JPH11279295A - ラクトン樹脂を含むシート状物及びシート状成形物 - Google Patents

ラクトン樹脂を含むシート状物及びシート状成形物

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JPH11279295A
JPH11279295A JP10338798A JP10338798A JPH11279295A JP H11279295 A JPH11279295 A JP H11279295A JP 10338798 A JP10338798 A JP 10338798A JP 10338798 A JP10338798 A JP 10338798A JP H11279295 A JPH11279295 A JP H11279295A
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JP
Japan
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sheet
resin
lactone resin
starch
lactone
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Application number
JP10338798A
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English (en)
Inventor
Fumio Yoshii
文男 吉井
Keizo Makuuchi
恵三 幕内
Hiroshi Mitomo
宏志 三友
Dalwiss Dalmawan
ダルマワン・ダルウィス
Tei Murakami
禎 村上
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Daicel Corp
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農作物の収穫技術の向上のためのハウス栽培
用屋根シート、土壌敷設用マルチシート、苗代被覆用カ
バーに使用される農業用シート、特に農業用マルチシー
トの製造に適したシート状物及びシート状成形物及び農
業用シートを提供すること。 【解決手段】 放射線照射処理されてなるラクトン樹
脂、特にポリε−カプロラクトンを構成成分として含有
することを特徴とするシート状組成物、放射線照射処理
されてなるラクトン樹脂の非水溶液またはエマルジョン
スラリーが紙に含浸されてなるシート状成形物、これら
からなる農業用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線照射処理をし
たラクトン樹脂を含むシート状物、シート状成形物及び
農業用シートに関する。さらに詳しくは、特に米とか果
実等の農作物の収穫技術の向上のためのハウス栽培用屋
根シート、土壌敷設用マルチシート、苗代被覆用カバー
に使用される農業用シート、特に農業用マルチシートの
製造に適したシート状物及びシート状成形物及び農業用
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】農業用シートとしては、各種方面に各種
構成のシートあるいは厚めのフィルムが使用されている
が、特に農業用マルチシートは地面上に敷設され、地温
の変化制御、雑草の成長抑制、土壌養分の逸散防止等の
機能により、作物の収穫量アップを目的として用いられ
ている。従来の農業用シートは、主に、ポリエチレンに
代表されるようなポリオレフィンの他、塩化ビニール樹
脂、エチレン酢ビ樹脂等が透明なまま、又は黒色、銀
色、白色等の着色を施した状態で用いられている。
【0003】これらのシート自体は汎用合成樹脂製であ
るから比較的安価であるが、広面積を有するこれらのシ
ートの使用後の汚れの除去、保管、再利用は煩雑であ
り、また引裂伝播強度も高くないため使用後は破損して
いる場合も多く、使用の度に廃棄しがちである。しかし
これらシートの材料は土上で風雨にさらしたり、土壌中
に埋設するなど自然環境下に放置しても容易には化学的
にも生化学的にも分解性しないため、廃棄物としていつ
までも残るという問題がある。この廃棄物を残さない処
理方法としては、焼却処理が最も簡単であるが、合成樹
脂の燃焼時の高い発熱量により焼却炉が損傷することが
多く、また燃焼に伴う有害物の発生もあり得るので必ず
しも好ましい方法とは言えない。
【0004】このため、農業用マルチシート等、自然環
