9重量%であった。こ
れらの結果および、共重合体のガラス転移温度並びに屈
折率の値を表7に示す。
【0142】
【表7】
【0143】(多層構造スチレン系共重合体の評価)次
いで、得られた多層構造スチレン系共重合体から、実施
例1と同様にペレットを射出成形して、性能評価に供し
た。なお、測定した結果を表9に示す。
【0144】[比較例3] (多層構造スチレン系共重合体の作製)金属錯体である
(AA)Zr2.072g(0.6重量%)を、段階
(2)において使用したこと以外は実施例1と全く同様
に多層構造スチレン系共重合体を製造した。なお、段階
(1)での重合率は97.2重量%、段階(2)での重
合率は97.0重量%、段階(3)での重合率は99.
5重量%、段階(4)での重合率は98.9重量%およ
び段階(5)での重合率は99.3重量%であった。こ
れらの結果および、共重合体のガラス転移温度並びに屈
折率の値を表8に示す。
【0145】
【表8】
【0146】(多層構造スチレン系共重合体の評価)次
いで、得られた多層構造スチレン系共重合体から、実施
例1と同様にペレットを射出成形して、性能評価に供し
た。なお、測定した結果を表9に示す。
【0147】
【表9】
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
により、実施例1〜5の多層構造スチレン系共重合体か
ら得られた樹脂成形品は、MFRの値として21.9
(g/10分)以上の値を有しており、アイゾット衝撃
強度の値として95.6(J/m)以上の値を有してお
り、耐候性の指標値として、2.9以下の値を有してお
り、可視光透過率として、72.3(%)以上の値を有
しており、熱変形温度として、90.0以上の値を有し
ており、引っ張り強度として、46.1(MPs)以上
の値を有しており、曲げ弾性率として、2200(MP
s)以上の値を有しており、光沢度として、97.1
(%)以上の値を有していることが確認された。したが
って、本発明により、流動性、耐衝撃性、耐候性、透明
性、耐熱性、機械的強度および光沢度等の特性のバラン
スに優れた樹脂成形品または、このような樹脂成形品が
得られる多層構造スチレン系共重合体の提供が効率的に
できることが確認された。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の段階(1)〜(5)を含む多層構
    造スチレン系共重合体の製造方法。 (1):スチレン50〜99.999重量%と、多官能
    性単量体0.001〜50重量%とを含んで乳化重合さ
    せる。 (2):炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル9
    4.5〜99.998重量%と、多官能性単量体0.0
    01〜5重量%と、下記一般式(I)で表される金属錯
    体0.001〜0.5重量%とを追加配合して乳化重合
    させる。 【化1】 (CH2COCH2COCH3n−M (I) [nは1〜4の整数であり、Mは金属原子を表す。] (3):スチレン、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸
    エステルおよびシアン化ビニル化合物からなる群から選
    ばれる少なくとも1種の重合成分0〜99.999重量
    %(但し、0重量%は除く。)と、多官能性単量体0.
    001〜100重量%(但し、100重量%は除く。)
    とを追加配合して乳化重合させる。 (4):スチレン50〜84.999重量%と、シアン
    化ビニル化合物15〜40重量%と、多官能性単量体
    0.001〜10重量%とを追加配合して乳化重合させ
    る。 (5):スチレン60〜90重量%と、シアン化ビニル
    化合物10〜40重量%とを追加配合して乳化重合させ
    る。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載に多層構造スチレン系共
    重合体の製造方法において、一般式(I)で表される金
    属錯体における金属(M)が、Li、Na、K、Be、
    Mg、Ca、Sr、Ba、La、Y、Ti、Zr、C
    r、Zn、AlおよびInからなる群から選択される少
    なくとも一つの金属である多層構造スチレン系共重合体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載に多層構造スチ
    レン系共重合体の製造方法において、一般式(I)で表
    される金属錯体を、段階(1)、段階(3)〜(5)の
    いずれか一つの工程において追加配合してなる多層構造
    スチレン系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載に多
    層構造スチレン系共重合体の製造方法において、一般式
    (I)で表される金属錯体が、炭素数1〜8の(メタ)
    アクリル酸エステルおよび多官能性単量体またはいずれ
    か一方に溶解性である多層構造スチレン系共重合体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載に多
    層構造スチレン系共重合体の製造方法において、多官能
    性単量体が、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベ
    ンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
    ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチ
    ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1、6−ヘ
    キサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタ
    レート、トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリル
    シアヌレートからなる群から選択される少なくとも一つ
    である多層構造スチレン系共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載に多
    層構造スチレン系共重合体の製造方法において、段階
    (1)の単量体として、炭素数1〜8の(メタ)アクリ
    ル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物またはいずれ
    か一方を追加配合してなる多層構造スチレン系共重合体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載に多
    層構造スチレン系共重合体の製造方法において、段階
    (4)および段階(5)またはいずれか一方の単量体と
    して、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステルを追
    加配合してなる多層構造スチレン系共重合体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載に多
    層構造スチレン系共重合体の製造方法において、段階
    (1)で重合される共重合体のガラス転移温度を、0℃
    以上の値としてなる多層構造スチレン系共重合体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載に多
    層構造スチレン系共重合体の製造方法において、段階
    (2)で重合される共重合体のガラス転移温度を、0℃
    以下の値としてなる多層構造スチレン系共重合体の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載に