境下で長期間使用されて汚れ易く、又、破れ易いシート
であって回収再使用が困難なシートとして、その使用上
必要な期間が経過した後はシートの強度が弱くなり、土
壌の中に鍬き込むと、その後、微生物により完全分解す
ることで回収処理が不要なシートが要望され、完全生分
解性の繊維素系紙を含め、カプロラクトン樹脂などの利
用が検討されている。一般には、紙自体では湿潤強度を
含む各種強度が低く、そのままでは使用に耐えず、各種
生分解性樹脂との組み合わせが紹介されている。しか
し、これら生分解性樹脂自体も強度上、従来の汎用合成
樹脂に比較して劣るため、農業用シートとして広く使用
できる状態にはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は紙等
との複合化を考慮して汎用的に使用でき、又引張強度、
引裂強度等の物理的強度にも優れ、しかも高い生分解性
を有するシート状物、シート成形物、農業用シートを提
供しすることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は生分解性で非
水溶性でもあるラクトン樹脂を、放射線照射処理すると
強度が向上し、生分解性も向上する事実を見出し、又紙
等の繊維状物質と共に用いても生分解性には何ら影響は
なく、しかも各種農業用シート特にマルチシートとして
十分使用に耐える高強度のシートが得られる知見も得、
本発明に到達した。
【0007】本発明の要旨は次の通りである。本発明の
第1は、放射線照射処理されてなるラクトン樹脂を構成
成分として含有するシート状物に関する。本発明の第2
は、ラクトン樹脂がポリε−カプロラクトンである本発
明の第1に記載のシート状物に関する。本発明の第3
は、本発明の第1又は第2記載のラクトン樹脂の非水溶
液またはエマルジョンスラリーが紙に含浸されてシート
状に形成されてなるシート状成形物に関する。本発明の
第4は、本発明の第1又は第2記載のラクトン樹脂が紙
繊維と共に混抄されてなるシート状成形物に関する。本
発明の第5は、本発明の第1又は第2記載のラクトン樹
脂からなるフィルムがラミネートされてなるシート状成
形物に関する。本発明の第6は、本発明の第1又は第2
記載のラクトン樹脂であって、粉末状および/または繊
維状のものと、ラクトン樹脂以外の粉末状および/また
は繊維状物との混合物からなるシート状成形物に関す
る。本発明の第7は、本発明の第1又は第2記載のラク
トン樹脂が、粉末状および/または繊維状物から形成さ
れてなるシート状物にコートされてなるシート状成形物
に関する。本発明の第8は、本発明の第1又は第2記載
のラクトン樹脂が含浸されてなる含浸紙からなる農業用
シートに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明において使用されるラクトン樹脂は、ε
−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,
5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリ
メチルカプロラクトンなどの各種メチル化カプロラクト
ン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−
バレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体または
これらの2種以上のモノマーの共重合体、これらの単独
または共重合体の混合物が挙げられる。特に常温で軟化
しないものが好ましく、この観点から高分子量であって
融点が50℃以上の、安定した性能が得やすいポリε−
カプロラクトン(ポリカプロラクトンと称すことがあ
る。)が好適である。以下、本発明に係るラクトン樹脂
を主にその代表例であるポリカプロラクトンを用いて説
明する。ポリカプロラクトンとしては、ε−カプロラク
トンの単独重合体以外に、バレロラクトンやグリコリ
ド、ラクチド等のコモノマーを使用した共重合体も含ま
れ、数平均分子量が10,000〜300,000が好
ましいが、実用的な橋かけが得られる点で40,000
〜150,000のものが特に好ましい。本発明の第1
〜第8において使用されるラクトン樹脂、第2のポリε
−カプロラクトンは非水溶性であり、紙や繊維状物質に
含浸可能であるが、ラクトン樹脂はそれ単独で、あるい
は他の生分解性樹脂と共にシート状物や成形物を構成し
てもよい。その他の生分解性樹脂も同様に非水溶性で、
紙等への含浸可能なものが好ましい。従って、生分解性
のよいラクトン樹脂をポリオレフィンに混練した樹脂組
成物からなるシート状物や成形物は、生分解後に非分解
性成分が残るため好ましくない。
【0009】他の生分解性樹脂としては、ラクトン樹脂
に配合して組成物としてシートに成形され得る樹脂であ
れば特に限定されず各種公知の樹脂が使用される。この
ような生分解性樹脂としては、合成ポリ乳酸、ポリエチ
レンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の生分
解性のポリエステル樹脂(このような樹脂としては、昭
和高分子株式会社のビオノーレに代表される低分子量脂
肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成さ
れるポリエステル樹脂を例示することができ、ジイソシ
アネート化合物により分子量を向上させたものも含まれ
る)等の脂肪族ポリエステル系樹脂、生分解性セルロー
スエステル、ポリペプチド、澱粉等が好ましく例示でき
る。これらは、1種を単独で使用することも二種以上を
併用することもできる。生分解性セルロースエステルと
しては、酢酸セルロース、セルロースブチレート、セル
ロースプロピオネート等の有機酸エステル;硝酸セルロ
ース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等の無機酸エ
ステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタ
レート、硝酸酢酸セルロース等の混成エステルが例示で
きる。これらのセルロースエステルは、単独でまたは二
種以上混合して使用できる。これらのセルロースエステ
ルのうち有機酸エステル、特に酢酸セルロースが好まし
い。ポリペプチドとしては、ポリアミノ酸およびポリア
ミドエステル等が例示できる。澱粉としては、生澱粉、
加工澱粉及びこれらの混合物が挙げられる。生澱粉とし
てはトウモロコシ澱粉、馬鈴箸澱粉、甘藷澱粉、コムギ
澱粉、キャッサバ澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱粉、コメ
澱粉、マメ澱粉、クズ澱粉、ワラビ澱粉、ハス澱粉、ヒ
シ澱粉等が挙げられ、加工澱粉としては、物理的変性澱
粉(α−澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉等)、酵
素変性澱粉(加水分解デキストリン、酵素分解デキスト
リン、アミロース等)、化学分解変性澱粉(酸処理澱
粉、次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉等)、化学
変性澱粉誘導体(エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カ
チオン化澱粉、架橋澱粉等)などが挙げられる。 上記
の中、エステル化澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、
コハク酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、リン酸
エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、キサント
ゲン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉な
ど;エーテル化澱粉としては、アリルエーテル化澱粉、
メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱
粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロ
ピルエーテル化澱粉など;カチオン化澱粉としては、澱
粉と2−ジエチルアミノエチルクロライドの反応物、澱
粉と2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライドの反応物など;架橋澱粉としては、ホルムア
ルデヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉、リン
酸架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉などが挙げられる。
【0010】本発明のシート状物またはシート状成形物
には、必要に応じて、光分解又は生分解促進剤、前記ラ
クトン樹脂及び脂肪族ポリエステル樹脂以外の樹脂成分