    多層構造スチレン系共重合体の製造方法において、段階
    (3)で重合される共重合体のガラス転移温度を、0℃
    以上の値とし、かつ屈折率を1.51〜1.60の範囲
    内の値としてなる多層構造スチレン系共重合体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    に多層構造スチレン系共重合体の製造方法において、段
    階(1)〜(5)で重合される単量体の総重量を100
    重量%としたときに、段階(1)において5〜55重量
    %の単量体を、段階(2)において10〜60重量%の
    単量体を、段階(3)において1〜20重量%の単量体
    を、段階(4)において5〜35重量%の単量体を、お
    よび段階(5)において10〜79重量%の単量体を重
    合してなる多層構造スチレン系共重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    に多層構造スチレン系共重合体の製造方法において、段
    階(5)の重合終了時における平均粒子径を、50〜5
    00nmの範囲内の値としてなる多層構造スチレン系共
    重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の製造方法によって得られる多層構造スチレン系共重合
    体。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の多層構造スチレン系
    共重合体を用いて得られる多層構造スチレン系共重合体
    の成形品。
JP7873298A 1998-03-26 1998-03-26 多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品 Pending JPH11279239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7873298A JPH11279239A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7873298A JPH11279239A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11279239A true JPH11279239A (ja) 1999-10-12

Family

ID=13670068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7873298A Pending JPH11279239A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11279239A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106249A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Cheil Industries Inc 低光沢性耐候性熱可塑性樹脂およびその製造方法
JP2010229406A (ja) * 2009-03-05 2010-10-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 重合体粉体の回収方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106249A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Cheil Industries Inc 低光沢性耐候性熱可塑性樹脂およびその製造方法
JP2010229406A (ja) * 2009-03-05 2010-10-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 重合体粉体の回収方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2288863C (en) Resin composition containing graft polymer having multilayer structure
CA2000122C (en) Ductile, blow moldable composition containing a styrene-methylmethacrylate copolymer having pendant carboxy ester groups
KR19990028439A (ko) 그라프트 공중합체, 그의 혼합물 및 그를 함유하는 열가소성 화합물용 신규 중합체 조성물
JPS62230841A (ja) 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物
JPS581694B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
WO1998056840A1 (en) Acrylic polymer having multilayer structure and methacrylic resin composition containing the same
JPH03199213A (ja) 多層構造アクリル系重合体
JPH11279239A (ja) 多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品
JP3891677B2 (ja) 多層構造スチレン系共重合体の製造法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品
JP4086950B2 (ja) 多層構造スチレン系共重合体の製造法、多層構造スチレン系共重合体及び多層構造スチレン系共重合体の成形品
JP4863579B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3636339B2 (ja) 多層構造スチレン系樹脂の製造方法及び多層構造スチレン系樹脂
JPH02115252A (ja) 吹込み成型可能なスチレン・無水マレイン酸/ポリブチレンテレフタレート組成物
EP1559747B1 (en) Amorphous polyester resin composition
JP3438833B2 (ja) 耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造法
JP3438836B2 (ja) 多層構造スチレン系樹脂の製造法
JPH0791347B2 (ja) 耐衝撃性樹脂の製造方法
JP2003192742A (ja) 耐候性に優れた耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造法及び熱可塑性樹脂組成物
JP2000178432A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0832751B2 (ja) 耐候性、耐衝撃性アクリル系樹脂粒状複合体の製造方法
JPH1112335A (ja) 多層構造スチレン系共重合体の製造方法、多層構造スチレン系共重合体、塩化ビニル系樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物
JP3078629B2 (ja) ゴム変性スチレン−アクリル系樹脂組成物
JPH0559247A (ja) 耐熱劣化性の優れた耐候性、耐衝撃性重合体組成物
JPH05186659A (ja) 耐熱性耐衝撃性樹脂組成物
JP7434947B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂用流動性向上剤、芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物、及びその成形品