(例えば、ε−カプロラクトンとε−カプロラクタムよ
り合成されるポリアミドエステル樹脂、ポリアミノ酸樹
脂、エチレン共重合体やその他のポリオレフィン、水素
添加スチレンーブタジエンゴム、ポリウレタン、ポリア
ミド、ポリヒドロキシブチレート等)、前記澱粉以外の
天然高分子(例えば、多糖類系高分子、セルロース系高
分子、タンパク質系高分子等)、直径が50ミクロン以
下の、紙より製造した微粉末粒子、熱安定剤、増量剤、
タルク、炭酸カルシウム等の充填剤、滑剤、着色剤、難
燃剤、耐水化剤、自動酸化剤、紫外線安定剤、架橋剤、
抗菌剤、除草剤、酸化防止剤、脱臭剤等を添加すること
ができる。これらは、放射線照射後に加えることもでき
る。
【0011】本発明のシート状物またはシート状成形物
に用いられるラクトン樹脂またはラクトン樹脂を含む樹
脂組成物は、予めラクトン樹脂単独に放射線照射処理を
しそれをそのまま使用するか、これに他の生分解性樹脂
を添加して得られる樹脂組成物の他、ラクトン樹脂と生
分解性樹脂を混合して放射線照射処理をした後に使用す
ることもできる。あるいはシート状物またはシート状成
形物の成形中に、放射線照射処理してもよい。生分解性
向上のためには、放射線照射処理をして得られたラクト
ン樹脂またはラクトン樹脂を含有する樹脂組成物、例え
ばペレットを用いることが好ましい。シート状物の成形
中に照射する場合は、ラクトン樹脂は一旦、融点以上の
加熱溶融によりラクトン樹脂の結晶が崩れ、冷却しても
まだ非結晶性の状態にある間に照射することにより、低
照射量で高い架橋度が得られるため、効率的である。も
ちろん、成形後のラクトン樹脂が結晶化した後に放射線
照射処理をしても構わない。
【0012】本発明に係るシート状物またはシート状成
形物を構成するラクトン樹脂、特にはカプロラクトン樹
脂は、上記のように単独で又は上記他の生分解性樹脂成
分との組成物として、放射線照射処理を受けている必要
がある。以下、主にラクトン樹脂単独で使用する場合を
例にして説明するが、ラクトン樹脂を含む組成物の場合
も同様である。ラクトン樹脂の放射線照射処理は、橋か
け等による改質のために工業的に広く行われているもの
で、放射線源としてはα線、β線、γ線、X線、電子
線、紫外線等を使用することができるが、コバルト60
からのγ線、電子線の他、X線がより好ましく、中でも
該γ線とか電子加速器の使用による電子線照射処理が橋
かけ構造導入には最も便利である。
【0013】本発明に係る放射線照射処理は、ポリカプ
ロラクトンが代表例であるラクトン樹脂自体又はその組
成物の粉末又はペレットに対して行うことができる。照
射処理時の温度は特に限定されず、常温でもよいし、前
述のように成形途中の冷却過程でもよい。
【0014】本発明におけるラクトン樹脂の放射線処理
の効果である橋かけ反応は、少ない放射線照射線量でも
起こり、常温で15kGy程度でも効果があり、線量の
増加とともに該橋かけ度が大きくなる。放射線の線量率
は特に限定されるものではないが、高い架橋度が必要な
場合は、線量率が高いほど生産効率は向上するので好ま
しい。なお、放射線処理時の雰囲気は特に限定されるも
のではないが、酸素濃度が低いほど照射線量を少なくす
ることができるので有利である。
【0015】原料に放射線照射処理をする場合、放射線
照射処理をしたラクトン樹脂のメルトフローインデック
ス(MI)(190℃において荷重2160gで測定)
が0.01〜10g/10分であることが好ましく、特
に0.3〜3g/10分が適している。ラクトン樹脂の
架橋程度は、後記のゲル分率で10%以下、好ましくは
0.1〜1%の範囲である。なお、成形中または成形後
に放射線照射処理を行う場合は、成形原料に放射線照射
処理を行う場合と異なり、溶融流動性は殆どあるいは全
く問題にならないので、他に支承が無い限り、放射線照
射処理は高度の架橋を行うように条件の設定ができる。
この場合のラクトン樹脂のゲル分率は、通常1〜90%
の範囲である。
【0016】本発明の第3〜第7に係る、放射線照射処
理してなる生分解性樹脂を構成成分に持つシート状成形
物を得る方法としては、使用するラクトン樹脂の特性に
より、好ましい方法を用いればよく、特に限定されるも
のではないが、以下のようないくつかの方法が挙げられ
る。まず、上記放射線照射処理してなるラクトン樹脂を
有機溶剤に溶解した溶液またはエマルジョンを紙やパル
プ等の繊維状物質からなるシート状物に含浸させてなる
シート状成形物(本発明の第3)を得る方法であり、具
体的には、樹脂溶液またはエマルジョンの中へ紙やパル
プ等の繊維状物質からなるシート状物を浸漬する方法、
樹脂溶液またはエマルジョンを紙やパルプ等の繊維状物
質からなるシート状物の表面へ塗布、スプレーする等の
方法で上記ラクトン樹脂成分を含ませて、その後、溶媒
または分散媒を乾燥することによりシート状成形物を得
る方法が挙げられる。放射線照射処理をしていないラク
トン樹脂を用い、同様にしてシート状成形物を得た後、
シート状成形物に対して放射線照射処理を施してもよ
い。
【0017】使用する上記溶液またはエマルジョン中の
ラクトン樹脂の濃度は、使用されるラクトン樹脂の種類
に基づく溶液粘度に依存するが、通常は3〜30重量
%、好ましくは、5〜20重量%である。溶液またはエ
マルジョン中のラクトン樹脂濃度が3重量%未満の場
合、含浸速度は速いが、できあがったシート状成形物の
湿潤強度が必ずしも充分であるとはいえない場合があ
る。逆にラクトン樹脂の濃度が30重量%を超える場
合、含浸される樹脂量が過大になりやすい危険性がある
ほか、溶液を使用する場合ではその粘度が高くなり過ぎ
て含浸操作が困難になることがある。なお、有機溶剤の
種類は使用されるラクトン樹脂等によって任意に選択さ
れる。
【0018】他の方法として、抄紙時にラクトン樹脂が
混抄されてなるシート成形物(本発明の第4)を製造す
る方法がある。具体的には、放射線照射処理したラクト
ン樹脂の粉末またはその繊維状物と紙原料を混合抄紙
後、加熱し樹脂を溶融することにより、シート状成形物
を得る方法である。放射線照射処理をしていないラクト
ン樹脂を用い、同様にしてシート状成形物を得た後、シ
ート状成形物に対して放射線照射処理を施してもよい。
【0019】また、放射線照射処理してなるラクトン樹
脂をラミネートしたシート状成形物(本発明の第5)を
得る方法としては、ラクトン樹脂の薄膜を紙やパルプ等
の繊維状物質からなるシート状物と加熱プレスで融着す
る方法や、ラクトン樹脂粉末を紙やパルプ等の繊維状物
質からなるシート状物表面に散布して、加熱プレスで融
着する方法がある。
【0020】さらに、前記放射線照射処理したラクトン
樹脂を構成成分に持つシート状成形物(本発明の第6及
び第7)を得る方法としては、粉末状及び/又は繊維状
のラクトン樹脂と他の粉末状及び/又は繊維状物の混合
物を加熱し、樹脂成分を溶融し、シート状に一体化成形
して成形物を得る方法、更には粉末状及び/又は繊維状
物よりなるシート状物に放射線照射処理をしたラクトン
樹脂を上記の方法等でコートして得る方法が挙げられ
る。放射線照射処理をしていないラクトン樹脂を用い、
同様にしてシート状成形物を得た後、シート状成形物に
対して放射線照射処理を施してもよい。ここで述べる他
の粉末状及び/又は繊維状物というのは、通常他の用途
に使用されている製品でもよいが、特に安価であること
が要求される農業分野に使用する場合は、例えば大鋸
屑、籾ガラ、その他植物より得られる物の粉砕物や、製
紙業の工程より出る粉末状又は繊維状の廃棄物を好まし
く使用される。
【0021】次に、前述の放射線照射処理をしてなるラ
クトン樹脂を含浸させた含浸紙からなる農業用シート
(本発明の第8)を得る方法としては、一般的には、放
射線照射処理されたラクトン樹脂の溶液またはエマルジ
ョン中に紙を浸漬する方法、該ラクトン樹脂の溶液また
はエマルジョンを紙表面へロール塗布、スプレー等によ
り紙にラクトン樹脂の溶液を含ませて、その後、溶媒ま
たは分散媒を乾燥する方法、上記処理をしたラクトン樹
脂粉末または繊維状物と紙原料を混合抄紙後、加熱し樹
脂を溶融する方法、紙の上に該樹脂粉末を散布後、加熱
溶融する方法、該樹脂の薄膜を紙と加熱プレスで融着す
る等の方法が挙げられる。ラクトン樹脂と他の生分解性
樹脂を併用する場合は、含浸方法が便利である。放射線
照射処理をしていないラクトン樹脂を用い、同様にして
農業用シートを得た後、該シートに対して放射線照射処
理を施してもよい。
【0022】一方、本発明に係るシート状物、シート状
成形物、農業用シートに使用される紙は、特に限定され
るものではないが、厚みは、含浸加工を損なわない厚み
であること、各種作業性、特に農作業性を損なわない厚
みであることが好ましい。例えば、農作業性の点から
は、現在使用されているポリオレフィンシートと同等程
度の厚みが好ましい。具体的には1〜0.01mm、好
ましくは、0.3 〜0.05mmである。厚すぎると
1ロール当たりの長さが短くなり、長い畝への敷設が1
ロールでは出来なくなり、薄すぎると強度が不足し、含
浸樹脂量を増やさなければならなくなる。従って坪量も
厚み0.05〜1mmに対応する程度が好ましい。な
お、紙は、中に腐葉土や、バーク等、肥料、農薬成分を
含んだ物であっても構わない。
【0023】放射線照射処理のされたラクトン樹脂の塗
布量、含浸量またはラミネート量は強度、作業性および
経済性の観点から0.5〜20g/m2 、好ましくは、
1〜5g/m2 である。紙の強度は、紙の原材料、製法
により同じ厚みでも大きく変わるので、使用する上記ラ
クトン樹脂の強度との組み合わせで、必要な紙強度を決
定することが好ましい。
【0024】使用する上記ラクトン樹脂の分子量につい
ては、高い分子量のものを使用した場合、少ない樹脂使
用量で目的の強度が得られるので好ましい。例えば、ポ
リカプロラクトンを例に挙げると、放射線照射処理前の
相対粘度1.4未満の樹脂では、補強効果が少ないの
で、それ以上の樹脂を使用するのが好ましい。このよう
にして上記ラクトン樹脂を含浸した紙は、水湿潤時の強
度が上がり、農業用シートとして使用することができる
ようになる。
【0025】一般的に、農業用マルチシートの用途で
は、使用期間の初めの3ヶ月間は作物が小さいので、こ
の間地温の制御や雑草の抑制効果を維持する必要があ
り、シートの耐久性を要する。作物収穫後は、土壌の中
に鋤込んで埋設し、強度を低下させることが好ましい。
本発明のシート状成形物または農業用シートは、これに
適する。以下、具体的に実施例を挙げて説明する。
【0026】
【実施例】(参考例1)ポリカプロラクトンのペレット
(メルトインデックス2.57g/10分)を融点以上
に加熱したのち50℃に冷却し、非晶状態にある内に放
射線としてγ線を60kGyおよび160kGy照射し
たところ、得られた処理ペレットのメルトインデックス
はそれぞれ0.05g/10分(後記ゲル分率60%)
および0.03g/10分(ゲル分率80%)であっ
た。該未処理ペレットおよび処理ペレットを都市下水汚
泥環境下にて、JIS K6950に準じた25℃、4
週間の生分解性試験に供した。その結果、未照射処理品
の分解率が72.1%であったのに対し、照射処理品は
それぞれ86.2%、77.2%であった。更に照射処
理品を200℃のホットプレスでシート状にし、粉砕し
た試料について同様に生分解性試験を行った。その結
果、分解率はそれぞれ87.0%、87.8%であっ
た。照射線種をγ線から電子線に変えて行い、同様の試
験結果を得た。
【0027】(参考例2)参考例1で使用したポリカプ
ロラクトンに電子線の照射量を15kGyとして常温で
照射した。処理ペレット(メルトインデックスは1.0
g/10分,ゲル分率0.2%)を40mmφのT−ダ
イを設けた押出機(樹脂温度150℃)で押し出し、厚
さ約270μのシートを得た。得られたシートについ
て、常温で、引裂試験、JIS K7211に準じた耐
衝撃強度試験およびJIS K6782に準じた引張試
験を行い、同様にシート化した未照射処理品の試験結果
と比較した。その結果、未照射処理品、照射処理品の順
に、引張強度(MD:縦方向)は260、280kgf
・cm、同横方向(TD)は210、230kgf・c
m、引張伸度(MD)は1130、1240%、同TD
は1130、1160%、引裂強度(MD)は160、
270gf、同TDは190、450gf、耐衝撃強度
試験は23.8、25.2kgf・cmとそれぞれ向上
した。
【0028】(実施例1)ポリカプロラクトンのペレッ
ト(メルトインデックス2.57g/10分)に電子線
の照射量を15kGyとして常温で照射した。処理ペレ
ット(メルトインデックスは1.0g/10分,下記ゲ
ル分率0.2%)の5%トルエン溶液を調製し、24g
/m2 の紙に浸漬塗布した。塗布後、温風乾燥し、溶剤
が揮発して質量が一定になったところで、樹脂塗布量
1.9g/m2 の含浸紙を得た。これを屋外の畑の畝に
マルチャーを用いて敷設し、分解性、耐久性の試験に供
した。評価は、耐久性について、シートの破れの発生の
有無を外観で評価した。ゲル分率はアセトン液中で24
時間浸漬した不溶分の割合であり、橋かけ度を表し、次
式により求められる。 ゲル分率(%)=(W2/W1)×100 (ここで、W1は浸漬前のPCLの乾燥重量を表し、W2
は浸漬後の不溶分乾燥重量を表す。)
【0029】(実施例2)実施例1で使用したカプロラ
クトン樹脂の濃度を7%にし、同様の方法で、樹脂塗布
量2.9g/m2 の含浸紙を得た。評価は、実施例1と
同様に行った。結果は第1表に示す。
【0030】(比較例1)実施例1で用いた放射線照射
処理をしていないカプロラクトン樹脂を使用した以外は
実施例1と同様にして含浸紙を得た。評価は、実施例1
と同様に行った。結果は第1表に示す。
【0031】(比較例2)生分解性樹脂のカプロラクト
ン樹脂を使用しないで、紙のみで、実施例1と同様の評
価を行った。結果は第1表に示す。
【0032】(比較例3)従来のポリエチレン(低密度
ポリエチレン)製マルチシート(厚み0.1mm)で、
実施例1と同様の評価を行った。結果は第1表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明に係るシートは、特に農業用シー
トとして用いた場合に見られるように長期にわたり強度
を高く保持する一方、土壌中への鋤込みの可否という生
分解性の点では、充分な生分解性を示すことがわかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三友 宏志 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 (72)発明者 ダルマワン・ダルウィス 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 (72)発明者 村上 禎 千葉県松戸市新松戸南1−323

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線照射処理されてなるラクトン樹脂
    を構成成分として含有することを特徴とするシート状組
    成物。
  2. 【請求項2】 ラクトン樹脂がポリε−カプロラクトン
    である請求項1記載のシート状組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のラクトン樹脂の非
    水溶液またはエマルジョンスラリーが紙に含浸されてシ
    ート状に形成されてなることを特徴とするシート状成形
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のラクトン樹脂が紙
    繊維と共に混抄されてなることを特徴とするシート状成
    形物。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のラクトン樹脂から
    なるフィルムがラミネートされてなることを特徴とする
    シート状成形物。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載のラクトン樹脂であ
    って、粉末状および/または繊維状のものと、ラクトン
    樹脂以外の粉末状および/または繊維状物との混合物か
    らなるシート状成形物。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載のラクトン樹脂が、
    粉末状および/または繊維状物から形成されてなるシー
    ト状物にコートされてなることを特徴とするシート状成
    形物。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載のラクトン樹脂が含
    浸されてなる含浸紙からなることを特徴とする農業用シ
    ート。
JP10338798A 1998-03-12 1998-03-31 ラクトン樹脂を含むシート状物及びシート状成形物 Pending JPH11279295A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4809215B2 (ja) * 2003-06-03 2011-11-09 ビオテック ビオローギッシュ ナチューフェアパックンゲン ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー 生分解性重合体又は重合体ブレンドで被覆又は含浸された繊維シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4809215B2 (ja) * 2003-06-03 2011-11-09 ビオテック ビオローギッシュ ナチューフェアパックンゲン ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー 生分解性重合体又は重合体ブレンドで被覆又は含浸された繊維シート

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